JP4658433B2 - 改良された機能特性を有するタンパク質を得る方法 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は、改良されたタンパク質、特に、相同のまたは関連するタンパク質からの残基の補充(recruitment)によって改変された安定特性を有する酵素に関し、および、このような的確に改良されたタンパク質の開発を可能にする有効な方法に関する。
発明の背景
様々な用途におけるタンパク質の有用性を増すために、タンパク質の機能特性を改良する方法が広く実践されている。このような技術としては、特定のアミノ酸の特性および/またはタンパク質の構造に基づき、特に関連するかまたは実験的な証拠に基づき関連が示されるような特定のアミノ酸残基を分離し、選択するための、タンパク質工学および部位特異的変異導入の使用を多くの場合含む。例えば、Estell等の米国特許第4,760,025号は、なかでもメチオニン、リシン、トリプトファンおよびシステインのような特に酸化を受けやすい残基を変更することにより、安定性を増すための、酸化に不安定な酵素の修飾を示唆する。Koths等の米国特許第4,752,585号は、保存的アミノ酸をそれぞれクロラミンTの酸化を受けやすいメチオニン残基に置換することによって、治療用タンパク質の酸化安定性を改良する方法を示す。Barr等の米国特許第4,732,973号は、ヒトα1−アンチトリプシンの活性部位メチオニンを、酸化に安定なアミノ酸に置換することを示す。
【0002】
これまでに提案されたさらなる技術として、進化的に近いタンパク質に対するタンパク質の相同性モデリングがあり、それによってタンパク質工学に関する基礎を得ることができる。Siezen et al., Protein Engineering, vol.4, no.7, pp.719-737(1991) において、より安定な酵素の特徴を標的に含ませるか複写することによって、工業的プロセスで用いられるプロテアーゼの特性を改良する方法が開示されている。その上、これらの技術は、より望ましいタンパク質の特性を、より望ましくないタンパク質へ付与することを必要とする。しかしながら実際には、そのより望ましいタンパク質とは、改良された特性を発揮することが望まれる標的である。したがって、このようなタンパク質をより望ましいものに調整することは困難なのである。したがって研究者は、改良のための、知識に基づかない(non-knowledge based)技術に注目している。
【0003】
知識に基づかない変異方法は、関心のあるタンパク質に関する情報が欠如している場合、または、知識に基づく技術がうまくいかない場合に必要となる。典型的な知識に基づかない技術として、ランダム変異導入、エラーを起こしやすいPCR、および、PCRテンプレートスイッチング技術などのよく知られた方法があり、さらに、例えばStemmer等の米国特許第5,605,793号で説明されているシャッフリングのような近年開発されたものもある。ランダム変異導入は長年用いられており、文献でその多様なレベルの成功が報告されている。しかしながら、ランダム変異導入は、潜在的な変異体が多数あるために、成功するときと失敗するときがある。例えば、300個のアミノ酸からなるタンパク質は、30020のオーダーの可能な数のランダム変異体を有する。これほどの数の変異体を調製し、発現し、スクリーニングすることは、たとえ昨今のマススクリーニング技術を用いたとしても不可能である。Stemmerまたは他の分子育種技術で説明されている「遺伝子シャッフリング」のような定行進化技術は、利用可能な変異体のプールによって制限される。しかしながら変異体のプールは、タンパク質に関する知識が不十分な場合、天然型またはランダム変異の何れかから製造されなければならない。しかしながらこの変異体のプールは、無理のない成功に必要な、多様な生物種の最適に焦点の合ったプールを提供しない可能性がある。
【0004】
より安定な酵素を製造するために、タンパク質工学の分野において相当数の取り組みがなされている。それでもなお、多くの重要なタンパク質における莫大な情報があれば、生物の多様性の範囲を完全に利用するために、変異体分子のプールを特定の効果に対して聡明に集中させる改良法が開発されるに違いない。以下に開示されるように、本発明者等は、新規の知識に基づいた変異導入技術を開発し、改良された性能、即ち機能性を有する新規なタンパク質を製造するという観点において、優れた利用可能性を提供する。本発明の技術を実施することによって、研究者は、望ましい「成功の」タンパク質の選択を容易にする、目的にかなった変異体プールを得ることができる。
【0005】
発明の概要
特定の機能特性についてタンパク質の性能を改良する問題に直面した研究者は、タンパク質中に適切な変異を入れることを決定することについて深刻な問題にしばしば遭遇する。知識に基く変異導入方法にとって、多くのタンパク質の結晶構造がわからないことや、結晶構造が既知の比較タンパク質との低相同性アラインメントを伴う不確実さは、深刻な障害である。さらにその上、ランダム変異導入技術、または、分子育種のような他の知識に基かない変異方法はしばしば、最適な変異導入が一様に生じているという保証もなく大量の変異体をスクリーニングすることを必要とする、成功するか失敗するかわからない方法である。しかしながら、ある種の特徴について改良を試みる研究者はしばしば、関連する一次構造を有するファミリーを入手するが、それらの多くは改良を試みられているタンパク質より機能の点で劣っている。このようなことは、最良のタンパク質が最初の標的としてしばしば選択されるという事実により自然に起こる。しかしながら、この「最良のタンパク質」は、改良することによって大きな商業的または工業的利益を生むこともあるが、顕著な欠点を有する。ゆえに、研究者にとって、目的タンパク質の望ましい特性を減じないで他の特性を改良する様式で、どのようにタンパク質を修飾するかを決定する問題が残される。この場合、本明細書中の上記科学者たちは、より望ましくないタンパク質、すなわち安定性または活性の劣る酵素のアライメントを用いることにより、「最良のタンパク質」によって受け入れられ、それらの良い特性を不当に破壊しない点で大いに成功の見込みがあるアミノ酸修飾を推測することが可能であると決定した。事実、選択された改変が目的のプロセスで機能することになることを現実が既にしばしば確認したとおり、その成功の見込みは大いに高められる。
【0006】
本発明の目的は、例えば、増強されたアルカリ安定性、pH安定性、熱安定性、増強された酸化安定性、増強された触媒活性、および、改良された基質または標的結合性、を含む、改良された機能特性を有するタンパク質を得る方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、タンパク質を提供することであり、例えば、増強されたアルカリ安定性、pH安定性、熱安定性、増強された酸化安定性、増強された触媒活性、および、改良された基質または標的結合性を有する酵素である。
【0008】
