JP4711853B2 - 累進屈折力眼鏡レンズ検査時の改善された公差決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型を用いて作製した累進屈折力眼鏡レンズ(累進多焦点眼鏡レンズ)の形状精度を測定し、このレンズ形状精度が所定の公差内にあるかどうかに基づいて成形型の修正の要否を判定する際の公差を合理的に決定する技術に関する。
金型を用いた成形加工によってレンズを製作し、出来上がったレンズの形状精度を測定する方法として、以下の方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
(1) レンズの設計値にプラスチック材料の収縮率(略0.5%)を考慮して成形型を設計、製作する。
(2) 製作された成形型の鏡面部(鏡面駒)の形状精度(面精度や外径寸法等の形状誤差)を測定し、その測定結果に基づいて成形型を評価し、加工ミスの有無をチェックする。
(3) 得られた成形型を用いて様々な条件のもとにプラスチックレンズを成形し、成形されたプラスチックレンズを複屈折や面精度等の形状精度をもとに評価し、最適な成形条件を決定する。
(4) 成形された複数のプラスチックレンズについて精度を測定し、それらの測定結果が傾向的に所望の精度に達しない場合、成形されたレンズの、設計値に対するずれを算出し、この算出結果に基づいて成形型の設計データに補正を加え、成形型を修正ないしは新たに作り直す。
(5) このように修正ないしは新たに作り直して得られた成形型を用いて再度プラスチックレンズを成形し、出来上がったプラスチックレンズを上述したのと同様の方法によって形状精度を測定し、精度が公差内にあることを確認する。
上述した工程における成形型やプラスチックレンズの形状精度の測定は、3次元測定器や非球面形状測定器を用い、所定の間隔をおいた複数の直線に沿うようにして形状精度を逐次測定し、得られた測定結果に基づいて面形状の2次元点列データを生成する。そして、このデータと成形型やプラスチックレンズの設計データ(設計値)との差を求め、これらの差が全体として少なくなるようにシフト及びティルトに相当する補正を加えた上で最終的な誤差を測定ポイントごと算出して形状誤差を求める。
特開平8−216272号公報
ところで、累進屈折力眼鏡レンズの試験方法として、JIS T 7315には被検レンズの遠用点および近用点においてレンズメータを用いて屈折力を測定する方法が規定されている。しかし、こうした遠用点、近用点以外のレンズ面全体について設計値と測定値とを比較して評価することに関しては規定がない。
そのため、上述した遠用点・近用点以外の部分の形状精度を測定し、成形された眼鏡レンズや金型の合否を判定する際の公差を、レンズ設計者の経験や独自の設計思想に基づいて設定することがあった。
しかし、累進屈折力レンズの種類は多いため、異なる種類の製品ごとに一律の公差を適用することは難しく、経験の少ない設計者はともすれば公差を厳しく設定する傾向にあって、それが眼鏡レンズ製造の際の良品率低下、ひいては製造コスト高騰の原因となることがあった。逆に、性能を確保する上で必要な公差が設定されていなかったために要求仕様を満足させることができない、ということも起こりうることである。
本発明は上述の背景のもとでなされたものであり、特に例えば、成形加工によって製作された累進屈折力眼鏡レンズの形状精度を測定し、その測定結果に基づいて累進屈折力眼鏡レンズ成形用の成形型の良否を判定する際に、一貫性のある公差設定可能とし、これにより安定した品質の眼鏡レンズを製造可能とすることを目的とする。
(1) 本発明は、成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度を測定して、前記累進屈折力レンズを成形するための成形型の修正要否を判定する際の、レンズ面形状精度測定基準値に対して与えられる公差を決定するための公差決定方法に適用され、
精度測定対象である前記累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面において、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに装用者による使用が想定される領域を網羅するように定められる精度測定対象領域を細分化された測定領域に分割することと、
前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合に、前記細分化された測定領域ごとに対応して想定される、前記装用者による使用頻度及び性能上の重要度が低下するのにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整する公差幅調整手順を用い、前記細分化された領域ごとに公差を設定することと、
を有することにより上述した課題を解決する。
(2) 本発明はまた、上記(1)の発明において、前記公差幅設定手順が、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合の、前記累進屈折力眼鏡レンズ上の遠用部アイポイント及び前記装用者の眼球の回旋中心を結ぶ直線と、前記装用者の視線とでなす角度である回旋角が増すにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整する。
(3) 本発明は、上記(1)または(2)の発明において、前記公差幅設定手順が、
前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合の、前記累進屈折力眼鏡レンズの前記細分化された測定領域に対応するレンズ面上の領域それぞれにおける乱視屈折力の設計上の大きさを、前記累進屈折力眼鏡レンズの入射面側形状、射出面側形状、及び両面形状のうち、いずれかによって求め、
求められた前記乱視屈折力の設計上の大きさが増すにつれて、公差が拡大されるように公差幅を調整する。
(4) 本発明はさらに、上記(3)の発明において、前記公差幅設定手順が、前記累進屈折力眼鏡レンズに設定される加入度数及び累進帯域長のうち、少なくともいずれかの大きさに応じて、前記乱視屈折力の設計上の大きさ及び前記回旋角の増加に伴う公差拡大に際しての変化率を変化させるものである。
(5) 本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかの発明において、前記細分化された測定領域ごとに、前記レンズ面形状精度の測定結果から局部的な乱視屈折力を求めることをさらに有し、
前記細分化された領域ごとに前記公差幅調整手順を用いて設定される公差は、前記細分化された領域ごとに求められる設計上の乱視屈折力と、前記レンズ面形状の測定結果から求められる局部的な乱視屈折力との差に対する許容値として設定されるものである。
(6) 本発明はまた、成形型を用いて累進屈折力眼鏡レンズを成形する累進屈折力眼鏡レンズの製造方法にも適用され、
前記成形型を用いた成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度の測定結果がレンズ面形状精度測定基準値に対して、上記(1)〜(5)のいずれかの発明に係る公差決定方法で決定された公差から逸脱し、修正要と判定された場合に、前記レンズ面形状精度測定基準値と前記レンズ面形状精度の測定結果との差に基づいて、当該の差が前記公差内に収まるように前記成形型の設計値を修正することと、
修正された前記設計値に基づいて前記成形型を修正または新規製作することと、
前記成形型の修正または新規製作の後、更なる修正が不要と判定された成形型を用いて前記累進屈折力眼鏡レンズを成形することと
を有することにより上述した課題を解決する。
(7) 本発明は累進屈折力眼鏡レンズにも適用され、上記(6)の発明に係る製造方法を用いて製造される。
(8) 本発明はさらに、成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度を測定して、前記累進屈折力レンズを成形するための成形型の修正要否を判定するシステムに適用され、
精度測定対象である前記累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面において、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに装用者による使用が想定される領域を網羅するように定められる精度測定対象領域を細分化された測定領域に分割する測定領域分割手段と、
前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合に、前記細分化された測定領域ごとに対応して想定される前記装用者による使用頻度及び性能上の重要度が低下するのにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整して調整済み公差を設定する公差設定手段と、
前記測定領域分割手段によって分割された、前記細分化された測定領域のそれぞれに対応する精度測定結果を測定基準値と逐次比較して当該の比較結果が前記調整済み公差内にあるか否かを判定し、前記逐次比較した結果がすべて前記調整済み公差内にあると判定されたときに前記累進屈折力眼鏡レンズ成形用の成形型の修正は不要と判定する成形型修正要否判定手段と
を有することにより上述した課題を解決する。
(1) 本発明は、レンズ面形状精度を測定して、累進屈折力レンズを成形するための成形型の修正要否を判定する際のレンズ面形状精度測定基準値に対して与えられる公差を決定する際に、累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに装用者による使用が想定される領域を網羅するように定められる精度測定対象領域を細分化された測定領域に分割する。そして、細分化された測定領域ごとに対応して想定される、装用者による使用頻度及び性能上の重要度が低下するのにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整する公差幅調整手順を用い、細分化された領域ごとに公差を設定する。それにより、レンズ面内の細分化された測定領域ごとに、実使用に即した合理的な公差を設定することができ、必要な性能の確保が可能となると同時に、合理的な公差幅設定による不必要な成形型の作り直しや良品率の低下を招くことがなくなり、レンズ製造コストの低減や納期短縮に寄与することが可能となる。
(2) そして、細分化された測定領域ごとに対応して想定される装用者による使用頻度及び性能上の重要度として、装用者の眼球の回旋角や、細分化された測定領域に対応するレンズ面上の領域それぞれにおける乱視屈折力の設計上の大きさの大きさが増すにつれて公差が拡大されるようにすることにより、公差幅の設定が定量的に行われて、できあがる製品の種類によらず、安定した公差の設定が可能となり、製品の品質の安定化を図ることができる。
(3) さらに、累進屈折力眼鏡レンズに設定される加入度数及び累進帯域長のうち、少なくともいずれかの大きさに応じて、乱視屈折力の設計上の大きさ及び回旋角の増加に伴う公差拡大に際しての変化率を変化させることにより、製品の仕様に応じてより適正な公差を細分化された測定領域ごとに設定することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る、累進屈折力眼鏡レンズ成形用の成形型の修正要否を判定する型修正要否判定システム100と、この型修正要否判定システム100に接続される、型設計データ修正システム150の概略構成を示すブロック図である。これらのシステム100および150には、成形加工して得られた被検レンズTLのレンズ面形状精度を測定する三次元測定器10と、累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面の設計データを生成または保持するレンズ面設計データ生成部/保持部20と、鏡面コア加工部156とが接続されている。以下の説明中において、特に混同の虞がない限り、上述した型修正要否判定システム100および型設計データシステム150を、単に「システム100」、「システム150」と称する。
レンズ面設計データ生成部/保持部20は、被検レンズTLのレンズ面の設計データを生成ないしは保持する機能を有し、コンピュータ、あるいはストレージ装置等によって構成することができる。
