JP2002248666A - 光学素子とその製造方法及び光走査装置 - Google Patents
光学素子とその製造方法及び光走査装置Info
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Abstract
さくする光走査装置用光学素子を、短時間、低コストで
製作できるようにする。 【解決手段】射出成形された光学素子を使用時と同等の
光走査装置内に取り付け、像面において複数の像高にお
ける光軸方向の焦点ずれ量を測定する工程と、複数の像
高に対応する特定の光学機能面上の位置を求めるレンズ
高さ算出工程と、複数の像高に対応する特定の光学機能
面の部分曲率と焦点ずれ量の比例係数である感度を算出
する工程と、上記焦点ずれ量と上記感度より特定の光学
機能面での部分曲率を求める工程と、上記レンズ高さと
部分曲率を基に光学機能面の補正形状を関数モデルの係
数またはマップデータとして出力する補正形状算出工程
と、上記補正形状にしたがって成形用金型の特定の光学
機能面に対応する鏡面駒の形状を補正加工する工程と、
補正加工された鏡面駒で成形を行う工程にした。
Description
方法、特に光走査装置用光学素子に関するものであり、
デジタルコピアやレーザプリンタの光書き込み装置にお
ける光学素子の評価に利用して有効なものである。
は、デジタルコピアやレーザプリンタに用いられる。図
2に光走査装置の一例を示す。半導体レーザ等の光源1
から出射した光束はコリメータレンズ2を透過して平行
光束となり、円筒面レンズ3を透過して多面体鏡4の反
射面上で線状に集光される。多面体鏡の回転に応じて反
射、偏向された光束は走査光学系5を透過して像面6に
設置された感光体表面で集光する。ここで、多面体鏡に
より光束を偏向する方向を主走査方向、主走査方向と光
軸方向に直交する方向を副走査方向、各光学機能面にお
ける主走査方向の位置をレンズ高さ、像面における主走
査方向の位置を像高と記述する。近年の高画質化の要求
と、低コスト化の為に走査光学系の光学素子の数を減ら
したいという要求にこたえる為、走査光学系の光学素子
の光学機能面の形状は、自由度の高い曲面を用いる様に
なってきた。特に主走査方向には非球面を、副走査方向
には曲率が主走査方向によって変化するような特殊なト
ーリック面を用いる事が多くなってきた。以下にその一
例を示す。 ここで、xは主走査方向の座標、yは副走査方向の座
標、zは光軸方向の座標、cは主走査方向の曲率、kは
円錐定数、ejiは多項式の係数である。超精密自由曲面
加工機の実用化によって、光学機能面にこのような自由
度の高い面を採用できるようになった。
主走査方向に数十mmから数百mmにあるのに対して副
走査方向には十mm前後と偏平している。このような光
学素子をプラスチック射出成形等で作成する場合、樹脂
の不均一な収縮などの影響により設計値からの偏差(以
下これを「形状誤差」と呼ぶ)が発生する。樹脂の収縮
率はおおむね0.7%程度であるから、光学機能面の設
計形状から射出成形用の鏡面駒を作成するに当たって、
従来は理論的または経験的に求めた収縮率で相似拡大し
た形状に加工していた。しかし、光学機能面が数百mm
と大きいので、樹脂の非線形な収縮による光学機能面の
形状誤差は数μmから数十μmとなり、これが光学系の
性能に大きく影響する。
として、特開平5−96572号公報や特開平7−60
857号公報に記載されているように成形品の形状を測
定し、形状誤差を求め、これを相殺するように成形型の
鏡面駒を補正する方法がある。しかしこれでは全ての光
学機能面に対応する鏡面駒を形状誤差が十分小さくなる
まで補正する必要がある。
ンズの特徴として、屈折率分布の問題(参考文献:特開
平10−288749号公報、特開平11−77842
号公報)がある。これは樹脂内の屈折率の不均一な分布
がレンズ効果を生み、光学系の焦点位置を変化させてし
まう現象で、これを回避する為に設計に工夫をしたり成
形後に屈折率分布を減少させる為の工程を設けたりする
必要がある。また、これを0に出来ない限り、全ての光
学素子を設計値通りの形状に作成しても、光走査装置と
しては焦点位置のずれによる像面湾曲により光学性能の
劣化を生じてしまう。
て、高密度の光書き込み装置の走査光学系を作成する場
