JP4663358B2 - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装された単一のリールをケース内に収容してなる記録テープカートリッジに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体として使用されている磁気テープ等の記録テープを単一のリールに巻装し、そのリールを合成樹脂製のケース内に回転可能に収容してなる、所謂1リールタイプの記録テープカートリッジは知られている。また、映像等のデータ記録再生媒体として磁気テープ等の記録テープを一方のリールに巻装し、他方のリールにその記録テープの端部を固着して合成樹脂製のケース内に回転可能に収容してなる、所謂2リールタイプの記録テープカセットも従来から知られている。
そして、この2リールタイプの記録テープカセットには、従来から低容量タイプが存在している。すなわち、この2リールタイプの記録テープカセットでは、ケース内に設けられたテープガイドによって、記録テープが規制されてドライブ装置側の記録再生ヘッドに摺接されるので、記録テープの巻量を低減するか、又は記録テープを巻回するハブの径が単に大きくされたリールと交換するだけで、容易に低容量タイプを製造することができる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、1リールタイプの記録テープカートリッジには、従来から低容量タイプが存在していなかった。これは、1リールタイプの記録テープカートリッジでは、収容されたリールに対して係合する部品が多く、ハブの径を大きくすると、ハブに係合する部品まで設計変更しなくてはならないという問題や、記録テープの端部に取り付けるリーダー部材が例えばリーダーテープの場合、ハブに巻回する記録テープの巻量を単に低減しただけでは、そのリーダーテープの配置角度が変動し、ドライブ装置側の引出部材が、そのリーダーテープと係合し難くなる(引き出すときのパス角度が変動する)という問題等があったためである。
特公平5−68036号公報 実開昭62−158689号公報
そこで、本発明は、1リールタイプにおいて低容量タイプを要望しているユーザーのために、その低容量タイプの記録テープカートリッジを提供することを目的とする。具体的には、通常のリールを低容量タイプのリールに交換するだけで他の部品を兼用でき、かつ、その低容量タイプのリールを収容してもリーダー部材の配置角度が変動することのない記録テープカートリッジを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の記録テープカートリッジは、記録テープが巻回されるハブと、該ハブの上端部に一体に形成され、該記録テープの幅方向端部を規制する上フランジと、該ハブの下端部に設けられ、該記録テープの幅方向端部を規制する下フランジと、を有し、前記ハブの径が大小異なる径とされたハブ大リール及びハブ小リールと、前記ハブ大リール又は前記ハブ小リールを単一で回転可能に収容するケースと、前記記録テープの端部に取り付けられたリーダー部材と、を備え、前記ハブ大リールが前記ケース内に収容されても、前記ハブ小リールが前記ケース内に収容されても同一のドライブ装置で記録・再生できる記録テープカートリッジであって、前記ハブ大リールに、前記ハブ小リールのハブと同じ内径、同じ高さを有する円筒壁が設けられ、前記ハブ小リールのハブ内に収容されて前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時に該ハブ小リールの回転を阻止するブレーキ部材が、前記円筒壁内に収容されて前記ハブ大リールの回転を阻止するブレーキ部材として使用されるとともに、該ブレーキ部材は、前記リーダー部材が前記ケース内から引き出される使用時には、前記ハブ小リール及び前記ハブ大リールの回転を許容する位置に移動される構成とされ、前記ハブ大リールの円筒壁の上端面と前記ケースの天板内面との間、又は前記ハブ小リールのハブの上端面と前記ケースの天板内面との間に介在し、前記ハブ大リール及び前記ハブ小リールの高さ方向の移動を規制する共通のロック部材が、前記ケースの天板内面に、前記ハブ大リール及び前記ハブ小リールの径方向に摺動可能に設けられ、前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時には、前記ロック部材が、前記ハブ大リールの場合は前記円筒壁の上端面と前記天板内面との間に介在し、前記ハブ小リールの場合は前記ハブの上端面と前記天板内面との間に介在し、前記リーダー部材が前記ケース内から引き出される使用時には、前記ロック部材が、前記ブレーキ部材の移動に伴って前記径方向内側に摺動し、前記ハブ大リールの場合は前記円筒壁の上端面と前記天板内面との間から退避し、前記ハブ小リールの場合は前記ハブの上端面と前記天板内面との間から退避する構成とされ、前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時において、前記ハブ大リールから引き出された記録テープも、前記ハブ小リールから引き出された記録テープも、前記ケースの側壁に略沿うように配置されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、記録テープカートリッジの不使用時において、低容量タイプであるハブ大リールから引き出された記録テープも、通常のハブ小リールから引き出された記録テープも、ケースの側壁に略沿うように配置される
つまり、ハブの径が異なるリールをケース内に収容しても、そのハブに巻回された記録テープの最外周の位置は同一となる。
したがって、リーダー部材の配置角度が変動するような不具合は起きない。
また、ハブの径が異なるハブ大リールとハブ小リールであっても、リール以外の各部品(特に径方向に摺動するロック部材)を、ハブ大リールとハブ小リールとで兼用することができる。
したがって、低容量タイプの記録テープカートリッジであっても、簡単に組み立てることができる。
また、ハブ大リールを除いて、製造コストが増加するような不具合も起きない。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ハブ大リールの上フランジ及び下フランジの対向する面の迎角が、前記ハブ小リールの上フランジ及び下フランジの対向する面の迎角と同一であり、前記ハブ大リールのハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔が、前記ハブ小リールのハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔より大であることを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、ハブに巻回される記録テープのエッジが上下フランジによって好適に規制され(記録テープが安定して巻回され)、かつ回転中における上下フランジの振動が低減される。
また、請求項3に記載の記録テープカートリッジは、請求項1又は請求項2に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記記録テープがコンピューターのデータ記録再生媒体として使用される磁気テープであることを特徴としている。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ハブ大リールにおいて、該ハブと前記円筒壁とが環状連結部によって連結されるとともに、該環状連結部が該ハブに連結される部位は、該ハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔の半分か、それよりも下フランジ側であることを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、ハブ大リールのハブの強度を向上させることができる。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ハブ大リールのハブの板厚を、前記環状連結部の板厚と同じか、それよりも厚くしたことを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、ハブ大リールのハブの変形を防止することができる。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項又は請求項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ハブ大リールにおいて、該ハブと前記環状連結部と前記上フランジとが樹脂材で一体成形され、前記下フランジが、前記環状連結部の下面に突設された凸部に溶着されるとともに、該ハブの下端面を、前記下フランジに当接させたことを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、環状連結部からハブに流れる樹脂材の流路を好適に確保することができるとともに、下フランジを安定して溶着することができる。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リーダー部材が、フィルムテープ状であり、前記ケースの側壁に沿って形成されたスリット状の収納部に保持されることを特徴としている。