本発明は、工程:(a)第1タンパク質および第2相同タンパク質の一次アミノ酸配列を決定し、前記一次アミノ酸配列を並べ、一次アミノ酸配列アライメントを製造するが、前記第2相同タンパク質は、前記第1タンパク質より、望ましい特性についてより望ましくない特性を有し;(b)前記一次アミノ酸配列の配列アライメントにおいて、前記第1タンパク質と前記第2相同タンパク質との間の対応する位置で異なる残基を同定し;(c)前記第1タンパク質において、工程(b)で選択された少なくとも1つの前記異なる残基に対応して置換、欠失または付加がなされている変異タンパク質を調製し;(d)機能特性について改良された性能に関して前記変異タンパク質をスクリーニングし;(e)改良された性能を有する前記変異タンパク質の同一性を、選択し、決定する工程(e)と、前記改良された変異タンパク質は、前記第1タンパク質および前記第2相同タンパク質両方からの少なくとも1つの残基において異なり、前記改良された第1タンパク質は前記望ましい特性について改良された機能を有するものである;を含む、第1タンパク質の望ましい特性を改良する方法を提供する。好ましくは、前記第1タンパク質の2以上の第2相同タンパク質とのアラインメントを作成し、そして工程(c)で選択された置換は、変異のために選択された特定の位置において、第2相同タンパク質の重要な部分または全体に存在する残基から選択される。好ましくは、前記改良されたタンパク質は、前駆体アミノ酸配列に対応するタンパク質に比べて、アルカリ、pH、熱または酸化に関して改良された安定性の特性を有する。また好ましくは、前記タンパク質は酵素であり、より好ましくはα−アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼまたはプロテアーゼである。
【0009】
本発明の他の実施形態において、(a)少なくとも2つの比較タンパク質の一次アミノ酸配列を並べるが、該比較タンパク質のうち1つは、望ましい特性についてより望ましくない性能を有するものであり;(b)少なくとも2つの比較酵素間で残基が異なる位置を同定し、望ましい特性についてより望ましくない性能を有する比較タンパク質中で同定された位置に存在する残基を決定し;(c)工程(b)で決定された1以上の残基を選択し;(d)工程(c)で残基が選択された前記比較タンパク質中の位置に対応する位置で、前記第1タンパク質中の選択された残基を置換、欠失または付加させることにより前記第1タンパク質を改変すること;を含むが、但し、前記目的タンパク質は、前記第1タンパク質および前記比較タンパク質両方からの少なくとも1つの残基において異なり、前記改良された第1タンパク質は、前記望ましい特性について改良された機能を有する、第1タンパク質と比べて望ましい特性が改良された目的タンパク質を製造する方法が提供される。
【0010】
好ましい実施形態において、2以上の第2相同タンパク質で比較を行い、安定性の劣る第2相同タンパク質中のすべてまたは数個の中にのみ存在する残基を第1タンパク質に補充し、改良されたタンパク質を製造する。
【0011】
本発明の組成物の実施形態において、本発明の方法による修飾を含む改良されたタンパク質が得れらる。
本発明の利点は、前記特性について異なる2個の相同タンパク質の配列を並べて分析する簡単な技術によって、より望ましい特性を有するタンパク質を製造することができる点である。
【0012】
本発明の他の利点は、変異体に関する知識に基かない方法と対照的に可能性のある変異体のプールを、より簡単にスクリーニングされる変異体数まで顕著に減らすことができる点である。
【0013】
本発明のさらに他の利点は、改良されるタンパク質の三次構造に関する情報は必要でなく、単に相同タンパク質の配列アライメントがあればよい点である。
本発明のさらに他の利点は、より望ましくないタンパク質から得られた情報に基き優れたタンパク質をさらに改良することができる点であり、それにより、このような改良タンパク質を開発するのに利用される情報の蓄積を増すことができる。
【0014】
詳細な説明
「発現ベクター」とは、DNA構築物を意味し、適切なホスト中で前記DNAを発現させることが可能な適切な制御配列と操作可能に結合しているDNA排列を含む。このような制御配列は、転写をもたらすためのプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボゾーム結合部位をコードする配列、および、転写や翻訳の終結を制御する配列、を含んでよい。バチルス属ホスト中で発現が望まれる場合、好ましいプロモーターは、Bacillus subtilis aprEプロモーターである。ベクターはプラスミド、ファージ粒子、または、単に可能性のあるゲノミックインサートでよい。適切なホストに形質転換されれば、ベクターは複製され、ホストゲノムとは独立して作動するか、またはある場合にはゲノム自身に統合されてよい。プラスミドが現在最もよく使用されるベクターの形態であるため、プラスミドとベクターとが交換可能に用いられることがあるが、本発明は、同等の機能を有し、当業界で周知であるかまたは周知になりつつあるような他の発現ベクターの形態を含むことを意図する。
【0015】
「ホスト株」または「ホスト細胞」とは、本発明によるタンパク質をコードするDNAを含む発現ベクターにとって適切なホストを意味する。本発明において有用なホスト細胞とは、一般的に、原核細胞または真核細胞ホストであり、本発明に従い与えられたタンパク質の発現が達成され得る任意の形質転換可能な微生物を含む。当業者であれば、特定のタンパク質とともに用いるための、適切なホスト細胞を含む適切な発現や分泌の機構を熟知することになる。例えば、特定のタンパク質が由来するのと同じ種または属のホスト株が適しており、例えばバチルス属由来のα−アミラーゼの場合、適切なホスト細胞は、バチルス株であり得る。この場合、α−アミラーゼ陰性のバチルス株(遺伝子が欠失してるもの)、および/または、α−アミラーゼおよびプロテアーゼを欠失させたバチルス株(ΔamyE, Δapr, Δnpr)が、好ましく使用される。ホスト細胞に、組換えDNA技術を用いて構築されたベクターを、形質転換またはトランスフェクトさせる。このような形質転換ホスト細胞は、タンパク質をコードしたベクターやその改造体(変異体)を複製するかまたは所望のタンパク質を発現することができる。
【0016】
「組換えタンパク質」とは、天然に生産されるタンパク質またはタンパク質前駆体配列と比較して、1以上のアミノ酸が置換、挿入または欠失されている配列をコードした変異DNA配列が得られるように、天然に生産されるタンパク質またはタンパク質前駆体をコードするDNA配列を修飾して生産されるタンパク質を意味する。ここで用いられているように、前駆体タンパク質(または酵素)という用語は、化学反応における特有な表現の直前の前駆体ではなく、修飾がなされる親タンパク質の意味である。従って、それは修飾を規定する前駆体であるが、実際の改変または修飾は、該前駆体をコードするDNA中の改変においてその基準を有することになり、続いてそのDNAを形質転換し、発現し、修飾を内包するタンパク質生産物を分泌する。
【0017】
本発明による改良されたタンパク質は、前駆体タンパク質(または、ここでは「第1タンパク質」とも呼ばれる)のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を含み、前駆体タンパク質中の特定の修飾はここで提供されるようなものである。前駆体タンパク質は、天然に生じるタンパク質または組換えタンパク質であり得る。改良されたタンパク質のアミノ酸配列は、前駆体アミノ酸配列の1以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入によって前駆体タンパク質のアミノ酸配列に由来する。このような修飾は、一般的には、前駆体タンパク質自身を操作するよりむしろ、前駆体タンパク質のアミノ酸配列をコードする前駆DNA配列のものである。前駆体のDNA配列のこのような操作のための適切な方法は、ここで開示されている方法および同じ所有者の米国特許第4,760,025号および第5,185,258号が挙げられ、ここに引用することによって本明細書に含められる。
【0018】
「望ましい特性」とは、タンパク質を改良することが望まれる、あらゆる特性を意味する。このような望ましい特性は、例えば熱、pH、アルカリ、酸化または化学的安定性などの機能的特性、触媒活性、基質結合性、受容体結合性、アレルゲン性、抗菌活性、またはその他あらゆるタンパク質に関する望ましい特徴を含む。
【0019】
