JP4659731B2 - シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノン、および有機溶媒を含む有機溶液の処理方法 - Google Patents

シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノン、および有機溶媒を含む有機溶液の処理方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノン、および有機溶媒を含む有機溶液の処理方法に関する。
オキシムは、緩衝酸または酸性塩、例えばリン酸緩衝液、およびこれらの酸から誘導される緩衝塩を含む緩衝水性反応媒体を、ヒドロキシルアンモニウム合成域とシクロヘキサノンオキシム合成域の間で連続的に再循環させる方法で製造することができる。ヒドロキシルアンモニウム合成域では、硝酸イオンまたは酸化窒素と水素との接触還元によってヒドロキシルアンモニウムを生成することができる。シクロヘキサノンオキシム合成域では、ヒドロキシルアンモニウム合成域で生成したヒドロキシルアンモニウムは、シクロヘキサノンと反応してシクロヘキサノンオキシムを生成することができる。次いで、ヒドロキシルアンモニウム合成域に再循環される水性反応媒体から、シクロヘキサノンオキシムを分離することができる。
このプロセス中に起こる最終的な化学反応は、以下の式によって表すことができる。
1)ヒドロキシルアンモニウムの調製:
2HPO+NO +3H→NHOH+2HPO +2H
2)オキシムの調製
Figure 0004659731

3)生成したオキシムを除去した後、硝酸イオン源の不足分を補填するためのHNOの供給
PO +HNO→HPO+NO
シクロヘキサノンオキシム合成域では、ヒドロキシルアンモニウムを水に溶かした水性媒体を、有機溶媒、例えばトルエンまたはベンゼンにシクロヘキサノンを溶解した有機媒体と向流で接触させることによってシクロヘキサノンオキシムを調製することができる。生成したシクロヘキサノンオキシムが有機溶媒に溶解した有機溶液を反応域から取り出し蒸留して、シクロヘキサノンオキシムを回収することができる。
英国特許出願公開第1138750号明細書が開示している方法では、シクロヘキサノンオキシム合成域におけるシクロヘキサノンの転化率が不完全であり、シクロヘキサノンオキシムと有機溶媒以外にシクロヘキサノンを含む有機溶液が得られる。この方法においては、残存シクロヘキサノンを含む有機溶液を後反応槽に供給し、pHを上げてヒドロキシルアンモニウムと反応させることにより、この残存シクロヘキサノンをシクロヘキサノンオキシムに変換する。後反応槽において残存シクロヘキサノンを変換した後、有機溶液を蒸留してシクロヘキサノンオキシムを回収する。後反応は塩の生成をもたらすので、この方法は不利である。
また、欧州特許出願公開第5291号明細書が記載している方法では、シクロヘキサノンの転化率が不完全であり、シクロヘキサノンオキシム、有機溶媒(トルエン)およびシクロヘキサノンを含む有機溶液が得られる。後反応槽におけるシクロヘキサノンの変換を回避するために、欧州特許出願公開第5291号は、シクロヘキサノン含有有機溶液を蒸留する方法を提供している。第1工程で、(第1の)塔頂物として有機溶媒を分離する。得られた塔底物をさらに蒸留して、塔底物としてシクロヘキサノンオキシムが得られる。この再蒸留の結果、シクロヘキサノンと有機溶媒を含む(第2の)塔頂物が得られる。したがって、欧州特許出願公開第5291号の方法では、有機溶媒を含む第1の生成物、シクロヘキサノンを含む第2の生成物、およびシクロヘキサノンオキシムを含む第3の生成物が得られる。
欧州特許出願公開第5291号の方法においては、シクロヘキサノンを含む第2の生成物は、その後使用されることも処理されることもない。多分シクロヘキサノンオキシムをできるだけ大量に分離させるために、蒸留は、例えば還流または3塔構成を用いて大規模に行われる。大きな設備投資および/または運転経費が必要なため、こうした大規模蒸留は有利ではない。
本発明の目的は、こうした大規模蒸留やシクロヘキサノンオキシムの完全な分離を必要としない方法を提供することである。
したがって、本発明は、シクロヘキサノンオキシム合成域において、ヒドロキシルアンモニウムとシクロヘキサノンを反応させてシクロヘキサノンオキシムを生成させるステップと、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む有機溶液を蒸留して、(i)有機溶媒を含む第1の生成物、(ii)シクロヘキサノンを含む第2の生成物、および(iii)シクロヘキサノンオキシムを含む第3の生成物を得るステップと、前記第2の生成物を前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、を含むシクロヘキサノンオキシムの調製方法を提供する。
本発明によれば、大規模蒸留によるシクロヘキサノンオキシムの完全分離は必要ない。第2の生成物中に存在する可能性があるシクロヘキサノンオキシムは、シクロヘキサノンオキシム合成域で生成するシクロヘキサノンオキシムと一緒に、シクロヘキサノンオキシム合成域から回収することができる。