請求項に記載の発明では、リーダー部材がリーダーテープとされても、そのリーダーテープの配置角度が変動するような不具合は起きない。
また、請求項に記載の記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ケース内に収容されたリールが、ハブ大リールか、ハブ小リールかを識別するRFIDを該ケース内に設けたことを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、ライブラリー装置から記録テープカートリッジを取り出すとき、又はドライブ装置に記録テープカートリッジを装填したときに、ケース内に収容されているリールが低容量タイプか、通常タイプかを識別できるようになる。
以上、何れにしても本発明によれば、通常のリールを低容量タイプのリールに交換するだけで他の部品を兼用でき、かつ、その低容量タイプのリールを収容してもリーダー部材の配置角度が変動することのない低容量タイプの記録テープカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。まず最初に、通常のリールを収容した記録テープカートリッジについて説明し、次に低容量タイプのリールを収容した記録テープカートリッジについて説明する。なお、説明の便宜上、記録テープカートリッジのドライブ装置への装填方向を矢印Aで表し、それを前方向とする。また、矢印Bを左方向とし、それらを基準に前後・左右・上下の表現をする。更に、以下において「径方向」と言う場合は、ケースに収容されたリールの軸心(中心)線から放射状に外方へ向かう方向と平行な方向を指している。
図1で示すように、通常の記録テープカートリッジ10は、略矩形箱状のケース12を有している。このケース12は、PC等の樹脂製の上ケース14と下ケース16とが、それぞれ天板14Aの周縁に立設された周壁14Bと、底板16Aの周縁に立設された周壁16Bとを互いに当接させた状態で、超音波溶着やねじ止め等によって接合されて構成されている。
ケース12の内部には、揺動規制壁17(図15参照)が立設されており、その揺動規制壁17の内側にリール40が1つだけ回転可能に収容されている。このリール40は、図3、図4で示すように、軸心部を構成する有底円筒状のハブ42と、その上端部に設けられる上フランジ44とが一体に成形され、下フランジ46がハブ42の下端部に超音波溶着されて構成されている。そして、そのハブ42の外周面に、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが巻回され、上フランジ44及び下フランジ46によって、その巻回された記録テープTの幅方向の端部が保持(規制)されている。
また、図2で示すように、記録テープカートリッジ10の左前方側のコーナー部12C付近には、リール40に巻装された記録テープTを外部に引き出すための開口20が形成されている。すなわち、コーナー部12Cに隣接する前壁12Aと左側壁12Bとに跨って開口20が形成され、その開口20から、記録テープTの端部にスプライステープ(図示省略)によって接続され、左側壁12Bに略沿って配置されたリーダーテープ22が引き出されるようになっている。
なお、ここで言うコーナー部とは、略矩形箱状ケース12の周壁14B、16Bにおいて、平面視で略直角又は鈍角に交わる稜線部分を指している。したがって、コーナー部12Cとは、前壁12Aと左側壁12Bとが平面視で略直角に交わっている稜線部分を指している。また、開口20は、左前方側のコーナー部12C付近に設けられる場合に限定されるものではなく、例えば右前方側のコーナー部12D付近に設けられる場合もある。
リーダーテープ22は、ドライブ装置の引出部材(図示省略)が記録テープTを引き出すために係合する被引出部材であり、帯電防止処理、あるいは、少なくともその表面が導電性を有する物質でコーティングされて構成されている。なお、ドライブ装置側の引出部材も同様なテープ状とされており、リーダーテープ22の先端近傍には、その引出部材が係合する孔部22Aが穿設されている。
また、リーダーテープ22において、その孔部22Aの先端よりも若干後方寄りの上下両サイドには、それぞれ上下方向に向かって張り出す張出部22Bが形成されている。この張出部22Bが、上ケース14の内面及び下ケース16の内面にそれぞれ形成されたスロット部24に収納(挿入)されることにより、リーダーテープ22がケース12内に保持される構成である。
スロット部24は、左側壁12Bと、その左側壁12Bに沿って所定の間隙を有するように立設された規制壁23とで構成されたスリット状の収納部であり、規制壁23の後端は、左側壁12Bと一体に連設して後方側を閉塞する後壁23B(図15参照)とされている。したがって、リーダーテープ22は、その張出部22Bが後壁23Bによって位置規制された状態で、左側壁12Bに略沿って配置される。
また、規制壁23の前端は、ケース12の形状に略沿うようにして屈曲形成され、スロット部24の前方側を開口20に臨ませて開放している。これにより、張出部22Bはスロット部24の前方側から自由に出入可能となる構成であり、リーダーテープ22の引出経路が好適に確保される(リーダーテープ22を好適に引き出せる)構成である。
また、その開口20は、記録テープカートリッジ10の不使用時にはドア30によって閉塞される。このドア30は、開口20と略同じ形状及び大きさの平面視略「L」字状に形成されている。
また、ドア30の内面で、その屈曲された部位よりも右側の上部及び下部には、開口20の閉塞時、前壁12A側へ屈曲された規制壁23の前面23Aに当接する凸部30Dが一体に形成されている。そして、ドア30の左側壁12B側の先端部30Cは側面視略台形状に形成されている。なお、このドア30は、POM等のオレフィン系樹脂で成形されるのが好ましいが、PC等の樹脂やSUS等の金属で成形してもよい。
また、そのドア30の回動支点となる支軸25が、上ケース14及び下ケース16の前壁12A側にそれぞれ突設されている。この支軸25は、上ケース14側が円筒状のボス26になっており、下ケース16側が2段円柱状の突出軸27になっている。そして、下ケース16側の突出軸27の先端部(図示省略)が、上ケース14側のボス26の穴部(図示省略)に嵌合することにより、支軸25が構成されるようになっている。なお、先端部を除く突出軸27の径は、ボス26の径よりも若干小さくされている。
また、ドア30の内面の右端部近傍(右端部より所定距離左方へずれた位置)には、平板状の回転摺動部32が3本平行に突設されている。この回転摺動部32は、ドア30の内面の上下両端部と、中央より若干下方へずれた中途部とからそれぞれ突設され、各回転摺動部32には、支軸25に遊嵌される貫通孔が穿設されている。したがって、各貫通孔に支軸25が挿通されることにより、ドア30が回動可能に支持される。
また、上端部の回転摺動部32の上面と、下端部の回転摺動部32の下面には、それぞれ貫通孔周りに環状凸部34が形成されている。そして、この環状凸部34が、それぞれ上ケース14と下ケース16に接触することにより、ドア30の上端面30Aと上ケース14との間、及びドア30の下端面30Bと下ケース16との間に、それぞれ約0.3mm〜約0.5mm程度の隙間が形成されるようにしている。
