JP4656531B2 - 成形型の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型から成形品(例えば光学レンズ)を成形する際の当該成形品の形状変化を補正して所望形状の成形品を成形する成形型を設計する成形型の設計方法、この成形型の設計方法にて設計された成形型、及びその成形型により成形された成形品に関する。
光学レンズを成形する場合、光学レンズの設計値をそのまま成形型に用いて成形型を設計し、製造すると、その成形型で製造した光学レンズは、その設計値と同一の形状で製造されない場合がある。その原因は、素材に依存する成形収縮や光学レンズの形状に起因する応力などのためで、成形型の成形面がレンズ面に精度よく転写されないためである。
例えば、球面レンズを成形すべく、球面の成形面を有する成形型を用いて成形すると、成形された光学レンズは、非球面形状を含む球面以外の面形状となってしまうことがある。従って、成形型を設計する場合、これらの諸要因を考慮して、成形型に適切な形状補正を加える必要がある。
これらの成形型の成形面の補正量は、光学レンズの屈折力、レンズ素材、設計曲面の形状毎に異なり、これらの組み合わせにより複雑な傾向を有する。適切な補正量を決定するためには、各成形型において実際の変形を実験的に検証する必要がある。
また、補正量の予測や定量化は困難であり、適切な補正量の決定は熟練が必要とされていた。
具体的な作業は(a)全種類の光学レンズを、該当する成形型によりテスト成形し、(b)光学レンズの設計値に対する誤差を測定する。そして(c)測定された誤差に様々な係数を乗じて仮の補正量(経験値)を算出して成型型を作り直す。(d)作り直された成形型により光学レンズを再度テスト成形し、(e)光学レンズの形状誤差を測定する。上記(c)〜(e)を繰り返して補正の最適化を行うのが一般的手法である。
ところが、このような成形型の形状補正の最適化作業を行うためには数多くの成形テストを必要とする。特に、例えば眼鏡レンズの場合、多種の成形型を必要とする。即ち、眼鏡レンズは、個々の眼鏡装用者の処方に対応するレンズを用意しなくてはならない。例えば、処方に対応する眼鏡レンズの度数範囲について、球面度数の頂点屈折力の範囲を−8.00ジオプター(D)〜+6.00ジオプター(D)、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとした場合、球面度数の種類は56種類となる。
さらに、乱視処方に対応する乱視屈折力を0.25ジオプター(D)〜2.00ジオプター(D)の範囲とした場合、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとすると乱視の種類で8種類必要である。従って、球面処方および乱視処方を組み合わせると、一つ製品において、448種のレンズ度数に対応する必要があり、さらに成形型は上下の2つの成形型で構成されるので、全部で896種となる。
このため成形型の作成においては、前述のような型毎の形状補正の作業を伴うため、多くの製作期間を必要としていた。
一方、成形型の成形面に加える補正方法については、成形された光学レンズと、この光学レンズの設計値との誤差が最小となるように最小二乗法を用いて単一の曲率を有する球面形状を求め、この球面形状の曲率を平均曲率として用いて成形型を補正する方法が知られている(第1の従来の技術)。
また、第2の従来の技術として、単純な形状の場合には、収縮を考慮した変形が予測可能であり、この予測値を補正量として適用する方法もある(特許文献1)。
更に、第3の従来の技術として、立体形状を非球面測定機によって測定し、設計値との形状誤差を求め、さらに測定器に対するセッティング誤差を除いた形状誤差測定値に基づき補正する方法もある(特許文献2)。
特開平2003−117925号公報 特開平8−216272号公報
しかしながら、第1の従来の技術における平均曲率による誤差の評価では、球面形状以外の形状誤差を評価することができず、従って、この球面形状以外の形状誤差を補正することができない。
また、第2の従来の技術を用いて光学レンズの成形型を設計する場合、例えば眼鏡レンズの場合には凸面及び凹面からなるメニスカス形状を有し、その形状が複雑であるため、収縮を考慮した変形量を予測して成形型を設計することは困難である。
更に、第3の従来の技術では測定誤差を除去しているものの、形状誤差測定値は、レンズ表面の粗さ、及びレンズ表面に付着した異物等の影響をノイズとして含んでいる。このため、形状誤差以外のノイズが補正量に反映されてしまい、補正の精度が低下して、成形型から光学レンズを高精度に成形できない恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、成形型から成形品を成形する際の当該成形品の形状変形を補正して、曲面が非球面の所望形状の成形品を成形する成形型を効率的に設計できる成形型およびその成形型の設計方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記成形型を用いた成形品を提供することにある。
請求項1に係る成形型の設計方法は、成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、測定した上記成形品の曲面と上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として特定し、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を、当該非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報を用いて補正して設計することを特徴とするものである。
請求項2に係る成形型の設計方法は、請求項1に記載の発明において、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面における頂点曲率半径、または当該成形品の非球面形状の設計曲面における全面での平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面の補正情報であることを特徴とするものである。
請求項3に係る成形型の設計方法は、成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて上記成形品の曲面を非球面として特定し、非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と、上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化し、このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の最終成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計することを特徴とするものである。
請求項4に係る成形型の設計方法は、請求項3に記載の発明において、上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを含む多項式であることを特徴とするものである。
請求項5に係る成形型の設計方法は、請求項3または4に記載の発明において、上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを加算すること特徴とするものである。
請求項6に係る成形型の設計方法は、請求項3乃至5のいずれかに記載の発明において、上記非球面の式は、Zを成形品の頂点から当該成形品の軸方向に測った距離、X、Yを上記頂点から上記軸と垂直な方向に測った距離としたときにρをρ=X+Y、Rを頂点曲率半径としたときに頂点曲率CをC=1/R、Kを円錐係数、A2iを非球面係数(iが整数)としたとき、次の式(1)であることを特徴とするものである。
Figure 0004656531
請求項7に係る成形型の設計方法は、請求項6に記載の発明において、上記式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された成形品の曲面における球面形状成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型の成形面の全体形状を補正する全体形状補正情報を求め、また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された上記成形型の上記成形面の局所形状を補正する局所形状補正情報を求め、これらの各補正情報のそれぞれを分離独立して、設計曲面が球面形状を有する上記成形品の特性毎にデータベース化することを特徴とするものである。
請求項8に係る成形型の設計方法は、請求項7に記載の発明において、上記全体形状補正情報は、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す基準球面の曲率半径と、成形品の球面形状の設計曲面における曲率半径との差に基づいて決定することを特徴とするものである。
請求項9に係る成形型の設計方法は、請求項7または8に記載の発明において、上記局所形状補正情報は、式(1)の第2項である多項式成分が表す、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の高さ(Z値)と、上記成形品の球面形状の設計曲面の高さ(Z値)とを用いて算出される形状変化率に基づいて決定し、上記形状変化率をデータベース化することを特徴とするものである。