また本発明は、第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するための好ましいレベルを提供する。この好ましいレベルを用いると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体中の有機化合物、特にシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオキシムの濃度が低下する。シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体中のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計が低いと、水性媒体をヒドロキシルアンモニウム合成域に再循環する場合、ヒドロキシルアンモニウム合成域における触媒被毒の程度が低下する利点があり、ならびに/あるいはヒドロキシルアンモニウム合成域へ再循環する前に水性媒体から前記シクロヘキサノンオキシムおよび/またはシクロヘキサノンを除去する分離工程を省略できるか、小規模で行うことができるという利点がある。この方法は、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計が、20,000ppm(水性媒体の重量に対して2重量%)未満、好ましくは5,000ppm(0.5重量%)未満、より好ましくは1,000ppm(0.1重量%)未満、より好ましくは500ppm(0.05重量%)未満、より好ましくは200ppm(0.02重量%)未満となるように、第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域へ供給するステップを含むことが好ましい。
本発明の方法は、ヒドロキシルアンモニウムとシクロヘキサノンを反応させてシクロヘキサノンオキシムを生成させるステップを含む。反応は、前記シクロヘキサノンオキシム合成域において、ヒドロキシルアンモニウムを含む水性媒体を、シクロヘキサノンおよび好ましくは有機溶媒を含む有機媒体と向流接触させることによって有利に実現される。有機溶媒は、任意の適切な方法でシクロヘキサノンオキシム合成域に供給することができる。本明細書では、有機溶媒をシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するレベルを、有機溶媒供給レベルと呼ぶ。有機溶媒供給レベルでシクロヘキサノンオキシム合成域に供給される有機溶媒は、任意の適切な有機溶媒、好ましくは第1の生成物の流れとすることができる。
反応させるシクロヘキサノンは、任意の適切な方法でシクロヘキサノンオキシム合成域に供給することができる。本明細書では、シクロヘキサノンをシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するレベルを、シクロヘキサノン供給レベルと呼ぶ。シクロヘキサノン供給レベルでシクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンは、任意の適切なシクロヘキサノンの流れ、例えば少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%のシクロヘキサノンを含む流れとすることができる。一実施形態では、シクロヘキサノン供給レベルは、(有機媒体の流れ方向に見て)有機溶媒供給レベルの下流にある。
この反応において生成したシクロヘキサノンオキシムは、任意の適切な方法で、例えばシクロヘキサノンオキシムと有機溶媒を含む有機生成物溶液をシクロヘキサノンオキシム合成域から排出することによって、シクロヘキサノンオキシム合成域から排出することができる。本明細書では、有機生成物溶液をシクロヘキサノンオキシム合成域から排出するレベルを、有機生成物溶液排出レベルと呼ぶ。一実施形態では、有機生成物溶液排出レベルは有機溶媒供給レベルの下流にある。一実施形態では、有機生成物溶液排出レベルはシクロヘキサノン供給レベルの下流にある。一実施形態では、有機生成物溶液排出レベルは、有機溶媒供給レベルの下流にあり、かつシクロヘキサノン供給レベルの下流にある。
シクロヘキサノンオキシム合成域としては、水性媒体と有機媒体を向流接触させる、任意の適切な向流接触域を使用することができる。シクロヘキサノンオキシム合成域は第1の接触域を含むことができる。この第1の接触域において、(有機媒体の流れ方向に見て)シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流で水性媒体と有機媒体を向流接触させる。第1の接触域としては、任意の適切なタイプの向流反応器、例えば抽出塔、好ましくは脈動充填塔または回転円板反応器を使用することができる。また第1の接触域として、攪拌機を備えた反応器を数基、好ましくは少なくとも3基、例えば3〜6基を直列に接続したシステムを使用することもできる。これらの反応器はそれぞれ液−液セパレータを備えている。これらはミキサーセトラーとも呼ばれる。シクロヘキサノンオキシム合成域は第2の接触域を含むことができる。この第2の接触域において、(有機媒体の流れ方向に見て)有機溶媒供給レベルの下流、かつシクロヘキサノン供給レベルの上流で水性媒体と有機媒体を向流接触させる。第2の接触域としては、任意の適切なタイプの向流反応器、例えば抽出塔、好ましくは脈動充填塔または回転円板反応器を使用することができる。また第2の接触域として、攪拌機を備えた反応器を数基、好ましくは少なくとも3基、例えば3〜6基を直列に接続したシステムを使用することもできる。これらの反応器はそれぞれ液−液セパレータを備えている。
以下、第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域の好ましいレベルに供給する好ましい実施形態について説明する。好ましいレベルは、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計を下げるメリットがある。明細書および特許請求の範囲の全体において、用語「下流および上流」は、有機媒体の流れ方向に対して定義する。
シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計を低下させる好ましい実施形態においては、本発明の方法は、第2の生成物を、シクロヘキサノンオキシム合成域の有機溶媒供給レベルより下流のレベルに供給するステップを含む。より好ましくは、第2の生成物を、シクロヘキサノンオキシム合成域のシクロヘキサノン供給レベル、またはシクロヘキサノン供給レベルより下流のレベルに供給する。これにより、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計がさらに低下することが分かっている。第2の生成物を、シクロヘキサノンオキシム合成域のシクロヘキサノン供給レベルに供給するステップは、例えば、シクロヘキサノンを、例えば少なくともシクロヘキサノン75重量%、好ましくは少なくともシクロヘキサノン90重量%を含むシクロヘキサノン流として供給し、これとは別に第2の生成物を、シクロヘキサノンオキシム合成域のシクロヘキサノン供給レベルに供給することによって行うことができ、あるいは、シクロヘキサノン、例えば少なくともシクロヘキサノン75重量%、好ましくは少なくともシクロヘキサノン90重量%を含むシクロヘキサノン流を第2の生成物と混合し、得られた混合物を、シクロヘキサノンオキシム合成域のシクロヘキサノン供給レベルに供給することによって行うことができる。好ましい実施形態では、この方法は、第2の生成物を、(有機媒体の流れ方向に見て)有機生成物溶液排出レベルの上流に供給するステップを含む。これにより、第2の生成物を介して、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンの反応が促進される。
好ましい実施形態では、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流に存在する水性媒体と有機媒体の合計容積をVとすると、本方法は、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ第2の生成物がシクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるレベルの上流に存在する水性媒体と有機媒体の合計容積が、少なくともV/10、好ましくはV/5であるようなレベルに、第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップを含む。これにより、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計の低下が促進される。本明細書で用いる「合計容積」とは、水性媒体と有機媒体の容積のことである。好ましくは、本方法は、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するレベルの上流に存在する水性媒体と有機媒体の合計容積が、9V/10未満、好ましくは4V/5未満になるようなレベルに、第2の生成物をシクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップを含む。これにより、第2の生成物を介して、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンの反応が促進される。
好ましい実施形態では、本方法は、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流に存在する水性媒体と有機媒体を、塔の全長がLである、1基の塔または直列に接続された複数の塔内で向流接触させるステップと、第2の生成物を、前記1基の塔または直列に接続された複数の塔の、前記シクロヘキサノン供給レベルから測定して少なくともL/10の距離に供給するステップとを含む。これにより、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計の低下が促進される。本明細書で用いる「塔の長さの合計L」とは、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流の水性媒体と有機媒体を、1基の塔内で接触させた場合の長さを意味し、ならびに、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流の水性媒体と有機媒体を、直列に接続された塔内で向流接触させた場合の直列に接続された塔の塔長の合計を意味する。好ましくは、本方法は、第2の生成物を、1基の塔または直列に接続された塔の、シクロヘキサノン供給レベルから測定して9L/10未満の距離、より好ましくは4L/5未満の距離に供給するステップを含む。これにより、第2の生成物を介して、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンの反応が促進される。