合、スポット径は光学系のFナンバーに略比例するので
光学系のFナンバーを小さくする必要があるが、同時に
スポット径の2乗に略比例して焦点深度が狭くなってし
まう。したがってスポット径の小さい光走査装置を開発
する為には、像面での焦点ずれによって生じる像面湾曲
を十分に小さくする必要が有り、これが高密度の光走査
装置の実現への大きな技術課題となっている。
の焦点ずれによって生じる像面湾曲を十分に小さくでき
るようにして、像面湾曲の小さいの光走査装置用光学素
子を、短時間、低コストで製作できるように、その製造
方法及び製造装置を工夫することをその課題とするもの
である。
査光学系で使用する光学素子を成形にて作成する光学素
子の製造方法を前提にして、次の工程から構成されるも
のである。射出成形された光学素子を使用時と同等の光
走査装置内に取り付け、像面において複数の像高におけ
る光軸方向の焦点ずれ量を測定する焦点ずれ量測定工程
と、複数の像高に対応する特定の光学機能面上の位置を
求めるレンズ高さ算出工程と、複数の像高に対応する特
定の光学機能面の部分曲率と焦点ずれ量の比例係数であ
る感度を算出する感度算出工程と、上記焦点ずれ量と上
記感度より特定の光学機能面での部分曲率を求める部分
曲率算出工程と、上記レンズ高さと部分曲率を基に光学
機能面の補正形状を関数モデルの係数またはマップデー
タとして出力する補正形状算出工程と、上記補正形状に
したがって成形用金型の特定の光学機能面に対応する鏡
面駒の形状を補正加工する補正加工工程と、補正加工さ
れた鏡面駒で成形を行う成形工程とよりなること。
る光軸方向の焦点ずれ量が設計形状近傍ではレンズ面の
形状誤差の部分曲率に概略比例する。上記構成によれ
ば、この光学特性と相関の高い部分曲率というパラメー
タを用い、光学機能面の補正形状を算出しているので光
学性能上の精度が高い鏡面駒補正が可能となる。
成形工程からなる光学素子を用いて前述の焦点ずれ測定
工程を行い、これが目標を満たしていない場合上記レン
ズ高さ算出工程から成形工程までを繰り返し行うことで
ある。
が十分でない場合でも、繰り返し行うことで精度が高い
レンズが成形可能となる。
レンズ高さ算出工程が、予め光学シミュレーションによ
り複数の偏向角で主光線が特定の光学機能面と交叉する
主走査方向の位置であるレンズ高さと、像面と交叉する
主走査方向の位置である像高とを求め、この分布を多項
式等のモデルに近似してその係数を記憶しておき、入力
である像高に対応するレンズ高さを、多項式を解く事に
より算出することである。
要がなく、1回のみの光学シュミレーションで像高に対
応するレンズ高さを求めることができる。
感度算出工程が、予め光学シミュレーションにより、特
定の光学機能面のみに形状誤差を重畳させ、複数の偏向
角で像高と、光軸方向の焦点ずれ量と、特定の光学機能
面における光束通過部分の部分曲率とを求め、焦点ずれ
量を部分曲率で除算して単位曲率当たりの焦点ずれ量の
感度を求め、像高と感度の分布を多項式等の関数モデル
に近似してその係数を記憶しておき、入力である像高に
対応する感度を、関数モデルを解く事により算出するも
のであることである。
要がなく、1回のみの光学シュミレーションで像高に対
応する感度を求めることができる。
補正形状算出工程が、レンズ高さと副走査方向の部分曲
率の分布を関数モデルに近似し、その係数を記憶し、光
学機能面の複数の点においてその主走査方向の位置から
関数モデルを解く事により部分曲率を求め、副走査方向
の位置から前述の部分曲率をもつ円弧関数の式を解く事
により高さを求める形状算出工程からなるものであるこ
とである。
補正形状算出工程が、レンズ高さと副走査の部分曲率の
分布を なる多項式に近似し、この係数Csiをいて なる式を解く事により任意の点における補正形状を算出
するものであることである。
補正形状算出工程が、レンズ高さと主走査方向の部分曲
率の分布に対して関数モデルに近似し、関数モデルを2
回積分してその係数を記憶するモデル化工程と、光学機
能面の複数の点においてその主走査方向の位置から関数
モデルを解く事により高さを求める形状算出工程からな
るものであることである。
補正形状算出工程が、レンズ高さと主走査方向の部分曲
率の分布に対して数値積分を2回行い、レンズ高さと高
さの分布に対する数値積分工程と、これを関数モデルに
