JP4662526B2 - レーザダイオードモジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はレーザダイオードモジュールに関し、特にCANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザダイオードが、光通信機器の発光手段や、CD(コンパクトディスク)ドライブやDVD(デジタルヴァーサタイルディスク)ドライブの光ピックアップなどとして広く用いられている。レーザダイオードは、いわゆるCANパッケージやバタフライパッケージなどの形態のパッケージを含むモジュールとして使用される場合が多い。
【0003】
レーザダイオードは、高温になると、発振波長が変動するなど性能および信頼性の低下が見られ、また寿命が短くなるという問題がある。このような熱による劣化は、外部から熱が加えられて生じるだけでなく、レーザダイオード自体が作動時に発熱することによって生じる場合が多い。
【0004】
一般に、図5に示すようなレーザダイオードモジュール、すなわち中空のキャップ11とステム12から形成される空間内にレーザダイオードチップ13を内蔵しているいわゆるCANパッケージの場合には、金属製のステム12が、このレーザダイオードモジュールが取り付けられる電子機器の金属製の筐体14に接触し、この金属製の筐体14が少なくとも部分的に外部に露出するように構成することによって、レーザダイオードチップ13からの熱を、パッケージの金属部分(ステム12)および電子機器の金属部分(筐体14)を介して外部に自然放熱させる方法が採用されている。なお、このような構成では、金属部分の代わりに、熱伝導性の良好な他の材料を用いていても構わない。
【0005】
しかし、レーザダイオードモジュールおよびそれを内蔵する電子機器がさらに小型化しかつ高出力化するにつれて、レーザダイオードからの熱を金属部分を介して外部に自然放熱させる方法だけでは、温度上昇を十分に抑えることができず、レーザダイオードの性能低下および短寿命化は回避できない。特に近年では、例えばブルーレイディスクドライブのようなより高性能の電子機器が実用化されており、それらに用いられるレーザダイオードモジュールにおいては、熱による劣化や短寿命化が著しく、レーザダイオードの温度上昇の防止がより一層強く望まれている。
【0006】
そこで、従来のような自然放熱のみに頼らずに、レーザダイオードを強制的に冷却する構成が提案されている。例えば特許文献1には、図6に概略的に示すように、レーザダイオードモジュールのCANパッケージの内部、すなわち透明窓を有するキャップ11の中空部内にペルチェ素子15を収容し、このペルチェ素子15上にレーザダイオードチップ13を搭載している構成が開示されている。また、非特許文献1,2には、図7に概略的に示すように、ペルチェ素子18に孔部18aを設け、この孔部18a上にレーザダイオードのパッケージ19を配置する構成が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−200481号公報(第1頁右欄第7行〜第2頁左上欄第3行、第2頁左下欄第20行〜第3頁左上欄第7行、第1図、第4図)
【0008】
【特許文献2】
特開平08−97472号公報(請求項19、[0059]〜[0064]、図4)
【0009】
【非特許文献1】
「センターホールサーモモジュール」、[online]、株式会社フェローテック、[2003年7月15日検索]、インターネット<URL: http://www.ferrotec.co.jp/intro/user/pdf/01#012.pdf>
【0010】
【非特許文献2】
「マルチホールサーモモジュール」、[online]、株式会社フェローテック、[2003年7月15日検索]、インターネット<URL: http://www.ferrotec.co.jp/intro/user/pdf/multihall.pdf>