また、回転摺動部32間のドア30の内面には、支軸25の周面に略沿った平断面視円弧状の隆起部36が形成されている。そして、支軸25には、ドア30を常時開口20の閉塞方向へ付勢するトーションばね28のコイル部28Aが挿嵌されている。
すなわち、このトーションばね28のコイル部28Aは、下端部の回転摺動部32と中途部の回転摺動部32の間に保持された状態で、ボス26よりも径が細い突出軸27に挿嵌されて取り付けられている。そして、トーションばね28の一方の端部28Bは、ケース12のビスボス15(下ケース16に突設されたビスボス)に係止され、他方の端部は、隆起部36の右側の縁端部に係止されている。
一方、リール40はポリカーボネート(PC)にグラスファイバー(GF)を20%添加した樹脂材で成形され、図3、図4で示すように、有底円筒状のハブ42と、ハブ42の上端部に一体に延設された上フランジ44と、ハブ42の下端部に溶着等によって取り付けられた下フランジ46とで構成されている。
したがって、ハブ42と下フランジ46は、互いに相溶性がある樹脂材を用いて成形され、超音波等で容易に溶着可能とされている。また、上フランジ44と下フランジ46の間隔は、記録テープTの幅と略同一とされており、ハブ42に巻回された記録テープTの幅方向の位置が規制されるようになっている。
また、図3、図4で示すように、ハブ42の下フランジ46側には底壁48が設けられており、その底壁48の軸心(中心)部分には貫通孔48Aが穿設されている。そして、その底壁48の下面側にはリールギア50が環状に形成されている。このリールギア50は、リール40が圧縮コイルスプリング78の付勢力によって下ケース16側に押し付けられることにより、下ケース16の略中央に設けられた円形のギア開口18から露出するようになっており、ドライブ装置側の回転シャフト100に備えられた駆動ギア102と噛合して、リール40に回転動力を伝達するようになっている。
なお、ギア開口18の周縁には、上方(ケース12内)に向かって環状リブ19が立設されており、その内周面(ギア開口18側の周面)にはテーパー面19Aが形成されている。そして、リール40(下フランジ46)の下面で、かつリールギア50の径方向外側には、下方に向かう環状リブ56が立設されており、その外周面にはテーパー面56Aが形成されている。したがって、記録テープカートリッジ10の不使用時には、環状リブ19のテーパー面19A上に環状リブ56のテーパー面56Aが面接することにより、リール40が下ケース16(ケース12)によって位置決め支持される。
また、リールギア50の径方向内側には、磁性材より成る環状のリールプレート52がインサート成形等により一体的に固着されている。このリールプレート52は、駆動ギア102とリールギア50とが完全に噛合した状態で、駆動ギア102と後述する解除突起104との間に設けられた環状のマグネット106の磁力により吸着され、リール40と回転シャフト100との芯ずれ(軸ずれ)を防止するとともに、リールギア50と駆動ギア102との噛合状態を保持可能としている。このような構成により、回転シャフト100がその軸心廻りに回転すると、リール40がこれと一体にケース12内で回転する。
一方、ハブ42の底壁48の上面側には、係合ギア54が環状に形成されており、ブレーキ部材80の制動ギア82と噛合可能になっている。このブレーキ部材80は、ハブ42の内側に、上下動可能に(リール40の軸方向に移動可能に)収容される円板状に形成され、その下面外周部には制動ギア82が環状に設けられている。
そして、図5で示すように、ブレーキ部材80の上面には、上ケース14のガイド壁部68(後述)間に挿入される複数(本実施例では3つ)の板状のガイド部84と、複数(本実施例では3つ)のロック部材90(後述)のカム部94とそれぞれ係合する同数(3つ)の略角柱状の係合突起86が、それぞれ等間隔に、かつ交互に立設されている。この係合突起86は、径方向内側が30度〜60度、好ましくは45度傾斜したテーパー面86Aとされており、そのテーパー面86Aが、ロック部材90のカム部94に形成されたテーパー面94Aと係合するようになっている。
また、ブレーキ部材80の上面で、ガイド部84及び係合突起86の外側には、平坦面80Aが環状に形成され、記録テープカートリッジ10(ケース12)を組み立てたとき、付勢部材としての圧縮コイルスプリング78の下端が当接するようになっている。
更に、ブレーキ部材80の下面中央には、貫通孔48Aに挿通可能な略円柱状の操作突起88が突設されており、ドライブ装置側の回転シャフト100の軸心部に突設された解除突起104と当接可能とされている(図3、図4参照)。なお、この操作突起88は、図示するように、貫通孔48Aから(底壁48から)下方へは突出しない程度の高さ(貫通孔48A内に位置するような高さ)に突設されており、これによって、ブレーキ部材80が不用意に上方へ移動しないようにしている。
図5、図6で示すように、上ケース14の天板14A内面の略中央(ハブ42の軸心部上)には、ハブ42の上縁部に、その内周面側から係合して、リール40の軸方向(上下方向)の移動を阻止する複数(3つ)のロック部材90等を摺動可能に収容する取付部60が形成されている。
この取付部60は、平面視同心円状に立設され、外側が内側よりも高い2つの円筒壁62、64を有している。この円筒壁62、64は適宜位置(等間隔に3箇所)が切り欠かれており、その切り欠かれた部位の円筒壁64の内側には、ガイドリブ65が径方向に沿って立設されている。そして、このガイドリブ65間で構成された収容部63内にロック部材90が収容され、径方向に摺動可能とされている。
また、円筒壁62、64の間には、その円筒壁62、64同士を連結するように複数(本実施例では9つ)の板状の支持リブ66が径方向に沿って立設されている。そして、各収容部63の間で、かつ円筒壁64の内側には、ブレーキ部材80のガイド部84が挿入される2枚1組のガイド壁部68が、そのガイド部84と同数組突設されている。この2枚1組のガイド壁部68は、円筒壁64の外周面にその外端面が面一となるように径方向に沿って突設され、各組のガイド壁部68において、その突設間隔は、ガイド部84の板厚と同じか、それよりも若干大きくされている。
また、円筒壁62、64の間で、かつ収容部63の両側(ガイドリブ65の延長線上)には、ロック部材90を摺動可能に(微少な隙間を有して)保持する一対の保持部70が突設されている。この保持部70の先端(下端)には、互いに内側(ロック部材90側)へ向かって迫り出すアンダーカット部70Aが形成されている。
このアンダーカット部70Aは、ロック部材90を組み込んだ後、上ケース14を天板14Aの内面が下を向くようにひっくり返して下ケース16に被せたときに(ケース12を組み立てるときに)、そのロック部材90が、少なくとも取付部60(収容部63)から落ちない(外れない)程度に仮押さえするようになっている。
更に、天板14A内面の略中央(ハブ42の軸心線上であり、取付部60の中心)には、コイルばね58の一端を保持する係止突起72が突設されている。コイルばね58は、各ロック部材90毎に(この場合は3本)設けられ、各ロック部材90が常時取付部60の中心(リール40の中心)から径方向外側に向かって付勢されるようになっている。
係止突起72は、その3本のコイルばね58を1度に保持できるように、略三角柱状に形成されており、その側面における両端部には、全高に亘って、それぞれコイルばね58の一巻を両側から係止して保持できる一対の係止爪72Aが内側に向かって張り出すように形成されている。
また、天板14Aにおいて、収容部63の延長線上で、かつ円筒壁62よりも外側の所定位置(後述するテンションがある程度掛けられる位置)には、ロック部材90とコイルばね58を組み込むときに、そのコイルばね58で付勢されたロック部材90を一時的に(上ケース14を下ケース16に被せるまで)仮止めするストッパーリブ74が突設されている。したがって、ロック部材90は、コイルばね58とストッパーリブ74とである程度のテンションが掛けられた状態で保持されるので、その脱落が一層防止される構成であり、これによって、その組込性が向上されるようになっている。
