JP4664403B2 - 歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内歯歯車の内方に配置された外歯歯車を偏心揺動運動させながら内歯歯車に噛み合わせるように構成された偏心揺動型の歯車装置に関する。
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、内周面に内歯が形成された環状の内歯歯車と、内歯歯車の内方に配置されて該内歯歯車と噛み合いながら偏心揺動運動するとともに内歯よりも少ない数の外歯が形成された外歯歯車とを備えた、いわゆる偏心揺動型の歯車装置が知られている。この歯車装置の回転軸には、偏心部が設けられており、この偏心部が外歯歯車の中心部に形成された中心孔に軸受を介してその軸線周りに回転可能に挿入されている。歯車装置の本体部分には、クランク軸の一端側が回転可能に支持され、一方、クランク軸の他端側は、外歯歯車の外周寄りに形成された挿入孔に回転可能に挿入されている。
このように構成された歯車装置では、回転軸をモーター等によって回転させると、偏心部の動きによって外歯歯車が駆動される。そして、この外歯歯車によりクランク軸が回転駆動され、このクランク軸の一端部が装置の本体部分に支持されていることから、外歯歯車の自転がクランク軸によって阻止されることとなり、外歯歯車は偏心部の偏心量だけ偏心して内歯歯車に噛み合いながら揺動運動する。これにより、内歯歯車が回転駆動されてモーターの回転力が出力されることとなる。
実公平2−45554号公報
ところが、一般に、特許文献1のような歯車装置では、各部品に製造上の所定の公差が許容されており、これに起因して部品間に僅かなガタツキが生じることがある。この場合に、特許文献1のように外歯歯車の自転を阻止するためにクランク軸を設けた場合には、クランク軸の回転の際、死点を通過するときに回転力のかかり具合によって部品間のガタが影響して滑らかに動かずに異音が発生する虞れがある。このことを回避するためには、各部品の加工精度を高めて公差範囲を狭めることや、精密な調整を行うことが考えられるが、こうすると各部品の製造コストや組立コストが増大してしまい、ひいては、歯車装置の価格が高騰してしまう。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏心揺動型の歯車装置において、異音の発生を低コストで抑えることができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、外歯歯車に係合部を形成し、さらに、回転軸に傾斜軸部を形成し、この傾斜軸部に、外歯歯車の係合部に係合する阻止部材を回転可能に支持するようにした。
具体的には、第1の発明では、内歯歯車と、上記内歯歯車の内方に該内歯歯車と噛み合うように配置され、該内歯歯車とは異なる数の歯を有する外歯歯車と、上記外歯歯車に形成された中心孔に回転可能に挿入される回転軸と、上記外歯歯車の自転を阻止する自転阻止部とを備え、上記回転軸は該回転軸の中心線に対し偏心した偏心部を有し、該偏心部を上記外歯歯車の中心孔に挿入して上記回転軸を回転させることにより、該外歯歯車を上記自転阻止部により自転を阻止した状態で、上記内歯歯車に噛み合わせながら偏心揺動運動させる偏心揺動型の歯車装置であって、上記自転阻止部は、上記外歯歯車に周方向に連続して形成された係合部と、上記回転軸に設けられ、上記偏心部の中心線に対し斜めに延びる傾斜軸部と、該傾斜軸部に該傾斜軸部の中心線周りに回転可能に支持され、上記係合部に係合するように形成された阻止部材と、該阻止部材を上記外歯歯車の係合部と反対側から支持する支持部とを有している構成とする。
この構成によれば、回転軸が回転して偏心部が動くと、外歯歯車が偏心部の動きに対応して動く。このとき、外歯歯車の係合部に阻止部材が係合しているので、外歯歯車と阻止部材とが一体化している。阻止部材を支持する傾斜軸部は、外歯歯車の中心孔に挿入された偏心部の軸線に対し傾斜しているので、阻止部材及び外歯歯車の回転中心線は交差する関係になる。上記の如く阻止部材と一体化した外歯歯車は、阻止部材と外歯歯車との回転中心線が交差していることから、自転が阻止されることになる。一方、阻止部材は、回転軸に対し回転可能となっているので、外歯歯車の偏心揺動運動は阻害しない。また、阻止部材が外歯歯車の係合部から離脱しなくなる。
第2の発明では、第1の発明において、自転阻止部の係合部は歯で構成され、阻止部材は、上記係合部に噛み合うように形成された噛み合い部を有している構成とする。