近似してその係数を記憶するモデル化工程と、光学機能
面の複数の点においてその主走査方向の位置から関数モ
デルを解く事により高さを求める形状算出工程からなる
ものであることである。
ミレーションや、光学機能面の設計をする必要がなくな
り、光学装置の焦点ずれ量を相殺するような補正形状を
算出することができる。またトーリック面の設計式を利
用しているので、補正形状算出において、設計式の係数
の一部を変更するだけで補正加工を行うことができる。
手段2は、解決手段1(上記実施態様1乃至実施態様7
を含む)の光走査装置用光学素子の製造方法により作成
された光学素子について、少なくとも1つの光学機能面
が略平面であり、この面を上記特定の光学機能面とする
ことである。
走査装置について、上記解決手段2の光学素子を使用す
ることである。
ラスチック射出成形用金型の光学機能面に対応する鏡面
駒をNC加工機で加工するためのNCデータを作成する
プログラムについて、光走査装置の像面における複数の
像高での焦点ずれ量の測定結果を入力データとして、任
意の像高に対応する特定の光学機能面のレンズ高さを算
出するレンズ高さ算出手段と、任意の像高に対応する特
定の光学機能面の部分曲率と焦点ずれ量の比例係数であ
る感度を算出するレンズ高さ算出手段と、焦点ずれ量と
感度から部分曲率を算出する部分曲率算出手段と、レン
ズ高さと部分曲率の分布より特定の鏡面駒の補正加工用
NCデータを算出する補正形状算出手段とから構成した
ことである。
ほぼ自動で補正加工用NCデータを作成することができ
る。
出願人は、部分曲率を媒介にする事により光学機能面の
形状誤差から光走査装置の像面における焦点ずれ量を高
精度に推定できる、「レンズ面形状評価方法及び形状評
価装置」をすでに提案している(特願2000−132
571号)。これは、任意の光学機能面において任意の
レンズ高さにおける光束通過幅相当の部分曲率と、それ
に対応する像面での焦点ずれ量は形状誤差が小さい場合
は略比例関係にある事を示し、また光学シミュレーショ
ンにより、光学機能面に微小な形状誤差を重畳させた時
の各レンズ高さにおける部分曲率と、それに対応する像
高と焦点ずれ量を求めることにより、各レンズ高さに対
する単位曲率当たりの焦点ずれ量の比例係数である感度
を算出できる事を示し、これを複数像高について解いて
レンズ高さと感度の分布を求め、多項式などに近似して
その係数を記憶しておく事により、任意のサンプルにつ
いて光学機能面の形状測定結果から像面での焦点ずれ量
を推定する事が出来る事を示している。また、各光学機
能面の形状誤差と像面における焦点ずれ量の関係は他の
光学機能面の形状誤差に対して略独立とみなせるので、
像面において各光学機能面の形状誤差による焦点ずれ量
を積み上げる事により光学系全体の焦点ずれ量の評価が
実現できる事を示した。この出願に係る発明はこの方法
を逆からたどるものである。すなわち、光走査装置の各
像高における焦点ずれ量を実測し、この測定結果から特
定の光学機能面において焦点ずれを相殺するような補正
形状を生成し、それにしたがって鏡面駒を補正加工する
事により光学系全体の像面湾曲を減少させる。図1に、
この処理の流れを示しているが、この処理フローにおけ
る各工程は次のとおりである。
成形加工する。この時、成形品の形状が安定して同じ形
状で加工できるように成形条件を十分精査してつめてお
く。
実測する。これは、ポリゴンミラーを固定して、レーザ
光源のビーム測定装置を直動ステージなどに載せ、光軸
方向に走査させつつ光束のスポット径を測定する事によ
り行う。レーザ光源のビーム測定装置は特定の面内に照
射された光束のビームプロファイルを測定し、主走査方
向、副走査方向のスポット径等を出力する装置で、フォ
トン社のビームスキャン等が市販されている。これによ
り各像高における像面からの偏差と主走査、副走査方向
のスポット径の分布が求まる。これを2次関数などで近
似してその最小値を求める事により各像高の焦点ずれ量
を求める。これにより像高と主走査方向、副走査方向そ
れぞれの焦点ずれ量の分布が求まる。
像高に対応するレンズ高さを求める。これは予め光学シ
ミュレーションで像高とレンズ高さの分布を求め、これ
を関数に近似してその係数を記憶しておき、この関数を
解く事により求める。
