JP4666179B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、顔検出機能を用いた画像のノイズ低減処理に関する。
特許文献1では、肌色領域内の画素を輝度・色差信号に分解し、ウェーブレット変換して、特定範囲内の肌色領域画素について信号強度を減衰し、しわやしみを取り除く。
特許文献2では、顔の大きさに応じて輪郭強調や階調を変える。これにより、顔領域と別領域で別処理ができる。
特開2005−196270号公報 特開平9−233423号公報
特許文献1では、肌が肌色範囲にない場合、しみ除去処理が行われない。特許文献2では、2つの領域に別処理を施す分、処理時間がかかるし、複雑な制御になる。
本発明は、画角に占める顔の割合によって、しわやしみの除去の重みを変え、背景の解像度劣化を極力減らし、しわやしみの除去と高画質維持を両立させることを目的とする。
本発明に係る画像処理方法は、画像を入力するステップと、画像から顔領域を検出するステップと、検出された顔領域の大きさに基づいて画像の輝度信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定するステップと、画像の輝度信号から決定された周波数帯域を抽出するステップと、画像の輝度信号から抽出された周波数帯域に所定のコアリング処理を施すステップと、を含む。
本発明に係る画像処理方法は、画像を入力するステップと、画像から顔領域を検出するステップと、検出された顔領域の大きさに基づいて画像の色差信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定するステップと、画像の色差信号から決定された周波数帯域を抽出するステップと、画像の色差信号から抽出された周波数帯域に所定のコアリング処理を施すステップと、を含む。
本発明に係る画像処理方法は、画像を入力するステップと、画像の輝度信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離するステップと、画像から顔領域を検出するステップと、検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの重みを決定するステップと、決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、分離周波数成分ごとに所定のコアリング処理を施すステップと、を含む。
本発明に係る画像処理方法は、画像を入力するステップと、画像の色差信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離するステップと、画像から顔領域を検出するステップと、検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの重みを決定するステップと、決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、分離周波数成分ごとに所定のコアリング処理を施すステップと、を含む。
領域の大きさが、予め区分された2つの段階の顔の大きさである第1の大きさと第2の大きさの間に位置する中間の大きさの場合、中間の大きさの顔に対応する重みは、第1の大きさおよび第2の大きさに対応する重みを線形補間することで決定されてもよい。
本発明に係る画像処理装置は、画像を入力する画像入力部と、画像から顔領域を検出する顔検出部と、検出された顔領域の大きさに基づいて画像の輝度信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定する周波数帯域決定部と、画像の輝度信号から決定された周波数帯域を抽出する周波数帯域抽出部と、画像の輝度信号から抽出された周波数帯域に所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、を備える。
本発明に係る画像処理装置は、画像を入力する画像入力部と、画像から顔領域を検出する顔検出部と、検出された顔領域の大きさに基づいて画像の色差信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定する周波数帯域決定部と、画像の色差信号から決定された周波数帯域を抽出する周波数帯域抽出部と、画像の色差信号から抽出された周波数帯域に所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、を備える。
本発明に係る画像処理装置は、画像を入力する画像入力部と、画像の輝度信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離する分離部と、画像から顔領域を検出する顔検出部と、検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの重みを決定する重み決定部と、決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、分離周波数成分ごとに所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、を備える。
本発明に係る画像処理装置は、画像を入力する画像入力部と、画像の色差信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離する分離部と、画像から顔領域を検出する顔検出部と、検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの重みを決定する重み決定部と、決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、分離周波数成分ごとに所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、を備える。