請求項10に係る成形型の設計方法は、請求項3乃至9のいずれかに記載の発明において、上記成形品の特性は、当該成形品である光学レンズのレンズ素材及び、球面形状の設計曲面の形状であることを特徴とするものである。
請求項11に係る成形型の設計方法は、請求項3乃至10のいずれかに記載の発明において、曲面が非球面形状の最終成形品を成形する上記成形型の成形面の設計は、成形品の非球面形状の設計曲面に、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した、データベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報を加算することにより実施することを特徴とするものである。
請求項12に係る成形型の設計方法は、請求項11に記載の発明において、非球面形状の曲面を有する最終成形品に適合した、データベース化された上記全体形状補正情報と上記局所形状補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面の平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面についてデータベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報であることを特徴とするものである。
請求項13に係る成形型は、請求項1乃至12のいずれかに記載の成形型の設計方法を実施して成形されたことを特徴とするものである。
請求項14に係る成形品は、請求項13に記載の成形型を用いて成形されたことを特徴とするものである。
請求項15に係る成形品は、請求項14に記載の成形品がメニスカス形状の眼鏡レンズであることを特徴とするものである。
請求項1または2に記載の発明によれば、測定した成形品の曲面と当該成形品の球面形状の設計曲面との誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として特定し、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を、当該非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報を用いて補正して設計する。このため、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した補正情報を用いることによって、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正する補正情報を短時間に確定できる。この結果、曲面が非球面の所望形状の成形品を成形する成形型の成形面を効率的に設計することができる。
請求項3乃至6、10乃至12のいずれかに記載の発明によれば、成形面が成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型から成形品を成形し、この成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて、当該成形された成形品の曲面を非球面として特定する。このことから、成形された成形品の曲面形状のうち、球面成分のみならず、球面以外の成分をも非球面の式に近似させて定量化し特定できる。このため、非球面に特定された上記成形品の曲面と当該成形品の球面形状の設計曲面との誤差が、球面形状成分と球面形状以外の成分とを正確に取り込んだものとなり、この誤差に対応する補正情報も正確となる。
また、成形された成形品の曲面形状の測定値を非球面の式に近似させて、この成形品の曲面形状を非球面として定量化して特定したので、測定値に含まれる測定誤差や成形品の曲面の表面粗さ等のノイズを排除して、成形された成形品の曲面の表面形状のみを抽出できる。
更に、非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と当該成形品の球面形状の設計曲面との誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化する。そして、このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計する。このため、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した補正情報をデータベースから取り出すことによって、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正する補正情報を短時間に確定できる。
これらの結果、曲面が非球面の所望形状の成形品を成形する成形型の成形面を効率的に設計することができる。
請求項7乃至9のいずれかに記載の発明によれば、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された成形品の曲面における球面形状成分の誤差(平均表面屈折力の誤差)に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型の成形面の全体形状を補正する全体形状補正情報を求める。また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された上記成形型の上記成形面の局所形状を補正する局所形状補正情報を求める。このように、全体形状補正情報と局所形状補正情報とを分離独立して求めることで、成形された成形品の誤差(球面形状成分の誤差と球面形状以外の成分の誤差)を精度よく補正情報に反映して適切な補正を実施して成形型の成形面を設計できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
〔A〕第1の実施の形態(図1〜図10)
図1は、本発明に係る成形型の設計方法における第1の実施の形態が実施されて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。図5は、図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面および設計曲面などを示すグラフである。図7は、図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。
(レンズ製造用成形鋳型の構成の説明)
図1に示す成形型10は、プラスチック製の球面レンズをキャスト法と呼ばれる製法によって成形するものであり、上型モールド11、下型モールド12及びガスケット13を有して構成される。上記上型モールド11及び下型モールド12はレンズ母型と総称される。
ガスケット13は、弾性を有する樹脂にて円筒形状に形成され、内周面に上型モールド11と下型モールド12を所定距離離間して液密に保持する。これらの上型モールド11、下型モールド12及びガスケット13に囲まれてキャビティ14が構成される。ガスケット13には、このキャビティ14内へ、光学レンズの原料であるモノマーを注入するための注入部15が一体に設けられている。また、ガスケット13の高さは、成形品である光学レンズの周縁部の厚みを確保できる寸法に設定される。
上型モールド11及び下型モールド12はガラスなどで構成される。上型モールド11は、光学レンズの曲面(凸面)を形成すべく凹面型に形成される。また、下型モールド12は、光学レンズの曲面(凹面)を形成すべく凸面型に形成される。これらの上型モールド11及び下型モールド12においては、図2にも示すように、光学レンズのレンズ曲面を形成する面を使用面16と称し、上記レンズ曲面を形成しない面を非使用面17と称する。
(光学レンズの製造方法の説明)
上述の成形型10を用いた光学レンズの製造手順を、図3を参照して説明する。
まず、光学レンズの原料であるモノマーを用意する(S1)。このモノマーは熱硬化樹脂であり、この樹脂に触媒と紫外線吸収剤などを加えて調合し、フィルタで濾過する(S2)。
次に、ガスケット13に上型モールド11及び下型モールド12を組み付けて成形型10を完成する(S3)。そして、この成形型10のキャビティ14内に、上述の如く調合されたモノマーを注入し、電気炉内で加熱重合させて硬化させる(S4)。成形型10内でモノマーの重合が完了することでプラスチック製光学レンズが成形され、この光学レンズを成形型10から離型する(S5)。
光学レンズの離型後に、重合より生じたレンズ内部の歪みを除去すべく、アニールと呼ばれる加熱処理を実施する(S6)。その後、中間検査として外観検査及び投影検査を光学レンズに対し実施する。
光学レンズは、この段階で完成品と半製品(セミ品)に区分けされ、半製品に対しては処方に応じて第2面を研磨する。完成品に対しては、その後、カラー製品を得るための染色工程、傷に対し強化する強化コート工程、反射防止用の反射防止コート工程を実施し(S7)、最終検査を実施する(S8)。完成品は、この最終検査後に製品となる(S9)。
上述の光学レンズの製造工程において使用される成形型10の上型モールド11及び下型モールド12の製造手順を、図4を参照して次に述べる。
上型モールド11及び下型モールド12は、プレス加工した厚いガラスブランクスの両面を加工することで得られるため、まず、このガラスブランクスを用意する(S11)。
このガラスブランクスを加工することで、ガラスブランクスのプレス面の表面欠陥層を除去し、使用面16及び非使用面17を所定精度の曲率半径にすると同時に、微細で均一粗さの高精度な使用面16及び非使用面17を得る。ガラスブランクスの上記加工は、研削及び研磨によって実施される。
研削工程は、具体的には、NC制御を行う自由曲面研削機においてダイヤモンドホイールを使用し、ガラスブランクスの両面(使用面16及び非使用面17)を所定の曲率半径に研削する(S12)。この研削により、ガラスブランクスから上型モールド11及び下型モールド12が形成される。
