JPWO2005118246A1 - 成形型の設計方法、成形型及び成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、球面レンズを成形すべく、球面の成形面を有する成形型を用いて成形すると、成形された光学レンズは、非球面形状を含む球面以外の面形状となってしまうことがある。従って、成形型を設計する場合、これらの諸要因を考慮して、成形型に適切な形状補正を加える必要がある。
さらに、乱視処方に対応する乱視屈折力を0.25ジオプター(D)〜2.00ジオプター(D)の範囲とした場合、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとすると乱視の種類で8種類必要である。従って、球面処方および乱視処方を組み合わせると、一つ製品において、448種のレンズ度数に対応する必要があり、さらに成形型は上下の2つの成形型で構成されるので、全部で896種となる。
このため成形型の作成においては、前述のような型毎の形状補正の作業を伴うため、多くの製作期間を必要としていた。
本発明の他の目的は、前記成形型を用いた成形品を提供することにある。
また、成形された成形品の曲面形状の測定値を非球面の式に近似させて、この成形品の曲面形状を非球面として定量化して特定したので、測定値に含まれる測定誤差や成形品の曲面の表面粗さ等のノイズを排除して、成形された成形品の曲面の表面形状のみを抽出できる。
更に、非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と当該成形品の球面形状の設計曲面との誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化する。そして、このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計する。このため、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した補正情報をデータベースから取り出すことによって、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正する補正情報を短時間に確定できる。
これらの結果、曲面が非球面の所望形状の成形品を成形する成形型の成形面を効率的に設計することができる。
〔A〕第1の実施の形態(図1〜図10)
図1は、本発明に係る成形型の設計方法における第1の実施の形態が実施されて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。図5は、図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面および設計曲面などを示すグラフである。図7は、図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。
図1に示す成形型10は、プラスチック製の球面レンズをキャスト法と呼ばれる製法によって成形するものであり、上型モールド11、下型モールド12及びガスケット13を有して構成される。上記上型モールド11及び下型モールド12はレンズ母型と総称される。
上述の成形型10を用いた光学レンズの製造手順を、図3を参照して説明する。
まず、光学レンズの原料であるモノマーを用意する(S1)。このモノマーは熱硬化樹脂であり、この樹脂に触媒と紫外線吸収剤などを加えて調合し、フィルタで濾過する(S2)。
上型モールド11及び下型モールド12は、プレス加工した厚いガラスブランクスの両面を加工することで得られるため、まず、このガラスブランクスを用意する(S11)。
このガラスブランクスを加工することで、ガラスブランクスのプレス面の表面欠陥層を除去し、使用面16及び非使用面17を所定精度の曲率半径にすると同時に、微細で均一粗さの高精度な使用面16及び非使用面17を得る。ガラスブランクスの上記加工は、研削及び研磨によって実施される。
上述のようにして製造される成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の設計手順を、図5及び図7を参照して次に述べる。
まず、成形品である光学レンズをテスト成形する成形型10を用意する。成形されるべき上記光学レンズは、曲面が球面形状の球面レンズである。従って、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における成形面たる使用面16も球面形状に形成される。この場合、上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の曲率半径は、光学レンズの曲面の設定値(例えばレンズの頂点屈折力における曲率半径である設計頂点曲率半径R0)と等しく形成される。尚、設計頂点曲率半径R0を有する光学レンズの曲面を、設計曲面20(図5)と称する。
このデータ解析では、テスト成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項である基準球面成分と、式(1)の第2項である多項式成分とを分離独立して取り扱う。
ところで、従来技術は形状誤差の球面成分及び非球面成分を一体として補正を行う。従って、形状誤差の補正係数も球面成分と非球面成分とで同一の係数が適用される。ところが、後述する各レンズ形状毎の補正数値は、形状誤差の球面成分と非球面成分とで形状毎に全く異なる。例えば、図12(b)は、形状誤差の球面成分の凹面側における補正数値である。この図12(b)の示すところは、レンズの表面形状が変化しても、一部の形状を除き、凹面側の球面成分補正値が一定であることを示す。さらに図12(a)は、形状誤差の球面成分凸面側における補正数値である。この図12(a)が示す補正数値は、凸面側形状が屈折力4D以上では一定となることを示す。すなわち、全体形状補正値は、屈折力4D以上では凹凸両面で形状誤差の補正数値が一定である事を示す。一方、形状誤差の非球面成分は全ての屈折力で異なる値を示し、形状誤差及び補正値、ならびに成型品の形状には傾向がない。
