JP4856190B2 - 眼鏡レンズの決定方法 - Google Patents

眼鏡レンズの決定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4856190B2
JP4856190B2 JP2008545121A JP2008545121A JP4856190B2 JP 4856190 B2 JP4856190 B2 JP 4856190B2 JP 2008545121 A JP2008545121 A JP 2008545121A JP 2008545121 A JP2008545121 A JP 2008545121A JP 4856190 B2 JP4856190 B2 JP 4856190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
axis
astigmatism
meridian
wearer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008545121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009519484A (ja
Inventor
ベルナール ブルドンクル,
ジルダ マラン,
Original Assignee
エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック) filed Critical エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック)
Publication of JP2009519484A publication Critical patent/JP2009519484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4856190B2 publication Critical patent/JP4856190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
    • G02C7/061Spectacle lenses with progressively varying focal power
    • G02C7/063Shape of the progressive surface
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/025Methods of designing ophthalmic lenses considering parameters of the viewed object
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/027Methods of designing ophthalmic lenses considering wearer's parameters
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/028Special mathematical design techniques
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive

Description

この発明の主題は、累進多焦点眼鏡レンズの光学地図を決定する方法およびその方法で得た眼鏡レンズである。
フレームに保持されるべく意図された眼鏡レンズには、いずれも処方内容が伴う。眼科の処方内容には、正または負の度数の処方があり、併せて乱視の処方もある(訳者注:「度数」は、レンズの場合「度」または「屈折力」とも称され、「乱視」は、光学的には「非点収差」と称される)。これらの処方内容は、レンズ着用者が自らの視力の欠陥(不足)を矯正できる諸修正値に対応している。レンズは、その処方内容およびフレームに対する着用者の眼の位置に従って、フレームに取り付けられる。
最も単純な場合は、その処方内容は、単に正または負の度数の処方だけである。そのレンズは、単一焦点であるといい、回転対称性を有する。そのレンズは、着用者の主視方向がレンズの対称軸と一致するように、簡単な要領でフレームに取り付けられる。
老眼の着用者にとっては、近方視(near vision)において遠近調節が困難なため、度数の矯正値は、遠方視(far vision)と近方視とで異なる。したがって、その処方内容は、遠方視度数値および遠方視と近方視の間の度数増分値を表す加算度数(または、度数累進値)を含んでおり、結局、遠方視度数の処方内容と近方視度数の処方内容ということになる。老眼着用者に適切なレンズは、累進多焦点レンズであり、これらのレンズは、例えばフランス特許−A−2,699,294号、米国特許−A−5,270,745号または米国特許−A−5,272,495号、フランス特許−A−2,683,642号、フランス特許−A−2,699,294号に、またはフランス特許−A−2,704,327号にも記載されている。眼鏡用累進多焦点レンズは、遠方視領域、近方視領域、中間視領域およびこれら3領域を横切る主累進経線を有している。これらの領域は、一般に、レンズの異なる特性に課されるいくつかの制約に基づいて最適化することによって決定される。これらのレンズは、使用時に着用者の異なる要求に適合しているという点で、汎用のレンズである。累進多焦点レンズを区分けしてファミリーを定義すると、一つのファミリーの各レンズは、その遠方視領域と近方視領域の間での度数の変化に相当する一つの加算度数で特徴付けられる。より厳密に述べると、加算度数は、Aで参照するが、遠方視領域内の点FVと近方視領域内の点NVの間での経線上の度数の変化に相当し、これらの点はそれぞれ、遠方視の基準点および近方視の基準点と称され、遠距離視の場合と読書視の場合における視線とレンズ表面の交点を表す。
この度数および度数加算の処方内容とは別に、着用者は、非点収差(乱視)の矯正を処方されることもある。そのような非点収差の処方内容は、軸値(axis value)(°)と振幅値(amplitude value)(ディオプター)で形成された対の形で、眼科医により作成される。曲面上では、振幅値は、二つの主曲率の間の差を表し、軸値は、使用される式の選択に応じて二つの曲率の内の一方の曲率の配向(向き)を、基準軸に対して通常の回転方向に測った角度で表す。実際には、二つの慣例方式があり、いわゆる「負の円柱面」の方式の場合には、1/R1 が最大曲率でかつ1/R2 が最小曲率であれば、振幅値は(1/R2 − 1/R1)であり、そして軸は基準軸に対する最大曲率1/R1 の配向であり、また、いわゆる「正の円柱面」の方式の場合は、振幅値は(1/R1 − 1/R2)であり、そして軸は基準軸に対する最小曲率1/R2 の配向である。前記基準軸は、水平であり、そしてその回転方向は、着用者に向かって左回り(反時計回り)の方向である。したがって、+45°という軸値は、斜めに配向した軸を表し、この軸は、着用者に向かって、右上の象限から左下の象限に延びている。非点収差の処方内容における用語では、振幅値は、与えられた方向の最小度数と最大度数の間の差を表し、そして軸は、非点収差値が負である場合、最大度数の配向を表す(軸は、非点収差値が正である場合、最小度数の配向を表す)。このような非点収差の処方内容は、着用者の遠方視状態において測定される。用語「非点収差」は、振幅/角度の対を意味するものであるところ、言語学的には正しくないが、非点収差の振幅として使用されることが多い。前後関係から、当業者は、どちらの意味が意図されているか、理解することができる。