三次元測定器10は、市販される一般的なものを用いることができる。その一例を説明すると、固定台11上に被検物(図1の例では被検レンズTL)が載置・固定される。一方、被検物表面の水平方向及び高さ方向(図1に示すX軸、Y軸、Z軸それぞれの方向)の位置は、計測ヘッド12によって測定される。測定結果は、被検物表面上の測定点に対応してX、Y、Z座標データが組み合わせられたかたちの精度測定データとしてシステム100および150のそれぞれに出力される。この三次元測定器10による被検物表面上の測定範囲や、測定に際しての計測ヘッド12の送りピッチ、あるいは計測の開始や終了等は、システム100から三次元測定器10に出力される測定領域・測定ピッチ情報や制御信号等によって制御可能に構成されている。
型修正要否判定システム100の構成について説明する。このシステム100は、測定領域・測定ピッチ設定部102と、公差決定部104と、精度判定部106とを有する。
測定領域・測定ピッチ設定部102は、予め入力される被検レンズTL(累進屈折力眼鏡レンズ)の外径寸法情報、加入度数、累進帯長、レンズ材料の屈折率やアッベ数等の情報に基づいて、被検レンズTLの精度測定対象表面上における測定範囲および測定ピッチを求める。このとき、測定領域・測定ピッチ設定部102は、被検レンズである累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに、装用者による使用が想定される領域を網羅するように測定範囲を設定する。この、装用者による使用が想定される領域を網羅する測定範囲としては、眼鏡フレーム(リム)の形状に合わせるために行われる外形加工がなされる前のレンズである、いわゆるアンカットレンズのレンズ面のほぼ全体とすることが望ましい。その場合、予め入力される被検レンズTLの外径寸法情報に基づいて測定範囲を設定することが可能となる。
測定領域・測定ピッチ設定部102で、上述した測定範囲とともに設定される測定ピッチは、一例として挙げると10μm程度から2.5mm程度の範囲で定められる等間隔のピッチとしてもよい。あるいは、この測定ピッチを不等間隔のものとしてもよく、その場合には被検レンズである累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに、装用者による使用が想定される領域内において、遠用部領域や近用部領域等の、使用頻度が比較的高く、性能上の重要度が比較的高いことが想定される領域においてピッチを細かくする一方、いわゆる非点収差領域等の、使用頻度が比較的低く、性能上の重要度が比較的低いことが想定される領域においてピッチを粗くするようにしてもよい。このようにして、求められた測定範囲、すなわち精度測定対象領域が、細分化された測定領域に分割される。
測定領域・測定ピッチ設定部102が上述の測定範囲および測定ピッチ(精度測定対象領域および細分化された測定領域)を求めるにあたって、予め入力される被検レンズTLの外径寸法情報等に基づき、計算によって求めるものであってもよい。あるいは、被検レンズTLの種類に対応して予め用意されているルックアップテーブル(LUT)等を用いて求めるものであってもよい。上述のようにして求められた測定領域・測定ピッチ情報は、三次元測定器10および公差決定部104に出力される。三次元測定器10は、この測定領域・測定ピッチ情報に基づいて測定ヘッド12の移動ストローク(移動範囲)や、測定ヘッド12の移動に際しての送りピッチ等を制御する。
公差決定部104は、レンズ面設計データ生成部/保持部20から入力される被検レンズTLの設計データと、測定領域・測定ピッチ設定部102から入力される測定範囲・測定ピッチ情報を入力する。公差決定部104は次に、後で図2及び図3を参照して詳述する手順を経て、測定領域・測定ピッチ設定部102から入力された測定領域・測定ピッチ情報に基づいて、細分化された測定領域(その測定領域を代表する測定点)のそれぞれごとに公差(測定値と測定基準値との間に存在する差異として許容可能な値の範囲)を設定する。
精度判定部106は、公差決定部104から出力される公差情報、レンズ面設計データ生成部/保持部20から出力されるレンズ面の設計データ、及び三次元測定器10から出力される被検レンズTLのレンズ面の形状精度測定データを入力する。そして精度判定部106は、入力されたこれらのデータをもとに、後で詳述する手順を経て、累進屈折力眼鏡レンズである被検レンズTLを成型加工する際に用いられた成形型が修正ないしは作り直しを必要とするか否かを判定する。
精度判定部106による判定結果がNG、すなわち成形型の修正ないしは作り直しが必要であるとの判定がなされた場合、型設計データ修正システム150に対して成形型設計データ修正の指令が発せられる。
型設計データ修正の指令を受けると、成形型修正量演算部152は、レンズ面設計データ生成部/保持部20からレンズ面の設計データを、そして三次元測定器10から被検レンズTLのレンズ面の形状精度測定データを、それぞれ入力して成形型の修正量を算出し、成形型の修正量データを成形型加工データ生成部154に出力する。
成形型加工データ生成部154は、成形型修正量演算部152から入力した修正量データとレンズ面設計データ生成部/保持部20から入力したレンズ面の設計データとに基づいて、成形型を加工する際に用いられる成形型加工用データを生成する。
修正された成形型加工用データは、成形型加工部156に送られる。一般に、レンズ成形用の成形型はレンズ外径を定める部分と、そのレンズ外径を定める部分に挿入される、鏡面コア(鏡面駒)とを有する。この鏡面コアに、成形されて出来上がるレンズのレンズ面を形成するための面が形成される。鏡面コアに形成されるレンズ成形用の面は、切削式あるいは研削式の超精密非球面加工機等を用いて生成される。
ここで成形型の型形状と、この成形型を用いて成形されるレンズのレンズ面形状との関係について説明しておく。成形加工で得られたレンズ面の形状は、成形型の型形状と必ずしも一致する訳ではない。一致しない原因としては、成形に用いられる樹脂材料が成形型内で固化する際に収縮したり、レンズの肉厚の分布が不均一であることや、成形型内の温度分布が不均一であることなどにより成形型内に射出された樹脂材料の冷却速度がレンズ内の場所によって異なり、不均一に収縮することによってレンズ内に内部歪みが生じ、成形型から取りだしたレンズに反りを生じたりすることが挙げられる。また、樹脂材料を成形型内に射出する際の、樹脂材料の流動方向に沿う収縮率と流動方向に直交する方向の収縮率とで差が生じることも成形型の形状が成形されるレンズのレンズ面形状と一致しない原因として挙げられる。これらの要因を加味すべく、成形型の設計段階においてCAEの技法を用い、成形型内における樹脂材料の挙動をシミュレートして、結果として出来上がる製品の形状精度が製品の設計値となるべく一致するように成形型の設計値を修正したり、成形型内に配置するヒータの位置を調節したりすることが一般的に行われる。しかし、それでも予測し得ない要因によって、成形して出来上がった製品の精度が製品の設計値に対して誤差を有することがある。本発明の目的とするところは、このような誤差が許容できるのかできないのかを的確に判断することにある。許容できない場合には、成形条件の見直しを図り、それでも許容できない場合には成形型の設計値を修正して、その修正結果に基づいて成形型(鏡面コア)の修正ないし作り直しを行うことになる。なお、以下では説明が複雑になることを避けるため、レンズの面形状精度が要求精度を満足しない場合に成形条件の見直しを図ることについては省略し、成形型を修正する手順を実行するものとして説明を進める。
上述したシステム100、150は、ハードロジックで構成されてもよく、あるいは記憶媒体に記録されたプログラムコードを逐次解読して実行するコンピュータで構成されてもよい。これらのシステム100、150は、図1に示されるように別体に構成されるものであっても、あるいは一体に構成されるものであってもよい。同様に、レンズ面設計データ生成部/保持部20は、システム100、150の内部に組み込まれるものであってもよい。また、三次元測定器10は、システム100、150に直接、あるいはLAN等を経て間接的に接続されていてもよく、あるいは接続はされずに、被検レンズTLの測定領域・測定ピッチ等は三次元測定器10の操作盤(不図示)等を介して設定されるものであってもよい。その場合、被検レンズTLのレンズ面形状測定データは記憶媒体等に保管され、その記憶媒体等を経てシステム100、150に精度測定データが入力されるものであってもよい。
図2及び図3は、図1に例示される型修正要否判定システム100及び型設計データ修正システム150を用いて実施される、成形型の良否判定手順の概略的構成を示すフローチャートである。
S200において、被検レンズTLの外径寸法、加入度数、累進帯長等の情報に基づいて、三次元測定器10を用いて行われる被検レンズTLのレンズ面の形状精度測定に際しての、測定範囲、測定ピッチを求める。S200の処理は、例えば図1に示す測定領域・測定ピッチ設定部102で自動的に行われる。
S202において、被検レンズTLのレンズ設計データがレンズ面設計データ生成部/保持部20から取得される。続くS204においては、S202で取得されたレンズ設計データに基づき、S200で求められた測定範囲、測定ピッチによって定められる細分化された測定領域のそれぞれに対応して、後で詳細に説明する公差幅補正係数Hが求められ、この公差幅補正係数Hを用いて公差が求められる。
図3は、S204での処理内容をより詳細に示すフローチャートである。また、図4の(a)は、累進屈折力眼鏡レンズPLおよび眼球EBを、眼球の回旋中心Oを通る垂直な平面で断面をとった様子を示す図である。そして、図4の(b)は、直径50mmのアンカット累進屈折力眼鏡レンズPLの乱視屈折力C(設計値)の分布を例示する図である。この図4(b)には、累進屈折力眼鏡レンズPLの設計値から求められる、設計上の乱視屈折力の分布が等高線で表されている。図4(b)に例示される乱視屈折力の分布は、
(1) 累進屈折力眼鏡レンズPLの外面側の面形状設計値から求められるものであっても、
(2) 内面側の面形状設計値から決まるものであっても、あるいは
(3) 外面側および内面側双方の面形状設計値から求められるものであってもよい。
また、必要に応じて、累進屈折力眼鏡レンズPLの製造に際して用いられる材料の光学的特性(アッベ数、屈折率等)も加味することが望ましい。また、図4(b)において、円形の領域AがS200の処理手順で求められる測定範囲の一例である。
ここで、成形型の良否判定手順の説明から一度離れて図4の説明をしておくと、図4(a)において、眼球EBの回旋中心O及び累進屈折力眼鏡レンズPLの遠用部アイポイントFを通る直線と、眼球EBの視線とでなす角度が眼球EBの回旋角θとして定義される。図4(a)は縦断面図であるので、視線が垂直方向に沿って振られる様子のみが描かれているが、視線が水平方向に沿って振られた場合にも回旋角θは変化する。黄班部は網膜の中心近くに直径1.5mm程度の大きさで存在する。この黄班部において最も良い視力が得られるので、累進屈折力眼鏡レンズPLの外面上において、この黄班部に対応するφ4.1mmの領域が眼鏡レンズとして性能上最も重要な領域とみなすことができる。一方、回旋角θが比較的大きい領域は装用者による使用頻度が比較的少なく、したがって性能上の重要度が比較的低いとみなすことができる。但し、累進屈折力眼鏡レンズにおいては、装用者が比較的近い対象物を目視する場合には視線を眼鏡レンズ上の近用部に視線を移動させることになるので、図4(b)に示される遠用部Fから近用部Nに視線を動かす場合、回旋角θが増加する程度に比して性能上の重要度はそれほどには低下しないと考えるのが妥当である。
図4(b)に示される設計上の乱視屈折力の分布においては、第3象限、第4象限近辺の、回旋角が比較的大きくなる領域において乱視屈折力が比較的大きく設定されている様子が描かれている。乱視屈折力が比較的大きく設定されている領域もまた、眼鏡装用者による使用頻度は比較的低く、従って性能上の重要度も比較的低いと考えることができる。
S200で精度測定対象領域が設定され、同じくS200で測定ピッチが設定されて、それにより精度測定対象領域が分割されて得られる、細分化された測定領域のそれぞれに対して、図4を参照して説明した上記の思想を反映すべく、S204では以下に説明するように公差が決定される。
ここで再び成形型の良否判定手順の説明に戻る。図3は、図2のS204での処理を詳細に示す図である。この図3のS302において、所与の測定対象ポイント、すなわち細分化された多数の測定領域のうち、ある1つの細分化された測定領域を代表する点に対応して乱視屈折力C及び回旋角θが求められる。図4(b)においては眼鏡レンズ外形の中心を原点とする直交座標系も描かれているが、回旋角θを求める際には遠用部アイポイントFの位置を原点(0,0)とするx−y直交座標系を定める。ある測定対象ポイントのx座標値、y座標値をそれぞれX、Yとすると、回旋角θは、