「一次アミノ酸配列アライメント」とは、配列の同一性を有意な度合いで得るための、少なくとも2つのタンパク質の一次配列のアライメントを意味する。種々のアライメントアルゴリズムは、当業者にとって適切であり、日常的に使用されるような市販のソフトウェアの形態で存在する。これらのプログラムは、結果が得られるように作用するかもしれない種々のアルゴリズムパラメータの入力を提供する。しかしながら、本発明は、あらゆる特定の配列アライメントアルゴリズムに関しての選択を必要とせず、選択は、一般的に、パラメータを最適化しうるものである。一般的に、アライメントは近似とみなされており、即ち、アライメントを最適化する種々の方法を用いて、わずかに異なる変異体プールを有利に提供することによりそれから選択するべきである。その上で、本発明の利点は、改良されたタンパク質を選択するために変異タンパク質の目的プールを生産することであるため、本発明は、アライメントを決定するのに用いられるプログラムまたはパラメータに拘わらず等しく応用可能であるべきである。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、望ましい特性についてその性能を改良するために、タンパク質は以下のように修飾される。「第1タンパク質」と称される修飾されるタンパク質の一次アミノ酸配列を、望ましい特性についてより望ましくない性能を有する比較用「第2相同タンパク質」の一次アミノ酸配列とともに並べる。そのアライメントから残基が異なる位置を決定し、そして第2相同タンパク質配列中のそれらの位置に存在する残基を決定する。続いて、前段階で選択された少なくとも1つの残基を、第1タンパク質のアミノ酸配列に組み入れる。ここで発明者が驚きと共に確認したように、この様式において生産された修飾タンパク質は、望ましい特性について改良された性能を有する有意な確率を有する。従って、この様式によって生産された変異タンパク質のプールは、置換、欠失または付加された同定された残基の様々な組み合わせを有し、おそらくは改良されたタンパク質のプールを含み、次に「成功」に関してそれらの中から選択することができる。
【0021】
バリエーションにおいて、2より多い一次アミノ酸配列のアライメントを得ることができる。この実施形態においては、第1タンパク質を、2以上の第2相同タンパク質の一次アミノ酸配列とともに並べるが、各第2相同タンパク質の一次アミノ酸配列は、第1タンパク質に比べてそれほど有用でない活性を有する種々のタンパク質に対応する。このアライメントから、第1タンパク質の一次アミノ酸配列と、2以上の第2相同タンパク質の一次アミノ酸配列との間で差異があるような位置において、2以上の第2相同タンパク質中に存在する残基を選択する。利用可能な変異体のプールを拡張する別な一つの方法において、第1タンパク質と第2相同タンパク質との間のバリエーションのそれぞれを、変異体を得るための基準として用い得る。他の好ましい選択可能な方法は、改良された機能特性を選択された変異タンパク質にうまく付与するのに最適な数に利用可能な変異体の数を制限し、第2相同タンパク質の各々が同一の残基を含むような差異のみを選択する。
【0022】
上記方法のバリエーションの一つにおいて、アライメントは、第1タンパク質とは直接的に比較されない2以上の第2相同タンパク質により用意される。例えば、それぞれが第1タンパク質とともに並べられることができる2つの比較相同タンパク質を並べることにより、どこの残基が異なるのかを決定する。続いて得られたアライメントを分析し、望ましさの劣る性能を有する一つまたは複数の比較タンパク質中に存在する残基を決定し、続いて第1タンパク質の対応する位置において、その残基を置換、欠失または付加する。この実施形態において、比較のタンパク質は、第1タンパク質より優れているかまたは劣っている必要性はなく、目的のタンパク質を改変するために選択される残基が、望ましい特性についてより望ましくない性能を有する、相同の比較タンパク質から得られればよい。加えて、2より多い第2相同タンパク質の一次アミノ酸配列を並べ、そしてそれらから、様々な第2相同タンパク質の、望ましい特性に関する性能に基き、残基を選択することができる。
【0023】
驚くべきことに、かつ意外なことに、出願人は、2以上の相同かまたは関連するタンパク質のアライメントを用意し、望ましい特性についてより望ましくない性能を有するタンパク質中の様々な位置に存在する残基を照合することによって、改良された機能特性を有するタンパク質を得られるかもしれないということを見出した。例えば、第1タンパク質と、望ましい機能特性についてより望ましくない性質を有する第2相同タンパク質とを比較し、異なる残基を同定し、上記の異なる変異に基いて変異体のプールを用意製し、そして第1タンパク質に比べて望ましい特性について改良された変異体を選択することによって、望ましい特性において有利な改良体が、このような修飾を有意な確率で得られるかもしれない。すなわち本発明の優れた用途の一つは、(ランダム変異体のプールと比較して)比較的数が少なく扱いやすい変異体プールを生ずることであり、第1タンパク質と比較して顕著に改良された機能特性を有するタンパク質をそれらから選択することができる。さらにその上、詳細な構造や機能の情報がなくても、このような結果を得ることができる。
【0024】
並べられたタンパク質は、必ずしも匹敵する活性や機能を有していなくてもよい。しかしながら、好ましい実施形態において、上記タンパク質は、匹敵する活性、すなわち類似の生物学的活性、機能、触媒活性、または、特異的タンパク質を分類するのに一般的に用いられるその他の基準を有する。しかしながら、本発明は、現実が確認してきた位置を決定することに基き、ホスト生物に対してその価値を顕著に作用させることなく残基はタンパク質の構造中に存在し得るものであり、比較されたタンパク質の全ての特徴が同一である必要は無く、単にいくらか相同であるだけでよい。「実質的に相同」とは、それらの配列が意味を持って配列され、主要な構造上、機能上または触媒の部位を規定し得るように、タンパク質が保存された、即ち同一のアミノ酸を有意なレベルで有することである。好ましくは、第1タンパク質および第2相同タンパク質は、少なくとも30%、好ましくは50%の配列同一性、より好ましくは70%の配列同一性、最も好ましくは85%の配列同一性を含む。
【0025】
好ましい実施形態において、上記タンパク質は酵素である。上記酵素は、加水分解酵素、酸化還元酵素、トランスフェラーゼ、リアーゼまたはリガーゼの5つの主要な酵素分類に含まれる任意の酵素を含む。本発明から利益を得ることのできる酵素の特定の例は、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコアミラーゼ、エステラーゼ、ラクターゼ、ポリガラクツロナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リグニナーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、または、密接に関連する任意の酵素や低い安定性の相同物が挙げられる。
【0026】
本発明の方法および構成の代表例として、α−アミラーゼを以下に説明する。ここで用いられる「α−アミラーゼ」とは、例えばデンプン、アミロペクチンまたはアミロースポリマー中のα(1−4)グリコシド結合を開裂させるかまたは加水分解する酵素活性を有するものを意味する。α−アミラーゼは、天然に生産されるα−アミラーゼおよび組換えα−アミラーゼを含む。本発明において好ましいα−アミラーゼは、バチルス種、特にBacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、またはBacillus stearothermophilusから誘導されたものであり、同様に、例えばAspergillus(すなわち、A.oryzaeおよびA.niger)のような真菌類のα−アミラーゼに由来する。従って、本発明におけるα−アミラーゼは、前駆体α−アミラーゼに由来する。前駆体α−アミラーゼは、α−アミラーゼを生産することのできる任意の源より生産される。好ましいα−アミラーゼの源は、菌類、細菌、植物または動物を含む原核生物または真核生物である。前駆体α−アミラーゼは、好ましくはバチルス属によって生産され、より好ましくはBacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、またはBacillus stearothermophilusによって生産され、最も好ましくはBacillus licheniformisによって生産される。