また、ロック部材90を保持部70に仮押さえ保持させた後、支持リブ66上には、ロック部材90が摺動しても外れないように本押さえ保持する脱落防止部材としての樹脂製のリング状止め具76が、超音波等で溶着されるようになっている。この止め具76とロック部材90との間には、ロック部材90が摺動する際に、その妨げとならないように、所定のクリアランスC1(C1=約0.05mm〜約0.4mm程度)が確保されるようになっており、そのクリアランスC1が確保されるように、支持リブ66の高さが規定されている(図7参照)。
また、この止め具76上には、記録テープカートリッジ10を組み立てたときに(上ケース14を下ケース16に被せたときに)、圧縮コイルスプリング78の上端が当接するようになっており、圧縮コイルスプリング78は、止め具76(上ケース14)と平坦面80A(ブレーキ部材80)との間で保持されるようになっている。
なお、圧縮コイルスプリング78の上端は止め具76に当接させなくてもよく、支持リブ66に当接させるようにしてもよい。また、止め具76は、図示のリング状に限定されるものではなく、ロック部材90の脱落を常時防止できるように、少なくともロック部材90の両側の支持リブ66間に架設されていればよい。また、このような止め具76を設けるのみで、保持部70を省略する構成としてもよいし、止め具76を省略して保持部70のみを設ける構成としてもよい。
ロック部材90は、収容部63内に、径方向に摺動可能となるように、保持部70や止め具76等により脱落が防止された状態で保持されており、上ケース14の天板14A内面に摺接する略角柱状の本体部92を有している。そして、この本体部92の径方向内側の端部92B近傍に、本体部92と同じ幅の略角柱状のカム部94が、本体部92に対して垂直に(リール40の軸方向に)突設されている。
カム部94の径方向内側面には、コイルばね58の他端が挿嵌される断面視十字状の嵌入部98が径方向内側へ向けて所定長さ突設されている。嵌入部98の外径は、コイルばね58の内径よりも若干大きく形成され、コイルばね58が嵌入部98から外れないようになっている。また、本体部92において、カム部94よりも径方向内側の端部92Bが所定長さ(嵌入部98よりも若干長くなるように)径方向内側へ向けて延設されている。
したがって、ロック部材90は、その重心を低くすることができ、ロック部材90とコイルばね58を取付部60(収容部63)に組み込んで、係止突起72とストッパーリブ74との間で保持させた際、ロック部材90がコイルばね58のテンションによって取付部60(収容部63)から飛び出すのを更に防止できるようになっている。つまり、このような構成によって、ロック部材90及びコイルばね58の組込性が更に向上されるようになっている。
また、カム部94の下端面外方側は30度〜60度、好ましくは45度傾斜したテーパー面(カム面)94Aとされており、ブレーキ部材80の係合突起86のテーパー面86Aと係合するようになっている。係合突起86及びカム部94は、共に略角柱状に形成されているので、剛性が高く、好適に係合可能となっている。
そして、このロック部材90(本体部92)の径方向外側(後述する係合部96よりも外側)における端部92Aの厚さD(図7参照)は、ケース12内において、リール40が最下位置に位置したときの上フランジ44上面と天板14A内面との距離W(図3参照)と略同一に形成されている。
更に、この径方向外側の端部92Aの近傍には、ハブ42の上縁部と係合する所定高さの係合部96が、本体部92に対して垂直に(リール40の軸方向に)突設されている。この係合部96は、本体部92と同じ幅で、かつカム部94よりも低く突設され、その下端面外方側は、所定角度傾斜したテーパー面96Aとされている。そして、そのテーパー面96Aを含む外側面の形状は、平面視でハブ42の内周面と合致する円弧面とされている。
したがって、ストッパーリブ74によって仮止めされたロック部材90は、記録テープカートリッジ10を組み立てるときに(上ケース14を下ケース16に被せるときに)、その動作に伴って、係合部96がハブ42の上縁部に係合し易い構成であり、係合後は、図3で示すように、本体部92の径方向外側の端部92Aが、ストッパーリブ74から離間するようになっている。
以上の構成によれば、記録テープカートリッジ10の不使用時には、図3、図8で示すように、ブレーキ部材80は圧縮コイルスプリング78の付勢力によって下方へ付勢され、ロック部材90はコイルばね58の付勢力によって径方向外側へ付勢される。このとき、ガイド壁部68に挿入されたガイド部84により、ブレーキ部材80のケース12に対する回動が阻止され、ブレーキ部材80の制動ギア82とハブ42内の係合ギア54が強固に噛合することにより、リール40の不用意な回転が阻止される。
そして、ロック部材90の係合部96が、ハブ42の上縁部と係合することにより、即ち係合部96のテーパー面96Aを除く外側面が、ハブ42の内周面を押圧し、本体部92の係合部96よりも径方向外側の端部92Aが、上フランジ44上面と天板14A内面との間に介在することにより(端部92Aの厚さDが、上フランジ44上面と天板14A内面との距離Wと略同一であることにより)、記録テープカートリッジ10の不使用時において、リール40の上昇が阻止される。
ここで、記録テープカートリッジ10の不使用時、コイルばね58の分力がブレーキ部材80に作用しないように、係合突起86とカム部94は互いに当接しない状態になっている。そして、その対向するテーパー面86A、94A間のリール40の軸方向(ブレーキ部材80の移動方向)におけるクリアランスC2は、当然ながら制動ギア82と係合ギア54との噛合量Kよりも(換言すれば、制動ギア82と係合ギア54との噛合が解除されるまでのブレーキ部材80の上昇ストロークよりも)小さくなっている。
これは、その噛合量KよりもクリアランスC2が大きければ、ブレーキ部材80は、落下等の衝撃によりクリアランスC2分は簡単に上昇してしまうので、リール40が不用意に回転可能となってしまうからである。したがって、係合突起86とカム部94とのクリアランスC2は極めて微少であり、これによって、リール40及びブレーキ部材80は、記録テープカートリッジ10の不使用時、実質的に上昇不能(リール40の軸方向に移動不能)となっている。
一方、記録テープカートリッジ10の使用時には、図4、図11で示すように、制動ギア82と係合ギア54との噛合が解除されるとともに、ロック部材90がコイルばね58の付勢力に抗して径方向内側へ向かって摺動し、係合部96の外側面がハブ42の内周面から離間するとともに、本体部92の外側端部92Aが、上フランジ44上面と天板14A内面との間から退避する。これにより、リール40はケース12内において、所定高さ上昇可能となり、回転可能とされる。
なお、ブレーキ部材80が上昇した際、係合突起86の内側にカム部94が入り込むが、このとき、係合突起86の内側面にカム部94の外側面が当接するのみで、係合突起86の上端面はロック部材90に当接せず、かつカム部94の下端面もブレーキ部材80に当接しない。このため、コイルばね58によってロック部材90が押圧される押圧力(付勢力)は、係合突起86の内周面で受け止められ、ブレーキ部材80を下方向へ押し付ける分力が発生することはない。
つまり、リール40の回転時において、コイルばね58による押圧力(付勢力)は、リール40の径方向にのみ作用し、リール40の軸方向(上下方向)には作用しない(伝達されない)。このため、ロック部材90は安定してアンロック状態に保持される。また、リール40の軸方向(上下方向)への押圧力(付勢力)は、従来と同様に圧縮コイルスプリング78の付勢力のみとなるので、コイルばね58を設ける構成であっても、回転シャフト100の軸方向(下方向)に余計な負荷が掛からない。
更に、ロック部材90の本体部92において、上ケース14の天板14Aの内面と接触する上面と、止め具76に接触する下面には、図示しない凹部(又は凸部)を形成することが好ましい。このような凹部(又は凸部)を形成すると、上ケース14の天板14A内面及び止め具76との接触面積を低減させることができるので、ロック部材90を抵抗少なく摺動させることが可能となる。
以上のような構成の記録テープカートリッジ10において、次に、その作用について説明をする。記録テープカートリッジ10は、不使用時(ドライブ装置に装填しないとき)には、ドア30がトーションばね28の付勢力により開口20を閉塞している。また、リーダーテープ22は、その張出部22Bがスロット部24内に収納(挿入)されて保持されることにより、左側壁12Bに略沿って配置されている。
