JP4659500B2 - 冷媒圧縮機用試運転油、及び冷媒圧縮機の試運転方法 - Google Patents

冷媒圧縮機用試運転油、及び冷媒圧縮機の試運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷媒圧縮機用試運転油、及び冷媒圧縮機の試運転方法に関する。
冷蔵庫やエアコンディショナーなどの冷凍空調機器の分野では、モントリオール議定書に基づき、オゾン層破壊型フロン類からHFC等への冷媒代替化が進められている。
この冷媒代替化に伴い、冷凍空調機器の冷媒圧縮機の潤滑油である冷凍機油の分野においても、代替冷媒に適した新規な冷凍機油の開発が進められている。例えば、冷凍機油に求められる特性の一つとして冷媒との相溶性があるが、オゾン破壊型フロン冷媒(R22など)用冷凍機油として従来使用されていたナフテン系鉱油等の炭化水素系冷凍機油はHFC冷媒に対して相溶性を示さない。そこで、HFC冷媒に対して相溶性を示すポリオールエステルやエーテル系などの合成油を基油とした冷凍機油の使用が提案され、その実用化が進められている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、冷凍機油及び冷凍空調機器の長寿命化の観点からは、冷凍機油への酸化防止剤の配合により冷凍機油の熱・酸化安定性の向上が図られており、またその一方で、活性な添加剤をできるだけ使用しないなどの工夫がなされている。
特表平3−505602号公報 特開平3−128992号公報 特開平3−200895号公報
しかし、近時、冷凍機油及び冷凍空調機器の長寿命化に対する要求は益々高くなっており、上述した方法では十分な長寿命化を達成することが困難となってきている。
例えば、冷凍機油に酸化防止剤を配合する場合、酸化防止剤の増量により冷凍機油の熱・酸化安定性をある程度向上させることは可能であるが、この方法では自ずと限界がある。また、酸化防止剤の配合量が過大になると、酸化防止剤の劣化によるスラッジの生成が起こりやすくなり、冷凍空調機器の信頼性が損なわれてしまう。
また、冷凍機油への活性な添加剤の使用を避けることは、冷凍機油自体の熱・酸化安定性の点では有効であるが、この場合は冷凍機油の基本性能である潤滑性などが不十分となりやすく、冷凍機油への負荷が増大してその劣化が促進されたり、冷媒圧縮機の摺動部材の摩耗の増大により冷凍空調機器の信頼性が損なわれたりする傾向にある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、冷凍機油及び冷凍空調機器を長寿命化するための手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、所定の潤滑油基油と、リン化合物とを含有することを特徴とする冷媒圧縮機用試運転油を提供する。
なお、本発明でいう冷媒圧縮機の「試運転」とは、冷媒圧縮機への冷凍機油及び冷媒の充填に先立って、該冷媒圧縮機を所定時間駆動させる慣らし運転を意味し、また、「冷媒圧縮機用試運転油」とは、かかる冷媒圧縮機の試運転の際に使用される潤滑油を意味する。なお、冷媒圧縮機用試運転油は、試運転の後で冷媒圧縮機から抜き取られるものであり、冷凍機油とは区別されるものである。
また、本発明は、冷媒圧縮機への冷凍機油及び冷媒の充填に先立って、上記本発明の冷媒圧縮機用試運転油を冷媒圧縮機に充填し、所定時間駆動させる第1のステップと、第1のステップの後、冷媒圧縮機用試運転油を冷媒圧縮機から抜き取る第2のステップとを備えることを特徴とする冷媒圧縮機の試運転方法を提供する。
このように、所定の潤滑油基油とリン化合物とを含有する本発明の冷媒圧縮機用試運転油を用いて冷媒圧縮機の試運転を行うことによって、リン化合物に由来する皮膜を冷媒圧縮機の摺動部材の表面に形成することができ、当該摺動部材の耐摩耗性を十分に向上させることができる。また、かかる潤滑性向上効果により、冷凍機油に求められる潤滑性が十分に補完されるため、極圧剤等の活性な添加剤を冷凍機油に添加せずとも、冷凍機油への負荷を低減してその寿命を十分に長くすることができる。
なお、試運転後の試運転油には未反応のリン化合物が残存し得るが、試運転油を冷媒圧縮機から抜き取ることによって、残存するリン化合物の大部分は冷媒圧縮機外部に排出される。また、仮にリン化合物の一部が冷媒圧縮機内部に残存したとしても、当該リン化合物は冷媒圧縮機に充填される冷凍機油によって十分に希釈される。
つまり、本発明によれば、リン化合物に由来する皮膜を形成する際には試運転油中のリン化合物を十分に高濃度に維持することができ、一方、冷凍機油及び冷媒が充填された冷媒圧縮機を駆動する際には残存するリン化合物による冷凍機油等への悪影響を十分に排除することができるため、冷凍機油及び冷凍空調機器を十分に長寿命化することが可能となる。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油は、潤滑油基油として、ナフテン系鉱油及びアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これにより、リン化合物に由来する皮膜の形成を効率よく且つ確実に行うことができ、また、試運転油の保管時若しくは試運転時における水分の混入を十分に抑制することができる。上記の好ましい潤滑油基油を含有する冷媒圧縮機用試運転油は、試運転後に冷媒圧縮機に充填される冷凍機油がエステル系基油を含有するものである場合に特に好適である。
