JP4659276B2 - 光偏向走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を利用した反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームを一方向に偏向走査して感光体上に潜像を形成するレーザプリンタや、偏向方向が直交する2つの光偏向走査装置を組み合わせてスクリーン上でレーザビームを走査して画像を形成するレーザ走査型ディスプレイ装置が知られている。これらの装置においては、レーザビームの偏向走査手段として、ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置が広く利用されている。
【0003】
ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置の回転駆動機構としては、例えば、空気動圧軸受機構がある。この空気動圧軸受機構では、回転速度30000rpmレベルのものが実用化されており、50000rpmレベルの報告例もある。
【0004】
しかし、空気動圧軸受機構の場合、回転速度の上昇に伴い熱が発生するという構造特性上の課題がある。
【0005】
より高速の回転速度が得られる軸受としては、磁気浮上軸受が注目されている。磁気浮上軸受は、ロータとステータとが非接触であるため、接触による摩擦熱が発生しないという特徴があり、高速回転に適した方式と考えられる。製品としては、回転を安定させるために、6自由度のうち、回転を除く5軸の全てを能動的に制御する方式を採用したものが実用化されており、100000rpmを超える回転速度が得られ、工作機械などの用途に利用されている。
【0006】
しかし、5軸能動制御型の磁気浮上軸受は、磁力制御機構が複雑であり、コストも高く、装置の小型化にも課題が多い。このため、5軸能動制御型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置の軸受として採用することは原理的には可能であるが、装置のコストや大きさの点から課題がある。
【0007】
また、より高速の回転速度が得られる軸受として、永久磁石による反発型磁気浮上軸受(以下、単に、反発型磁気浮上軸受という。)が提案されている。反発型磁気浮上軸受は、複数の永久磁石を対向させることで生じる反発力を利用して受動的にバランス制御を行う軸受であって、上述した5軸能動制御型磁気浮上軸受に比べると、機構制御に要する装置構成は極めて簡素である。
【0008】
反発型磁気浮上軸受においては、回転を除く5軸のうちの1軸のみを能動的に制御し、他の4軸においては永久磁石間の反発力によって受動的に磁力バランスをとることができ、ロータ部を安定して回転させることができる。
【0009】
反発型磁気浮上軸受には、回転軸が重力作用方向に対して略直交する所謂横置き型と、回転軸が重力作用方向と略平行な所謂縦置き型とがあり、縦置き型の反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の一例を図7を参照して説明する。
【0010】
この光偏向走査装置は、ロータ部1、ステータ部2、ロータ部1を回転駆動させる回転用駆動モータ部3等から構成されている。ロータ部1は、略鉛直方向の軸心をもって配設されたロータ軸4、ロータ軸4に固定された永久磁石からなる上下一対のロータ磁石5a、5b、ロータ軸4に固定されたポリゴンミラー6等を備えている。ステータ部2には、ロータ磁石5a、5bと対向する位置に配置された永久磁石からなる上下一対のステータ磁石7a、7b、ロータ部1の浮上位置制御を行うロータ浮上制御用電磁石8が設けられている。回転用駆動モータ部3は、ロータ軸4に固定された永久磁石3aと、この永久磁石3aに対向する位置に配置されてステータ部2に設けられた電磁石3bとにより構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した光偏向走査装置は、高さ寸法(ロータ軸4の軸方向の寸法)が大型であり、70〜80cmある。このため、このような反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置を、小型のレーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に適用するためには、従来に比べてコンパクトな装置構成としなければならない。
【0012】
反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置を小型化するためには、反発型磁気浮上軸受を小型化しなければならず、反発型磁気浮上軸受を小型化しようとすると、次のような課題が発生する。
【0013】
まず、反発型磁気浮上軸受を小型化すると、ロータ部1の重量が軽量化される。反発型磁気浮上軸受の反発力は、回転軸に対して直交する方向の成分(以下、r方向反発力という)と、回転軸方向の成分(以下、z方向反発力という)とに分けられる。