また、図3、図8で示すように、リール40が圧縮コイルスプリング78によりブレーキ部材80を介して下方へ付勢されている。つまり、圧縮コイルスプリング78の付勢力により、ブレーキ部材80の制動ギア82がハブ42内の係合ギア54に強固に噛合し、リール40の不用意な回転が阻止されている。
そして、コイルばね58の付勢力により、ロック部材90が取付部60の中心(リール40の中心)から径方向外側へ向かって付勢され、その係合部96がハブ42の上縁部に係合している。すなわち、係合部96のテーパー面96Aを除く外側面がハブ42の内周面を押圧し、本体部92の係合部96よりも径方向外側の端部92Aが、上フランジ44上面と天板14A内面との間に介在している。
ここで、ロック部材90(本体部92)の外側端部92Aの厚さDは、ケース12内において、リール40が最下位置に位置したときの上フランジ44上面と天板14A内面との距離Wと略同一に形成されているので、そのロック部材90により、リール40の上昇が阻止される。つまり、落下等により記録テープカートリッジ10に衝撃が加わっても、リール40は上昇することがない。
また、ロック部材90のカム部94とブレーキ部材80の係合突起86とのクリアランスC2は、制動ギア82と係合ギア54との噛合量Kよりも小さく、極めて微少なので、落下等により記録テープカートリッジ10に衝撃が加わっても、ブレーキ部材80は実質的に上昇しない。したがって、制動ギア82が係合ギア54から外れることはなく、記録テープTに悪影響を及ぼすことがない。
さて、記録テープカートリッジ10の記録テープTにデータを記録、又は記録テープカートリッジ10の記録テープTに記録されたデータを再生する際には、その記録テープカートリッジ10をドライブ装置(図示省略)へ装填する。すなわち、ドライブ装置の装填口(図示省略)に記録テープカートリッジ10を前壁12A側から挿入する。
すると、その装填に伴って、ドライブ装置の開閉部材(図示省略)が相対的にドア30の右端部(支軸25よりも右側)へ接近、当接して、その右端部を押圧する。これにより、ドア30は、トーションばね28の付勢力に抗して支軸25を中心に回動し、開口20を開放する。
なお、このとき、ドア30の上端面30Aと上ケース14の間、及びドア30の下端面30Bと下ケース16との間には、それぞれ環状凸部34によって約0.3mm〜約0.5mm程度の隙間が形成されている。つまり、ドア30において、上ケース14及び下ケース16と接触しているのは、環状凸部34だけとなっている。したがって、ドア30は摺動抵抗少なく回動できる。
また、そのドア30において、少なくとも回転摺動部32及び環状凸部34は、POM等のオレフィン系樹脂で成形することが望ましい。これによれば、PC等の樹脂で成形されている上ケース14及び下ケース16に対する摺動抵抗を更に低減することができるとともに、支軸25に対する摺動抵抗も低減することができる。
更に、トーションばね28のコイル部28Aは、回転摺動部32の間に配置されているので、その回転摺動部32がPOM等のオレフィン系樹脂で成形されていると、PC等の樹脂で成形されるケース12よりも削られ難くなる。つまり、トーションばね28のコイル部28Aが、ドア30の回動によって摺動しても、摩耗粉等が発生し難くなるので、記録テープTに対して悪影響を及ぼすことがない。
何れにしても、このようなドア30が回動して開口20が開放されると、ドライブ装置の引出部材(図示省略)が左側壁12B側から開口20に接近し、リーダーテープ22の孔部22Aと係合する。このとき、リーダーテープ22は、左側壁12Bに近接した状態で待機しているので、その引出部材は確実に孔部22Aに係合できる。
こうして、引出部材が孔部22Aに係合したら、その引出部材が開口20から離間することにより、リーダーテープ22がケース12内から引き出される。そして、ケース12内から引き出されたリーダーテープ22は、ドライブ装置の巻取リール(図示省略)に巻回される。
一方、図9で示すように、ドライブ装置の回転シャフト100がギア開口18から進入し、解除突起104が操作突起88に当接して、その操作突起88を上方向へ押圧する。すると、ブレーキ部材80が圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗して上昇し、係合突起86がロック部材90のカム部94に当接して、そのカム部94を上方向へ押圧する。
これにより、係合突起86のテーパー面86A上をカム部94のテーパー面94Aが摺動し、ロック部材90がコイルばね58の付勢力に抗して天板14Aの内面上(収容部63内)を径方向内側へ摺動し始める。このとき、本体部92には凹部(又は凸部)が形成されているので、ロック部材90は抵抗少なく摺動できる。また、そのロック部材90は、止め具76等により、収容部63(取付部60)から外れることなく、安定した状態で摺動できる。
こうして、ロック部材90が収容部63内を径方向内側へ向かって摺動し始めると、ロック部材90の係合部96の外側面がハブ42の内周面から離間し、本体部92の外側端部92Aが、上フランジ44上面と天板14A内面との間から退避し始める。そして、係合ギア54と制動ギア82との噛合が解除されるとともに、リールギア50に駆動ギア102が噛合し始め、図10で示すように、リールギア50と駆動ギア102との噛合量が、その歯高の略半分まで達したときに、ロック部材90が、上フランジ44上面と天板14A内面との間から完全に退避する。
すなわち、外側端部92Aがハブ42の内側に配置され、リール40が回転シャフト100によって上昇し始める。そして、駆動ギア102がリールギア50に完全に噛合し、リールプレート52がマグネット106に吸着されると、図4、図11で示すように、更に回転シャフト100が所定高さまで上昇するが、これに伴ってカム部94が係合突起86の内側に入り込み(落ち込み)、係合突起86の内側面にカム部94の外側面が当接して、ロック部材90がアンロック状態に保持される。そして、その所定高さ位置において、リール40が回転駆動する。
すなわち、回転シャフト100(駆動ギア102)によってリール40(リールギア50)が巻取リールと同期して回転駆動することにより、記録テープTが順次ドライブ装置側へ送り出され、そのドライブ装置の記録再生ヘッド(図示省略)によって、記録テープTにデータの記録、又は記録テープTに記録されたデータの再生が行われる。
一方、記録テープカートリッジ10をドライブ装置から取り出すときには、まず駆動ギア102を逆回転させて、記録テープTをリール40に巻き戻す。そして、リーダーテープ22を巻取リールから外し、開口20からケース12内に戻す。つまり、リーダーテープ22の張出部22Bがスロット部24内に収納(挿入)されて、ケース12内の所定位置に保持される。
次いで、回転シャフト100が下降することにより、リール40が下降し始め、ブレーキ部材80が圧縮コイルスプリング78の付勢力によって下降し始める。そして、これに伴い、ロック部材90がコイルばね58の付勢力により収容部63内を径方向外側へ摺動し始める。つまり、カム部94のテーパー面94Aが係合突起86のテーパー面86A上を摺動し始める。なお、このときもロック部材90は、抵抗少なく、かつ安定した状態で摺動できる。
そして、更に回転シャフト100が下降すると、リールプレート52からマグネット106が離間され、リールギア50に対する駆動ギア102の噛合が解除され始める。そして、リールギア50と駆動ギア102との噛合量が歯高にして略半分程度にまで減少した時点で、ロック部材90(本体部92)の外側端部92Aが上フランジ44上面と天板14A内面との間に介在し始める。
つまり、リールギア50に対する駆動ギア102の噛合が完全に解除される前に(回転シャフト100でリール40を支持している間に)、ロック部材90が上フランジ44上面と天板14A内面との間に介在してリール40を下ケース16との間で保持し、その上昇を阻止する。その後、更に回転シャフト100が下降して、リールギア50に対する駆動ギア102の噛合が完全に解除されると、係合部96がハブ42の上縁部に係合する。すなわち、コイルばね58の付勢力により、係合部96のテーパー面96Aを除く外側面がハブ42の内周面を押圧する。