さらに、光線追跡法の光学法則は、いかなるレンズでも光線がそのレンズの中心軸から外れると光学的な欠陥(不足)が現れる、としている。とりわけ、曲率または度数の欠陥および非点収差の欠陥を含むこれらの既知の欠陥は、包括的に光線の斜軸欠陥(obliquity defects)と称することができる。
当業者は、これらの欠陥を補償する方法を知っている。例えば、ヨーロッパ特許−A−0,990,939号は、非点収差(乱視)の処方を有する着用者用に眼鏡レンズを最適化によって決定する方法を提案している。この文書は、目標レンズを選んで、光線追跡法を使って、残留非点収差と目標レンズの非点収差の間の差を最小にすることを提案している。その文書では、残留非点収差を、処方された非点収差とレンズによって作り出される非点収差の間の振幅値および軸値における差と定義している。この方法は、トーリック面が加わることによって起こる光学収差を避けて、乱視の着用者にレンズをより良好に適応させることができる。その計算は、眼にリンクした基準点で実施され、この方法は、着用者が中心から外れた方向を見ているときに、眼球の捻転効果を考慮に入れることを可能にする。
また、前記斜軸欠陥は、累進多焦点レンズについても同定されている。例えば、国際特許公開WO−A−98/12590号には、1組の多焦点眼鏡レンズを最適化することによる決定方法が記載されている。この文書は、1組のレンズを、着用条件下で、これらレンズの光学特性、特に着用者の度数と斜軸非点収差(oblique astigmatism)を考慮して定義することを提案している。前記レンズは、標的の物点を着用条件下での各視方向とリンクするエルゴラマ(ergorama)を使って光線追跡法によって最適化される。このエルゴラマは、着用者の度数および視線が通過するレンズの各点における生成非点収差を計算するために、光線追跡法によってレンズを最適化するための目標を提供する。
非点収差欠陥すなわち生成非点収差は、累進レンズに固有の欠陥であるので、少なくともレンズの周辺領域では許容できる欠陥であると見ることができる。累進多焦点レンズの中間視領域では、等非点収差線の間の幅は、経線に沿った度数変化の率によって本質的に調整される。
累進多焦点レンズは、経線に沿った度数変化を調整しおよび経線上で生成非点収差を零に設定することによって、全体的に最適化される。さらに、中間視領域は、生成非点収差のモジュラス(modulus)が致命的ではないと考えれる値より小さく維持されている経線の周りの領域の幅を調整することによって全体的に最適化される。
前記非点収差の処方内容は、先に定義したように、前記モジュラスに加えて軸値を含んでいるけれども、累進眼鏡レンズの最適化においては、通常、生成非点収差のモジュラスだけを考慮する。生成非点収差(結果的に生じている非点収差の意)とは、着用条件下においてレンズによりもたらされる実効非点収差を着用者に処方された非点収差からベクトル的に差し引いた残余である。したがって、生成非点収差には軸が有る。
非点収差が存在するとき、視覚系統は、その残っている遠近調節かまたは必要な度数の調節かによって、網膜上に垂直な焦点を位置させることを好むということが、今や、観察された。これらの観察は、ヒトの眼の遠近調節機能に関する C.Miege の博士論文の文脈の中で、または the journal Applied Optics, Vol. 17, No.24, pp. 3903-3910, 1978 に発表された Charman らの論文「Astigmatism, accommodation and visual instrumentation」においてなされている。
フランス特許−A−2,699,294号 米国特許−A−5,270,745号 米国特許−A−5,272,495号 フランス特許−A−2,683,642号 フランス特許−A−2,704,327号 ヨーロッパ特許−A−0,990,939号 国際特許公開−WO−A−98/12590号 ヒトの眼の遠近調節機能に関する C.Miege の博士論文 The journal Applied Optics, Vol. 17, No.24, pp. 3903-3910, 1978 に発表された Charman らの論文「Astigmatism, accommodation and visual instrumentation」
ということで、非点収差の軸が垂直に保持されている中間視領域を含む累進レンズがあれば、大部分の着用者の生理的要求を満たし、かつ視野が広くなったという印象を与えるであろう。
老眼着用者に一層適切なレンズに対する要望が依然として存在する。この発明は、累進多焦点レンズに生じる非点収差のモジュラスの値に加えて、生成非点収差の軸の値を調整することを提案するものである。
したがって、この発明は、処方された着用者による着用条件下で球面座標の座標系で表された、累進多焦点眼鏡レンズ製造のための諸元を定義する光学地図を決定する方法を提案するもので、その方法は、
着用条件下で眼球の回転中心を通り着用者の前方に続く水平軸線である主視方向とレンズ前面との交点を示す合わせ十字と、レンズの上部で座標系の垂直軸と一致し遠方視基準点と近方視基準点の間で2ディオプター以上の度数加算の有る実質的に臍状の累進経線とを有する出発レンズを選択するステップと、
現行レンズを前記出発レンズと等しく定義するステップと、
合わせ十字から着用者の光学度数が前記度数加算の処方内容の85%に到達する累進経線の点まで視線を下げたときの角度と定義される累進長が25°以下であり、および
累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が3.8°と4.5°の間である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第一の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が2.5°未満である
ということを目標として使用して、数学的最適化問題解法の手法を用いて現行レンズを着用条件下で最適化するステップと
を含んでなる累進多焦点眼鏡レンズの光学地図を決定する方法である。
一つの特徴によれば、前記方法の最適化ステップは、長軸が35°より大でかつ短軸が7.5°と8.5°の間である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第二の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が3°未満であるということも目標として使用する。
一つの特徴によれば、前記方法の最適化ステップは、長軸が35°より大でかつ短軸が11°と13°の間である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第三の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が3.5°未満であるということも目標として使用する。
一つの特徴によれば、非点収差矯正値が処方されている着用者に対して、前記現行レンズを最適化するステップが、着用条件下でレンズによって作り出される非点収差から前記処方された非点収差をベクトル的に差し引くことからなるステップを含んでいる。
