JP4666124B2 - 計量容器の排出機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨材や水といったコンクリート材料を計量するための計量容器の排出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートを現場配合する際、水量がコンクリート強度等に大きな影響を及ぼすため、練混ぜ時に十分管理する必要があるが、配合材料である骨材は、その貯蔵状況や気候条件等によって含水状態が異なり、湿潤状態の骨材を用いるとコンクリート中の水量が骨材の表面水の量だけ増加し、乾燥状態の骨材を用いるとコンクリート中の水量は有効吸水量だけ減少する。
【0003】
そのため、骨材の乾湿程度に応じて練混ぜ時の水量を補正し示方配合通りのコンクリートを製造することが、コンクリートの品質を維持する上できわめて重要な事項となる。
【0004】
ここで、湿潤状態における表面水の水量(細骨材の表面に付着している水量)を表乾状態(表面乾燥飽水状態)の細骨材の質量で除した比率を表面水率と呼んでいるが、貯蔵されている骨材、特に細骨材は一般に濡れていることが多いため、かかる表面水率を骨材の乾湿程度の指標として予め測定し、その測定値に基づいて練混ぜ水量を調整するのが一般的である。
【0005】
そして、このような表面水率の測定は、従来、細骨材が貯蔵されたストックビンと呼ばれる貯蔵容器から少量の試料を採取してその質量及び絶乾状態での質量を計測し、次いで、これらの計測値と予め測定された表乾状態の吸水率とを用いて算出していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような測定方法では、わずかな試料から全体の表面水率を推測しているにすぎないため、精度の面でどうしても限界がある一方、絶乾状態の質量を計測するにはバーナー等による加熱作業が必要となるため、実際に使用する量に近い量を採取してこれを試料とすることは、経済性や時間の面で非現実的であるという問題を生じていた。
【0007】
また、このような問題を補うべく、練混ぜ状況をオペレータが目視で確認したり、ミキサの負荷電流を参考にすることによって練混ぜ水量の調整を行うといった方法を採用することがあるが、かかる方法自体が精度の低いものであり、結局、強度面で20%近い大きな安全率を見込まざるを得なくなり、不経済な配合となるという問題も生じていた。
【0008】
本出願人はこのような問題点を踏まえて数多くの実験を繰り返し、その結果、骨材を水浸骨材として計量することによって、骨材の表面水を水浸骨材中の水の質量として間接的に計量することができることをあらたに見いだした。
【0009】
かかる技術によれば、まず、骨材を水浸骨材として水とともに所定の計量容器に収容し、次に計量容器内に収容された水浸骨材の全質量Mf及び全容量Vfを直接若しくは間接的に計測することにより又は計量容器の内容積が既知であることを利用することによって該水浸骨材の全質量Mf及び全容量Vfを知り、次いで、これらの値を用いて水浸骨材中の骨材の表乾状態における質量Ma及び水の質量Mwを算出する。
【0010】
かかる方法によれば、骨材の表面水率を事前に計測せずとも、該骨材の表面水をコンクリート材料である水の質量の一部として正確に反映させることができる。
【0011】
しかしながら、水浸骨材の計量が終わってから計量容器の底蓋を開いてこれを排出する際、底蓋の上面に骨材が付着することがあり、かかる状態のまま、次の計量のために底蓋を閉じると、容器本体と底蓋との間に骨材が介在して水密性が低下し、正確な計量ができないという問題や、かかる骨材が挟まることでシールを傷めるおそれもあるという問題を生じていた。
【0012】
また、計量容器の底蓋を開いて排出する際、計量容器内の水浸骨材が落下中に拡がって混練ミキサー内にすべて投入されなかったり、すべて投入されたとしても、落下の勢いで混練ミキサーの外に飛び出したりという事態が生じ、いずれにしても正確に計量した水及び骨材を混練ミキサー内に確実に投入することができないという問題も生じていた。
【0013】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、容器本体と底蓋との間に骨材が介在することによる水密性の低下やシールの損傷を防止することが可能な計量容器の排出機構を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、正確に計量した水及び骨材を混練ミキサー内に確実に投入することが可能な計量容器の排出機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る計量容器の排出機構は請求項1に記載したように、容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋の近傍に気体吹付け機構を設け、該底蓋が開いた状態にて前記気体吹付け機構から前記底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したものである。