そして、カム部94のテーパー面94Aから係合突起86のテーパー面86Aが離間し、操作突起88から解除突起104が離間すると、圧縮コイルスプリング78の付勢力によって、ブレーキ部材80が最下位置まで下降し、制動ギア82が係合ギア54に強固に噛合する。これにより、リール40の不用意な回転が再び阻止された状態となり、リール40は、その上面がロック部材90によって上昇不能に押さえられ、その下面に立設された環状リブ56が環状リブ19に支持される。
こうして、ギア開口18から回転シャフト100が抜き出されると、記録テープカートリッジ10が装填口から排出されるが、この排出動作に伴って、開閉部材がドア30の右端部から離間する。すると、ドア30はトーションばね28の付勢力によって、支軸25を中心に上記とは反対の方向へ回動して、開口20を閉塞する。そして、開口20が閉塞された記録テープカートリッジ10がドライブ装置から排出される。
以上のような通常の記録テープカートリッジ10に対して、次に記録テープTの巻量が低減された低容量タイプの記録テープカートリッジ11について、図12乃至図18を基に説明する。この低容量タイプの記録テープカートリッジ11は、リール40のみを低容量タイプのリール41と交換するだけで、その他の全ての部品を記録テープカートリッジ10の部品と兼用できる構成とされており、リール41を除いて製造コストの増加が防止される構造とされている。
したがって、以下、その低容量タイプのリール41について説明し、その他の部品については、記録テープカートリッジ10と同じ符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。また、リール41についても、リール40と同等の機能を有する部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。更に、リール41の材質は、当然ながらリール40の材質と同じであり、ポリカーボネート(PC)にグラスファイバー(GF)を20%添加した樹脂材を使用している。そして、そのヤング率Eは共に6000MPaとされている。
この低容量タイプのリール41は、ハブ43の径がリール40のハブ42よりも大径とされ、記録テープTの巻量を低減する構成とされている。すなわち、リール40のハブ42の内径が約48mmであるのに対し、リール41のハブ43の内径は約87.7mmとされている。そのため、以下においては、低容量タイプのリール41を通常のリール40と区別するために「ハブ大リール41」とし、通常のリール40を「ハブ小リール40」とする。
図12、図13で示すように、ハブ大リール41は、ハブ小リール40のハブ42と、少なくとも内径が等しい円筒壁49を有している。すなわち、ハブ小リール40の内径も円筒壁49の内径も共に約48mmとされている。この円筒壁49は、ハブ小リール40のハブ42と同等の機能を有し、ブレーキ部材80や圧縮コイルスプリング78等を内側に収容したり、ロック部材90が係合できる構成とされている。したがって、その高さもハブ小リール40のハブ42の高さと同じになっている。なお、円筒壁49の板厚は約1.4mm〜約1.5mmとされており、ロック部材90に対する強度は充分に確保されている。
また、ハブ大リール41のハブ43は、円筒壁49と環状連結部51によって連結されている。すなわち、この環状連結部51は、円筒壁49の外周面とハブ43の内周面とを一体に連結しており、その板厚は、ハブ43の板厚と同じか、それよりも薄く形成されている。つまり、ハブ43の板厚は、環状連結部51の板厚と同じか、それよりも厚く形成されている。
具体的な数値で言うと、ハブ43の板厚は約1.8mm〜約2.7mmとされ、環状連結部51の板厚は約1.5mm〜約2.5mmとされている。例えば、ハブ43の板厚及び環状連結部51の板厚が共に約1.8mmに成形されたり、ハブ43の板厚が約2.7mmに成形され、環状連結部51の板厚が約2.2mmに成形されている。これにより、ハブ43の変形が防止される構成である。なお、環状連結部51の形状は、図13で示すように、水平方向に直線的な形状が好ましいが、その途中が曲折されるような形状にしても構わない。
また、ハブ43に連結する環状連結部51の位置は、図14で示すように、ハブ43の外周面における上フランジ45と下フランジ47との間隔Hの半分か、それよりも下フランジ47側とされている。底壁48や円筒壁49、更には環状連結部51とハブ43と上フランジ45は一体成形されており、ハブ43の強度を考慮すると、環状連結部51の連結部位はハブ43の下端部が好ましいが、それでは成形時において、底壁48に設けられたゲート(図示省略)から注入された樹脂材が好適に上フランジ45まで流れない。したがって、樹脂材の流路を好適に確保するとともに、ハブ43の強度を好適に得るために、環状連結部51は上記位置に連結される構成としている。
また、円筒壁49の外周面と環状連結部51の上下面との間には、補強リブ57、59がそれぞれ等間隔に、かつ上下同位置となるように、複数(例えば6個、図15参照)配設されている。これら補強リブ57、59は、上面側と下面側とでは、その大きさが異なっており、下面側の補強リブ59の方が上面側の補強リブ57よりも大きく形成されている。これら補強リブ57、59は、円筒壁49と環状連結部51との連結強度を向上させ、耐落下衝撃性を向上させるとともに、円筒壁49から環状連結部51への樹脂材の流路が好適に確保されるようにしている。
また、上記したように、ハブ43の上下端にはそれぞれ上フランジ45及び下フランジ47が設けられている。すなわち、上フランジ45は、ハブ43及び環状連結部51と一体成形され、下フランジ47は、環状連結部51に突設された環状凸部53に溶着されている。図13、図14で示すように、下フランジ47の内周面の上端には、内方側に張り出す環状張出部47Aが延設されており、この環状張出部47Aの上面が環状凸部53の下面に超音波溶着される構成とされており、その環状凸部53の下面には溶着しろ53Aが設けられている。
また、環状凸部53の内側には、環状突起55が更に下方に向けて突設されており、環状張出部47Aの内端面は、下方に向かって拡開するテーパー面47Bとされている。そして、その環状張出部47Aの内端面上部が、溶着後に環状突起55の外周面に当接する構成とされ、ハブ43の下端面43Aが下フランジ47の上面に当接する構成とされている。
このような構成にすると、超音波溶着時の下フランジ47の面振れが抑止され、安定して環状連結部51に下フランジ47を溶着することができる。また、落下等により下フランジ47に受けた衝撃を環状突起55で受け止めることができるので、耐落下衝撃性を向上させることができる。なお、溶着しろ53Aを設ける位置は、図14で示すように、溶着しろ53Aの中心とハブ43の板厚方向の中心との距離Lが、L=約3mm〜約5mmとされた位置であることが好ましい。また、溶着しろは下フランジ47の上面に設けられる構成としてもよい。
また、図15で示すように、ハブ大リール41の上フランジ45及び下フランジ47の外径は、ハブ小リール40の上フランジ44及び下フランジ46の外径と同一(共に約103mm)とされている。換言すれば、ハブ小リール40のハブ42に巻回されている記録テープTの最大巻径と、ハブ大リール41のハブ43に巻回されている記録テープTの最大巻径は同一とされている。したがって、記録テープカートリッジ11の不使用時において、リーダーテープ22は、記録テープカートリッジ10と同様に、好適にスロット部24に収納保持される。
すなわち、記録テープカートリッジ10、11の不使用時において、揺動規制壁17の内側に収容されたハブ小リール40から引き出されたリーダーテープ22(最外周の記録テープT)も、揺動規制壁17の内側に収容されたハブ大リール41から引き出されたリーダーテープ22(最外周の記録テープT)も、左側壁12Bに略沿って配置されることになるため、ハブ大リール41のリーダーテープ22のスロット部24に対する配置角度が、ハブ小リール40のリーダーテープ22のスロット部24に対する配置角度と同じになる。
したがって、記録テープカートリッジ11において、ドライブ装置の引出部材がリーダーテープ22の孔部22Aに係合するパス角度が変動するような不具合はなく、リーダーテープ22及び記録テープTのドライブ装置内でのパス経路も記録テープカートリッジ10と異なることがない。つまり、ハブ大リール41を有する記録テープカートリッジ11もハブ小リール40を有する記録テープカートリッジ10も、同じドライブ装置で記録・再生することが可能となっている。