この発明は、また、
処方された着用者による着用条件下で球面座標の座標系で表された光学地図で定義される複合面を持った累進多焦点眼鏡レンズであって、当該光学地図は、
着用条件下で眼球の回転中心を通り着用者の前方に続く水平軸線である主視方向を示す合わせ十字と、
レンズの上部で前記座標系の垂直軸と一致し遠方視基準点と近方視基準点の間で2ディオプター以上の度数加算の有る実質的に臍状の累進経線と
を有
着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、
合わせ十字から着用者の光学度数が前記度数加算の処方内容の85%に到達する累進経線の点まで視線を下げたときの角度と定義される累進長が25°以下であり、および
累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が3.8°と4.5°の間である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第一の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が2.5°未満である
ことを特徴とする累進多焦点眼鏡レンズも提案するものである。
一つの特徴によれば、この発明のレンズは、また、着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、長軸が35°より大でかつ短軸が7.5°と8.5°の間の値である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第二の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が3°未満である。
一つの特徴によれば、この発明のレンズは、また、着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、長軸が35°より大でかつ短軸が11°と13°の間の値である楕円で、合わせ十字と近方視基準点の間の高さの半分の位置で累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第三の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の垂直に対する差が3.5°未満である。
一つの特徴によれば、生成非点収差の軸の平均配向の調整領域を画定する楕円の長軸が35°と36°の間である。
かの発明は、また、この発明によるレンズを少なくとも一つ備えてなる視覚装置、および当該装置を老眼被験者に提供するかまたは着用させることを含んでなる、老眼被験者の視力を矯正する方法に関する。
この発明の他の利点および特徴は、例として提供されるこの発明の実施態様のついての以下の説明を、添付図面を参照しながら読めば、明らかになるであろう。
それ自体公知の要領で、非球面のいかなる点においても、式[数1]で与えられる平均球面Dが定義される。ここに、R1 とR2 は、メートル単位で表した最大曲率の半径と最小曲率の半径であり、nは、レンズを構成する材料の屈折率である。
Figure 0004856190
円柱面Cが、式[数2]で与えられて、定義される。
Figure 0004856190
与えられたレンズについて、対応する光学的変数、すなわち度数と非点収差が、着用条件下で定義される。図1は、眼球−レンズ系の平面図であり、以下の説明に使用する定義を示す。眼球の回転中心は、Q’と称され、図1に一点鎖線で示されている軸線Q’F’は、眼球の回転中心を通る水平軸線であり、着用者の前方に続いており、換言すれば、軸線Q’F’は、主視方向に相当する。この軸線は、レンズ前面上で合わせ十字と称される点を通り、この点は、眼鏡業者がレンズを位置決めできるようにレンズに付けた印であり、この合わせ十字により着用条件下での主視方向がレンズ上でどこに来るか知ることができる。点Oを、レンズの裏面とこの軸線Q’F’との交点とする。頂点球面(sphere of the vertices)が、中心をQ’とし、半径をq’として定義され、それはレンズの裏面を点Oの所で切る。例えば、27mmの半径値が、ここでの値に相当し、そのレンズが着用されたとき満足すべき結果を生み出す。このレンズの断面は、図2を参照して定義される平面(O,x,y)内に描くことができる。点Oにおけるこの曲線に対する接線は、軸線(O,y)に対して装着時前傾角と称される角度で傾斜している。その装着時前傾角の値は、ここでは8°である。このレンズの断面は、平面(O,x,z)内に描くこともできる。点Oにおけるこの曲線に対する接線は、軸線(O,z)に対して反り(curving contour)と称される角度で傾斜している。その反りの値は、ここでは0°である。
眼球に対して相対的にレンズを取り付けるこれらの条件、すなわち:
眼球の回転中心とレンズの裏面との間の、軸線Q’F’上の距離が27mmであり、
装着時前傾角が8°であり、
反りが0°である、
ことを、以後、着用条件と呼ぶ。
これらの値は、ここに説明する諸実施例のために選択された値であるが、各個人に特有な諸値に等しくするために変更することができる。
図1に実線で表した所与の視方向は、Q’を中心として回転する眼球の姿勢および前記頂点球面(sphere of the vertices)上の点Jに対応するが、視方向は、球面座標において、二つの角a´とa^によって印すこともできる。角a´は、軸線Q’F’と、この軸線Q’F’を含む垂直平面への直線Q’Jの投影との間に形成される角であり、この角は、図1に見られる。角a^は、軸線Q’F’と、この軸線Q’F’を含む水平平面への直線Q’Jの投影線との間に形成される角である。したがって、所与の視方向は、前記頂点球面上の点Jまたは座標対(a´,a^)に対応する。(訳者注:PCT明細書原文で「a」の上に「´」または「^」が付いた文字は、ここでは許容フォントの都合で、それぞれ「a」の右に「´」または「^」を並べて表す。)
図2および3は、眼球−レンズ系の斜視図を示す。図2は、眼球の姿勢と、眼球にリンクした基準座標系とを、主視方向と称する主要な視方向(principal viewing direction)に向いている場合、つまりa´=a^=0の場合について示す。この場合、点JとOは、一致している。図3は、眼球の姿勢と、眼球にリンクした基準座標系とを、方向(a´,a^)に向いている場合について示す。図2と3には、眼球の回転を明確に示すため、固定の基準座標系{x,y,z}と眼球にリンクした基準座標系{xm,ym,zm}が示されている。この基準座標系{x,y,z}の原点は、点Q’であり、軸xは軸線Q’F’であり(点F’は、図2および3には示されていない)、点Oを通っており、この軸は、レンズから眼球の方に向いている。面{y,z}は、垂直面であり、そのy軸は、垂直で上方を向いており、そのz軸は、水平であり、その基準座標系は、直接、正規直交化されている。眼球にリンクした基準座標系{xm,ym,zm}は、中心が点Q’であり、その軸xmは、視方向JQ’で与えられ、主視方向の場合に{x,y,z}基準座標系と一致する。各視方向について、基準点{x,y,z}と基準点{xm,ym,zm}の間の関係は、リスティングの法則(Listing's law)で与えられる(Legrand著「Optique Physiologique」、1巻、Revue d'Optique編、Paris、1965年発行を参照)。