また、上記本発明の冷媒圧縮機用試運転油及び冷媒圧縮機の試運転方法は、冷媒圧縮機が摺動部位において金属母材が露出している摺動部材を備えるものである場合に、その効果を最大限に発揮することができる。すなわち、本発明によれば、摺動部材の金属母材が露出した摺動部位にリン化合物に由来する皮膜が形成されることにより、当該摺動部材の耐摩耗性を十分に向上させることができる。また、かかる耐摩耗性向上効果により摺動部材の母材として摩耗しにくい特殊な材料を用いたり摺動部材に表面処理を施したりする必要がなくなるため、摺動部材のコストダウン及び製造工程の簡略化を有効に実現することができる。
なお、本発明でいう「摺動部位において金属母材が露出している摺動部材」とは、言い換えれば、当該摺動部位に浸炭処理、窒化処理等の表面処理が施されていない摺動部材のことである。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油を用いて冷媒圧縮機の試運転を行うことによって、冷凍機油及び冷凍空調機器を十分に長寿命化することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油に含まれる潤滑油基油としては、冷凍機油の潤滑油基油として使用される鉱油及び/又は合成油を使用することができる。
鉱油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられる。
また、合成油としては、オレフィン重合体、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン等の炭化水素系油;エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル等の含酸素合成油、等が挙げられる。
本発明では、上記の潤滑油基油の中でも、ナフテン系鉱油及びアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。本発明の冷媒圧縮機用試運転油がナフテン系鉱油及び/又はアルキルベンゼンを含有すると、リン化合物に由来する皮膜の形成を効率よく且つ確実に行うことができ、また、試運転油の保管時若しくは試運転時における水分の混入を十分に抑制することができる。上記の好ましい潤滑油基油を含有する冷媒圧縮機用試運転油は、試運転後に冷媒圧縮機に充填される冷凍機油がエステル系基油を含有するものである場合に特に好適である。
ここで、「ナフテン系鉱油」とは、ナフテン分の多いナフテン基原油を精製して得られる潤滑油留分を意味する。具体的には、ナフテン基原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの1種を単独で又は2種以上の精製手段を適宜組み合わせて精製することにより得られる潤滑油留分が挙げられる。
本発明で用いられるナフテン系鉱油の性状は特に制限されないが、ナフテン系鉱油のナフテン分(%C)は30〜70であることが好ましく、35〜70であることがより好ましく、40〜65であることが更に好ましく、45〜60であることが特に好ましい。また、ナフテン系鉱油のパラフィン分(%C)は20〜60であることが好ましく、25〜55であることがより好ましく、30〜50であることが更に好ましく、35〜45であることが一層好ましく、40〜45であることが特に好ましい。
更に、ナフテン系鉱油の芳香族分(%C)は、潤滑性の向上、並びに試運転後の冷媒圧縮機に残存した際の冷凍機油と冷媒との相溶性への影響の抑制の点から、好ましくは5以上であり、より好ましくは8以上である。一方、芳香族分(%C)は、安定性及び油の色相安定度への影響を抑制できる点から、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
なお、ここでいうナフテン分(%C)、パラフィン分(%C)、及び芳香族分(%C)は、それぞれASTM−D−3238に規定する“Standard Test Method for Calculation Distribution and Structural Group Analysis of Petroleum Oils by the n−d−M Method”に準拠して測定される%C、%C及び%Cを意味する。
また、ナフテン系鉱油の硫黄分は、熱・酸化安定性への悪影響を低減する点から、ナフテン系鉱油全量を基準として、好ましくは1500質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、更に好ましくは500質量ppm以下、一層好ましくは100質量ppm以下、特に好ましくは75質量ppm以下、最も好ましくは50質量ppm以下である。なお、ここでいう硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」の附属書「誘導結合プラズマ発光法」に準拠して測定される硫黄分を意味し、当該硫黄分には二硫化硫黄、メルカプタン、硫化アルキル、二硫化アルキル、チオファン、チオフェン、スルホン酸などが包含される。