【0014】
z方向反発力は、ロータ部1の自重とバランスさせる必要がある。ロータ部1の自重が軽くなれば、z方向反発力も弱めなければならないが、z方向反発力を弱めるために磁石(ロータ磁石5a、5b、ステータ磁石7a、7b)の磁力を弱めると、r方向反発力も弱くなる。そして、このr方向反発力が弱くなると、ロータ部1とステータ部2とが接触しやすくなるという不都合が生じる。したがって、r方向反発力と、z方向反発力との磁力バランス調整を図る手段が必要である。
【0015】
また、磁力バランス調整の容易性の観点から、以下のことが言える。すなわち、ある調整パラメータを考えた場合、そのパラメータ値の変化量に対する反発力の変化量が大きいと、反発力の調整が困難になる。言い換えると、調整感度の緩いパラメータを見つけることによって、磁力バランス調整(z方向反発力、r方向反発力の調整)が容易になる。磁力バランスを調整する調整パラメータは多数存在するが、その中でも、ロータ部1の重量、径、長さなどは重要な調整パラメータである。
【0016】
しかし、上記の反発型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラーを備えた光偏向走査装置に適用する場合、適用される装置のスペックによって、ロータ部に求められる形状、サイズ、重量が予め規定されてしまう。このため、予め規定された条件のなかで、磁力のバランス調整を可能にする現実的な手段が必要となる。
【0017】
そこで本出願の出願人は、反発型磁気浮上軸受を用いた小型の光偏向走査装置を実現するうえで、ロータ部の条件パラメータが決められた状態においても、ロータ磁石とステータ磁石との間で生じる反発力と剛性とを容易に調整可能な構造、あるいは、調整方法について検討し、その結果を、特願2000-273044において提案している。この特許出願によれば、ステータ磁石をロータ磁石より大きく形成し、ステータ磁石の大きさをロータ部の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとして用いることにより、反発型磁気浮上軸受の小型化、この反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の小型化を図ることができることを明らかにしている。
【0018】
また、反発型磁気浮上軸受のロータ部を浮上安定位置に移動させるときに、ロータ部が傾く現象、所謂、軸ぶれを抑制したいという要望がある。
【0019】
本発明の目的は、駆動部も含めた装置の全体構成を、インナーロータ型より単純かつ小型化することである。
【0020】
本発明の別の目的は、浮上制御されるロータ部の浮上制御性の改善を図ることである。
【0021】
本発明の別の目的は、浮上安定位置へのロータ部の移動を容易にすることである。
【0022】
本発明の別の目的は、軸がぶれる運動を生じにくくすることである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光偏向走査装置は、鉛直方向に延出して位置固定されたステータ軸と、前記ステータ軸の周囲に配置された円筒状のアウターロータ部と、前記ステータ軸に軸方向に沿った所定寸法離間して固定された一対のステータ磁石と、前記アウターロータ部の内周部に取り付けられて前記ステータ磁石と同軸上で対向配置された一対のロータ磁石と、前記アウターロータ部の浮上位置制御を行うロータ浮上制御用電磁石と、前記アウターロータ部の内側に配置された回転用電磁モータ部と、前記アウターロータ部の外周部に配置されたポリゴンミラーと、を有する。
【0024】
したがって、回転用電磁モータ部がアウターロータ部の内側に配置されているので、回転用電磁モータ部がポリゴンミラーの外側に出ず、光偏向走査装置の外形寸法の小型化を図ることができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光偏向走査装置において、前記ステータ磁石が前記ロータ磁石より大きく形成され、前記ステータ磁石の大きさが、前記ステータ磁石と前記ロータ磁石との間で前記アウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとされている。
【0026】
ここで、ステータ磁石とロータ磁石とは、単位量当りの磁力が等しくなる材料、例えば、同じ材料で形成されている。
【0027】
