JP6312538B2 - レンズ設計方法、レンズ製造方法、レンズ設計プログラム、及びレンズ設計システム - Google Patents

レンズ設計方法、レンズ製造方法、レンズ設計プログラム、及びレンズ設計システム Download PDF

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Description

本発明は、レンズ設計方法、レンズ製造方法、レンズ設計プログラム、及びレンズ設計システムに関する。
累進屈折力レンズは、遠用部と近用部とを有する眼鏡レンズなどに利用されている(例えば、下記の特許文献1から特許文献7参照)。累進屈折力レンズには、外面累進レンズ、内面累進レンズ、両面累進レンズなどが含まれる。一般的に外面累進レンズは、眼球側の面を球面に設計し、物体側の面を累進面に設計したレンズであり、内面累進レンズは、物体側の面を球面に設計し、眼球側の面を累進面に設計したレンズである。両面累進レンズは、物体側の面と眼球側の面を、それぞれ、累進面に設計したレンズである。乱視処方の装用者に対してはいずれの場合も、眼球側の球面もしくは累進面に、円柱面もしくはトーリック面を足し合わせた面とすることにより乱視矯正の機能を持たせている。
このような眼鏡レンズは、一般的に、セミフィニッシュレンズを使って製造される。セミフィニッシュレンズは、例えば内面累進レンズの場合、物体側の球面は所定の度数範囲(ベースカーブ区分)においては固定された一定のカーブ値をもつ面である。また外面累進レンズ、あるいは両面累進レンズの場合、物体側の面は所定の度数範囲において、一定のカーブ値の球面と一定の加入度の累進面を足し合わせた面である。いずれの場合も、物体側の面はこれ以上加工されない基準面である。この物体側の面を基準として装用者の処方(遠用度数、近用度数、乱視度数、プリズム等)から加工すべき眼球側の面が計算され、加工される。この加工される眼球側の面(補正面)は単に累進面とトーリック面との足し合せのみならず、場合によっては非点収差の抑制などの補正も考慮して計算された複雑な面であるが、フリーフォーム加工技術の進歩により現在では加工可能となっている。
特開2013−217948号公報 特開2010−96854号公報 国際公開第2011/030673号 特開2006−39526号公報 特開2004−4436号公報 特開2012−13742号公報 国際公開第2007/010806号
ところで、セミフィニッシュレンズを用いた場合、眼球側の面の設計は物体側の面の設計に依存することになるが、基準面の形状がベースカーブ区分で定められることにより、補正面の設計にどうしても制限が生じてしまう。その結果、眼鏡レンズの各位置における厚みの自由度が低くなるという問題点があった。本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、眼鏡レンズの各位置における厚みの自由度が高いレンズ設計方法、レンズ製造方法、レンズ設計プログラム、及びレンズ設計システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組のカーブデータを算出することと、算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出することと、を含むレンズ設計方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様のレンズ設計方法によって累進屈折力レンズを設計することと、設計に従って累進屈折力レンズを製造することと、を含むレンズ製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、コンピュータに、累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組のカーブデータを算出することと、算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出することと、を実行させるレンズ設計プログラムが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組のカーブデータを算出する第1算出部と、第1算出部により算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出する第2算出部と、を含むレンズ設計システムが提供される。
本発明によれば、眼鏡レンズの各位置における厚みの自由度が高いレンズ設計方法、レンズ製造方法、レンズ設計プログラム、レンズ設計システム、及びレンズ設計システムを提供することができる。
眼鏡レンズの一例を示す図である。 本実施形態に係るレンズ設計システムを示すブロック図である。 厚みの条件の指定方法を示す説明図である。 設計条件の一例を示す概念図である。 本実施形態に係るレンズ設計方法を示すフローチャートである。 カーブを変化させた複数のレンズを示す図である。 図6のレンズの諸元を示す図である。