上記の画像処理方法をコンピュータに実行させる画像処理プログラムも本願発明に含まれる。
上記の画像処理装置と、撮影光学系を介して被写体像を受光し、該被写体像を示すアナログ画像信号を出力する撮像素子と、アナログ画像信号をデジタル画像データに変換して画像入力部に出力する画像出力部と、を備える撮像装置も本願発明に含まれる。
本発明では、顔領域の大きさに応じてノイズリダクションの強弱を変化させるから、人物被写体の美肌効果と周囲の背景画質維持の両立が可能である。
<第1実施形態>
図1はデジタルカメラ2の電気的構成を示す。図1(a)に示すように、デジタルカメラ10は、レンズを含んで構成された光学ユニット22と、レンズの光軸後方に配設されたCCD24と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部26と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するメモリ72の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種の画像処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。
ここで、CDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素ごとの出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD44に表示させるための信号を生成してLCD44に供給するLCDインタフェース42と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)50と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成されたメモリ72と、メモリ72に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース70と、スマートメディア(Smart Media(R))により構成されたメモリカード82をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース80と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路86と、を含んで構成されている。
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース42、CPU50、メモリインタフェース70、外部メモリインタフェース80、および圧縮・伸張処理回路86はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU50は、デジタル信号処理部30および圧縮・伸張処理回路86の作動の制御、LCD44に対するLCDインタフェース42を介した各種情報の表示、メモリ72およびメモリカード82へのメモリインタフェース70ないし外部メモリインタフェース80を介したアクセスを行うことができる。
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU50によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
さらに、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた焦点調整モータ、ズームモータおよび絞り駆動モータの駆動もCPU50によりモータ駆動部34を介して制御される。
すなわち、本実施の形態に係る光学ユニット22に含まれるレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータおよび絞り駆動モータは含まれるものであり、焦点調整モータ、ズームモータおよび絞り駆動モータは各々CPU50の制御下でモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
CPU50は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御して光学ユニット22に含まれるレンズ21の焦点距離を変化させる。
また、CPU50は、CCD24による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
さらに、レリーズボタン、電源スイッチ、モード切替スイッチ、十字カーソルボタン、および強制発光スイッチの各種ボタン類およびスイッチ類(これらを「操作部90」と総称)はCPU50に接続されており、CPU50は、これらの操作部90に対する操作状態を常時把握できる。
また、デジタルカメラ10には、ストロボ62とCPU50との間に介在されると共に、CPU50の制御によりストロボ62を発光させるための電力を充電する充電部60が備えられている。さらに、ストロボ62はCPU50にも接続されており、ストロボ62の発光はCPU50によって制御される。
光学ユニット22に含まれるレンズ駆動機能、CCD24、タイミングジェネレータ32、およびモータ駆動部34が本発明の撮像手段に、アナログ信号処理部26、ADC28、およびデジタル信号処理部30が本発明の信号処理手段に、ストロボ62が本発明の発光手段に、充電部60が本発明の充電手段に、CPU50が本発明の間欠作動手段に、各々相当する。
顔検出部91は、メモリ72のデジタル画像データから人物の顔部分を含む領域である顔領域を特定する。顔領域の検出方法としては、例えば本出願人による特許公開2007−124112号公報において開示された技術を適用することができる。
