JP4666947B2 - ウインドシールドアセンブリ、乗物および商用の航空機 - Google Patents

Description

発明の分野
この発明は、一般に乗物に関し、特に、乗物のためのウインドシールドに関する。

発明の背景
新しい航空機は、前方胴体が燃料効率の良い空気力学的な形状に設計されており、抵抗が低減され、コックピット前方の視界がより良くなっている。燃費の向上に加え、未来の航空機は２１世紀の航空機を象徴する流れるような美しさを含む。空気力学的な前方胴体の生産における１つの制限要因は、現在知られている平面のコックピットウインドシールドである（図１を参照）。

現在のウインドシールド技術は、効率の良い空気力学的な形状に形作ることができないガラス層を積層した平面の窓を使用する。現在のウインドシールド設計は成熟した技術を用いる。このため、ガラス層の積層物は実質的に平面であり、ほとんどまたは全く湾曲がない（図２を参照）。現在のウインドシールドは、窓ガラスの間にある重いフレームを含む。これらフレームは、胴体と同一平面の滑らかな空気力学的な面を呈しない。結果として、現在のウインドシールドは不必要な抵抗を生じる。さらに、窓ガラスおよび支持フレームを取付けるのに多くの労働時間と付帯経費が必要である。この設計は、少ない労働時間で生産される高度な空気力学を伴う次世代の航空機には好適ではない。したがって、この分野では、取付けが容易な空気力学的な形状のウインドシールドが必要とされている。

発明の概要
この発明は、乗物のための射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートのウインドシールドを提供する。射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートのウインドシールドによって乗物の形状の設計が柔軟になり、かつ空気力学的な抵抗が低減される。さらに、製造および取付けの費用は、現在知られているウインドシールドのものより低減される。射出成形されるウインドシールドは、視界領域が増えかつ航空騒音が低減されたより大きなウインドシールドを提供するため、乗物の乗員にも利点がある。この発明によって従来のウインドシールドのワイパーの排除が可能になるため、抵抗および騒音が低減される。ポリカーボネート材料は、従来のガラスの窓よりも打撃および／または衝撃耐性が高い。

この発明の一局面では、乗物は航空機であり、ボディは航空機の胴体であり、射出成形された窓は射出成形されたウインドシールドである。

この発明の別の局面では、航空機は商用の航空機であり、射出成形されたウインドシールドは胴体に沿うように形作られる。

さらに別の局面では、射出成形されたウインドシールドは、射出成形されたアクリルまたは射出成形されたポリカーボネート材料のうちの少なくとも１つから形成される。

図面を参照して、この発明の好ましい実施例および代替の実施例を詳細に説明する。

発明の詳細な説明
概要として、この発明は、これらに限らないが航空機、列車、戦車、その他の陸上の乗物、船および水中の乗物などの乗物のための、これに限らないがウインドシールドなどの射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートの窓を提供する。

図３および図４に示されるように、これらに限らないが、ボーイング７３７〜７００などの商用の航空機２０は、これらに限らないが、Atoglas V0-44、Dow Chemical Calibre 300-6またはBayer 3103-112などの射出成形されたアクリル、ポリカーボネートのウインドシールド２２を含む。ウインドシールド２２は航空機２０の胴体２４に装着される。ウインドシールド２２は、胴体２４に沿う形状を生成するように予め作られた型で射出成形プロセスによって好適に作られる。ウインドシールド２２は、これに限らないがウインドシールド２２に接合される金属の端縁などのさまざまな留め具機構によって胴体２４にしっかりと装着され、金属の端縁は留め具によって胴体２４のフレーム部材（図示せず）に装着される。射出成形されたウインドシールドまたはキャノピーのためのその他の留め具機構は、２００２年１１月２２日に出願された同時係属中の米国特許出願第１０／０３０，５３９号、およびすべて２００３年２月1３日に出願された米国特許出願連続番号第１０／３６６，９４９号、第１０／３６７，０２４号、第１０／３６７，０６２号、第１０／３６７，０６４号および第１０／３６７，４０４号に図示され、説明されており、これらすべてをここに引用により援用する。