所与の視方向において、所与の物体距離の所に位置する、物体空間内の点Mの像は、最小距離JSおよび最大距離JT(回転面の場合と無限遠における点Mの場合の矢状焦点距離(sagital focal distance)および接線焦点距離(tangential focal distance)である)に対応する二つの点SとTの間に形成される。いわゆる「正の円柱面」の規約における非点収差軸(乱視の軸)として示される角γは、図2および3を参照して定義される(zm,ym)面内の(zm)軸線との前記最大距離に相当する像により形成される角である。角γは、着用者を見て反時計回りの方向に測定する。この図の例では、物体空間内で無限遠の所にある点の像は、Q’F’軸線上で、点F’の所に形成され、この場合、点Sと点Tは一致し、このことは、結局、レンズが主視方向(primary viewing direction)において局部的に球面であることの別の言い方である。
物点の通常の距離と各視方向を結びつける関数にエルゴラマと称する関数がある。典型的には、主視方向における遠方視では、物点は無限遠にある。近方視では、5°程度の角a´および35°程度の角a^に実質的に対応する方向において、物体距離は、30〜50cm程度の距離である。エルゴラマの可能な定義のさらに詳細については、フランス特許−A−2,753,805号(米国特許−A−6,318,859号)を参照されるとよい。この文書には、エルゴラマ、その定義およびそのモデル化方法(method of its modelization)が説明されている。ある特定のエルゴラマが、無限遠にある点のみを取り上げることからなっている。この発明の方法の場合、無限遠にある点または無限遠にない点を考慮できる。エルゴラマは、また、着用者の非正視の関数でもある。
これらのデータを使用して、各視方向において度数と非点収差を定義することができる。視方向(a´,a^)について、エルゴラマ(ergorama)により与えられる物体距離の所にある物体点Mを考察する。前記物体の像が間に形成される二点SおよびTを求める。すると、像接近度(image proximity)IPは、式[数3]で与えられる。
Figure 0004856190
一方、物体接近度(object proximity)OPは、点Mと頂点球面の点Jとの間の距離の逆数である。度数は、物体接近度と像接近度の和と定義され、すなわち、式[数4]で表される。
Figure 0004856190
非点収差の振幅は、式[数5]で与えられる。
Figure 0004856190
非点収差の角度は、上記に定義した角γであり、この角度は、面(zm,ym)内において像Sが形成される方向zmに対して眼球にリンクした基準座標系で測定される角度である。これらの度数および非点収差の定義は、着用条件下での眼球にリンクした基準座標系における光学的定義である。定性的には、このように定義される度数および非点収差は、薄いレンズの特性に相当し、その薄いレンズは、視方向にこのレンズの代わりに取り付けると局部的に同じ像を提供する。この定義は、主視方向に、非点収差の標準的な値を提供することが分かる。
このように定義された度数と非点収差は、フロントフォコメータ(frontofocometer)を使って、レンズについて実験して測定することができ、また着用状態で光追跡法により計算することもできる。
眼科医が処方するときに使う式を近似するため、レンズの最大度数は、式[数6]で定義することもできる。
Figure 0004856190
そして、最小度数は、式[数7]で定義することもできる。
Figure 0004856190
眼科医は、
・度数の最小値Pminと正の非点収差の振幅値か、
・度数の最大値Pmaxと負の非点収差の振幅値か、
のいずれかを提供して、度数と非点収差について処方する。
その処方内容における非点収差角の値(=乱視の角度)は、使用する上記の処方慣例方式によって変わることが明らかである。上記二つの処方慣例方式のそれぞれにおいて、推奨度数に対応して、像SまたはTが結ぶ角度は、着用者に向かって反時計回りに測定される軸zm でもって与えられる。いわゆる「正の円柱面」方式での角度a~ は、非点収差の振幅値が正の場合に得られ、そのとき、その非点収差の軸(=乱視の軸)は、水平基準軸に対する焦点距離の最小度数角(least powerful angle)である。
この発明は、累進多焦点眼鏡レンズの特性値を決定するために、生成非点収差のモジュラスのみならず、生成非点収差の軸をも調整することを提案するものである。このレンズの特性値は、以下に説明するように最適化することによって決めることができる。
レンズを眼球の前に配置し、そのレンズにより導入される非点収差を、例えば光追跡法によって着用条件下で計算する。着用者が非点収差の処方箋を受け取ったならば、レンズにより生じる非点収差を得るために、その処方内容をベクトル的に差し引く。累進多焦点レンズは、度数の累進のため非点収差欠陥を生じるので、この発明は、処方内容が非点収差の処方を含んでいないときでさえも、当てはまると解される。しかしながら、着用者の非点収差についての処方の場合、レンズにより生じる非点収差を最適化できるように、いわゆる「有効」非点収差をベクトル的に差し引く。したがって、レンズを最適化するためには、レンズの点を各視方向とリンクするエルゴラマについて、生成非点収差のモジュラスおよび軸を考察する。
特に、この発明によるレンズの光学的地図を決定する方法は、レンズの中間視領域に画定された少なくとも一つの調整領域において、および好ましくはレンズの中間視領域に画定された三つの同心調整領域において、生成非点収差の軸の値を調整することを提案する。
2ディオプターの度数累進という処方内容を有する老眼の着用者に適切な実施態様を参照しながら、以下にこの発明のレンズを説明する。
図4〜6は、直径が60mmで累進多焦点の前面を有し、かつTABO基準座標系で270°に配向された幾何学的ベース(geometric base)を有する1.15°のプリズムを含むレンズを示す。このレンズの面(点Oでの接平面)は、垂直(軸線(O,y))に対して8°傾斜しており、そのレンズの厚さは1.9mmである。図4〜6のレンズの測定のため、27mmというq’の値(図1を参照して定義される)を考察した。
図5〜6では、レンズは、球面座標の座標による光学地図で表されており、β角が横軸にプロットされ、α角が縦軸にプロットされている。
このレンズは、経線と称される実質的に臍状の線を有し、その線上で非点収差は事実上零である。その経線は、レンズの上部ではβ=0°の垂直軸と一致し、レンズの下部では鼻側に傾斜しており、その輻輳(convergence)は近方視においてより顕著である。
これらの図は、レンズ上の経線に併せて基準点を示している。このレンズの合わせ十字FCは、十字もしくは他の任意のマーク(レンズ上に描かれた円で囲まれたドットなど)またはその他の適切な手段によって、レンズ上に幾何学的に付けることができ、この点は、眼鏡業者がレンズをフレームに取り付けるために利用する、レンズに付けた芯出し点である。球面座標において、合わせ十字FCは、先に定義したように、レンズの前面と主視方向との交点に当たるから、座標(0,0)を有する。遠方視の基準点FVは、前記経線上に位置し、合わせ十字の8°上に視方向を上げた場合に相当し、その遠方視の基準点FVは、先に定義した球面座標系で座標(0,−8°)を有する。近方視基準点NVは、前記経線上に位置し、合わせ十字の35°下に視線を下げた場合に相当し、その近方視基準点NVは、先に定義した球面座標系で座標(6°,35°)を有する。
