JP4276804B2 - 反発型磁気浮上軸受及び光偏向走査装置 - Google Patents

反発型磁気浮上軸受及び光偏向走査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反発型磁気浮上軸受及びその反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームを一方向に偏向走査して感光体上に潜像を形成するレーザプリンタや、偏向方向が直交する2つの光偏向走査装置を組み合わせてスクリーン上でレーザビームを走査して画像を形成するレーザ走査型ディスプレイ装置が知られている。これらの装置においては、レーザビームの偏向走査手段として、ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置が広く利用されている。
【0003】
ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置の回転駆動機構としては、例えば、動圧軸受がある。この動圧軸受では、回転速度30000rpmレベルのものが実用化されており、50000rpmレベルの報告例もある。
【0004】
しかし、動圧軸受の場合、回転速度の上昇に伴い熱が発生するという構造特性上の課題がある。
【0005】
これに対し、より高速の回転速度が得られる軸受としては、磁気浮上軸受が注目されている。磁気浮上軸受は、ロータとステータとが非接触であるため、接触による摩擦熱が発生しないという特徴があり、高速回転に適した方式と考えられる。製品としては、回転を安定化させるために、6自由度のうち、回転を除く5軸の全てを能動的に制御する方式を採用したものが実用化されており、70000rpmを超える回転速度が得られ、工作機械などのように多少コストが高くても市場ニーズのある用途に利用されている。
【0006】
しかし、5軸能動制御型磁気浮上軸受は、磁力制御機構が複雑であり、コストも高く、装置の小型化にも課題が多い。このため、5軸能動制御型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラーを用いた光偏向走査装置の軸受として採用することは原理的には可能であるが、装置のコストや大きさの点から課題がある。
【0007】
これに対し、別なる軸受として、永久磁石による1軸制御型反発型磁気浮上軸受(以下、反発型磁気浮上軸受という)が提案されている。反発型磁気浮上軸受は、複数の永久磁石を対向させることで生じる反発力を利用して受動的にバランス制御を行う軸受であって、上述した5軸能動制御型磁気浮上軸受に比べると、機構制御に要する装置構成は極めて簡素である。
【0008】
このような反発型磁気浮上軸受によれば、回転を除く5軸のうちの1軸のみを能動的に制御し、他の4軸においては永久磁石間の反発力によって受動的に磁力バランスをとることができ、ロータを安定して回転させることができる。
【0009】
ここで、反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置の一例を図18に基づいて説明する。
【0010】
反発型磁気浮上軸受は、上下方向の軸心周りに回転自在なロータ100と、位置固定に設けられたステータ101とを主要な構成とし、ロータ100には上下1対のロータ用永久磁石102a、102bが固定されている。ステータ101には、ロータ用永久磁石102a、102bに対向して反発するステータ用永久磁石103a、103bが固定されている。ロータ100は、対向して配置されたロータ用永久磁石102a、102bとステータ用永久磁石103a、103bとの磁気反発力により浮上している。
【0011】
光偏向走査装置は、このような反発型磁気浮上軸受に対し、ロータ100を回転させる駆動部として永久磁石と電磁石とを有する回転用駆動モータ104と、ロータ100と同軸上に配置されてロータ100と一体に回転するポリゴンミラー105とを取付けることにより構成されている。
【0012】
図18に示した反発型磁気浮上軸受は、軸長(ロータの回転中心軸方向の寸法)が大きく、70〜80cmある。このため、このような反発型磁気浮上軸受をレーザビームプリンタやレーザ走査型ディスプレイ装置に適用するためには、従来例に比べて軸長を小さくしたコンパクトな構成としなければならない。
【0013】
反発型磁気浮上軸受を軸長を小さくして小型化するためには、次のような課題が発生する。
【0014】
まず、反発型磁気浮上軸受におけるロータ磁石とステータ磁石との間の磁気反発力は、ロータの回転中心軸方向の反発力(Z方向反発力)とロータの回転中心軸方向と直交する方向の反発力(r方向反発力)とに分けられる。
【0015】
Z方向反発力はロータの自重とバランスさせる必要があり、反発型磁気浮上軸受の小型化によりロータが軽量化されれば、それに伴ってZ方向反発力も弱めなければならない。しかし、Z方向反発力を弱めると、それに伴ってr方向反発力も弱くなり、r方向反発力が弱くなることによりロータとステータとが接触しやすくなるという不都合が生じやすくなる。
【0016】
また、磁力バランス調整の容易性の観点から、以下のことが言える。ある調整パラメータを考えた場合、そのパラメータ値の変化量に対する反発力の変化量が大きいと、調整が困難になる。言い換えると、調整感度の緩いパラメータを見つけることによって、磁力バランス調整(Z方向反発力、r方向反発力の調整)が容易になる。磁力バランスを調整する調整パラメータは多数存在するが、その中でも、ロータの重量、径、軸長などは重要な調整パラメータである。
【0017】
しかし、上記の反発型磁気浮上軸受を、ポリゴンミラーを備えた光偏向走査装置等に適用する場合、適用される装置のスペックによって、ロータに求められる形状、サイズ、重量が予め規定されてしまう。このため、予め規定された条件のなかで、磁力のバランス調整を可能にする現実的な手段が必要となる。
【0018】
そこで本出願の出願人は、反発型磁気浮上軸受の小型化及びその反発型磁気浮上軸受を用いた小型の光偏向走査装置を実現するうえで、ロータの条件パラメータが予め決められた状態においても、ロータ用永久磁石とステータ用永久磁石との間で生じる磁気反発力と剛性とを容易に調整可能な構造、あるいは、調整方法について検討し、その結果を、特願2000-273044において提案している。この特許出願によれば、ステータ用永久磁石をロータ用永久磁石より大きく形成し、ステータ用永久磁石の大きさをロータの回転中心軸方向(Z方向)に作用する反発力を調整するパラメータとして用いることにより、反発型磁気浮上軸受の小型化、この反発型磁気浮上軸受を備えた光偏向走査装置の小型化を図ることができることを明らかにしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、反発型磁気浮上軸受の回転停止状態におけるロータの浮上安定性を維持するためには、ロータの重心位置が低いことが望ましい。特に、反発型磁気浮上軸受を小型化することによりロータが軽量になった場合には、それが顕著になる。
【0020】
一方、ロータの重心位置が下側に位置していると、ロータの回転時にロータが傾く現象、所謂、軸ブレが発生しやすい。
【0021】
本発明の目的は、回転停止時におけるロータの浮上安定性を高めることができるとともに、回転時における軸ブレを防止して回転安定性を高めることができる反発型磁気浮上軸受を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
発明は、1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に対向して反発するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、格納室とこの格納室に格納されて前記ロータの回転数上昇に伴う遠心力上昇により少なくともZ方向上方へ移動する、非磁性材の流動性質量体とを備えた重心移動機構が前記ロータに設けられていることを特徴とする。
【0023】
したがって、この反発型磁気浮上軸受によれば、ロータの回転停止時には流動性質量体が自重により格納室内をZ方向下方へ移動し、ロータの重心位置が下がり、回転停止時におけるロータの浮上安定性が高くなる。一方、ロータの回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により流動性質量体が格納室内をZ方向上方へ移動し、ロータの重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータの回転安定性が高くなる。さらに、流動性質量体の移動はロータの回転に伴う遠心力を利用して自動的に行われるため、流動性質量体を移動制御するための機構は不要であり、重心移動機構の構成が極めて簡単なものとなる。また、非磁性材である流動性質量体は、反発型磁気浮上軸受内の磁場に対して影響を与えることがなく、この流動性質量体がZ方向上方又はZ方向下方へ移動した場合であっても反発型磁気浮上軸受内の磁気的なバランス特性が一定に維持される。