また、ナフテン系鉱油の窒素分は、熱・酸化安定性への悪影響を低減する点から、ナフテン系鉱油全量を基準として、好ましくは500質量ppm以下、より好ましくは200質量ppm以下、更に好ましくは150質量ppm以下、更により好ましくは100質量ppm以下、一層好ましくは50質量ppm以下、より一層好ましくは30質量ppm以下、特に好ましくは20質量ppm以下、最も好ましくは15質量ppm以下である。なお、ここでいう窒素分とは、JIS K 2609「原油及び石油製品−窒素分試験方法」に規定する微量電量滴定法に準拠して測定される窒素分を意味し、当該窒素分にはアンモニア、硫化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウムの無機アンモニア化合物、並びにピリジン、キノリン、ナフテン塩基などの複素環式化合物などが包含される。
また、ナフテン系鉱油の粘度指数は、低温流動性の点から、好ましくは−10以上、より好ましくは0以上、更に好ましくは10以上、一層好ましくは20以上、特に好ましくは30以上である。なお、ここでいう粘度指数とは、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠して算出される粘度指数を意味する。
また、ナフテン系鉱油のアニリン点は、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは80℃以下である。なお、ここでいうアニリン点とは、JIS K 2256「石油製品アニリン点及び混合アニリン点試験方法」に準拠して測定されるアニリン点を意味する。
また、ナフテン系鉱油の流動点は、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、一層好ましくは−30℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。ナフテン系鉱油の流動点が0℃を超えると、常温で固体となる可能性があり、取り扱い難くなる傾向がある。なお、本発明における流動点とは、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準拠して測定される流動点を意味する。
さらに、ナフテン系鉱油の酸価は、好ましくは0.05mgKOH/g以下、より好ましくは0.03mgKOH/g以下である。鉱油の酸価が0.05mgKOH/gを超えると、安定性が低下する傾向がある。なお、本発明における酸価とは、JIS K 2501に準拠して測定した値を意味する。
一方、アルキルベンゼンとしては、試運転後の冷媒圧縮機に試運転油が残存した場合の冷媒循環システムにおける油戻り性に優れる点から、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が1〜40であるものが好ましく、炭素数1〜30のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が3〜30であるものがより好ましい。
本発明で用いられるアルキルベンゼンの好ましい例としては、具体的には、下記一般式(1)で表される構造を有するアルキルベンゼンが挙げられる。
Figure 0004659500

[式(1)中、Rは水素原子又は直鎖アルキル基を示し、Rは直鎖アルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。]
上記一般式(1)で表されるアルキルベンゼンが有する直鎖アルキル基の炭素数は特に制限されないが、試運転後に冷媒圧縮機内に残存した場合の冷媒循環サイクルにおける油戻り性に優れる点から、当該炭素数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましい。炭素数1〜40の直鎖アルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘントリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、n−トリトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル基、n−ペンタトリアコンチル基、n−ヘキサトリアコンチル基、n−ヘプタトリアコンチル基、n−オクタトリアコンチル基、n−ノナトリアコンチル基、n−テトラコンチル基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)中、nは1〜6の整数を示す。試運転後に冷媒圧縮機内に残存した場合の冷媒循環サイクルにおける油戻り性に優れる点から、nは1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表されるアルキルベンゼンは、下記一般式(2)で表されるアルキル基をn個有する。一般式(2)におけるnが2以上の場合、すなわち上記一般式(1)で表されるアルキルベンゼンが下記一般式(2)で表されるアルキル基を複数有する場合には、下記一般式(2)で表されるアルキル基のそれぞれにおいて、RとRとは同一でも異なっていてもよい。
Figure 0004659500

[式(2)中、Rは水素原子又は直鎖アルキル基を示し、Rは直鎖アルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。]