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。図1は、眼鏡レンズGLの一例を示す図である。図1(A)は、眼鏡レンズGLの平面図、図1(B)は、図1(A)のA−A線断面図、図1(C)は、眼鏡レンズGLとレンズブランクとの関係を示す平面図である。
図1(A)に示すように、眼鏡レンズGLは、平面視で眼鏡フレームFの形状に近似する形状に形成されたレンズである。図1の眼鏡レンズGLの平面形状は、トラック状であるが、円形や楕円形、ひし形などの他の形状であってもよい。なお、図1には左眼用の眼鏡レンズGLを示したが、右眼用の眼鏡レンズについては、左眼用と左右対称的であるので、その説明を省略する。
眼鏡レンズGLは、例えばプラスチックやガラスなどによって形成される。眼鏡レンズGLは、所定の光学中心Pを有している。光学中心Pは、装用者のフィッティングポイントに一致する位置に形成されている。フィッティングポイントは、眼鏡レンズGLを装用したときの装用者の瞳位置(アイポイント)である。このアイポイントは、装用者が水平視した状態でのレンズ上の視線位置のことである。また、眼鏡レンズGLには、幾何中心Qが設定される。
本実施形態において、眼鏡レンズGLは、遠用部Lfおよび近用部Lnを含む累進屈折力レンズである。本実施形態においては、光学中心Pよりも装用時の上端側を遠用部Lf、光学中心Pよりも装用時の下端側を近用部Lnとする。遠用部Lfと近用部Lnとの境界付近は、累進部とされるが、本実施形態において、累進部のうち光学中心Pよりも上端側は遠用部Lfに含まれるとし、累進部のうち光学中心Pよりも下端側は近用部Lnに含まれるとする。累進屈折力レンズは、例えば両面累進レンズであるが、外面累進レンズまたは内面累進レンズであってもよい。
図1(B)に示すように、眼鏡レンズGLは、凸形状に形成された物体側の表面Laと、凹形状に形成された眼球側の裏面Lbとを有している。本実施形態において、表面Laおよび裏面Lbは、それぞれ、装用者の処方に合わせてレンズブランクLBの両面を切削研磨などの形状加工することで、形成されている。本実施形態において、眼鏡レンズGLの表面Laおよび裏面Lbは、それぞれ、フリーフォーム(自由曲面)加工により成形されている。
レンズブランクLBは、レンズブロックなどと呼ばれることもあり、眼鏡レンズGLのもとになるレンズである。レンズブランクLBは、切削研磨などの形状加工によって、眼鏡レンズGLへ成形される。したがって、レンズブランクLBは、眼鏡レンズGLと同一の材料、例えばプラスチックやガラスなどによって形成される。図1(C)に示すように、レンズブランクLBは、平面視で円形に形成されたレンズである。レンズブランクLBは、幾何中心Oを有している。
なお、眼鏡レンズGLは、セミフィニッシュレンズを利用して製造されたものでもよい。セミフィニッシュレンズは、表面Laと裏面Lbの一方の面が光学設計された基準面であり、他方の面がフリーフォーム加工などにより形状加工される補正面である。
ところで、眼鏡レンズには、受注可能な度数の上限と下限との間に、所定の範囲で分割した複数の度数範囲があり、各度数範囲はベースカーブ区分と呼ばれる。内面累進レンズは物体側の面が球面であるので、使用するセミフィニッシュレンズの種類は、このベースカーブ区分数と同じになる。外面累進レンズは物体側の面が累進面であるので、セミフィニッシュレンズの種類は、ベースカーブ区分数と加入度の種類の数との積になる。例えば、ベースカーブ区分数が3つであり、加入度が0.75dpから3.50dpまで0.25dpステップで受注できる場合、セミフィニッシュレンズの種類は、3×12の36種類になる。両面累進レンズは物体側の面と眼球側の面の両方で累進面を構成し、また眼球側の面は通常切削加工、研磨加工が行われるため、セミフィニッシュレンズの種類は外面累進レンズより少なくなる。
このようなセミフィニッシュレンズを利用して製造された眼鏡レンズは、基準面(例えば表面La)の形状がベースカーブ区分で定められることにより、補正面(例えば裏面Lb)の設計に制限がある。ここで、レンズの厚みは、物体側の面と眼球側の面の差分で定まることから、ベースカーブ区分により定められた基準面に対して補正面を設計する場合、レンズの厚みの設計自由度が低くなる。そこで、本実施形態においては、処方値に合う条件下で表面Laと裏面Lbのそれぞれの形状(カーブ)を変化させ、レンズの厚みの条件を満たすカーブの組み合わせを選択可能とにした。
次に、本実施形態に係るレンズ設計システムについて説明する。図2は、本実施形態に係るレンズ設計システム1を示すブロック図である。
レンズ設計システム1は、情報処理装置2、入力装置3、及び表示装置4を備える。情報処理装置2は、装用者の処方値を使って、装用者の処方値に合った累進屈折力レンズの形状を算出する。入力装置3は、例えば、切替スイッチ、マウス、キーボート、タッチパネルなどである。入力装置3は、情報処理装置2による算出の条件、処方値などの情報を情報処理装置2に入力することに利用される。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。情報処理装置2は、入力装置3を介して入力された情報、情報処理装置2による算出結果などの各種情報を、表示装置4に表示させる。