【0024】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体は、Z方向上方へ連続的に移動することができる。
【0025】
ロータの回転数の上昇に伴ってロータの重心位置が次第にZ方向上方へ移動するが、その移動が連続的に行われるので重心位置の移動も連続的に行われることになり、ロータが重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性を維持できる。
【0026】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記重心移動機構は、前記ロータに内装されていることができる
【0027】
したがって、ロータへポリゴンミラーを取付ける場合において、その取付けはロータにおけるZ方向略中央部に行うことが好ましく、そのような位置へのポリゴンミラーの取付けを行った場合であっても、取付けられたポリゴンミラーに干渉することなく流動性質量体をZ方向略中央部まで移動させることができる。
【0028】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室はr方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する格納室外側壁面とZ軸の近くに位置する格納室内側壁面とを有し、前記流動性質量体は前記格納室に格納されたときにr方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する流動性質量体外側壁面とZ軸の近くに位置する流動性質量体内側壁面とを有し、前記格納室外側壁面と前記流動性質量体外側壁面とがZ軸に対する同じ傾斜角を有するとともにこれらの格納室外側壁面と流動性質量体外側壁面とはZ方向上方側に向かうにつれてZ軸から離れる向きに傾斜していることができる。
【0029】
したがって、ロータの回転に伴って流動性質量体に遠心力が作用したとき、流動性質量体外側壁面を格納室外側壁面に押圧させた状態で流動性質量体をZ方向上方へ自動的に移動させることができる。また、ロータの回転数が下がった場合には、流動性質量体外側壁面を格納室外側壁面に押圧させた状態を維持しつつ流動性質量体をZ方向下方側へ移動させることができる。
【0030】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室内側壁面と前記流動性質量体内側壁面とが前記格納室外側壁面及び前記流動性質量体外側壁面と同じ傾斜角に形成されて、前記格納室のr方向の断面積形状と前記格納室に格納された状態の前記流動性質量体のr方向断面積形状とが略同じに形成されていることができる。
【0031】
したがって、流動性質量体が格納室内をZ方向上方側又はZ方向下方側へ移動するとき、流動性質量体外側壁面が格納室外側壁面に押圧されるとともに、流動性質量体内側壁面が格納室内側壁面に略面接触する状態となるので、流動性質量体は格納室内をガタつくことなく移動することになり、ロータが重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性を維持できる。
【0032】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室の1つの壁面である格納室底面と、前記流動性質量体が前記格納室に格納されたときに前記格納室底面に対向する前記流動性質量体の一つの壁面である流動性質量体底面とが略一致する形状に形成され、前記Z軸に対する前記流動性質量体内側壁面の傾斜角が前記Z軸に対する前記格納室内側壁面の傾斜角より大きく形成されていることができる。
【0033】
したがって、流動性質量体が格納室内をZ方向上方側又はZ方向下方側へ移動するとき、流動性質量体外側壁面が格納室外側壁面に押圧されるとともに流動性質量体内側壁面と格納室内側壁面との間には隙間ができ、流動性質量体の移動に伴う格納室内の気体の移動がこの隙間を通して行われるので、格納室内に存在する気体が移動する流動性質量体に圧縮されてその移動を妨げるということが発生せず、格納室内での流動性質量体の移動がスムーズに行われる。また、ロータの回転停止時に流動性質量体がZ方向最下方位置まで移動したときには、流動性質量体底面と格納室底面とが嵌り合う状態となるので、ロータの回転停止時における流動性質量体の位置を常に一定に維持することができ、回転停止時におけるロータの浮上安定性が維持される。
【0034】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体を格納した前記格納室がθ方向に沿って複数設けられていることができる。
【0035】
したがって、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0036】
発明は、1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、格納室とこの格納室に格納された流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されていることを特徴とすることができる
【0037】
ここで、流動性質量体としては液体、特に不揮発性液体が好適であり、あるいは、粉体であってもよい。粉体の場合には、粒子間の凝集が起こりにくい程度の粒径を有する粒状体が好ましい。
【0038】
したがって、この反発型磁気浮上軸受によれば、ロータの回転停止時においては流動性質量体が自重により格納室内をZ方向下方へ移動し、ロータの重心位置が下がり、回転停止時におけるロータの浮上安定性が高くなる。また、ロータの回転時には、その回転に伴って発生する遠心力が流動性質量体に作用して流動性質量体が格納室外側壁面に押し付けられ、その反力の上方向き成分により流動性質量体が格納室の格納室外側壁面に沿ってZ方向上方へ移動し、ロータの重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータの回転安定性が高くなる。さらに、流動性質量体の移動はロータの回転に伴う遠心力を利用して自動的に行われるため、流動性質量体を移動制御するための機構は不要であり、重心移動機構の構成が極めて簡単なものとなる。
【0039】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体は非磁性材であることを特徴とする。
【0040】
したがって、非磁性材である流動性質量体は、反発型磁気浮上軸受内の磁場に対して影響を与えることがなく、この流動性質量体がZ方向上方又はZ方向下方へ移動した場合であっても反発型磁気浮上軸受内の磁気的なバランス特性が一定に維持される。
【0041】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記重心移動機構は、前記ロータに内装されていることを特徴とする。
【0042】
したがって、ロータへポリゴンミラーを取付ける場合において、その取付けはロータにおけるZ方向略中央部に行うことが好ましく、そのような位置へのポリゴンミラーの取付けを行った場合であっても、取付けられたポリゴンミラーに干渉することなく流動性質量体をZ方向略中央部まで移動させることができる。
【0043】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向上方側がZ方向下方側より小さく設定されていることを特徴とする。
【0044】
したがって、ロータの回転数が上昇するにつれて流動性質量体に作用する遠心力が大きくなり、流動性質量体は格納室外周壁面に沿ってZ方向上方側へ移動するが、格納室外側壁面がZ軸となす角度はZ方向上方側では小さいので、ロータの回転が高速になって流動性質量体がZ方向上方へ移動するにつれて格納室外側壁面に押し付けられた流動性質量体が格納室外側壁面から受ける反力の上方向き成分の上昇が抑えられ、ロータの高速回転時における流動性質量体のZ方向上方への移動量を抑えることができるとともにロータの重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、ロータの重心位置の移動速度を低速回転時及び高速回転時のいずれの場合にも略均一となるように制御することができ、ロータの回転の安定性を維持することができる。
【0045】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面における少なくともZ軸に対する角度が変化する領域はZ方向に沿った曲面に形成されていることを特徴とする。
【0046】
したがって、流動性質量体のZ方向への移動、即ち、ロータの重心位置の上下方向への移動を急激な変化点を生じさせることなく滑らかに連続的に行わせることができ、ロータの回転の安定性を維持することができる。
