JP6002407B2 - 眼鏡レンズ、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズの設計方法 - Google Patents

眼鏡レンズ、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズの設計方法 Download PDF

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本発明は、眼鏡レンズ、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズの設計方法に関する。
眼の調節力の補助として使用される累進屈折力レンズは広く知られている。従来は、外面、または、内面のどちらか一方にのみ累進要素のある累進屈折力レンズが主流であった。近年の加工技術の発達により、両方の面に累進要素のある両面累進屈折力レンズの開発が可能となった。両方の面が非球面となるため、透過収差分布が、いずれの面の面収差分布とも異なるよう設計することが可能となっている。
例えば、特許文献1には、どちらか一方の面をプログレッシブ面とし、他方の面をリグレッシブ面とすることにより、それぞれの面で生じる非点収差の和より、透過光線の非点収差の方が軽減される、という技術が公開されている。
特開2000−249992号公報
累進屈折力レンズを加工する際には、あらかじめ累進屈折面が加工された半製品レンズに対し、眼鏡レンズ作成時に、未加工面を眼鏡装用者の球面度数や乱視度数に合わせて設計し、加工していた。この半製品レンズはレンズタイプ毎に準備する必要があるため、レンズタイプ数に応じて、加工コストも在庫コストも上昇していく。
そのため、あるレンズタイプの半完成品レンズを用いて、まったく異なるレンズタイプを実現する技術が望まれている。すなわち、半製品レンズを用いて、半製品レンズの収差分布とはまったく異なった新しい透過収差分布を持つレンズにしたい場合に、半製品レンズの未加工面を適切に設計する技術が望まれている。
未加工面の設計は、加工面の収差とも、達成したい透過収差とも異なる複雑な設計になるため、容易に設計できない、設計法が定まっていないという問題がある。また、加工面とは異なる透過収差を達成したい場合には、光線を通しつつ達成したい収差を追い求めるため、とても手間がかかるという問題もある。なお、当該問題点は、累進屈折力レンズに対してのみならず、単焦点レンズなど、他の眼鏡レンズに対しても該当しうるものである。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、一方の面で発生する収差に関わらず、所定の透過収差分布を実現できる眼鏡レンズ、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズの設計方法を提供することにある。
本発明の第一の態様に従えば、予め設計された第一面と、第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、第一面及び第二面においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、第一面について、座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、原点から下方部参照点までの長さをL1(単位:mm)とし、第二面について、座標(y、z)におけるx座標をsag2(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、原点から下方部参照点までの長さをL2(単位:mm)とし、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRT)(単位:mm)とし、前記眼鏡レンズについて、下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)とし、前記眼鏡レンズの屈折率をn、前記ターゲット面の屈折率をnTとしたときに、第二面は、当該第二面の座標座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)が、
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を満たすように設計されている眼鏡レンズが提供される。
本発明の第二の態様に従えば、予め設計された第一面と、第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、第一面及び第二面においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)とし、前記眼鏡レンズについて、下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)としたときに、第一面の座標座標(y、z)におけるx座標sag1(y、z)(単位:mm)より得られるsag1A(y、z)(単位:mm)
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を第二面の座標座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)から引いて得られるサグ分布の面アス分布surfAbe(y、z)と、レンズの透過アス分布transAbe(y、z)との差の絶対値diffAbe(y、z)
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の、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲における平均値が0.25Dpt以下である眼鏡レンズが提供される。
本発明の第三の態様に従えば、予め設計された第一面と、第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、第一面及び第二面においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)とし、前記眼鏡レンズについて、下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)とし、ターゲット面の屈折率をnTとしたときに、第二面の、座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)を
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とした場合に設定される仮想レンズについての、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲を通る透過光線による透過アスの平均値が、0.25Dpt以下である眼鏡レンズが提供される。
本発明の第四の態様に従えば、予め設計された第一面と、当該第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズの製造方法であって、第一面の収差を低減する低減面を第二面に設定する低減工程を含む眼鏡レンズの製造方法が提供される。
本発明の第五の態様に従えば、予め設計された第一面と、当該第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズの設計方法であって、第一面の収差を低減する低減面を第二面に設定する眼鏡レンズの設計方法が提供される。