この構成によれば、外歯歯車と阻止部材とが噛み合うことにより、外歯歯車と阻止部材との相対回転が抑制され、外歯歯車の自転を確実に阻止することが可能になる
第1の発明によれば、外歯歯車に形成した係合部と、回転軸に形成した傾斜軸部と、傾斜軸部に回転可能に支持されて係合部に係合するように形成された阻止部材とによって外歯歯車の自転を阻止するようにしたので、従来のような回転時に死点を有するクランク軸が不要になる。これにより、各部品の加工精度をそれほど高めることなく、また、精密な調整が不要になり、低コストで外歯歯車をスムーズに偏心揺動運動させて異音の発生を抑制できる。また、阻止部材が外歯歯車の係合部から離脱しなくなるので、安定した動作を実現できる。
第2の発明によれば、自転阻止部の係合部を歯で構成し、阻止部材が、係合部に噛み合う噛み合い部を有しているので、外歯歯車の自転を確実に阻止でき、外歯歯車を安定して偏心揺動運動させることができる
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る歯車装置1を備えたブレーキ用駆動装置A及びこのブレーキ用駆動装置Aが取り付けられたブレーキ機構2を示すものである。この実施形態の説明では、ブレーキ用駆動装置Aの構造を説明する前に、ブレーキ機構2の構造を説明する。
上記ブレーキ機構2は、車両としての電車(図示せず)に取り付けられるものであり、車輪(図示せず)と一体に回転する回転体としてのブレーキディスク3の両面にブレーキ摩擦材4a、4bをそれぞれ押し付けることで制動力を得るように構成されている。このブレーキ機構2は、キャリパ本体5を備えている。キャリパ本体5は、枠体6を有しており、この枠体6は、ブレーキディスク3の回転軸方向に延びる一対のスライドピン7により、電車の下部におけるブレーキディスク3近傍の非回転部分に支持されている。つまり、枠体6は、電車の非回転部分に対し回転軸方向に移動可能にフローティング支持されている。
上記枠体6の内方には、一対のブレーキ摩擦材4a、4bがブレーキディスク3を厚み方向に挟むように配置されている。また、この枠体6の内部には、ブレーキ摩擦材4a、4bの移動方向に延びる一対の棒材8が配置され、これら棒材8の両端部が枠体6に固定されている。さらに、この枠体6の内部には、棒材8に対し該棒材8の中心線方向にスライド可能に支持された押付部材9が設けられている。押付部材9側のブレーキ摩擦材4aが該押付部材9によりブレーキディスク3に押し付けられると、その反力により枠体6がスライドピン7に沿って移動し、他方のブレーキ摩擦材4bが上記ブレーキ摩擦材4aとは反対側からブレーキディスク3に押し付けられる。
上記ブレーキ用駆動装置Aは、ブレーキ摩擦材4a、4bの移動方向に延びる筒状のケーシング10を備えている。このケーシング10内には、図2に示すように、電動モーター11と、上記歯車装置1と、移動用ネジ部材13と、該移動用ネジ部材13に螺合した状態で歯車装置1から出力される回転力により回転駆動されるナット部材14とが収容されている。上記歯車装置1は、ケーシング10内のキャリパ本体5側である移動用ネジ部材13の前進側に収容され、電動モーター11は、ケーシング10内のキャリパ本体5と反対側である移動用ネジ部材13の後退側に収容されている。尚、この実施形態の説明では、移動用ネジ部材13の前進側を単に「前」といい、後退側を単に「後」というものとする。
上記ケーシング10は、矩形断面を有するとともにその前後方向に2つに分割されており、上記歯車装置1を収容する前側ケーシング構成部材18と、電動モーター11を収容する後側ケーシング構成部材19とで構成されている。
上記前側ケーシング構成部材18の前端部には、図1及び図2に示すように、矩形板状の前側蓋部材20が取り付けられている。後側ケーシング構成部材19の後端部には、矩形状の支持板21が取り付けられている。この支持板21の後面には、矩形板状の後側蓋部材22が取り付けられている。このケーシング10の前部が上記キャリパ本体5に固定されている。
上記前側蓋部材20、前側ケーシング構成部材18及び後側ケーシング構成部材19は、4つの角部にそれぞれ配置されたボルト24によって前後方向に締結されている。また、上記後側蓋部材22、支持板21及び後側ケーシング構成部材19も、同様に配置されたボルト25によって前後方向に締結されている。これにより、前側蓋部材20、前側ケーシング構成部材18、後側ケーシング構成部材19、支持板21及び後側蓋部材22が一体化している。