しかし、従来技術では、形状誤差の球面成分と非球面成分を一体に補正する。したがって、すべての形状において補正値を変更することとなる。しかしながら、本来変更しなくてもよい屈折力4D以上のレンズ形状の形状誤差球面成分についても、変更して補正を行うことになるため、補正値確定は更に複雑化する。結果として、全ての成形型毎に試作を十分繰り返し、適切な補正値を確定する事になる。本実施形態は、形状誤差の球面成分と非球面成分を分離させて、補正情報を独立して求めることで、適切な補正を実施して容易に成形型を設計することができる。
上型モールド11、下型モールド12の使用面16は、成形される光学レンズの寸法よりも大きくならなければならないため、光学レンズの曲面の設計値を拡張して使用面16の設計値を算出する(S31)。この算出された設計値に基づき、使用面16が光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R0)と等しくなるように上型モールド11及び下型モールド12を製作し、成形型10を組み立てる(S32)。
その後、上記頂点曲率C及び非球面係数A4、A6、A8、A10を用いて、成形されて式(1)に定量化された光学レンズのデータを解析する(S34)。この際、式(1)の第1項(K=0)と第2項を分離独立して取り扱い、第1項(K=0)から全体形状補正情報を算出し(S35)、第2項から局所形状補正情報を算出する(S36)。
本実施形態による成形品の形状精度について説明する。
上述のようにして製作された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10により成形された光学レンズは、曲面が所望の球面
形状となっている。例えば、図10(A)は、本実施形態による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。また図10(B)は、上記第1の従来技術による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。図10(A)及び図10(B)は共に面屈折力が5.00D(ジオプター)の光学レンズを成形型10により成形した成型品の測定結果である。図10は、横軸がレンズ中心(頂点)からの距離(mm)であり、グラフ中央部の0が光学レンズ中心を示す。また縦軸が屈折力誤差量を示しており、0.00Dは誤差がないことを示す。図10に基づき本実施形態と第1の従来技術によって成形された成型品の形状誤差量について詳細に説明する。
更に、レンズ中央部以外の周辺部について説明する。この周辺部では、成形された光学レンズの曲面を異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの光学レンズの設計曲面に対する形状誤差は、レンズ各部のいずれの位置においても本実施形態による成型品が小さくなっている。一般的な眼鏡フレームで使用される眼鏡レンズの外径50mm付近での形状誤差を比較すると、本実施形態では誤差量が0.02D程度であるが、第1の従来技術では0.04Dである。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が2倍程度向上している事がわかる。
更に、本実施形態の誤差量は、第1の従来技術に比べてレンズ中心部から周辺部にかけて誤差の変化量が小さく緩やかである。従って、視線位置が眼球回旋により中心部から周辺部に移動しても違和感が少ない効果もある。
これらの結果から、本実施形態の設計方法による成形型10にて成形された光学レンズは、設計曲面と略等しい形状となっていることがわかる。また、第1の従来技術における成形型により成形された光学レンズは、設計曲面からかけ離れた形状となっていることがわかる。
P=(n−1)/r …(3)
この式(3)において、nは光学レンズの屈折率である。尚、凸面と凹面を有するメニスカス形状の光学レンズでは、凸面と凹面のそれぞれの面屈折力の和が、当該光学レンズの屈折力を表す。
次に、図7のステップ21及び図8のステップ33において、テスト成形された光学レンズの曲面形状を測定する際に基準とする転写マーク32(図9(A))について述べる。この転写マーク32は、成形型の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に形成されたマーク(不図示)が、テスト成形された光学レンズ30の曲面31に転写して形成されたものである。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式である式(1)に近似させて光学レンズの曲面を非球面として特定する。このため、成形された光学レンズの曲面形状のうち、球面成分のみならず、球面以外の成分をも非球面の式(1)に近似させて定量化し特定できる。従って、非球面に特定された光学レンズの曲面と当該光学レンズの設計曲面との誤差が、球面形状成分と球面形状以外の成分とを正確に取り込んだものとなる。この結果、上記誤差に対応する補正情報も正確となって、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく補正して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(補正情報のデータベース化の説明)