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の構成は、図6に示すように、レーザダイオードモジュールのいわゆるCANパッケージの内部にペルチェ素子15が配置され、さらにそのペルチェ素子15上にレーザダイオードチップ13が配置されている。したがって、この発明では、キャップ11の中空部内にペルチェ素子15を内蔵することを考慮して、レーザダイオードのCANパッケージ構造の設計を行わなければならない。すなわち、特許文献1の構成を実現するためには、ペルチェ素子15の形状や大きさに合わせて、CANパッケージ構造を特別な設計にする必要があり、当然のことながら、ペルチェ素子15を内蔵していない、市販されている既存のCANパッケージ構成のレーザダイオードモジュールを使用することはできない。このように、特許文献1の構成では、レーザダイオードのパッケージを設計し直して全く新たに製造する必要がある。従って、現在一般に用いられているCANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールをそのまま使用できる場合に比べて、生産コスト上の不利益が非常に大きい。
【0012】
さらに、キャップ11内に収まる非常に小さな空間内にペルチェ素子15およびレーザダイオードチップ13を配設し、これらの配線を行わなければならず、しかも、レーザダイオードチップ13が搭載されるためペルチェ素子15の位置精度は正確さを要求され、非常に精緻な組立作業が必要になる。このことも生産コストの上昇を招く。仮に、ペルチェ素子15およびレーザダイオードチップ13の配設とこれらの配線を容易にしようとすると、キャップ11またはCANパッケージ全体を大型化しなければならず、その結果、現行の規格から外れた寸法または形状のパッケージになってしまい、それを取り付ける電子機器の設計変更まで必要となる可能性がある。
【0013】
また、通常のペルチェ素子は、その駆動方法に応じて、一方の基板が冷却作用を持ち他方の基板が発熱作用を有している。したがって、特許文献1の構成では、冷却作用を持つ基板15aをレーザダイオードチップ13に接触させることによって冷却効果を得ている反面、キャップ11の中空部内の狭い空間に存在する他方の基板15bの発熱作用の影響も考えられる。他方の基板15bの発熱作用によってキャップ11内の雰囲気が少なくとも部分的に温度上昇したり、他方の基板15bと接触する支持体16,17が温度上昇すると、基板15aによる冷却効果がある程度相殺される可能性がある。特許文献1の構成には、他方の基板15bおよびそれと接触する支持体16,17の熱を逃がす手段は設けられていない。
【0014】
このように、特許文献1に提案されている構成は、生産コストや製造工程上の不利益が大きく、実用化に適したものとはいえない。また、どの程度の冷却効果が得られるかも定かではない。
【0015】
一方、非特許文献1,2に記載の構成では、図7に示すように、市販されている既存のCANパッケージ構成のレーザダイオードモジュールを使用することができるが、ペルチェ素子18は、レーザダイオードモジュールのCANパッケージ19に対応した大きさの孔部18aを持つように、特別に設計されたものでなければならない。孔部18aを有するペルチェ素子18を製造するにしても、既に完成したペルチェ素子18に後から孔部18aを設けるにしても、その製造工程は精緻さを要求され非常に煩雑である。特に、図示しないが、非特許文献2に記載の構成では、より小さな孔部を複数(例えば3個)設けるため、製造工程は非常に煩雑である。
【0016】
また、このレーザダイオードモジュールを電子機器の筐体に取り付ける際には、CANパッケージ19が取り付けられたペルチェ素子18の基板を筐体に固定するのが一般的であり、ペルチェ素子18がCANパッケージ19の支持体として機能する。したがって、決して強固ではない構造のペルチェ素子18に大きな負荷が加わり破損し易くなるおそれがある。また、CANパッケージ19が、それよりも大きいペルチェ素子18に取り付けられるため、レーザダイオードモジュール全体が大型化し、さらに、それが取り付けられる電子機器の筐体を、この大きなペルチェ素子18に合わせて設計変更する必要が生じる場合がある。
【0017】
そこで本発明の目的は、既存のパッケージと既存のペルチェ素子を設計変更することなく使用でき、レーザダイオードを冷却可能であるとともに、ペルチェ素子の発熱側基板の熱を外部に逃がすことができ、さらに大型化することなく従来の規格に従って、取り付けられる電子機器の筐体等の設計変更を必要としないレーザダイオードモジュールを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザダイオードモジュールは、中空のキャップと該キャップの中空部を塞ぐステムとを有し、中空部内にレーザダイオードを内蔵しているパッケージと、パッケージのステムと間隔をおいて対向する位置に配置されている熱伝導率の高い放熱部材と、ステムと放熱部材の間に部分的に介在して、パッケージと放熱部材を非接触状態に保つ熱伝導率の低い断熱部材と、ステムと放熱部材の間の、断熱部材が存在しない位置に配置され、ステムに当接する冷却側基板と、放熱部材に当接する発熱側基板とを備えているペルチェ素子とを有することを特徴とする。なお、ステムは、外周部が、断熱部材に設けられた孔部に嵌合して保持されており、ペルチェ素子は断熱部材の孔部内に位置しており、冷却側基板はステムの外面に当接し、発熱側基板は放熱部材の内面に当接している構成であってもよい。