上記ナット部材14は、その中心線がケーシング10の中心線と一致するように配置されている。図2に示すように、ナット部材14の前端部近傍は、前側蓋部材20に対しナット部材用前側軸受27を介して支持され、後端部近傍は、後側蓋部材22に対しナット部材用後側軸受28を介して支持されている。これらナット部材用軸受27、28は円錐ころ軸受で構成されている。ナット部材14の内周面には、前端部から後端部に亘ってネジ溝14aが形成されている。
上記ナット部材14の長さはケーシング10の前後方向の長さよりも長く設定され、該ナット部材14の前端部は、前側蓋部材20から突出している。ナット部材14の前端部には、該ナット部材14の外周面と前側蓋部材20との間をシールする前側オイルシール29が配設され、後端部には、同様に後側オイルシール30が配設されている。ナット部材14のナット部材用前側軸受27よりも後側には、該ナット部材14の径方向に延出する円形板状の延出部14bが形成されている。延出部14bの外周部には、中心線方向に貫通する複数のボルト挿通孔14cが周方向に間隔をあけて形成されている。このボルト挿通孔14cには、後述の内歯歯車45を締結するためのボルト46が挿通するようになっている。
上記移動用ネジ部材13は、その中心線がケーシング10の中心線と一致するように配置され、ナット部材14に螺合した状態で該ナット部材14を介してケーシング10に支持されている。移動用ネジ部材13の長さは、ナット部材14の長さよりも長く設定されている。図1にも示すように、ナット部材14に螺合した状態にある移動用ネジ部材13の前側の約1/3は、該ナット部材14の前端部から前方へ突出し、また、後端部もナット部材14の後端部から僅かに後方へ突出している。図2に示すように、移動用ネジ部材13の外周面には、前側約1/3以外の領域に上記ナット部材14のネジ溝14aに螺合するネジ山13aが形成されている。この移動用ネジ部材13は、てい形ネジ軸である。
図1に示すように、上記移動用ネジ部材13のナット部材14よりも前側へ突出した部分には、筒状のスペーサ32が外嵌めされている。このスペーサ32の外周側には、押付部材9をブレーキディスク3側へ付勢するための皿バネ33が設けられている。皿バネ33は円盤を多数重ねてなるものであり、その中心孔33aにスペーサ32が挿通した状態で移動用ねじ部材13に取り付けられている。皿バネ33は、移動用ネジ部材13に取り付けられた状態で、押付部材9と、枠体6のブレーキ用駆動装置A側の内面とに当接している。上記皿バネ33の付勢力によりブレーキ摩擦材4a、4bがブレーキディスク3に押し付けられるようになっている。このときのブレーキ摩擦材4a、4bの押し付け力は、電車を停止させておくのに十分な制動力が得られるように設定されている。
上記移動用ネジ部材13の前端部には、径方向に貫通するピン挿入孔13bが形成されている。また、押付部材9には、上記ピン挿入孔13bに対応するピン挿入孔(図示せず)が形成されている。上記移動用ネジ部材13及び押付部材9の両ピン挿入孔13bには、テーパーピン34が挿入されるようになっている。このテーパーピン34により、移動用ネジ部材13と押付部材9とが一体化している。これにより、皿バネ33の付勢力が、押付部材9を介して移動用ネジ部材13に対し該ネジ部材13を前進させる方向に常時作用するようになっている。この皿バネ33もブレーキ用駆動装置Aの構成部材である。
上記移動用ネジ部材13と押付部材9とがテーパーピン34で一体化していることにより、移動用ネジ部材13の中心線周りの回転が阻止された状態となっている。これにより、ナット部材14が回転したときに、移動用ネジ部材13が該ナット部材14と一緒に回転することはない。つまり、ナット部材14を回転させることで、移動用ネジ部材13が中心線方向に移動することになる。また、ネジ山13a及びネジ溝14aは、移動用ネジ部材13を後端側から見たときに、ナット部材14を左方向へ回転させることで移動用ネジ部材13が前進し、ナット部材14を右方向へ回転させることで後退するように形成されている。
図2に示すように、上記ナット部材14の延出部14bよりも後側には、本発明の回転軸である入力軸39が配設されている。この入力軸39は、円筒状に形成され、その内方に上記ナット部材14が挿入されている。入力軸39の中心線Xと上記ナット部材14の中心線とは一致している。