図11は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線を示すグラフである。図12は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された全体形状補正情報を示すグラフである。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号及び名称を用いることによって説明を省略する。
即ち、第1の実施の形態は、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状に関し一種類の光学レンズをテスト成形し、補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報)を求める。この補正情報を直接用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を補正して設計するものである。
これに対し、第2の実施の形態は、光学レンズの特性としての光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状が異なる多種類の光学レンズを、それぞれ予めテスト成形し、そのとき得られた補正情報を光学レンズの特性毎にデータベース化する。データベース作成後は再度テスト成形することなく、または簡易的なテスト成形のみにより、このデータベース化された補正情報を用いて、それぞれの光学レンズを量産するための成形型10の上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の設計値を補正して設計するものである。
この図11に一例として示すように、成形された光学レンズの形状変化率曲線は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。図11の符号a、b、c、d、eは、光学レンズの設計曲面の形状(曲率半径)がそれぞれ+2.00D相当形状、0.00D相当形状、−2.00D相当形状、−6.00D相当形状、−10.00D相当形状の場合の形状変化率曲線を示す。
図12は、光学レンズの設計曲面の形状が異なる複数の光学レンズを成形したとき、この成形された光学レンズの全体形状補正情報と光学レンズの設計曲面の形状との関係を、凸面側では曲線α、凹面側では曲線βによりそれぞれ示している。この場合、光学レンズは、レンズ素材が屈折率1.699であり、凸面及び凹面を有するメニスカス形状の眼鏡用レンズである。この図12に一例として示すように、成形された光学レンズの全体形状補正情報は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。
ところで、図11は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると、形状変化率曲線がダイナミックに変化することを示している。更に、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)は、曲面形状値−6.00D(図11の曲線d)よりも形状変化率が小さくなっており、形状変化率と曲率形状のカーブ値は比例している。しかしながら、曲面形状値−10.00D(図11の曲線e)は、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)よりも形状変化率が小さくなり反比例している。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は複雑な様態を示し、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
ところで、図12は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると全体形状補正値も変則的に変化することを示している。例えば、凸面では、面屈折力0から3Dまでは全体形状補正値は面屈折力に比例する。一方、面屈折力が4Dよりも大きくなると、全体形状補正値は−0.05Dで一定となる。さらに、凹面側では、一部の面屈折力を除き全体形状補正値は一定である。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は現状で予測不可能であり、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
上述のようにして構成されたことから、上記第2を実施の形態においても、前記第1の実施の形態における効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)を奏する。
(6)全体形状補正情報と、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線とを分離独立して、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状毎にデータベース化し、このデータベース化された各補正情報等を用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値を補正して設計する。このことから、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状に適合した全体形状補正情報及び局所形状補正情報(正確には、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線)をデータベースから取り出すことによって、テスト成形を実施することなく、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値の補正情報等を短時間に確定できる。この結果、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16を効率的に設計することができる。