【0027】
これまで、配列決定された植物、哺乳動物および細菌にわたるほとんど全てのエンドアミラーゼ間で相同性が見出されている(Nakajima et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., vol.23, pp.355-360 (1986); Rogers, Biochem. Biophys. Res. Commun., vol.128, pp.470-476 (1985); Janecek, Eur. J. Biochem., vol.224, pp.519-524 (1994))。ある種のバチルス属のアミラーゼにおいて、特に高い相同性を示す4つの領域があり、図5に示すように、下線で示された部分は、高い相同性を示す部分である。配列アライメントは、バチルス属のエンドアミラーゼ間の関係をマッピングすることにも用いられている(Feng et al., J. Molec. Evol., vol.35, pp.351-360 (1987))。Bacillus stearothermophilusとBacillus licheniformisとの間の相対的な配列相同性は、約66%であり、Bacillus licheniformisとBacillus amyloliquefaciensとの間では、約81%であり、これはHolm et al., Protein Engineering, vol.3, No.3, pp.181-191(1990) において決定された。一次構造に対する相同性を確立するために、前駆体α−アミラーゼのアミノ酸配列を、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼ一次配列と直接比較し、特に、配列が既知の全α−アミラーゼにおいて不変であることが知られている残基群と直接比較する(例えば図7を参照)。さらに、ブタ膵臓のα−アミラーゼ(Buisson et al, EMBO Journal vol.6, pp.3909-3916 (1987); Qian et al., Biochemistry, vol.33, pp.6284-6294 (1994); Larson et al., J. Mol. Biol., vol.235, pp.1560-1584 (1994)):Aspelgillus oryzaeのTaka−アミラーゼA(Taka-amylase A)(Matsuura et al., J. Biochem. (Tokyo), Vol. 95, pp.697-702 (1984)):および、A.nigerからの酸α−アミラーゼ(Boel et al., Biochemistry, vol. 29, pp.6244-6249 (1990)) について報告された結晶構造の三次構造分析によって均等な残基を決定することも可能であり、前の二つの構造は類似しており、そしてオオムギのα−アミラーゼ (Vallee et al., J. Mol. Biol., vol.236, pp.368-371(1994); Kadziola, J. Mol. Biol., vol.239, pp.104-121 (1994))について報告された結晶構造の三次構造分析により同等の残基を決定することも可能である。いくつかの予備的な研究が公表されている(Suzuki et al, J. Biochem., vol.108, pp.379-381 (1990): Lee et al. Arch. Biochem. Biophys, vol.291, pp.255-257 (1991); Chang et a1, J. Mol. Biol., vol.229, pp.235-238 (1993): Mizuno et al., J. Mol. Biol., vol.234, pp.1282-1283 (1993))が、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼに関して公表された構造はたった一つしかない(Machius et al., J. Mol. Biol. vol.246, pp.545-549 (1995))。しかしながら、多くの研究者は、グルカナーゼとの間の共通の超二次構造(MacGregor et a1., Biochem. J., vol.259, pp.145-152 (1989))、および、α−アミラーゼおよび他のデンプンを代謝する酵素のなかで共通の超二次構造(Jaspersen, J. Prot. Chem. vol.12, pp.791 -805 (1 993); MacGregor, Starke, vol.45, pp.232-237 (1993))、ならびに、α−アミラーゼと類似の超二次構造を有する酵素との間の配列の類似性(Janecek, FEBS Letters, vol.316, pp.23-26 (1993); Janecek et al, J. Prot. Chem., vol.12, pp.509-514 (1993))を予測している。Bacillus stearothermophilusの酵素に関する構造が、Taka−アミラーゼAの構造のモデルとされてきた(Holm et al., Protein Engineering, vol.3, pp.181-191 (1990))。図7に示した高度に保存された4つの領域は、Bacillus licheniformisの番号付けシステムによれば、His+105、Arg+229、Asp+231、His+235、Glu+261およびAsp+328を含み、活性部位の一部と考えられる多くの残基を含む(Matsuura et al., J. Biochem. (Tokyo), vol.95, pp.697-702 (1984): Buisson et a1., EMBO Journal, vol.6, pp.3909-3916 (1987); Vihinen et al., J. Biochem., vol.107, pp.267-272 (1990))。細菌のアミラーゼハイブリッド酵素の結晶構造は、PCT公報WO96/23874に公開されている。
【0028】
上述したように、Bacillus licheniformis、Bacillus stearothermophilus、Bacillus amyloliquefaciensおよびBacillus subtilisからのα−アミラーゼは、全て有意な相同性を有する。しかしながら、例えば高温(90℃を超過する)、低pH(pH4〜6)、および低カルシウムなどの工業的なデンプン液化の条件下で、Bacillus licheniformisから得られたα−アミラーゼは最も満足できる性能を示す。それにもかかわらず、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼでさえ、より安定な望ましい代替物を製造する液化条件下で、望ましくない不安定性な状態になりやすい。従って、液化プロセスにおける用途に関して望まれる酵素特性を得るために、分子を生産するBacillus licheniformisに関して、多くの研究がなされている。Bacillus licheniformisからのα−アミラーゼの配列を、Bacillus stearothermophilusまたはBacillus amyloliquefaciensからのα−アミラーゼの配列に対して並べることによって、相同体間で異なる残基を同定することが可能である。続いて本発明によれば、Bacillus licheniformisからのα−アミラーゼと比べて、Bacillus stearothermophilusまたはBacillus amyloliquefaciensからのα−アミラーゼにおいて残基が異なる位置を、Bacillus licheniformisからのα−アミラーゼ中の残基の置換のために選択する。好ましくは、置換された残基は、実際には、Bacillus stearothermophilusまたはBacillus amyloliquefaciensのいずれかのα−アミラーゼ中に存在する残基と同一である。より好ましくは、置換された残基は、Bacillus stearothermophilusおよびBacillus amyloliquefaciens両方のα−アミラーゼ中に存在する残基と同じである。