本実施形態に係る情報処理装置2は、第1算出部5、第2算出部6、抽出部7、記憶部8、及び通信部9を備える。
通信部9は、情報処理装置2の外部の装置と、有線または無線により通信可能である。通信部9は、情報処理装置2の外部の装置から、例えば処方値などの情報を受信可能である。記憶部8は、入力装置3を介して情報処理装置2に入力された情報と、通信部9を介して供給された情報の少なくとも一部を記憶する。記憶部8は、例えば、情報処理装置2による算出の条件、処方値などを記憶する。記憶部8に記憶されている情報は、第1算出部5、第2算出部6、及び抽出部7のそれぞれの処理に使われる。
第1算出部5は、与えられた条件を満たすカーブの複数の候補を算出する。第1算出部5は、カーブの複数の候補の算出に先立ち、算出に必要とされる条件を取得する。本実施形態において、第1算出部5は、装用者の処方値を取得する。
本実施形態において、処方値は、球面度数、加入度、乱視軸度、及び乱視度数を含むが、角膜頂点距離、利き目、近用作業距離の少なくとも1つを含んでいてもよい。以下の説明において、適宜、球面度数をSで表し、加入度をAdd、乱視軸度をAx、乱視度数をCで表す。球面度数S、加入度Add、乱視度数Cの単位は、ディオプター(dp)であり、乱視軸度Axの単位は度(deg)である。処方値は、入力装置3または通信部9を介して情報処理装置2に供給され、記憶部8に記憶される。第1算出部5は、記憶部8から処方値を読み出すことにより、処方値を取得する。
また、第1算出部5は、累進屈折力レンズの上の第1位置における厚みの条件を取得する。第1位置およびその厚みは、オペレータが任意に選択できるパラメータである。例えば、眼鏡レンズの縁厚は、眼鏡レンズの強度を確保する上で所定の値以上に設定され、この場合に、第1位置として縁が選択され、その厚みとして強度確保に必要とされる値が選択される。オペレータは、入力装置3を操作することにより、例えば累進屈折力レンズの縁の位置を指定し、この位置における厚みを指定できる。
また、眼鏡レンズの縁厚は、フレームの形態に応じて設定されることもある。例えば、フレームの一形態としてツーポイントと呼ばれるものがあり、ツーポイントにおいては、眼鏡レンズにおける耳側の端部および鼻側の端部に開けた穴にフレームが取り付けられる。このような形態においては、耳側の端部と鼻側の端部の少なくとも一方の厚みが、強度を確保できるように指定される。また、フレームの一形態として、眼鏡レンズを上端側で支持し、下端側で支持しない形態もある。このような形態においては、上端側の厚みが、強度を確保できるように指定される。また、眼鏡レンズの厚みは、装用者の希望により指定される場合がある。例えば、眼鏡レンズの厚みは、フレームからはみ出さないように指定される場合がある。なお、オペレータは、レンズの設計者であってもよいし、レンズの販売者であってもよく、レンズの装用者であってもよい。
図3は、厚みの条件の指定方法の一例を示す説明図である。情報処理装置2は、表示装置4に、累進屈折力レンズ11と、眼鏡フレームFとを重ねて表示する。オペレータは、入力装置3を操作することにより、表示装置4上のカーソル12を第1位置として選択する位置に移動し、クリック操作などにより第1位置を指定することができる。情報処理装置2は、入力装置3になされた入力を検出することにより、第1位置の座標を取得できる。なお、厚みの条件の指定は、数値入力によっても可能である。
第1位置における厚みの条件は、入力装置3または通信部9を介して情報処理装置2に供給され、記憶部8に記憶される。第1算出部5は、第1位置における厚みの条件を記憶部8から読み出すことによって、第1位置における厚みの条件を取得する。
また、第1算出部5は、処方値および第1位置における厚みの条件を使って、累進屈折力レンズのカーブデータの複数の候補を算出する。累進屈折力レンズのカーブデータは、遠用部Lfの表面La側のカーブ値(表面遠用部カーブ)と、近用部Lnの表面La側のカーブ値(表面近用部カーブ)と、遠用部Lfの裏面Lb側のカーブ値(裏面遠用部カーブ)と、近用部Lnの裏面Lb側のカーブ値(裏面近用部カーブ)とを含むカーブ値の組で表される。本実施形態において、カーブ値は、曲率半径を屈折力に換算した値であり、単位はディオプター(dp)である。e線に対するレンズ基材(レンズブランク)の屈折率をIとし、曲率半径をR[mm]としたときに、カーブ値Ciは、下記の式(1)で表される。
Ci=(I−1.0)×1000/R ・・・(1)
例えば、表面遠用部カーブCf1は、表面Laにおける遠用部Lfの曲率半径を用いて、上記の式(1)により算出される。同様に、表面近用部カーブCn1、裏面遠用部カーブCf2、裏面近用部カーブCn2は、それぞれ、表面Laにおける近用部Lnの曲率半径、裏面Lbにおける遠用部Lfの曲率半径、裏面Lbにおける近用部Lnの曲率半径を用いて式(1)により算出される。