また、上記一般式(2)で表されるアルキル基のn個の合計炭素数は特に制限されないが、試運転後に冷媒圧縮機内に残存した場合の冷媒循環サイクルにおける油戻り性に優れる点から、当該合計炭素数は1〜40であることが好ましく、3〜30であることがより好ましい。
なお、一般式(1)で表されるアルキルベンゼンとしては、単一の構造の化合物だけでなく、2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)で表されるアルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、一般に以下に示す合成法によって製造できる。
原料となる芳香族化合物としては、具体的には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびこれらの混合物などが用いられる。またアルキル化剤としては直鎖状オレフィンを用いることができる。直鎖状オレフィンとしては、具体的には例えば、エチレンの重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状オレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状オレフィン;灯油、軽油などの石油留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン化することによって得られる炭素数9〜40の直鎖状オレフィン;およびこれらの混合物などが使用できる。
またアルキル化の際に使用するアルキル化触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土などの酸性触媒;など、公知の触媒が用いられる。
本発明で用いられる潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは300mm/s以下、より好ましくは150mm/s以下、更に好ましくは80mm/s以下、一層好ましくは40mm/s以下、特に好ましくは20mm/s以下である。潤滑油基油の40℃における動粘度が前記上限値を超えると、試運転後に冷媒圧縮機から試運転油を抜き取る際に残存量が増加する傾向にある。また、潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上、更に好ましくは3mm/s以上、一層好ましくは4mm/s以上、特に好ましくは5mm/s以上である。潤滑油基油の40℃における動粘度が前記下限値未満であると、耐摩耗性が不十分となる傾向がある。なお、本発明における動粘度とは、JIS K 2283に準拠して測定した値を意味する。
また、本発明の冷媒圧縮機用試運転油に含まれるリン化合物としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフォロチオネートなどのリン系極圧剤が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
かかるリン化合物のうち、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;
ホスフォロチオネートとしては、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
上記のリン化合物の中でも、耐摩耗性向上効果を有効に得ることができ、また、試運転後の冷媒圧縮機に残存しても冷凍機油及び冷媒圧縮機の構成部材に及ぼす悪影響が小さいことから、リン酸エステル及びホスフォロチオネートから選ばれる少なくとも1種のリン化合物を用いることが好ましい。
リン化合物の含有量は特に制限されないが、試運転油全量を基準として、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。試運転油におけるリン化合物の含有量を前記下限値以上とすることによって、リン化合物を含有する冷凍機油の使用により耐摩耗性の向上を図る場合に比べて、リン化合物に由来する皮膜をより確実に形成することができ、非常に高水準の耐摩耗性向上効果を得ることができる。また、試運転油の熱・酸化安定性、冷媒圧縮機を構成する金属製部材又はゴム製部材及び冷凍機油に対する悪影響の抑制の点から、リン化合物の含有量は、試運転油全量を基準として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油は、上記の潤滑油基油とリン化合物とのみからなるものであってもよいが、その各種性能を更に高める目的で、その他の潤滑油添加剤、例えば、酸化防止剤、消泡剤などを単独で、又は数種類組み合わせて配合することができる。
酸化防止剤としては、例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーンなどのシリコーン類が挙げられる。
これらの公知の添加剤の配合量は任意に選ぶことができるが、試運転油全量を基準として、酸化防止剤の場合は0.01〜5.0質量%、消泡剤の場合は0.00001〜0.05質量%となるように配合するのが好ましい。