研磨工程は、ゴム製の中空皿にポリウレタンまたはフェルトを貼着した研磨皿を使用し、酸化セリウム・酸化ジルコニウム等の微細粒子を研磨剤として、研削により形成された上型モールド11及び下型モールド12の両面を研磨する(S13)。この研磨工程によって、研削工程において生じた上型モールド11及び下型モールド12のそれぞれの使用面16及び非使用面17における表面の凹凸を除去して透明とする(砂目抜き)。そして、更に、この使用面16及び非使用面17を効果的に十分な表面精度に仕上げる。
この研磨工程後に上型モールド11及び下型モールド12を検査し(S14)、使用面16にレイアウトパターンの基準位置となる隠しマークをマーキングする(S15)。レイアウトパターンは、光学レンズの光学的レイアウトを示すものであり、円形状の光学レンズを眼鏡フレームに枠入れする際に使用するものである。このレイアウトパターンは、光学レンズの表面に消去可能にマーキングされる。
隠しマークのマーキング後に、上型モールド11及び下型モールド12に対し科学的なガラス強化処理を実施して(S16)、上型モールド11及び下型モールド12を完成する(S17)。この上型モールド11及び下型モールド12は、光学レンズの処方の屈折力に応じて製作されるため、ガスケット13と共に多くの種類が必要となる。
(モールド設計方法の説明)
上述のようにして製造される成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の設計手順を、図5及び図7を参照して次に述べる。
まず、成形品である光学レンズをテスト成形する成形型10を用意する。成形されるべき上記光学レンズは、曲面が球面形状の球面レンズである。従って、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における成形面たる使用面16も球面形状に形成される。この場合、上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の曲率半径は、光学レンズの曲面の設定値(例えばレンズの頂点屈折力における曲率半径である設計頂点曲率半径R)と等しく形成される。尚、設計頂点曲率半径Rを有する光学レンズの曲面を、設計曲面20(図5)と称する。
次に、上述の上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10を用いて成形テストを実施し、成形型10にモノマーを注入して加熱重合し、テスト成形品たる光学レンズを成形する。このテスト成形された光学レンズの曲面形状は、モノマーの熱収縮などが原因となって球面形状に形成されない。本発明者は鋭意検討の結果、成形後の形状変化による誤差量の主成分が下記式(1)で表される非球面の式で近似する事ができることを見いだした。すなわちテスト成形された光学レンズの曲面形状は、非球面形状を含む球面以外の形状に成形されてしまう。そこで、この成形された光学レンズの表面の曲面形状を、後述の転写マーキング32(図9)を基準として形状測定器を用いて測定する(図7のS21)。そして、この測定値を最小二乗法を用いて非球面の式に近似させて、テスト成形された光学レンズの曲面を非球面として定量化し特定する。
上記非球面の式は、Zを頂点Oから光軸P方向に測った距離、X、Yを上記頂点Oから上記光軸Pと垂直な方向に測った距離としたときにρをρ=X+Y、Rを頂点曲率半径としたときに頂点曲率CをC=1/R、Kを円錐係数、A2iを非球面係数(iが整数)としたとき、回転対称な非球面形状を表す次式(1)である。この式(1)はスペンサーの式とも称される。(for details, see J. opt. Soc.AM.52(1962)672)
Figure 0004656531
但し実際には、計算を容易に実施するために、上記式(1)を変形した次式(2)を用い、上記測定値を最小二乗法を用いて式(2)に近似させて定量化して特定し、当該式(2)の係数B2i(式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを含む係数)を算出する。ここで、係数B2iのiは整数である。
Figure 0004656531
この式(1)から式(2)への変形は、次のようにしてなされる。つまり、Q=1+K(Kは係数)として式(1)の第1項を有理化すると、
Figure 0004656531
平方根の部分を級数展開すると
Figure 0004656531
これを式(a)に代入すると、
Figure 0004656531
これを式(1)に代入してρの多項式としてまとめると、上記式(1)は以下の式(2)で表すことができる。
Figure 0004656531
ただし、
Figure 0004656531
上述のように、テスト成形された光学レンズの曲面形状の測定値を式(2)に近似させることで算出された係数B2iから、上記式(b)を用いて、式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを計算する。これにより、テスト成形された光学レンズの曲面形状を式(1)により定量化して特定する。しかし、テスト成形された光学レンズの曲面形状の測定値を式(1)に直接近似させて定量化して特定し、この式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを求めてもよい。いずれの場合も、式(1)による定量化に際しては、円錐係数KをK=0(すなわちQ=1)とし、式(1)の第1項を球面を表す式として頂点曲率Cを算出し、i=2、3、4、5として非球面係数A、A、A、A10を算出する。
この式(1)により特定された、テスト成形された光学レンズの曲面形状を、図5に成形曲面21として示す。この成形曲面21は非球面形状である。また、この図5において符号22は、式(1)にて定量化されて特定された光学レンズの成形曲面21のうち、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分の曲面形状を表す。この曲面形状22は、式(1)の頂点曲率Cの逆数である頂点曲率半径R(R=1/C)を曲率半径とする球面(基準球面)を示す。
更に、図5におけるZNは、式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面21のうちの球面形状以外の成分を表し、式(1)の第2項である多項式成分を示す。このZNが示す上記多項式成分は、図6の符号23に示すように、式(1)第1項の基準球面成分に対し誤差成分となっている。
次に、テスト成形されて式(1)にて定量化されて特定された光学レンズのデータを解析する(図7のS22)。このデータ解析では、式(1)の頂点曲率C(頂点曲率半径R)及び非球面係数A、A、A、A10が使用される。例えば、光学レンズの設計曲面20の設計頂点曲率半径RをR=532.680mmとしたとき、使用面16が上記設計曲面20に形成された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10から成形されて、式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面21の頂点曲率半径R(=1/C)はR=489.001mm、また、非球面係数A、A、A、A10は表1に示すように設定される。これらの頂点曲率半径R及び非球面係数A、A、A、A10が、データ解析において使用される。
Figure 0004656531
(モールド設計方法:誤差の球面、及び非球面成分の分離)
このデータ解析では、テスト成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項である基準球面成分と、式(1)の第2項である多項式成分とを分離独立して取り扱う。
ところで、従来技術は形状誤差の球面成分及び非球面成分を一体として補正を行う。従って、形状誤差の補正係数も球面成分と非球面成分とで同一の係数が適用される。ところが、後述する各レンズ形状毎の補正数値は、形状誤差の球面成分と非球面成分とで形状毎に全く異なる。例えば、図12(b)は、形状誤差の球面成分の凹面側における補正数値である。この図12(b)の示すところは、レンズの表面形状が変化しても、一部の形状を除き、凹面側の球面成分補正値が一定であることを示す。さらに図12(a)は、形状誤差の球面成分凸面側における補正数値である。この図12(a)が示す補正数値は、凸面側形状が屈折力4D以上では一定となることを示す。すなわち、全体形状補正値は、屈折力4D以上では凹凸両面で形状誤差の補正数値が一定である事を示す。一方、形状誤差の非球面成分は全ての屈折力で異なる値を示し、形状誤差及び補正値、ならびに成型品の形状には傾向がない。
しかし、従来技術では、形状誤差の球面成分と非球面成分を一体に補正する。したがって、すべての形状において補正値を変更することとなる。しかしながら、本来変更しなくてもよい屈折力4D以上のレンズ形状の形状誤差球面成分についても、変更して補正を行うことになるため、補正値確定は更に複雑化する。結果として、全ての成形型毎に試作を十分繰り返し、適切な補正値を確定する事になる。本実施形態は、形状誤差の球面成分と非球面成分を分離させて、補正情報を独立して求めることで、適切な補正を実施して容易に成形型を設計することができる。
つまり、テスト成形されて式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面21(図5)と当該光学レンズの設計曲面20との誤差のうち、球面形状成分の誤差に対応する情報を、式(1)第1項(K=0)である基準球面成分(図5の曲面形状22が表す形状)を用いて算出する。この情報を全体形状補正情報とする(図7のS23)。この全体形状補正情報は、成形型10の上型モールド11、下型モールド12における使用面16の全面形状を補正して、上記球面形状成分の誤差を解消するものである。