【0047】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体を格納した前記格納室がθ方向に沿って複数設けられていることを特徴とする。
【0048】
したがって、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0049】
本発明は、1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、格納室とこの格納室に格納された流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されていることを特徴とすることができる。そして、反発型磁気浮上軸受において、前記格納室がZ方向に積層されていることを特徴とすることができる
【0050】
したがって、各層の格納室ごとに格納室外側壁面がZ軸となす角度を変えることができ、各層の格納室ごとに格納室外側壁面がZ軸となす角度を変えることにより、請求項11又は12の発明のように一つの格納室において格納室外側壁面のZ軸となす角度を変えた場合と実質的に同じにすることができ、各格納室における格納室外側壁面の形状が単純になるため、格納室外側壁面の加工が容易になる。
【0051】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向下方側に位置する層の前記格納室に比べてZ方向上方側に位置する層の前記格納室が小さく形成されていることを特徴とする。
【0052】
したがって、ロータの回転数が低速の時には各層の格納室内の流動性質量体がZ方向上方へ移動するが、格納室外側壁面がZ軸となす角度が大きいZ方向下方側の格納室ではその移動速度が速く、格納室外側壁面がZ軸となす角度が小さいZ方向上方側の格納室ではその移動速度が遅い。ロータの回転数が所定回転数まで上昇してZ方向下方側の格納室内の流動性質量体が最上方位置まで上昇した後は、ロータの回転数がさらに上昇してもZ方向上方側の格納室内の流動性質量体のみが引き続き上方へゆっくりと移動することになる。このため、ロータの高速回転時におけるロータの重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、高速回転時のロータの回転の安定性を維持することができる。さらに、各格納室における格納室外側壁面の形状が単純になるため、格納室外側壁面の加工が容易になる。
【0053】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、θ方向に沿って複数設けられた前記格納室の位置が、上下で隣接する各層ごとにθ方向にずらして形成されている。
【0054】
したがって、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0055】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、各層の前記格納室における前記流動性質量体の格納量は、Z方向両端側の層の前記格納室がZ方向中央側の層の前記格納室に比べて少ないことを特徴とする。
【0056】
したがって、Z方向上方側の層の格納室内の流動性質量体の量を少なくすることにより、ロータの回転が高速領域にあるときにおいて回転数変化に対する重心の移動速度を抑えることができる。また、Z方向下方側の層の格納室内の流動性質量体の量を少なくすることにより、ロータの回転開始初期における急峻な重心移動を防止することができる。
【0057】
本発明は、前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室には、前記流動性質量体を充填・排出するための穴が形成されていることを特徴とする。
【0058】
したがって、格納室へ流動性質量体を補充したり抜き取ったりすることによる修理作業を容易に行える。特に、格納室がθ方向に複数設けられている場合には、各格納室内の流動性質量体の調整のために有効である。
【0059】
発明の光偏向走査装置は、前記反発型磁気浮上軸受と、前記ロータを回転させる駆動部と、前記ロータの外周部に設けられてこのロータと一体に回転して光を偏向走査するポリゴンミラーと、を有する。
【0060】
したがって、この光偏向走査装置によれば、前記反発型磁気浮上軸受を用いた場合において、それらの各反発型磁気浮上軸受が有する作用・効果を奏する。
【0061】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。図1は反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置におけるロータの回転停止時の状態を示す縦断正面図、図2はその一部を拡大して示す縦断正面図、図3は格納室と流動性質量体を含む可動質量体とを示す斜視図、図4は格納室のθ方向の配置状態を示す水平断面図、図5は光偏向装置装置におけるロータの回転時の状態を示す縦断正面図、図6は光偏向走査装置の制御系を示すブロック図である。
【0062】
この光偏向走査装置に用いられている反発型磁気浮上軸受1はアウターロータタイプといわれるもので、上下方向の軸心周りに回転自在な円筒形状のロータ2と、このロータ2の内側に配置されたステータ3とを主要な構成とし、ステータ3の上部は支持体上板4に固定されている。
【0063】
ロータ2には、上下1対のリング状のロータ用永久磁石5a、5bが固定され、これらのロータ用永久磁石5a、5bと対向して反発する上下1対のリング状のステータ用永久磁石6a、6bがステータ3に固定されている。ロータ2は、ロータ用永久磁石5a、5bとステータ用永久磁石6a、6bとの磁気反発力により浮上しており、ロータ用永久磁石5a、5bとステータ用永久磁石6a、6bとはともに上下方向に着磁されている。
【0064】
ここで、以下の説明では、ロータ2の回転中心軸をZ軸、ロータ2の回転中心軸方向をZ方向、ロータ2の回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、ロータ2が回転する円周周り方向をθ方向として説明する。
【0065】
ロータ2の底面部は円錐形状に形成され、この底面部と対向する位置にロータ浮上用電磁石7が対向配置されている。ロータ2の底面部とロータ浮上用電磁石7との間のギャップ量は変位センサ8(図6参照)により検知されている。なお、このロータ2の底面部の形状に関しては、円錐形状に代えて、R面形状としてもよい。
【0066】
ロータ2には、このロータ2の重心位置をZ方向へ移動させる重心移動機構9が内装されている。この重心移動機構9は、格納室10と、格納室10内に格納された可動質量体11とから構成され、上下のロータ用永久磁石5a、5bの間に配置されている。
【0067】
格納室10は、図2及び図3に拡大して示すように、直方体を傾斜させた形状に形成されており、r方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する格納室外側壁面12aとZ軸の近くに位置する格納室内側壁面12bとを有している。これらの格納室外側壁面12aと格納室内側壁面12bとはZ軸に対して同じ傾斜角aをもって形成されており、かつ、その傾斜方向は、Z方向上方(+Z方向)に向かうにつれてZ軸から離れる向きとなっている。
【0068】
さらに、格納室10は図4に示すように、θ方向に沿って等間隔で複数形成され、各格納室10内に可動質量体11が格納されている。
【0069】
可動質量体11は、図2及び図3に拡大して示すように、直方体を傾斜させた形状に形成されており、この可動質量体11が格納室10に格納されたときにr方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する可動質量体外側壁面13aとZ軸の近くに位置する可動質量体内側壁面13bとを有している。これらの可動質量体外側壁面13aと可動質量体内側壁面13bとは、可動質量体11が格納室10に格納された状態において、Z軸に対して同じ傾斜角aをもつように形成されている。なお、格納室10のr方向の断面積形状と、格納室10に格納された状態の可動質量体11のr方向の断面積形状とが略同じに形成されている。
【0070】
光偏向走査装置は、上述した反発型磁気浮上軸受1に対し、ロータ2を回転させる駆動部としての永久磁石と電磁石とを有する回転用電磁モータ14(図6参照)と、ポリゴンミラー15とを設けることにより構成されている。回転用電磁モータ14は、ロータ2のZ方向の略中央部に形成されたモータ格納部16に格納され、ポリゴンミラー15はこのモータ格納部16の外周部に形成されている。
【0071】
