JP4268746B2 - 反発型磁気浮上軸受および光偏向走査装置 - Google Patents

反発型磁気浮上軸受および光偏向走査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転軸方向を鉛直方向とするロータにロータ磁石を設け、ステータにロータ磁石と対向するようにステータ磁石を設けていて、両磁石の反発力によりロータをステータに対して浮上させてロータの回転軸を軸受する反発型磁気浮上軸受、その製造方法および光偏向走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真には、レーザビームを一方向に偏向走査して感光体上に静電潜像を形成する光偏向走査装置が使用されている。また、レーザ走査型ディスプレイ装置では、偏向方向が直交する2つの光偏向走査装置を組み合わせてスクリーン上でビームを走査し画像を形成している。
【0003】
このような光偏向走査装置で、ポリゴンミラーを回転駆動するのに使用する軸受としては、装置構成が簡易な反発型磁気浮上軸受が知られている(特開平11−2777号公報参照)。この反発型磁気浮上軸受には、回転軸が鉛直方向に対して直交する所謂横置き型と、回転軸が鉛直方向である所謂縦置き型が存在する。
【0004】
縦置き型の反発型磁気浮上軸受の構造は次のようなものである。すなわち、ロータは内側に、ステータは外側に、いずれも回転軸と同軸に配置されている。ロータは回転軸を中心とした円筒形を、ステータは回転軸と同軸で中抜けの円筒形を基本形状とする。ロータの外周面とステータの内周面の間にはギャップ領域を設け、ロータの外周面とステータの内周面は接触していない。ロータとステータには、回転軸と同軸である永久磁石を設けている。ロータ側の永久磁石(以下、ロータ磁石という)と、ステータ側の永久磁石(以下、ステータ磁石という)は、ロータ磁石の外周面とステータ磁石の内周面の一部が対向するように配置されている。ロータ磁石とステータ磁石の対を、以下、永久磁石対という。この永久磁石対は軸の中心点をはさんで上下に各1組、計2組設けている。ロータ磁石とステータ磁石は、いずれも軸方向に着磁配向されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の反発型磁気浮上軸受を、レーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に適用することができれば、高速に光走査を行うことができ、書き込み速度の高速化や、ディスプレイの画質向上に対する効果が期待できる。しかしながら、従来製作されてきた反発型磁気浮上軸受は比較的大型(軸長が数10cm程度)であり、反発型磁気浮上軸受をレーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に適用するためには、従来に比べてコンパクトな装置構成としたい。
【0006】
そこで、例えば、永久磁石を用いた反発型磁気浮上軸受を、回転軸の軸長が数cm程度のレーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置用の光偏向走査装置の軸受に適用しようとすると、次のような課題が発生する。
【0007】
まず、軸受を小型化すると、軸受の重量が軽量化される。ロータ磁石とステータ磁石との反発力は回転軸の径方向成分(以下r方向反発力という)と回転軸方向成分(以下、Z方向反発力という)に分けることができる。そして、Z方向反発力は軸受の自重とバランスさせる必要がある。軸受の自重が軽くなれば、Z方向反発力も弱めなければならないが、磁石の磁力を弱めるとr方向反発力も弱くなる。r方向反発力が弱くなるとロータとステータとが接触しやすくなるという不具合が生じる。したがって、r方向反発力とz方向反発力を調整する手段が必要である。なお、Z方向反発力が強すぎると、回転軸が支持体側に強くおされることになり、ロータが回転しなくなる。一方、z方向反発力が弱すぎると、回転軸が支持体から離れやすくなり、この状態では軸を安定化できない。
【0008】
また、磁力バランス調整の容易性の観点から、以下のことがいえる。すなわち、ロータ磁石、ステータ磁石の磁力を調節するためのある調整パラメータを考えた場合、そのパラメータ値の変化量に対するロータ磁石とステータ磁石との反発力の変化量が大きいと、磁力の調整が困難となる。換言すると、調整感度の緩い調整パラメータを見つけることによって、磁力バランス調整を容易にしたい。調整パラメータは多数存在するが、その中でもロータの重量、径、長さなどは重要なパラメータとなっている。しかしながら、上記の反発型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置に適用する場合、適用される装置のスペックによってポリゴンミラーに求められる形状、サイズ、重量が予め規定されてしまう。このため、予め規定された条件のなかで、磁力のバランス調整を可能にする現実的な手段が必要となる。