したがって、ステータ磁石をロータ磁石より大きく形成するとともに、ステータ磁石の大きさをステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとすることにより、ステータ磁石の大きさの変化量に対する、ステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力の変化率を小さくすることができる。このため、アウターロータ部やステータ軸の形状や重量が予め定まっていても、ステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力と回転軸方向と直交する方向の反発力との調整を容易に行うことができ、反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の小型化を図ることができる。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光偏向走査装置において、前記アウターロータ部の下端部に、前記ステータ軸が貫通されることなく前記アウターロータ部の下端部を閉止するロータ下側端面部が設けられ、前記ロータ浮上制御用電磁石は、前記ロータ浮上制御用電磁石の中心が前記アウターロータ部の回転軸を通る位置で前記ロータ下側端面部に対して対向配置されている。
【0029】
したがって、ロータ浮上制御用電磁石の磁気吸引力がステータ軸に作用せず、ロータ下側端面部にのみ作用するので、アウターロータ部の浮上制御性が向上する。
【0030】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の光偏向走査装置において、前記ロータ下側端面部が、前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出するR面状に形成されている。
【0031】
したがって、ロータ部を浮上安定位置に移動させるときに軸ぶれが生じても、R面状に形成されたロータ下側端面部に作用する磁気吸引力がアウターロータ部の本来の回転中心に対して対称となるように作用するので、アウターロータ部の浮上制御を、軸ぶれの影響を抑制しつつ容易に行える。
【0032】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の光偏向走査装置において、前記ロータ下側端面部が、前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する円錐状に形成されている。
【0033】
したがって、ロータ下側端面部の形状が、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する円錐状に形成されることにより、アウターロータ部の振動周波数が上昇し、アウターロータ部の軸ぶれを起こりにくくすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は光偏向走査装置の縦断面図である。
【0035】
この光偏向走査装置は、略鉛直方向上向きに延出して位置固定されたステータ軸11、ステータ軸11の周囲に配置された円筒状のアウターロータ部12、ステータ軸11が固定された取付台13等を備えている。
【0036】
ステータ軸11には、このステータ軸11の軸方向に沿った上下位置であって所定寸法離間した位置に一対のリング体14a、14bが固定され、これらのリング体14a、14bの外周部に永久磁石からなるステータ磁石15a、15bが固定されている。
【0037】
さらに、アウターロータ部12の上部端面部に対向する位置には、このアウターロータ部12の浮上位置を検知するための変位センサ16が配置されている。
【0038】
アウターロータ部12の内周部には、永久磁石からなる一対のロータ磁石17a、17bが固定されている。これらのロータ磁石17a、17bは、アウターロータ部12が所定の浮上位置に浮上したときにステータ磁石15a、15bの外周に対向するように位置決めされている。
【0039】
アウターロータ部12の内側には、このアウターロータ部12を回転駆動させるための回転用電磁モータ部18が配置されている。この回転用電磁モータ部18は、ステータ軸11から半径方向に伸びた複数の軸に巻かれたコイル18aと、コイル18aの外周と対向するようにアウターロータ部12の内周面に設けられた金属膜18b等により構成されている。
【0040】
アウターロータ部12の外周部には、ポリゴンミラー19が固定されている。
【0041】
アウターロータ部12の下端部には、ドーナツ型円板20が設けられ、ステータ軸11はこのドーナツ型円板20の中心穴部を貫通している。ドーナツ型円板20に対向する位置には、アウターロータ部12の浮上位置制御を行うロータ浮上制御用電磁石21が配置されている。このロータ浮上制御用電磁石21は取付台13に固定され、ロータ浮上制御用電磁石21の中央部にステータ軸11が挿通されている。
【0042】
図2は、光偏向走査装置の制御系のブロック図である。変位センサ16によりアウターロータ部12の浮上位置(回転軸方向の位置)が検出されると、この検出信号はA/Dコンバータ22を介してコントローラ23に出力される。コントローラ23では、検出信号に基づいてロータ浮上制御用電磁石21に与える制御信号が生成され、この制御信号はD/Aコンバータ24でD/A変換され、増幅器25で増幅されてロータ浮上制御用電磁石21に入力される。これにより、変位センサ16によるアウターロータ部12の浮上位置の変位が検出され、浮上位置が常に一定範囲内となるようにフィードバック制御が行われる。したがって、アウターロータ部12はロータ浮上制御用電磁石21の吸引により安定的に浮上し、さらに、回転用電磁モータ部18を駆動する制御信号がコントローラ23からモータドライバ26に出力されることによりアウターロータ部12が回転し、ポリゴンミラー19は図示しない光を偏向走査する。