具体的には、成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す曲面形状22(基準球面)の頂点曲率半径Rと、光学レンズの設計曲面20における設計頂点曲率半径Rとの、Z方向における差Hを、成形された光学レンズの成形曲面21における球面形状成分の誤差として算出する。この差Hを全体形状補正情報として決定する。この全体形状補正情報は、成形される光学レンズが所望の屈折力を得るために必要な補正情報である。
成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す曲面形状22(基準球面)の頂点曲率半径Rと、光学レンズの設計曲面20における設計頂点曲率半径Rは素材の収縮率により一致しない場合がある。また、その収縮率は素材毎に異なる。これらの頂点曲率半径Rと設計頂点曲率半径Rの差が、後述の式(3)の面屈折力換算で2D以下、好ましくは1D以下であれば、上記全体形状補正情報と後述の局所形状補正情報を用いることによって、成形品(光学レンズ)の成形曲面を所望の形状とすることが可能となる。
また、テスト成形されて式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面21と当該光学レンズの設計曲面20との誤差のうち、球面形状以外の成分の誤差に対応する情報を、式(1)第2項である多項式成分(図5のZNが表す)を用いて算出する。この情報を局所形状補正情報とする。(図7のS24)。この局所形状補正情報は、成形型10の上型モールド11、下型モールド12における使用面16の局所形状を補正して、つまり使用面16を部分的に補正して上記球面形状以外の成分の誤差を解消するものである。
具体的には、成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第2項である多項式成分が表す、当該光学レンズの成形曲面21(図5)における球面形状以外の成分の高さ(Z値)ZNと、光学レンズの設計曲面20における高さ(Z値)ZMとを用いて形状変化率を算出する。この形状変化率は、形状変化率=ZN/ZMとして算出され、テスト成形された光学レンズの頂点からの各位置において算出される。局所形状補正情報は、光学レンズの頂点からの各位置において、当該位置における形状変化率に、当該位置における光学レンズの設計曲面20の高さZMを乗じた値として算出して決定される。
ここで、上記高さZNは、式(1)第1項(K=0)の基準球面成分が表す曲面形状22(基準球面)と、成形されて式(1)により特定された光学レンズの成形曲面21とにおいて、光学レンズの頂点からの同一位置におけるそれぞれの高さ(Z値)の差で表される。
最後に、上述のようにして算出した局所形状補正情報と全体形状補正情報とを用い、成形型10における上型モールド11、下型モールド12の使用面16を補正して設計する(図7のS25)。
つまり、まず、光学レンズの設計曲面20に形成された上型モールド11、下型モールド12の使用面16におけるレンズ頂点からの各位置の設計値に、当該各位置に対応した局所形状補正情報をZ方向に加算する。これにより、成形される光学レンズの成形曲面21における球面形状以外の成分の誤差を解消する。次に、局所形状補正情報が加算された上型モールド11、下型モールド12の使用面16における全面の設計値に、全体形状補正情報(差H)をZ方向に加算する。これにより、成形される光学レンズの成形曲面21における球面形状成分の誤差を解消する。このようにして、上型モールド11、下型モールド12の使用面16の設計値を補正して、当該使用面16を設計する。
尚、上記全体形状補正情報の加算は、下型モールド12の使用面16の設計値に対してのみ実施されてもよい。その理由は、下型モールド12が各種の光学レンズにおいて共通であり、補正すべき使用面16の数が上型モールド11に比べて少ないからである。また、その理由は、下型モールド12の使用面16により成形される光学レンズの曲面(凹面)の曲率半径を変えることで、当該光学レンズの曲面(凸面)への影響が均一に作用すると考えられるためでもある。
上述のように上型モールド11、下型モールド12の使用面16を補正して設計する設計手順を、図8を参照して更に説明する。
上型モールド11、下型モールド12の使用面16は、成形される光学レンズの寸法よりも大きくならなければならないため、光学レンズの曲面の設計値を拡張して使用面16の設計値を算出する(S31)。この算出された設計値に基づき、使用面16が光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R)と等しくなるように上型モールド11及び下型モールド12を製作し、成形型10を組み立てる(S32)。
次に、組み立てられた成形型10内にモノマーを注入して光学レンズをテスト成形し、成形品たる光学レンズの曲面形状を、後述の転写マーキング32(図9)を基準として形状測定器を用いて測定する(S33)。この形状測定器は、本実施の形態では、例えばテーラーホブソン社製のフォームタリサーフを主として用いているが、非接触式3次元測定器(例えば松下電器社製のUA3P等)等を用いることもでき、とくに測定装置について限定されるものではない。フォームタリサーフはルビーもしくはダイヤモンドが測定子の先端に配置され、測定子先端がレンズの表面上を接触しながら移動し、レンズ表面を走査して表面形状を測定し、その測定軌跡は通常直線のみとなっている。一方、3次元測定器は、分子間力により測定面から一定なる微小量浮上して表面を走査する方式のものである。
次に、テスト成形された光学レンズの上記測定値を式(2)に最小二乗法を用いて近似し、成形された光学レンズの曲面形状を定量化して特定し、係数B2iを算出する。更に、この係数B2iから式(b)を用いて、式(1)(K=0)の頂点曲率C及び非球面係数A、A、A、A10を算出し、成形された光学レンズの曲面形状を式(1)(K=0)により定量化して特定する。
その後、上記頂点曲率C及び非球面係数A、A、A、A10を用いて、成形されて式(1)に定量化された光学レンズのデータを解析する(S34)。この際、式(1)の第1項(K=0)と第2項を分離独立して取り扱い、第1項(K=0)から全体形状補正情報を算出し(S35)、第2項から局所形状補正情報を算出する(S36)。
次に、算出された局所形状補正情報及び全体形状補正情報を、光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R)に形成された上型モールド11、下型モールド12のそれぞれの使用面16の設計値に加算し、当該使用面16を補正して設計する(S37)。
次に、上型モールド11及び下型モールド12の非使用面17の設計を実行する(S38)。そして、上型モールド11及び下型モールド12における使用面16と非使用面17の設計値から加工機用のデータを作成する(S39)。その後、ガラスブランクスを選択し、研削加工機及び研磨加工機により成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を製作する(S40)。
(本実施形態と従来技術との成型品精度の比較)
本実施形態による成形品の形状精度について説明する。
上述のようにして製作された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10により成形された光学レンズは、曲面が所望の球面
形状となっている。例えば、図10(A)は、本実施形態による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。また図10(B)は、上記第1の従来技術による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。図10(A)及び図10(B)は共に面屈折力が5.00D(ジオプター)の光学レンズを成形型10により成形した成型品の測定結果である。図10は、横軸がレンズ中心(頂点)からの距離(mm)であり、グラフ中央部の0が光学レンズ中心を示す。また縦軸が屈折力誤差量を示しており、0.00Dは誤差がないことを示す。図10に基づき本実施形態と第1の従来技術によって成形された成型品の形状誤差量について詳細に説明する。
最初にレンズ中央部について説明する。レンズ中央部は使用頻度が高く光学中心として特に重要である。光学レンズ中心部の誤差量は明らかに異なり、本実施形態(図10(A))では誤差量が0.06Dであるのに対して、第1の従来技術(図10(B))では0.18Dの誤差量である。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が3倍向上している事が解る。
更に、レンズ中央部以外の周辺部について説明する。この周辺部では、成形された光学レンズの曲面を異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの光学レンズの設計曲面に対する形状誤差は、レンズ各部のいずれの位置においても本実施形態による成型品が小さくなっている。一般的な眼鏡フレームで使用される眼鏡レンズの外径50mm付近での形状誤差を比較すると、本実施形態では誤差量が0.02D程度であるが、第1の従来技術では0.04Dである。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が2倍程度向上している事がわかる。