【0029】
ここで特に同定されたBacillus licheniformisを置換するための残基は、Bacillus licheniformisおよび/またはBacillus stearothermophilusのα−アミラーゼ中の対応する位置の残基とは異なるものであり、特にA33、A52、S85、N96、H133、S148である。これらの残基の特に好ましい置換は、Bacillus amyloliquefaciensおよびBacillus stearothermophilusからのα−アミラーゼ中に存在する残基から選択され、かつA33S、A52S、N96Q、H133Y、S148N、A209V、A269K、A379Sおよび/またはA435Sに対応するものであって、全ては安定性に貢献すると考えられている。さらに、A85D変異体は、Bacillus amyloliquefaciensからのみ補充され、これも安定性の利益を提供する。上記の残基は、性能的な利益を提供する他の修飾体との組み合わせにおいて変更されてもよい。
【0030】
本発明により改良されたタンパク質は改良された性能特徴を示し、それにより、タンパク質が一般的に用いられかつ改良された安定性が望まれる様々な応用において、それらのタンパク質を特に有用にする。例えば、α−アミラーゼを含む酵素は、本発明によって、改良された熱安定性、改良されたpH安定性および/または改良された酸化安定性を示す。増強された熱安定性は、それらを含む製品の貯蔵寿命を延長することや、高温での用途において有用になる。増強された酸化安定性または増強された性能は、洗浄製品において特に望ましく、このような洗浄製品に用いられている漂白剤、過ホウ酸塩、過炭酸塩または過酸の存在下における酵素の貯蔵寿命を延長する。本発明におけるα−アミラーゼは、デンプンに関するプロセス、特に酸化および熱安定性が特に重要なデンプン液化において、特に有用である。改良された安定性を有するセルラーゼも本発明において開示され、そして例えばバイオマス還元(biomass reduction)、洗浄製品および織物処理組成物において特に有用である。
【0031】
本発明のさらなる実施形態は、本発明に係るタンパク質をコードするDNA、および、このようなDNAを含む発現ベクターである。DNA配列は、従来周知の技術を用いて、適切な発現ベクター中の発現制御配列にそれらを結合させるように処理し、その発現ベクターを適切なホストに形質導入することによって、発現させてよい。本発明のDNA配列を発現させるのに、多様な種類のホスト/発現ベクターの組み合わせを用いてよい。有用な発現ベクターとしては、例えば、この目的に有用な染色体のまたは非染色体セグメント、および、様々な既知のプラスミドやファージなどの合成DNA配列が挙げられる。加えて、多様な発現制御配列が一般的にこれらのベクターに用いることができる。例えば、バチルス属から得られたα−アミラーゼとともに、出願人は、バチルス属の形質転換体にとって好ましい発現制御配列は、Bacillus subtilisから誘導されたaprEシグナルペプチドであることを見出した。
【0032】
多様なホスト細胞も本発明のDNA配列を発現するのに有用である。これらのホストは、例えば、E.coli株、Pseudomonas、Bacillus Streptomyces、様々な菌類、酵母および動物細胞のような、周知の真核ホストまおよび原核ホストを含んでよい。精製や下流のム処理が容易であるために、本発明のタンパク質を細胞外に発現するホストが好ましい。本発明の改良されたタンパク質の発現および精製は、このようなプロセスを行うために当業界で認められる手段によってなされ得る。
【0033】
以下に実施例を記載するが、これは特許請求の範囲を限定するために解釈されるべきではない。ここで用いられる略語、特にアミノ酸の3文字または1文字表記は、Dale, J.W., Molecular Genetics of Bacteria, John Wiley & Sons, (1989) Appendix Bに説明されている。
【0034】
実施例
実施例1
プラスミドpHP.BLの構築
図3に示されるα−アミラーゼ遺伝子を、Bacillus licheniformis NCIB8061(Gray et al., J. Bacteriology, vol.166, pp.635-643 (1986))からクローニングした。その1.72kbのPstI−SstIフラグメントは、シグナル配列の少なくとも3個の残基、成熟したタンパク質全体、および、末端領域をコードしており、M13mp18にサブクローニングされた。以下に示す形態の、Bacillus amyloliquefaciens subtilisinの転写調節末端(Wells et al., Nucleic Acid Research, vol.ll, pp.7911-7925 (1983))を含むように設計された合成オリゴヌクレオチドカセットを用いて、合成ターミネーターをBclI部位およびSstI部位の間に挿入した。
【0035】
【化1】
【0036】
pBLaprプラスミドを、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼに関する遺伝子を含むように構築した。図7で説明されているように、pBLaprは、pBR322からのアンピシリン耐性遺伝子およびpC194からのクロラムフェニコール耐性遺伝子、aprEプロモーターおよびBacillus licheniformisのα−アミラーゼをコードする遺伝子(「BL AA」)を含む、6.1kbのプラスミドである。aprEプロモーターは、Bacillus subtilisのアルカリプロテアーゼのプロモーターおよびシグナル配列をコードする660bpのHindIII−PstIフラグメントで構成された。Pstl部位を除去し、SfiI部位をaprE/BL AA結合部の近くに付加した。BL AA遺伝子は、上述した1720bpのPstI−SstIフラグメントに含まれる。ここで説明される実験において、pBLaprは、成熟アミラーゼに関するコード配列の開始部位の5’末端に隣接するSfiI部位で構成されている。特に、pBLapr構造の5’末端は、pBLaprからM13BM20(ベーリンガーマンハイム社)へ、EcoRI−SstIIフラグメントをサブクローニングし、以下に示す変異オリゴヌクレオチドに関するコード鎖の鋳型を得た。
【0037】
【化2】
【0038】
このプライマーをSfiI部位(下線で示す)に導入した。それにより、この特定の制限部位が存在することによってスクリーニングされ得る正しい形態にした。EcoRI−SstHフラグメントをpBLaprベクターへサブクローニングにより戻すことにより、SfiI部位を有するプラスミドのバージョン(version)を得た。
【0039】