【0016】
また、本発明に係る計量容器の排出機構は請求項2に記載したように、容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成するとともに、前記底蓋の近傍に気体吹付け機構を設け、該底蓋が開いた状態にて前記気体吹付け機構から前記底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したものである。
【0017】
また、本発明に係る計量容器の排出機構は、前記気体吹付け機構をエアコンプレッサーに連通接続されたエア噴出ノズルで構成したものである。
【0018】
また、本発明に係る計量容器の排出機構は請求項4に記載したように、容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成したものである。
【0019】
請求項1の発明に係る計量容器の排出機構においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、その後、底蓋が開いた状態にて底蓋の近傍に設けられた気体吹付け機構から底蓋の上面に気体流を吹き付ける。
【0020】
このようにすると、水浸骨材の排出時に底蓋の上面に骨材が付着していたとしても、該骨材は、気体流で吹き飛ばされるので、次の計量のために底蓋を閉じても、容器本体と底蓋との間に骨材が挟まることはない。
【0021】
そのため、骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体や底蓋に設けられたシール部材に損傷を与えることもない。
【0022】
請求項2の発明に係る計量容器の排出機構においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、底蓋を開くにあたっては、従来のように水平軸線廻りに底蓋を回動させるのではなく、底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉する。
【0023】
このように、従来の開閉形式では、底蓋を開くと該底蓋が垂れ下がるため、その分だけ高さ方向に底蓋の開閉スペースを確保する必要があったが、本発明においては、高さ方向の開閉スペースを確保する必要がなくなり、水平面内でのみ底蓋の開閉スペースを確保すれば足りることとなる。
【0024】
そのため、従来必要不可欠であった開閉のための高さ分だけ、容器本体の底部開口を下げることができるようになり、混練ミキサーへの確実な投入が可能となる。
【0025】
底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させる構成としては任意であって、例えば容器本体の下端に互いに平行な一対のガイドレールを取り付けておき、該ガイドレールに沿って底蓋を並進移動させるように構成したり、底蓋の周縁から延設された突設部に回動軸を立設するとともに該回動軸を容器本体の周面に取り付けたヒンジ部材の中空内部に差し込んで回動自在に取り付けることで底蓋を回転移動させるように構成したりすることが考えられる。
【0026】
また、請求項2の発明に係る計量容器の排出機構においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、その後、底蓋が開いた状態にて底蓋の近傍に設けられた気体吹付け機構から底蓋の上面に気体流を吹き付ける。
【0027】
このようにすると、水浸骨材の排出時に底蓋の上面に骨材が付着していたとしても、該骨材は、気体流で吹き飛ばされるので、次の計量のために底蓋を閉じても、容器本体と底蓋との間に骨材が挟まることはない。
【0028】
そのため、骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体や底蓋に設けられたシール部材に損傷を与えることもない。
【0029】
ここで、請求項1及び請求項2に係る計量容器の排出機構において、気体吹付け機構をどのように構成するかあるいはどこに取り付けるかは任意であり、例えば、かかる気体吹付け機構をエアコンプレッサーに連通接続されたエア噴出ノズルで構成することが考えられる。
【0030】
請求項4の発明に係る計量容器の排出機構においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、底蓋を開くにあたっては、従来のように水平軸線廻りに底蓋を回動させるのではなく、底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉する。
【0031】