θ=tan-1[{√(X2+Y2)}/30] … 式(1)

で求められる。なお、上式において、x座標値X、y座標値Yの二乗和を開平した値を30で除しているが、この30なる値は図4(a)における眼球EBの旋回中心Oと累進屈折力眼鏡レンズPLの外面上の遠用部アイポイントまでの距離(mm)である。ある測定対象ポイントにおける乱視屈折力Cの設計値については、眼鏡レンズの設計データから、上述したx座標値およびy座標値(X、Y)に対応する値を求めることができる。
S304において、設計上の乱視屈折力Cに対する重み付け係数Hcを求める。この重み付け係数Hcは、以下に説明するように予め定められている関数 Hc=f(C) から算出される。本願発明者がレンズ設計ソフトウェアを用いて検討した結果、累進屈折力眼鏡レンズPLのレンズ面内の細分化された領域ごとに求められる設計上の乱視屈折力Cの大きさに応じて、図5の(a)に示されるような重み付け係数Hcを設定すると、製品の性能と製造上の要求精度をバランスさせる上で好ましいことが判明した。図5の(a)に示されるデータは、離散的なものである一方、S304において補正係数Hcを求める際の乱視屈折力Cは様々な中間的な値を取りうる。そこで、図5の(a)に示される乱視屈折力Cと重み付け係数Hcとの関係から補完多項式を用いて、