【0019】
このような構成によると、ペルチェ素子の冷却効果によってレーザダイオードの温度上昇を抑え熱による劣化や短寿命化を防ぐことができる。しかも、ペルチェ素子の発熱部分からの熱は断熱部材に遮断されてレーザダイオードには伝わらず、放熱部材から外部に放熱されるため、ペルチェ素子の冷却効果のみを有効に利用でき効率がよい。また、既存のパッケージを用いることができ、そのパッケージの外側にペルチェ素子と断熱部材と放熱部材を後から取り付けるだけで簡単に製造でき生産コストは低く抑えられる。
【0020】
放熱部材の平面形状は、パッケージの平面形状と実質的に相似でかつパッケージよりも大きな外形を有していることが好ましい。さらに、放熱部材の平面形状は、レーザダイオードモジュールの標準的なパッケージ規格の中の、パッケージよりも1段階大きなサイズの平面形状と実質的に同じ形状および大きさの外形を有していることがより好ましい。そうすると、レーザダイオードモジュールを取り付けるべき電子機器の筐体も、特別な設計変更は不要で既存のものが使用できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1に、本実施形態のレーザダイオードモジュールの全体構成が示されている。このレーザダイオードモジュールの基部は、略円筒形のいわゆるCANパッケージ10である。CANパッケージ10は、少なくとも一部が透光性を有する中空のキャップ1と、金属製の円板状のステム2とが接合されて、レーザダイオードチップ3およびその駆動および保持手段(図示せず)を内蔵する空間が形成されている構成である。そして、リード4a〜4cがステム2を貫通して図1(a)の下方に延びている。詳述しないが、このリード4a〜4cのうちの少なくとも2本(本実施形態ではリード4aと4b)が、レーザダイオードチップ3に接続されている。
【0023】
前記したCANパッケージ10のステム2の下面に、ペルチェ素子5が固定されている。ペルチェ素子5は、1対の基板5a,5bの間にp型とn型の半導体5cが交互に配置された構成であり、両電極5d間に電力が供給された時に冷却効果を発揮する基板5aが、はんだ付けによってステム2の下面に固着されている。両電極5d間に電流が流された時に発熱効果を発揮する基板5bは、粘着性を有する熱伝導シート9によって、後述する放熱部材6の内面に固着されている。
【0024】
ステム2の下方には円形の輪郭を有する放熱部材6が配置され、リード4a〜4cは、放熱部材6に設けられた3つの孔部6aを貫通して下方に延びている。放熱部材6の外周部にはフランジ6bが設けられている。そして、このフランジ6bに係合するように、輪郭が円形である断熱性樹脂(断熱部材)7が設けられている。断熱性樹脂7には中心孔7aが設けられており、中心孔7aにステム2の外周部が嵌合している。従って、断熱性樹脂7は、ステム2と放熱部材6との間に部分的に介在して、両者を非接触状態に隔離している。そして、ペルチェ素子5は、ステム2と放熱部材6との間の、断熱性樹脂7が存在しない位置、すなわち断熱性樹脂7の中心孔7a内に位置している。放熱部材6は熱伝導率の高い材料、例えば銅などの金属からなり、放熱効果が大きい。また、断熱性樹脂7は、樹脂に限定されるものではないが、熱伝導率が低く断熱効果が大きい材料からなる。
【0025】
このような構成のレーザダイオードモジュールが、図2に示すように、例えば、光ピックアップ等の電子機器の筐体8の取付孔8aに取り付けられる。このレーザダイオードモジュールは、リード4a〜4cのうちの少なくとも2本(本実施形態ではリード4aと4b)に電力が供給されると、図示しない駆動手段に駆動されてレーザダイオードチップ3がレーザ光を放出し、レーザ光は透光性を有するキャップ1を介して外部に出射する。このとき、ペルチェ素子5の電極5dにも電力が供給され、一方の基板5aは冷却効果を発揮する。それによって、この基板5aに接するステム2が冷却され、さらに、図示しない保持手段を介してステム2に支持されているレーザダイオードチップ3も冷却され、またステム2がキャップ1内を冷却雰囲気にすることによってもレーザダイオードチップ3が冷却される。このように、ペルチェ素子5の作用でレーザダイオードチップ3が冷却されることによって、レーザダイオードチップ3がレーザ光を放出する際の発熱が相殺されて、レーザダイオードチップ3は比較的一定の温度に保たれる。従って、従来のように温度上昇による劣化や短寿命化が防げる。なお、ペルチェ素子5は原理上それぞれの最大吸熱量が決まっているため、最大限に駆動し続けると最低温度に一定に保たれる。