ウインドシールド２２は内部フレームアセンブリなしで実現されるため、存在する唯一の継ぎ目は、ウインドシールド２２が胴体２４に出合うところにある。このことによって、航空機２０の外面が滑らかな空気力学的な形状になるため、有利である。さらに、ウインドシールド２２は内部フレームを含まないため、ウインドシールド２２および装着機構（図示せず）によって加わる重さは、当該分野で現在知られているフレーム付きのウインドシールドの適用よりもずっと少ない。さらに、中間フレーム部材が使用されないため、ウインドシールド２２の胴体２４への装着は、現在知られているフレーム付きのウインドシールドアセンブリよりも労力がずっと少なくてすむ。射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートの窓は、航空機２０またはその他の乗物のさまざまな場所で実現可能であることが理解されるであろう。

図５Ａ〜図５Ｃは、射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートのウインドシールド５２が胴体５４の前方上端部に取付けられた航空機５０の上面図、正面図および側面図である。胴体５４は、胴体５４の前端で狭くなっている。ウインドシールド５２は、胴体５４の形状に沿うように形作られた型で形成される。ウインドシールド５２は胴体５４の端部のまわりに延在して、パイロットが航空機５０の前方および側面の物体を容易に見ることができるようにする。

図６Ａ〜図６Ｃは、胴体７４の上方前端部に沿うように成形された射出成形されたアクリルまたはポリカーボネートウインドシールド７２を含む航空機７０の上面図、正面図および側面図である。胴体７４の先端は弾丸のような丸みをつけられた形状である。ウインドシールド７２は胴体７４の端部のまわりを包み、ほぼ制限のない視界を可能にする。

この発明は、空気力学的な胴体の形状と組合わさると大きく抵抗を低減する。抵抗の低減は性能の向上に等しく、燃料の消費の低減につながる。

射出成形されたウインドシールドは、より大きなウインドシールドで視界領域を増やすため、乗員にも利点がある。さらに、射出成形されたウインドシールドの表面は滑らかなため、フライト中の騒音が低減される。

上述のように、この発明の好ましい実施例を図示し、説明してきたが、この発明の精神および範囲を離れることなく多くの変更が可能である。したがって、この発明の範囲は好ましい実施例の開示によって限定されない。そうではなく、発明は全体的に請求項を参照することで決定されるべきである。

先行技術によって形成されたウインドシールドの斜視図である。 先行技術によって形成されたウインドシールドの部分断面図である。 この発明によるウインドシールドを備えた航空機の斜視図である。 図３に示される航空機の側面図である。 図５Ａ〜図５Ｃはこの発明によって形成されたコックピットウインドシールドを含む胴体構成の図である。 図６Ａ〜図６Ｃはこの発明によって形成されたコックピットウインドシールドを含む胴体構成の図である。

符号の説明

２０ 航空機、２２ ウインドシールド、２４ 胴体。

Claims (7)

1. 胴体を有する航空機のためのウインドシールドアセンブリであって、
   射出成形されたアクリルまたはポリカーボネート材料から形成された、内部フレームアセンブリのないウインドシールドと、
   前記射出成形されたウインドシールドを前記胴体に装着するための機構とを含み、
   前記ウインドシールドが該ウインドシールドと前記胴体とが出合う部分でのみ継ぎ目を有する、ウインドシールドアセンブリ。
2. 前記射出成形されたウインドシールドは、前記胴体に沿うように形作られる、請求項１に記載のウインドシールドアセンブリ。
3. 前記航空機は商用の航空機である、請求項１に記載のウインドシールドアセンブリ。
4. 航空機であって、
   胴体と、
   前記胴体に装着される請求項１に記載のウインドシールドアセンブリとを含む、航空機。
5. 前記航空機は商用の航空機である、請求項４に記載の航空機。
6. 前記ウインドシールドは、前記胴体に沿うように形作られる、請求項４に記載の航空機。
7. 商用の航空機であって、
   コックピットを含む胴体と、
   前記コックピットで前記胴体に装着される請求項１に記載のウインドシールドアセンブリとを含む、商用の航空機。