Hc=f(C) … 式(2)

なる補正係数Hcを導出するための方程式を求めておく。補間多項式としては、チェビシェフ、スプライン、ラグランジュの各補間多項式等、適宜のものを使用可能である。この補正係数Hcを導出する関数f(θ)の特徴的な部分は、乱視屈折力Cが0〜0.5Dの範囲において重み付け係数Hcが1となる点である。このように重み付け係数Hcが決められることにより、完成した眼鏡として装用された場合の、性能上の重要度が高い部分、すなわち乱視屈折力Cが比較的小さい部分において後述する公差Δは比較的厳密となる特性を有するようになる。この補正係数Hcは、

1≧Hc>0

の範囲で変化しうる。図6(a)には、補正係数Hcが最大値1となる範囲の例がハッチングを施して示されている。この範囲には、遠用部アイポイントおよび近用部アイポイントのある部分が含まれる。
S306において、回旋角θに対する重み付け係数Hθを求める。この重み付け係数Hθは、以下に説明するように予め定められている関数 Hθ=f(θ) から算出される。本願発明者がレンズ設計ソフトウェアを用いて検討した結果、累進屈折力眼鏡レンズPLのレンズ面内の細分化された領域ごとに求められる回旋角θの大きさに応じて、図5の(b)に示されるような重み付け係数Hθを設定すると、製品の性能と製造上の要求精度をバランスさせる上で好ましいことが判明した。図5の(b)に示されるデータは、重み付け係数Hcに関して説明したのと同様に離散的なものである一方、S306において補正係数Hθを求める際の回旋角θもまた様々な中間的な値を取りうる。そこで、図5の(b)に示される回旋角θと重み付け係数Hθとの関係から補完多項式を用いて、