上記入力軸39は、ナット部材14の後部近傍まで延びている。入力軸39の前側には、この入力軸39の中心線Xから所定量だけ偏心して該中心線Xと平行に延びる中心線Yを有する偏心部39aが形成されている。入力軸39における偏心部39aの後側には、入力軸39の中心線Xに対し傾斜して延びる中心線Wを有する傾斜軸部39bが形成されている。
上記入力軸39は、入力軸用軸受42、42を介して後側ケーシング構成部材19及び支持板21にそれぞれ回転可能に支持されている。これら軸受42の回転中心は、ナット部材14の中心線上に位置している。従って、入力軸39は、ナット部材14と同軸上で該ナット部材14に対し相対回転するようになっている。
上記ナット部材14の延出部14bの後側には、円環状の内歯歯車45が取り付けられている。内歯歯車45の内周面に連続して形成されている内歯の数は、44枚に設定されている。この内歯歯車45の中心線は、ナット部材14の中心線と一致している。内歯歯車45の前側の面には、延出部14bのボルト挿通孔14cよりも内周側が嵌る段部45aが形成されている。また、内歯歯車45の前側の面には、複数のねじ孔45bが上記ボルト挿通孔14cに対応して開口している。内歯歯車45のねじ孔45bと延出部14bのボルト挿通孔14cとを一致させた状態で、ボルト挿通孔14cに挿通したボルト46をねじ孔45bに螺合させることで内歯歯車45が延出部14bに固定された状態となる。この状態で、内歯歯車45は、ナット部材14と一体に回転する。
上記内歯歯車45の内方には、該内歯歯車45に噛み合う小径の外歯歯車47が配置されている。上記外歯歯車47の中心部には、図3に示すように、軸受嵌入孔(中心孔)47aが厚み方向に貫通するように形成されている。また、外歯歯車47の後側の面の外周部には、複数の歯(係合部)47dが周方向に連続して形成されている。
上記外歯歯車47は、図2に示すように、軸受嵌入孔47aに嵌入された外歯歯車用軸受48、48を介して入力軸39の偏心部39aに回転可能に支持されている。この外歯歯車47の歯数は、43枚に設定されている。この外歯歯車47の歯先円直径は、内歯歯車45の歯先円直径よりも所定長さ小さく設定されている。また、偏心部39aの偏心量は、外歯歯車47の歯と内歯歯車45の歯との一部が噛み合い、他は噛み合っていない状態となるように設定されている。尚、偏心部39aの偏心量は、内歯歯車45及び外歯歯車47の歯数や大きさ等によって変更されるものである。
また、図2の符号50は、外歯歯車用軸受48、48を止めるための止め輪である。また、符号51は、外歯歯車用軸受48、48を位置決めするためのカラーである。
上記外歯歯車47の後側には、阻止部材55が配設されている。この阻止部材55は、図4及び図5に示すように、中心孔55aを有する円環状をなしている。図4に示すように、阻止部材55の前側の面の外周部には、外歯歯車47の前面の歯47dに噛み合う複数の歯(噛み合い部)55bが周方向に連続して形成されている。阻止部材55の後側の面の外周部には、ケーシング10に支持される支持面55cが周方向に連続して形成されている。支持面55cは、平坦に形成されている。阻止部材55の中心孔55aには、入力軸39の傾斜軸部39bが回転可能に挿入されている。従って、阻止部材55は、周方向の一部が外歯歯車47に近接し、この近接した部位とは中心孔55aを挟んで反対側の部位が外歯歯車47から最も離れるように、外歯歯車47に対し傾斜している。この状態で、阻止部材55のうち、外歯歯車47に近接した部位の歯55bのみが外歯歯車47の歯47dに噛み合って、阻止部材55と外歯歯車47とが係合するようになっている。また、阻止部材55の中心孔55aには、ボールベアリング等の軸受部材を挿入するのが好ましい。
上記入力軸39の偏心部39aの外径は、傾斜軸部39bの外径、即ち、阻止部材55の中心孔55aよりも小さく設定されている。具体的には、偏心部39aの外径は、阻止部材55を偏心部39aの先端から傾斜軸部39bまで挿入可能となっている。尚、阻止部材55を入力軸39に組み付ける際には、阻止部材55を分割するようにしてもよいが、こうすると高い寸法精度を確保するのが困難になるので、上記のように、偏心部39aの外径を小さくするのが好ましい。