【0043】
また、この光偏向走査装置の設計に際しては、ステータ磁石15a、15bとロータ磁石17a、17bとの間でアウターロータ部12の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとして、ステータ磁石15a、15bの大きさを用いている。ステータ磁石15a、15bの大きさとは、ステータ磁石15a、15bにおけるステータ軸11の軸方向に沿った方向の寸法、及び、半径方向の寸法を意味する。そして、ステータ磁石15a、15bをロータ磁石17a、17bより大きく形成することによって、回転軸方向の剛性を下げることができることがわかった。回転軸方向の剛性とは、ステータ磁石15a、15bとロータ磁石17a、17bとによって生じる磁気的反発力のうちの回転軸方向の成分(上述した、z方向反発力)の変化率δF/δzである(Fはz方向反発力、zはz方向変位量)。この値が小さいということは調整感度が緩くなるということであり、ステータ磁石15a、15b、ロータ磁石17a、17bの磁力の調節容易性が向上するということである。
【0044】
これにより、回転軸方向(z方向)の剛性を弱める具体的かつ現実的な調整手段がえられる。そして、回転軸方向の剛性を下げ、磁力の調整感度を緩くすることにより、磁力の調整を容易にすることができる。この調整手段は、アウターロータ部12やステータ軸11の形状、重量などの条件が予め決定されている状況下でも容易に実施可能で、所望の効果を得ることができる。これにより、反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の小型化を実現でき、小型のレーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に搭載可能である。
【0045】
ここで、図1に示した光偏向走査装置において、アウターロータ部12の重心位置からロータ磁石17a、17bまでの距離をIt、Ib、アウターロータ部12の質量をmとすると、
【0046】
【数1】
Figure 0004659276
【0047】
【数2】
Figure 0004659276
が成り立つ。ここで、
ω: 半径方向並進運動に対する固有振動数
ωj: 半径方向軸まわりの回転運動に対する固有振動数
kt、kb:ロータ磁石17a、17bの位置での半径方向剛性
J: 軸周りの慣性モーメント
である。
【0048】
さらに、慣性モーメントに関しては、
【0049】
【数3】
Figure 0004659276
が成り立つ。ここで、
dm:回転体(アウターロータ部12)の微小質量要素
r :回転軸からの距離
である。
【0050】
ロータ磁石17a、17b間の距離をL、
さらに、It=Ib=L/2、kt=kb=Kとすると、
上記の(1)、(2)式はそれぞれ、
【0051】
【数4】
Figure 0004659276
【0052】
【数5】
Figure 0004659276
と置換される。
【0053】
上記の(4)(5)式より、ロータ磁石17a、17b間の距離を増加させることにより、半径方向軸まわりの剛性が増加する。つまり、半径方向軸まわりに対して回りにくくなることがわかる。また、上記の(3)式より、ロータ磁石17a、17b、ステータ磁石15a、15bの半径を小さくすることにより、さらに半径方向に対して回りにくくなることが示される。
【0054】
アウターロータ部12の浮上制御実験によれば、ロータ磁石17a、17bの間隔を30mmと37mmとにした場合を比較したところ、37mmの場合のほうが安定した浮上状態が得られた。
【0055】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図3及び図4に基づいて説明する。なお、図1及び図2において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同じ)。
【0056】
本実施の形態では、取付台13には略鉛直方向に向けて一対の支柱27が立設され、これらの支柱27の上端部間に取付台13と略平行に対向する取付片28が固定され、この取付片28にステータ軸11が固定されている。ステータ軸11は略鉛直方向下向きに延出して設けられ、このステータ軸11の周囲に円筒状のアウターロータ部12が配置されている。
【0057】