Hθ=f(θ) … 式(3)

なる補正係数Hθを導出するための方程式を求めておく。補間多項式としては、補正係数Hcに関連して上述したのと同様に、チェビシェフ、スプライン、ラグランジュの各補間多項式等、適宜のものを使用可能である。この補正係数Hθを導出する関数f(θ)の特徴的な部分は、回旋角θが0〜3.9°の範囲において重み付け係数Hθが1となる点である。このように重み付け係数Hθが決められることにより、完成した眼鏡として装用された場合の、性能上の重要度が高い部分、具体的には図4の(a)を参照すると良く分かるように、眼球EBの黄班部に対応する累進屈折力眼鏡レンズPLの外面上の領域(φ4.1mmの範囲)において後述する公差Δは比較的厳密となる特性を有するようになる。この補正係数Hθは、

1≧Hθ>0

の範囲で変化しうる。図6(b)には、補正係数Hθが最大値1となる範囲の例が示されている。この図6(b)において、ハッチングを施した部分が黄班部に対応する範囲を示しており、この範囲は遠用部アイポイントの位置にある。
S308において、公差幅補正係数Hを求める。この公差幅補正係数Hは、以下の式で求められる。

H=Hc×Hθ … 式(4)

乱視屈折力Cに対する重み付け係数Hc及び回旋角θに対する重み付け係数Hθが共に0よりも大きく、1以下であるという値の範囲を有することにより、公差幅補正係数Hもまた0よりも大きく、1以下という値の範囲を有することになる。
S310において、全ての測定対象ポイント、すなわち細分化された測定領域それぞれにおける公差幅補正係数Hが全て求められたかどうかを判定し、判定結果が否定された場合、すなわち、細分化された測定領域のうち、公差幅補正係数Hがまだ求められていない領域が依然として存在する場合にはS302に戻って残りの領域のそれぞれにおける公差幅補正係数Hを求める処理を繰り返し行う。一方、S310での判定結果が肯定された場合、すなわち細分化された測定領域の全てにおいて公差幅補正係数Hが求められている場合には、以下に説明するS312の処理を行う。
S312において、公差幅補正係数Hの累乗値nを求める。この累乗値nは、測定対象の累進屈折力眼鏡レンズPLの光学的仕様、たとえば加入度数の大きさや累進帯長の長さ、アンカットレンズの外径寸法等によって定められる。この累乗値nは、4よりも小さく、0.5よりも大きい値とすることが望ましい。
S314において、所与の測定対象ポイント、すなわち細分化された多数の測定領域のうち、ある1つの細分化された測定領域を代表する点における公差Δを算出する。公差Δを算出するために、以下の式が用いられる。

Δ=基準公差/(Hn) … 式(5)