また、後側ケーシング構成部材19の内面には、内方へ突出するように形成された厚肉板状の支持板部19aが設けられている。支持板部19aには、円形の貫通孔19bが中心線Xと同心上に形成されている。この貫通孔19bには、入力軸用軸受42が嵌め込まれている。支持板部19aの前側の面には、阻止部材55の支持面55cが当接する当接面19cが形成されている。当接面19cには、阻止部材55の支持面55cのうち、外歯歯車47から最も離れている部位が当接するようになっている。この当接面19cの位置は、阻止部材55の複数の歯55bのうち、外歯歯車47の歯47dに噛み合っている歯55bが歯47dから離脱しないように設定されている。当接面19cは、阻止部材55を外歯歯車47の歯47dと反対側から支持する支持部を構成している。また、上記外歯歯車47の歯47d、入力軸39の傾斜軸部39b及び阻止部材55により、本発明の自転阻止部Bが構成されている。
上記入力軸39、内歯歯車45、外歯歯車47、後側ケーシング構成部材19、軸受48及び阻止部材55により、上記歯車装置1が構成されている。
上記電動モーター11は、いわゆるフレームレス型のサーボモーターであり、ローター11a及びステータ11bを備えている。ローター11aの内周面が上記入力軸39の外周面に接着されている。ステータ11bの外周面が上記後側ケーシング構成部材19の内周面に接着されている。
上記電動モーター11は、図示しないが、ケーシング10の外部に設けられた周知のサーボ制御装置により、正転及び逆転の切り替えや、回転角度が制御されるようになっている。
上記ケーシング10の後端部には、入力軸39の回転量を検出するためのロータリエンコーダ(図示せず)が取り付けられるようになっている。このロータリエンコーダは、上記サーボ制御装置に接続されている。
次に、上記のように構成されたブレーキ機構2及びブレーキ用駆動装置Aの動作について説明する。まず、図1に示す制動状態にあるブレーキ機構2を解除状態にする場合には、サーボ制御装置は、電動モーター11に対しローター11aを右方向へ回転させるように電力を供給する。
上記電動モーター11の回転力により入力軸39が回転して偏心部39bが動くと、偏心部39bの動きに対応して外歯歯車47が阻止部材55と共に揺動し始める。このとき、外歯歯車47の歯47dに、阻止部材55の歯55bが噛み合っているので、外歯歯車47と阻止部材55とが一体化し、相対回転が不能となっている。また、阻止部材55を支持する傾斜軸部39bは、外歯歯車47を支持する偏心部39aに対し傾斜しているので、阻止部材55bの回転中心線Wと外歯歯車47の回転中心線Yとは交差する関係になる。よって、上記の如く阻止部材55と一体化した外歯歯車47は、阻止部材55と外歯歯車47との回転中心線W、Yが交差していることから、自転が阻止されることになる。一方、阻止部材55は、入力軸39の傾斜軸部39bに対し回転可能となっているので、外歯歯車47の偏心揺動運動は阻害せず、入力軸39が図2に示す状態から180゜回転すると図6に示すようになる。
作動時には、外歯歯車47と阻止部材55とが噛み合っているので、外歯歯車47と阻止部材55との相対回転が抑制され、外歯歯車47の自転を確実に阻止することが可能となる。さらに、阻止部材55は後側ケーシング構成部材の当接面19cによって支持されているので、阻止部材55の歯55bが外歯歯車47の歯47dから離脱することはない。
そして、駆動側となる外歯歯車47の歯数が内歯歯車45よりも1枚少ないので、外歯歯車47の1回の揺動運動により、従動側である内歯歯車45が歯1枚分に相当する角度だけ右方向に回る。つまり、この実施形態では、内歯歯車45の歯数が44枚であるため、外歯歯車47が44回転すると内歯歯車45が1回転することになり、1:44という高い減速比が得られ、電動モーター11の回転力が増大されてナット部材14に伝達される。
このナット部材14が右方向に回転されることで、移動用ネジ部材13が皿バネ33の付勢力に抗して後退してブレーキ摩擦材4a、4bがブレーキディスク3から離れ、解除状態になる。尚、ブレーキ機構2を制動状態にするには、電動モーター11を上記と逆に回転させればよい。
以上説明したように、この実施形態に係る歯車装置1によれば、外歯歯車47に形成した歯47dと、入力軸39に形成した傾斜軸部39bと、傾斜軸部39bに回転可能に支持されて歯47dに噛み合うように形成された阻止部材55とによって外歯歯車47の自転を阻止するようにしたので、従来のような回転時に死点を有するクランク軸が不要になる。これにより、各部品の加工精度をそれほど高めることなく、また、精密な調整が不要になり、低コストで外歯歯車47をスムーズに偏心揺動運動させて異音の発生を抑制できる。
