JP4662392B2 - 非接触型データ送受信体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触型データ送受信体に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年において、電子データの受け渡しを行なえるようにしたものとしてICチップを搭載したICカードなどが普及するようになってきており、データの受け渡しを媒体としてその受け渡しを非接触にて行なえるようにアンテナを有した非接触型データ送受信体が、薄形で携帯にも便利であることから多く利用されている。このような送受信体はICチップに組み込まれたシステムに高いデータ蓄積能力があるとともに高いデータセキュリティ能力があって、記録されているデータは改竄し難いものとなっている。
しかしながら、データ蓄積能力が高く各種の個人情報や金銭情報を記憶させてその個人情報や金銭情報の受け渡しにこの送受信体を利用する機会が多くなってくるにつけて、改竄が試みられる可能性が高くなるという問題がある。そして、その改竄の抑止効果を付与する方法は、一般のクレジットカードに利用されているように表面にホログラム転写箔を貼り付けたり、特殊な形状のエンボス文字を打刻するなど、従来からの方法と変わりがない。そのため、改竄の抑止効果が高くなる新たな方法が望まれていた。
そこで本発明者は非接触型データ送受信体においてアンテナが外部から見えるようにしてデザイン性を高めるようにしたものに着目して、そのアンテナを見ただけで改竄不能と思われるようにしたものである。よって、本発明は上記事情に鑑み、改竄抑止効果を高めることを目的とするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、傾けることで色合いを変化させる変色顔料を添加してなる導電性インキをベースフィルムにアンテナパターンで印刷してなるアンテナを有するものであって、特に、該アンテナにICチップを実装した前記ベースフィルムを、オーバーシート材が挟み込み、前記オーバーシート材のアンテナ対応部分を透明にして前記アンテナが目視可能に設けられていることを特徴とする非接触型データ送受信体を提供して、上記課題を解消するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1と図2に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は非接触型データ送受信体であり、薄形にして定型カードサイズの大きさのものである。そして、その内部には後述するアンテナ2とこのアンテナ2に実装したICチップ3とから非接触状態でデータを受け渡しするとともに、データを蓄積する機能を実施するように設けられているものであり、前記アンテナ2を見る角度によって(即ち、非接触型データ送受信体の角度を変化させると)そのアンテナ2の色彩が変化する変色表示を行なって改竄に対する抑止効果を高めている。
【0005】
この非接触型データ送受信体1にあっては積層構成を有するものであって、まず、中心側に上記アンテナ2とICチップ3とを有する所要の大きさとしたベースフィルム4が位置している。ベースフィルム4としては厚さ50μmのPETフィルムを使用していて、これにシルク印刷手法により導電性インキをアンテナパターンにして印刷してアンテナ2を印刷形成している。なお、本実施例では、ベースフィルムは、カードの表裏両面側からアンテナ2が見えるように、透明な材質ものを選択している。
使用する導電性インキは、銀ペースト(製品名:LS−411AW、アサヒ化学研究所製)100質量部に対して、パール顔料(製品名:Iriondin211、メルク社製)を10質量部添加し、粘度調整剤としてイソホロンおよびブチルセルソロブアセテートを適量加えたものである。
この導電性インキによりアンテナ2を形成し、アンテナ2が得られた後にICチップ3を実装している。
【0006】
上述のようにしてアンテナ2にICチップ3を実装したベースフィルム4は、図2に示すように透明なホットメルト接着剤6を用いて、表裏の外面層となるオーバーシート材7に挟み込んで接着することで非接触型データ送受信体1が得られる。前記ホットメルト接着剤6には厚さ100μmのヒートシール接着剤シートが利用でき、オーバーシート材7には厚さ250μmのPVCシートが使用できる。さらに、前記ホットメルト接着剤6はヒートシール接着剤をコートしたものであってもよい。
そして、上記オーバーシート材7にあってはアンテナ対応部分8が透明とされるとともにその他の部分が不透明であって、このアンテナ対応部分8からアンテナ2が目視可能に設けられている。
上記構造の非接触型データ送受信体を傾けるようにしてアンテナの色合いの変化を観察したところ、アンテナの色彩が銀色から赤色に変化することが確認できた。
【0007】
上記パール顔料を製品名:Iriondin221(メルク社製)に変えた以外は上記構成と同じにして非接触型データ送受信体を作成した。この非接触型データ送受信体を傾けるようにしてアンテナの色合いの変化を観察したところ、アンテナの色彩が銀色から緑色に変化することが確認できた。
【0008】
上記パール顔料を上記製品名:Iriondin211(メルク社製)としたまま、その添加量を5質量部に変えた以外は上記構成と同じにして非接触型データ送受信体を作成した。この非接触型データ送受信体を傾けるようにしてアンテナの色合いの変化を観察したところ、アンテナの色彩が銀色から青色に変化することが確認できた。
【0009】
このように、アンテナ対応部分8から見えるアンテナ2の色彩が非接触型データ送受信体1を傾けるだけで変化して目視できるものとなり、非接触型データ送受信体1の改竄を抑止する効果が高くなる。即ち、アンテナ2を構成する細い金属層の部分においてのみ色彩が変化して見えるものとなっているため、このアンテナ部分の改竄が極めて困難であることを強調できるものとなる。
なお、変色顔料を添加せずに、アンテナを銀ペーストなどの導電性物質のみを含有する導電性インキで形成した場合には、上述のように非接触型データ送受信体の角度を変えても、そのアンテナの色合いが変化しないことを確認した。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非接触型データ送受信体によれば、傾けることで色合いを変化させる変色顔料を添加してなる導電性インキをベースフィルムにアンテナパターンで印刷してなるアンテナを有し、特に、該アンテナにICチップを実装した前記ベースフィルムを、オーバーシート材が挟み込み、前記オーバーシート材の少なくともアンテナ対応部分を透明にして前記アンテナが目視可能に設けられていることを特徴とするものである。これによって、アンテナを構成する細い金属層の部分においてのみ色彩が変化する状態をアンテナ対応部分を通して外部から見ることができるようになり、この部分の改竄が極めて困難であることを強調できて、改竄の抑止効果が高くなるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触型データ送受信体の一例を示す説明図である。
【図2】一例の要部を分解状態で示す説明図である。
【符号の説明】
1…非接触型データ送受信体
2…アンテナ
4…ベースフィルム
7…オーバーシート材
8…アンテナ対応部分

Claims (1)

  1. 傾けることで色合いを変化させる変色顔料を添加してなる導電性インキをベースフィルムにアンテナパターンで印刷してなるアンテナを有し、アンテナにICチップを実装した前記ベースフィルムをオーバーシート材の間に挟み込み、前記オーバーシート材のアンテナ対応部分を透明にして前記アンテナが目視可能に設けられていることを特徴とする非接触型データ送受信体。
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