遠用度数Sfは、表面遠用部カーブCf1から裏面遠用部カーブCf2を引いた差分(Sf=Cf1−Cf2)に相当する。また、近用度数Snは、表面近用部カーブCn1から裏面近用部カーブCn2を差し引いた差分(Sn=Cn1−Cn2)に相当する。加入度Addは、近用度数Snから遠用度数Sfを差し引いた差分(Add=Sn−Sf)に相当する。
第1算出部5は、処方値に合う条件下でカーブデータに含まれる値を変化させ、複数の候補(カーブデータ)を算出する。本実施形態において、表面遠用部カーブ、表面近用部カーブ、裏面遠用部カーブ、及び裏面近用部カーブのそれぞれには、処方値に応じた上限値および下限値が設定されている。カーブデータに含まれるカーブ値の少なくとも一つは、処方値によっては定数(固定値)の場合があり、この場合に、下限値は上限値と同じ値で表される。
第1算出部5は、上限値と下限値とが一致しない項目のカーブ値を、上限値と下限値との間で変化させる。第1算出部5は、カーブ値を所定の刻み幅(変化ステップ)で変化させる。本実施形態において、カーブ値の上限値、下限値、及び変化ステップを、適宜、設計条件という。本実施形態において、設計条件は、球面度数、加入度、乱視軸度、及び乱視度数の処方値のそれぞれを引数とする表関数で表され、記憶部8に記憶されている。第1算出部5は、記憶部8から設計条件を読み出して、設計条件を取得する。
図4は、設計条件の一例を示す概念図である。図4の例において、設計条件は、乱視軸度Axおよび加入度Addを引数とする複数のシートDsに分類されている。乱視軸度Axは、例えば、0°以上60以下の範囲、61°以上120°以下の範囲、121°以上180°以下の範囲に分類される。加入度Addは、例えば、0.25から4.00の範囲に0.25の幅ごとに分類される。
図4の例において、各シートは、球面度数S(遠用度数)および乱視度数Cを引数とする複数のセルDcに分類されている。球面度数Sは、例えば、+8.00以下の範囲で0.25の幅ごとに分類される。乱視度数は、0.00以下の範囲で0.25の幅ごとに分類される。各セルには、表面遠用部カーブ、表面近用部カーブ、裏面遠用部カーブ、及び裏面近用部のそれぞれの上限値および下限値が格納されている。本例においては、上限値および下限値と同じセルに、カーブ値を変化させる際の変化ステップも格納されている。
この変化ステップは、処方値に応じた可変値であってもよいし、処方値によらずに固定値であってもよい。変化ステップは、上限値と下限値に応じて設定されていてもよい。例えば、上限値と下限値の差が大きいセルにおいて、上限値と下限値の差が小さいセルと比較して、変化ステップが大きく設定されていてもよい。
このような設計条件のデータベースから、第1算出部5は、処方値に合った設計条件を記憶部8から読み出す。ここでは、与えられた処方値の乱視軸度Axが0°以上60°以下、加入度Addが4.00(dp)、球面度数Sが4.00(dp)、乱視度数Cが−4.00(dp)であったとする。第1算出部5は、乱視軸度Axが0°以上60°以下、加入度Addが4.00(dp)のシートDsを選択し、このシートDsのうち球面度数Sが4.00(dp)、乱視度数Cが−4.00(dp)のセルに格納されている設計条件を読み出す。
この例において、表面遠用部カーブCf1の下限値は6であり、表面近用部カーブCn1の下限値は6、裏面遠用部カーブCf2の下限値は2、裏面近用部カーブCn2の下限値は−2である。また、表面遠用部カーブCf1の上限値は6であり、表面近用部カーブCn1の上限値は12、裏面遠用部カーブCf2の上限値は2、裏面近用部カーブCn2の上限値は4である。また、変化ステップは、0.25である。
この例においては、表面遠用部カーブCf1の上限値と下限値が同じ(6)であり、裏面遠用部カーブCf2の上限値と下限値が同じ(2)である。そのため、第1算出部5は、表面遠用部カーブCf1および裏面遠用部カーブCf2を変化させない。第1算出部5は、表面近用部カーブCn1と裏面近用部カーブCn2の一方のパラメータを、上限値と下限値との間において、設計条件に定められた変化ステップで変化させる。また、第1算出部5は、上記の一方のパラメータを変化させた際に、表面近用部カーブCn1と裏面近用部カーブCn2の他方のパラメータを、処方値に合うように算出する。
例えば、第1算出部5は、表面近用部カーブCn1を、下限値(6)から変化ステップ0.25で上限値(12)を超えない範囲で変化させる。すなわち、第1算出部5は、表面近用部カーブCn1を6.00から、6.25、6.50、・・・11.75、12.00のように変化させる。