すなわち、顔検出部91は、撮影された画像の画像データP0′を読み込み、画像P0′中の顔部分P0f′を検出する。具体的には、特開2005−108195号公報に記載されているように、画像P0′の各画素におけるエッジの向きと大きさを表す勾配ベクトルの向きを表す第1の特徴量を、複数の第1の識別器に入力することによって画像P0′中に顔候補領域が存在するかどうかを判定し、さらに、顔候補領域が存在する場合には、その領域を抽出し、抽出された顔候補領域の各画素における勾配ベクトルの大きさを正規化し、正規化後の勾配ベクトルの大きさと向きを表す第2の特徴量を、第2の識別器に入力することによって、抽出された顔候補領域が真の顔領域であるかどうかを判定し、真の顔領域であれば、その領域を顔部分P0f′として検出することが考えられる。ここで、第1/第2の識別器は、学習用サンプルとなる顔であることがわかっている複数の画像と顔でないことがわかっている複数の画像の各々について算出された第1/第2の特徴量を入力とする、AdaBoost等のマシンラーニングの手法を用いた学習処理によって各々得られたものである。
なお、顔部分P1fの検出方法としては、特表2004−527863号公報に記載されているような固有顔表現と画像自体との相関スコアを用いる方法の他、肌色検出、知識ベース、特徴抽出、テンプレートマッチング、グラフマッチング、統計的手法(ニューラルネットワーク、SVM、HMM)等の様々な公知の手法を用いることができる。
図1(b)に示すように、デジタル信号処理部30は、輝度/色差信号分離部30a、顔大きさ判断部30b、輝度信号ノイズ低減処理部30cを含む。これらの機能については後述する。
次に、撮影時におけるデジタルカメラ10の全体的な動作について簡単に説明する。
光学ユニット22を介した撮像によってCCD24から出力された被写体像を示す信号は順次アナログ信号処理部26に入力されて相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理が施された後にADC28に入力され、ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に出力する。
デジタル信号処理部30は内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ72の所定領域に格納する。
メモリ72の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU50による制御下でデジタル信号処理部30によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理およびシャープネス処理を行って8ビットのデジタル画像データを生成し、さらにYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ72の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
なお、LCD44は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD44をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース42を介して順次LCD44に出力する。これによってLCD44にスルー画像が表示されることになる。
ここで、レリーズボタンがユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ72に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路86によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース80を介してメモリカード82に記録することによって撮影が行われる。
なお、CPU50は、当該撮影の際に、強制発光スイッチによって強制発光モードが設定されている場合にはストロボ62を強制的に発光させる。また、強制発光モードが設定されていない場合であっても、CCD24を介して得られた画像情報により示される被写体の測光レベルが所定レベルより低い場合には、CPU50はストロボ62を発光させる。
そして、CPU50は、このようなストロボ62の発光に備えて、充電部60による充電量が十分でない場合には、前述のLCD44へのスルー画像の表示動作と並行して充電部60を充電させるストロボ充電処理を実行する。
次に、図2のフローチャートを参照し、カメラ10の実行する美肌処理の流れを説明する。
S1では、輝度/色差信号分離部30aは、ADC28から出力されたオリジナルの撮影画像のR,G,Bデータを輝度信号Y、色差信号Cr、Cbに変換するYC処理を行う。輝度/色差信号分離部30aは、輝度信号Yを輝度信号ノイズ低減処理部30cに送る。
S2では、顔検出部91は、顔領域の検出を試みる。そして、顔領域の検出に成功した場合はS3に進む。
S3では、顔大きさ判断部30bは、顔検出部91の検出した顔領域に基づき、その大きさを取得する。顔大きさ判断部30bは、当該顔領域の大きさが、所定の閾値(例えば、検出した顔領域の横幅が、全画面の画素横幅の1/8)以上であるか否かを判断する。顔領域の大きさが所定の閾値以上である場合はS4、顔領域の大きさが所定の閾値未満である場合はS5に進む。
S4では、輝度信号ノイズ低減処理部30cは、輝度信号Yの高域成分のノイズ成分を第1のローパスフィルタL1(図3参照)でカットすることで、低域成分の輝度信号Y1を生成する。
S5では、輝度信号ノイズ低減処理部30cは、輝度信号Yの高域成分のノイズ成分を、第2のローパスフィルタL2(図3参照)でカットすることで、輝度信号Y1を生成する。第2のローパスフィルタL2は、第1のローパスフィルタL1よりも広域カット範囲が狭い。