プラスミドpHP13(Haima et al., Mol. Gen. Genet., VOl. 209, pp.335-342 (1987))(図6)を、制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化し、得られたベクターを、ポリアクリルアミドゲル上で精製し、溶離した。プラスミドpEhaprを、HindIIIおよびAsp718で消化し、別のインキュベーションで、Asp718およびEcoRIで消化し、ゲルで精製した。二つのバンド、すなわちHindIII−Asp718(1203bp)およびAsp718−EcoRI(1253bp)をゲルで精製し、ゲルから溶離し、3ウェイライゲーション(3-way ligation)によってベクターに結合し、プラスミドpHP.BLを得た。当該プラスミドをα−アミラーゼの発現に用いた(図8)。
【0040】
実施例2
アスパラギン188に関する置換を含むα−アミラーゼをコードするプラスミドの構築
天然に存在する各アミノ酸によるAsn188(「N188」)の置換をコードする変異プライマー群を合成し、そして図1に示す(配列番号4〜22)。これらの変異をコードするα−アミラーゼ遺伝子変異体を、図9に要約される方法によって、図2に示すPCRプライマー(配列番号23〜32)を用いてPCRで製造した。
【0041】
段階(1):変異プライマーを、PCRプライマーのPCR A+およびPCR B−のためのテンプレートとして用い、伸長した(61bp)二重鎖DNAを得た。それぞれ、188位に異なるアミノ酸の置換を含み、N188M以外は全て、異なる制限部位を含んだ。はじめに、PCRプライマーを、35℃で5分間アニールし、続いてTaqポリメラーゼにより75℃で1分間DNA伸長した。次に二重鎖DNAを95℃で1分間解離し、続いてアニーリング段階および伸長段階を行った。解離、アニーリングおよび伸長のサイクルを、総計30サイクル続けた。
【0042】
段階(2):188位の上流および下流のDNAを、それぞれ別のPCR反応で合成した。テンプレートとしてはpBLaprを用い、PCRプライマーとしては、上流のDNAに関してはLAAfs5(配列番号27)およびPCR A−(配列番号24)を用い、下流のDNAに関してはPCR B+(配列番号25)およびPCR Cla−SalI(配列番号28)を用いた。DNAを95℃で1分間解離し、45℃で3分間アニールし、68℃で3分間伸長させた。上流の部分は290bpであり、下流は498bpである。この方法を、pfuポリメラーゼを用いて18サイクル繰り返した。同じPCR方法を、段階(3)および(4)で用いた。
【0043】
段階(3):段階(2)で説明したDNAの上流部分を、段階(1)で説明した二重鎖の変異プライマーに付加した。プライマーLAAfs5(配列番号27)およびPCR B−(配列番号26)を用いた。3つのテンプレート間で24bpのオーバーラップが生じるようにプライマーを設計し、ここに2ピースのDNAを付着させることができる。
【0044】
段階(4):段階(2)で示されたDNAの下流部分と、段階(3)の生産物とを結合して、目的の生産物を得た。2つのPCR産物間にある24bpのオーバーラップにより、結合が可能である。用いられたプライマーは、LAAfs5(配列番号27)およびPCR ClaI−SalI(配列番号28)であった。
【0045】
段階(5):特異的な制限部位、すなわちAsp718およびBssHIIは、それぞれ188部位の上流および下流に存在する。目的のPCR産物は、Asp718およびBssHIIで分解され、333bpのフラグメントをポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、pHP.BLベクターにサブクローニングし、pHP.N188Xを得た。
【0046】
変異を、ジデオキシ配列解析によって確認した(Sanger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., vol.74, pp.5463-5467 (1977))。
図3で用いられたDNA配列および番号付けシステムを参照すると、+188アミノ酸の位置をコードするコドンは、812〜814番の塩基対にある。PCRプライマーA+およびA−は、784〜807番の塩基対に相当する。PCRプライマーB+およびB−は、812〜844番の塩基対に相当する。PCRプライマーLAAfs5の5’末端は、518番の塩基対に相当する。PCRプライマーPCR Clal−Sallの5’末端は、1317番の塩基対に相当する。Asp718部位は、724番の塩基対に相当する。BssHII部位は、1053番の塩基対に相当する。
【0047】
実施例3
M15およびN188における変異をコードするプラスミドの構築
15位のアミノ酸がメチオニンからスレオニンに置換されたpBLaprプラスミドを、米国特許出願第08/194,664(PCT公報WO94/18314)に従って構築した。このプラスミド(pBLaprM15T)を、SfiIおよびAsp718で分解し、477bpフラグメントをpHP.BLにサブクローニングし、pHP.M15Tを製造した。上述した実施例1と同様の方法で、pHP.M15Tを、Asp718およびBssHIIで分解し、ゲルで精製し、該ゲルから溶離した。続いて、Asp718−BssHIIを含む333bpのフラグメント、および、pHP.N188SからのフラグメントをpHP.M15Tにサブクローニングし、プラスミドpHP.M15T/N188Sを得た。同様の方法で、プラスミドpBLaprM15LおよびpHP.N188Yを用いて、プライマーpHP.M15L/N188Yを構築した。
【0048】
実施例4
Bacillus subtilisのプラスミドによる形質転換、変異α−アミラーゼの発現および精製
実施例1〜3で説明したプラスミドによる形質転換の後、α−アミラーゼをBacillus subtilisで発現させた。pHP13は、E.coliやBacillus subtilis中で複製させることができる。異なる変異を含むプラスミドを、Anagnostopoulos et al., J. Bacter., vol.81 , pp.741-746 (1961)に説明されているように、E.coli株MM294を用いて構築し、該プラスミドを分離し、続いてBacillus subtilisを形質転換した。Bacillus株は二種のプロテアーゼ(Δapr、Δnpr)(例えば、Ferrari等の米国特許第5,264,366号を参照)およびアミラーゼ(ΔamyE)(例えば、Stahl et al., J. Bacter., vol.158, pp.411-418 (1984)を参照)によって溶解させた。M15L/N188Yを発現するBacillus株は、1%の不溶性スターチを含む寒天プレート上で、M15Lを発現する株より大きい透明ゾーンを形成することから、デンプン分解活性が増強されていることがわかった。形質転換後、sacU(Hy)変異体(Henner et al., Bacter., vo1., 170, pp.296-300 (1988))を、PBS−1で媒介される導入方法(Hoch, J. Bact., vol.154, pp.1513-1515 (1983))によって導入した。
【0049】
分泌されたアミラーゼを、Bacillus subtilisの培養物から普通に以下のようにして回収した。培養物を、硫酸アンモニウムで20%飽和に調節し、4℃で1時間攪拌した。遠心分離した後に得られた上清を、硫酸アンモニウム70%飽和に調節し、4℃で1時間攪拌した。その上清を遠心分離した後に得られた沈殿を、pH6.0で5mMの塩化カルシウムを含む50mM酢酸ナトリウムに再溶解し、ろ過滅菌した。
【0050】
実施例5
α−アミラーゼ活性を決定するための分析