ここで、表面遠用部カーブCf1から裏面遠用部カーブCf2を差し引いた差分(Cf1−Cf2)は、球面度数S(遠用度数Sf)に相当する。図4に拡大して示したセルにおいて、球面度数Sは4であり、表面遠用部カーブCf1が6、裏面遠用部カーブCf2が2である。また、近用度数Snは、遠用度数Sfと加入度Addの和であり、遠用度数Sfが4、加入度Addが4である場合に、近用度数Snが8になる。
近用度数Snは、表面近用部カーブCn1から裏面近用部カーブCn2を差し引いた差分(Cn1−Cn2)であるので、表面近用部カーブCn1が正の整数mに対して、Cn1=6.00+0.25×mである場合に、裏面近用部カーブCn2は、Cn2=−2.00+0.25×mとなる。このように、第1算出部5は、処方値に合ったカーブデータを算出する。第1算出部5は、算出したカーブデータを記憶部8に記憶する。
なお、図4の例において、表面遠用部カーブCf1および裏面遠用部カーブCf2は固定値であるが、上限値と下限値が一致しない場合に、処方値の球面度数S(遠用度数Sf)に対して、Sf=Cf1−Cf2を満たすように、変化させてもよい。また、表面遠用部カーブCf1および裏面遠用部カーブCf2を変化させ、変化させた値に対して、表面遠用部カーブCf1および裏面遠用部カーブCf2を変化させてもよい。
なお、設計条件を示すデータのデータ構造は、適宜変更可能である。例えば、図4においては、乱視軸度Axおよび加入度Addを一組のタグとしているが、乱視軸度Axにより分類される階層は、加入度Addにより分類される階層と別の階層であってもよい。また、球面度数Sにより分類される階層は、乱視度数Cにより分類される階層と別の階層であってもよいし、乱視軸度Axにより分類される階層、または加入度Addにより分類される階層と同じ階層であってもよい。同様に、乱視度数Cにより分類される階層は、乱視軸度Axにより分類される階層、または加入度Addにより分類される階層と同じ階層であってもよい。また、乱視軸度Ax、加入度Add、球面度数S、乱視度数Cの刻み幅は、適宜変更できる。
なお、第1算出部5は、累進屈折力レンズが取り付けられるフレームの形状情報、及び装用者情報の少なくとも一部を使って、カーブデータを変化させてもよい。この装用者情報は、装用者の角膜頂点距離、利き目、及び近用作業距離の少なくとも一つの情報を含む。
図2の説明に戻り、第2算出部6は、第1算出部5により算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出する。
第2位置は、オペレータが任意に選択できるパラメータである。例えば、第1位置の厚みが所定の条件を満たした上で、第2位置の厚みが最も薄くなるように、あるいは所定値に近くなるように、レンズ形状を設定したという要望がありえる。このような場合に、第2位置は、厚みを制御したい位置(厚みの制御の対象となる位置)に設定される。第2位置は、例えば、累進屈折力レンズの光学中心に設定される。また、第2位置は、例えば、累進屈折力レンズのエッジ(縁)に設定される。第2位置は、光学中心とエッジのいずれとも異なる位置に設定されてもよい。
オペレータは、例えば入力装置3を介して、第2位置の位置を入力できる。第2位置の指定方法は、例えば図3を参照して説明した方法と同様であってもよいし、数値(座標)を入力する方法であってもよい。入力装置3から情報処理装置2に入力された第2位置は、記憶部8に記憶される。第2算出部6は、記憶部8から第2位置を読み出して、第2位置の厚みを算出する。
ここで、第1位置が装用時の下端の位置とする。本実施形態において、第2算出部6は、第1算出部5が算出した各カーブデータに対応する実寸値を算出する。例えば、第2算出部6は、第1算出部5により算出された表面近用部カーブCn1の値を上記の式(1)に照らして演算することにより、表面Laにおける近用部Lnの曲率半径を算出する。また、第2算出部6は、第1算出部5により算出された裏面近用部カーブCn2の値を上記の式(1)に照らして演算することにより、裏面Lbにおける近用部Lnの曲率半径を算出する。そして、第2算出部6は、装用時の下端において、近用部Lnの表面Laと裏面Lbとのギャップ(厚み)が指定値になるように、近用部Lnの表面Laと裏面Lbのそれぞれの位置を決定する。
また、第2算出部6は、表面遠用部カーブCf1、裏面遠用部カーブCf2のそれぞれについても同様に、上記の式(1)に照らして演算することにより、遠用部Lfの表面Laおよび裏面Lbのそれぞれの実寸値を算出する。そして、近用部Lnの表面Laと遠用部Lfの表面Laが連続する条件を満たすように、遠用部Lfの表面Laの位置を決定する。また、近用部Lnの裏面Lbと遠用部Lfの裏面Lbが連続する条件を満たすように、遠用部Lfの裏面Lbの位置を決定する。
以上のようにして、第2算出部6は、一組のカーブデータに対して、遠用部Lfの表面Laの位置および裏面Lbの位置、並びに近用部Lnの表面Laの位置および裏面Lbの位置を決定する。そして、第2算出部6は、決定した各面の位置の情報から、第2位置における厚みを算出する。また、第2算出部6は、他のカーブデータに対しても同様に、第2位置における厚みを算出する。第2算出部6は、カーブデータと、このカーブデータにおける第2位置の厚みとを関連付けて、記憶部8に記憶させる。