ここに、基準公差は、遠用部アイポイント部に対して設定される公差である。遠用部アイポイント部に設定される公差は、この遠用部アイポイント部が累進屈折力眼鏡レンズPLのレンズ面内で最も使用頻度が高いと想定される領域であることから、被検レンズの精度測定に際して設定される最も厳密な公差となる。細分化された測定領域のそれぞれに対して設定される公差Δは、公差幅補正係数Hが0よりも大きく、1以下であるという値の範囲を有するものであり、累乗値nが0.5〜4の範囲内にある値であることより、公差幅補正係数Hが小さくなるにつれて公差Δは大きくなる傾向にある。
また、所与の測定対象ポイントにおける設計上の乱視屈折力Cが大きいほど、あるいは回旋角が大きいほど公差Δは大きく(要求精度が緩くなるように)設定されることになる。このとき、累乗値nを大きくする程、公差Δは大きくなる。一般に、レンズ周辺部の性能をあまり重視しない設計のものに対しては累乗値nを大きくして、レンズ中心部領域に比してレンズ周辺部での面形状寸法の公差を緩めにする一方、周辺部を重視する設計のものに対しては累乗値nを小さくして、レンズ周辺部においても公差が比較的厳密になるようにすることが可能となる。例えば、累進屈折力眼鏡レンズPLの累進帯長が比較的短い場合には累乗値nを比較的大きい値に設定することにより、回旋角が増すのにつれて、或いは乱視屈折力Cが増す(公差幅補正係数Hが小さくなる)のにつれて公差Δが大きくなる程度を大きくすることができる。また、累進帯長の比較的長い設計に対しては累乗値nを小さい値に設定することにより、図4(b)に示される遠用部アイポイントFおよび近用部アイポイントN双方の領域近傍、すなわち眼鏡装用者による使用頻度及び性能上の重要度の高い領域で、比較的厳密な公差が設定されるようにすることが可能となる。
S316において、測定対象ポイントの全てに対して公差算出を完了したか否かを判定する。S316での判定が否定された場合(「いいえ」の場合)、S314に戻って残る測定ポイントすべてに対する公差を算出し終わるまでS314、S316の手順を繰り返す。一方、S316の判定が肯定された場合(「はい」の場合)、図2のS204の処理手順が完了したことになる。
以上に説明した処理手順において、S200の処理は測定領域・測定ピッチ設定部102で実行される。また、S202、S204(図3のS302〜S316の処理を含む)の処理は、公差決定部104で実行される。
図2を参照してS206以降の処理手順について説明する。S206で、精度検定対象の成形型を用いてレンズを成型する。S206で成形して得られた被検レンズを三次元測定機10上に載置して、続くS208において被検レンズの形状測定を行う。
S210において、精度測定値と基準値とを比較する。ここで、上記の基準公差及び補正後の公差Δに関して説明すると、これらの公差は寸法の誤差(被検レンズの精度測定対象レンズ面上で設定された測定範囲を細分化するように分割設定された、多数の「細分化された測定領域」それぞれを代表する多数の測定ポイントにおける、被検レンズTLのレンズ厚み方向の寸法の誤差、すなわち図1のZ軸方向の寸法測定結果と測定基準値との差)に対して与えられるものとすることができる。或いは、上記の「細分化された測定領域」ごとに、図1の三次元測定機10で得られたZ軸方向の寸法測定結果からシミュレーションによって乱視屈折力を求め、この値と設計上の乱視屈折力Cとを比較して、その比較結果が設定された公差Δ内にあるか否かを判定するものであってもよい。このように、三次元測定機10で得られた測定結果をもとに「細分化された測定領域」ごとに乱視屈折力をシミュレーションによって求め、この値を基準値(設計上の乱視屈折力C)と比較すると、被検レンズTLが眼鏡完成品として装用されたときの性能、特に眼鏡を装用した状態で眼球を旋回(視線を移動)させたときに感じられる像ユレの程度などを直観的に把握しやすくなるので好都合である。
全ての「細分化された測定領域」で計測した結果と測定基準値との差、すなわち誤差が、S204で求められた公差内にあるかどうかがS212で判定され、この判定が否定されるとS214の処理手順に分岐する。S214およびそれに続くS216の処理手順は、整形型が「要修正」と判定されたときの処理である。S214においては、レンズ設計データと精度測定データとが比較され、その差に基づいて成形型の設計データに補正が加えられる。そしてS214で得られた補正設計データに基づき、S216において成形型の修正(鏡面駒の作り直し)が行われ、再度S206からの処理手順に戻る。
S212での判定が肯定された場合、すなわち成形型は合格で、量産に使用可能であると判定されるとS218に分岐し、S218においては合格の判定がなされた成形型によってレンズが成形される。S218で成形されたレンズは次工程に送られて検査や二次加工・仕上げ・梱包・出荷などの処理が行われる。
以上で説明した処理手順のうち、S212の処理手順が図1の精度判定部106で行われる。そしてS214の処理は成形型修正量算出部152及び成形型加工データ生成部154で、S216の処理は成形型加工部156で行われる。
累進屈折力眼鏡レンズの評価に際して、以上に説明した本発明に係る公差決定方法を適用することにより、レンズ設計者個々の経験に頼ることなく、眼鏡装用者による使用頻度の高低や性能上の重要度の高低に応じてレンズ表面の形状測定精度に与えられる公差を適切に設定することが可能となる。したがって、設計の異なる製品ごとの品質レベルの安定化を図ることが可能であり、また、不必要に厳密な公差が適用されることを抑止して、品質レベルには問題がないにもかかわらず、不良品として扱われるような不具合も抑制できる。
以上では、成形型で成形されたレンズの形状精度を測定して、成形型の合否を判定する例について説明したが、成形されたレンズそのものの品質を判定する際にも本発明を適用することが可能である。
以下では2つの実施例を示し、さらに参考例として回転対称非球面に対して本発明に係る公差決定方法を適用する例を示す。
(第1実施例)
図7の(a)は、累進帯長11mm、ADD(加入度数)2.00の累進屈折力眼鏡レンズについて、設計上の乱視屈折力Cの分布を示す図である。本実施例においては、累乗値nとして1.2を用いる。図8に、式(2)、式(3)を用いて重み付け係数Hθ、Hcを導出し、次いで式(4)を用いて公差係数Hを算出し、そして式(5)を用いて公差Δを算出する過程を表のかたちで示す。本実施例においては、遠用部アイポイント(回旋角θ=0°)における、乱視屈折力(ディオプター)を単位とする公差0.06を式(5)中の基準公差として用いた。
遠用部アイポイントFから直線Aに沿う方向に回旋角θが増すのに伴う乱視屈折力Cの変化(図7(a)を参照。0.00から2.11まで変化している。)に対応する計算過程が図8の(a)に示されており、同様に遠用部アイポイントFから直線Bに沿う方向に回旋角θが増すのに伴う乱視屈折力Cの変化(一定値0.00のまま変化しない。)に対応する計算過程が図8の(b)に示されている。
被検レンズTLの精度測定対象レンズ面上で設定された測定範囲を細分化するように分割設定された、個々の「細分化された測定領域」それぞれにおける公差補正係数Hを算出し、さらにその公差補正係数Hのn乗(本実施例においてはn=1.2)の分布を二次元的にプロットしたのが図7の(b)である。また、上述のようにして求められた公差Δの分布を二次元的にプロットしたのが図9である。図9を見ると、遠用部アイポイントを中心とする、黄班部に対応するレンズ外面上の領域に相当する部分において最も厳密な公差±0.06(ディオプター)が設定されていることが判る。また、遠用部アイポイントから近用部アイポイントに向かう方向には公差の変化が少なく、従って比較的厳密な公差が適用されることが判る。その一方で、眼鏡レンズの左右部分それぞれにおけるやや下側に存在する非点収差領域においては回旋角θの増加に伴う公差幅拡大の割合が増して比較的緩い公差が適用されるようになることが判る。
図10は、被検レンズTLの精度測定結果の一例を二次元的にプロットしたものであり、「細分化された測定領域」それぞれに対応して、測定基準値に対するずれ(形状寸法誤差からシミュレーションで求められた乱視屈折力と設計上の乱視屈折力との差)の大きさに応じたハッチングパターンを施してある。この図10の凡例にも示されるように、ハッチングパターンの濃度が濃く見える部分が形状寸法誤差の大きめな部分となっている。この測定結果に、図9に示す公差を適用し、「細分化された測定領域」それぞれにおける形状寸法誤差が公差内にあるかどうかを判定する。
図11は、「細分化された測定領域」それぞれにおける精度測定結果と基準値との比較の結果、公差から外れた部分における公差外の大きさを二次元的にプロットしたものである。図11を見て判るように、本例で測定された被検レンズTLは、遠用部と近用部との間の累進帯域において公差を外れる箇所があり、従って成形型の修正が必要と判定される。