このように、従来の開閉形式では、底蓋を開くと該底蓋が垂れ下がるため、その分だけ高さ方向に底蓋の開閉スペースを確保する必要があったが、本発明においては、高さ方向の開閉スペースを確保する必要がなくなり、水平面内でのみ底蓋の開閉スペースを確保すれば足りることとなる。
【0032】
そのため、従来必要不可欠であった開閉のための高さ分だけ、容器本体の底部開口を下げることができるようになり、混練ミキサーへの確実な投入が可能となる。
【0033】
底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させる構成としては任意であって、例えば容器本体の下端に互いに平行な一対のガイドレールを取り付けておき、該ガイドレールに沿って底蓋を並進移動させるように構成したり、底蓋の周縁から延設された突設部に回動軸を立設するとともに該回動軸を容器本体の周面に取り付けたヒンジ部材の中空内部に差し込んで回動自在に取り付けることで底蓋を回転移動させるように構成したりすることが考えられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る計量容器の排出機構の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図1は、本実施形態に係る計量容器の排出機構21をそれが適用される計量装置1とともに示した全体図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0036】
まず、本実施形態に係る計量容器の排出機構21が適用される計量装置1は、水を貯留する水貯留ホッパー2と、骨材である細骨材を貯留する細骨材貯留ホッパー3と、水貯留ホッパー2及び細骨材貯留ホッパー3からそれぞれ供給された水及び細骨材を水浸骨材として収容する計量容器11と、該計量容器内の水浸骨材の質量を計測するロードセル8と、計量容器11内の液位を計測する電極式変位センサ12とからなり、水貯留ホッパー2は、その底部に接続され吐出口が計量容器11の上方に位置決めされた水供給管5と該水供給管5の所定位置に設けられた開閉弁6とともに給水手段を構成し、細骨材貯留ホッパー3は、吐出口が計量容器11の上方に位置決めされた細骨材供給管7とともに骨材供給手段を構成する。
【0037】
計量容器11は、容器本体4と該容器本体の底部開口15に開閉自在に取り付けることができる底蓋9とからなり、容器本体4は、下方に行くほど内径が大きくなるよう、中空円錐台状に形成してあり、バイブレータ等の振動器具を使用せずとも、計量が終わった水浸骨材を該容器本体内で閉塞させることなく、底蓋9を開いただけで下方に自然落下させ、これを、別途計量されたセメントや粗骨材とともに、図示しない混練ミキサーに投入することができるようになっている。なお、底蓋9及び容器本体4の底部開口15の各当接箇所には、底蓋9を閉じた状態にて容器本体4との間で水密性を保持できるよう、図示しないシール部材を適宜取り付けてある。
【0038】
計量容器11の容積については任意であって、コンクリート配合を行う単位すなわち1バッチに必要な全量としてもよいし、何回かに分けて計量することを前提とした容量でもかまわない。
【0039】
電極式変位センサ12は、検知用電極の下端が計量容器11内に収容された水浸骨材の液面に触れたときの通電状態の変化を監視することによって該水浸骨材の液位を計測できるようになっている。
【0040】
水貯留ホッパー2、細骨材貯留ホッパー3及びロードセル8は、それぞれ図示しない架台に取り付けてあるとともに、該ロードセルの上に計量容器11の鍔状円環部16を載せて計量容器11を吊持することで、該計量容器の質量をロードセル8で計測できるようになっている。ロードセル8は、計量容器11を安定した状態で吊持計測できるよう、例えば、同一水平面に120゜ごとに3箇所設けるようにするのが望ましい。
【0041】
一方、本実施形態に係る計量容器の排出機構21は、計量容器11の中に底蓋9を閉じた状態で細骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を底蓋9を開いて下方に排出するように構成してある。
【0042】
底蓋9は、容器本体4の底部開口外径とほぼ同等かそれより若干大きめの外径を有する円形状平板で構成してあり、該円形状平板の周縁から延設されたL字状の取付けアーム13の先端に長孔14を形成し、図示しない架台に固定されたピン10を長孔14に挿通することにより、底蓋9をピン10の廻りに回動させて容器本体4の底部開口15を開閉できるようになっているとともに、底蓋9を閉じた状態では、長孔14が鉛直方向となるため、計量容器11からの荷重による反力がピン10で生じるのを防止することができるようになっている。底蓋9を容器本体4の底部開口15に固定するには、ボルトで締め付ける、クランプ部材で締め付けるなど、公知の方法から適宜選択すればよい。