(球面補正値による非球面形状補正方法の説明)
この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態においてデータベース化された、曲面が球面形状の成形品(光学レンズ)を成形するための補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報の一部である形状変化率)を利用して、曲面が非球面形状の成形品(光学レンズ)を成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける成形面である使用面の設計値を補正して設計するものである。
例えば、成形しようとする曲面が非球面形状の光学レンズにおける設計曲面の頂点での曲率半径が+2.00D(ジオプター)である場合について考える。まず成形しようとする光学レンズと同一のレンズ素材であって、上記頂点曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の設計曲面を備えた光学レンズについて、該当するデータベースを参照する。例えば図12に示す全体形状補正情報から、全体形状補正情報として凸面側では、横軸の”凸面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線α上の該当する全体形状補正値−0.100Dを取り出す。一方、凹面側では、横軸の”凹面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線β上の該当する全体形状補正値−0.125Dを取り出す。同様にデータベース化された、例えば図11に示す局所形状補正情報の一部である形状変化率から、形状変化率として曲線aを取り出す。
次に、成形しようとする光学レンズの非球面形状の設計曲面に設計された成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値に、上述のようにしてデータベースから取り出された形状変化率に基づき算出された局所形状補正情報と、データベースから取り出された全体形状補正情報とを、Z方向に加算する。
以上のように構成されたことから、上記第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(5)を奏する他、次の効果(7)を奏する。
例えば、本実施の形態では、キャスト法を用いて光学レンズを成形して製造するものを述べたが、このキャスト法以外の製造方法によって光学レンズを製造する場合にも本発明を適用できる。具体的には、プラスチックレンズを直接切削加工及び研磨加工する場合において、研削加工での切削面形状データ補正、研磨加工での研磨ツール(研磨皿)の形状補正及び屈折力補正に適用できる。更に、本発明は、熱軟化成形型の補正等に適用可能である。
11 上型モールド
12 下型モールド
16 使用面(成形面)
20 設計曲面
21 成形曲面
22、23 曲面形状
30 光学レンズ
31 曲面
32 転写マーキング
33 頂点転写マーキング
34A、34B 周縁部転写マーキング
A2i 非球面係数
B2i 係数
C 頂点曲率
R0 設計頂点曲率半径
R 頂点曲率半径
O 頂点
P 光軸
例えば、球面レンズを成形すべく、球面の成形面を有する成形型を用いて成形すると、成形された光学レンズは、非球面形状を含む球面以外の面形状となってしまうことがある。従って、成形型を設計する場合、これらの諸要因を考慮して、成形型に適切な形状補正を加える必要がある。
さらに、乱視処方に対応する乱視屈折力を0.25ジオプター(D)〜2.00ジオプター(D)の範囲とした場合、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとすると乱視の種類で8種類必要である。従って、球面処方および乱視処方を組み合わせると、一つ製品において、448種のレンズ度数に対応する必要があり、さらに成形型は上下の2つの成形型で構成されるので、全部で896種となる。
このため成形型の作成においては、前述のような型毎の形状補正の作業を伴うため、多くの製作期間を必要としていた。
本発明の他の目的は、前記成形型を用いた成形品を提供することにある。
また、成形された成形品の曲面形状の測定値を非球面の式に近似させて、この成形品の曲面形状を非球面として定量化して特定したので、測定値に含まれる測定誤差や成形品の曲面の表面粗さ等のノイズを排除して、成形された成形品の曲面の表面形状のみを抽出できる。
更に、非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と当該成形品の球面形状の設計曲面との誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化する。そして、このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計する。このため、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した補正情報をデータベースから取り出すことによって、曲面が非球面形状の成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正する補正情報を短時間に確定できる。
これらの結果、曲面が非球面の所望形状の成形品を成形する成形型の成形面を効率的に設計することができる。
〔A〕第1の実施の形態(図1〜図10)