(第2実施例)
図12の(a)は、累進帯長15mm、ADD(加入度数)1.00の累進屈折力眼鏡レンズについて、設計上の乱視屈折力Cの分布を示す図である。本実施例においては、累乗値nとして1を用いる。本実施例においても、第1実施例と同様に、被検レンズの形状精度の測定結果からシミュレーションによって「細分化された測定領域」ごとに乱視屈折力を算出し、それを設計上の乱視屈折力と比較する。その際、遠用部アイポイント(回旋角θ=0°)において設定される乱視屈折力の公差0.06(ディオプター)を式(5)中の基準公差とした。
被検レンズTLの精度測定対象レンズ面上で設定された測定範囲を細分化するように分割設定された、個々の「細分化された測定領域」それぞれにおける公差補正係数Hを算出し、さらにその公差補正係数Hのn乗(本実施例においてはn=1)の分布を二次元的にプロットしたのが図12の(b)である。また、基準公差を公差補正係数Hの1乗(H1)で除して求められた公差Δの分布を二次元的にプロットしたのが図13である。図13を見ると、遠用部アイポイントを中心とする、黄班部に対応するレンズ外面上の領域を囲む部分において最も厳密な公差±0.06(ディオプター)が設定されていることが判る。また、遠用部アイポイントから近用部アイポイントに向かう方向には公差の変化が少ないのは第1実施例と同様で、従って比較的厳密な公差が適用されることが判る。また、眼鏡レンズの左右におけるやや下側の非点収差領域で回旋角θの増加に伴う公差幅拡大の割合が増してはいるものの、実施例1ほどに公差幅は拡大されていない。その理由は、第2実施例における眼鏡レンズの累進帯長が比較的長く、かつ加入度数が比較的小さいため、上述した非点収差領域における設計上の乱視屈折力Cが比較的小さいからである。
図14は、被検レンズTLの精度測定結果の一例を二次元的にプロットしたものであり、「細分化された測定領域」それぞれに対応して、測定基準値に対するずれ(第1実施例と同様、形状寸法誤差からシミュレーションで求められた乱視屈折力と設計上の乱視屈折力とを比較)の大きさに応じたハッチングパターンを施してある。この測定結果に、図13に示す公差を適用し、「細分化された測定領域」それぞれにおける形状寸法誤差が公差内にあるかどうかを判定する。
図15は、「細分化された測定領域」それぞれにおける精度測定結果と基準値との比較の結果、公差から外れた部分における公差外の大きさを二次元的にプロットしたものである。図15を見て判るように、本例で測定された被検レンズTLは、「細分化された測定領域」のすべてにおいて形状寸法誤差は公差内に収まっている。したがって、この被検レンズTLを成形する際に用いられた成形型は合格で、修正の必要はないものと判定される。
(参考例)
以上に説明した公差の決定方法は、特に累進屈折力眼鏡レンズに対して大きな効果を発揮するが、回転対称非球面レンズ、あるいは球面レンズに対して適用することも可能である。
これらの回転対称非球面レンズおよび球面レンズは、累進屈折力眼鏡レンズと異なり、眼鏡完成品として装用された場合のアイポイントの位を特定することができないので、レンズ外径を基準とする幾何学的な中心位置、あるいはレンズの精度測定対象面上における光軸の存在する位置をアイポイントとして設定することが望ましい。
また、一般に回転対称非球面レンズおよび球面レンズにおいては設計上の乱視屈折力Cは比較的小さいので、先に説明した公差補正係数Hは眼球の回旋角θに大きく依存することになる。
回転対称非球面レンズに対して本発明に係る公差決定方法を適用する場合、累乗値nとしては0.5程度を用いることが望ましい。なぜならば、回転対象非球面レンズ中に存在する乱視屈折力Cは、球面レンズで周辺視をしたときに生じる非点収差、あるいはパワーエラー等を補正することを目的として設定されるものであるからである。すなわち、回転非球面レンズにおいては、設計上の乱視屈折力Cが大き目に設定されている部分が、性能上重要ではない部分と必ずしも一致する訳ではなく、むしろ性能を向上させるために乱視屈折力Cが大きくなるように設定されているからである。累乗値nを、このように比較的小さい値とすることにより、算出される公差Δに対する公差補正係数Hの影響が減じられて、必要以上に公差幅が拡げられるのを抑制することが可能となる。
以上のように、累乗値nを比較的小さく設定することによって、本発明に係る公差決定方法を回転対称非球面レンズ、あるいは球面レンズ等に対しても適用することができる。図16には、以上に説明した考え方に基づいて設定された公差Δの一例を二次元的にプロットしたものを示す。図16に示す例も、第1実施例及び第2実施例と同様、形状寸法誤差からシミュレーションで求められた乱視屈折力と設計上の乱視屈折力とを比較する。そして、レンズ中央部において黄班部に対応する領域に対して公差0.06(ディオプター)が適用されている。累乗値nが比較的小さめに設定されている結果、回旋角θの増加に対する公差Δ増加の割合が抑制されていて、レンズ周縁部近くでも比較的厳密な公差が適用される様子が判る。
以上に説明した実施例のそれぞれにおいては、直径50mmを有するアンカットレンズの解析結果を主に示しているが、それよりも大きな径を有するレンズに対しても、あるいは小さな径を有するレンズに対しても、本発明を適用することが可能である。
また、精度測定対象のレンズとしては、アンカット・フィニッシュトレンズ、アンカット・セミフィニッシュトレンズ、あるいはカットレンズのいずれであってもよい。
また、本発明の実施の形態の説明中では、レンズの精度を測定するものとして三次元測定機を用いる例について説明したが、透過式のレンズ収差測定機を用いてもよい。なお、透過式のレンズ収差測定機を用いる場合には、その測定機の測定原理及び収差解析方法を正確にシミュレートする必要がある。加えて、レンズの中心厚測定を併用する必要がある。さらに、評価結果から成形型を修正する際に、測定された誤差に基づいて成形型(鏡面コア)のどの部分をどのように修正するか、シミュレーションによって求める必要がある。
以上では、汎用累進屈折力眼鏡レンズを例にとって説明をしたが、中間距離/近用明視域を重視した設計の中近レンズ、あるいは近用明視域を重視した近々レンズについても以上に説明したのと同様の方法によって評価をすることが可能である。
本発明は、例えば、累進屈折力レンズ成形加工用の成形型を修正する必要があるかどうかを判定する際などに利用できる。
成形型の精度を測定した結果に基づき、成形型を修正するシステムの概略的構成を示す図である。 図1に示すシステムを用いて実行される成形型の判定手順を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートの一部を詳細に説明するフローチャートである。 (a)は眼鏡レンズ及び眼球の縦断面を示す図であり、(b)は累進屈折力眼鏡レンズの屈折力の分布を例示する図である。 (a)は乱視屈折力と重み付け係数Hcとの関係を示す図であり、(b)は眼球の回旋角θと重み付け係数Hθとの関係を示す図である。 (a)は重み付け係数Hcが1となる範囲を説明する図であり、(b)は重み付け係数Hθが1となる範囲を説明する図である。 (a)は第1実施例で説明される累進屈折力眼鏡レンズの乱視屈折力の分布を例示する図であり、(b)は公差補正係数Hの1.2乗値の分布を示す図である。 (a)は、図7(a)に示す直線Aに沿う方向における公差補正係数Hの分布を示す図であり、(b)は図7(a)に示す直線Bに沿う方向における公差補正係数Hの分布を示す図である。 補正後の公差の分布を例示する図である。 累進屈折力眼鏡レンズの面形状精度測定結果の一例を示す図である。 累進屈折力眼鏡レンズの面形状測定精度の公差外箇所および公差外の量を例示する図である。 (a)は第2実施例で説明される累進屈折力眼鏡レンズの乱視屈折力の分布を例示する図であり、(b)は公差補正係数Hの1乗値の分布を示す図である。 補正後の公差の分布を例示する図である。 累進屈折力眼鏡レンズの面形状精度測定結果の一例を示す図である。 累進屈折力眼鏡レンズの面形状測定精度の公差外箇所および公差外の量を例示する図である。 本発明を球面レンズ、あるいは回転対称非球面レンズに応用する例を説明する図であり、公差補正係数Hによって補正後の公差の分布を示す図である。
符号の説明
10 三次元測定機
20 レンズ面設計データ生成部/保持部
100 型修正要否判定システム
102 測定領域・測定ピッチ設定部
104 公差決定部
106 精度判定部
150 型設計データ修正システム
152 成形型修正量算出部
154 成形型加工データ生成部
156 成形型加工部
PL 累進屈折力眼鏡レンズ
EB 眼球