上述した第1の実施の形態と同じように、ステータ軸11には一対のリング体14a、14bが固定され、これらのリング体14a、14bの外周部には永久磁石からなるステータ磁石15a、15bが固定されている。さらに、アウターロータ部12の内周部には、永久磁石からなる一対のロータ磁石17a、17bが固定されている。なお、アウターロータ部12の浮上位置を検知するための変位センサ16は、ステータ軸11の下端部に取り付けられている。
【0058】
アウターロータ部12の下端部には、ステータ軸11が貫通されることなくアウターロータ部12の下端部を閉止するロータ下側端面部29が設けられ、このロータ下側端面部29に対向する位置には、アウターロータ部12の浮上位置制御を行うロータ浮上制御用電磁石30が配置されている。このロータ浮上制御用電磁石30は取付台13に固定されている。
【0059】
ロータ下側端面部29は、ロータ浮上制御用電磁石30に向けて突出するR面状に形成され、ロータ下側端面部29とロータ浮上制御用電磁石30とは回転軸を一致させて対向配置されている。
【0060】
したがって、ロータ浮上制御用電磁石30の磁気吸引力がステータ軸11に作用せず、ロータ下側端面部29にのみ作用するので、アウターロータ部12の浮上制御性が向上する。
【0061】
図4は、形状の違いによって磁束の流れが変化することを説明するための説明図であり、図4(a)は、本実施の形態におけるロータ下側端面部29に対する磁束の流れを示したものであり、図4(b)は、第1の実施の形態で説明したドーナツ型円板20に対する磁束の流れを示したものである。
【0062】
磁石による磁気吸引力は、磁石(ロータ浮上制御用電磁石30、21)と磁気吸引力が作用する対象物(ロータ下側端面部29又はドーナツ型平板20)との間のギャップ中における磁束の集中する部分で強く発生することを考えると、図4(b)では、磁束がドーナツ型円板20の外周部にも集中するのに対し、図4(a)では、磁束がロータ下側端面部29の回転中心近傍に集中する。このため、アウターロータ部12が回転中に軸ぶれを生じると、図4(b)の場合には、磁気吸引力がアウターロータ部12の本来の回転中心に対して対称にならないのに対し、図4(a)の場合には、磁気吸引力がアウターロータ部12の本来の回転中心に対して対称となる。これにより、図4(a)の場合には、アウターロータ部12の浮上制御を、軸ぶれの影響を抑制しつつ容易に行える。
【0063】
つぎに、本発明の第3の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第2の実施の形態と同じであり、本実施の形態と第2の実施の形態との異なる点は、第2の実施の形態では、ロータ下側端面部29の形状がロータ浮上制御用電磁石30に向けて突出するR面状に形成されているのに対し、本実施の形態では、ロータ下側端面部31の形状が、ロータ浮上制御用電磁石30に向けて突出する円錐状に形成されている点である。ロータ下側端面部31とロータ浮上制御用電磁石30とは回転軸を一致させて対向配置されている。
【0064】
ここで、図6は、ロータ下側端面部29がR面状に形成されたアウターロータ部12(図3参照)と、ロータ下側端面部31が円錐状に形成されたアウターロータ部(図5参照)とにおける、衝撃応答性の試験結果を示すグラフである。この試験は、アウターロータ部12に対して衝撃を加え、そのときのアウターロータ部12の径方向の変位量を変位センサで測定したものである。
【0065】
この試験結果から、円錐状のロータ下側端面部31のアウターロータ部12のほうが、振動周波数が上昇していることがわかる。これは、上述した(4)式や(5)式における剛性Kが上昇したためであり、半径方向軸まわりの回転運動(軸がぶれる運動)自体を起こりにくくする効果があることがわかる。
【0066】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の光偏向走査装置によれば、回転用電磁モータ部がアウターロータ部の内側に配置されているので、回転用電磁モータ部がアウターロータ部の内側に配置されているので、回転用電磁モータ部がポリゴンミラーの外側に出ず、光偏向走査装置の外形寸法の小型化を図ることができる。
【0067】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光偏向走査装置において、ステータ磁石をロータ磁石より大きく形成するとともに、ステータ磁石の大きさをステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとすることにより、ステータ磁石の大きさの変化量に対する、ステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力の変化率を小さくすることができ、このため、アウターロータ部やステータ軸の形状や重量が予め定まっていても、ステータ磁石とロータ磁石との間におけるアウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力と回転軸方向と直交する方向の反発力との調整を容易に行うことができ、反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の小型化を達成することができる。