図1は、本発明に係る成形型の設計方法における第1の実施の形態が実施されて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。図5は、図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面および設計曲面などを示すグラフである。図7は、図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。
図1に示す成形型10は、プラスチック製の球面レンズをキャスト法と呼ばれる製法によって成形するものであり、上型モールド11、下型モールド12及びガスケット13を有して構成される。上記上型モールド11及び下型モールド12はレンズ母型と総称される。
上述の成形型10を用いた光学レンズの製造手順を、図3を参照して説明する。
まず、光学レンズの原料であるモノマーを用意する(S1)。このモノマーは熱硬化樹脂であり、この樹脂に触媒と紫外線吸収剤などを加えて調合し、フィルタで濾過する(S2)。
上型モールド11及び下型モールド12は、プレス加工した厚いガラスブランクスの両面を加工することで得られるため、まず、このガラスブランクスを用意する(S11)。
このガラスブランクスを加工することで、ガラスブランクスのプレス面の表面欠陥層を除去し、使用面16及び非使用面17を所定精度の曲率半径にすると同時に、微細で均一粗さの高精度な使用面16及び非使用面17を得る。ガラスブランクスの上記加工は、研削及び研磨によって実施される。
上述のようにして製造される成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の設計手順を、図5及び図7を参照して次に述べる。
まず、成形品である光学レンズをテスト成形する成形型10を用意する。成形されるべき上記光学レンズは、曲面が球面形状の球面レンズである。従って、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における成形面たる使用面16も球面形状に形成される。この場合、上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の曲率半径は、光学レンズの曲面の設定値(例えばレンズの頂点屈折力における曲率半径である設計頂点曲率半径R0)と等しく形成される。尚、設計頂点曲率半径R0を有する光学レンズの曲面を、設計曲面20(図5)と称する。
このデータ解析では、テスト成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項である基準球面成分と、式(1)の第2項である多項式成分とを分離独立して取り扱う。
ところで、従来技術は形状誤差の球面成分及び非球面成分を一体として補正を行う。従って、形状誤差の補正係数も球面成分と非球面成分とで同一の係数が適用される。ところが、後述する各レンズ形状毎の補正数値は、形状誤差の球面成分と非球面成分とで形状毎に全く異なる。例えば、図12(b)は、形状誤差の球面成分の凹面側における補正数値である。この図12(b)の示すところは、レンズの表面形状が変化しても、一部の形状を除き、凹面側の球面成分補正値が一定であることを示す。さらに図12(a)は、形状誤差の球面成分凸面側における補正数値である。この図12(a)が示す補正数値は、凸面側形状が屈折力4D以上では一定となることを示す。すなわち、全体形状補正値は、屈折力4D以上では凹凸両面で形状誤差の補正数値が一定である事を示す。一方、形状誤差の非球面成分は全ての屈折力で異なる値を示し、形状誤差及び補正値、ならびに成型品の形状には傾向がない。
しかし、従来技術では、形状誤差の球面成分と非球面成分を一体に補正する。したがって、すべての形状において補正値を変更することとなる。しかしながら、本来変更しなくてもよい屈折力4D以上のレンズ形状の形状誤差球面成分についても、変更して補正を行うことになるため、補正値確定は更に複雑化する。結果として、全ての成形型毎に試作を十分繰り返し、適切な補正値を確定する事になる。本実施形態は、形状誤差の球面成分と非球面成分を分離させて、補正情報を独立して求めることで、適切な補正を実施して容易に成形型を設計することができる。
上型モールド11、下型モールド12の使用面16は、成形される光学レンズの寸法よりも大きくならなければならないため、光学レンズの曲面の設計値を拡張して使用面16の設計値を算出する(S31)。この算出された設計値に基づき、使用面16が光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R0)と等しくなるように上型モールド11及び下型モールド12を製作し、成形型10を組み立てる(S32)。
その後、上記頂点曲率C及び非球面係数A4、A6、A8、A10を用いて、成形されて式(1)に定量化された光学レンズのデータを解析する(S34)。この際、式(1)の第1項(K=0)と第2項を分離独立して取り扱い、第1項(K=0)から全体形状補正情報を算出し(S35)、第2項から局所形状補正情報を算出する(S36)。
本実施形態による成形品の形状精度について説明する。
上述のようにして製作された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10により成形された光学レンズは、曲面が所望の球面
形状となっている。例えば、図10(A)は、本実施形態による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。また図10(B)は、上記第1の従来技術による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。図10(A)及び図10(B)は共に面屈折力が5.00D(ジオプター)の光学レンズを成形型10により成形した成型品の測定結果である。図10は、横軸がレンズ中心(頂点)からの距離(mm)であり、グラフ中央部の0が光学レンズ中心を示す。また縦軸が屈折力誤差量を示しており、0.00Dは誤差がないことを示す。図10に基づき本実施形態と第1の従来技術によって成形された成型品の形状誤差量について詳細に説明する。