好ましい実施形態では、本方法は、シクロヘキサノン供給レベルの下流、かつ有機生成物溶液排出レベルの上流に存在する水性媒体と有機媒体を、数基(m)の直列に接続されたミキサーセトラーにおいて向流接触させるステップと、第2の生成物を、シクロヘキサノン供給レベルから数えて2番目以降のミキサーセトラー内に供給するステップとを含む。これにより、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体中のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計の低下が促進される。好ましくは、本方法は、第2の生成物を、シクロヘキサノン供給レベルから数えて、m番目、m−1番目またはこれより前のミキサーセトラーに供給するステップを含む。これにより、第2の生成物を介して、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンの反応が促進される。
有機溶液は、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含むならどんな有機溶液でもよい。好ましくは、本発明の方法は、有機溶液をシクロヘキサノンオキシム合成域から取り出すステップを含む。より好ましくは、本発明の方法は、有機溶液を、第2の生成物を供給するシクロヘキサノンオキシム合成域から取り出すステップを含む。有機溶液のシクロヘキサノン濃度は、0.1重量%より高く、好ましくは0.5重量%より高く、特に好ましくは1重量%より高くすることができる。有機溶液のシクロヘキサノン濃度は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満とすることができる。有機溶液のシクロヘキサノンオキシム濃度は、5重量%より高く、好ましくは10重量%より高く、より好ましくは25重量%より高くでき、かつ60重量%未満、好ましくは50重量%未満とすることができる。有機溶液の有機溶媒濃度は、40重量%より高く、好ましくは50重量%より高くでき、かつ95重量%未満、好ましくは90重量%未満とすることができる。好ましくは、有機溶液は、有機溶媒、シクロヘキサノンオキシムおよびシクロヘキサノンを含む有機生成物溶液であり、前記有機生成物溶液は、好ましくは有機生成物溶液排出レベルで、シクロヘキサノンオキシム合成域から排出される。有機溶液における有機溶媒、シクロヘキサノンオキシムおよびシクロヘキサノンの好ましい濃度は、有機生成物溶液の好ましい濃度でもある。
本発明の蒸留により、有機溶媒を含む第1の生成物、シクロヘキサノンを含む第2の生成物、およびシクロヘキサノンオキシムを含む第3の生成物が得られる。蒸留は、任意の適切な方法で行うことができるが、有機溶媒濃度の高い第1の生成物、シクロヘキサノン濃度の高い第2の生成物、およびシクロヘキサノンオキシム濃度の高い第3の生成物が得られる方法が好ましい。本明細書で用いる「有機溶媒濃度の高い第1の生成物」とは、第1の生成物の有機溶媒濃度が、有機溶液の有機溶媒濃度より高いことを意味する。本明細書で用いる「シクロヘキサノン濃度の高い第2の生成物」とは、第2の生成物のシクロヘキサノン濃度が、有機溶液のシクロヘキサノン濃度より高いことを意味する。本明細書で用いる「シクロヘキサノンオキシム濃度の高い第3の生成物」とは、第3の生成物のシクロヘキサノンオキシム濃度が、有機溶液のシクロヘキサノンオキシム濃度より高いことを意味する。
好ましい実施形態では、第2の生成物は、留出物(塔頂留出物)として得られる。好ましくは、本方法は、有機溶液を蒸留して第1の生成物を留出物として得るステップと、残った塔底物を蒸留して第2の生成物を留出物として得、第3の生成物を塔底物として得るステップとを含む。好ましくは、有機溶液を蒸留して第1の生成物を留出物として得るステップは、温度35〜80℃、より好ましくは50〜70℃で行われる。好ましくは、蒸留して第1の生成物を留出物として得るステップは、圧力0.006〜0.4MPa、より好ましくは0.012〜0.025MPaで行われる。第1の生成物は、例えば、第1の生成物の重量を基準にして、少なくとも98重量%の有機溶媒、好ましくは少なくとも99重量%の有機溶媒、より好ましくは少なくとも99.5重量%の有機溶媒、特に好ましくは少なくとも99.9重量%の有機溶媒を含む。第1の生成物は、シクロヘキサノンオキシム合成域に、好ましくは有機溶媒供給レベルに、再循環することが好ましい。好ましくは、残った塔底物を蒸留して、第2の生成物を留出物として、第3の生成物を塔底物として得るステップは、温度70〜115℃、より好ましくは85〜100℃で行われる。好ましくは、残った塔底物を蒸留して、第2の生成物を留出物として、第3の生成物を塔底物として得るステップは、圧力0.010〜0.020MPaで行われる。好ましくは、第3の生成物は、第3の生成物の重量を基準にして、少なくとも95重量%のシクロヘキサノンオキシム、より好ましくは少なくとも98重量%のシクロヘキサノンオキシム、特に好ましくは少なくとも99重量%のシクロヘキサノンオキシムを含む。本明細書で用いる「温度」とは、蒸留が行われる塔の頂部における温度を意味する。本明細書で用いる「圧力」とは、蒸留が行われる塔の頂部における圧力を意味する。
本発明によれば、シクロヘキサノンを含有する第2の生成物、好ましくはシクロヘキサノンオキシムも含有する第2の生成物が得られる。好ましくは、塔頂物のシクロヘキサノンオキシム/シクロヘキサノン重量比は、0.1より高く、好ましくは0.2より高く、より好ましくは0.3より高く、特に0.4より高く、さらに特に0.5より高い。この重量比を高くすると、より単純な方法で蒸留を行うことができるというメリットがある。塔頂物のシクロヘキサノンオキシム/シクロヘキサノン重量比は、例えば100未満である。第2の生成物は、例えば10重量%より高い、好ましくは25重量%より高い、より好ましくは50重量%より高い有機溶媒を含むことができ、例えば95重量%未満、好ましくは90重量%未満の有機溶媒を含むことができる。好ましくは、塔頂物におけるシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計は、5重量%より高く、より好ましくは10重量%より高い。好ましくは、第2の生成物におけるシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計は、75重量%未満、より好ましくは50重量%未満である。すべての重量百分率は、第2の生成物の重量を基準としている。