なお、第2算出部6は、第1算出部5が算出したカーブデータに加えて、付加情報を加味して累進屈折力レンズの表面Laと裏面Lbの少なくとも一方の形状を設定してもよい。付加情報は、例えば、偏心位置、累進帯長、加入度分布情報、遠点、近点、基準中心厚の少なくとも一つを含む。
偏心位置は、光学中心Pと幾何中心Qとのずれ量を示す情報である。累進帯長は、累進部の長さの情報である。加入度分布情報は、加入度の面分布を示す情報である。遠点は、装用者のピント合わせの調整力を発揮していない場合にピントが合う位置の情報である。近点は、装用者のピント合わせの調整力を最大に発揮した場合にピントが合う位置の情報である。基準中心厚は、中心厚の基準値を示す情報である。
抽出部7は、第2位置における厚みが所定の条件を満たすカーブデータを抽出する。所定の条件は、例えば最小となる条件である。抽出部7は、複数組のカーブデータと、各カーブデータにおける第2位置の厚みを読み出す。そして、抽出部7は、第2位置の厚みの最小値を検出(検索)するとともに、最小値の第2位置の厚みに関連付けられたカーブデータを抽出する。また、所定の条件は、例えば指定値に最も近くなる条件であってもよい。この場合に、抽出部7は、指定値に最も近い第2位置の厚みを検出するとともに、検出された第2位置の厚みに関連付けられたカーブデータを抽出する。抽出部7は、抽出したカーブデータおよび第2位置の厚みを記憶部8に記憶させる。
情報処理装置2は、記憶部8に記憶されている情報を、表示装置4に表示させることができる。情報処理装置2は、第1算出部5の算出結果、第2算出部6の算出結果、抽出部7の抽出結果の少なくとも一つを表示装置4に表示可能である。例えば、オペレータは、入力装置3を操作して各種結果(情報)の表示を要求する指令を、情報処理装置2に供給できる。情報処理装置2は、指令に応じて、要求された情報を表示装置4に表示させる。例えば、情報処理装置2は、第2算出部6の算出結果により、第2位置の厚みが最小となるカーブデータを表示装置4に表示させることができる。また、情報処理装置2は、第2算出部6の算出結果により、第2位置が指定値に最も近くなるカーブデータを表示装置4に表示させることができる。
また、情報処理装置2は、記憶部8に記憶されている情報を、通信部9を介して外部の装置へ装置することができる。図2において、情報処理装置2の通信部9は、情報処理装置20の通信部21と通信可能に接続されている。この情報処理装置20は、例えばレンズの供給先に設けられ、受注端末などに利用できる。
情報処理装置20には、入力装置22および表示装置23が併設されている。情報処理装置20は、例えば図3に示した手法により、累進屈折力レンズを表示装置23に表示させる。情報処理装置20は、処方値、第1位置、第1位置の厚みの条件、第2位置、及び第2位置における厚みの条件などの情報の入力を、入力装置22を介して受け付ける。情報処理装置20は、入力装置22を介して取得した情報を、通信部21を介して情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、例えばレンズの供給元に設けられ、情報処理装置20から受信した情報を使って、処方値に合うとともに第1位置の厚みの条件を満たす複数組のレンズセットを算出する。情報処理装置2は、例えば算出した複数組のレンズセットの情報を、通信部9を介して情報処理装置20に送信する。
情報処理装置20は、情報処理装置2から受信した情報により、複数組のレンズセットの情報を表示装置23に表示させる。情報処理装置20のオペレータは、表示装置23に表示されている複数組のレンズセットの情報から、所望のレンズセットを選択できる。選択したレンズセットを示す情報は、例えば入力装置22を介して情報処理装置20に入力され、情報処理装置20は、この情報を情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、選択されたレンズセットの情報を、レンズブランクの形状加工を行う設備に送信することもできる。
なお、情報処理装置2は、算出した複数組のレンズセットの情報とともに、あるいは算出した複数組のレンズセットの情報の代わりに、抽出部7が抽出したレンズセットの情報を情報処理装置20に送信してもよい。このように、情報処理装置2および情報処理装置20は、レンズを提供するためのレンズ提供システムの一部として利用してもよい。情報処理装置20は、レンズ設計システム1の一部であってもよいし、レンズ設計システムの外部の装置であってもよい。また、情報処理装置20は、設けられていなくてもよいし、情報処理装置2は、外部の装置と通信しなくてもよい。
次に、上述のようなレンズ設計システムの構成に基づき、本実施形態に係るレンズ設計方法について説明する。図5は、本実施形態に係るレンズ設計方法を示すフローチャートである。