S6では、輝度信号ノイズ低減処理部30cは、図示しない減算器により、オリジナルの輝度信号Yから輝度信号Y1を減算して、高周波成分の差分信号Ydを抽出する。
S7では、差分信号Ydに対し、ノイズリダクションを施し、ノイズ低減した高周波成分の差分信号Y2を生成する。これは例えば、コアリング処理により行われる。すなわち、図4に示すように、差分信号Ydのうち、小さな振幅の信号を通さないようにする処理であり、所定の振幅より小さな振幅の信号をノイズ信号とみなして除去あるいは抑制して出力する処理である。
S8では、輝度信号ノイズ低減処理部30cは、図示しない加算器により、信号Y1と信号Y2とを合成し、最終輝度信号Y3を生成する。最終輝度信号Y3は、オリジナルの輝度信号Yの高周波成分Ydから、小さな振幅の信号(しみやしわに相当)のみが除去され、大きい振幅の信号(背景に相当)は残されたものである。
この処理による画像処理の具体例を示すと図5・図6のようになる。図5は顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図6は顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合を想定している。
図5(a)に示すように、オリジナルの撮影画像IM1の顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図5(b)に例示する第1のローパスフィルタL1を用いて低域成分の輝度信号Y1が得られる。
次に、図5(a)に示すように、オリジナルの輝度信号Yから低域成分の輝度信号Y1を減算すると、高周波成分の差分信号Ydが抽出される。これに対してコアリング処理などのノイズリダクションを施し、小振幅のノイズのみ低減した高周波成分の差分信号Y2を得る。そして、低域成分の輝度信号Y1と小振幅のノイズのみ低減した差分信号Y2とを加算することで、最終輝度信号Y3を生成する。このY3とCr、Cbからなる画像データが、美肌処理の施された最終画像データIM2である。
一方、図6(a)に示すように、オリジナルの撮影画像IM1の顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合、図6(b)に例示する第2のローパスフィルタL2によって、輝度信号の高域成分のみがカットされた低域成分の輝度信号Y1が得られる。
次に、図6(a)に示すように、オリジナルの輝度信号Yから低域成分の輝度信号Y1を減算すると、高周波成分の差分信号Ydが抽出される。これに対してコアリング処理などのノイズリダクションを施し、小振幅のノイズのみ低減した高周波成分の差分信号Y2を得る。そして、低域成分の輝度信号Y1と差分信号Y2とを加算することで、最終輝度信号Y3を生成する。このY3とCr、Cbからなる画像データが、美肌処理の施された最終画像データIM2である。
同じ被写体を撮影したとき、顔を大きく撮影した時と小さく撮影した時とでは、顔表面のしわやしみの出方は異なり、小さいときには顔のディテールが落ちることから、顔の大きいときに視認できた細かなしわやしみは、あまり感じられなくなる。
そこで、顔領域が小さいときのローパスフィルタL2は、顔領域が大きいときのローパスフィルタL1よりも高域カット範囲を小さくし、より狭い範囲の高域成分Ydを抽出する。
顔領域が小さい場合の高周波成分の差分信号Ydの周波数範囲は、顔領域が大きい場合よりも狭くなる。しかし、上述したように、小さいときには顔のディテールが落ちることから、顔の大きいときにあった細かなしわやしみは、あまり感じられなくなるから、この狭い範囲でのノイズリダクション処理でも、効果は十分である。
また、顔領域が小さい場合の高周波成分の差分信号Ydの周波数範囲は、顔領域が大きい場合よりも狭くなるから、従来では不必要に消されていた背景部分のディテールが、ノイズリダクションを施してもカットされずに残る。つまり、美肌効果と周囲の背景画質維持の両立が可能である。
<第2実施形態>
図7は第2実施形態に係るカメラ10のデジタル信号処理部30の詳細構成を示す。デジタル信号処理部30は、色差信号ノイズ低減処理部30dを含む。他の実施形態と同一のブロックには同一の符号を付している。
図8は、カメラ10の実行する第2実施形態に係る美肌処理の流れを説明する。
S11では、輝度/色差信号分離部30aは、ADC28から出力されたオリジナルの撮影画像のR,G,Bデータを輝度信号Y、色差信号Cr、Cb(これらの色差信号をまとめてCで表す)に変換するYC処理を行う。輝度/色差信号分離部30aは、色差信号Cを色差信号ノイズ低減処理部30dに送る。
S12では、顔検出部91は、顔領域の検出を試みる。そして、顔領域の検出に成功した場合はS13に進む。
S13では、顔大きさ判断部30bは、顔検出部91の検出した顔領域に基づき、その大きさを取得する。顔大きさ判断部30bは、当該顔領域の大きさが、所定の閾値(例えば、検出した顔領域の横幅が、全画面の画素横幅の1/8)以上であるか否かを判断する。顔領域の大きさが所定の閾値以上である場合はS14、顔領域の大きさが所定の閾値未満である場合はS15に進む。
S14では、色差信号ノイズ低減処理部30dは、色差信号Cの高域成分のノイズ成分を第1のローパスフィルタL1(図9(b)参照)でカットすることで、低域成分の色差信号C1を生成する。
S15では、色差信号ノイズ低減処理部30dは、色差信号Cの高域成分のノイズ成分を、第2のローパスフィルタL2(図10(b)参照)でカットすることで、低域成分の色差信号C1を生成する。第2のローパスフィルタL2は、第1のローパスフィルタL1よりも広域カット範囲が狭い。
S16では、色差信号ノイズ低減処理部30dは、図示しない減算器により、オリジナルの色差信号Cから色差信号C1を減算して、高周波成分の差分信号Cdを抽出する。