可溶性基質分析(Soluble Substrate Assay):速度分析を、Megazyme (Aust.) Pty. Ltd.が販売するエンド−ポイントアッセイキット(end-point assay kit)に基き行った。バイアル中の基質(p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド、BPNPG7)を、10mlの滅菌水で溶解し、続いて分析緩衝液(50mMマレイン酸緩衝液、pH6.7、5mM塩化カルシウム、0.002%Tween20)で1:4に希釈した。分析は、25℃のキュベット中で、10μlのアミラーゼを790μlの基質に加えることによってなされた。75秒間反応させた後に410nmでの吸収が変化する速度を測定し、これを加水分解の速度とした。その結果によれば、0.2吸収単位/分(absorption units/min)の速度まで直線であった。
【0051】
α−アミラーゼのタンパク質濃度は、Bradford, Anal. Biochem., vol. 72, p. 248 (1976)に基く、ウシ血清アルブミンを標準に用いた標準的なバイオラッドアッセイ(Bio-Rad Laboratories)により測定された。
【0052】
デンプン加水分解分析:デンプンに対するα−アミラーゼ活性は、デンプンがヨウ素を含む青色複合体を形成する能力、および、デンプンが加水分解されてデキストリン分子に分解されるときにその色が消失することによる分析方法によって決定された。α−アミラーゼ活性は、分解されて、デンプンがデキストリンの状態になったことを示す色の変化に必要な時間において決定された。
【0053】
用いられた試薬は以下のとおりである。
リン酸緩衝液−リン酸2水素カリウム(340g)および水酸化ナトリウム(25.3g)を、水に溶解し、〜2リットルに希釈した。該緩衝液を室温まで冷やし、pHを6.2±0.1に調節した。該緩衝液をメスフラスコで2リットルに希釈した。
【0054】
デンプン基質−10gの可溶性リントナーデンプン(lintner starch)を、50mlの水に懸濁し、〜300mlの沸騰水中に投入した。その懸濁液を再び沸騰するまで加熱し、一定してかき混ぜながら5分間煮沸した。そのデンプン溶液を一定してかき混ぜながら室温まで冷やし、125mlのリン酸緩衝液を添加した。溶液を500mlに水で希釈した。デンプン基質は、毎日新たに作成した。
【0055】
保存ヨウ素溶液−ヨウ素の結晶(5.5g)およびヨウ化カリウム(11.0g)を、水に溶解し、体積測定により250mlに希釈した。その溶液を暗所に保存した。
【0056】
希釈ヨウ素溶液−ヨウ化カリウム(20g)および2mlの保存ヨウ素溶液を水に溶解し、体積測定により500mlに希釈した。溶液は、毎日新たに作成した。
【0057】
酵素希釈溶液−塩化カルシウム(11.1g)を4リットルの水に溶解した。全ての試薬で用いられた水はいずれも蒸留水または脱イオン水であった。
α−アミラーゼサンプルを、10〜15LU/ml(以下で定義される)の範囲で、酵素希釈溶液で希釈した。多くの市販のα−アミラーゼ製品において、適切な希釈は、2000倍であることがわかった。希釈ヨウ素溶液を5mlずつ13×100mmの試験管に分配し、10mlのデンプン基質を23×200mmの試験管に入れた。全ての試験管を30℃のウォーターバス中に置いた。特殊なα−アミラーゼカラーディスクを備えたHellige comparator(カタログ番号 620−s5)を用いて、読み取りを行った。5mlの希釈酵素(30℃)を、デンプン基質と混合し、時間計測をはじめた。適切な時間間隔で、例えば、反応初期1分間および反応後期15秒間の間隔で、酵素−基質混合物1mlを希釈ヨウ素溶液を含む試験管に移送した。デンプンヨウ素溶液を混合し、13mmの精密角型試験管に移送し、その色を、Hellige comparatorの標準α−アミラーゼカラーディスクと比較した。エンドポイントの時間が近づいてきたときに、サンプルを0.25分の間隔で分取した。
【0058】
サンプルの色とカラーディスクの色とが合致するのに要する時間を記録し、活性(グラムまたはmlあたりの液化量(liquefon)において)を以下の式に従って計算した。
【0059】
【数1】
LU/mlまたはLU/g=
式中、LUは液化量単位(liquefon unit)であり、Vは酵素の量(5mlまたはグラム)であり、tはデキストリン化する時間(分)であり、Dは希釈ファクター(希釈された酵素のmlまたはgで希釈液量を割った値)である。
【0060】
実施例6
熱安定性に関する、追加の変異α−アミラーゼの調製および試験
Bacillus stearothermophilusおよびBacillus amyloliquelaciensは、Bacillus licheniformisが生産するα−アミラーゼより安定性の劣るα−アミラーゼを生産する。これらのアミラーゼの配列から、Bacillus licheniformisと比べてBacillus stearothermophilusまたはBacillus amyloliquefaciensにおいて異なる残基を同定した。この分析から、Bacillus stealothermophilusおよびBacillus amyloliquefaciens両方において対応する残基は同一であるがBacillus licheniformisとは異なるような5つの位置の1以上の位置で置換された、Bacillus licheniformisの配列に基く変異α−アミラーゼを製造した。該5つの位置とは、M15T/H133Y/N1885/A209Vと組み合わされたA33S、A52S、N96Q、S148N、A379Sであり、これらと、M15T/H133Y/N1885/A209Vの置換のみを含む変異体と比較した。加えて変異体S85Dを組み込み、これは、Bacillus amyloliquefaciensのα−アミラーゼからのみ補充されたことを示す。望ましい変異体を得るために適切なPCRプライマーを用いたことを除いては、実施例1〜4に記載の方法に従って変異体を製造した。
【0061】
様々な変異体における熱失活の速度を、以下の方法によって測定した。アミラーゼ保存溶液を、20mM酢酸アンモニウム、4mM CaCl2、pH6.5の溶液中でよく透析した。安定性の測定のために、この保存溶液を、天然型アミラーゼの迅速な失活を誘導するように調製された溶液で50倍超に希釈した。該溶液は、50mM酢酸アンモニウム、5mM CaCl2、0.02%Tween20、pH4.9または4.8であり、最終濃度は30〜50μg/mlであった。6個のエッペンドルフチューブに上記希釈された溶液を100μlずつ入れ、82〜83℃のウォーターバス中に置いた。一定時間でエッペンドルフチューブを取り出し、30秒〜5分の間隔で測定し、失活を止めるために氷上においた。実施例5で説明した可溶性基質を用いて残存活性を分析した。活性の自然対数をインキュベート時間に対してプロットし、失活に関する速度定数を直線の傾きから得た。ln(2)を速度定数で割ることによって半減期を計算した。様々な変異体に関する結果を表1〜4に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
実施例7
より安定なセルラーゼの安定性の改良のための、より安定でないセルラーゼからの残基のより安定なセルラーゼへの補充
様々な種からのTrichoderma reesei EGIIIセルラーゼの相同体を得て、熱安定性を試験した。セルラーゼは、(A)Hypocrea schweinitzii、(B)Aspergillus aculeatus、(C)Aspergillus kawachii、(D)Gliocladium roseum (1)、(E)Gliocladium roseum(2)、(F)Gliocladium roseum (3)および(G)Humicola griseaから得られた。上記のなかでもセルラーゼ(a)〜(f)は、分析条件下でEGIIIより熱的に安定ではない。セルラーゼ(g)はEGIIIより安定である。従って、これらのセルラーゼが並べられた配列(図11に示す)から、より安定なセルラーゼに比べてより安定でないセルラーゼ中に存在する残基をピックアップすることができる。表の読み取りをわかりやすくするために、変異が記録された位置は太字で強調されている。続いてEGIIIの変異体をこの情報に基き調製した。加えて、変異セルラーゼ(g)は、EGIIIからの補充に基き調製された。