更に、レンズ中央部以外の周辺部について説明する。この周辺部では、成形された光学レンズの曲面を異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの光学レンズの設計曲面に対する形状誤差は、レンズ各部のいずれの位置においても本実施形態による成型品が小さくなっている。一般的な眼鏡フレームで使用される眼鏡レンズの外径50mm付近での形状誤差を比較すると、本実施形態では誤差量が0.02D程度であるが、第1の従来技術では0.04Dである。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が2倍程度向上している事がわかる。
更に、本実施形態の誤差量は、第1の従来技術に比べてレンズ中心部から周辺部にかけて誤差の変化量が小さく緩やかである。従って、視線位置が眼球回旋により中心部から周辺部に移動しても違和感が少ない効果もある。
これらの結果から、本実施形態の設計方法による成形型10にて成形された光学レンズは、設計曲面と略等しい形状となっていることがわかる。また、第1の従来技術における成形型により成形された光学レンズは、設計曲面からかけ離れた形状となっていることがわかる。
P=(n−1)/r …(3)
この式(3)において、nは光学レンズの屈折率である。尚、凸面と凹面を有するメニスカス形状の光学レンズでは、凸面と凹面のそれぞれの面屈折力の和が、当該光学レンズの屈折力を表す。
次に、図7のステップ21及び図8のステップ33において、テスト成形された光学レンズの曲面形状を測定する際に基準とする転写マーク32(図9(A))について述べる。この転写マーク32は、成形型の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に形成されたマーク(不図示)が、テスト成形された光学レンズ30の曲面31に転写して形成されたものである。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式である式(1)に近似させて光学レンズの曲面を非球面として特定する。このため、成形された光学レンズの曲面形状のうち、球面成分のみならず、球面以外の成分をも非球面の式(1)に近似させて定量化し特定できる。従って、非球面に特定された光学レンズの曲面と当該光学レンズの設計曲面との誤差が、球面形状成分と球面形状以外の成分とを正確に取り込んだものとなる。この結果、上記誤差に対応する補正情報も正確となって、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく補正して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(補正情報のデータベース化の説明)
図11は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線を示すグラフである。図12は、本発明に係る成形型の設計方法における第2の実施の形態において用いられるデータベース化された全体形状補正情報を示すグラフである。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号及び名称を用いることによって説明を省略する。
即ち、第1の実施の形態は、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状に関し一種類の光学レンズをテスト成形し、補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報)を求める。この補正情報を直接用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を補正して設計するものである。
これに対し、第2の実施の形態は、光学レンズの特性としての光学レンズのレンズ素材及び設計曲面形状が異なる多種類の光学レンズを、それぞれ予めテスト成形し、そのとき得られた補正情報を光学レンズの特性毎にデータベース化する。データベース作成後は再度テスト成形することなく、または簡易的なテスト成形のみにより、このデータベース化された補正情報を用いて、それぞれの光学レンズを量産するための成形型10の上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の設計値を補正して設計するものである。
この図11に一例として示すように、成形された光学レンズの形状変化率曲線は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。図11の符号a、b、c、d、eは、光学レンズの設計曲面の形状(曲率半径)がそれぞれ+2.00D相当形状、0.00D相当形状、−2.00D相当形状、−6.00D相当形状、−10.00D相当形状の場合の形状変化率曲線を示す。
図12は、光学レンズの設計曲面の形状が異なる複数の光学レンズを成形したとき、この成形された光学レンズの全体形状補正情報と光学レンズの設計曲面の形状との関係を、凸面側では曲線α、凹面側では曲線βによりそれぞれ示している。この場合、光学レンズは、レンズ素材が屈折率1.699であり、凸面及び凹面を有するメニスカス形状の眼鏡用レンズである。この図12に一例として示すように、成形された光学レンズの全体形状補正情報は、屈折率の異なるレンズ素材毎、及び光学レンズの設計曲面の形状毎に算出されて、データベース化される。