Claims (8)

  1. 成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度を測定して、前記累進屈折力レンズを成形するための成形型の修正要否を判定する際の、レンズ面形状精度測定基準値に対して与えられる公差を決定するための公差決定方法であって、
    精度測定対象である前記累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面において、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに装用者による使用が想定される領域を網羅するように定められる精度測定対象領域を細分化された測定領域に分割することと、
    前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合に、前記細分化された測定領域ごとに対応して想定される、前記装用者による使用頻度及び性能上の重要度が低下するのにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整する公差幅調整手順を用い、前記細分化された領域ごとに公差を設定することと、
    を有することを特徴とする公差決定方法。
  2. 前記公差幅設定手順は、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合の、前記累進屈折力眼鏡レンズ上の遠用部アイポイント及び前記装用者の眼球の回旋中心を結ぶ直線と、前記装用者の視線とでなす角度である回旋角が増すにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整するものであることを特徴とする請求項1に記載の公差決定方法。
  3. 前記公差幅設定手順は、
    前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合の、前記累進屈折力眼鏡レンズの前記細分化された測定領域に対応するレンズ面上の領域それぞれにおける乱視屈折力の設計上の大きさを、前記累進屈折力眼鏡レンズの入射面側形状、射出面側形状、及び両面形状のうち、いずれかによって求め、
    求められた前記乱視屈折力の設計上の大きさが増すにつれて、公差が拡大されるように公差幅を調整するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の公差決定方法。
  4. 前記公差幅設定手順は、前記累進屈折力眼鏡レンズに設定される加入度数及び累進帯域長のうち、少なくともいずれかの大きさに応じて、前記乱視屈折力の設計上の大きさ及び前記回旋角の増加に伴う公差拡大に際しての変化率を変化させることを特徴とする請求項3に記載の公差決定方法。
  5. 前記細分化された測定領域ごとに、前記レンズ面形状精度の測定結果から局部的な乱視屈折力を求めることをさらに有し、
    前記細分化された領域ごとに前記公差幅調整手順を用いて設定される公差は、前記細分化された領域ごとに求められる設計上の乱視屈折力と、前記レンズ面形状の測定結果から求められる局部的な乱視屈折力との差に対する許容値として設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の公差決定方法。
  6. 成形型を用いて累進屈折力眼鏡レンズを成形する累進屈折力眼鏡レンズの製造方法であって、
    前記成形型を用いた成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度の測定結果がレンズ面形状精度測定基準値に対して、請求項1〜5のいずれか一項に記載の公差決定方法で決定された公差から逸脱し、修正要と判定された場合に、前記レンズ面形状精度測定基準値と前記レンズ面形状精度の測定結果との差に基づいて、当該の差が前記公差内に収まるように前記成形型の設計値を修正することと、
    修正された前記設計値に基づいて前記成形型を修正または新規製作することと、
    前記成形型の修正または新規製作の後、更なる修正が不要と判定された成形型を用いて前記累進屈折力眼鏡レンズを成形することと
    を有することを特徴とする累進屈折力眼鏡レンズの製造方法。
  7. 成形加工によって製造される累進屈折力眼鏡レンズであって、請求項6に記載の製造方法を用いて製造されることを特徴とする累進屈折力眼鏡レンズ。
  8. 成形加工によって得られた累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面形状精度を測定して、前記累進屈折力レンズを成形するための成形型の修正要否を判定するシステムであって、
    精度測定対象である前記累進屈折力眼鏡レンズのレンズ面において、前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用されたときに装用者による使用が想定される領域を網羅するように定められる精度測定対象領域を細分化された測定領域に分割する測定領域分割手段と、
    前記累進屈折力眼鏡レンズが眼鏡完成品として装用された場合に、前記細分化された測定領域ごとに対応して想定される前記装用者による使用頻度及び性能上の重要度が低下するのにつれて公差が拡大されるように公差幅を調整して調整済み公差を設定する公差設定手段と、
    前記測定領域分割手段によって分割された、前記細分化された測定領域のそれぞれに対応する精度測定結果を測定基準値と逐次比較して当該の比較結果が前記調整済み公差内にあるか否かを判定し、前記逐次比較した結果がすべて前記調整済み公差内にあると判定されたときに前記累進屈折力眼鏡レンズ成形用の成形型の修正は不要と判定する成形型修正要否判定手段と
    を有することを特徴とする累進屈折力レンズ成形用の成形型の修正要否を判定するシステム。
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