図6は、光偏向走査装置の制御系のブロック図である。変位センサ8によりロータ2の浮上位置(Z方向位置)が検出されると、この検出信号はA/Dコンバータ17を介してコントローラ18に出力される。コントローラ18では、検出信号に基づいてロータ浮上用電磁石7に与える制御信号が生成され、この制御信号はD/Aコンバータ17aでD/A変換され、増幅器19で増幅されてロータ浮上用電磁石7に入力される。これにより、変位センサ8によるロータ2の浮上位置の変位が検出され、浮上位置が常に一定範囲内となるようにフィードバック制御が行われる。したがって、ロータ2はロータ浮上用電磁石7の吸引により安定的に浮上し、さらに、回転用電磁モータ14を駆動する制御信号がコントローラ18からモータドライバ20に出力されることによりロータ2が回転し、ポリゴンミラー15は図示しない光を偏向走査する。
【0072】
このような構成において、この反発型磁気浮上軸受1によれば、ロータ2の回転停止時においては可動質量体11が自重により格納室10内をZ方向下方(−Z方向)へ移動しており、ロータ2の重心位置が下がっている。このため、回転停止時におけるロータ2の浮上安定性を高くすることができる。
【0073】
ロータ2の回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により可動質量体11がr方向外方へ付勢され、可動質量体11の可動質量体外側壁面13aが格納室10の格納室外側壁面12aに押し付けられ、その反力の上方向き成分により可動質量体11が格納室10の格納室外側壁面12aに沿ってZ方向上方へ移動する。可動質量体11のこの移動によりロータ2の重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータ2の回転安定性が高くなる。
【0074】
なお、この重心移動機構9は、ロータ2の回転に伴う遠心力を利用して可動質量体11を移動させる構造であるので、可動質量体11を移動制御するための機構は不要であり、重心移動機構9の構成が極めて簡単なものとなる。
【0075】
さらに、可動質量体11のZ方向上方への移動はロータ2の回転数の上昇に伴って連続的に行われるので、ロータ2の重心位置の移動も連続的に行われることになり、ロータ2が重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性が維持される。
【0076】
また、ロータ2へポリゴンミラー15を取付ける場合において、その取付けはロータ2におけるZ方向略中央部に行うことが好ましく、そのような位置へのポリゴンミラー15の取付けを行った場合であっても、重心移動機構9をロータ2に内装することにより、可動質量体11をポリゴンミラー15に干渉させることなくZ方向略中央部まで移動させることができる。
【0077】
また、格納室10とこの格納室10に格納された状態の可動質量体11とは、r方向の断面積形状が略同じであり、かつ、格納室外側壁面12a、可動質量体外側壁面13a、格納室内側壁面12b、可動質量体内側壁面13bがそれぞれZ軸に対する傾斜角が同じに形成されている。このため、遠心力の作用を受けた可動質量体11が格納室10内を移動するとき、可動質量体外側壁面13aが格納室外側壁面12aに押圧されるとともに、可動質量体内側壁面13bが格納室内側壁面12bに略面接触する状態となるので、可動質量体11は格納室10内でガタつくことなくスムーズに移動することになり、ロータ2が重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性が維持される。
【0078】
さらに、図4に示すように、格納室10がθ方向に沿って等間隔で複数形成され、各格納室10内に可動質量体11が格納されているので、可動質量体11をθ方向に沿って均等に分散させることができ、ロータ2の重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0079】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図7に基づいて説明する。なお、先行して説明した他の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同じ)。
【0080】
本実施の形態は、格納室21の形状を変えたものであり、他の構成については第1の実施の形態と同じである。
【0081】
格納室21は、r方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する格納室外側壁面12aとZ軸の近くに位置する格納室内側壁面12cとを有している。格納室外側壁面12aはZ軸に対して傾斜角aに形成され、格納室内側壁面12cはZ軸に対して傾斜角A(A<a)に形成されている。その傾斜方向は、ともに、Z方向上方側に向かうにつれてZ軸から離れる向きとなっている。
【0082】
格納室21に格納される可動質量体11は、第1の実施の形態で説明したものと同じであり、可動質量体外側壁面13aと可動質量体内側壁面13bとは、可動質量体11が格納室21に格納された状態において、Z軸に対して同じ傾斜角aをもつように形成されている。
【0083】
格納室21における1つの壁面である格納室底面22と、可動質量体11が格納室21に格納されたときに格納室底面22に対向する可動質量体11の一つの壁面である可動質量体底面23とが略一致する形状に形成されている。
【0084】
このような構成において、ロータ2の回転に伴って可動質量体11が格納室21内をZ方向上方側又はZ方向下方側へ移動するとき、可動質量体外側壁面13aが格納室外側壁面12aに押圧されるとともに可動質量体内側壁面13bと格納室内側壁面12cとの間には隙間ができ、可動質量体11の移動に伴う格納室21内の気体の移動がこの隙間を通して行われる。これにより、格納室21内に存在する気体が移動する可動質量体11に圧縮されてその移動を妨げるということが発生せず、格納室21内での可動質量体11の移動がスムーズに行われる。
【0085】
また、ロータ2の回転停止時に可動質量体11がZ方向最下方位置まで移動したときには、略一致する形状に形成されている可動質量体底面23と格納室底面22とが嵌り合う状態となる。このため、ロータ2の回転停止時における可動質量体11の位置を常に一定に維持することができ、回転停止時におけるロータ2の浮上安定性が維持される。
【0086】
つぎに、本発明の第3の実施の形態を図8に基づいて説明する。本実施の形態の光偏向走査装置に用いられている反発型磁気浮上軸受31はインナーロータタイプといわれるもので、上下方向の軸心周りに回転自在な円柱形状のロータ32と、このロータ32の外周側に配置されて上下に2分割された円筒形状のステータ33とを主要な構成とし、ステータ33の上部側は支持体上板34に固定され、ステータ33の下部側は底板35に固定されている。
【0087】
ロータ32には上下1対のリング状のロータ用永久磁石36a、36bが固定され、これらのロータ用永久磁石36a、36bと対向して反発する上下1対のリング状のステータ用永久磁石37a、37bがステータ33に固定されている。ロータ32は、ロータ用永久磁石36a、36bとステータ用永久磁石37a、37bとの磁気反発力により浮上している。
【0088】
ロータ32の底面部は円錐形状に形成され、この底面部と対向する位置にロータ浮上用電磁石7が対向配置されている。
【0089】
ロータ32には、このロータ32の重心位置をZ方向へ移動させる重心移動機構9が内装されている。この重心移動機構9は、第1の実施の形態で説明したものと同じように、θ方向に等間隔で複数形成された格納室10と、各格納室10内に格納された可動質量体11とから構成され、上下のロータ用永久磁石36a、36bの間に配置されている。
【0090】
光偏向走査装置は、上述した反発型磁気浮上軸受31に対し、ロータ32を回転させる駆動部としての永久磁石と電磁石とを有する回転用電磁モータ14と、ポリゴンミラー15とを設けることにより構成されている。
【0091】
このような構成において、本実施の形態の反発型磁気浮上軸受31によれば、第1の実施の形態と同じように、ロータ32の回転停止時には可動質量体11が自重により格納室10内をZ方向下方へ移動しており、ロータ32の重心位置が下がっている。このため、回転停止時におけるロータ32の浮上安定性を高くすることができる。
【0092】
ロータ32の回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により可動質量体11が格納室10内をZ方向上方へ移動するので、ロータ32の重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータ32の回転安定性が高くなる。
【0093】
つぎに、本発明の第4の実施の形態を図9及び図10に基づいて説明する。図9は反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図、図10は格納室のθ方向の配置状態を示す水平断面図である。
【0094】
この光偏向走査装置に用いられている反発型磁気浮上軸受41の基本的構造は第1の実施の形態で説明した反発型磁気浮上軸受1と同じアウターロータタイプといわれるものであり、上下方向の軸心周りに回転自在な円筒形状のロータ42と、このロータ42の内側に配置されたステータ43とを主要な構成とし、ステータ43の上部は支持体上板4に固定されている。