なお、ハブ大リール41を収容した記録テープカートリッジ11の場合、記録テープTの巻量が、ハブ小リール40を収容した記録テープカートリッジ10よりも少ないため、一般にリール全体の重量が軽くなる。したがって、リーダーテープ22及び記録テープTの引出トルクは、ハブ大リール41の方がハブ小リール40よりも小さくなる。ここで言うドライブ装置は、当然ながら、そのテンション制御が可能となっており、これによって、記録テープカートリッジ11を記録テープカートリッジ10と同一のドライブ装置に装填することができる。
また、図16で示すように、ハブ大リール41の上フランジ45と下フランジ47の対向する面側の迎角α1、α2は、仮想線で示すハブ小リール40の上フランジ44と下フランジ46の対向する面側の迎角β1、β2とそれぞれ等しくされている。すなわち、上フランジ44、45の下面と下フランジ46、47の上面は、側面視で径方向外側に向かって薄くなるようなテーパー面(内周部の板厚と外周部の板厚との差が、ハブ小リール40で約0.2mm、ハブ大リール41で約0.1mmとなるようなテーパー面)とされており、ハブ大リール41のハブ43の径によらず、上フランジ45及び下フランジ47の迎角α1、α2が、ハブ小リール40の上フランジ44及び下フランジ46の迎角β1、β2とそれぞれ同一(α1=β1、α2=β2)に構成されている。
したがって、ハブ大リール41のハブ43の外周面における上フランジ45と下フランジ47の間隔Hは、仮想線で示すハブ小リール40のハブ42の外周面における上フランジ44と下フランジ46の間隔Jよりも広くなる(H>J)が、この方が、例えばハブ大リール41のハブ43の外周面における上フランジ45と下フランジ47の間隔Hを、ハブ小リール40のハブ42の外周面における上フランジ44と下フランジ46の間隔Jと等しく(H=J)し、迎角α1、α2を迎角β1、β2よりも大きく(α1>β1、α2>β2)する場合よりも好ましい。
つまり、後者のような構成(α1>β1、α2>β2、H=J)にすると、記録テープTの上端部(エッジ)と上フランジ45の間、及び下端部(エッジ)と下フランジ47の間のマージンが少なくなるので、記録テープTが上下方向(幅方向)に微小にずれて巻回されるLTM(Lateral Tape Motion)による影響や、記録テープTがハブ小リール40に比べてリールの回転中心から離れて巻回されるために起きる(巻回される記録テープTの重心が径方向外側へずれることに起因する)ハブ43の振動(ハブ大リール41の回転中におけるハブ43のブレ)、即ち上下フランジ45、47の振動が大きくなるという問題が起こる。
そのため、前者のような構成(α1=β1、α2=β2、H>J)とした方が好ましく、これにより、記録テープTの上下端部(エッジ)を好適に規制でき(記録テープTを安定して巻回することができ)、ハブ大リール41の回転中におけるハブ43の振動、即ち上下フランジ45、47の振動を低減する(安定させる)ことができる。
その他、図15で示すように、ハブ小リール40とハブ大リール41のどちらがケース12内に収容された記録テープカートリッジ10、11かを判別するために、これら記録テープカートリッジ10、11には、リールの種類や記録テープTの情報、生産情報等を記憶したRFID108を搭載することが好ましい。
RFID108を搭載する位置は、図示するように、ケース12の前壁12A側内面に、それと平行に配置するのが好ましく、このような位置にRFID108を配置すると、記録テープカートリッジ10又は記録テープカートリッジ11をドライブ装置に装填したときに、直ちにハブ小リール40の記録テープカートリッジ10か、ハブ大リール41の記録テープカートリッジ11かを判断することができる。
なお、ライブラリー装置(図示省略)から記録テープカートリッジ10、11を取り出すときに、記録テープカートリッジ10、11の種類が判別できるように、上記RFID108をケース12の後壁12E側内面に平行に配置してもよい。このような構成にすると、記録テープカートリッジ10、11をライブラリー装置から取り出した後で、かつドライブ装置に装填する前に、その記録テープカートリッジ10、11の種類に関する情報をドライブ装置に伝達できるので、そのドライブ装置に予めリーダーテープ22を引き出すときのテンション変更などの受け入れ準備をさせることが可能となる。
次に、この低容量タイプの記録テープカートリッジ11の作用について説明する。なお、上記記録テープカートリッジ10と同様な点は、適宜その説明を省略する。記録テープカートリッジ11の不使用時には、リーダーテープ22はスロット部24に収納されて保持されている。このとき、ハブ大リール41の上下フランジ45、47の外径は、ハブ小リール40の上下フランジ44、46の外径と同一とされているので、ハブ大リール41から引き出されているリーダーテープ22(最外周の記録テープT)もハブ小リール40と同様に左側壁12Bに略沿って配置されている。
記録テープカートリッジ11(ハブ大リール41に巻回されている記録テープT)に情報を記録、又は記録テープカートリッジ11(ハブ大リール41に巻回されている記録テープT)に記録されている情報を再生する際には、その記録テープカートリッジ11をドライブ装置に装填する。このとき、例えば前壁12A内面に設けられたRFID108により、自動的にハブ大リール41を収容した記録テープカートリッジ11であることが、ドライブ装置に認識される。
記録テープカートリッジ11がドライブ装置に装填されると、記録テープカートリッジ10と同様に、図17で示す状態から、図18で示す状態とされる。すなわち、ドライブ装置の開閉部材(図示省略)により、ドア30が開放され、回転シャフト100がギア開口18から進入して、それに設けられた駆動ギア102がリールギア50に噛合する。
そして、その噛合動作に伴って、ブレーキ部材80が上昇し、係合ギア54から制動ギア82が離間する(係合ギア54と制動ギア82との噛合が解除される)とともに、ロック部材90が円筒壁49から離間して、ハブ大リール41の上下方向の移動及び回転が許容される状態となる。
また、ドア30が開放されることにより、リーダーテープ22が引き出されるが、このハブ大リール41のリーダーテープ22は、ハブ小リール40と同じ配置角度でスロット部24に収納保持されているので、ドライブ装置の引出部材は、リーダーテープ22の孔部22Aに確実に係合できる。
また、ハブ大リール41の重量(巻量)がハブ小リール40の重量(巻量)よりも軽い(少ない)ので、ハブ大リール41のリーダーテープ22の引出トルクが、ハブ小リール40のときの引出トルクよりも小さいが、そのテンション調整はドライブ装置側で、既に完了している。したがって、ドライブ装置は、リーダーテープ22を、記録テープカートリッジ10のときと全く同様に、好適にケース12内から引き出すことができる。
こうして、リーダーテープ22を介して記録テープTをケース12内から引き出したら、記録テープカートリッジ10のときと同様に、ドライブ装置の巻取リール(図示省略)に巻回し、記録再生ヘッド(図示省略)により、記録テープTに情報の記録又は記録テープTに記録された情報の再生を行えばよく、情報の記録又は再生が終了した記録テープカートリッジ11は、図18で示す状態から、図17で示す状態とされる。
すなわち、回転シャフト100がギア開口18から抜き出されることによって、駆動ギア102とリールギア50との噛合が解除され、その噛合解除動作に伴って、ブレーキ部材80が下降し、制動ギア82が係合ギア54に噛合するとともに、円筒壁49にロック部材90が係合する。つまり、ハブ大リール41の上下方向の移動及び回転が阻止された状態となる。そして、その後、記録テープカートリッジ11は、ドア30が閉塞されつつ、ドライブ装置から排出される。
以上、何れにしても、通常の記録テープカートリッジ10に収容されている通常のハブ小リール40を、低容量タイプのハブ大リール41に交換するだけで、低容量タイプの記録テープカートリッジ11を簡単に製造することができる。つまり、低容量タイプの記録テープカートリッジ11は、ハブ大リール41以外の各部品を全て通常のハブ小リール40を収容する通常の記録テープカートリッジ10と兼用できるので、簡単に組み立てることができる。したがって、ハブ大リール41以外に製造コストが増加するような不具合は起きない。