本発明の態様によれば、一方の面で発生する収差に関わらず、所定の透過収差分布を実現できる眼鏡レンズ、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡レンズの設計方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る眼鏡レンズの構成を示す平面図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの構成を示す側面図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法(設計方法)を示すフローチャート。 本実施形態に係る眼鏡レンズの製造過程を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの設計方法の一例を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの収差図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの設計方法の一部を示すフローチャート。 本実施形態に係る眼鏡レンズの面パワー分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの面アス分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの面パワー分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの面アス分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの透過パワー分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの透過アス分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの透過パワー分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの透過アス分布を示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの設計システムを示す図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの面パワー図及び面アス図。 本実施形態に係る眼鏡レンズの透過パワー図及び透過アス図。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態を説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る眼鏡レンズの構成を示す図である。図1は、左目用の眼鏡レンズ10を物体側から見たときの図である。図2は、当該眼鏡レンズ10を側方から見たときの図である。
本実施形態に係る眼鏡レンズ10は、レンズ面のうち物体側の面11が予め設計された第一面であり、眼側の面12が第二面となっている。第一面11に累進要素がある累進屈折力レンズを例に挙げて説明するが、レンズ面のうち眼側の面(第二面)12に累進要素が予め設計されたレンズに対しても同様の説明が可能である。また、本実施形態に係る累進屈折力レンズは、左目用のレンズを例に挙げて説明しているが、右目用の累進屈折力レンズに対しても同様の説明が可能である。尚、単焦点レンズは、累進屈折力レンズの自由度を制限したものと考えることが出来るから、以下においては、より複雑な累進屈折力レンズを例に挙げて説明する。そのため、上方部参照点を遠用参照点、下方部参照点を近用参照点を言い換えて説明する。
図1及び図2において、符号OC1は第一面11のプリズム測定位置であり、符号FR1は第一面11における遠用参照点であり、符号NR1は第一面11における近用参照点である。また、図2において、符号OC2は、第二面12のプリズム測定位置である。
図1及び図2においては、座標軸を、プリズム測定位置OC1を原点とし、当該プリズム測定位置OC1での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとる。
次に、眼鏡レンズ10の設計方法を説明する。
図3は、眼鏡レンズ10の設計全体の流れの概略を示した図である。図4は、設計による眼鏡レンズ10の態様を模式的に示す図である。本実施形態では、眼鏡レンズとして、例えば図4(a)に示すような片面(例、第一面21)のみが予め設計されて加工された状態の半製品レンズ20が複数在庫化されている場合を例に挙げて説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る眼鏡レンズ10の設計方法においては、選択工程、低減工程、付加工程及び補正工程が順に行われる。
選択工程は、複数の半製品レンズ20から、あらかじめ設計されて加工された面(例、第一面21)を有するレンズを選択する工程である。選択工程では、選択するレンズについての制限はなく、複数のレンズの中から任意のレンズを選択してよい。最終的な透過性能に関係なくレンズを選ぶことができるため、過去に設計した半製品を選んでも良いし、同じ透過性能を目指したい場合であっても異なる半製品を選んでも構わない。例えば図4(a)に示すように、半製品レンズ20において、あらかじめ設計された面を第一面21とし、他方の面を第二面22とする。再加工が可能であれば、第二面22は過去に設計・加工された面であっても良い。
図4(a)に示す半製品レンズ20のように第二面22が平らな面の場合、この半製品レンズ20に光を通すと、第一面21の収差分布の影響を避けられず、第一面21の収差分布を反映した透過収差分布となってしまう。そこで、半製品レンズ20を選択した後、第二面22の設計を行う。なお、透過収差とは透過光線による収差であり、透過光線とは、装用状態で処方度数が達成されるようにする場合には、レンズ上の指定点と眼球回旋点を通る光線を指し、レンズメータなどのレンズ度数測定装置によって測定される値が処方度数を達成するようにする場合には、レンズ上の指定点に垂直な光線を指す。近年では、装用状態で処方度数を達成することが多いため、以下では前者の眼球回旋点を通る透過光線を前提とする。
低減工程は、半製品レンズ20の第一面21によって発生する収差を低減するような設計を行う工程である。低減工程の概略は、図7(a)に示されている。本実施形態では、低減工程において、第一面21によって発生する収差を軽減したり相殺したりするような低減面を眼側の第二面22に設定する。低減工程により、第二面22には、図4(b)に示すように、例えば曲面状の低減面23が設定される。このように、低減工程を経ることにより、従来の面設計の技術で設計された面設計が適応できるようになる。
半製品レンズの相殺段階で第二面に適応するサグ分布としては、半完成品の第一面のサグ分布であってもいいし、第一面と同じレンズシリーズの第一面のサグ分布であっても良い。いくつかのパターンを試して、十分低減されたとみなされたものを採用すればよい。
当該低減工程は、第一面21の形状が共通する複数の半製品レンズ20の各第二面22に対して行うことができる。このように、すでに設計された、第一面21が共通のレンズシリーズに対して低減工程を行うと、半加工された半製品レンズ20を共通化することができる。つまり、すべてのレンズシリーズに対し、再設計することなく、共通の半製品レンズ20を利用することができる。
さらに、低減工程を経ることにより、半製品レンズ20の持つ面加入度が何ディオプターであっても、面加入度に応じて収差を低減させる低減面23が形成されることになる。このため、レンズシリーズに関係なく同じ半製品レンズ20を利用でき、加入度にも依存せず共通の半製品レンズ20を利用することができる。
以下、低減工程を説明する。