S17では、差分信号Cdに対し、ノイズリダクションを施し、ノイズ低減した高周波成分の差分信号C2を生成する。これは例えば、コアリング処理により行われる。すなわち、差分信号Cdのうち、小さな振幅の信号を通さないようにする処理であり、所定の振幅より小さな振幅の信号をノイズ信号とみなして除去あるいは抑制して出力する処理である。
S18では、色差信号ノイズ低減処理部30dは、図示しない加算器により、色差信号C1と、信号C2と合成し、最終色差信号C3を生成する。最終色差信号C3は、オリジナルの色差信号CをフィルタL1に通して得られた高周波成分Cdから、小さな振幅の信号(しみやしわに相当)のみが除去され、大きい振幅の信号(背景に相当)は残されたものである。
この処理による画像処理の具体例を示すと図9・図10のようになる。図9は顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図10は顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合を想定している。
図9(a)に示すように、オリジナルの撮影画像IM1の顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図9(b)に例示するような使用する第1のローパスフィルタL1によって、色差信号の高域成分のみがカットされた低域の色差信号C1が得られる。
次に、図9(a)に示すように、オリジナルの色差信号Cから色差信号C1を減算すると、高周波成分の差分信号Cdが抽出される。これに対してコアリング処理などのノイズリダクションを施し、ノイズ低減した高周波成分の差分信号C2を得る。そして、低域の色差信号C1と差分信号C2とを加算することで、最終色差信号C3を生成する。このCとYとからなる画像データが、美肌処理の施された最終画像データIM2である。
一方、図10(a)に示すように、オリジナルの撮影画像IM1の顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合、図10(b)に例示するような使用する第2のローパスフィルタL2によって、輝度信号の高域成分のみがカットされた低域の色差信号C1が得られる。
次に、図10(a)に示すように、オリジナルの色差信号Cから色差信号C1を減算すると、高周波成分の差分信号Cdが抽出される。これに対してコアリング処理などのノイズリダクションを施し、ノイズ低減した高周波成分の差分信号C2を得る。そして、低域の色差信号C1と差分信号C2とを加算することで、最終色差信号C3を生成する。このCとYとからなる画像データが、美肌処理の施された最終画像データIM2である。
同じ被写体を撮影したとき、顔を大きく撮影した時と小さく撮影した時とでは、顔表面の色むらの出方は異なり、顔の小さいときには肌の面積が少ないことから、色むらはあまり感じられなくなる。よって、顔の大きさによって、色差信号についてもノイズリダクション効果を変える方が望ましいといえる。
そこで、顔領域が小さいときのローパスフィルタL2は、顔領域が大きいときのローパスフィルタL1よりも高域カット範囲を大きくし、顔の大きさによって、より狭い範囲の高域成分Cdを抽出する。
顔領域が小さい場合の高周波成分の差分信号Cdの周波数範囲は、顔領域が大きい場合よりも狭くなる。しかし、上述したように、小さいときには顔のディテールが落ち、顔の大きいときにあった細かな色むらは、あまり感じられなくなるから、この狭い範囲でのノイズリダクション処理でも、効果は十分であるし、また、従来と異なり、顔が小さい場合は、弱いノイズリダクション処理で済ませるため、背景部分の色にじみやボケの発生も防げる。つまり、美肌効果と周囲の背景画質維持の両立が可能である。
<第3実施形態>
図11は第3実施形態に係るカメラ10のデジタル信号処理部30の詳細構成を示す。デジタル信号処理部30は、輝度信号周波数分解部30e、各周波数帯域輝度信号ノイズ低減処理部30fを含む。他の実施形態と同一のブロックには同一の符号を付している。
図12は、カメラ10の実行する第3実施形態に係る美肌処理の流れを説明する。
S21,S22は、それぞれS1、S2と同様である。
S23では、各周波数帯域輝度信号ノイズ低減処理部30fは、輝度信号Yから、段階的に区分された複数の周波数帯域(例えば高・中・低の3段階)に対応する周波数成分を、抽出する。
S24は、S2と同様、顔領域の検出が成功したか否かを判断し、成功したと判断した場合、S25に進む。
S25では、顔大きさ判断部30bは、当該顔領域の大きさが、所定の閾値(例えば、検出した顔領域の横幅が、全画面の画素横幅の1/8)以上であるか否かを判断する。顔領域の大きさが所定の閾値以上である場合はS26、顔領域の大きさが所定の閾値未満である場合はS27に進む。
S26では、輝度信号Yの各周波数成分に対し、顔が大きい場合の第1のノイズリダクションを施す。例えば、図13の重みテーブルで示すように、高周波数帯域の成分にはノイズ低減効果の大きい処理(例えばコアリング処理でカットする低周波数領域を大きくする)を行い、中周波数帯域の成分にはノイズ低減効果の大きい処理を行い、低周波数帯域の成分にはノイズ低減効果の大きい処理を行うといったように、周波数帯域ごとに対応するノイズリダクションの重みを決め、それに応じて周波数帯域ごとに重みづけされたノイズリダクション処理を各周波数成分に施すことで、輝度信号Yから、しみやしわに相当する周波数成分のみを取り除く。