上記構成を有する本発明の冷媒圧縮機用試運転油によれば、冷媒圧縮機の構成部材や冷凍機油に対する悪影響を十分に抑制しつつ、冷媒圧縮機の摺動部材に十分な耐摩耗性を付与することができるため、冷凍機油及び冷凍空調機器の長寿命化を有効に実現することができる。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油を用いた冷媒圧縮機の試運転方法の好ましい例としては、冷媒圧縮機への冷凍機油及び冷媒の充填に先立って、上記本発明の冷媒圧縮機用試運転油を冷媒圧縮機に充填し、所定時間駆動させる第1のステップと、第1のステップの後、冷媒圧縮機用試運転油を冷媒圧縮機から抜き取る第2のステップとを備える試運転方法が挙げられる。
上記第1のステップにおける冷媒圧縮機への試運転油の充填量は、当該冷媒圧縮機への冷凍機油の充填量と同程度とすることが好ましい。
また、上記第1のステップにおいては、冷媒圧縮機を単独で駆動させてもよく、あるいは冷媒圧縮機を含む冷凍循環システムを組み上げた後で冷媒圧縮機を駆動させてもよい。冷媒循環システムの構成としては、代表的には、冷媒圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順でそれぞれ流路を介して接続されており、必要に応じて該流路中に乾燥器を具備するものが例示される。
また、上記第1のステップにおいては、冷媒圧縮機に冷媒を更に充填して密閉系で駆動させてもよく、また、冷媒を充填せずに大気開放系で駆動させてもよい。
上記第1のステップにおける冷媒圧縮機の駆動時間は、通常、5〜100時間程度で十分であるが、冷媒圧縮機の長寿命化をより確実に達成するためには、10時間以上とすることが好ましい。
また、上記第2ステップにおいて、試運転油を冷媒圧縮機から抜き取る方法は特に制限されないが、試運転湯の残存量をより低減できる点から、使用される冷凍機油でのフラッシングを実施することが好ましい。
なお、試運転に供される冷媒圧縮機の種類は特に制限されず、自動車用エアコンディショナー、除湿器、冷蔵庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラントなどの冷却装置、ルームエアコンディショナー、パッケージエアコンディショナー、給湯用ヒートポンプ等を構成する冷媒圧縮機などが挙げられる。また、冷媒圧縮機は、開放型圧縮機、半密閉型型(スプリット型)圧縮機又は密閉型圧縮機のいずれであってもよく、また、高圧容器方式又は低圧容器方式のいずれであってもよい。更に、冷媒圧縮機の駆動方式は、往復動式、回転式、遠心式等のいずれであってもよい。
冷媒圧縮機の例としては、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモータと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する高圧容器方式の圧縮機、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモータと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される低圧容器方式の圧縮機、等が挙げられる。
本発明の冷媒圧縮機用試運転油は、上記の回転子や固定子等の摺動部材が、その摺動部位において金属母材が露出したものである場合に、その効果を最大限に発揮することができる。すなわち、本発明によれば、摺動部材の金属母材が露出した摺動部位にリン化合物に由来する皮膜が形成されることにより、当該摺動部材の耐摩耗性を十分に向上させることができる。また、かかる耐摩耗性向上効果により摺動部材の母材として摩耗しにくい特殊な材料を用いたり摺動部材に表面処理を施したりする必要がなくなるため、摺動部材のコストダウン及び製造工程の簡略化を有効に実現することができる。
冷媒圧縮機の摺動部材を構成する金属母材としては、具体的には、純鉄;電解鉄;ネズミ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄等の鋳鉄;機械構造用炭素鋼、炭素工具鋼等の炭素鋼;ステンレス、クロムモリブデン鋼、鋼炭素クロム軸受鋼等の合金鋼;超合金;リムド鋼;キャップド鋼;セミキルド鋼;高速度工具鋼等のキルド鋼、などが挙げられる。
また、本発明の冷媒圧縮機用試運転油は、冷媒圧縮機を構成する金属製部材やゴム製部材、更にはモータ部の電機絶縁システム材料である絶縁フィルム等に対する悪影響が小さいものであるため、これらの構成部材を備える冷媒圧縮機の試運転油として好適である。
上記絶縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引っ張り強度特性、電気絶縁特性の劣化現象が生じにくく、好ましく用いられる。また、モータ部に使用されるマグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の単一層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ましく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポリエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)等が挙げられる。