ここで、第一面21及び第二面22においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直で遠用参照点方向を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、第一面21について、ある座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)とし、遠用参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)とし、近用参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)とし、近用参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)とし、累進帯長をL1(単位:mm)とする。
また、第二面22について、座標(y、z)におけるx座標をcancel2(y、z)(単位:mm)とし、遠用参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)とし、近用参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)とし、近用参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)とし、累進帯長をL2(単位:mm)とする。また、半製品レンズ20の屈折率をnとする。
このとき、座標(y、z)におけるx座標であるcancel2(y、z)の値が、以下の[数21]〜[数24]を満たすように第二面22に低減面23を設定する。
Figure 0006002407
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上記[数21]は、低減工程における、第二面22の設計解の1つである。[数21]に示される式に従って計算された値を第二面22に適応することにより、収差を低減する低減面23を設定することができる。
半製品レンズ20の遠用参照点周辺は、度数の安定領域となっており面パワーはほぼ一定に保たれおり、そのためFS1として、遠用参照点付近の値を用いれば十分である。
なお、第二面22の遠用参照点における面パワーFS2としてFS1と同じ値を設定するのが第一次近似であり、より精度を上げるために、レンズの厚みによる屈折作用への効果を考慮した値をFS2として設定しても良い。
もっとも簡単な方法としては、第二面22の母球面の曲率半径を第一面21と同一にし、第一面21のサグを第二面22に付加する方法が挙げられる。
ここで、母球面の曲率半径(単位:mm)とは、多くの場合、その面の遠用参照点FR1における面パワーFS1より求められるものである。例えばレンズの屈折率をnとすると、母球面の曲率半径は、以下の式(1)及び式(2)にて表される。但し、第一面21における母球面の曲率半径をR1(単位:mm)とし、第二面22における母球面の曲率半径をR2(単位:mm)とする。
Figure 0006002407
また、サグとは、レンズ面(第一面21又は第二面22)上の任意の点と、当該レンズ面についてのプリズム測定位置における接平面との距離である。
[数22]、[数23]における min( , ) は ( ) の中に記述された値の中で、最も小さいものを表し、max( , ) は ( ) の中に記述された値の中で、最も大きいものを表す。
以下、図5に示すように、第一面21を縮小して第二面22に付加する場合を例に挙げて説明する。第一面21のサグと第二面22のサグが同一であっても物体側と眼側とでレンズ面の効果が異なるが、本設計によりその効果の違いが吸収される。
図5には、第一面21を縮小することにより、元々の近用参照点NR1がアイポイントEPと近用参照点NR1とを結んだ光線上である点NR1’に配置される場合の例が示されている。この場合、第一面21が図5に示す状態となるように、上記係数a、bを決めればよい。元々のNR1の座標は求まっているため、光線追跡をすることにより求められるNR1’との比が係数a、bとなる。
第一面21の近用参照点NR1を通った光線は、NR1に係数をかけることで生成されたNR1’を通るため、効率よく低減される。また、計算時間を短縮するために(a、b)=(1、1)としても構わない。さらに、X軸方向に比例係数addCoefを乗算することにより、より効果的に低減することが可能となる。
さらに丁寧な設計を行う場合には、EPとNR1を通る光線は第二面22にて屈折作用を受けるため直線にはならないことを考慮する。その上で、係数a、bを[数22][数23]の範囲内の値に設定し、透過のアス又は透過のパワーが最小になるようにcoefAddを求める。設計の時間短縮を優先する場合は、coefAdd=1としてもよいが、多くの場合、2分法やニュートン方などの追い込み法を用いて求めることができる。
このような追い込み法の過程の一例を表1に示す。
Figure 0006002407
表1には、透過のアスが最小となるように求められたcoefAddが示されている。その結果、coefAdd=0.300において、透過の平均アスが最小値0.035Dptとなる。この値は、度数測定点における処方度数との誤差許容量0.06Dptよりも小さい値であることを考えると、十分、低減されていると考えられる。実際にはここまで完璧に追い込む必要はなく、累進屈折力レンズの遠用部のアス許容量が0.5Dptであることを考えると、その半分の0.25Dptまで追い込めば十分といえ、AddCoef=0.400、0.310、0.290の場合でも候補となりうる。
図6は、AddCoef=0.300の場合の透過アスの収差図(φ30)を示したものである。等高線のピッチは0.05Dptである。図6に示すように、透過収差が低減されていることが明確に判別できる。このようにして求めた、様々な半製品に対する最も低減効果の高い係数a,係数b,係数coefAddを表2に記載した。
Figure 0006002407
第一面が面加入度4.0Dpt・累進帯長12mmのレンズ、第一面が面加入度1.5Dpt・累進帯長12mmのレンズ、第一面が面加入度4.0Dpt・累進帯長14mmのレンズ、第一面が面加入度1.5Dpt・累進帯長14mmのレンズ、にて、後に記載するいくつかのアプローチで係数a,係数b,係数coefAddを求めた。それぞれのレンズにおいて、a、bの値を設定した後、表1と同様の追い込みによって透過アスが最小になるcoefAddを求めていった。a、bとも、[数22]、[数23]で設定した値に収まっていることがわかる。表2の中から、透過の平均アスの値や透過の平均パワーの値、透過のアスのP−V値や透過のパワーのP−V値、cancel2形状の凹凸などを比較して、どれか1つを選ぶ。この後の付加工程にて加える目標透過収差分布を面収差として実現した面のサグを、実際に加えた結果を見て選んでも良い。このようにすることにより、第二面22に低減面23を設定することができる。
なお、上記[数21]に示す係数aおよびbは、同じサグであっても、外面にある場合と内面にある場合とで効果が異なるため、その効果の違いを吸収するために用いているものもある。また、同じ半製品に対しても、外面・内面の効果の違いによる決め方だけでなく、累進帯長の違いや加入度の違い、時間短縮の方法、およびそれらの掛け合わせなど、いくつかのアプローチがあるため、複数の候補がある。この中から、効果的なものを選べばよい。係数aの範囲は[数22]にて与えられ、係数bの範囲は[数23]にて与えられる。addCoefは、同じ加入度でも、外面にある場合と内面にある場合とで効果が異なるため、その効果の違いを吸収するための係数であり、[数24]にて与えられる。これらの係数は、外面と内面の効果の違いを表す計算式から計算しても良いし、最小2乗法などの最適化計算により最適な値を求めても構わない。
以上により、低減工程が完了する。低減工程を経ることにより、半製品レンズ20を再設計をすることなく、自動的に第二面22に低減面23を生成することができる。このため、低減面23の設計においても新規開発をすることなく、手間をかけることなく累進屈折力レンズの生成に寄与することができる。