【0009】
この発明の目的は、ロータ磁石、ステータ磁石の大きさを調整することで磁力の調整感度を緩くして、磁力の調整を容易にすることにより、反発型磁気浮上軸受を容易に小型化することである。
【0010】
この発明の目的は、磁性体でロータの回転軸方向の反発力を発生することで磁力の調整を容易として、反発型磁気浮上軸受を容易に小型化することである。
【0011】
この発明の目的は、ステータ磁石の分割してその間隔を調節することで、ロータの回転軸方向の剛性を下げて磁力の調整感度を緩くすることにより、磁力の調整を容易にして、軸受を容易に小型化することである。
【0012】
この発明の目的は、この場合にスペーサを介装することで、ステータ磁石の分割部分の間隔を目標の値に容易に調整することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、回転軸方向を鉛直方向とするロータに永久磁石からなるロータ磁石を設け、ステータに前記ロータ磁石と対向して反発する永久磁石からなるステータ磁石を設けていて、磁気的に前記ロータを前記ステータに対して浮上させて前記ロータの回転軸を軸受する反発型磁気浮上軸受において、前記ステータ磁石は、外周部に磁性体が被覆されていて、前記ステータ磁石の量は前記ロータ磁石より多く、前記磁性体は、前記ステータ磁石の鉛直方向上側に被覆されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の反発型磁気浮上軸受において、前記ステータ磁石は、鉛直方向の対向面の極性が逆になるように配置された複数のステータ磁石片からなることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、求項1又は2記載の反発型磁気浮上軸受と、前記ロータを回転する駆動源と、前記ロータの回転によって回転し光を偏向走査するポリゴンミラーと、を備えていることを特徴とする光偏向走査装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
この発明の一実施の形態を、発明の実施の形態1として説明する。
【0030】
図1は、この発明の実施の形態1である光偏向走査装置の縦断面図である。
【0031】
図1に示すように、この光偏向走査装置1は、縦置き型の反発型磁気浮上軸受を用いていて、軸方向を鉛直方向として設置される非磁性材で構成した丸軸状の回転軸であるロータ2と、ロータ2の上下2箇所に設けられ、ロータ2の周方向を一周して形成されたリング状の永久磁石であるロータ磁石3,3と、ロータ2と、このロータ2にロータ磁石3と対向して形成され、ロータ磁石3と反発し合うステータ磁石5とを備えている。
【0032】
z方向中央部にはロータ2よりも半径の大きい回転板6を同軸で設け、回転板6の周面部にポリゴンミラー7を形成している。また、回転板6のつば部分の上下に駆動源となる駆動モータ8を配置している。さらに、ロータ2の軸先端の上部には制御電磁石9を配置し、下部にはz方向変位センサ10を設けている。
【0033】
図2は、光偏向走査装置1の制御系のブロック図である。図2に示すように、z方向変位センサ10によりz方向(鉛直方向の)の変位を検出し、この検出信号はA/Dコンバータ21を介してコントローラ22に出力される。コントローラ22は、検出信号に基づいて制御電磁石9に与える制御信号を生成し、この制御信号はD/Aコンバータ23でD/A変換され、増幅器24で増幅されて制御電磁石9に入力される。これにより、z方向変位センサ10によるz方向の変位を検出し、z方向の位置が常に一定範囲内にあるようにフィードバック制御を行うしたがって、ロータ2は制御電磁石9の吸引により安定的に浮上し、コントローラ22が制御信号を、駆動モータ8を駆動するモータドライバ25に出力することによりロータ2は回転し、ポリゴンミラー7は図示しない光を偏向走査する。
【0034】
この光偏向走査装置1の設計に際しては、ロータ磁石3とステータ磁石5との間の反発力のz方向における成分を調整するパラメータとして、ステータ磁石5の量を用いている。そして、ロータ磁石3よりもステータ磁石5の量を多くすることによって、z方向の剛性を下げることができることがわかった。z方向の剛性とは、ロータ磁石3とステータ磁石5とによって生じる磁気的反発力のz方向(これは鉛直方向となる。以下、z方向という。)成分、すなわちz方向反発力の変化率δF/δzである(Fはz方向反発力、zはz方向変位量)。この値が小さいということは調整感度が緩くなるということであり、ロータ磁石3、ステータ磁石5の磁力の調節容易性が向上するということである。
【0035】