【0095】
ロータ42には、上下1対のリング状のロータ用永久磁石5a、5bが固定され、これらのロータ用永久磁石5a、5bと対向して反発する上下1対のリング状のステータ用永久磁石6a、6bがステータ3に固定されている。ロータ42は、ロータ用永久磁石5a、5bとステータ用永久磁石6a、6bとの磁気反発力により浮上している。ロータ42の底面部は円錐形状に形成され、この底面部と対向する位置にロータ浮上用電磁石7が対向配置されている。
【0096】
ロータ42には、このロータ42の重心位置をZ方向へ移動させる重心移動機構44が内装されている。この重心移動機構44は、格納室45と、格納室45内に格納された流動性質量体46とから構成されている。
【0097】
格納室45は、Z方向に長い筒状に形成されており、図10に示すように複数の格納室45がθ方向に沿って等間隔で形成されている。
【0098】
格納室45はr方向ベクトルと交わる2つの壁面を有しており、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面47は、Z軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように傾斜させて形成されている。また、各格納室45には、各格納室45に対して流動性質量体46の充填・排出を行うための穴(図示せず)が形成され、それぞれの穴には開閉自在な栓が取付けられている。
【0099】
また、格納室45の底面には、格納室45内に注入された流動性質量体46を格納室45内で均等に拡散させるための親水処理が施されている。さらに、格納室45における底面以外の壁面には、撥水処理が施されている。
【0100】
流動性質量体46としては、主に液体、特に不揮発性の液体が好ましい。さらに、流動性質量体46としては非磁性材のものが使用されている。
【0101】
光偏向走査装置は、上述した反発型磁気浮上軸受41に対し、ロータ42を回転させる駆動部としての永久磁石と電磁石とを有する回転用電磁モータ14(図6参照)と、ポリゴンミラー15とを設けることにより構成されている。回転用電磁モータ14は、モータ格納部16に格納されている。
【0102】
このような構成において、この反発型磁気浮上軸受41によれば、ロータ42の回転停止時においては流動性質量体46が自重により格納室45内をZ方向下方へ移動しており、ロータ2の重心位置が下がっている。このため、回転停止時におけるロータ42の浮上安定性を高くすることができる。
【0103】
ロータ42の回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により流動性質量体46がr方向外方へ付勢され、流動性質量体46が格納室45の格納室外側壁面47に押し付けられ、その反力の上方向き成分により流動性質量体46が格納室外側壁面47に沿ってZ方向上方へ移動する。この流動性質量体46の移動によりロータ42の重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータ42の回転安定性が高くなる。
【0104】
なお、この重心移動機構44は、ロータ42の回転に伴う遠心力を利用して流動性質量体46を移動させる構造であるので、流動性質量体46を移動制御するための機構は不要であり、重心移動機構44の構成が極めて簡単なものとなる。
【0105】
また、流動性質量体46が非磁性材であるため、この流動性質量体46は反発型磁気浮上軸受41内の磁場に対して影響を与えることがなく、この流動性質量体46がZ方向上方又はZ方向下方へ移動した場合であっても反発型磁気浮上軸受41内の磁気的なバランス特性を一定に維持することができる。
【0106】
また、格納室45をθ方向に沿って等間隔に形成したため、流動性質量体46をθ方向に沿って均等に分散させることができ、ロータ42の重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0107】
つぎに、本発明の第5の実施の形態を図11に基づいて説明する。本実施の形態の構造は第4の実施の形態と略同じであり、本実施の形態が第4の実施の形態と異なる点は、格納室45の形成位置である。
【0108】
本実施の形態では、格納室45がモータ格納部16に近接した上方位置に形成されている。そして、これらの格納室45とモータ格納部16との外周部にポリゴンミラー15が形成されている。
【0109】
このような構成において、本実施の形態によれば、第4の実施の形態と同じように、ロータ42の回転停止時においてはロータ42の重心位置を下げることによりロータ42の浮上安定性を高くすることができ、ロータ42の回転時には、ロータ42の重心位置を高くすることによりロータ42の回転安定性を高くすることができる。
【0110】
さらに、格納室45をZ方向のポリゴンミラー15の位置と略同じ位置となる上方位置まで移動させたことにより、ロータ42の重心位置をZ方向略中央部に近付けることができ、ロータ42の回転安定性をより一層高めることができる。
【0111】
つぎに、本発明の第6の実施の形態を図12に基づいて説明する。
【0112】
本実施の形態では、ロータ42(図9、11参照)に形成された格納室48の格納室外側壁面49がZ軸となす角度が、Z方向上方側がZ方向下方側より小さく(急傾斜に)設定されている。他の構成に関しては、第4又は第5の実施の形態と同じである。
【0113】
このような構成において、ロータ42の回転数が上昇するにつれて格納室48内に格納されている流動性質量体46(図9、11参照)に作用する遠心力が大きくなり、流動性質量体46は格納室外側壁面49に沿ってZ方向上方側へ移動するが、格納室外側壁面49がZ軸となす角度はZ方向上方側では小さいので、ロータ42の回転が高速になって流動性質量体46がZ方向上方へ移動するにつれて、格納室外側壁面49に押し付けられた流動性質量体46が格納室外側壁面49から受ける反力の上方向き成分の上昇を抑えることができる。これにより、ロータ42の高速回転時における流動性質量体46のZ方向上方への移動量を抑えることができるとともにロータ42の重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、ロータ42の重心位置の移動速度を低速回転時及び高速回転時のいずれの場合にも略均一となるように制御することができ、ロータ42の回転の安定性を維持することができる。
【0114】
つぎに、本発明の第7の実施の形態を図13に基づいて説明する。
【0115】
本実施の形態では、ロータ42(図9、11参照)に形成された格納室50の格納室外側壁面51がZ軸となす角度が、Z方向上方側がZ方向下方側より小さく(急傾斜に)設定されているとともに、格納室外側壁面51がZ方向に沿った曲面に形成されている。他の構成に関しては、第4又は第5の実施の形態と同じである。
【0116】
このような構成において、格納室外側壁面51がZ方向に沿った曲面で形成されているので、格納室50に格納された流動性質量体46のZ方向への移動、即ち、ロータ42の重心位置の上下方向への移動を急激な変化点を生じさせることなく滑らかに連続的に行わせることができ、ロータ42の回転の安定性を維持することができる。
【0117】
つぎに、本発明の第8の実施の形態を図14に基づいて説明する。
【0118】
本実施の形態では、ロータ42(図9、11参照)に形成された格納室52の格納室外側壁面53がZ軸となす角度が、Z方向上方側とZ方向下方側とが、その中央部より小さく(急傾斜に)設定されているとともに、格納室外側壁面53がZ方向に沿った曲面に形成されている。他の構成に関しては、第4又は第5の実施の形態と同じである。
【0119】
このような構成において、格納室外側壁面53のZ軸となす角度が、Z方向上方側とZ方向下方側とがその中央部より小さく(急傾斜に)設定されているので、格納室52に格納された流動性質量体46のZ方向への移動、即ち、ロータ42の重心位置の上下方向への移動速度を、ロータ42の低速回転時と高速回転時(定常回転時)の近傍では遅くすることができ、その間ではロータ42の重心位置の移動速度を速くすることができる。しかも、その重心移動を急激な変化点を生じさせることなく滑らかに連続的に行わせることができ、ロータ42の回転の安定性を維持することができる。これにより、第6又は第7の実施の形態に比べて、低速回転時の重心移動速度がゆっくりとなる。
【0120】
つぎに、本発明の第9の実施の形態を図15に基づいて説明する。
【0121】
本実施の形態では、Z方向に3層の格納室54a、54b、54cが積層されている。各格納室54a、54b、54cでは、格納室外側壁面55a、55b、55cがZ軸となす角度は、Z方向下方側のものに比べてZ方向上方側のものが小さく(急傾斜に)形成されている。他の構成に関しては、第4又は第5の実施の形態と同じである。