蒸留は、任意の適切な塔または複数の塔の組み合わせを用いて行うことができる。好ましくは、蒸留は、2基または3基の塔、特に好ましくは2基の塔を用いて行うことができる。好ましくは、本方法は、好ましくは2基の塔を含むシステムにおいて、有機溶液を第1の塔で蒸留して第1の生成物を留出物として得るステップと、残った塔底物を蒸留塔の頂部、または精留部のない塔に供給するステップとを含む。これは、本発明の方法によって可能となる、より単純な蒸留方法である。
ヒドロキシルアンモニウムを含有する任意の適切な水性媒体を、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給することができる。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る(供給される)水性反応媒体のヒドロキシルアンモニウム濃度は、任意の適切な値、例えば0.7mol/lより高い、好ましくは1.0mol/lより高い値とすることができ、かつ2.5mol/l未満とすることができる。
本発明の方法は、単位時間当りシクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるヒドロキシルアンモニウムのモル量(モル/秒)をfとし、単位時間当りシクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンのモル量(モル/秒)をfとした場合、比f/fが1.00未満、より好ましくは0.99未満、より好ましくは0.98未満である好ましい実施形態に、さらにメリットがあることが分かった。この比が低下すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体中の有機化合物、特にシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度が低下するメリットがある。f/f<1.00の実施形態によって得られた未変換シクロヘキサノンを含有する有機生成物溶液は、本発明の方法によって有利に蒸留することができる。比f/fには特定の下限はない。比f/fは、一般に0.5より高く、好ましくは0.7より高く、より好ましくは0.8より高い。
水性媒体はリン酸を含有することが好ましい。水性媒体は酸性緩衝媒体であることが好ましい。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る(供給される)水性媒体のリン酸濃度は、2.0mol/lより高く、好ましくは2.5mol/lより高く、より好ましくは3.0mol/lより高く、特に3.3mol/lより高く、さらに特に3.5mol/lより高く、最も好ましくは3.7mol/lより高い。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る水性媒体のリン酸濃度を高くすると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体中の有機汚染物質濃度が低下するので有利であることが分かった。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る水性媒体のリン酸濃度は、8mol/l未満、好ましくは5mol/l未満、より好ましくは4.5mol/l未満とすることができる。本明細書で用いる「リン酸濃度」とは、その存在形態に関係なく、水性反応媒体1リットル当りのモルで表したすべてのリン酸濃度の合計を意味する。好ましくは、リン酸は、PO 3−、HPO 2−、HPO 、HPO;PO 3−、HPO 2−、HPO の塩;および/またはこれらの組み合わせとして存在する。水性媒体は、例えばヒドロキシルアンモニウム合成の副生成物として生成したアンモニウム(NH )を含有することができる。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る水性媒体において、NH4+濃度(mol/l)をc(NH )とし、リン酸濃度(mol/l)をc(リン酸)とした場合、比c(NH )/c(リン酸)は、好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.2〜2、特に好ましくは0.5〜1.5である。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る水性媒体は硝酸塩(NO )を含有することができる。シクロヘキサノンオキシム合成域に入る水性媒体において、NO 濃度(mol/l)をc(NO )とし、リン酸濃度(mol/l)をc(リン酸)とした場合、c(NO )/c(リン酸)は、好ましくは0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.5である。シクロヘキサノンオキシム合成域に供給される水性媒体のpHは、好ましくは1〜6、より好ましくは1.5〜4である。