更に、本実施形態の誤差量は、第1の従来技術に比べてレンズ中心部から周辺部にかけて誤差の変化量が小さく緩やかである。従って、視線位置が眼球回旋により中心部から周辺部に移動しても違和感が少ない効果もある。
これらの結果から、本実施形態の設計方法による成形型10にて成形された光学レンズは、設計曲面と略等しい形状となっていることがわかる。また、第1の従来技術における成形型により成形された光学レンズは、設計曲面からかけ離れた形状となっていることがわかる。
ここで、図10(A)及び(B)における縦軸は、屈折力誤差(単位:D(ジオプター))を示す。この屈折力誤差は、光学レンズの曲面形状を示す曲率半径r(単位:m)の誤差を、次式(3)によって、当該光学レンズの上記曲面の面屈折力P(単位:D(ジオプター))の誤差に換算したものである。
P=(n−1)/r …(3)
この式(3)において、nは光学レンズの屈折率である。尚、凸面と凹面を有するメニスカス形状の光学レンズでは、凸面と凹面のそれぞれの面屈折力の和が、当該光学レンズの屈折力を表す。
(表面形状測定の説明)
次に、図7のステップ21及び図8のステップ33において、テスト成形された光学レンズの曲面形状を測定する際に基準とする転写マーク32(図9(A))について述べる。この転写マーク32は、成形型の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に形成されたマーク(不図示)が、テスト成形された光学レンズ30の曲面31に転写して形成されたものである。
さらに図9(B)、図9(C)から分るようにこの転写マーク32は、光学レンズ30の曲面31における頂点Oの部分に形成される頂点転写マーク部33と、上記曲面31の周縁部で上記頂点Oに対し点対称な位置に一対形成される周縁部転写マーク部34A及び34Bとを有する。更に、上記頂点転写マーク部33は、曲面31の頂点Oに形成されるメイン頂点転写マーク部35と、このメイン頂点転写マーク部35から所定距離を隔てて放射し、互いに直交して形成されるサブ頂点転写マーク部36とを有する。
例えば、メイン頂点転写マーク部35は、直径約0.5mmの円形凸部である。また、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、直径約1mmの円形状の凸部である。また、サブ頂点転写マーク部36は、長さSが約2mm、同一直線状にあるサブ頂点転写マーク部36同士の離間距離Tが約1mm、これらサブ頂点転写マーク部36の幅寸法が数10μmの長方形の凸部である。
上型モールド11及び下型モールド12の使用面16には、上記メイン頂点転写マーク部35、サブ頂点転写マーク部36、周縁部転写マーク部34A及び34Bに対応する位置に、対応する寸法の凹部形状のマーキング(不図示)が形成されている。これにより、上記頂点転写マーク33(メイン頂点転写マーク部35、サブ頂点転写マーク部36)、周縁部転写マーク部34A及び34Bが光学レンズ30の曲面31に転写して形成される。周縁部転写マーク部34A及び34Bを転写するマーキングは、直径約1mmで、数μmの深さに切削加工される。また、メイン頂点転写マーク部35を転写するマーキングは、直径約0.5mmで、約0.5μm以下の深さに切削加工される。また、サブ頂点転写マーク部36を転写するマーキングは、幅が数10μmで、数μm以下の深さにケガキ加工されて形成される。
光学レンズ30の曲面31に転写して形成される頂点転写マーク部33(特にメイン頂点転写マーク部35)、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、曲面31の頂点Oを通る同一の直線L1上にある。光学レンズ30の曲面31の形状を測定する形状測定器は、上記直線L1に沿い、周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34Bを順次通過して上記曲面31の形状を測定することで、この曲面31の形状を正確に測定することが可能となる。従って、頂点転写マーク部33(特にメイン頂点転写マーク部35)、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、光学レンズ30の曲面31を測定すべき箇所に位置することになる。
形状測定器が直線L1に沿い周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33及び周辺部転写マーク部34Bを順次通過して、光学レンズ30の曲面31を測定するときには、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bは極端な形状変化を有するので、大きなノイズとして測定される。従って、これら頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bのノイズが測定されない場合には、形状測定器による光学レンズ30の曲面31における形状測定が正確に実施されていないことが明確となる。この場合には、形状測定器に対する光学レンズ30のセッティングを調整して、形状測定器が周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33及び周縁部転写マーク部34Bを順次通過して測定するように対処する。
尚、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bに起因する上記測定値における大きなノイズは、近傍の測定値に影響を与えることなく除外することが容易にできる。その後、上記測定値を前述のように最小二乗法を用いて非球面の式(1)または式(2)に近似させるため、測定値のノイズの影響は皆無である。また、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bの測定誤差は、周縁部転写マーク部34A及び34Bが直径約1mmの円形状であることから、この周縁部転写マーク部34A及び34Bに対しては約0.5mm以内である。また、頂点転写マーク部33のメイン頂点転写マーク部35が直径約0.5mmの円形状であることから、このメイン頂点転写マーク部35に対しては約0.25mm以内である。
また、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、光学レンズ30の曲面31における頂点Oに対し点対称に一対設けられる場合に限らず、複数対設けてもよい。例えば、周縁部転写マーク部34A及び34Bを含む直線L1に対し、所定角度(例えば90度)回転した直線L2上に他の周縁部転写マーク部34A及び34Bを、直線L1上の周縁部転写マーク部34A及び34Bと共に、一対転写して形成してもよい。形状測定器が、上記直線L1及びL2に沿って光学レンズ30の曲面31を異なる直径方向に測定することで、例えばトーリックレンズなどの光学レンズ30の曲面31を、直交する両軸方向に正確に測定することが可能となる。
更に、転写マーク32を、光学レンズ30の曲面31において、任意の方向に設け、この方向において、曲面31の曲面形状を形状測定器により測定してもよい。
(第1の実施の態様の効果)
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式である式(1)に近似させて光学レンズの曲面を非球面として特定する。このため、成形された光学レンズの曲面形状のうち、球面成分のみならず、球面以外の成分をも非球面の式(1)に近似させて定量化し特定できる。従って、非球面に特定された光学レンズの曲面と当該光学レンズの設計曲面との誤差が、球面形状成分と球面形状以外の成分とを正確に取り込んだものとなる。この結果、上記誤差に対応する補正情報も正確となって、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく補正して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(2)成形された光学レンズの曲面形状の測定値を非球面の式である式(1)に近似させて、上記光学レンズの曲面形状を非球面として定量化して特定する。従って、測定値に含まれる測定誤差や光学レンズの曲面の表面粗さ等のノイズを排除でき、光学レンズの曲面の測定値のみを抽出できる。このため、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の補正を精度よく実施して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(3)式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された光学レンズの曲面における球面形状成分の誤差(平均表面屈折力の誤差)に対応するために、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の全体形状を補正する全体形状補正情報を求める。また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された光学レンズの曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、上記上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の局所形状を補正する局所形状補正情報を求める。このようにして全体形状補正情報と局所形状補正情報とを分離独立して求めることで、光学レンズの誤差(球面形状成分の誤差と球面形状以外の成分の誤差)を精度よく補正情報に反映し適切な補正を実施して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(4)非球面の式である式(2)に、成形された光学レンズの曲面形状を測定した測定値を近似させて上記光学レンズの曲面を特定する。従って、計算機で取り扱いにくい式(1)を用いて光学レンズの曲面を特定する場合に比べ、その特定を容易に計算して実施でき、式(2)の係数B2iを迅速に算出できる。このため、光学レンズの変形(誤差)に対応する補正情報を容易に算出して、所望形状の光学レンズを成形する成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を容易に設計できる。