ところで、図11は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると、形状変化率曲線がダイナミックに変化することを示している。更に、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)は、曲面形状値−6.00D(図11の曲線d)よりも形状変化率が小さくなっており、形状変化率と曲率形状のカーブ値は比例している。しかしながら、曲面形状値−10.00D(図11の曲線e)は、曲面形状値−2.00D(図11の曲線c)よりも形状変化率が小さくなり反比例している。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は複雑な様態を示し、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
ところで、図12は、レンズ素材が同じでも曲面形状が変化すると全体形状補正値も変則的に変化することを示している。例えば、凸面では、面屈折力0から3Dまでは全体形状補正値は面屈折力に比例する。一方、面屈折力が4Dよりも大きくなると、全体形状補正値は−0.05Dで一定となる。さらに、凹面側では、一部の面屈折力を除き全体形状補正値は一定である。従って、レンズのような複雑な形状の形状変化は現状で予測不可能であり、従来技術では適切な補正を行うことが困難であることが解る。
上述のようにして構成されたことから、上記第2を実施の形態においても、前記第1の実施の形態における効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)を奏する。
(6)全体形状補正情報と、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線とを分離独立して、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状毎にデータベース化し、このデータベース化された各補正情報等を用いて、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値を補正して設計する。このことから、光学レンズのレンズ素材及び設計曲面の形状に適合した全体形状補正情報及び局所形状補正情報(正確には、局所形状補正情報の一部である形状変化率曲線)をデータベースから取り出すことによって、テスト成形を実施することなく、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16の設計値の補正情報等を短時間に確定できる。この結果、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16を効率的に設計することができる。
(球面補正値による非球面形状補正方法の説明)
この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態においてデータベース化された、曲面が球面形状の成形品(光学レンズ)を成形するための補正情報(全体形状補正情報、局所形状補正情報の一部である形状変化率)を利用して、曲面が非球面形状の成形品(光学レンズ)を成形する成形型の上型モールド及び下型モールドにおける成形面である使用面の設計値を補正して設計するものである。
例えば、成形しようとする曲面が非球面形状の光学レンズにおける設計曲面の頂点での曲率半径が+2.00D(ジオプター)である場合について考える。まず成形しようとする光学レンズと同一のレンズ素材であって、上記頂点曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の設計曲面を備えた光学レンズについて、該当するデータベースを参照する。例えば図12に示す全体形状補正情報から、全体形状補正情報として凸面側では、横軸の”凸面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線α上の該当する全体形状補正値−0.100Dを取り出す。一方、凹面側では、横軸の”凹面側レンズ形状を表す屈折力”の2Dにおいて、曲線β上の該当する全体形状補正値−0.125Dを取り出す。同様にデータベース化された、例えば図11に示す局所形状補正情報の一部である形状変化率から、形状変化率として曲線aを取り出す。
次に、成形しようとする光学レンズの非球面形状の設計曲面に設計された成形型の上型モールド及び下型モールドにおける使用面の設計値に、上述のようにしてデータベースから取り出された形状変化率に基づき算出された局所形状補正情報と、データベースから取り出された全体形状補正情報とを、Z方向に加算する。
以上のように構成されたことから、上記第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(5)を奏する他、次の効果(7)を奏する。
例えば、本実施の形態では、キャスト法を用いて光学レンズを成形して製造するものを述べたが、このキャスト法以外の製造方法によって光学レンズを製造する場合にも本発明を適用できる。具体的には、プラスチックレンズを直接切削加工及び研磨加工する場合において、研削加工での切削面形状データ補正、研磨加工での研磨ツール(研磨皿)の形状補正及び屈折力補正に適用できる。更に、本発明は、熱軟化成形型の補正等に適用可能である。
11 上型モールド
12 下型モールド
16 使用面(成形面)
20 設計曲面
21 成形曲面
22、23 曲面形状
30 光学レンズ
31 曲面
32 転写マーキング
33 頂点転写マーキング
34A、34B 周縁部転写マーキング
A2i 非球面係数
B2i 係数
C 頂点曲率
R0 設計頂点曲率半径
R 頂点曲率半径
O 頂点
P 光軸
Claims (15)