シクロヘキサノンオキシム合成域は、40〜150℃の範囲の温度、および大気圧、大気圧以下、または上げた圧力で、好ましくは0.05〜0.5MPa、より好ましくは0.1〜0.2MPa、特に好ましくは0.1〜0.15MPaの圧力で運転することができる。
任意の適切な有機溶媒を使用することができる。有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択することが好ましい。有機溶媒がトルエンであることが特に好ましい。
好ましい実施形態では、本方法は、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体をヒドロキシルアンモニウム合成域へ移すステップと、ヒドロキシルアンモニウム合成域からシクロヘキサノンオキシム合成域へ戻すステップとを含む。ヒドロキシルアンモニウム合成域においては、硝酸塩または酸化窒素と水素との接触還元によってヒドロキシルアンモニウムを生成することができる。好ましくは、触媒は、パラジウム含有触媒、例えば、炭素もしくはアルミナ担体などの担体上のパラジウム、またはパラジウム−白金触媒である。
好ましい実施形態では、本方法は、ストリッピングによって、有機溶媒、シクロヘキサノン、および/またはシクロヘキサノンオキシムを、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体から分離するステップを含む。前記ストリッピングは、水性媒体をヒドロキシルアンモニウム合成域へ再循環させる前に行うことが好ましい。これは、ヒドロキシルアンモニウム合成域における触媒の被毒を回避または最小化するメリットがある。例えば、米国特許第3940442号明細書に記載のストリッピング法を用いることができる。ヒドロキシルアンモニウム合成域に入る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計は、水性媒体の重量に対して、好ましくは0.02重量%(200ppm)以下、より好ましくは0.005重量%以下、特に0.002重量%以下、さらに特に0.001重量%以下、最も好ましくは0.0002重量%以下である。ストリッピングは、水性媒体からの水の除去も含むことができる。好ましくは、分離された有機溶媒、シクロヘキサノンおよび/またはシクロヘキサノンオキシムは、シクロヘキサノンオキシム合成域に再循環される。
本方法は、連続プロセスであることが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態を図1に概略的に図示した。この実施形態では、シクロヘキサノンオキシム合成域は、第1の接触域(I)と、第2の接触域(II)を含む。シクロヘキサノンオキシム合成域では、ヒドロキシルアンモニウムを水に溶かした水性媒体と、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む有機媒体を向流接触させる。シクロヘキサノンオキシム合成域における水性媒体および有機溶媒は、それぞれライン(1)および(2)で示す。水性媒体を、シクロヘキサノンオキシム合成域の第1の接触領域(I)にライン(3)を経由して供給し、シクロヘキサノンオキシム合成域の第2の接触域(II)からライン(4)を経由して排出する。有機溶媒供給レベル(S)で、有機溶媒、好ましくはトルエンを、シクロヘキサノンオキシム合成域にライン(5)を経由して供給する。シクロヘキサノン供給レベル(C)で、シクロヘキサノンの流れを、シクロヘキサノンオキシム合成域にライン(6)を経由して供給する。シクロヘキサノン供給レベル(C)は、有機媒体の流れ方向に見て、有機溶媒(S)供給レベルの下流にある。シクロヘキサノンオキシム合成域では、シクロヘキサノンとヒドロキシルアンモニウムが反応してシクロヘキサノンオキシムが生成する。シクロヘキサノンオキシムと有機溶媒(トルエン)に溶解したシクロヘキサノンとを含む有機生成物溶液は、有機生成物溶液排出レベル(P)で、ライン(7)を経由してシクロヘキサノンオキシム合成域から排出される。有機生成物溶液は、好ましくは水または水溶液で洗浄した後、蒸留塔(III)に供給する。蒸留塔(III)では、有機溶液を蒸留して、有機溶媒(トルエン)を含む第1の生成物を留出物として得る。第1の生成物は、シクロヘキサノンオキシム合成域の有機溶媒供給レベル(S)に供給される。シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノン、および有機溶媒(トルエン)を含む、残りの塔底物は、ライン(8)を経由して第1の蒸留塔を出て、蒸留塔(IV)の頂部に供給される。蒸留塔(IV)では、シクロヘキサノンを含む第2の生成物が留出物として得られ、シクロヘキサノンオキシムを含む第3の生成物が塔底物として得られる。第3の生成物は、ライン(9)を経由して蒸留塔(IV)を出る。第2の生成物は、ライン(10)を経由して蒸留塔(IV)を出て、シクロヘキサノンオキシム合成域に供給される。
以下の具体的な実施例は、本開示の他の部分を単に例証するものであり、これを限定するものではない。
[実施例]
実施例I