【0043】
また、計量容器の排出機構21は、ホース23を介してエアコンプレッサー22に連通接続された気体吹付け機構としてのエア噴出ノズル24をL字状の取付けアーム13に底蓋9の近傍にて立設させたノズル固定部25に固定してあり、底蓋9が開いた状態にてエア噴出ノズル24の先端から底蓋9の上面に空気流を吹き付けることができるようになっている。
【0044】
本実施形態に係る計量容器の排出機構21においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋9を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、その後、図3に示すように底蓋9が開いた状態にてエアコンプレッサー22を作動させ、エア噴出ノズル24の先端から底蓋9の上面に空気流を吹き付ける。
【0045】
このようにすると、水浸骨材の排出時に底蓋9の上面に細骨材が付着していたとしても、該細骨材は、空気流で吹き飛ばされるので、次の計量のために底蓋9を閉じても、容器本体4と底蓋9との間に細骨材が挟まることはない。
【0046】
なお、水浸骨材の計量は、次のような手順で行えばよい。すなわち、まず、容器本体4の底部開口15を底蓋9で閉じて計量容器11内を水密状態とし、かかる状態にて開閉弁6を開いて水貯留ホッパー2から計量容器11内に水を投入するとともに、細骨材貯留ホッパー3に貯留されている細骨材を水浸状態となるように計量容器11内に投入し、図4に示すように計量容器11内を水浸骨材31で満たす。
【0047】
計量容器11に細骨材と水を投入するにあたっては、水浸骨材31への気泡混入を抑制すべく、水を先行投入し、しかる後に細骨材を投入するのが望ましい。また、細骨材を細骨材貯留ホッパー3から計量容器11に直接投入するのではなく、例えば電磁式振動体を備えた振動フィーダを用いて細骨材貯留ホッパー3の直下から計量容器11の上部開口まで搬送するようにすれば、細骨材の団粒化、ひいては気泡混入を防止することができる。
【0048】
次に、水浸骨材31の液位を電極式変位センサ12で計測し、該液位から水浸骨材31の全容量Vfを計測するとともに、水浸骨材31の全質量Mfをロードセル8で計測する。水浸骨材31の全質量Mfは、ロードセル8による計測値から、水浸骨材31が収容されていない空の計量容器11の質量を差し引けばよい。
【0049】
次に、計測された水浸骨材31の全質量Mf及び全容量Vfから以下の式を用いて細骨材の表乾状態の質量Ma及び水の質量Mwを算出する。
Ma+Mw=Mf (1)
Ma/ρa+Mw/ρw=Vf (2)
【0050】
ここで、ρaは細骨材の表乾状態における密度を、ρwは水の密度を表す。
【0051】
このようにして水の質量Mw及び表乾状態の細骨材の質量Maを計測算出したならば、次に、示方配合で示されたそれらの配合量と適宜比較して補充すべき不足分を計量し、これを上述の水浸骨材31に加えてコンクリート材料とする。なお、水が多すぎた場合には、その余剰分をバキューム等で吸引すればよい。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る計量容器の排出機構21によれば、底蓋9が開いた状態にてエアコンプレッサー22を作動させ、エア噴出ノズル24の先端から底蓋9の上面に空気流を吹き付けることで、水浸骨材の排出時に底蓋9の上面に付着していた細骨材を空気流で吹き飛ばすようにしたので、次の計量のために底蓋9を閉じる際、容器本体4と底蓋9との間に細骨材が挟まるおそれがなくなる。
【0053】
そのため、細骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体4や底蓋9に設けられたシール部材に損傷を与えることもない。
【0054】
本実施形態では、本発明に係る計量容器の排出機構を計量装置1に適用するとともに、該計量装置を用いて水浸骨材31の全質量Mf及び全容量Vfを計測し、かかる計測値から(1)式及び(2)式を用いて細骨材の表乾状態の質量Ma及び水の質量Mwを算出する計量方法を一例として示したが、本発明に係る計量容器の排出機構は、底蓋が開いた状態にて気体吹付け機構から底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したことに特徴があるのであって、容器本体の底部開口に底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に水浸骨材を収容して該水浸骨材を計量できる装置であれば、いかなる計量装置にも適用することが可能であるとともに、その計量方法についても任意である。
【0055】