また、外歯歯車47と阻止部材55とが噛み合うことにより、外歯歯車47と阻止部材55との相対回転を抑制でき、さらに、阻止部材55を外歯歯車47から離脱しないように支持したので、外歯歯車47の自転を確実に阻止でき、外歯歯車47を安定して偏心揺動運動させることができる。
尚、上記実施形態では、外歯歯車47に歯47dを形成し、阻止部材55に歯55bを形成し、これら歯47d、55bを噛み合わせるようにしたが、これに限らず、例えば、外歯歯車47の後側の面に周方向に連続して滑り止め加工を施し、この滑り止め加工を施した部分に阻止部材55の前側の面を係合させるようにしてもよい。この場合、阻止部材55の前側の面にのみ滑り止め加工を施してもよいし、外歯歯車47及び阻止部材55の両方に滑り止め加工を施してもよい。滑り止め加工としては、ローレット加工等が挙げられる。また、外歯歯車47の後側の面に摩擦材を周方向に連続して設け、この摩擦材を設けた部分に阻止部材55の前側の面を係合させるようにしてもよい。この場合、阻止部材55の前側の面にのみ摩擦材を設けてもよいし、外歯歯車47及び阻止部材55の両方に摩擦材を設けてもよい。
また、阻止部材55の支持面55cに歯を周方向に連続して形成し、後側ケーシング構成部材19の当接面19cに、支持面55cの歯が噛み合う歯を周方向に連続して形成するようにしてもよい。また、支持面55cと当接面19cとの少なくとも一方に、周方向に連続して滑り止め加工を施してもよい。滑り止め加工としては、ローレット加工等が挙げられる。また、支持面55cと当接面19cとの少なくとも一方に、摩擦材を周方向に連続して設けてもよい。
また、内歯歯車45及び外歯歯車47の歯数は、上記した歯数以外にも任意に設定することが可能である。
また、この実施形態では、本発明をブレーキ用駆動装置Aに適用した場合について説明したが、本発明は、ブレーキ用駆動装置A以外にも、例えば、プレス成形装置の成形型を移動させる場合や、各種搬送物を搬送する場合にも用いることができる。
また、この実施形態では、電動モーター11の回転速度を歯車装置1で変化させて出力するようにしているが、これに限らず、油圧モーターや空気圧モーターの回転速度を歯車装置1で変化させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る歯車装置は、例えば、電動モーターの回転力をブレーキ用駆動装置やプレス成形装置に伝達する場合に適している。
本発明の実施形態に係る歯車装置を有するブレーキ用駆動装置及びブレーキ機構の部分断面図である。 ブレーキ用駆動装置の断面図である。 外歯歯車を後側から見た図である。 阻止部材を前側から見た図である。 阻止部材を後側から見た図である。 入力軸が回転した状態の図2相当図である。
1 歯車装置
19c 当接面(支持部)
39 入力軸(回転軸)
39a 偏心部
39b 傾斜軸部
45 内歯歯車
47 外歯歯車
47a 軸受嵌入孔(中心孔)
47d 歯(係合部)
55 阻止部材
55b 歯(噛み合い部)
B 自転阻止部

Claims (2)

  1. 内歯歯車と、
    上記内歯歯車の内方に該内歯歯車と噛み合うように配置され、該内歯歯車とは異なる数の歯を有する外歯歯車と、
    上記外歯歯車に形成された中心孔に回転可能に挿入される回転軸と、
    上記外歯歯車の自転を阻止する自転阻止部とを備え、
    上記回転軸は該回転軸の中心線に対し偏心した偏心部を有し、該偏心部を上記外歯歯車の中心孔に挿入して上記回転軸を回転させることにより、該外歯歯車を上記自転阻止部により自転を阻止した状態で、上記内歯歯車に噛み合わせながら偏心揺動運動させる偏心揺動型の歯車装置であって、
    上記自転阻止部は、上記外歯歯車に周方向に連続して形成された係合部と、上記回転軸に設けられ、上記偏心部の中心線に対し斜めに延びる傾斜軸部と、該傾斜軸部に該傾斜軸部の中心線周りに回転可能に支持され、上記係合部に係合するように形成された阻止部材と、該阻止部材を上記外歯歯車の係合部と反対側から支持する支持部とを有していることを特徴とする歯車装置。
  2. 請求項1に記載の歯車装置において、
    自転阻止部の係合部は歯で構成され、
    阻止部材は、上記係合部に噛み合うように形成された噛み合い部を有していることを特徴とする歯車装置。
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