像高に対応する部分曲率の感度を求める。これも予め光
学シミュレーションで像高と各光学機能面の部分曲率へ
の感度の分布を求める。具体的には、特定の面のみに形
状誤差を与えた状態で偏向角で以下の処理を行う。光束
の主光線が像面と交叉する位置である像高を求め、光束
が特定の光学機能面を通過する範囲の形状誤差を球面ま
たは2次曲線に近似して選ばれた部分曲率を求め、像面
近傍の複数の位置で主走査、副走査それぞれのスポット
径を求め、それぞれ2次関数などに近似してその最小値
を求める事で得られる焦点ずれ量を求め、主走査、副走
査それぞれの焦点ずれ量をそれぞれの部分曲率で除算す
る事により単位部分曲率当たりの焦点ずれ量である感度
を求める(さらなる詳細は特願2000−132571
号明細書を参照されたい)。そしてそれぞれを関数に近
似してその係数を記憶しておく。実際の使用時にはそれ
ぞれの関数を解く事により求める。
学系全体の焦点ずれ量を相殺するような補正部分曲率を
求める。これは部分曲率をdC、焦点ずれ量をd、感度
をkとすると、部分曲率をdCは次の式により求められ
る。
高さと補正部分曲率の分布より光学機能面の補正形状を
求める。これは曲面を示すモデル式の係数を求めるか、
光学機能面内のマップデータを作成する事により、NC
データを作成する為に任意の位置での高さを算出可能な
形で出力する。
施例を示す。副走査方向の部分曲率が主走査方向に変化
するような面は、以下の式を解く事により求められる。 従って、副走査方向の部分曲率分布をf(x)なる関数
に近似する事が出来れば、副走査形状の補正形状は直接
導出する事が出来る。関数としては多項式や、スプライ
ン関数などが好ましい。
例を示す。これは、部分曲率が小さい場合は部分曲率と
形状の2回偏微分がほぼ同じになることを利用して、部
分曲率分布を積分して作成するものである。今回作成す
る補正形状の関数モデルを以下に示すようなn×2次の
多項式とする。 これを主走査、副走査方向の2回偏微分は以下のように
なる。 従って、主走査方向と副走査方向の部分曲率分布からe
ijを求めることにより、補正形状を作成することがで
きる。副走査方向は、レンズ高さと部分曲率の分布をn
次の多項式に近似して多項式の各係数を0.5倍する
と、これが各e2iとなる。また主走査方向はレンズ高
さと部分曲率の分布をn−2次の多項式に近似して、こ
れを2回積分することにより各e0iを算出する。鏡面
駒の補正加工用のNCデータを作成する場合に任意の点
における高さを求める事が出来るので、光学系全体の形
状誤差を相殺するような特定の光学機能面における補正
形状が求まる。
施例を示す。これは特に主走査方向の部分曲率の分布か
ら補正形状を算出する手段である。まず、レンズ高さと
部分曲率の分布を2回数値積分する。これによりレンズ
高さと補正形状の分布が求められる。これを適当な関数
モデルに近似する。こうする事により、スプライン関数
や三角関数など設計式にある多項式モデル以外の任意の
関数モデルを使用する事が出来る。
ので、焦点距離の測定誤差等の影響が積み上げられてし
まうことが多い。従って、補正形状全体の大きさが大き
くなりすぎた場合は、部分曲率への影響の小さい低次の
係数を修正して補正形状の絶対値が小さくなるようにす
ると良い。
た新たな光学機能面の形状を基に金型の鏡面駒を作成す
る。切削や研削など絶対形状を加工する自由曲面加工機
を用いる場合、設計形状に補正形状を重畳させた後、従
来の方法で鏡面駒の加工用NCデータを作成し、これを
元に加工をする。研磨加工で、前面に走査させる方法な
ど相対的な除去量を指定できる加工機では、補正形状を
そのまま相似変形、高さ方向の正負の反転を行ってNC
データを作成し、加工を行う。
成形を行う。これにより全ての光学機能面が設計形状か
ら偏差をもっているにも関わらず、光走査装置に搭載し
た時には焦点ずれ量は、ばらつき成分を除きほぼ0とな
る。
は、請求項2に係る発明の実施形態である。上記の工程
で光学素子を開発しても、焦点ずれ量の測定誤差、鏡面
駒の加工誤差、成形による誤差のため、1回では焦点ず
れ量は完全に0にはならない。ここで、作成した光学素
子を用いて前述の焦点ずれ量測定工程を行い、光走査装
置としての目標性能を満たしているかを評価する。ここ
で、性能が目標を満たしていない場合は、目標を満たす