例えば、水浸骨材の全容量Vfについては、あえてこれを計測せずとも、オーバーフローさせたり吸引したりすることによって計量容器内で一定水位を維持するように構成し、水浸骨材の全容量Vfを既知として取り扱うことができる。
【0056】
また、水浸骨材の全質量Mfは、該水浸骨材の質量を直接計量せずとも、水の給排水量及び投入した骨材(湿潤状態)の質量を計測することによって間接的に求めることができる。
【0057】
また、本実施形態では、エア噴出ノズル24にエアコンプレッサー22を連通接続し、該エアコンプレッサーから空気を圧送してエア噴出ノズル24の先端から空気を噴出させるようにしたが、必ずしもエアコンプレッサー22に限定されるものではなく、気体を圧送できるものであれば、どのような構成のものでもよい。例えばエアコンプレッサー22に代えて窒素を圧縮充填したボンベを用いるようにしてもかまわない。
【0058】
また、本実施形態では、骨材として細骨材を採用したが、粗骨材にも本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0059】
(第2実施形態)
【0060】
次に、第2実施形態に係る計量容器の排出機構について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。特に、本実施形態においても、計量装置1に適用する場合を例として説明するので、計量装置1及びそれを用いた計量方法に関する詳細な説明についてはここでは省略する。
【0061】
図5は、第2実施形態に係る計量容器の排出機構41を示した図である。同図でわかるように、本実施形態に係る計量容器の排出機構41は、容器本体4と該容器本体の底部開口15に開閉自在に取り付けることができる底蓋42とからなる計量容器43を用いることを前提とし、該底蓋を閉じた状態で計量容器43の中に骨材である細骨材を水浸骨材として水とともに収容し、該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を底蓋42を開いて下方に排出するように構成してある。
【0062】
底蓋42は、容器本体4の底部開口外径とほぼ同等かそれより若干大きめの外径を有する円形状平板で構成してあり、該円形状平板の周縁からは突設部44を延設してある。
【0063】
ここで、突設部44には回動軸45を立設し、該回動軸を容器本体4の周面に水平方向に突設した二段構成のヒンジ部材46,46の中空内部に差し込んだ上、回動軸45の頭部をナット47で締め付けてあり、かかる構成により、本実施形態に係る計量容器の排出機構41は、ナット47と上段のヒンジ部材46との係止作用によって底蓋42の自重を支持しつつ、該底蓋を鉛直軸線廻り、言い換えれば水平面内で回転移動させ、底蓋42を開閉させることができるようになっている。
【0064】
本実施形態に係る計量容器の排出機構41においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋42を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、底蓋42を開くにあたっては、第1実施形態のように水平軸線廻りに底蓋を回動させるのではなく、底蓋42を水平面内で回転移動させ、次いで、計量容器43内の水浸骨材を落下排出させる。
【0065】
すなわち、まず、底蓋42を容器本体4の側に水平面内で回転移動させ、しかる後、該底蓋で容器本体4の底部開口15を閉じて水密状態とし、かかる状態で水浸骨材の計量を行った後、底蓋42を水平面内で反対方向に回転移動させ、次いで、計量容器43内の水浸骨材を下方に落下させて混練ミキサーに投入する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る計量容器の排出機構41によれば、従来の開閉形式では、底蓋を開くと該底蓋が垂れ下がるため、その分だけ、混練ミキサーとの間に底蓋の開閉スペースを確保する必要があったのに対し、本実施形態では、底蓋42を水平面内で回転移動させるようにしたので、混練ミキサーとの間に高さ方向の開閉スペースを確保する必要がなくなり、水平面内でのみ底蓋の開閉スペースを確保すれば足りることとなる。
【0067】
そのため、従来必要不可欠であった開閉のための高さ分だけ、容器本体4の底部開口15を混練ミキサーの投入口の直上まで下げることが可能となり、計量が終了した水浸骨材を混練ミキサーに確実に投入することができる。
【0068】
本実施形態では、第1実施形態同様、本発明に係る計量容器の排出機構を計量装置1に適用したが、本発明に係る計量容器の排出機構は、底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成したことに特徴があるのであって、容器本体の底部開口に底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に水浸骨材を収容して該水浸骨材を計量できる装置であれば、いかなる計量装置にも適用することができるとともにその計量方法についても任意であることは、第1実施形態と同様である。