付加工程は、低減面23が設定された第二面22に対して、所望の透過収差分布(以下、目標透過収差分布と表記する)を付加する工程である。これは既存の技術を用いた設計であっても良いし、新規技術を用いて設計してもよい。付加工程の概略は、図7(b)に示されている。
付加工程では、まず、図4(c)に示すような、目標透過収差分布を面収差として実現している面を決定する。ここで、目標透過収差分布を一方の面にもつレンズをターゲットレンズと表記し、その面をターゲット面と表記する。
ターゲット面については、過去に設計した面であっても良いし、今回の設計のために新規に設計した面であっても良い。外面設計であっても内面設計であっても良い。いずれにしても、面設計をすればよいため、従来の技術で対応できる。
ターゲット面の設定は、従来通りいくつかのベースカーブに対して行っておくことがベストであるが、メインとなる1つまたは2つのベースカーブに対して行っておくだけでも構わない。加入度に関しても、従来通りすべての加入度の設計を行っておくのが望ましいが、すべて揃っていなくても構わない。これらを補う係数があるからである。
以下、付加工程の具体的な手順を説明する。
まず、所望の透過収差分布を持つ設計(ターゲット面)を選択し(図4(c))、選択された設計の遠用参照点における面パワーを求めて、母球面の曲率半径を計算する。この母球面曲率半径が最終的な第二面22の母球面曲率半径に近い方が望ましい。そのため、ターゲット面の母球面曲率半径と第二面22の母球面曲率半径が大きく異なる場合には、ターゲット面の母球面曲率半径を第二面22の母球面曲率半径に近くなるよう変換する、もしくは、ターゲット面の母球面曲率半径が第二面22の母球面曲率半径の値だとしてFSTを計算しておく、等が望ましい。所望の透過収差分布を持つ設計が、複数種類の母球面曲率半径の上に設計されている場合には、第二面22の母球面曲率半径に近いものを選ぶと最終的な透過収差は良くなる。また、処方の加入とターゲット面の加入が異なっていても本発明を用いることにより対応できるが、処方加入に近い加入度を持つターゲット面を選んだ方が最終的な透過収差が良くなる。
ターゲット面を選択した後、レンズの透過収差がターゲット面の面収差を反映するように第二面22の設計を行う。この場合、第一面21について、座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、遠用参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、近用参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、近用参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、累進帯長をL1(単位:mm)とする。
また、第二面22について、座標(y、z)におけるx座標をsag2(y、z)(単位:mm)、遠用参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、近用参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、近用参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、累進帯長をL2(単位:mm)とする。
また、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、遠用参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、近用参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、近用参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)とする。製品として完成する眼鏡レンズの仕様が、下方部参照点のy座標がy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標がz(NRL)(単位:mm)とする。また、レンズ20の屈折率をn、ターゲット面の屈折率をnTとする。
このとき、第二面22の座標座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)が、以下の[数26]〜[数34]を満たすように第二面22を設計する。
Figure 0006002407
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[数27]は低減工程によって設計された[数21]を表しており、[数28]は付加工程によって付加される成分を表している。[数28]に示す係数cおよびdは、従来の面設計技術を使って設計したターゲット面の累進帯長やインセット角が、完成レンズの仕様としての累進帯長やインセット角と異なる場合に、その差を調整するための係数である。係数cの範囲は[数31]にて与えられ、係数dの範囲は[数32]にて与えられる。[数28]における sign は、ターゲット面が第二面と同じ側にある場合にはプラスをとり、ターゲット面と第二面が異なる側にある場合にはマイナスをとる。
透過光線による度数合わせを最適化を用いて行う場合には、これらの係数はおおよその値で十分である。例えば、c、dとして累進帯長の長さの比を用いることができ、addCoefTとしては、処方値から計算される値をそのまま使うことができる。
また、addCoefTは、従来の面設計技術を使って設計したターゲット面の加入度が、完成レンズの仕様としての加入度と異なる場合に、その差を調整するための係数である。また、当該addCoefTは、どのような光線で加入度を計算するか、に応じるためにも用いる。例えば、眼球回旋点を通る光線を用いて加入度を計算する場合は、そのような光線を通した後にaddCoefTを動かして追い込み、処方加入度がでた時点で止めればよい。この結果、完成したレンズの加入度は、予め設計された第一面21の加入度と異なった、所望の加入度を実現できる。
また、ターゲット面の近用参照点の位置と、完成レンズの仕様としての近用参照点の位置が異なる場合も考えられる。この場合、c、dのみ、もしくは、addCoefTのみで対応することには限界があるため、通常は、c、d、addCoefTを組み合わせて用いることにより、対応できる。この結果、完成したレンズの参照点の位置は、予め設計された第一面21の参照点の位置と異なった、所望の参照点位置を実現できる。
さらに、ターゲット面のインセット角と、完成レンズの仕様としてのインセット角が異なる場合も考えられる。この場合、回転方向の変化であるため、c、dのみ、もしくは、addCoefTのみで対応することには限界があり、通常は、c、d、addCoefTを組み合わせて用いることにより、対応できる。この結果、完成したレンズのインセットは、予め設計された第一面21のインセットと異なった、所望のインセットを実現できる。
[数26]における[数27]、[数28]以外の項は、レンズ面を構成すするほかの要素、例えば乱視補正項、光学性能最適化項、収差補正項などを含む。この値については、例えば回転対称非球面、回転非対称非球面、トーリック、多項式、スプライン、ツェルニケにて表される。
c、d、addCoefTは、計算式から計算しても良いし、最小2乗法などの最適化計算により最適な値を求めても構わない。
実際に付加工程の結果を示したものが表3である。
Figure 0006002407