【0026】
また、ペルチェ素子5の発熱側の基板5bは、キャップ1とステム2に囲まれる空間の外に位置しているため、レーザダイオードチップ3が含まれる空間を発熱雰囲気にすることはない。そして、この基板5bの熱は放熱部材6から筐体8に伝わって、従来の構成と同様に自然放熱する。なお、放熱部材6に伝わった熱は、断熱性樹脂7に遮断されるためステム2やレーザダイオードチップ3が含まれる空間に伝わることはない。このように、本実施形態によると、ペルチェ素子5の冷却効果によってレーザダイオードチップ3を強制的に冷却するとともに、ペルチェ素子5の発熱側基板5bからの熱は、レーザダイオードのパッケージ10に伝わることなく自然放熱させることができる。従って、ペルチェ素子5によって効果的にレーザダイオードチップ3の温度上昇を抑制することができるととともに、ペルチェ素子5の発熱側の基板5bからの熱をレーザダイオードチップ3に伝わらないようにして逃がすことができる。なお、放熱部材6と筐体8のいずれか一方または両方に放熱フィンを設けて、より高い放熱効果を得る構成とすることもできる。筐体8は、従来と同様なものであってよいが、例えばアルミダイキャストや亜鉛ダイキャストなど熱伝導率の高い材料からなる。
【0027】
ペルチェ素子5の固定および接続手段について説明すると、冷却側の基板5aは、はんだや銀ペーストやシリコンオイルや両面テープ状の熱伝導シート等を用いて、ステム2に固着されている。図1(b)に例示するように、ペルチェ素子5の一方の電極5dは、ワイヤボンディングやワイヤのはんだ付け等によってリード4cに接続され、他方の電極5dは、ワイヤボンディングやワイヤのはんだ付けや、図3に示すような直接はんだ付けや、図4に示すように冷却基板5aの内面から外面まで連続的に形成された導電パターン5e等によって、金属製のステム2の外面(下面)に接続されている。本実施形態では、リード4a,4bが、図示しない駆動回路を介してレーザダイオードチップ3を発光駆動するために用いられており、残りのリード4cはレーザダイオードチップ3を発光駆動するためには用いられていない。そこで、この残りのリード4cをペルチェ素子5の駆動用に利用するとともに、金属製のステム2の外面(下面)を接地電極(コモン電極)として利用している。
【0028】
ここで、CANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールについて説明する。本実施形態では、特許文献1とは異なり、CANパッケージ10の内部は格別新規な構成ではないため、本発明のために特別な構成のCANパッケージ10を作製して用いる必要はなく、市販されている普及品のCANパッケージ10を用いることができる。このことは、実用上非常に有益である。
【0029】
市販されている普及品のCANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールは、前記したように3本のリード4a〜4cを有している構成と、図示しないが4本のリードを有している構成が主流である。各リードの使用方法は使用者に委ねられている部分が大きい。通常、レーザダイオードチップ3を駆動するために必ず必要なのはリード2本であり、他のリードは必ずしも必要ではない。そこで、3本のリードを有するCANパッケージ構造において3本のリードのうちの1本がレーザダイオードチップ3の駆動用として用いられていない場合には、前記したようにその残りの1本のリードをペルチェ素子5の駆動用として用いることができる。同様に、4本のリードを有するCANパッケージ構造において1本または2本のリードがレーザダイオードチップ3の駆動用として用いられない場合には、その1本または2本のリードをペルチェ素子5の駆動用として用いることができる。このようにしてCANパッケージ10の少なくとも1本のリードをペルチェ素子5の駆動用として用い、さらに金属製のステム2をコモン電極として用いることによって、ペルチェ素子5駆動用の電気経路が確保できる。ただし、以上の説明は飽くまでも例示であって、これらに限定されるものではない。すなわち、CANパッケージ10のリードの数は任意に選択することができ、必要に応じて本発明のレーザダイオードモジュールのための専用のCANパッケージ10を設計して作製してもよい。また、ペルチェ素子5の駆動手段は前記した例に限られず、様々な変更例が可能である。