図3は、光偏向走査装置1におけるロータ磁石3とステータ磁石5の配置を示す図である。2つのロータ磁石3同士は、例えば30mmの間隔を置いて設けている。ロータ磁石3とステータ磁石5の極性N,Sは図に示すとおりである。ステータ磁石5はロータ磁石3よりz方向に厚くした。
【0036】
以上説明した光偏向走査装置1によれば、z方向の剛性を弱める具体的かつ現実的な調整手段がえられた。これにより、回転軸方向の剛性を下げ、磁力の調整感度を緩くすることにより、磁力の調整を容易にすることができる。この調整手段は、ロータ2やステータ4の形状、重量などの条件が予め決定されている状況下でも容易に実施可能で、所望の効果を得ることができる。これにより、軸受、ひいては光偏向走査装置1の小型化を実現でき、レーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に搭載可能である。
【0037】
そして、ロータ2とステータ4は非接触であるため、高速でロータ2を回転させることが可能である。これによって、光書込速度、ひいては印字速度の速いプリンタを実現することができる。あるいは、画質の優れたディスプレイ装置を実現することができる。
【0038】
さらに、ロータ磁石3、ステータ磁石5そのものの磁力を調整することで、同様の効果を奏することも可能ではある。しかしながら、このような手段をとる場合には、着磁を極めて精密に制御する必要があるので、装置の製造コストは必然的に上昇する。また、ロータ磁石3や、ステータ磁石5の保磁力に分布を与えるという手段も考えられるが、この手段もやはり製造コストや調整コストの点で比較すると劣る。磁石そのものの磁気パラメータのみで反発力のバランスを調整する手段は現実性に乏しいものであると思われる。よって、発明の実施の形態1によれば、前記の効果を低製造コストで実現することができる。
【0039】
[発明の実施の形態2]
この発明の別の実施の形態を、発明の実施の形態2として説明する。
【0040】
図6は、この発明の実施の形態2である光偏向走査装置の縦断面図である。図7は、同光偏向走査装置におけるロータ磁石とステータ磁石の配置を示す図である。発明の実施の形態2の光偏向走査装置1で発明の実施の形態1と共通する部材などには、発明の実施の形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0041】
発明の実施の形態2の光偏向走査装置1が、発明の実施の形態1のものと相違するのは、ステータ磁石5の外周部にリング状の磁性体11が被覆されている点である。すなわち、ステータ磁石5には磁性体11を形成し、この磁性体11の形成を、ロータ磁石、ステータ磁石が発生する磁界のz方向の成分を調整するためのパラメータにして反発型磁気浮上軸受を設計する。これにより、発明の実施の形態1の場合と同様に剛性の低下が図られるのみならず、ロータ磁石3とステータ磁石5の間の磁束密度分布が非対称になり、図8に示すように、0点を中心に、z方向の反発力が発生する。磁性体11は、ステータ磁石外周面のz方向上側に被覆することが望ましい。
【0042】
このように、ステータ磁石5をロータ磁石3より大きくし、ステータ磁石5の外周部にリング状の磁性体11を被覆することで、ロータ磁石3とステータ磁石5の間の磁束密度分布が非対称になり、磁力の制御性を高めることができる。この調整手段は、ロータ2やステータ4の形状、重量などの条件が予め決定されている状況下でも容易に実施可能で、所望の効果を得ることができる。これにより、軸受、ひいては光偏向走査装置1の小型化を実現でき、レーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に搭載可能である。
【0043】
そして、ロータ2とステータ4は非接触であるため、高速でロータ2を回転させることが可能である。これによって、光書込速度、ひいては印字速度の速いプリンタを実現することができる。あるいは、画質の優れたディスプレイ装置を実現することができる。
【0044】
しかも、前記の効果を低製造コストで実現することができる。
【0045】
[発明の実施の形態3]
この発明の別の実施の形態を、発明の実施の形態3として説明する。
【0046】
図12は、この発明の実施の形態3である光偏向走査装置の縦断面図である。発明の実施の形態3の光偏向走査装置1で発明の実施の形態1と共通する部材などには、発明の実施の形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0047】