(5)図9に示す光学レンズ30の曲面31には、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に設けられたマーク(不図示)が転写されて、転写マーク32(頂点転写マーク部33、周辺部転写マーク部34A及び34B)が形成される。この転写マーク32は、光学レンズ30の曲面31において測定すべき箇所に位置する。成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定する際には、測定すべき箇所に位置する上記転写マーキング32を基準として、上記光学レンズ30の曲面31の形状を測定する。これにより、光学レンズ30の曲面形状の測定を正確に実施することができる。この結果、測定値を非球面の式(1)または式(2)に近似させて、光学レンズの曲面を非球面として特定し、補正情報を算出して、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく設計できる。
[B]第2の実施の形態(図11、図12)
(補正情報のデータベース化の説明)
図11は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線を示すグラフである。図12は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された全体形状補正情報を示すグラフである。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号及び名称を用いることによって説明を省略する。
この第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態に対し次の点で異なる。図8において、ステップS31〜S40を全種類の成形型に対して予め実施する。その際、各補正情報はデータベースにする。データベース作成後はステップS31〜S34を行わず、ステップS35〜S40を行う。
即ち、第1の実施の形態は、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状に関し一種類の光学レンズをテスト成形し、補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報)を求める。この補正情報を直接用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を補正して設計するものである。
これに対し、第2の実施の形態は、光学レンズの特性としての光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状が異なる多種類の光学レンズを、それぞれ予めテスト成形し、そのとき得られた補正情報を光学レンズの特性毎にデータベース化する。データベース作成後は再度テスト成形することなく、または簡易的なテスト成形のみにより、このデータベース化された補正情報を用いて、それぞれの光学レンズを量産するための成形型10の上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の設計値を補正して設計するものである。
つまり、この第2の実施の形態では、屈折率が異なる多数のレンズ素材のそれぞれについて、設計曲面の形状が異なる複数種類の光学レンズの各々を成形する多数の成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16を設計する。この設計された多数の成形型10を用いて光学レンズをテスト成形し、成形された光学レンズの各々について曲面形状を測定する。そして、前記実施の形態と同様にして、上記測定値を式(2)に近似して各光学レンズの曲面形状を定量化する。このとき、算出した係数B2iから頂点曲率C及び非球面係数A2i(非球面係数A、A、A、A10)を求めて、成形された光学レンズのそれぞれの曲面形状を式(1)に定量化して特定する。
そして、前記実施の形態と同様にして、成形されて式(1)により特定された光学レンズの各々の曲面形状についてデータ解析する。そして、それぞれの式(1)の第1項(K=0)から全体形状補正情報を求め、それぞれの式(1)の第2項から局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線を求める。
図11では、設計曲面の形状が異なる複数の光学レンズを成形したとき、この成形された各光学レンズの形状変化率曲線を、光学レンズにおけるレンズ頂点からの各位置において示している。この場合、光学レンズのレンズ素材は屈折率が1.699である。図11は、横軸がレンズ中心からの距離(mm)を示し、グラフ中央部の0が光学レンズ中心を示す。また、図11の縦軸が形状変化率を示しており、0%は形状変化がなく補正が必要ないことを示す。
この図11に一例として示すように、成形された光学レンズの形状変化率曲線は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。図11の符号a、b、c、d、eは、光学レンズの設計曲面の形状(曲率半径)がそれぞれ+2.00D相当形状、0.00D相当形状、−2.00D相当形状、−6.00D相当形状、−10.00D相当形状の場合の形状変化率曲線を示す。
図12は横軸がレンズ形状を表す面屈折力(D)で、横軸上の数値1は、曲率半径が大きくカーブ値の小さいレンズ形状を示し、横軸上の数値6は、曲率半径が小さくカーブ値が大きいレンズ形状を示す。また、縦軸は全体形状補正値で、0Dは形状変化がなく、補正が必要ないことを示す。
図12は、光学レンズの設計曲面の形状が異なる複数の光学レンズを成形したとき、この成形された光学レンズの全体形状補正情報と光学レンズの設計曲面の形状との関係を、凸面側では曲線α、凹面側では曲線βによりそれぞれ示している。この場合、光学レンズは、レンズ素材が屈折率1.699であり、凸面及び凹面を有するメニスカス形状の眼鏡用レンズである。この図12に一例として示すように、成形された光学レンズの全体形状補正情報は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。
尚、図11及び図12において、光学レンズの設計曲面の形状(曲率半径)は、前述の式(3)を用いて面屈折力(単位:D(ジオプター))に換算して表示されている。
レンズ素材及び設計曲面の形状が異なる光学レンズを量産する場合を述べる。まず、上述の如くデータベース化された光学レンズの形状変化率曲線のうちから、量産しようとする光学レンズと同一のレンズ素材(屈折率が同一)及び同一の設計曲面形状の光学レンズに関する形状変化率曲線を取り出す。そして、この形状変化率曲線のレンズ頂点からの任意の位置の値に、該当する位置における光学レンズの設計曲面の高さ(Z値)を乗じて、当該位置における局所形状補正情報を算出する。この局所形状補正情報を光学レンズの全ての位置において算出する。具体的には、屈折率が1.699、曲面形状が−6.00D相当である場合に図11の形状変化曲線dを選択する。そして、対応するレンズ設計面高さと(Z値)を乗じて局所補正情報を、光学レンズのすべての位置において確定する。同様に、曲面形状が−10.00D相当であれば図11の形状変化率曲線eを選択する。
ところで、図11は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると、形状変化率曲線がダイナミックに変化することを示している。更に、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)は、曲面形状値−6.00D(図11の曲線d)よりも形状変化率が小さくなっており、形状変化率と曲率形状のカーブ値は比例している。しかしながら、曲面形状値−10.00D(図11の曲線e)は、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)よりも形状変化率が小さくなり反比例している。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は複雑な様態を示し、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
次に、データベース化された光学レンズの全体形状補正情報のうちから、量産しようとする光学レンズと同一のレンズ素材(屈折率が同一)及び同一の設計曲面形状の光学レンズに関する全体形状補正情報を取り出す。