【0122】
このような構成おいて、ロータ42の回転時には各層の格納室54a、54b、54c内の流動性質量体46がZ方向上方へ移動するが、格納室外側壁面55cがZ軸となす角度が大きいZ方向下方側の格納室54cではその移動速度が速く、格納室外側壁面55aがZ軸となす角度が小さいZ方向上方側の格納室54aではその移動速度が遅い。このため、ロータ42の回転数が所定回転数まで上昇してZ方向下方側の格納室54c内の流動性質量体46が最上方位置まで上昇した後は、ロータ42の回転数がさらに上昇することに伴いZ方向上方側の格納室54a内の流動性質量体46のみが引き続き上方へゆっくりと移動することになる。このため、ロータ42の高速回転時におけるロータ42の重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、高速回転時のロータ42の回転の安定性を維持することができる。
【0123】
さらに、各格納室54a、54b、54cにおける格納室外側壁面55a、55b、55cの形状を単純な傾斜面形状に形成することができるので、格納室外側壁面55a、55b、55cの加工が容易になる。
【0124】
なお、本実施の形態では、Z方向に3層の格納室54a、54b、54cを積層した場合を例に挙げて説明したが、Z方向の積層数は3層に限定されるものではなく、2層、又は、4層以上であってもよい。
【0125】
つぎに、本発明の第10の実施の形態を図16に基づいて説明する。
【0126】
本実施の形態では、Z方向に2層の格納室56a、56bが積層されている。格納室56aと格納室56bとは、θ方向にずらして形成されており、格納室56aと、格納室56b間の仕切部とが上下に配置されている。
【0127】
このような構成において、流動性質量体46をθ方向に沿ってより均一に分散させることができ、ロータ42の重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においてはロータ42の浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0128】
つぎに、本発明の第11の実施の形態を、第9の実施の形態の説明で使用した図15を援用して説明する。
【0129】
本実施の形態は、図15に示した第9の実施の形態で説明したように3層の格納室54a、54b、54cを形成し、それらの格納室54a、54b、54cに格納する流動性質量体46の量は、Z方向両端側の層の格納室54a、54bがZ方向中央側の層の格納室54bに比べて少なく設定されている。
【0130】
このような構成において、Z方向上方側の層の格納室54a内の流動性質量体46の量を少なくすることにより、ロータ42の回転が高速領域にあるときにおいて回転数変化に対する重心の移動速度を抑えることができる。また、Z方向下方側の層の格納室54c内の流動性質量体46の量を少なくすることにより、ロータ42の回転開始初期における急峻な重心移動を防止することができる。
【0131】
つぎに、本発明の第12の実施の形態を図17に基づいて説明する。本実施の形態の光偏向走査装置に用いられている反発型磁気浮上軸受61は第3の実施の形態で説明した反発型磁気浮上軸受31と同じようにインナーロータタイプといわれるもので、上下方向の軸心周りに回転自在な円柱形状のロータ62と、このロータ62の外周側に配置されて上下に2分割された円筒形状のステータ63とを主要な構成とし、ステータ63の上部側は支持体上板34に固定され、ステータ63の下部側は底板35に固定されている。
【0132】
ロータ62には上下1対のリング状のロータ用永久磁石36a、36bが固定され、これらのロータ用永久磁石36a、36bと対向して反発する上下1対のリング状のステータ用永久磁石37a、37bがステータ63に固定されている。ロータ62は、ロータ用永久磁石36a、36bとステータ用永久磁石37a、37bとの磁気反発力により浮上している。
【0133】
ロータ62の底面部は円錐形状に形成され、この底面部と対向する位置にロータ浮上用電磁石7が対向配置されている。
【0134】
ロータ62には、このロータ62の重心位置をZ方向へ移動させる重心移動機構44が内装されている。この重心移動機構44は、第4の実施の形態(図9及び図10)で説明したものと同じように、θ方向に等間隔で複数形成された格納室45と、各格納室45内に格納された流動性質量体46とから構成されている。
【0135】
光偏向走査装置は、上述した反発型磁気浮上軸受61に対し、ロータ62を回転させる駆動部としての永久磁石と電磁石とを有する回転用電磁モータ14と、ポリゴンミラー15とを設けることにより構成されている。
【0136】
このような構成において、本実施の形態の反発型磁気浮上軸受61によれば、第4及び第5の実施の形態と同じように、ロータ62の回転停止時においては流動性質量体46が自重により格納室45内をZ方向下方へ移動しており、ロータ62の重心位置が下がっている。このため、回転停止時におけるロータ62の浮上安定性を高くすることができる。
【0137】
ロータ62の回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により流動性質量体46がr方向外方へ付勢され、流動性質量体46が格納室45の格納室外側壁面47に押し付けられ、その反力の上方向き成分により流動性質量体46が格納室外側壁面47に沿ってZ方向上方へ移動する。この流動性質量体46の移動によりロータ62の重心位置が高くなり、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータ62の回転安定性が高くなる。
【0138】
【発明の効果】
一の形態の本発明の反発型磁気浮上軸受によれば、ロータの回転停止時には流動性質量体が自重により格納室内をZ方向下方へ移動し、ロータの重心位置が下がるので、回転停止時におけるロータの浮上安定性を高くすることができ、一方、ロータの回転時には、その回転に伴って発生する遠心力により流動性質量体が格納室内をZ方向上方へ移動し、ロータの重心位置が高くなるので、回転に伴う軸ブレの発生を防止してロータの回転安定性を高めることができ、さらに、流動性質量体の移動はロータの回転に伴う遠心力を利用して自動的に行われるため、流動性質量体を移動制御するための機構が不要となって重心移動機構の構成を極めて簡単なものとすることができる。
【0139】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体は、Z方向上方へ連続的に移動するようにすれば、ロータの回転数の上昇に伴ってロータの重心位置が次第にZ方向上方へ移動するが、その移動が連続的に行われるので重心位置の移動も連続的に行われることになり、ロータが重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性を維持できる。
【0140】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記重心移動機構は、前記ロータに内装されているようにすれば、ロータへポリゴンミラーを取付ける場合において、その取付けはロータにおけるZ方向略中央部に行うことが好ましく、そのような位置へのポリゴンミラーの取付けを行った場合であっても、取付けられたポリゴンミラーに干渉することなく流動性質量体をZ方向略中央部まで移動させることができる。
【0141】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室はr方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する格納室外側壁面とZ軸の近くに位置する格納室内側壁面とを有し、前記流動性質量体は前記格納室に格納されたときにr方向ベクトルと交わる2つの壁面としてZ軸から遠くに位置する流動性質量体外側壁面とZ軸の近くに位置する流動性質量体内側壁面とを有し、前記格納室外側壁面と前記流動性質量体外側壁面とがZ軸に対する同じ傾斜角を有するとともにこれらの格納室外側壁面と流動性質量体外側壁面とはZ方向上方側に向かうにつれてZ軸から離れる向きに傾斜しているようにすれば、ロータの回転に伴って流動性質量体に遠心力が作用したとき、流動性質量体外側壁面を格納室外側壁面に押圧させた状態で流動性質量体をZ方向上方へ自動的に移動させることができ、また、ロータの回転数が下がった場合には、流動性質量体外側壁面を格納室外側壁面に押圧させた状態を維持しつつ流動性質量体をZ方向下方側へ移動させることができる。