発明の実施の形態3の光偏向走査装置1が、発明の実施の形態1のものと相違するのは、ステータ磁石5を複数、この例では2つに分割し、ステータ磁石片5a,5bとしている点である。すなわち、ステータ磁石5はz方向に複数に分割されたステータ磁石片5a,5bを用い、このステータ磁石片5a,5bの間隔をz方向の成分を調整するためのパラメータにして、反発型磁気浮上軸受を設計する。具体的には、2つのステータ磁石片5a,5bはいずれもz方向に配向磁化し、2つのステータ磁石片5a,5bの対向面は極性が逆になるように配置し、ステータ磁石5をロータ磁石3よりも大きくしたところ、発明の実施の形態1の場合と同様に剛性の低下が図られるのみならず、2つのステータ磁石片5a,5bの間隔を調整して、ロータ2のz方向の剛性を下げ、磁力の調整感度を緩くすることにより、磁力の調整を容易にすることが可能となる(図13参照)。
【0048】
この場合に、図14に示すように、2つのステータ磁石片5a,5bの間に非磁性材料からなるリング状のスペーサ12を挟挿して、両者の間隔を調節することができる。これにより、ロータ2の回転軸方向の剛性を容易に調整することができる、すなわち、磁力のロータ2のz方向における成分の変化率δF/δzを調整することができ、スペーサ12を挟まず、2つのステータ磁石片5a,5b間に間隔がない場合よりもδF/δzは小さくできる。したがって、スペーサ12によって、磁力バランスの調整感度を緩めることができ、磁力バランスの調整精度を高くすることができる。なお、2つのステータ磁石片5a,5bの厚みの合算値は、ロータ磁石3よりも大きく設定している。
【0049】
そして、スペーサ12の厚みを変えることにより、剛性を容易に変化させることができる。スペーサ12が厚すぎると磁力の水平方向(以下、r方向という)成分が横ずれを起こすため、適正な厚みの範囲が存在することがわかる。
【0050】
以上のように、簡易な調整部材であるスペーサ12を用いてロータ2の回転軸方向の剛性を容易に調整可能である。これにより、軸受、ひいては光偏向走査装置1の小型化を実現でき、レーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に搭載可能である。
【0051】
そして、ロータ2とステータ4は非接触であるため、高速でロータ2を回転させることが可能である。これによって、光書込速度、ひいては印字速度の速いプリンタを実現することができる。あるいは、画質の優れたディスプレイ装置を実現することができる。
【0052】
しかも、前記の効果を低製造コストで実現することができる。
【0053】
なお、図17、図18に示すように、発明の実施の形態2で用いた磁性体11を設けるようにしてもよい。
【0054】
【実施例】
[実施例1]
発明の実施の形態1に対応した実施例を説明する。図1を参照して前記した偏向走査装置1において、ロータ磁石3とステータ磁石5について、次のような構成条件AとBの場合で製作して比較したところ、ロータ磁石3よりもステータ磁石5の量を多くすることによって、z方向の剛性を下げることができることが確認できた。
【0055】
構成条件A:ロータ磁石3は内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、ステータ磁石5は内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ8mmのNd−Fe−B材料で構成した。
【0056】
構成条件B:ロータ磁石3は内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、ステータ磁石5は内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ4mmのNd−Fe−B材料で構成した。
【0057】
図4は、実施例1における光偏向走査装置1のロータ磁石3とステータ磁石5の縦断面図である。構成条件Aにおいては、ロータ磁石3とステータ磁石5の大きさはほぼ同一である。構成条件Bでは、ステータ磁石5をロータ磁石3の2倍の厚さで構成した。図中0点位置はz方向位置(=0)を示す。
【0058】
図5は、実施例1における構成条件A,Bそれぞれの場合について、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。構成条件AとBを比較すると、構成条件Aの場合に比べて構成条件Bの場合は、0点においてz方向変位に対するz方向反発力の勾配は緩やかになっていることがわかる。
【0059】
[実施例2]
発明の実施の形態2に対応した実施例を説明する。図6を参照して前記した偏向走査装置1において、構成条件Aと従来構成条件Bの比較において、ロータ磁石3とステータ磁石5について、次のような構成条件AとBの場合で製作して比較したところ、ロータ2、ステータ4間の磁束密度分布が歪み、z方向中心点でz方向の反発力を発生させることができた。なお、磁性体11を被覆しない場合には、このような反発力は得られなかった。
【0060】