【0030】
次に、レーザダイオードモジュールの寸法や形状について説明する。本願出願時においては、レーザダイオードモジュールのCANパッケージの標準的な規格が存在し、それは、平面形状が円形で最大直径(ステムの直径)が3.3mm、5.6mm、9mm等である。前記した通り、本実施形態では、市販されている普及品のCANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールを使用できること、さらに、電子機器の筐体の構成の設計変更が不要であることを利点の1つとしている。すなわち、図2に示す筐体8の取付孔8aは、従来のレーザダイオードモジュールを取り付けることを想定して、前記した規格に従って例えば直径5.6mm(または9mm)の円形の部材を受けるのに適した形状および寸法に形成されている。そこに、本実施形態のレーザダイオードモジュールを取り付けてしっかりと保持させるために、本実施形態のレーザダイオードモジュールの取付部分(外形が最大の部分)が、取付孔8aに対応して、平面形状が円形で最大直径が5.6mm(または9mm)であることが好ましい。本実施形態のレーザダイオードモジュールの、平面形状の外形が最大の部分は放熱部材6であるため、この放熱部材6は、平面形状が円形で最大直径が5.6mm(または9mm)となるように形成されている。なお、断熱性樹脂7は、放熱部材6と筐体8の熱伝達のための接触を妨げないように、外形が放熱部材6と同じかそれよりも小さくなるように形成されているため、必ずしも取付孔8aに対応する形状および寸法に形成する必要はない。
【0031】
このように、本実施形態において既存のCANパッケージ構造のレーザダイオードモジュールと、既存の電子機器の筐体を利用できるようにするため、現行の規格に従って、従来のようにCANパッケージ10と筐体8の取付孔8aが同じサイズのものを選択するのではなく、筐体8の取付孔8aよりも1段階小さなサイズのCANパッケージ10を選択して用いると好適である。例えば、直径5.6mm用の取付孔8aを有する筐体8には直径3.3mmのCANパッケージ10を取り付けるようにし、直径9mm用の取付孔8aを有する筐体8には直径5.6mmのCANパッケージ10を取り付けるようにするのが好適である。その場合、放熱部材6が、筐体8の取付孔8aとCANパッケージ10のサイズの違いを調整するアダプタとして機能する。従って、放熱部材6の平面形状の外形は、レーザダイオードモジュールの標準的なパッケージ規格の中の、このレーザダイオードモジュールのCANパッケージ10のサイズよりも1段階大きなサイズと実質的に同じ形状および大きさに形成される。このように、放熱部材6の平面形状および寸法のみを工夫することによって、既存の筐体8と既存のCANパッケージ10を用いて本発明を実施することができる。なお、筐体8の取付孔8aよりも2段階以上小さなサイズのCANパッケージ10を用いることも可能ではあるが、効率的ではない。また、前記した例では記載していないが、直径3.3mm用の取付孔8aを有する筐体8を用いなければならない場合にはそれよりも小さなサイズのCANパッケージ10を用い、直径9mmのCANパッケージ10を用いなければならない場合にはそれよりも大きなサイズの取付孔8aを有する筐体8を用いる。このような場合には、必要であれば、規格外のサイズの筐体8またはCANパッケージ10を作製することになる。なお、仮に平面形状の外形が真円でないパッケージ10を用いる場合には、放熱部材6の平面形状は、パッケージ10と相似でパッケージ10よりも大きい外形を有しているのが好ましい。
【0032】