S27では、輝度信号Yの各周波数成分に対し、顔が小さい場合の第2のノイズリダクションを施す。例えば、図13のテーブルで示すように、高周波数帯域にはノイズ低減効果の大きい処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を大きくする)を行い、中周波数帯域にはノイズ低減効果の中間程度の処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を中程度にする)を行い、低周波数帯域にはノイズ低減効果の小さい処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を小さくする)を行うといったように、周波数帯域ごとに対応するノイズリダクションの重みを決め、それに応じて周波数帯域ごとに重みづけされたノイズリダクション処理を各周波数成分に施すことで、輝度信号Yから、しみやしわに相当する周波数部分のみを取り除く。
この処理による画像処理の具体例を示すと図14・図15のようになる。図14は顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図15は顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合を想定している。
図14に示すように、オリジナル画像データIM1から輝度信号Yを抽出し、さらに、輝度信号Yを高中低の3つの周波数帯域に分離する。次に、各周波数帯の小振幅成分をノイズ(しみ、しわ)とみなし、図13のテーブルに従って各周波数帯域ごとにコアリングの重みづけをして、各周波数帯域ごとにノイズリダクション処理を施す。
図15に示すように、オリジナル画像データIM1から輝度成分Yを抽出し、さらに、輝度成分Yを高中低の3つの周波数帯域に分離する。次に、各周波数帯の小振幅成分をノイズ(しみ、しわ)とみなし、図13のテーブルに従って各周波数帯域ごとにコアリングの重みづけをして、各周波数帯域ごとにノイズリダクション処理を施す。
顔領域が小さい場合、ノイズ成分(しみ、しわ)は、高周波数側にシフトする。これは、顔領域の解像度が低下し、高解像度下ではくっきりしていたノイズ成分がぼやけてくる、すなわち、画像としての顔領域表面の周波数特性が、顔領域が小さくなるにつれて低周波数側に集まるためである。
顔領域が小さい場合、高周波帯域側のノイズリダクションのみで十分所期の効果が達成でき、低周波帯域側のノイズリダクションは、あまり意味がない。よって、顔領域が小さい場合、低周波帯域側のノイズリダクションに対して特に大きな重みづけをする。
このように、顔の大きさに応じて、ノイズとして除去する輝度信号の周波数帯域を変えることで、より精度の高いノイズリダクション効果を得ることができる。
<第4実施形態>
図17は第4実施形態に係るカメラ10のデジタル信号処理部30の詳細構成を示す。デジタル信号処理部30は、色差信号周波数分解部30g、各周波数帯域色差信号ノイズ低減処理部30hを含む。他の実施形態と同一のブロックには同一の符号を付している。
図18は、カメラ10の実行する第4実施形態に係る美肌処理の流れを説明する。
S31,S32は、それぞれS1、S2と同様である。
S33では、各周波数帯域色差信号ノイズ低減処理部30hは、色差信号Cから、段階的に区分された複数の周波数帯域(例えば、「高」、「中」、「低」の3つの帯域)に対応する周波数成分を、抽出する。
S34は、S2と同様、顔領域の検出が成功したか否かを判断し、成功したと判断した場合、S35に進む。
S35では、顔大きさ判断部30bは、当該顔領域の大きさが、所定の閾値(例えば、検出した顔領域の横幅が、全画面の画素横幅の1/8)以上であるか否かを判断する。顔領域の大きさが所定の閾値以上である場合はS36、顔領域の大きさが所定の閾値未満である場合はS37に進む。
S36では、色差信号Cの各周波数成分に対し、顔が大きい場合の第1のノイズリダクションを施す。例えば、図18のテーブルで示すように、高周波数帯域にはノイズ低減効果の大きい処理(例えばコアリング処理でカットする低周波数領域を大きくする)を行い、中周波数帯域にはノイズ低減効果の大きい処理を行い、低周波数帯域にはノイズ低減効果の大きい処理を行うといったように、周波数帯域ごとに対応するノイズリダクションの重みを決め、それに応じて周波数成分ごとに重みづけされたノイズリダクション処理を施す。
S37では、色差信号Cの各周波数成分に対し、顔が小さい場合の第2のノイズリダクションを施す。例えば、図18のテーブルで示すように、高周波数帯域にはノイズ低減効果の大きい処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を大きくする)を行い、中周波数帯域にはノイズ低減効果の中間程度の処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を中程度にする)を行い、低周波数帯域にはノイズ低減効果の小さい処理(例えばコアリング処理でカットする周波数帯域を小さくする)を行うといったように、周波数帯域ごとに対応するノイズリダクションの重みを決め、それに応じて周波数成分ごとに重みづけされたノイズリダクション処理を施す。
この処理による画像処理の具体例を示すと図19・図20のようになる。図19は顔領域の大きさが所定の閾値以上であった場合、図20は顔領域の大きさが所定の閾値未満であった場合を想定している。
図19に示すように、オリジナル画像データIM1から色差信号Cを抽出し、さらに、高中低の3つの周波数帯域に分離する。次に、各周波数帯の小振幅成分をノイズ(しみ、しわ)とみなし、図18のテーブルに従って各周波数帯域ごとにコアリングの重みづけをして、ノイズリダクション処理を施す。
図20に示すように、オリジナル画像データIM1から色差信号Cを抽出し、さらに、高中低の3つの周波数帯域に分離する。次に、各周波数帯の小振幅成分をノイズ(しみ、しわ)とみなし、図18のテーブルに従って各周波数帯域ごとにコアリングの重みづけをして、ノイズリダクション処理を施す。
顔領域が小さい場合、ノイズ成分(しみ、しわ)は、高周波数側にシフトする。これは、顔領域の解像度が低下し、高解像度下ではくっきりしていたノイズ成分がぼやけてくるすなわち、画像としての顔領域表面の周波数特性が、顔領域が小さくなるにつれて低周波数側に集まるためである。