図4は、経線に沿った、着用者の光学度数のグラフを示し、角a´が縦軸にプロットされ、度数がディオプターで横軸にプロットされている。先に定義された量1/JSと1/JTにそれぞれ対応する最小光学度数と最大光学度数を破線で示してあり、先に定義された光学度数Pを実線で示してある。
したがって、図4において、着用者の光学度数が遠方視基準点FVの周りで実質的に一定であること、着用者の光学度数が近方視基準点NVの周りで実質的に一定であること、および度数が経線に沿って規則正しく累進していることを、認めることができる。これらの値は、老眼の正常視の着用者に処方された遠方視における単純なレンズに対応して、光学度数が実際には−0.05ディオプターである原点の所で、零にシフトしてある。
累進多焦点レンズの場合、中間視領域は、一般に、合わせ十字FCで始まり、度数の累進が始まるのがこの合わせ十字からである。したがって、光学度数は、合わせ十字から近方視基準点NVへと、角a´の値では0から35°へと、増大する。角度の値が35°を超えると、光学度数は、再び実質的に一定になり、2.24ディオプターという値になる。着用者の光学度数の累進(2.24ディオプター)は、前記処方された加算度数値A(2ディオプター)より大きいことが分かる。度数値がこのように異なるのは、斜入効果(oblique effects)に起因する。
レンズの光心または合わせ十字FCと、処方された加算度数Aの85%に度数の累進が到達する経線上の点との間の角距(angular distance)(すなわち縦座標の差)である累進長PLを、レンズ上に定義することができる。図4に示す実施例では、0.85×2ディオプター、すなわち1.7ディオプターの光学度数の累進が、角a´が約24.5°である座標点へ向かって、得られている。
このように、この発明によるレンズは、25°以下という中程度の視線下げでもって、近方視において必要な度数への移行性(accessibility)を有している。この移行性によって、近方視領域での快適な使用が保証される。
図5は、一つの物点に対してそして一つの視方向において定義された着用者の光学度数の等高線を示す。標準的に行われているように、球面座標系で図5に等度数線(isopower line)がプロットされており、これらの線は、同じ値の光学度数値Pを有する複数点で形成されている。0ディオプターから2ディオプターまでの等度数線が表されている。
図5では、合わせ十字の上方に延びる事実上度数が変化しない遠視領域が認められる。したがって、着用者の光学度数の値は、合わせ十字FCの周りで、実質的に一定である。
このように合わせ十字の周りに度数の変化が事実上無いことから、レンズを視覚装置に取り付ける際に、ある程度の許容差が得られる。
図6は、着用条件下での斜入非点収差の振幅、すなわち生成非点収差のモジュラスについての等高線を示す。標準的に行われているように、球面座標の座標系で図6に等非点収差線(isoastigmatism line)がプロットされており、これらの線は、先に定義されたような同じ非点収差振幅値を有する複数点で形成されている。0.25ディオプターから2.50ディオプターまでの等非点収差線が表されている。
遠方視野を解放するために、0.25ディオプターより上の等非点収差線が広くなっていて、遠方視領域が比較的広々としていることが分かる。レンズの下部において、近方視基準点NVの高さの所で等非点収差線の間隔が広くなっていることも分かる。レンズの下部では、0.75ディオプターと1ディオプターの等非点収差線が互いに実質的に平行で、それぞれは実質的にグラフの垂直軸方向を向いており、近方視基準点NVを含む領域を画定している。
図7〜9は、再び図6の生成非点収差のモジュラスの地図を示す。これら図7〜9には、レンズの中間視領域における非点収差の軸の三つの異なる調整領域をそれぞれ示す。
各調整領域は、合わせ十字FCと近方視基準点NVの間の高さの半分の位置で経線上に中心を置いた楕円で画定されている。その楕円の長軸は、経線に沿った方向向いており、35°以上であり、好ましくは35°と38°の間である。したがって、この楕円は、合わせ十字FCと近方視基準点NVの中心となる点を囲んでいる。図7〜9に図解する実施態様によれば、三つの同心調整領域を画定する各楕円の長軸は、36°に等しい。
この楕円の短軸は、図7〜9にそれぞれ表される三つの調整領域の間で変化している。非点収差の軸の第一の調整領域は、図7に表されているが、短軸が3.8°と4.5°の間である先に定義した楕円で画定されている。この短軸は、図7の例では4°に等しい。第二の調整領域は、図8に表されているが、短軸が7.5°と8.5°の間である先に定義した楕円で画定されている。この短軸は、図8の例では8°に等しい。第三の調整領域は、図9に表されているが、短軸が11°と13°の間である先に定義した楕円で画定されている。この短軸は、図9の例では12°に等しい。
これら三つの調整領域の各々において、非点収差の軸(図示されていないが)の平均配向(the mean of the orientation)は、実質的にグラフの垂直軸の方向に向けてあり、すなわち、平均軸値は先に採用した慣例方式によって90°に近く設定してある。第一の調整領域(図7)では、非点収差の軸の値の平均と垂直(90°)の間の差は、2.5°未満にしてあり、第二の調整領域(図8)では、非点収差の軸の値の平均と垂直の間の差は、3°未満にしてあり、そして第三の調整領域(図9)では、非点収差の軸の値の平均と垂直の間の差は、3.5°未満にしてある。比較例を挙げると、当出願人が商標 Varilux Comfort(登録商標)で市販している先行技術のレンズの場合、非点収差の軸の平均配向は、上記定義の第一の調整領域において垂直に対して約6°の差を有している。
この発明によってレンズの最適化を実施するために、少なくとも一つの複合面を有するレンズを出発レンズとする。このレンズは、上記で提案したように、着用条件下で、例えば、距離q’の値が27mmで、装着時前傾角の値が8°で、そして反りの値が0°であるものを想定している。中心の厚さが例えば1.9mmで、レンズの屈折率が例えばn=1.665のレンズを選択する。
次いで、最適化するための目標値を設定する。なお、この目標値は、与えられた視方向について、度数値、非点収差のモジュラスの値および非点収差の軸の値を有している。特に、先に定義した楕円によって画定される第一の調整領域における非点収差の軸の平均配向の差の少なくとも一つの最大値を目標値として使用する。経線に沿った度数の変化、特に25°未満の経線に沿った累進長値も、目標値として使用される。先に定義した楕円によって画定される三つの調整領域における非点収差の軸の平均配向の差の最大値を目標値として使用することもできる。非点収差のモジュラスの目標値も、経線の周りの細長領域(corridor)内および遠方視領域内に設定することができる。
一旦、目標値が定義されると、レンズは最適化によって決定される。この目的のために、ひとつの現在レンズを考える。すなわち、初期化において、この現在レンズが出発レンズである。この現在レンズの特性値は、目標値に近づけるために変化される。この最適化を行うために、変化する単一または複数の表面の各種表現を使用することができる。ここの例では、レンズの裏面のみが変化されているが、前面を変化させることもできる。変化する片面または両面は、ゼルニケの多項式で表すことができ、そしてこれらの面の一方または他方に重畳させて、非球面層を使用することができ、かつその非球面層は変化することができる。最適化は、それ自体公知である技術を使用することができる。特に、原則最小二乗法(damped least squares)(DLS)による最適化法を使用することができる。