【0067】
平衡円2色性を、Aviv市販の5ポジション熱電流セルホルダーを備えたAviv 62DSまたは62ADS分光光度計によって測定した。緩衝液は、酢酸でpH8.0に調節した50mMビス−トリスプロパンおよび50mM酢酸アンモニウムであった。各実験において最終的なタンパク質濃度は、5〜30μMの範囲であった。経路の長さ(path length)0.1cmのセル中でデータをとった。
【0068】
265〜210nmにおいてスペクトルを収集した。217nmで、30〜90℃の範囲で熱変性させ、2℃毎にデータをとった。各温度における平衡時間は、0.1分であり、サンプルあたり4秒間データをとった。
【0069】
pH8.0サンプルの残りを、5×400μLに分配した。2個のサンプルを酢酸でpH5および7に調節し、他の2個を水酸化ナトリウムでpH9および10に調節した。全てのサンプルを上述したように同時に熱変性させた。
【0070】
表5において、より安定でないセルラーゼからEGIIIへの補充に基き調製された24個の変異体、および、EGIIIからのHumicola griseaから分離された相同体への補充に基き調製された3個の変異体を示す(表5におけるH.griseaに対する番号付けは、図11のEGIIIの番号付けに基くことに留意すること)。これらのうち有意な数が、天然型分子(EGIIIまたはセルラーゼ(g)のいずれか)より改良された安定性を有ししており、それらを表5において太字で示す。
【0071】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼからのAsn188の特異的変異導入の間に有用な変異オリゴヌクレオチドを説明する。オリゴヌクレオチド構造を説明する図1〜11において、太字の文字はオリゴヌクレオチドによって導入された塩基の変更を示し、下線はオリゴヌクレオチドによって導入された制限エンドヌクレアーゼ部位を示す。
【図2】 図2は、変異オリゴヌクレオチドテンプレートのPCR処理に用いられるPCRプライマーを説明する。
【図3】 図3は、Gray et al., J. Bacteriology, vol.166, pp.635-643 (1986)によって説明されている、Bacillus licheniformis(NCIB 8061)のα−アミラーゼに関する遺伝子のDNA配列(配列番号33)、および、翻訳産物から導き出されたアミノ酸配列(配列番号41)を説明する。
【図4】 図4は、Bacillus licheniformisからの成熟α−アミラーゼ酵素のアミノ酸配列(配列番号34)を説明する。
【図5】 図5は、3種のバチルス属のα−アミラーゼの一次構造のアライメントを説明する。Bacillus licheniformisのα−アミラーゼ(Am−Lich)(配列番号35)は、Gray et al., J. Bacteriology. vol.1 66, pp.635-643 (1986)によって説明されており、Bacillus amyloliquefaciensのα−アミラーゼ(Am−Amylo)(配列番号36)は、Takkinen et al., J. Biol Chem., vol.258, pp.1007-1013 (1983)によって説明されており、Bacillus stearothermophilusのα−アミラーゼ(Am−Stearo)(配列番号37)は、Ihara et al., J. Biochem., vol.98, pp.95-103 (1985)によって説明されている。
【図6】 図6は、プラスミドpHP13を説明し、ここでCmRはクロラムフェニコール耐性、EmRはエリスロマイシン耐性、および、Rep pTA1060はプラスミドpTA1060からの複製のオリジンを意味する。
【図7】 図7は、pBLaprプラスミドを説明し、ここでBL AAはBacillus licheniformisのα−アミラーゼ遺伝子、aprEはaprE遺伝子の領域をコードするプロモーターおよびシグナルペプチド、AmpRはpBR322からのアンピシリン耐性遺伝子、CATはpCl94からのクロラムフェニコール耐性遺伝子を意味する。
【図8】 図8は、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼをコードするpHP.BLプラスミドを説明する。
【図9】 図9は、Bacillus licheniformisから得られるα−アミラーゼに対応する変異オリゴヌクレオチドを製造するのに用いられたPCR方法の模式図である。
【図10】 図10は、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼにおけるシグナル配列−成熟タンパク質の結合(配列番号38)、Bacillus subtilis aprEのα−アミラーゼにおけるシグナル配列−成熟タンパク質の結合(配列番号39)、および、pBLapr(配列番号40)におけるBacillus licheniformisのα−アミラーゼにおけるシグナル配列−成熟タンパク質の結合を説明する。
【図11】 図11は、Trichoerma reesei(EGIII)(配列番号41)、Hypocrea schweinitzii(配列番号42)、Aspelgillus aculeatus(配列番号43)、Aspergillus kawachii(配列番号44)、Humicola grisea (配列番号45)、Gliocladium roseum(1)(配列番号46)、Gliocladium roesum(2)(配列番号47)、Gliocladium roseum(3)(配列番号48)から得られた特定のセルラーゼに相当する、8個の相同なエンドヌクレアーゼ酵素の配列アライメントを説明する。番号付けは、EGIIIの番号付けに基づく。
Claims (8)
- 配列番号41のT. reesei EGIIIセルラーゼの配列を有する前駆体アミノ酸配列から修飾されたアミノ酸配列を含有するセルラーゼであって、
修飾は201番目のプロリンのシステインへの置換を含み、該アミノ酸の番号は図11に示した番号に従い;
前記セルラーゼは、前駆体アミノ酸配列を有するセルラーゼと比較して、増強された熱安定性を有する、
前記セルラーゼ。 - 請求項1に記載のセルラーゼをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含有する発現ベクター。
- 請求項2に記載のポリヌクレオチド又は請求項3に記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 請求項1に記載のセルラーゼの製造方法であって、
(a)前駆体アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを修飾し、請求項2で定義されたセルラーゼをコードする修飾ポリヌクレオチドを製造し;
(b)前記修飾ポリヌクレオチドを宿主細胞で発現させ;そして
(c)発現されたセルラーゼタンパク質を精製する、
ことを含む、前記製造方法。 - バイオマス還元における請求項1に記載のセルラーゼの使用。
- 洗浄製品における請求項1に記載のセルラーゼの使用。
- 織物処理組成物における請求項1に記載のセルラーゼの使用。
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