ところで、図12は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると全体形状補正値も変則的に変化することを示している。例えば、凸面では、面屈折力0から3Dまでは全体形状補正値は面屈折力に比例する。一方、面屈折力が4Dよりも大きくなると、全体形状補正値は−0.05Dで一定となる。さらに、凹面側では、一部の面屈折力を除き全体形状補正値は一定である。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は現状で予測不可能であり、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16は、量産しようとする光学レンズの設計曲面に設計される。光学レンズを量産する場合には、上記使用面16の設計値に、上述のようにしてデータベースから取り出された形状変化率曲線に基づき算出した局所形状補正情報と、データベースから取り出された全体形状補正情報とを、それぞれZ方向において加算する。これにより、この量産化しようとする光学レンズを成形するための成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値を補正して算出し、当該成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を設計する。
(第2の実施の態様の効果)
上述のようにして構成されたことから、上記第2を実施の形態においても、前記第1の実施の形態における効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)を奏する。
(6)全体形状補正情報と、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線とを分離独立して、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状毎にデータベース化し、このデータベース化された各補正情報等を用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値を補正して設計する。このことから、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状に適合した全体形状補正情報及び局所形状補正情報(正確には、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線)をデータベースから取り出すことによって、テスト成形を実施することなく、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値の補正情報等を短時間に確定できる。この結果、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16を効率的に設計することができる。
[C]第3の実施の形態
(球面補正値による非球面形状補正方法の説明)
この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態においてデータベース化された、曲面が球面形状の成形品(光学レンズ)を成形するための補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報の一部である形状変化率)を利用して、曲面が非球面形状の成形品(光学レンズ)を成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける成形面である使用面の設計値を補正して設計するものである。
曲面が球面形状の光学レンズを成形するための全体形状補正情報、及び局所形状補正情報の一部である形状変化率を、設計曲面が球面形状を有する光学レンズの特性毎にデータベース化する方法については、前記第2の実施の形態と同様であり説明を省略する。ここで、上記光学レンズの特性は、曲面が球面形状の当該光学レンズのレンズ素材、及び球面形状を有する設計曲面の形状である。
曲面が非球面形状の光学レンズを成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計は、まず、非球面形状を有する光学レンズに適合した、データベース化された全体形状補正情報と、局所形状補正情報の一部である形状変化率とを取り出すことから始める。
つまり、成形しようとする曲面が非球面形状の光学レンズと同一のレンズ素材であって、当該光学レンズの非球面形状の設計曲面における頂点曲率半径または平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の設計曲面を備えた光学レンズについての、データベース化された全体形状補正情報と、局所形状補正情報の一部である形状変化率とを、当該データベースから取り出す。ここで、上記頂点曲率半径は、例えば、成形しようとする光学レンズの非球面形状の設計曲面における頂点での曲率半径である。また、上記平均曲率半径は、成形しようとする光学レンズの非球面形状の設計曲面におけるレンズ全面での平均曲率半径をいう。
(球面補正値による非球面形状補正方法:データベースからの補正値算出)
例えば、成形しようとする曲面が非球面形状の光学レンズにおける設計曲面の頂点での曲率半径が+2.00D(ジオプター)である場合について考える。まず成形しようとする光学レンズと同一のレンズ素材であって、上記頂点曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の設計曲面を備えた光学レンズについて、該当するデータベースを参照する。例えば図12に示す全体形状補正情報から、全体形状補正情報として凸面側では、横軸の”凸面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線α上の該当する全体形状補正値−0.100Dを取り出す。一方、凹面側では、横軸の”凹面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線β上の該当する全体形状補正値−0.125Dを取り出す。同様にデータベース化された、例えば図11に示す局所形状補正情報の一部である形状変化率から、形状変化率として曲線aを取り出す。
次に、取り出された形状変化率におけるレンズ頂点からの任意の位置の値に、該当する位置における光学レンズの非球面形状の設計曲面の高さ(Z値)を乗じて、当該位置における局所形状補正情報を算出する。そして、この局所形状補正情報を、曲面が非球面形状の光学レンズの全ての位置において算出する。
(球面補正値による非球面形状補正方法:補正値の加算方法)
次に、成形しようとする光学レンズの非球面形状の設計曲面に設計された成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値に、上述のようにしてデータベースから取り出された形状変化率に基づき算出された局所形状補正情報と、データベースから取り出された全体形状補正情報とを、Z方向に加算する。
例えば、局所形状補正情報については、曲面が非球面形状の光学レンズの各位置において算出した局所形状補正情報を、非球面形状の設計曲面に設計された上記上型モールド及び下型モールドの使用面における各位置の設計値にZ方向に加算する。また、全体形状補正情報については、データベースから取り出された全体形状補正情報を、非球面形状の設計値に設計された上記上型モールドを及び下型モールドの使用面における、例えば頂点の設計値にZ方向に加算する。
上述のようにして、曲面が非球面形状の光学レンズを成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値を補正して算出し、当該成形型の上型モールド及び下型モールドを設計する。
(第3の実施の態様の効果)
以上のように構成されたことから、上記第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(5)を奏する他、次の効果(7)を奏する。
(7)非球面の式にて特定された上記光学レンズの曲面と当該光学レンズの球面形状の設計曲面との誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の光学レンズを成形するための補正情報として、当該光学レンズの特性毎にデータベース化する。そして、このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の光学レンズを成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値を補正して設計する。このことから、非球面形状の曲面を有する光学レンズに適合した補正情報をデータベースから取り出すことによって、テスト成形を実施することなく、曲面が非球面形状の光学レンズを成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値を補正する補正情報を短時間に確定できる。この結果、曲面が非球面の所望形状の光学レンズを成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面を効率的に設計することができる。
以上、本発明を上記各実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、キャスト法を用いて光学レンズを成形して製造するものを述べたが、このキャスト法以外の製造方法によって光学レンズを製造する場合にも本発明を適用できる。具体的には、プラスチックレンズを直接切削加工及び研磨加工する場合において、研削加工での切削面形状データ補正、研磨加工での研磨ツール(研磨皿)の形状補正及び屈折力補正に適用できる。更に、本発明は、熱軟化成形型の補正等に適用可能である。
また、上記実施の形態では成形型がガラスの場合を述べたが、熱収縮率の高い他の成形型、例えば金型による成形の場合にも、本発明を適用できる。
一方、上記実施の形態ではテスト成形品として、表面が球面形状の光学レンズの場合を述べたが、表面が非球面形状の光学レンズをテスト成形品として適用することもできる。