累進多焦点レンズのために、この発明は、中間視におけるレンズの性能を改良することを可能とする。
眼球−レンズ光学系の垂直断面図である。 眼球−レンズ光学系の斜視図である。 眼球−レンズ光学系の斜視図である。 この発明の一実施態様によるレンズの経線に沿った着用者の光学度数を示すグラフである。 図4のレンズについての着用者の光学的度数の地図である。 図4のレンズの着用者についての生成非点収差のモジュラスの地図である。 図6の生成非点収差のモジュラスの地図で、非点収差の軸の第一の調整領域を示す図である。 図6の生成非点収差のモジュラスの地図で、非点収差の軸の第二の調整領域を示す図である。 図6の生成非点収差のモジュラスの地図で、非点収差の軸の第三の調整領域を示す図である。

Claims (10)

  1. 処方された着用者による着用条件下で球面座標の座標系で表された、累進多焦点眼鏡レンズの製造のための諸元を定義する光学地図を決定する方法であって、
    着用条件下で眼球の回転中心を通り着用者の前方に続く水平軸線である主視方向とレンズ前面との交点を示す合わせ十字(FC)と、レンズの上部で前記座標系の垂直軸と一致し遠方視基準点(FV)と近方視基準点(NV)の間で2ディオプター以上の度数加算(A)の有る実質的に臍状の累進経線とを有する出発レンズを選択するステップと、
    現行レンズを前記出発レンズと等しく定義するステップと、
    前記合わせ十字(FC)から着用者の光学度数が前記度数加算(A)の処方内容の85%に到達する前記累進経線の点まで視線を下げたときの角度と定義される累進長が、25°以下であり、および
    前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が3.8°と4.5°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第一の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の前記垂直に対する差が2.5°未満である
    ということを目標として使用して、数学的最適化問題解法の手法を用いて前記現行レンズを着用条件下で最適化するステップと
    を含んでなる累進多焦点眼鏡レンズの光学地図を決定する方法。
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズの光学地図を決定する方法において、
    前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が7.5°と8.5°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第二の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の前記垂直に対する差が3°未満であるということも目標として含む
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の眼鏡レンズの光学地図を決定する方法において、
    前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が11°と13°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第三の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の前記垂直に対する差が3.5°未満であるということも目標として含む
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼鏡レンズの光学地図を決定する方法において、
    非点収差矯正が処方されている着用者に対して、前記現行レンズを最適化するステップが、着用条件下でレンズによって作り出される非点収差から前記処方された非点収差をベクトル的に差し引くことからなるステップを含む
    ことを特徴とする方法。
  5. 処方された着用者による着用条件下で球面座標の座標系で表された光学地図で定義される複合面を持った累進多焦点眼鏡レンズであって、
    当該光学地図は、着用条件下で眼球の回転中心を通り着用者の前方に続く水平軸線である主視方向とレンズ前面との交点を示す合わせ十字(FC)と、レンズの上部で前記座標系の垂直軸と一致し遠方視基準点(FV)と近方視基準(NV)点の間で2ディオプター以上の度数加算(A)の有る実質的に臍状の累進経線とを有
    着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、
    前記合わせ十字(FC)から着用者の光学度数が前記度数加算(A)の処方内容の85%に到達する前記累進経線の点まで視線を下げたときの角度と定義される累進長が、25°以下であり、および
    前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が3.8°と4.5°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第一の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の前記垂直に対する差が2.5°未満である
    ことを特徴とする累進多焦点眼鏡レンズ。
  6. 請求項5に記載のレンズにおいて、
    着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が7.5°と8.5°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第二の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向の前記垂直に対する差が3°未満でもある
    ことを特徴とするレンズ。
  7. 請求項5または6に記載のレンズにおいて、
    着用条件下で、その少なくとも一方の面の曲率半径を調節することによって遠方視における単純な処方内容に簡略化して、前記累進経線に沿った長軸が35°より大でかつ短軸が11°と13°の間である楕円で、前記合わせ十字(FC)と前記近方視基準点(NV)の間の高さの半分の位置で前記累進経線上に中心を置いた楕円によって画定される第三の調整領域において、生成非点収差の軸の平均配向と前記垂直との間の差が3.5°未満でもある
    ことを特徴とするレンズ。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載のレンズにおいて、
    生成非点収差の軸の平均配向の前記調整領域を画定する前記楕円の長軸が35°と36°の間である
    ことを特徴とするレンズ。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載のレンズを少なくとも一つ含んでなる視覚装置。
  10. 請求項9に記載の装置を老眼被験者に提供すること、または着用させることを含んでなる、老眼被験者の視力を矯正する方法。