【0142】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室内側壁面と前記流動性質量体内側壁面とが前記格納室外側壁面及び前記流動性質量体外側壁面と同じ傾斜角に形成されて、前記格納室のr方向の断面積形状と前記格納室に格納された状態の前記流動性質量体のr方向断面積形状とが略同じに形成されているようにすれば、流動性質量体が格納室内をZ方向上方側又はZ方向下方側へ移動するとき、流動性質量体外側壁面が格納室外側壁面に押圧されるとともに、流動性質量体内側壁面が格納室内側壁面に略面接触する状態となるので、流動性質量体は格納室内をガタつくことなく移動することになり、ロータが重心位置を移動させながら回転する場合においてその回転の安定性を維持できる。
【0143】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室の1つの壁面である格納室底面と、前記流動性質量体が前記格納室に格納されたときに前記格納室底面に対向する前記流動性質量体の一つの壁面である流動性質量体底面とが略一致する形状に形成され、前記Z軸に対する前記流動性質量体内側壁面の傾斜角が前記Z軸に対する前記格納室内側壁面の傾斜角より大きく形成されているようにすれば、流動性質量体が格納室内をZ方向上方側又はZ方向下方側へ移動するとき、流動性質量体外側壁面が格納室外側壁面に押圧されるとともに流動性質量体内側壁面と格納室内側壁面との間には隙間ができ、流動性質量体の移動に伴う格納室内の気体の移動がこの隙間を通して行われるので、格納室内に存在する気体が移動する流動性質量体に圧縮されてその移動を妨げるということが発生せず、格納室内での流動性質量体の移動をスムーズに行わせることができる。また、ロータの回転停止時に流動性質量体がZ方向最下方位置まで移動したときには、流動性質量体底面と格納室底面とが嵌り合う状態となるので、ロータの回転停止時における流動性質量体の位置を常に一定に維持することができ、回転停止時におけるロータの浮上安定性を維持できる。
【0144】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体を格納した前記格納室がθ方向に沿って複数設けられているようにすれば、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性を良くすることができ、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0145】
他の形態の本反発型磁気浮上軸受によれば、ロータの回転停止時においては流動性質量体が自重により格納室内をZ方向下方へ移動し、ロータの重心位置が下がるので、回転停止時におけるロータの浮上安定性を高くすることができ、また、ロータの回転時には、その回転に伴って発生する遠心力が流動性質量体に作用して流動性質量体が格納室外側壁面に押し付けられ、その反力の上方向き成分により流動性質量体が格納室の格納室外側壁面に沿ってZ方向上方へ移動し、ロータの重心位置が高くなるので、回転に伴う軸ブレの発生が防止されてロータの回転安定性を高くすることができ、さらに、流動性質量体の移動はロータの回転に伴う遠心力を利用して自動的に行われるため、流動性質量体を移動制御するための機構は不要となり、重心移動機構の構成を極めて簡単なものとすることができる。
【0146】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体は非磁性材であることを特徴とするので、非磁性材である流動性質量体は、反発型磁気浮上軸受内の磁場に対して影響を与えることがなく、この流動性質量体がZ方向上方又はZ方向下方へ移動した場合であっても反発型磁気浮上軸受内の磁気的なバランス特性が一定に維持することができる。
【0147】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記重心移動機構は、前記ロータに内装されているようにすれば、ロータへポリゴンミラーを取付ける場合において、その取付けはロータにおけるZ方向略中央部に行うことが好ましく、そのような位置へのポリゴンミラーの取付けを行った場合であっても、取付けられたポリゴンミラーに干渉することなく流動性質量体をZ方向略中央部まで移動させることができる。
【0148】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向上方側がZ方向下方側より小さく設定されているようにすれば、ロータの回転数が上昇するにつれて流動性質量体に作用する遠心力が大きくなり、流動性質量体は格納室外周壁面に沿ってZ方向上方側へ移動するが、格納室外側壁面がZ軸となす角度はZ方向上方側では小さいので、ロータの回転が高速になって流動性質量体がZ方向上方へ移動するにつれて格納室外側壁面に押し付けられた流動性質量体が格納室外側壁面から受ける反力の上方向き成分の上昇が抑えられ、ロータの高速回転時における流動性質量体のZ方向上方への移動量を抑えることができるとともにロータの重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、ロータの重心位置の移動速度を低速回転時及び高速回転時のいずれの場合にも略均一となるように制御することができ、ロータの回転の安定性を維持することができる。
【0149】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面における少なくともZ軸に対する角度が変化する領域はZ方向に沿った曲面に形成されているようにすれば、流動性質量体のZ方向への移動、即ち、ロータの重心位置の上下方向への移動を急激な変化点を生じさせることなく滑らかに連続的に行わせることができ、ロータの回転の安定性を維持することができる。
【0150】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記流動性質量体を格納した前記格納室がθ方向に沿って複数設けられているようにすれば、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性が良くなり、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0151】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室がZ方向に積層されているようにすれば、各層の格納室ごとに格納室外側壁面がZ軸となす角度を変えることができ、各層の格納室ごとに格納室外側壁面がZ軸となす角度を変えることにより、前記発明のように一つの格納室において格納室外側壁面のZ軸となす角度を変えた場合と実質的に同じにすることができ、各格納室における格納室外側壁面の形状が単純になるために格納室外側壁面の加工を容易にすることができる。
【0152】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向下方側に位置する層の前記格納室に比べてZ方向上方側に位置する層の前記格納室が小さく形成されているようにすれば、ロータの回転数が低速の時には各層の格納室内の流動性質量体がZ方向上方へ移動するが、格納室外側壁面がZ軸となす角度が大きいZ方向下方側の格納室ではその移動速度が速く、格納室外側壁面がZ軸となす角度が小さいZ方向上方側の格納室ではその移動速度が遅く、ロータの回転数が所定回転数まで上昇してZ方向下方側の格納室内の流動性質量体が最上方位置まで上昇した後は、ロータの回転数がさらに上昇することに伴いZ方向上方側の格納室内の流動性質量体のみが引き続き上方へゆっくりと移動することになるので、ロータの高速回転時におけるロータの重心位置の上方への移動速度を抑えることができ、高速回転時のロータの回転の安定性を維持することができる。
【0153】
前記反発型磁気浮上軸受において、θ方向に沿って複数設けられた前記格納室の位置が、上下で隣接する各層ごとにθ方向にずらして形成されているようにすれば、流動性質量体をθ方向に沿って分散させることができ、ロータの重心位置の偏芯を防止でき、回転停止時においては浮上安定性を良くすることができ、及び、回転時においては質量の局在化による回転速度の周期的なムラを防止できる。
【0154】
前記反発型磁気浮上軸受において、各層の前記格納室における前記流動性質量体の格納量は、Z方向両端側の層の前記格納室がZ方向中央側の層の前記格納室に比べて少ないようにすれば、Z方向上方側の層の格納室内の流動性質量体の量を少なくすることにより、ロータの回転が高速領域にあるときにおいて回転数変化に対する重心の移動速度を抑えることができ、また、Z方向下方側の層の格納室内の流動性質量体の量を少なくすることにより、ロータの回転開始初期における急峻な重心移動を防止することができる。
【0155】
前記反発型磁気浮上軸受において、前記格納室には、前記流動性質量体を充填・排出するための穴が形成されているようにすれば、格納室へ流動性質量体を補充したり抜き取ったりすることによる修理作業を容易に行える。
【0156】
発明の光偏向走査装置前記のいずれかの反発型磁気浮上軸受を有するので、それらの各反発型磁気浮上軸受が有する作用・効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置におけるロータの回転停止時の状態を示す縦断正面図である。