表3では、処方度数を達成するための、c、d、および、coefAddTが示されている。表3には、所望の収差を面収差としてそのまま実現した面が存在している場合と、所望の収差と同じレンズタイプであるが加入度や累進帯長が異なっている場合を示した。また、所望の収差を外面の面収差として設計した場合と内面の面収差として設計した場合も示した。外面であっても内面であっても本発明を適応することが出来、例えば表3において外面と記した組み合わせを内面で用いることももちろんできる。所望の面の面収差と設計した場合や加入度が異なる場合や累進帯長が異なる場合、累進帯のピーク位置を合わせるためにc、dによって調節を行っている。c、dによって位置を合わせた後、大きさを合わせるために、AddCoefTによって調節を行っている。表3からは、累進帯長や加入度に対応できていることが確認できる。
以上により、付加工程が完了する。従来、所望の透過収差分布を実現したい場合であっても、すでに設計されている一方の面をそのままにした状態で他方の面のみ設計することで到達させようとすることはかなり難しく、複雑な計算を行うためマシンパワーを必要としていた。また、目標とするパワー分布・アス分布の組み合わせが実現可能であるかどうかについては、実際に透過光線を通し設計を追い込んでいくまでわからない。達成不可である場合には、現状で妥協するか、別の目標を立て、再設計を行う必要がある。これに対して、付加工程により、従来の面収差設計の技術を用いて設計されたターゲットサグを第二面22に付加するだけでよい。従来の面設計技術で対応できるため、すでに蓄積されたノウハウを利用することもでき、また、全面において軸制御をしつつ透過収差設計を行う必要もない。このため、設計時間短縮に貢献すると共に、透過収差設計の技術開発も不要となる。
補正工程は、低減工程及び付加工程を経た半製品レンズ20に対して、装用者が眼鏡レンズを装用した状態、すなわち、装用者の眼球回旋点を通る光線について最適な設計状態となるように、設計結果を補正する工程である。
眼鏡レンズ10を設計する場合、多くの場合、面設計の技術を用いて、第一面11、または第二面12、もしくはその両方を設計し、評価する。これに対して、装用者が眼鏡レンズ10を装用した場合、装用者の眼球回旋点を通る光線での設計・評価となるため、面設計の技術とは条件が異なる場合がある。このような条件としては、例えば透過パワーや透過アス、加入度、プリズム量などが挙げられる。補正工程では、これらの条件を、DLS方などの最適化法により補正する。また、遠用参照点、近用参照点において、処方のS、Cを達成させるために用いても構わない。
具体的には、通常の累進屈折力レンズと同様の手順を行う。すなわち、装用者の処方度数に合わせる作業を行う。一例として、遠用参照点と回旋点を通る光線に対し透過度数を求め、処方度数に合うよう母球面の曲率を修正する。この母球面の曲率を修正する面は、外面でも内面でも構わないが、内面で行うことが多い。乱視処方の場合には、母球面として、球面ではなくトーリックを採用し修正を行う。
処方度数調整の際の曲率半径を変えることによって発生する収差を低減するために、最適化を用いる場合もある。本発明においても、従来通りの方法を変更することなく適応できるため、処方度数調整による収差を低減したい場合には最適化を用いるのが望ましい。
以上により、補正工程が完了する。補正工程を行うことにより、光学性能が最適化され、よりターゲットレンズの性能に近づいた眼鏡レンズ10が得られる。なお、上記低減工程、付加工程及び補正工程を含む設計システムとして、例えば図16に示すように、入力部41、処理部42及び出力部43を有する処理装置40を用いることができる。
以上のように、本実施形態によれば、半製品レンズ20の第一面21の収差を低減する低減面23を第二面22に設定することで眼鏡レンズ10の第二面12が形成されているので、一方の面で発生する収差に関わらず、所定の透過収差分布を実現できる眼鏡レンズ10が得られる。半製品の予め設計された面の収差タイプとまったく異なる、所望の透過収差を実現できるだけでなく、予め設計された面の加入度・参照点の位置・累進帯長・インセットと異なった、所望の仕様を実現することが出来る。
本実施形態によって与えられる設計値を用いることにより、従来の面収差の設計技術を用いて設計した収差分布を、透過収差設計をすることなしに、透過収差の分布とすることができる。必要となるのは従来の面収差の設計技術だけであり、すでに蓄積されたノウハウを利用することもでき、また、全面において軸制御をしつつ透過収差設計を行う必要もない。大いなる設計時間短縮に貢献すると共に、透過収差設計の技術開発も不要となる。これらすべてが再設計をすることなく、新たな技術を開発することなく実現できる効果はとても大きい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
本実施形態に係る眼鏡レンズ10は、第一面11及び第二面12においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直で遠用参照点方向を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、前記第一面について、座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、とし、前記第二面について、座標(y、z)におけるx座標をsag2(y、z)(単位:mm)、上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、とし、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、遠用参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、近用参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、近用参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)とし、前記眼鏡レンズについて、下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)としたときに、第一面の座標座標(y、z)におけるx座標sag1(y、z)(単位:mm)より得られるsag1A(y、z)(単位:mm)
Figure 0006002407
Figure 0006002407
Figure 0006002407
を第二面の座標座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)から引いて得られるサグ分布の面アス分布surfAbe(y、z)と、レンズの透過アス分布transAbe(y、z)との差diffAbe(y、z)
Figure 0006002407
Figure 0006002407
Figure 0006002407
Figure 0006002407
の、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲における最大値で0.25Dpt以下である。
本実施形態に係る眼鏡レンズの第二面12は、第一面11のsag1から得られるsag1Aと、ターゲット分布を面分布として実現したサグとの和により成り立っている。また、その透過収差は、ターゲット分布を面分布として実現したものを反映している。よって、第二面12のサグから、sag1Aを引いた残りによる面分布が、透過分布を表していることが特徴となっている。この特徴により、希望する透過分布を実現するサグ分布を求めると言う従来難しかった作業が、手軽に実現できる。
表2における、第一の面の累進帯長が12mm加入度が1.5Dpt、低減用に用いた第一の面と同じシリーズの面が累進帯長が14mm加入度が4.0Dpt、の場合のキャンセルレンズ(表2の上から5番目のレンズ)に対し、加入2.0Dpt、累進帯長10mmの実現した面を付加して完成したレンズに対して、本実施形態を適応した結果が、表4である。キャンセルする際に用いた2つの面の累進帯長・加入度が異なっているため難しい例であるが、平均値が0.25Dpt以下となっていることがわかる。