JP2008545121A 2005-12-16 2006-07-04 眼鏡レンズの決定方法 Active JP4856190B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0512822 2005-12-16
FR0512822A FR2895092B1 (fr) 2005-12-16 2005-12-16 Procede de determination d'une lentille ophtalmique.
PCT/IB2006/002497 WO2007069006A1 (en) 2005-12-16 2006-07-04 Method for determination of an ophtalmic lens

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009519484A JP2009519484A (ja) 2009-05-14
JP4856190B2 true JP4856190B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=36942418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008545121A Active JP4856190B2 (ja) 2005-12-16 2006-07-04 眼鏡レンズの決定方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US7210780B1 (ja)
EP (2) EP1798590B1 (ja)
JP (1) JP4856190B2 (ja)
KR (1) KR101281459B1 (ja)
CN (1) CN101331421B (ja)
AT (1) ATE515716T1 (ja)
AU (1) AU2006325277B2 (ja)
BR (1) BRPI0620000A2 (ja)
CA (1) CA2633279C (ja)
ES (1) ES2371004T3 (ja)
FR (1) FR2895092B1 (ja)
PT (1) PT1798590E (ja)
WO (1) WO2007069006A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008057205A1 (de) * 2008-11-13 2010-05-20 Rodenstock Gmbh Optimierung und Herstellung eines Brillenglases zur Korrektion einer astigmatischen Refraktion
DE102008057206A1 (de) * 2008-11-13 2010-05-20 Rodenstock Gmbh Optimierung und Herstellung eines Brillenglaspaares zur Korrektion einer astigmatischen Refraktion
EP2356507B1 (de) 2008-11-13 2013-11-20 Rodenstock GmbH Optimierung und herstellung eines brillenglases zur korrektion einer astigmatischen refraktion
EP2246729A1 (en) * 2009-04-30 2010-11-03 Essilor International (Compagnie Générale D'Optique) A method for assessing an optical feature of an ophthalmic lens design
US8814354B2 (en) 2010-01-18 2014-08-26 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) Process for designing an ophthalmic progressive eyeglass
US10278810B2 (en) 2010-04-29 2019-05-07 Ojo, Llc Injectable physiologically adaptive intraocular lenses (IOL's)
KR101877880B1 (ko) * 2011-03-07 2018-07-12 에씰로 앙터나시오날 누진 안경 렌즈 결정 방법
JP2012185449A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Seiko Epson Corp 累進屈折力レンズ
EP2506063A1 (en) * 2011-03-31 2012-10-03 ESSILOR INTERNATIONAL (Compagnie Générale d'Optique) Progressive ophthalmic lens
CN103946736B (zh) * 2011-11-16 2016-05-25 埃西勒国际通用光学公司 眼镜片和用于确定或制造眼镜片的方法以及制造眼镜片的装置
CN102768414B (zh) * 2012-07-30 2013-09-25 上海理工大学 一种新型多光轴渐进多焦点镜片设计方法
CN104520756B (zh) * 2012-07-31 2016-11-16 埃西勒国际通用光学公司 渐进式多焦点眼镜片
KR101506988B1 (ko) * 2013-09-25 2015-04-07 (주) 해피비전 렌즈자동처방시스템 및 자동처방방법
WO2016146590A1 (en) * 2015-03-18 2016-09-22 Essilor International (Compagnie Générale d'Optique) A method for determining an ophthalmic lens having unwanted astigmatism
JP6706982B2 (ja) * 2016-07-11 2020-06-10 富士フイルム株式会社 面状照明装置
CN115590459B (zh) * 2022-10-25 2023-07-07 江苏鸿晨集团有限公司 一种高精度的散光板

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4055379A (en) * 1973-08-16 1977-10-25 American Optical Corporation Multifocal lens
US4606626A (en) * 1982-12-13 1986-08-19 Seiko Epson Corporation Progressive multifocal ophthalmic lenses with prism for correcting chromatic aberration
FR2588973B1 (fr) 1985-10-23 1988-01-08 Essilor Int Lentille ophtalmique progressive
FR2683642B1 (fr) 1991-11-12 1994-01-14 Essilor Internal Cie Gle Optique Lentille ophtalmique multifocale progressive.