まで複数回前述の製造方法を繰り返して行う事により、
必要とされる性能を満たす事ができる。
び請求項10に係る発明の実施形態である。「特定の光
学機能面」の選択方法であるが、これは主走査、副走査
それぞれ全体的に感度の低い面を選択するとよい。感度
の低い面は補正形状が大きくなるため、鏡面駒の加工装
置の絶対精度の影響が小さくなるためである。通常、走
査光学系のなかで主走査、副走査共に感度の小さい光学
機能面はない場合が多いので、その場合は主走査、副走
査で補正する面をかえて、計2面を修正するのが良い。
また、1つの鏡面駒の補正のみで補正を行いたい場合
は、走査光学系内で少なくとも1面を平面とすると良
い。特に平行平板を加えて設計しておき、その光学素子
を射出成形によって作成しておく。これが主走査、副走
査共に感度が大きくならない為には、像面に近い位置に
おくと良い。そして、この平面を用いて補正形状を作成
し、この鏡面駒を補正加工する。平面に対して数μmか
ら数十μmの補正形状を加工する事は、もともと曲面で
ある光学機能面を補正加工するのに比べ、加工が容易で
あり、精度も高く加工できる。また、高さ方向の加工ス
トロークの大きい超高精度自由曲面加工機は大変高価な
工作機械であり、これを使わずにより加工ストロークの
小さな加工機を使用する事が出来る。これにより、1つ
の光学機能面について、略平面である鏡面駒の修正のみ
で、より高精度に光走査装置の焦点ずれ量を補正する事
が出来る。
に係る発明の実施形態である。ここで、前述のレンズ高
さの算出から補正形状の算出まではすべてPC等のソフ
トウエアとして実現可能である。よって、焦点ずれ量の
測定結果を入力として、一連の処理を順次行い、補正加
工用のNCデータを出力するソフトウエアを作成する事
ができる。
整理すれば次のとおりである。 1.請求項1に係る発明の効果 本発明の方法を用いて作成したプラスチック光学素子で
作成した光走査装置は、ばらつき以外の焦点ずれ量をほ
ぼ0とすることができ、高性能の光走査装置を提供する
ことを可能とする。また、光走査装置の焦点ずれ量の実
測値に基づいて補正加工を行う為、屈折率分布の影響も
同時に補正する事となるので、光学素子に屈折率分布が
残留していたとしても光走査装置の性能に影響を及ぼさ
ない。また、光学系の特定の光学機能面の形状の要求精
度が加工精度を上回るような場合が有っても、その焦点
ずれ量を実測し、加工精度に余裕のある光学機能面を用
いてこれを補正する事が出来るため、特にビーム径が小
さい光走査装置用の光学素子の製造が可能であり、産業
上有効である。またレンズ自体の総合精度を評価して鏡
面駒の補正を行うので、単独の面で公差に入らない場合
があっても、総合精度で公差内に収める補正加工が可能
となり、精度の高いレンズ成形が可能となる。
す光走査装置用光学素子を製造する事が可能となる。
ョンを行う必要が無くなり、より短時間での処理が可能
になる。
面の設計をしなくても、光学装置の焦点ずれ量を相殺す
るような光学機能面の形状を作成する事が可能になる。
述の特殊なトーリック面の設計式の一部であるから、補
正形状の算出とNCデータの作成に際して、設計式の係
数の一部を変更するだけで補正加工を行うことができ、
NCデータの作成を短期間で行う事が出来る。
動作範囲をもつ、超高精度自由曲面加工機を使わなくと
も、像面湾曲の補正が可能となり、鏡面駒の加工コスト
を減らす事が出来る。
で補正加工用NCデータを作成する事が出来るので、設
計者の人為的ミスなどを減少させ、短期間で補正作業を
行う事が出来る。
理フロー図である。
Claims (12)
- 【請求項1】光走査光学系で使用する光学素子を成形に
て作成する光学素子の製造方法において、 射出成形された光学素子を使用時と同等の光走査装置内
に取り付け、像面において複数の像高における光軸方向
の焦点ずれ量を測定する焦点ずれ量測定工程と、 複数の像高に対応する特定の光学機能面上の位置を求め
るレンズ高さ算出工程と、 複数の像高に対応する特定の光学機能面の部分曲率と焦
点ずれ量の比例係数である感度を算出する感度算出工程
と、 上記焦点ずれ量と上記感度より特定の光学機能面での部
分曲率を求める部分曲率算出工程と、 上記レンズ高さと部分曲率を基に光学機能面の補正形状
を関数モデルの係数またはマップデータとして出力する