図5のステップS1において、情報処理装置2の第1算出部5は、記憶部8から第1位置、及び第1位置における厚みの条件を取得し、第1位置の厚みの条件を設定する。また、ステップS2において、第1算出部5は、記憶部8から処方値を取得する。ステップS3において、第1算出部5は、ステップS2で取得した処方値を、図3に示した設計条件に照らして、処方値に合った設計条件(設計パラメータ)を取得する。ステップS4において、第1算出部5は、ステップS3で取得した設計条件に従って、複数組のカーブデータを算出する。第1算出部5は、算出した複数組のカーブデータを記憶部8に記憶させる。
図5のステップS5において、第2算出部6は、記憶部8から第2位置の厚みの条件を取得し、第2位置の厚みの条件を設定する。ステップS6において、第2算出部6は、第1算出部5が算出した複数組のカーブデータを記憶部8からカーブデータごとに読み出し、各組のカーブデータにおける第2位置の厚みを算出する。第2算出部6は、算出した第2位置の厚みを記憶部8に記憶する。第2算出部6は、次のカーブデータにおける第2位置の厚みを算出し、その結果を記憶部8に記憶する処理を繰り返す。
図6はカーブを変化させた複数のレンズの一例を示す図、図6のレンズの諸元を示す表である。図6に示すレンズ25a、レンズ25b、レンズ25c、及びレンズ25dは、図3に示したセルの設定条件に従って算出されたカーブデータに対応する。図7の表1において、番号([No.]に示す)1は、図6のレンズ25aの諸元であり、番号2、番号3、番号4は、それぞれ、レンズ25b、レンズ25c、レンズ25dの諸元である。
本例において、第1位置は、装用時の下端の位置に設定されており、図7の表1において、第1位置の厚みを[縁厚1]で示した。また、[中心厚]は、図1に示した光学中心における厚みであり、[縁厚2]は、装用時の上端における厚みである。なお、図3において、変化ステップは0.25であるが、図6には、変化ステップを2としたカーブデータを代表的に示した。
図6および図7に示すように、カーブデータに含まれるカーブ値を変化させると、中心厚、縁厚などが変化する。例えば、第2位置を光学中心Pに設定し、その厚みが最小となる条件を課す場合には、番号1のカーブデータを選択することにより、所望のカーブデータが得られる。また、第2位置を装用時の上端に設定し、その厚みが5mmに近い条件を課す場合には、番号3のカーブデータを選択することにより、所望のカーブデータが得られる。
図5のステップS7において、抽出部7は、第2算出部6の算出結果を記憶部8から読み出し、第2位置の厚みの条件に合うカーブデータを抽出する。例えば、図6および図7に示した例において、光学中心Pの厚みが最小となる条件が設定されている場合に、抽出部7は、[中心厚]の項目で値が最も小さいカーブデータ(本例では番号1)を抽出する。また、装用時の上端の厚みが指定値に近い条件が設定されている場合に、抽出部7は、各カーブデータの[縁厚2」の値と指定値を比較し、指定値との差が最も小さい[縁厚2]のカーブデータを抽出する。
以上のようにして、本実施形態に係るレンズ設計方法によれば、処方値に合うとともに、第1位置における厚みの条件を満たしつつ、第2位置における厚みに所望の条件を課して、累進屈折力レンズを設計できる。設計された累進屈折力レンズは、レンズブランクを用意し、レンズブランクを切削加工、研磨加工などの形状加工によって設計された形状に加工することで製造される。
ところで、セミフィニッシュレンズの基準面は、共用する度数範囲(ベースカーブ区分)の中にある特定の処方度数において最も好ましい光学性能が得られる形状に設計される。したがって、この特定の処方度数をセミフィニッシュレンズの基準度数とすると、基準度数付近の処方度数におけるレンズの光学性能は良好であるが、処方度数が基準度数から外れるにつれて光学性能が低下する。本実施形態のように、物体側の面と眼球側の面のそれぞれの形状を変化させると、装用時の光学性能を処方値に合わせやすい。
本実施形態において、情報処理装置2は、CPUおよびメモリを有するコンピュータを含む。情報処理装置2において、コンピュータは、レンズ設計プログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、コンピュータに、累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブ値の組を変化させ、累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす複数のカーブ値の組を算出することと、算出された複数のカーブ値の組のそれぞれに対して、累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出することと、を実行させる。このプログラムは、光ディスクやCD−ROM、USBメモリ、SDカード等の、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記の実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。