顔領域が小さい場合、高周波帯域側のノイズリダクションのみで十分所期の効果が達成でき、低周波帯域側のノイズリダクションは、あまり意味がない。よって、顔領域が小さい場合、低周波帯域側のノイズリダクションに対して特に重みづけをする。
このように、顔の大きさに応じて、ノイズとして除去する色差信号の周波数帯域を変えることで、より精度の高いノイズリダクション効果を得ることができる。
<第5実施形態>
図21は第5実施形態に係るカメラ10のデジタル信号処理部30の詳細構成を示す。他の実施形態と同一のブロックには同一の符号を付している。
図22は、カメラ10の実行する第5実施形態に係る美肌処理の流れを説明する。
S41〜S44は、S21〜S24と同様である。
S45では、顔領域の大きさが「大きい」か否かを判断する。例えば図23の顔サイズ判定テーブルに従い、顔領域の横サイズと全画像の横サイズの比が7/8以上であれば、大きいと判断する。そして、大きいと判断した場合、S46に進む。
S46では、各周波数帯域輝度信号ノイズ低減処理部30fは、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する輝度信号Yの各周波数帯の重みを決定し、その重みに従って各周波数成分にノイズリダクション処理を施す。図24は、顔領域の大きさに対応する重みを規定した重みテーブルの一例を示す。S46では、「大きい」場合に対応する重み、すなわち高周波帯域では「大」、中周波帯域では「大」、小周波帯域では「大」の重みが与えられる。これはS26と同様である。
S47では、顔領域の大きさが「小さい」か否かを判断する。例えば図23の顔サイズ判定テーブルに従い、顔領域の横サイズと全画像の横サイズの比が1/8未満であれば、小さいと判断する。そして、小さいと判断した場合、S48に進む。小さいと判断しない場合、S49に進む。
S48では、各周波数帯域輝度信号ノイズ低減処理部30fは、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する輝度信号Yの各周波数帯の重みを決定し、その重みに従って各周波数成分にノイズリダクション処理を施す。
図24は、顔領域の大きさに対応する重みを規定した重みテーブルの一例を示す。S48では、顔が「小さい」場合に対応する重み、すなわち高周波帯域では「大」、中周波帯域では「中」、小周波帯域では「小」の重みが与えられる。これはS27と同様である。
S49では、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する各周波数帯の重みと、「小さい」場合に対応する各周波数帯の重みとを線形補間することで、顔領域の大きさが「中間」場合に対応する各周波数帯の重みを算出する。
例えば、図25が、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する輝度信号Yの高、中、低の各周波数帯の重みをパラメータ「Y_BL_H」、「Y_BL_M」、「Y_BL_L」で、あるいは「小さい」場合に対応する高、中、低の各周波数帯の重みをパラメータ「Y_BS_H」、「Y_BS_M」、「Y_BS_L」で、一般的に表したものとする。この場合、図26に例示するような、各周波数帯ごとの線形補間式により、高、中、低の各周波帯に対応する重み「Y_BX_H」、「Y_BX_M」、「Y_BX_L」を算出する。
これにより、顔の大きさが中間の場合でも、周波数帯に応じて輝度信号Yの適切なノイズリダクションが可能であり、顔の大きさが中途半端な場合に不適切なパラメータでノイズリダクションがされてハンチング現象が発生することを防げる。
<第6実施形態>
図27は第6実施形態に係るカメラ10のデジタル信号処理部30の詳細構成を示す。他の実施形態と同一のブロックには同一の符号を付している。
図28は、カメラ10の実行する第6実施形態に係る美肌処理の流れを説明する。
S51〜S54は、S31〜S34と同様である。
S55では、顔領域の大きさが「大きい」か否かを判断する。例えば図29の顔サイズ判断テーブルに従い、顔領域の横サイズと全画像の横サイズの比が7/8以上であれば、大きいと判断する。そして、大きいと判断した場合、S56に進む。
S56では、各周波数帯域色差信号ノイズ低減処理部30hは、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する色差信号Cの各周波数帯の重みを決定し、その重みに従って各周波数成分にノイズリダクション処理を施す。図30は、顔領域の大きさに対応する重みを規定したテーブルの一例を示す。S56では、「大きい」場合に対応する重み、すなわち高周波帯域では「大」、中周波帯域では「大」、小周波帯域では「大」の重みが与えられる。これはS36と同様である。
S57では、顔領域の大きさが「小さい」か否かを判断する。例えば図30の顔サイズ判断テーブルに従い、顔領域の横サイズと全画像の横サイズの比が1/8未満であれば、小さいと判断する。そして、小さいと判断した場合、S58に進む。小さいと判断しない場合、S59に進む。
S58では、各周波数帯域色差信号ノイズ低減処理部30hは、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する色差信号Cの各周波数帯の重みを決定し、その重みに従って各周波数成分にノイズリダクション処理を施す。
図31は、顔領域の大きさに対応する重みを規定した重みテーブルの一例を示す。S56では、「大きい」場合に対応する重み、すなわち高周波帯域では「大」、中周波帯域では「中」、小周波帯域では「小」の重みが与えられる。これはS37と同様である。