【図2】その一部を拡大して示す縦断正面図である。
【図3】格納室と可動質量体とを示す斜視図である。
【図4】格納室のθ方向の配置状態を示す水平断面図である。
【図5】光偏向装置装置におけるロータの回転時の状態を示す縦断正面図である。
【図6】光偏向走査装置の制御系を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の格納室と可動質量体とを示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【図10】格納室のθ方向の配置状態を示す水平断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態の格納室を示す断面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態の格納室を示す断面図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態の格納室を示す断面図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態の格納室を示す断面図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態の格納室のθ方向の配置状態を示す水平断面図であり、(a)は上層側の格納室、(b)は下層側の格納室である。
【図17】本発明の第11の実施の形態の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【図18】従来例の反発型磁気浮上軸受を用いた光偏向走査装置を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 反発型磁気浮上軸受
2 ロータ
3 ステータ
5a、5b ロータ用永久磁石
6a、6b ステータ用永久磁石
9 重心移動機構
10 格納室
11 可動質量体
12a 格納室外側壁面
12b 格納室内側壁面
12c 格納室内側壁面
13a 可動質量体外側壁面
13b 可動質量体内側壁面
14 駆動部
15 ポリゴンミラー
21 格納室
22 格納室底面
23 可動質量体底面
31 反発型磁気浮上軸受
32 ロータ
33 ステータ
36a、36b ロータ用永久磁石
37a、37b ステータ用永久磁石
41 反発型磁気浮上軸受
42 ロータ
43 ステータ
44 重心移動機構
45 格納室
46 流動性質量体
47 格納室外側壁面
48 格納室
49 格納室外側壁面
50 格納室
51 格納室外側壁面
52 格納室
53 格納室外側壁面
54a、54b、54c 格納室
55a、55b、55c 格納室外側壁面
56a、56b 格納室
61 反発型磁気浮上軸受
62 ロータ
63 ステータ

Claims (12)

  1. 1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に対向して反発するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、
    前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、
    格納室とこの格納室に格納されて前記ロータの回転数上昇に伴う遠心力上昇により少なくともZ方向上方へ移動する、非磁性材の流動性質量体とを備えた重心移動機構が前記ロータに設けられていることを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  2. 前記重心移動機構は、前記ロータに内装されていることを特徴とする請求項に記載の反発型磁気浮上軸受。
  3. 1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、
    前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、
    格納室とこの格納室に格納された、非磁性材の流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、
    前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されていることを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  4. 前記重心移動機構は、前記ロータに内装されていることを特徴とする請求項に記載の反発型磁気浮上軸受。
  5. 前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向上方側がZ方向下方側より小さく設定されていることを特徴とする請求項又はに記載の反発型磁気浮上軸受。
  6. 前記格納室外側壁面における少なくともZ軸に対する角度が変化する領域はZ方向に沿った曲面に形成されていることを特徴とする請求項に記載の反発型磁気浮上軸受。
  7. 前記流動性質量体を格納した前記格納室がθ方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項ないしのいずれか一項に記載の反発型磁気浮上軸受。
  8. 1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、
    前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、
    格納室とこの格納室に格納された流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、
    前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されている反発型磁気浮上軸受であって、
    前記格納室がZ方向に積層されており、
    前記格納室外側壁面がZ軸となす角度は、Z方向下方側に位置する層の前記格納室に比べてZ方向上方側に位置する層の前記格納室が小さく形成されていることを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  9. 1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、
    前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、
    格納室とこの格納室に格納された流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、
    前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されている反発型磁気浮上軸受であって、
    前記格納室がZ方向に積層されており、
    θ方向に沿って複数設けられた前記格納室の位置が、上下で隣接する各層ごとにθ方向にずらして形成されていることを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  10. 1対のロータ用永久磁石を備えて上下方向の軸心周りに回転自在なロータと、前記ロータ用永久磁石に同軸上で対向するステータ用永久磁石を備えたステータとを有し、前記ロータ用永久磁石と前記ステータ用永久磁石との磁気反発力により前記ロータを浮上させる反発型磁気浮上軸受において、
    前記ロータの回転中心軸をZ軸、前記ロータの回転中心軸方向をZ方向、前記ロータの回転中心軸方向と直交する半径方向をr方向、前記ロータが回転する円周周り方向をθ方向とするとき、
    格納室とこの格納室に格納された流動性質量体とを備えた重心移動機構を有し、
    前記格納室はr方向ベクトルと交わる壁面を有し、この壁面のうちZ軸から遠くに位置する側の格納室外側壁面はZ軸からの距離がZ方向上方に向かうにつれて大きくなるように形成されている反発型磁気浮上軸受であって、
    前記格納室がZ方向に積層されており、
    各層の前記格納室における前記流動性質量体の格納量は、Z方向両端側の層の前記格納室がZ方向中央側の層の前記格納室に比べて少ないことを特徴とする反発型磁気浮上軸受。
  11. 前記格納室には、前記流動性質量体を充填・排出するための穴が形成されていることを特徴とする請求項ないし10のいずれか一項に記載の反発型磁気浮上軸受。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項に記載の反発型磁気浮上軸受と、
    前記ロータを回転させる駆動部と、
    前記ロータの外周部に設けられてこのロータと一体に回転して光を偏向走査するポリゴンミラーと、を有する光偏向走査装置。
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