Figure 0006002407
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
本実施形態に係る眼鏡レンズ10は、予め設計された第一面21と、第一面21とは異なる第二面22とを有する眼鏡レンズ10であって、第一面21及び第二面22においてプリズム測定位置を原点とし、プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、遠用参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、近用参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、近用参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)、前記眼鏡レンズについて、下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)とし、ターゲット面の屈折率をnTとしたときに、第二面の、座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)を
Figure 0006002407
Figure 0006002407
Figure 0006002407
Figure 0006002407
とした場合に設定される仮想レンズについての、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲を通る透過光線による透過アスの平均値が、0.25Dpt以下を満たすように設計されている。
本実施形態の眼鏡レンズ10は、低減工程において予め設計された第一面21を一方の面とし、他方の面を第一面21の収差を低減するキャンセル面にした半製品レンズ20(以下、キャンセルレンズと表記する)に対し、その第二面22に[式3]で表されるターゲットサグを付加する段階を経ることにより完成する。よって、完成した眼鏡レンズ10の第二面12からターゲットサグを引き算して得られる仮想レンズは、キャンセルレンズとなっていることが特徴となる。なお、仮想レンズは、[数42]で表されるように、眼鏡レンズ10の2面からターゲットサグを引いて得られる面を持つレンズであるため、コンピュータ内で再現されることが多く、その透過アスもシミュレーションによって求めることが多い。もちろん、実際にターゲットサグを引いたレンズを加工し、実測しても良い。
ただし、キャンセルレンズとは、プリズム測定位置を原点としてφ30の範囲を通る透過光線による透過アスの平均値が0.25Dpt以下のものを指す。透過収差とは、レンズ上の任意のポイントと装用者の眼球回旋点を通る光線による収差のことであり、透過パワーと透過アスとがある。累進屈折力レンズの遠用部のアス許容量が0.5Dptであることを考えると、その半分の0.25Dpt以下であれば装用者はアスを感じないため、キャンセルレンズと呼ぶことが出来る。
遠近両用レンズの参照点は、多くの製品において、プリズム測定位置から15mm以内の距離にある。よって、このエリアの収差を抑えておくことが重要であるため、キャンセルレンズの評価はφ30mmにおいて行う必要がある。実施例1にて完成した本発明のレンズに対し実際に計算を行うと、図12、図13と同じものが得られ、キャンセルレンズが有効に作用していることが確認できる。
低減工程で十分にキャンセルされていれば、すなわちキャンセルレンズが有効に完成していれば、ターゲットサグを付加することで本発明の効果が得られる。
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、ターゲット面の面の加入度と、本レンズが達成すべき透過加入度が等しい場合を例に挙げて説明する。
予め設計された面を持つ半製品レンズとして、次のようなレンズを選んだ。第一面は外面であり、面加入度は2.5Dptであり、遠用参照点は(8、0)、近用参照点は(−13.8、−2.36)、累進帯長は12mm、基準インセット角は9.7度、屈折率は1.67である。
半製品レンズの第一面の面パワー分布を示した図が図8であり、面アス分布を示した図が図9である。面パワー、面アスともφ65であり、等高線ピッチは0.5Dptである。
ターゲットとする透過収差を持つ面設計として次のような設計を選んだ。内面に設計されたものであり、面加入度は2.0Dptであり、遠用参照点は(8、0)、近用参照点は(−10.8、−2.12)、累進帯長は10mm、基準インセット角は10.1度、屈折率は1.67である。
ターゲット面の面パワー分布を示した図が図10であり、面アス分布を示した図が図11である。図8と図10、および、図9と図11を比べると、まったく異なる分布であることがわかる。
次に低減工程の結果を示す。
低減工程で用いた設計は、第一面の設計であり、a=0.98、b=0.98、coefAdd=1.065のときに透過のアスが十分小さくなった。この低減段階後の透過パワー分布を示した図が図12であり、透過アス分布を示した図が図13である。両者ともφ30mmである。等高線のピッチは0.25dptであるが、ほとんどの領域が0.25以下におさまっていることがわかる。平均値も0.25Dpt以下であり、キャンセルレンズとなっていることが確認できる。
次に付加工程の結果を示す。
完成させたレンズの仕様は、透過加入度2.0Dptであり、累進帯長は10mm、基準インセット角は10.1度である。ターゲット面として完成させたいレンズの仕様に近いものを選んだ。低減工程を経たキャンセルレンズ(透過パワーが図12であり、透過アスが図13)に対し、ターゲット面を載せた。加入度、累進帯長、インセット角が、ターゲットレンズと完成させたレンズとで等しいため、c=1、d=1、coefAddT=1としている。ただし、coefAddTに関しては、最終工程にて透過加入を処方加入に合わせるために微調整を行った。
この結果、設計が完成し、その際の透過パワー分布を示した図が図14であり、透過アス分布を示した図が図15である。ターゲット面の面収差である図10、図11と本発明による透過収差分布である図14、図15を比較するとほぼ同じ分布となっており、このレンズが当初持っていた面収差分布である図8、図9と、透過収差分布である図14、図15と比較するとまったく別の設計になっていることがわかる。
本発明を、単焦点レンズ用の半完成品に対して適応した場合を示す。
単焦点レンズ用の半完成品に対して、低減工程において、透過収差が低減されるような面を未加工面に施し、付加工程において、低減面23が設定された第二面22に対して所望の透過収差分布を面収差として実現した面を付加することで、所望の透過収差分布を得ることができる。この際の所望の透過収差分布は、累進屈折力レンズに属する分布であっても問題なく適応できる。本実施例では、所望の透過分布として累進屈折力レンズに属する分布を用いた。
単焦点レンズの場合、累進屈折力レンズのように遠用参照点、近用参照点は定義されていない。しかし、単焦点レンズの場合は、付加されている非球面が回転対称面であり、かつ、累進屈折力レンズほど急激に形状が変化しないため、例えば下方部参照点として12mmのところを用いても13mmのところを用いても一般的に累進屈折率レンズの累進帯長で与えられる範囲であれば本発明の効果が失われることはない。単焦点レンズは、累進屈折力レンズの自由度を制限したものと考えることが出来るからである。内面の参照点として、外面の参照点を通りかつ眼球回旋点を通るような光線が内面と交わる点を内面における参照点とすればよい。なお、本実施例における屈折率は1.67である。