図示する通り、本実施形態のペルチェ素子5は非常に小型である。従って、ここでは具体的に説明しないが、例えば特開平8−97472号公報に記載されている製造方法を用いてペルチェ素子5を製造することが有効である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、ペルチェ素子の冷却効果によってレーザダイオードの温度上昇を抑え熱による劣化や短寿命化を防ぐことができる。しかも、ペルチェ素子の発熱部分からの熱は断熱部材に遮断されてレーザダイオードには伝わらず、放熱部材から外部に放熱されるため、ペルチェ素子の冷却効果のみを有効に利用でき効率がよい。また、本発明によると、既存のパッケージを用いることができ、またこのレーザダイオードモジュールを取り付けるべき電子機器の筐体も、特別な設計変更は不要で既存のものが使用できる。本発明は、既存のパッケージの外側にペルチェ素子と断熱部材と放熱部材を後から取り付けることによって実施できるため、製造工程は簡単で生産コストは低く抑えられ、大型化を招くこともなく、実用上非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のレーザダイオードモジュールの一実施例の、2本のリードを通るように切断した断面図であり、(b)はその底面図である。
【図2】図1に示すレーザダイオードモジュールを筐体に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図3】図1に示すレーザダイオードモジュールのペルチェ素子の接続方法の他の例を示す、リードを省略した要部側面図である。
【図4】図1に示すレーザダイオードモジュールのペルチェ素子の接続方法の他のさらに他の例を示す、ペルチェ素子の側面図である。
【図5】従来のレーザダイオードモジュールを筐体に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図6】特許文献1のレーザダイオードモジュールの正面図である。
【図7】(a)は非特許文献1のレーザダイオードモジュールの底面図であり、(b)はその2本のリードを通るように切断した断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ
2 ステム
3 レーザダイオードチップ
4a〜4c リード
5 ペルチェ素子
5a 冷却側基板
5b 発熱側基板
5c 半導体
5d 電極
5e 導電パターン
6 放熱部材
6a 孔部
6b フランジ
7 断熱性樹脂(断熱部材)
7a 中心孔(孔部)
8 筐体
8a 取付孔
9 熱伝導シート
10 CANパッケージ

Claims (4)

  1. 中空のキャップと該キャップの中空部を塞ぐステムとを有し、前記中空部内にレーザダイオードを内蔵しているパッケージと、
    前記パッケージの前記ステムと間隔をおいて対向する位置に配置されている放熱部材と、
    前記ステムと前記放熱部材の間に部分的に介在して、前記パッケージと前記放熱部材を非接触状態に保つ断熱部材と、
    前記ステムと前記放熱部材の間の、前記断熱部材が存在しない位置に配置され、前記ステムに当接する冷却側基板と、前記放熱部材に当接する発熱側基板とを備えているペルチェ素子と、
    前記パッケージと、前記放熱部材と、前記断熱部材と、前記ペルチェ素子と、前記放熱部材の前記発熱側基板側とは逆側の逆側放熱面を外部に露出する開口部とを備える筐体とを備え、
    前記開口部は、前記パッケージと前記放熱部材と前記断熱部材と前記ペルチェ素子と前記放熱部材とが組み付けられたモジュールを前記筐体の内部に取付けるために用いられる取付孔を構成し、
    前記逆側放熱面は、前記筐体の外面よりも内部側に備えられ、前記取付孔の底面は、前記逆側放熱面であるレーザダイオードモジュール。
  2. 前記ステムは、外周部が、前記断熱部材に設けられた孔部に嵌合して保持されており、
    前記ペルチェ素子は前記断熱部材の前記孔部内に位置しており、前記冷却側基板は前記ステムの外面に当接し、前記発熱側基板は前記放熱部材の内面に当接している、請求項1に記載のレーザダイオードモジュール。
  3. 前記放熱部材の平面形状は、前記パッケージの平面形状と実質的に相似でかつ前記パッケージよりも大きい外形を有している、請求項1または2に記載のレーザダイオードモジュール。
  4. 前記レーザダイオードに設けられたリードのうち少なくともひとつを前記ペルチェ素子と接続することでペルチェ素子の駆動用リードとして用いるとともに、他を前記レーザダイオードに接続することでレーザダイオードの駆動用リードとして用いることを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載のレーザダイオードモジュール。
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