構成条件A:ロータ磁石3は内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、ステータ磁石5は内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ8mmのNd−Fe−B材料で構成し、S45C材料で作製したリング状の磁性体11は内径14mmΦ、外径15mmΦ、厚さ4mmとし、ステータ磁石5の外周部の上側4mmの領域に設けた。
【0061】
構成条件B:ロータ磁石3は内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、ステータ磁石5は内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ8mmのNd−Fe−B材料で構成し、磁性体11は設けなかった。
【0062】
図9は構成条件Bの場合におけるロータ磁石3、ステータ磁石5近傍の磁束線を示す概念図であり、図10は構成条件Aの場合におけるロータ磁石3、ステータ磁石5近傍の磁束線を示す概念図である。図9と図10の比較により、磁性体11が被覆されることにより、ロータ磁石3とステータ磁石5の間の磁束線が非対称になり、z方向への反発力が発生することがわかる。
【0063】
図11は、実施例2における構成条件A,Bそれぞれの場合について、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。このグラフからも、磁性体11が被覆されることにより、ロータ磁石3とステータ磁石5の間の磁束線が非対称になり、z方向への反発力が発生することがわかる。
【0064】
[実施例3]
発明の実施の形態3に対応した実施例を説明する。図12を参照して前記した偏向走査装置1において、ロータ磁石3は内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、Nd−Fe−B材料で構成したステータ磁石5は内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ4mmのものを2つ、ステータ磁石片5a,5bとして用いたところ、z方向の剛性を低下できることが確認できた。図15は、この場合のロータ磁石3、ステータ磁石5近傍の磁束線を示す概念図である。2つのステータ磁石片5a,5b間に隙間を設けることにより、ロータ磁石3とステータ磁石5の間における磁束線が変化している様子がわかる。
【0065】
図16は、スペーサ12なしの場合、厚さ0.42mmのスペーサ12を使用した場合、厚さ1.0mmのスペーサ12を使用した場合のそれぞれについて、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。スペーサ12を設けることにより、その厚さの大小で、z方向変位ゼロ近傍のz方向反発力の変化率、すなわち勾配を変化させることができることがわかる。
【0066】
そして、1.0mmのスペーサ12を使用すると剛性(δF/δz)は負となる。この場合、z方向に対しては復元力(+z方向変位に対し、負の力が生じる)が働くため、z方向に対しては自発的(受動的)に安定である。しかしながら、このとき、水平(r)方向に対しては,アーンショウの定理により横ずれ力が働くことが自明である。
【0067】
アーンショウの定理とは、「静電場に電荷があるとき,どのように工夫しても静電力によって安定に浮上することはできない」というもので、これを静電界と静磁界の双対性を考えると、「静磁界(磁石の配置)をどのように工夫しても、静磁力だけで安定に浮上することはできない」と言える。
【0068】
また、ヨネーの剛性定理とは「各座標軸方向の剛性の和はゼロである」なるもので、ある座標系(x,y,z)において、各座標軸方向の剛性をKx,Ky,Kzとすると、
Kx+Ky+Kz=0
が成り立つ。
【0069】
前記の場合、z方向の剛性が負であれば、自ずと他の座標軸の剛性は正となり、横ずれ力を発生することがわかる。
【0070】
[実施例4]
前記実施例3で、磁性体11を設けた場合の例である。すなわち、ロータ磁石3は、内径2mmΦ、外径6mmΦ、厚さ3mmのNd−Fe−B材料で構成し、2つのステータ磁石片5a,5bは、内径9mmΦ、外径14mmΦ、厚さ4mmのNd−Fe−B材料で構成し、S45C材料で作製した磁性体11は、内径14mmΦ、外径15mmΦ、厚さ4mmとし、ステータ磁石5の外周部の上側4mmの領域に装置した。また、2つのステータ磁石片5a,5bの間に、内径9mmΦ、外径20mmΦ、厚さ0.28mmのスペーサ12を設けた。図19は、この場合に、磁性体11を形成した場合と、しなかった場合のそれぞれについて、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。図19に示すように、磁性体11を形成した場合は、1.2Nのz方向反発力が得られた。また、z方向変位のゼロ点の近傍でz方向反発力の変化率、すなわち勾配を緩やかにできると同時に、z方向変位のゼロ点の近傍でz方向反発力を発生できることがわかる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、この磁性体の形成を、ロータ磁石、ステータ磁石が発生する磁界のz方向の成分を調整するためのパラメータとして反発型磁気浮上軸受を設計することができて、回転軸方向の剛性を下げることができ、ロータ磁石とステータ磁石の間の磁束密度分布が非対称になり、磁力の制御性を高めることができるので、軸受を容易に小型化することができる。