1 レンズ設計システム、5 第1算出部、6 第2算出部、7 抽出部

Claims (15)

  1. 累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組の前記カーブデータを算出することと、
    前記算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、前記累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、前記累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出することと、を含むレンズ設計方法。
  2. 前記カーブデータを、球面度数、加入度、乱視軸度、及び乱視度数の処方値により定まる上限値と下限値の間で変化させることを含む、請求項1に記載のレンズ設計方法
  3. 前記上限値と前記下限値を、前記球面度数、前記加入度、前記乱視軸度、及び前記乱視度数のそれぞれを引数とする表関数から取得することを含む、請求項2に記載のレンズ設計方法。
  4. 前記カーブデータを所定の刻み幅で変化させることを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  5. 前記累進屈折力レンズが取り付けられるフレームの形状情報、及び装用者の角膜頂点距離と利き目と近用作業距離の少なくとも一つの情報を含む装用者情報の少なくとも一部を使って、前記カーブデータを変化させることを含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  6. 前記カーブデータに含まれるカーブ値を、前記累進屈折力レンズの物体側の遠用部の曲率半径および近用部の曲率半径、並びに眼球側の遠用部の曲率半径および近用部の曲率半径を使って算出することを含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  7. 前記複数組のカーブデータのうち、前記第2位置における厚みが所定の条件を満たす前記カーブデータを抽出することを含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  8. 前記所定の条件は、最小となる条件を含む、請求項7に記載のレンズ設計方法。
  9. 前記所定の条件は、指定値に最も近くなる条件を含む、請求項7に記載のレンズ設計方法。
  10. 前記第2位置は、前記累進屈折力レンズの光学中心に設定される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  11. 前記第2位置は、前記累進屈折力レンズのエッジに設定される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  12. 前記所定の条件を満たす前記カーブデータに加えて、偏心位置、累進帯長、加入度分布情報、遠点、近点、基準中心厚の少なくとも一つを使って、前記累進屈折力レンズの物体側の面の形状および眼球側の面の形状の少なくとも一方を設定することを含む、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のレンズ設計方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のレンズ設計方法によって累進屈折力レンズを設計することと、
    前記設計に従って累進屈折力レンズを製造することと、を含むレンズ製造方法。
  14. コンピュータに、
    累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組の前記カーブデータを算出することと、
    前記算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、前記累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、前記累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出することと、を実行させるレンズ設計プログラム。
  15. 累進屈折力レンズの物体側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値、並びに眼球側の遠用部のカーブ値および近用部のカーブ値を含むカーブデータを処方値に合う条件下で変化させ、複数組の前記カーブデータを算出する第1算出部と、
    前記算出された複数組のカーブデータのそれぞれに対して、前記累進屈折力レンズ上の第1位置における厚みの条件を満たす場合の、前記累進屈折力レンズ上の第2位置における厚みを算出する第2算出部と、を含むレンズ設計システム。
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