【0069】
また、本実施形態では、骨材として細骨材を採用したが、粗骨材にも本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0070】
(第3実施形態)
【0071】
次に、第3実施形態に係る計量容器の排出機構について説明する。なお、第1、第2実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。特に、本実施形態においても、計量装置1に適用する場合を例として説明するので、計量装置1及びそれを用いた計量方法に関する詳細な説明についてはここでは省略する。
【0072】
図6は、第3実施形態に係る計量容器の排出機構51を示した図である。同図でわかるように、本実施形態に係る計量容器の排出機構51は、容器本体4と該容器本体の底部開口15に開閉自在に取り付けることができる底蓋42とからなる計量容器43を用いることを前提とし、該底蓋を閉じた状態で計量容器43の中に骨材である細骨材を水浸骨材として水とともに収容し、該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を底蓋42を開いて下方に排出するように構成してある。
【0073】
底蓋42は、容器本体4の底部開口外径とほぼ同等かそれより若干大きめの外径を有する円形状平板で構成してあり、該円形状平板の周縁からは突設部44を延設してある。
【0074】
ここで、突設部44には回動軸45を立設し、該回動軸を容器本体4の周面に水平方向に突設した二段構成のヒンジ部材46,46の中空内部に差し込んだ上、回動軸45の頭部をナット47で締め付けてあり、かかる構成により、本実施形態に係る計量容器の排出機構51は、ナット47と上段のヒンジ部材46との係止作用によって底蓋42の自重を支持しつつ、該底蓋を鉛直軸線廻り、言い換えれば水平面内で回転移動させ、底蓋42を開閉させることができるようになっている。
【0075】
また、本実施形態に係る計量容器の排出機構51は、ホース23を介してエアコンプレッサー22に連通接続された気体吹付け機構としてのエア噴出ノズル24を、容器本体4から水平突設された下段のヒンジ部材46の側方に底蓋42の近傍位置にて固定してあり、底蓋42が開いた状態にてエア噴出ノズル24の先端から底蓋42の上面に空気流を吹き付けることができるようになっている。
【0076】
本実施形態に係る計量容器の排出機構51においては、水浸骨材の計量が終了した後、底蓋42を開いて該水浸骨材を下方に落下排出させるが、底蓋42を開くにあたっては、第1実施形態のように水平軸線廻りに底蓋を回動させるのではなく、底蓋42を水平面内で回転移動させ、次いで、計量容器43内の水浸骨材を落下排出させる。
【0077】
すなわち、まず、底蓋42を容器本体4の側に水平面内で回転移動させ、しかる後、該底蓋で容器本体4の底部開口15を閉じて水密状態とし、かかる状態で水浸骨材の計量を行った後、底蓋42を水平面内で反対方向に回転移動させ、次いで、計量容器43内の水浸骨材を下方に落下させて混練ミキサーに投入する。
【0078】
次に、図7に示すように底蓋42が開いた状態にてエアコンプレッサー22を作動させ、エア噴出ノズル24の先端から底蓋42の上面に空気流を吹き付ける。
【0079】
このようにすると、水浸骨材の排出時に底蓋42の上面に細骨材が付着していたとしても、該細骨材は、空気流で吹き飛ばされるので、次の計量のために底蓋42を閉じても、容器本体4と底蓋42との間に細骨材が挟まることはない。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る計量容器の排出機構51によれば、従来の開閉形式では、底蓋を開くと該底蓋が垂れ下がるため、その分だけ、混練ミキサーとの間に底蓋の開閉スペースを確保する必要があったのに対し、本実施形態では、底蓋42を水平面内で回転移動させるようにしたので、混練ミキサーとの間に高さ方向の開閉スペースを確保する必要がなくなり、水平面内でのみ底蓋の開閉スペースを確保すれば足りることとなる。
【0081】
そのため、従来必要不可欠であった開閉のための高さ分だけ、容器本体4の底部開口15を混練ミキサーの投入口の直上まで下げることが可能となり、計量が終了した水浸骨材を混練ミキサーに確実に投入することができる。
【0082】
また、本実施形態に係る計量容器の排出機構51によれば、底蓋42が開いた状態にてエアコンプレッサー22を作動させ、エア噴出ノズル24の先端から底蓋42の上面に空気流を吹き付けることで、水浸骨材の排出時に底蓋42の上面に付着していた細骨材を空気流で吹き飛ばすようにしたので、次の計量のために底蓋42を閉じる際、容器本体4と底蓋42との間に細骨材が挟まるおそれがなくなる。