補正形状算出工程と、 上記補正形状にしたがって成形用金型の特定の光学機能
面に対応する鏡面駒の形状を補正加工する補正加工工程
と、 補正加工された鏡面駒で成形を行う成形工程とよりなる
事を特徴とする光学素子の製造方法。 - 【請求項2】上記成形工程からなる光学素子を用いて前
述の焦点ずれ測定工程を行い、これが目標を満たしてい
ない場合上記レンズ高さ算出工程から成形工程までを繰
り返し行う事を特徴する請求項1記載の光学素子の製造
方法。 - 【請求項3】上記レンズ高さ算出工程が、予め光学シミ
ュレーションにより複数の偏向角で主光線が特定の光学
機能面と交叉する主走査方向の位置であるレンズ高さ
と、像面と交叉する主走査方向の位置である像高とを求
め、この分布を多項式等のモデルに近似してその係数を
記憶しておき、入力である像高に対応するレンズ高さ
を、多項式を解く事により算出する事を特徴とする請求
項1または請求項2の光学素子の製造方法。 - 【請求項4】上記感度算出工程が、予め光学シミュレー
ションにより、特定の光学機能面のみに形状誤差を重畳
させ、複数の偏向角で像高と、光軸方向の焦点ずれ量
と、特定の光学機能面における光束通過部分の部分曲率
とを求め、焦点ずれ量を部分曲率で除算して単位曲率当
たりの焦点ずれ量の感度を求め、像高と感度の分布を多
項式等の関数モデルに近似してその係数を記憶してお
き、入力である像高に対応する感度を、関数モデルを解
く事により算出する事を特徴とする請求項1乃至請求項
3の光学素子の製造方法。 - 【請求項5】上記補正形状算出工程が、レンズ高さと副
走査方向の部分曲率の分布を関数モデルに近似し、その
係数を記憶し、光学機能面の複数の点においてその主走
査方向の位置から関数モデルを解く事により部分曲率を
求め、副走査方向の位置から前述の部分曲率をもつ円弧
関数の式を解く事により高さを求める形状算出工程から
なる事を特徴とする請求項1乃至請求項4の光学素子の
製造方法。 - 【請求項6】上記補正形状算出工程が、レンズ高さと副
走査の部分曲率の分布を なる多項式に近似し、この係数Csiを用いて なる式を解く事により任意の点における補正形状を算出
する事を特徴とする請求項1乃至請求項4の光学素子の
製造方法。 - 【請求項7】上記補正形状算出工程が、レンズ高さと主
走査方向の部分曲率の分布に対して関数モデルに近似
し、関数モデルを2回積分してその係数を記憶するモデ
ル化工程と、光学機能面の複数の点においてその主走査
方向の位置から関数モデルを解く事により高さを求める
形状算出工程からなる事を特徴とする請求項1乃至請求
項6の光学素子の製造方法。 - 【請求項8】上記補正形状算出工程が、レンズ高さと主
走査方向の部分曲率の分布に対して数値積分を2回行
い、レンズ高さと高さの分布に対する数値積分工程と、
これを関数モデルに近似してその係数を記憶するモデル
化工程と、光学機能面の複数の点においてその主走査方
向の位置から関数モデルを解く事により高さを求める形
状算出工程からなる事を特徴とする請求項1乃至請求項
6の光学素子の製造方法。 - 【請求項9】請求項1乃至請求項8の光走査装置用光学
素子の製造方法により作成された事を特徴とする光学素
子。 - 【請求項10】少なくとも1つの光学機能面が略平面で
あり、この面を上記特定の光学機能面とする事を特徴と
する請求項9の光学素子。 - 【請求項11】請求項9および請求項10の光学素子を
使用する事を特徴とする光走査装置。 - 【請求項12】プラスチック射出成形用金型の光学機能
面に対応する鏡面駒をNC加工機で加工するためのNC
データを作成するプログラムであって、光走査装置の像
面における複数の像高での焦点ずれ量の測定結果を入力
データとして、任意の像高に対応する特定の光学機能面
のレンズ高さを算出するレンズ高さ算出手段と、任意の
像高に対応する特定の光学機能面の部分曲率と焦点ずれ
量の比例係数である感度を算出するレンズ高さ算出手段
と、焦点ずれ量と感度から部分曲率を算出する部分曲率
算出手段と、レンズ高さと部分曲率の分布より特定の鏡
面駒の補正加工用NCデータを算出する補正形状算出手
段とからなる事を特徴とするNC作成プログラム。
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