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光偏向走査装置において、アウターロータ部の下端部に、ステータ軸が貫通されることなくアウターロータ部の下端部を閉止するロータ下側端面部が設けられ、ロータ下側端面部とロータ浮上制御用電磁石とが回転軸を一致させて対向配置されているので、ロータ浮上制御用電磁石の磁気吸引力がステータ軸に作用せず、ロータ下側端面部にのみ作用するので、アウターロータ部の浮上制御性を向上させることができる。
【0069】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の光偏向走査装置において、ロータ下側端面部が、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出するR面状に形成されているので、ロータ部を浮上安定位置に移動させるときに軸ぶれが生じても、R面状に形成されたロータ下側端面部に作用する磁気吸引力がアウターロータ部の本来の回転中心に対して対称となるように作用するので、アウターロータ部の浮上制御を、軸ぶれの影響を抑制しつつ容易に行うことができる。
【0070】
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の光偏向走査装置において、ロータ下側端面部が、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する円錐状に形成されているので、ロータ下側端面部の形状を、ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する円錐状に形成することにより、アウターロータ部の振動周波数が上昇し、アウターロータ部の軸ぶれを起こりにくくすることができ、アウターロータ部の浮上制御をより一層容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光偏向走査装置を示す縦断面図である。
【図2】光偏向走査装置の制御系のブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の光偏向走査装置を示す縦断面図である。
【図4】形状の違いによって磁束の流れが変化することを説明するための説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の光偏向走査装置を示す縦断面図である。
【図6】ロータ下側端面部の形状が異なるアウターロータ部についての衝撃応答性の試験結果を示すグラフである。
【図7】従来例の光偏向走査装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 ステータ軸
12 アウターロータ部
15a、15b ステータ磁石
17a、17b ロータ磁石
18 回転用電磁モータ部
19 ポリゴンミラー
21、30 ロータ浮上制御用電磁石
29、31 ロータ下側端面部

Claims (5)

  1. 鉛直方向に延出して位置固定されたステータ軸と、前記ステータ軸の周囲に配置された円筒状のアウターロータ部と、前記ステータ軸に軸方向に沿った所定寸法離間して固定された一対のステータ磁石と、前記アウターロータ部の内周部に取り付けられて前記ステータ磁石と同軸上で対向配置された一対のロータ磁石と、前記アウターロータ部の浮上位置制御を行うロータ浮上制御用電磁石と、前記アウターロータ部の内側に配置された回転用電磁モータ部と、前記アウターロータ部の外周部に配置されたポリゴンミラーと、を有する光偏向走査装置。
  2. 前記ステータ磁石が前記ロータ磁石より大きく形成され、前記ステータ磁石の大きさが、前記ステータ磁石と前記ロータ磁石との間で前記アウターロータ部の回転軸方向に作用する反発力を調整するパラメータとされている請求項1記載の光偏向走査装置。
  3. 前記アウターロータ部の下端部に、前記ステータ軸が貫通されることなく前記アウターロータ部の下端部を閉止するロータ下側端面部が設けられ、前記ロータ浮上制御用電磁石は、前記ロータ浮上制御用電磁石の中心が前記アウターロータ部の回転軸を通る位置で前記ロータ下側端面部に対して対向配置されている請求項1又は2記載の光偏向走査装置。
  4. 前記ロータ下側端面部が、前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出するR面状に形成されている請求項3記載の光偏向走査装置。
  5. 前記ロータ下側端面部が、前記ロータ浮上制御用電磁石に向けて突出する円錐状に形成されている請求項3記載の光偏向走査装置。
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