この実施例は、図1に示した構成を用いて行った。シクロヘキサノンオキシム合成域は、2基の脈動充填塔(PPC)から形成される。第1のPPCは直径が1200mm、高さが13200mmであり、第2のPPCは直径が1075mm、高さが11000mmである。第1のPPCは、温度50℃で運転される。第2のPPCは、温度70℃で運転される。水性媒体(ヒドロキシルアンモニウム=1.6mol/l、H=0.7mol/l(pH=1.9)、HPO =3.9mol/l、NH =3.0mol/l、NO =1.4mol/l)を、第1のPPCに(ライン3を経由して)供給する。流量は1時間当り23mである。第1のPPC塔底に、シクロヘキサノンと第2のPPCを出た有機媒体を供給した。第1のPPCの塔頂を(ライン7を経由して)出る有機生成物溶液を、第1の塔(ストリッピング部と精留部を有する充填塔)に供給する。第1の蒸留塔では、塔頂の圧力は0.16バールである。第1の蒸留塔の塔頂を出るトルエンは純度が99.9重量%である。第1の蒸留塔の塔頂を出るトルエンは第2のPPCの塔底に再循環される。第1の蒸留塔の塔底物は、第2の塔(充填塔)の頂部に供給される。第2の蒸留塔の塔頂の圧力は0.12バールである。シクロヘキサノンオキシムは、第2の蒸留塔の塔底から出る。第2の蒸留塔の塔頂物(=第2の生成物)(組成は表1参照)は、第2のPPCの塔底に供給した(E1)。第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は13000ppmである。
実施例II
第2の蒸留塔の塔頂物を、第2のPPCの中央(高さの50%)(図1のE2の位置)に供給したことを除いて、実施例Iを繰返した。第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は4300ppmである。この実施例は、塔頂物(第2の生成物)を、有機溶媒供給レベルの下流でシクロヘキサノンオキシム合成域に供給すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計が低下することを示している。
実施例III
第2の蒸留塔の塔頂物を、シクロヘキサノンと同じく、第1のPPCの塔底(図1のE3の位置)に供給したことを除いて、実施例Iを繰返した。第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は800ppmである。この実施例は、塔頂物(第2の生成物)を、シクロヘキサノンと同じレベルでシクロヘキサノンオキシム合成域に供給すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計がさらに低下することを示している。
実施例IV
第2の蒸留塔の塔頂物を、第1のPPCの塔高の20%(図1のE4の位置)に供給したことを除いて、実施例Iを繰返した。
第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は180ppmである。この実施例は、塔頂物(第2の生成物)を、シクロヘキサノンをシクロヘキサノンオキシム合成域へ供給するレベルの下流にシクロヘキサノンオキシム合成域に供給すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計がさらに低下することを示している。
実施例V
第2の蒸留塔の塔頂物を、第1のPPCの塔高の50%(図1のE5の位置)に供給したことを除いて、実施例Iを繰返した。
第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は60ppmである。この実施例は、塔頂物(第2の生成物)を、さらに下流にシクロヘキサノンオキシム合成域に供給すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計がさらに低下することを示している。
実施例VI
第2の蒸留塔の塔頂物を、第1のPPCの塔高の80%(図1のE6の位置)に供給したことを除いて、実施例Iを繰返した。
第2のPPCの塔底を出る水性媒体のシクロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度の合計は45ppmである。この実施例は、塔頂物(第2の生成物)を、さらに下流にシクロヘキサノンオキシム合成域に供給すると、シクロヘキサノンオキシム合成域を出る水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計がさらに低下することを示している。
Figure 0004659731
シクロヘキサノンオキシムを調製する方法の概略図である。

Claims (18)

  1. シクロヘキサノンオキシム合成域において、ヒドロキシルアンモニウムとシクロヘキサノンを反応させてシクロヘキサノンオキシムを生成させるステップと、
    シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む有機溶液を蒸留して、(i)有機溶媒を含む第1の生成物、(ii)シクロヘキサノンを含む第2の生成物、および(iii)シクロヘキサノンオキシムを含む第3の生成物を得るステップと、
    前記第2の生成物を前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、
    を含むシクロヘキサノンオキシムの調製方法であって、
    前記シクロヘキサノンオキシム合成域において、ヒドロキシルアンモニウムを含む水性媒体を、シクロヘキサノンを含む有機媒体と向流接触させるステップと、
    有機溶媒を、有機溶媒供給レベルで、前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、
    前記第2の生成物を、有機媒体の流れ方向に見て、前記有機溶媒供給レベルの下流のレベルで、前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、
    をさらに含む、方法