FR2683643B1 (fr) 1991-11-12 1994-01-14 Essilor Internal Cie Gle Optique Lentille ophtalmique multifocale progressive.
FR2699294B1 (fr) 1992-12-11 1995-02-10 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale progressive.
FR2704327B1 (fr) 1993-04-23 1995-06-23 Essilor Int Paire de lentilles ophtalmiques multifocales progressives.
DE4337369A1 (de) * 1993-11-02 1995-05-04 Rodenstock Optik G Brillenglas mit progressiver Wirkung
DE19612284A1 (de) * 1996-03-28 1997-10-02 Zeiss Carl Fa Multifokale Brillenlinse
FR2753805B1 (fr) 1996-09-20 1998-11-13 Essilor Int Jeu de lentilles ophtalmiques multifocales progressives
AUPO903197A0 (en) 1997-09-09 1997-10-02 Sola International Holdings Ltd Improved progressive lens
FR2769998B1 (fr) 1997-10-16 1999-12-31 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale
FR2770000B1 (fr) 1997-10-16 1999-12-31 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale
US6540354B2 (en) 1997-10-16 2003-04-01 Essilor International Multifocal ophthalmic lens
US6102544A (en) 1997-10-16 2000-08-15 Essilor International Multifocal ophthalmic lens
FR2769999B1 (fr) 1997-10-16 1999-12-31 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale
FR2769997B1 (fr) 1997-10-16 1999-12-31 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale
FR2783938B1 (fr) 1998-09-28 2000-11-17 Essilor Int Lentilles ophtalmiques toriques
IL132466A (en) * 1999-05-20 2002-09-12 Johnson & Johnson Vision Care Methods of manufacturing lenses with refractive power are gradually increasing
AUPQ065599A0 (en) 1999-05-31 1999-06-24 Sola International Holdings Ltd Progressive lens
US6793340B1 (en) 1999-10-01 2004-09-21 Sola International Holdings, Ltd. Progressive lens
FR2809193B1 (fr) 2000-05-16 2002-08-09 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale progressive a variation de puissance rapide
JP2004502963A (ja) 2000-04-25 2004-01-29 オプティッシュ.ウエルケ.ゲー.ローデンストック 揺動作用を低く抑えた累進眼鏡レンズ
DE10020914B4 (de) * 2000-04-28 2020-07-02 Carl Zeiss Vision Gmbh Verfahren zur Berechnung einer Mehrzahl Brillenlinsen einer Brillenlinsenfamilie sowie Verfahren der Fertigung einer Brillenlinse einer Brillenlinsenfamilie
FR2820515B1 (fr) 2001-02-02 2003-05-16 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale progressive a variation de puissance rapide
FR2820516B1 (fr) 2001-02-02 2003-05-16 Essilor Int Lentille ophtalmique multifocale progressive a variation de puissance rapide
BR0214533A (pt) 2001-12-05 2004-11-09 Sola Int Holdings Lente progressiva balanceadas
DE10345214B4 (de) * 2003-09-29 2007-09-06 Rodenstock Gmbh Serie progressiver Brillengläser mit geringer Divergenz und Rotation des Astigmatismus

Also Published As

Publication number Publication date
PT1798590E (pt) 2011-10-13
WO2007069006A1 (en) 2007-06-21
JP2009519484A (ja) 2009-05-14
CA2633279A1 (en) 2007-06-21
CN101331421B (zh) 2010-09-08
US7210780B1 (en) 2007-05-01
CN101331421A (zh) 2008-12-24
KR20080097385A (ko) 2008-11-05
EP1798590A1 (fr) 2007-06-20
EP2302442A1 (fr) 2011-03-30
CA2633279C (en) 2015-10-27
KR101281459B1 (ko) 2013-07-03
FR2895092A1 (fr) 2007-06-22
ES2371004T3 (es) 2011-12-26
AU2006325277B2 (en) 2011-09-15
AU2006325277A1 (en) 2007-06-21
EP1798590B1 (fr) 2011-07-06
BRPI0620000A2 (pt) 2011-12-06
ATE515716T1 (de) 2011-07-15
FR2895092B1 (fr) 2008-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4856190B2 (ja) 眼鏡レンズの決定方法
JP5649008B2 (ja) 遠方視力非点収差および近方視力非点収差の処方を使用して眼鏡レンズを決定する方法
CA2628006C (en) Ophthalmic lens
JP5388579B2 (ja) 眼鏡レンズ
US8079705B2 (en) Production of an ophthalmic element adapted for foveal and peripheral vision
JP5542447B2 (ja) 単焦点眼鏡レンズを決定する方法および単焦点眼鏡レンズ
JP2008501990A (ja) 眼用レンズ
US10203519B2 (en) Systems and methods for augmented reality
US20170017095A1 (en) Method Of Calculating An Optical System According To A Given Spectacle Frame
KR102042554B1 (ko) 안경 렌즈 결정 방법
JP2009237548A (ja) 眼鏡レンズの決定方法
JP2007241276A (ja) 累進焦点眼鏡レンズの決定方法
US20150168743A1 (en) Progressive ophthalmic lens
JP2007256957A (ja) 累進焦点眼鏡レンズの決定方法
AU2006267926A1 (en) Ophthalmic lens
CN106461975B (zh) 具有放大的中距离视区的渐变多焦点镜片
US20130148078A1 (en) Progressive multifocal ophthalmic lens
CN112334818A (zh) 用于确定眼科镜片的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110817

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111027

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4856190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250