- 成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、
この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、
測定した上記成形品の曲面と上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、
この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として特定し、
曲面が非球面形状の最終成形品を成形する成形型の成形面の設計値を、当該非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報を用いて補正して設計することを特徴とする成形型の設計方法。 - 非球面形状の曲面を有する成形品に適合した上記補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面における頂点曲率半径、または当該成形品の非球面形状の設計曲面における全面での平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面の補正情報であることを特徴とする請求項1に記載の成形型の設計方法。
- 成形面が、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型を用意し、
この成形型から成形された成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて上記成形品の曲面を非球面として特定し、
非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と、上記成形品の上記設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、
この誤差に対応する情報を、曲面が球面形状の成形品を成形するための補正情報として、当該成形品の特性毎にデータベース化し、
このデータベース化された補正情報を用いて、曲面が非球面形状の最終成形品を成形する成形型の成形面の設計値を補正して設計することを特徴とする成形型の設計方法。 - 上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを含む多項式であることを特徴とする請求項3に記載の成形型の設計方法。
- 上記非球面の式は、成形品の曲面における球面形状成分と、成形品の曲面における球面形状以外の成分とを加算すること特徴とする請求項3または4に記載の成形型の設計方法。
- 上記式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された成形品の曲面における球面形状成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された成形型の成形面の全体形状を補正する全体形状補正情報を求め、
また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、成形品の球面形状の設計曲面に形成された上記成形型の上記成形面の局所形状を補正する局所形状補正情報を求め、
これらの各補正情報のそれぞれを分離独立して、設計曲面が球面形状を有する上記成形品の特性毎にデータベース化することを特徴とする請求項6に記載の成形型の設計方法。 - 上記全体形状補正情報は、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す基準球面の曲率半径と、成形品の球面形状の設計曲面における曲率半径との差に基づいて決定することを特徴とする請求項7に記載の成形型の設計方法。
- 上記局所形状補正情報は、式(1)の第2項である多項式成分が表す、成形された成形品の曲面における球面形状以外の成分の高さ(Z値)と、上記成形品の球面形状の設計曲面の高さ(Z値)とを用いて算出される形状変化率に基づいて決定し、上記形状変化率をデータベース化することを特徴とする請求項7または8に記載の成形型の設計方法。
- 上記成形品の特性は、当該成形品である光学レンズのレンズ素材及び、球面形状の設計曲面の形状であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の成形型の設計方法。
- 曲面が非球面形状の最終成形品を成形する上記成形型の成形面の設計は、成形品の非球面形状の設計曲面に、非球面形状の曲面を有する成形品に適合した、データベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報を加算することにより実施することを特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載の成形型の設計方法。
- 非球面形状の曲面を有する最終成形品に適合した、データベース化された上記全体形状補正情報と上記局所形状補正情報は、成形しようとする曲面が非球面形状の成形品と同一のレンズ素材であって、上記成形品の非球面形状の設計曲面の平均曲率半径と一致する曲率半径を有する球面形状の成形品の設計曲面についてデータベース化された全体形状補正情報と局所形状補正情報であることを特徴とする請求項11に記載の成形型の設計方法。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の成形型の設計方法を実施して成形されたことを特徴とする成形型。
- 請求項13に記載の成形型を用いて成形されたことを特徴とする成形品。
- 請求項14に記載の成形品はメニスカス形状の眼鏡レンズであることを特徴とする成形品。
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