S59では、顔領域の大きさが「中間」場合に対応する各周波数帯の重みおよび「小さい」場合に対応する各周波数帯の重みを、線形補間することで、顔領域の大きさが「中間」場合に対応する各周波数帯の重みを算出する。
例えば、図31が、顔領域の大きさが「大きい」場合に対応する色差信号Cの高、中、低の各周波数帯の重みをパラメータ「C_BL_H」、「C_BL_M」、「C_BL_L」で、あるいは「小さい」場合に対応する高、中、低の各周波数帯の重みをパラメータ「C_BS_H」、「C_BS_M」、「C_BS_L」で、一般的に表したものとする。この場合、図32に例示するような各周波数帯ごとの線形補間式により、高、中、低の各周波帯に対応する重み「C_BX_H」、「C_BX_M」、「C_BX_L」を算出する。
これにより、顔の大きさが中間の場合でも、周波数帯に応じて色差信号Cの適切なノイズリダクションが可能であり、顔の大きさが中途半端な場合に不適切なパラメータでノイズリダクションがされてハンチング現象が発生することを防げる。
デジタルカメラの電気的構成および第1実施形態に係るデジタル信号処理部の詳細構成を示す図 第1実施形態に係る美肌処理のフローチャート ローパスフィルタL1・L2の一例を示す図 コアリング処理で画像信号に重畳される関数の一例を示す図 第1実施形態において顔領域が大きい場合の処理の流れを例示した図 第1実施形態において顔領域が小さい場合の処理の流れを例示した図 第2実施形態に係るデジタル信号処理部のブロック図 第2実施形態に係る美肌処理のフローチャート 第2実施形態において顔領域が大きい場合の処理の流れを例示した図 第2実施形態において顔領域が小さい場合の処理の流れを例示した図 第3実施形態に係るデジタル信号処理部のブロック図 第3実施形態に係る美肌処理のフローチャート 第3実施形態に係る重みテーブルを例示した図 第3実施形態において顔領域が大きい場合の処理の流れを例示した図 第3実施形態において顔領域が小さい場合の処理の流れを例示した図 第4実施形態に係るデジタル信号処理部のブロック図 第4実施形態に係る美肌処理のフローチャート 第4実施形態に係る重みテーブルを例示した図 第4実施形態において顔領域が大きい場合の処理の流れを例示した図 第4実施形態において顔領域が小さい場合の処理の流れを例示した図 第5実施形態に係るデジタル信号処理部のブロック図 第5実施形態に係る美肌処理のフローチャート 第5実施形態に係る顔サイズ判定テーブルを例示した図 第5実施形態に係る重みテーブルを例示した図 第5実施形態に係るパラメータ化された重みテーブルを例示した図 第5実施形態に係る線形補間による顔領域の重みの算出式を例示した図 第6実施形態に係るデジタル信号処理部のブロック図 第6実施形態に係る美肌処理のフローチャート 第6実施形態に係る顔サイズ判定テーブルを例示した図 第6実施形態に係る重みテーブルを例示した図 第6実施形態に係るパラメータ化された重みテーブルを例示した図 第6実施形態に係る線形補間による顔領域の重みの算出式を例示した図
符号の説明
30:デジタル信号処理部、30a:輝度/色差信号分離部、30b:顔大きさ判断部、30c:輝度信号ノイズ低減処理部、30d:色差信号ノイズ低減処理部、30e:輝度信号周波数分解部、30f:各周波数帯域輝度信号ノイズ低減処理部、30g:色差信号周波数分解部、30h:各周波数帯域色差信号ノイズ低減処理部、91:顔検出部

Claims (4)

  1. 画像を入力するステップと、
    前記画像から顔領域を検出するステップと、
    前記検出された顔領域の大きさに基づいて前記画像の色差信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定するステップと、
    前記画像の色差信号から前記決定された周波数帯域を抽出するステップと、
    前記画像の色差信号から抽出された周波数帯域に前記所定のコアリング処理を施すステップと、
    を含む画像処理方法。
  2. 画像を入力するステップと、
    前記画像の色差信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離するステップと、
    前記画像から顔領域を検出するステップと、
    前記検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの
    重みを決定するステップと、
    前記決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、前記分離周波数成分ごとに所定のコ
    アリング処理を施すステップと、
    を含む画像処理方法。
  3. 画像を入力する画像入力部と、
    前記画像から顔領域を検出する顔検出部と、
    前記検出された顔領域の大きさに基づいて前記画像の色差信号に対する所定のコアリング処理を施す周波数帯域を決定する周波数帯域決定部と、
    前記画像の色差信号から前記決定された周波数帯域を抽出する周波数帯域抽出部と、
    前記画像の色差信号から抽出された周波数帯域に前記所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、
    を備える画像処理装置。
  4. 画像を入力する画像入力部と、
    前記画像の色差信号を所定の複数の周波数帯域に応じた複数の周波数成分に分離する分離部と、
    前記画像から顔領域を検出する顔検出部と、
    前記検出された顔領域の大きさに基づいてコアリング処理を施す分離周波数成分ごとの重みを決定する重み決定部と、
    前記決定された分離周波数成分ごとの重みに応じ、前記分離周波数成分ごとに所定のコアリング処理を施すノイズリダクション処理部と、
    を備える画像処理装置。
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