なお、上記実施例では、ロック部材90をリール40(取付部60)の中心から径方向外側に向かって付勢する付勢手段として、コイルばね58を例に採って説明したが、付勢手段はこれに限定されるものではなく、例えば板ばねやトーションばね等で構成してもよい。また、このような付勢手段が天板14A内面の略中央(取付部60の中心)部分に配設される構成であると、ケース12内におけるデッドスペースの有効利用が図れ、かつ、その付勢手段をコンパクトに構成できるので好ましい。
更に、上記実施例では、ロック部材90をブレーキ部材80との係合によって径方向に摺動させる構成としたが、ロック部材90を径方向に摺動させる構成は、これに限定されるものではなく、例えばロック部材90を昇降ロック位置(リール40の軸方向の移動を阻止する位置)と昇降許容位置(リール40の軸方向の移動を許容する位置)とに切り替える切替部材等をブレーキ部材80とは別に設ける構成としてもよい。但し、この場合、その切替部材等はブレーキ部材80と連動して作動する構成とすることが好ましい。また、リーダー部材は、図示のリーダーテープ22に限定されるものではなく、リーダーピンやリーダーブロックであっても同様である。
記録テープカートリッジの概略斜視図 ドアが開放された開口付近の概略斜視図 回転シャフト上昇前の記録テープカートリッジの概略側断面図 回転シャフト上昇後の記録テープカートリッジの概略側断面図 上ケースに形成された取付部の構成を示す概略分解斜視図 上ケースに形成された取付部を示す概略斜視図 保持部に保持されたロック部材の概略側面図 回転シャフト上昇前の記録テープカートリッジの一部拡大概略側断面図 回転シャフト上昇途中の記録テープカートリッジの一部拡大概略側断面図 回転シャフト上昇途中の記録テープカートリッジの一部拡大概略側断面図 回転シャフト上昇後の記録テープカートリッジの一部拡大概略側断面図 低容量タイプのリールを示す概略斜視図 図12のX−X線概略側断面図 図13の一部拡大概略側断面図 天板を取り除いて見た低容量タイプの記録テープカートリッジの概略平面図 上フランジと下フランジのテーパー角度を説明する一部拡大概略側断面図 回転シャフト上昇前の低容量タイプの記録テープカートリッジの概略側断面図 回転シャフト上昇後の低容量タイプの記録テープカートリッジの概略側断面図
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
11 記録テープカートリッジ
12 ケース
20 開口
22 リーダーテープ(リーダー部材)
24 スロット部(収納部)
30 ドア
40 リール(ハブ小リール)
41 リール(ハブ大リール)
42 ハブ
43 ハブ
44 上フランジ
45 上フランジ
46 下フランジ
47 下フランジ
48 底壁
49 円筒壁
50 リールギア
51 環状連結部
52 リールプレート
53 環状凸部
54 係合ギア
55 環状突起
56 環状リブ
57 補強リブ
58 コイルばね
59 補強リブ
80 ブレーキ部材
90 ロック部材
108 RFID

Claims (8)

  1. 記録テープが巻回されるハブと、該ハブの上端部に一体に形成され、該記録テープの幅方向端部を規制する上フランジと、該ハブの下端部に設けられ、該記録テープの幅方向端部を規制する下フランジと、を有し、前記ハブの径が大小異なる径とされたハブ大リール及びハブ小リールと、
    前記ハブ大リール又は前記ハブ小リールを単一で回転可能に収容するケースと、
    前記記録テープの端部に取り付けられたリーダー部材と、
    を備え、
    前記ハブ大リールが前記ケース内に収容されても、前記ハブ小リールが前記ケース内に収容されても同一のドライブ装置で記録・再生できる記録テープカートリッジであって、
    前記ハブ大リールに、前記ハブ小リールのハブと同じ内径、同じ高さを有する円筒壁が設けられ、前記ハブ小リールのハブ内に収容されて前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時に該ハブ小リールの回転を阻止するブレーキ部材が、前記円筒壁内に収容されて前記ハブ大リールの回転を阻止するブレーキ部材として使用されるとともに、該ブレーキ部材は、前記リーダー部材が前記ケース内から引き出される使用時には、前記ハブ小リール及び前記ハブ大リールの回転を許容する位置に移動される構成とされ、
    前記ハブ大リールの円筒壁の上端面と前記ケースの天板内面との間、又は前記ハブ小リールのハブの上端面と前記ケースの天板内面との間に介在し、前記ハブ大リール及び前記ハブ小リールの高さ方向の移動を規制する共通のロック部材が、前記ケースの天板内面に、前記ハブ大リール及び前記ハブ小リールの径方向に摺動可能に設けられ、
    前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時には、前記ロック部材が、前記ハブ大リールの場合は前記円筒壁の上端面と前記天板内面との間に介在し、前記ハブ小リールの場合は前記ハブの上端面と前記天板内面との間に介在し、
    前記リーダー部材が前記ケース内から引き出される使用時には、前記ロック部材が、前記ブレーキ部材の移動に伴って前記径方向内側に摺動し、前記ハブ大リールの場合は前記円筒壁の上端面と前記天板内面との間から退避し、前記ハブ小リールの場合は前記ハブの上端面と前記天板内面との間から退避する構成とされ、
    前記リーダー部材が前記ケース内に保持されている不使用時において、前記ハブ大リールから引き出された記録テープも、前記ハブ小リールから引き出された記録テープも、前記ケースの側壁に略沿うように配置されていることを特徴とする記録テープカートリッジ。
  2. 前記ハブ大リールの上フランジ及び下フランジの対向する面の迎角が、前記ハブ小リールの上フランジ及び下フランジの対向する面の迎角と同一であり、前記ハブ大リールのハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔が、前記ハブ小リールのハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔より大であることを特徴とする請求項1に記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記記録テープがコンピューターのデータ記録再生媒体として使用される磁気テープであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記ハブ大リールにおいて、該ハブと前記円筒壁とが環状連結部によって連結されるとともに、該環状連結部が該ハブに連結される部位は、該ハブの外周面における上フランジと下フランジとの間隔の半分か、それよりも下フランジ側であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録テープカートリッジ。
  5. 前記ハブ大リールのハブの板厚を、前記環状連結部の板厚と同じか、それよりも厚くしたことを特徴とする請求項に記載の記録テープカートリッジ。
  6. 前記ハブ大リールにおいて、該ハブと前記環状連結部と前記上フランジとが樹脂材で一体成形され、前記下フランジが、前記環状連結部の下面に突設された凸部に溶着されるとともに、該ハブの下端面を、前記下フランジに当接させたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の記録テープカートリッジ。
  7. 前記リーダー部材が、フィルムテープ状であり、前記ケースの側壁に沿って形成されたスリット状の収納部に保持されることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の記録テープカートリッジ。
  8. 前記ケース内に収容されたリールが、ハブ大リールか、ハブ小リールかを識別するRFIDを該ケース内に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の記録テープカートリッジ。
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