また、上記の冷媒圧縮機を含んで構成される冷凍空調機器が乾燥器を更に備えていてもよい点については前述の通りであるが、乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧250mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりなる合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
また、冷凍空調機器に使用される冷媒としては特に制限されず、例えば、HFC冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素やアンモニア,炭化水素等の自然系冷媒が挙げられる。これらの冷媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる。
また、自然系冷媒としては二酸化炭素やアンモニア、炭化水素等が挙げられる。ここで、炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等があげられる。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましい。
また、冷凍空調機器において、上記の冷媒と共に使用される冷凍機油としては特に制限されないが、本発明の冷媒圧縮機用試運転油は、冷凍機油がポリオールエステル、脂環式カルボン酸エステル等のエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル等のエーテルを含有するものである場合に好適であり、特に冷凍機油がエステルを含有するものである場合に非常に優れた効果を得ることができる。
なお、上記の冷凍機油は、通常、冷凍サイクル内においては上記冷媒と混合された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物における冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限されないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油が好ましくは1〜500重量部、より好ましくは2〜400重量部である。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜3]
実施例1〜5及び比較例1〜3では、それぞれ以下に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて表1、2に示す組成を有する試運転油及び冷凍機油を調製した。
(潤滑油基油)
基油1:ナフテン系鉱油(40℃における動粘度:55.4mm/s、100℃における動粘度:5.96mm/s、粘度指数:10、硫黄分:40質量ppm、窒素分:20質量ppm、芳香族分(%C):11.9)
基油2:一般式(1)で表されるアルキルベンゼン(40℃における動粘度:21.8mm/s、100℃における動粘度:4.0mm/s、粘度指数:58)
基油3:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の等モル混合物とのテトラエステル(40℃における動粘度:68.5mm/s
(添加剤)
添加剤1:トリクレジルホスフェート
添加剤2:トリクレジルホスフォロチオネート
添加剤3:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
添加剤4:グリシジル−2,2’−ジメチルオクタノエート。
次に、表1、2に示す試運転油及び冷凍機油の組合せで、以下に示す冷媒圧縮機の試運転及び耐久試験を実施した。
まず、回転式冷媒圧縮機(モータ出力1kW)、凝縮器、膨張機構及び蒸発器を具備する冷媒循環システムを用い、試運転湯400mlを冷媒圧縮機に充填し、大気開放下で50時間無負荷連続運転を行った。
上記の試運転後、冷媒圧縮機から試運転油を抜き取り、冷凍機油200mlを用いたフラッシングを3回行った。次に、冷凍機油400g及び冷媒(R410A)1.5kgを充填し、同システムを用いて吐出圧力3.0±0.1MPa、吐出温度120℃の条件下、2000時間の耐久試験を行った。
上記の耐久試験後、冷媒圧縮機を解体し、摺動部材であるベーンの摩耗量を測定した。また、耐久試験後に回収された冷凍機油について、濾過による摩耗粉及び添加剤反応物の有無の判定、並びに濾過後の冷凍機油の酸価の測定を行った。得られた結果を表1、2に示す。
Figure 0004659500
Figure 0004659500

Claims (1)

  1. エステル系基油を含有する冷凍機油が充填される冷媒圧縮機の試運転方法であって、ナフテン系鉱油及びアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の潤滑油基油と、リン化合物とを含有する冷媒圧縮機用試運転油を前記冷媒圧縮機に充填し、5〜100時間駆動させる第1のステップと、前記第1のステップの後、前記冷媒圧縮機用試運転油を前記冷媒圧縮機から抜き取る第2のステップとを備えることを特徴とする冷媒圧縮機の試運転方法
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