今回の例では、外面の上方部参照点として(y、z)=(8、0)を用い、下方部参照点として、(y、z)=(−12、0)、それぞれの参照点と回旋点を通る光線と内面との交点より、内面の上方部参照点として(y、z)=(7.6、0)、下方部参照点として(−11.4、0)を用いた。今回は時間短縮のためのa=b=1を用いてみたが、上記に述べた交点の比を用いることもでき、その場合、a=b=(11.4/12)=0.95となる。半製品レンズの第一面の面パワー図を図17(a)に示し、半製品レンズの第一面の面アス図を図17(b)に示す。また、ターゲットは図10、図11と同じものを用いた。この結果、設計が完成し、その際の透過パワー分布を示した図が図18(a)であり、透過アス分布を示した図が図18(b)である。時間短縮のためのa=b=1を用いたため多少の乱れが見られるものの、第1面の影響はまったく残っておらず、ターゲットを反映した収差分布となっていることがわかる。
このようにレンズの第一面の加入度、累進帯長、基準インセット角と、ターゲット面の加入度、累進帯長、基準インセット角が異なっていても設計できている。これは加入度、累進帯長、基準インセット角だけにとどまらず、フレーム傾斜角や角膜頂点間距離等、個人個人の特徴に合わせた設計に対しても利用することができる。
すなわち、本発明により、従来の面設計の手法を用いるだけで、第一面の設計にまったく依存しない別の透過収差分布を設計することができた。
10…眼鏡レンズ 11、21…第一面 12、22…第二面 20…半製品レンズ

Claims (13)

  1. 予め設計された第一面と、前記第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、
    前記第一面及び前記第二面においてプリズム測定位置を原点とし、
    前記プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、
    当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、
    X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、
    面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、
    前記第一面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、
    とし、
    前記第二面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag2(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、
    とし、
    所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、
    下方部参照点z座標をz(NRT)(単位:mm)
    とし、
    前記眼鏡レンズについて、
    下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、
    下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)
    とし、
    前記眼鏡レンズの屈折率をn、前記ターゲット面の屈折率をnT
    としたときに、
    前記第二面は、当該第二面の座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)が、
    Figure 0006002407
    ただし、sag2_i(y,z)、sag2_j(y,z)以外の項は、乱視補正項、光学性能最適化項及び収差補正項を含む。
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    を満たすように設計され
    前記第二面は、前記第一面の収差を低減する低減面が設定されており、
    前記低減面が設定された前記第二面は、前記所定の透過収差分布を面収差として実現した前記ターゲット面の累進要素が付加されている
    眼鏡レンズ。
  2. 予め設計された第一面と、前記第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、
    前記第一面及び前記第二面においてプリズム測定位置を原点とし、
    前記プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、
    当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、
    X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、
    面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、
    前記第一面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、
    とし、
    前記第二面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag2(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、
    とし、
    所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)
    とし、
    前記眼鏡レンズについて、
    下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、
    下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)
    としたときに、
    前記第一面の座標座標(y、z)におけるx座標sag1(y、z)(単位:mm)より得られるsag1A(y、z)(単位:mm)
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    の、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲における平均値が0.25Dpt以下であり、
    前記第二面は、前記第一面の収差を低減する低減面が設定されており、
    前記低減面が設定された前記第二面は、前記所定の透過収差分布を面収差として実現した前記ターゲット面の累進要素が付加されている
    眼鏡レンズ。
  3. 予め設計された第一面と、前記第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズであって、
    前記第一面及び前記第二面においてプリズム測定位置を原点とし、
    前記プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、
    当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、
    X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、
    面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、
    所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)、
    とし、
    前記眼鏡レンズについて、
    下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、