  2. シクロヘキサノンを、有機媒体の流れ方向に見て、前記有機溶媒供給レベルの下流にあるシクロヘキサノン供給レベルで、前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、
    前記第2の生成物を、前記シクロヘキサノン供給レベルで、または、有機媒体の流れ方向に見て、前記シクロヘキサノン供給レベルの下流で、前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップと、
    をさらに含む、請求項に記載の方法。
  3. シクロヘキサノンオキシムと有機溶媒を含む有機生成物溶液を、有機媒体の流れ方向に見て、前記シクロヘキサノン供給レベルの下流にある有機生成物溶液排出レベルで、前記シクロヘキサノンオキシム合成域から排出するステップをさらに含む、請求項または請求項に記載の方法。
  4. 前記第2の生成物を、有機媒体の流れ方向に見て、前記有機生成物溶液排出レベルの上流に供給するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記シクロヘキサノン供給レベルと前記有機生成物溶液排出レベルの間に存在する前記水性媒体と有機媒体の合計容積がVであり、前記シクロヘキサノン供給レベルと、前記第2の生成物がシクロヘキサノンオキシム合成域に供給される前記レベルの間に存在する前記水性媒体と前記有機媒体の合計容積が、少なくともV/10であるようなレベルで、前記第2の生成物を前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給するステップを含む、請求項または請求項に記載の方法。
  6. 前記シクロヘキサノン供給レベルと前記有機生成物溶液排出レベルの間に存在する前記水性媒体と前記有機媒体を、塔の全長がLである、1基の塔または直列に接続された複数の塔内で向流接触させるステップと、
    前記第2の生成物を、前記1基の塔または直列に接続された複数の塔の、前記シクロヘキサノン供給レベルから測定して少なくともL/10の距離に供給するステップと、
    をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記シクロヘキサノン供給レベルと前記有機生成物溶液排出レベルの間に存在する前記水性媒体と前記有機媒体を、数基の直列に接続されたミキサーセトラーにおいて向流接触させるステップと、
    前記第2の生成物を、前記シクロヘキサノン供給レベルから数えて2番目以降のミキサーセトラー内に供給するステップと、
    をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記有機生成物溶液が、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む前記有機溶液である、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記シクロヘキサノンオキシム合成域を出る前記水性媒体のシクロヘキサノンとシクロヘキサノンオキシムの濃度の合計が、20,000ppm(2重量%)未満となるように、前記第2の生成物を前記シクロヘキサノンオキシム合成域へ供給するステップを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記有機溶媒供給レベルで前記シクロヘキサノンオキシム合成域へ有機溶媒を供給する前記ステップが、前記第1の生成物を、前記有機溶媒供給レベルで前記シクロヘキサノンオキシム合成域へ供給することによって行われる、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第2の生成物がシクロヘキサノンオキシムを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第2の生成物のシクロヘキサノンオキシム/シクロヘキサノンの重量比が、0.1より高い、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記有機溶液を蒸留して前記第1の生成物を留出物として得るステップと、残った塔底物を蒸留して前記第2の生成物を留出物として、前記第3の生成物を塔底物として得るステップとを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記有機溶液を前記シクロヘキサノンオキシム合成域から取り出すステップを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 単位時間当り前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるヒドロキシルアンモニウムのモル量(モル/秒)をfとし、単位時間当り前記シクロヘキサノンオキシム合成域に供給されるシクロヘキサノンのモル量(モル/秒)をfとした場合、比f/fが<1.00である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記有機溶媒がトルエンである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記水性媒体がリン酸緩衝酸性媒体である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
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