【0072】
また、請求項1に記載の発明は、ロータ磁石、ステータ磁石が発生する磁界のz方向の成分を調整するためのパラメータとして反発型磁気浮上軸受を設計することができて、回転軸方向の剛性を下げ、ロータ磁石とステータ磁石の間の磁束密度分布が非対称になり、磁力の制御性を高めることができるので、軸受を容易に小型化することができる。
【0073】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の反発型磁気浮上軸受において、回転軸方向の剛性を下げ、磁力の調整感度を緩くすることにより、磁力の調整を容易にすることができるので、軸受を容易に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1である光偏向走査装置の縦断面図である。
【図2】前記光偏向走査装置の制御系のブロック図である。
【図3】前記光偏向走査装置におけるロータ磁石とステータ磁石の配置を示す図である。
【図4】実施例1における光偏向走査装置のロータ磁石とステータ磁石の縦断面図である。
【図5】実施例1における構成条件A,Bそれぞれの場合について、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の実施の形態2である光偏向走査装置の縦断面図である。
【図7】前記光偏向走査装置におけるロータ磁石とステータ磁石の配置を示す図である。
【図8】前記光偏向走査装置におけるロータ磁石とステータ磁石の配置を示す図である。
【図9】実施例2における構成条件Bの場合におけるロータ磁石、ステータ磁石近傍の磁束線を示す概念図である。
【図10】実施例2における構成条件Aの場合のロータ磁石、ステータ磁石近傍の磁束線を示す概念図である。
【図11】実施例2における構成条件A,Bそれぞれの場合について、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。
【図12】この発明の実施の形態3である光偏向走査装置の縦断面図である。
【図13】前記光偏向走査装置におけるロータ磁石とステータ磁石の配置を示す図である。
【図14】前記光偏向走査装置におけるロータ磁石、ステータ磁石およびスペーサの配置を示す図である。
【図15】実施例2におけるロータ磁石、ステータ磁石近傍の磁束線を示す概念図である。
【図16】実施例3におけるz方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。
【図17】前記発明の実施の形態3の光偏向走査装置に磁性体を形成した場合の縦断面図である。
【図18】前記光偏向走査装置において、ロータ磁石、ステータ磁石、スペーサおよび磁性体の配置を示す縦断面図である。
【図19】実施例4における磁性体を形成した場合と、しなかった場合のそれぞれについて、z方向の変位と反発力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光偏向走査装置
2 ロータ
3 ロータ磁石
4 ステータ
5 ステータ磁石

Claims (3)

  1. 回転軸方向を鉛直方向とするロータに永久磁石からなるロータ磁石を設け、ステータに前記ロータ磁石と対向して反発する永久磁石からなるステータ磁石を設けていて、磁気的に前記ロータを前記ステータに対して浮上させて前記ロータの回転軸を軸受する反発型磁気浮上軸受において、
    前記ステータ磁石は、外周部に磁性体が被覆されていて、
    前記ステータ磁石の量は前記ロータ磁石より多く、
    前記磁性体は、前記ステータ磁石の鉛直方向上側に被覆されていることを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  2. 前記ステータ磁石は、鉛直方向の対向面の極性が逆になるように配置された複数のステータ磁石片からなることを特徴とする請求項1記載の反発型磁気浮上軸受。
  3. 求項1又は2記載の反発型磁気浮上軸受と、
    前記ロータを回転する駆動源と、
    前記ロータの回転によって回転し光を偏向走査するポリゴンミラーと、を備えていることを特徴とする光偏向走査装置
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