    下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)
    とし、
    ターゲット面の屈折率をnT
    としたときに、
    前記第二面の、座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)を
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    とした場合に設定される仮想レンズについての、前記プリズム測定位置を原点として直径30mmの範囲を通る透過光線による透過アスの平均値が、0.25Dpt以下であり、
    前記第二面は、前記第一面の収差を低減する低減面が設定されており、
    前記低減面が設定された前記第二面は、前記所定の透過収差分布を面収差として実現した前記ターゲット面の累進要素が付加されている
    眼鏡レンズ。
  4. 前記第一面及び前記第二面は、累進屈折力レンズを構成する面であり、上部参照点が遠用参照点、下部参照点が近用参照点である
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
  5. 前記第一面及び第二面は、単焦点レンズを構成する面である、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
  6. 予め設計された第一面と、当該第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズの製造方法であって、
    前記第一面の収差を低減する低減面を前記第二面に設定する低減工程と、
    前記低減面が設定された前記第二面に所定の透過収差分布を面収差として実現した面の累進要素を付加する付加工程と、
    を含む眼鏡レンズの製造方法。
  7. 前記低減工程及び前記付加工程を経た前記第二面を補正する補正工程を更に含む
    請求項6に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  8. 前記低減工程及び前記付加工程は、前記第一面の形状が共通する複数の眼鏡レンズの各第二面に対して行う
    請求項6又は請求項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  9. 前記第一面及び前記第二面は、累進屈折力レンズを構成する面である
    請求項6から請求項のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  10. 前記第一面及び前記第二面は、単焦点レンズを構成する面である
    請求項6から請求項のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  11. 前記第一面及び前記第二面においてプリズム測定位置を原点とし、
    前記プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、
    当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、
    X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、
    面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、
    前記第一面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、
    とし、
    前記第二面について、
    座標(y、z)におけるx座標をcancel2(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、
    とし、
    前記眼鏡レンズの屈折率をn
    としたときに、
    前記低減工程において、当該第二面の座標(y、z)におけるx座標であるcancel2(y、z)の値が、
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    を満たすように前記第二面に前記低減面を設定する
    請求項6から請求項1のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  12. 前記第一面及び前記第二面においてプリズム測定位置を原点とし、
    前記プリズム測定位置での法線方向に沿って眼側を正とする方向にX軸をとり、
    当該X軸方向に垂直でレンズ上方を正とする方向にY軸をとり、
    X軸及びY軸に垂直で右ねじの法則によって決まる方向にZ軸をとり、
    面上の任意の点を各座標軸へ投影した際の長さをそれぞれx(単位:mm)、y(単位:mm)、z(単位:mm)としたときに、
    前記第一面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsag1(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS1(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR1)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR1)(単位:mm)、
    とし、
    前記第二面について、
    座標(y、z)におけるx座標をcancel2(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFS2(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NR2)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NR2)(単位:mm)、
    所定の透過収差分布を面収差として実現しているターゲット面について、
    座標(y、z)におけるx座標をsagT(y、z)(単位:mm)、
    上方部参照点における面パワーをFST(単位:Dpt)、
    下方部参照点のy座標をy(NRT)(単位:mm)、
    下方部参照点のz座標をz(NRT)(単位:mm)
    とし、
    前記眼鏡レンズについて、
    下方部参照点のy座標をy(NRL)(単位:mm)、
    下方部参照点z座標をz(NRL)(単位:mm)
    とし、
    前記眼鏡レンズの屈折率をn、前記ターゲット面の屈折率をnT
    としたときに、
    前記付加工程において、前記第二面の座標座標(y、z)におけるx座標sag2(y、z)(単位:mm)が、
    Figure 0006002407
    ただし、sag2_i(y,z)、sag2_j(y,z)以外の項は、乱視補正項、光学性能最適化項及び収差補正項を含む。
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    Figure 0006002407
    を満たすように前記第二面に前記透過収差分布を付加する
    請求項6から請求項1のうちいずれか一項に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  13. 予め設計された第一面と、当該第一面とは異なる第二面とを有する眼鏡レンズの設計方法であって、
    前記第一面の収差を低減する低減面を前記第二面に設定し、
    前記低減面が設定された前記第二面に対して所定の透過収差分布を面収差として実現した面の累進要素を付加する
    眼鏡レンズの設計方法。
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