【0083】
そのため、細骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体4や底蓋42に設けられたシール部材に損傷を与えることもない。
【0084】
本実施形態では、第1、第2実施形態同様、本発明に係る計量容器の排出機構を計量装置1に適用したが、本発明に係る計量容器の排出機構は、底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成するとともに、底蓋の近傍に気体吹付け機構を設け、該底蓋が開いた状態にて気体吹付け機構から底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したことに特徴があるのであって、容器本体の底部開口に底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に水浸骨材を収容して該水浸骨材を計量できる装置であれば、いかなる計量装置にも適用することができるとともにその計量方法についても任意であることは、第1、第2実施形態と同様である。
【0085】
また、本実施形態では、骨材として細骨材を採用したが、粗骨材にも本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0086】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る本発明の計量容器の排出機構によれば、骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体や底蓋に設けられたシール部材に損傷を与えるおそれがなくなる。
【0087】
また、請求項2に係る本発明の計量容器の排出機構によれば、骨材が挟まることで生じた隙間から漏水が生じて計量に誤差が生じるのを未然に防止することができるとともに、容器本体や底蓋に設けられたシール部材に損傷を与えるおそれがなくなるとともに、従来必要不可欠であった底蓋開閉のための高さ分だけ、容器本体の底部開口を混練ミキサーの投入口の直上まで下げることが可能となり、計量が終了した水浸骨材を混練ミキサーに確実に投入することができる。
【0088】
また、請求項4に係る本発明の計量容器の排出機構によれば、従来必要不可欠であった底蓋開閉のための高さ分だけ、容器本体の底部開口を混練ミキサーの投入口の直上まで下げることが可能となり、計量が終了した水浸骨材を混練ミキサーに確実に投入することができる。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る計量容器の排出機構及びそれが適用される計量装置の全体図。
【図2】図1のA−A線に沿う鉛直断面図。
【図3】第1実施形態に係る計量容器の排出機構の作用を示した図。
【図4】計量装置1を用いて水浸骨材の計量を行っている様子を示した図。
【図5】第2実施形態に係る計量容器の排出機構の図であり、(a)は側面図、(b)はB−B線に沿う水平断面図。
【図6】第3実施形態に係る計量容器の排出機構の全体図。
【図7】第3実施形態に係る計量容器の排出機構の作用を示した図。
【符号の説明】
4 容器本体
9、42 底蓋
11、43 計量容器
15 底部開口
21、41、51 計量容器の排出機構
24 エア噴出ノズル(気体吹付け機構)
Claims (4)
- 容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋の近傍に気体吹付け機構を設け、該底蓋が開いた状態にて前記気体吹付け機構から前記底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したことを特徴とする計量容器の排出機構。
- 容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成するとともに、前記底蓋の近傍に気体吹付け機構を設け、該底蓋が開いた状態にて前記気体吹付け機構から前記底蓋の上面に気体流を吹き付けるように構成したことを特徴とする計量容器の排出機構。
- 前記気体吹付け機構をエアコンプレッサーに連通接続されたエア噴出ノズルで構成した請求項1又は請求項2記載の計量容器の排出機構。
- 容器本体の底部開口に所定の底蓋を開閉自在に取り付けてなる計量容器の中に該底蓋を閉じた状態で骨材を水浸骨材として水とともに収容して該水浸骨材の計量を行うとともに、計量が終わった水浸骨材を前記底蓋を開いて下方に排出するように構成した計量容器の排出機構であって、前記底蓋を水平面内で並進移動又は回転移動させることで該底蓋を開閉するように構成したことを特徴とする計量容器の排出機構。
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