更に、上記実施の形態では、最終成型品として表面が球面形状の回転対称な光学レンズ、または表面が非球面形状の光学レンズの場合を述べたが、トーリック面、アトーリック面等を有する光学レンズを最終成型品とすることもできる。ここで、トーリック面とは直交する2つの主経線を有し、各主経線は球面形状で構成されているものをいう。また、アトーリック面とはその各主経線が非球面形状で構成されているものをいう。
また、上記実施の形態では、成形品たる光学レンズの表面の曲面形状を当該光学レンズの中心を通る一つの経線(つまり直径)上で計測しデータ解析するものを述べたが、当該光学レンズの中心を通る複数の経線(つまり直径)上で計測してデータ解析し、これらの平均値を算出するものでもよい。
本発明に係る成形型の設計方法における第1の実施の形態が実施されて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。 図1の下型モールドを示す側断面図である。 図1の成形型を用いた光学レンズ(プラスチックレンズ)の製造手順を示すフローチャートである。 図1の上型モールド及び下型モールドの製造手順を示すフローチャートである。 図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面21及び設計曲面20などを示すグラフである。 テスト成形されて式(1)により特定された光学レンズの成形曲面21のうちの多項式成分が、図5の基準球面成分(曲面形状22)に対しずれる偏差量を、当該光学レンズの各位置において示したグラフである。 図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。 図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順を具体的に示すフローチャートである。 (A)は、図1の成形型により転写されて光学レンズの曲面に形成された転写マーキングを示す正面図であり、(B)は図9(A)の頂点転写マーキングを示す部分拡大図であり、(C)は、図9(A)の周縁部転写マーキングを示す部分拡大図である。 成形品たる光学レンズの成形曲面が設計曲面に対し有する形状誤差を当該光学レンズの各位置で示し、(A)が第1の実施の形態における成形型の設計方法により設計された成形型を用いて成形された光学レンズの場合のグラフであり、(B)が第1の従来の技術において平均曲率を用いて補正することで設計された成形型により成形された光学レンズの場合のグラフである。 本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された局所形状補正情報の一部である形状変化率を示すグラフである。 本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された全体形状補正情報を示すグラフである。
符号の説明
10 成形型
11 上型モールド
12 下型モールド
16 使用面(成形面)
20 設計曲面
21 成形曲面
22、23 曲面形状
30 光学レンズ
31 曲面
32 転写マーキング
33 頂点転写マーキング
34A、34B 周縁部転写マーキング
2i 非球面係数
2i 係数
C 頂点曲率
設計頂点曲率半径
R 頂点曲率半径
O 頂点
P 光軸

Claims (12)

  1. 成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、
    この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、
    測定した上記成形品の曲面と上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、
    この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として特定し、
    曲面が非球面形状の最終成形品を成形する成形型の成形面の設計値を、当該非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報を用いて補正して設計することを特徴とする成形型の設計方法。
  2. 非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面における頂点曲率半径、または当該成形品の非球面形状の設計曲面における全面での平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面の補正情報であることを特徴とする請求項1に記載の成形型の設計方法。
  3. 成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、
    この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて上記成形品の曲面を非球面として特定し、
    非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と、上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、
    この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化し、
    このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の最終成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計することを特徴とする成形型の設計方法。
  4. 上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを含む多項式であることを特徴とする請求項3に記載の成形型の設計方法。
  5. 上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを加算すること特徴とする請求項3または4に記載の成形型の設計方法。
  6. 上記非球面の式は、Zを成形品の頂点から当該成形品の軸方向に測った距離、X、Yを上記頂点から上記軸と垂直な方向に測った距離としたときにρをρ=X+Y、Rを頂点曲率半径としたときに頂点曲率CをC=1/R、Kを円錐係数、A2iを非球面係数(iが整数)としたとき、次の式(1)であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の成形型の設計方法。
    Figure 0004656531
  7. 上記式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された成形品の曲面における球面形状成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型の成形面の全体形状を補正する全体形状補正情報を求め、
    また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された上記成形型の上記成形面の局所形状を補正する局所形状補正情報を求め、
    これらの各補正情報のそれぞれを分離独立して、設計曲面が球面形状を有する上記成形品の特性毎にデータベース化することを特徴とする請求項6に記載の成形型の設計方法。
  8. 上記全体形状補正情報は、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す基準球面の曲率半径と、成形品の球面形状の設計曲面における曲率半径との差に基づいて決定することを特徴とする請求項7に記載の成形型の設計方法。
  9. 上記局所形状補正情報は、式(1)の第2項である多項式成分が表す、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の高さ(Z値)と、上記成形品の球面形状の設計曲面の高さ(Z値)とを用いて算出される形状変化率に基づいて決定し、上記形状変化率をデータベース化することを特徴とする請求項7または8に記載の成形型の設計方法。
  10. 上記成形品の特性は、当該成形品である光学レンズのレンズ素材及び、球面形状の設計曲面の形状であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の成形型の設計方法。
  11. 曲面が非球面形状の最終成形品を成形する上記成形型の成形面の設計は、成形品の非球面形状の設計曲面に、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した、データベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報を加算することにより実施することを特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載の成形型の設計方法。
  12. 非球面形状の曲面を有する最終成形品に適合した、データベース化された上記全体形状補正情報と上記局所形状補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面の平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面についてデータベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報であることを特徴とする請求項11に記載の成形型の設計方法。
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