JP2006056246A - プラスチックレンズ成形用モールドのガスケット及びガスケットの設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラスチックの重合成形に伴う収縮に対する追従性がより優れたガスケットの設計方法を提供すること。
【解決手段】ガスケット13は、円筒状の本体131の内周上部に上型保持部13A、内周下部に下型保持部13Bを有する。上型保持部は、上型モールド11の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面132と、先端エッジ部133aのみが上型モールドの下面に線接触する薄肉ヒレ状の環状突片133とで構成される。下型保持部は、下型モールド12の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面134と、嵌合面に連なる根元のコーナー部135aにより下型モールドの上方への位置を規制する下面135bに角度のついた環状凸部135とで構成される。このガスケットを、成形対象のレンズの設計値、成形用モールドの上型モールド及び下型モールドの設計値、並びに、レンズ素材の収縮率に基づいて設計する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、主に眼鏡用のプラスチックレンズを重合成形する際に使用する成形用モールド(成形型、鋳型ともいう)のガスケット及びガスケットの設計方法に関する。
例えば、眼鏡用のプラスチックレンズの重合成形には、ガラスまたはセラミックスからなる一対のレンズ母型(上型と下型)を環状のガスケットによって所要の間隔に保持したモールド(成形型または鋳型ともいう)が用いられる。このモールド内に、プラスチックモノマーを充填して加熱重合させることにより、所望形状のプラスチックレンズが得られる。
光学レンズを成形する場合、光学レンズの設計値をそのまま成形型(レンズ母型の成形面及びガスケット)に用いて成形型を設計し、製造すると、その成形型で製造した光学レンズは、その設計値と同一の形状で製造されない場合がある。その原因は、素材に依存する成形収縮や光学レンズの形状に起因する応力などのためで、成形型のレンズ母型の成形面がレンズ面に精度よく転写されないためである。
例えば、球面レンズを成形すべく、球面の成形面を有する成形型を用いて成形すると、成形された光学レンズは、非球面形状を含む球面以外の面形状となってしまうことがある。従って、成形型(レンズ母型の成形面及びガスケット)を設計する場合、これらの諸要因を考慮して、成形型に適切な形状補正を加える必要がある。
これらの成形型におけるレンズ母型の成形面の補正量やガスケットの補正量は、光学レンズの屈折力、レンズ素材、設計曲面の形状毎に異なり、これらの組み合わせにより複雑な傾向を有する。適切な補正量を決定するためには、各成形型において実際の変形を実験的に検証する必要がある。
また、補正量の予測や定量化は困難であり、適切な補正量の決定は熟練が必要とされていた。
具体的な作業は(a)全種類の光学レンズを、該当する成形型(鋳型)によりテスト成形し、(b)光学レンズの設計値に対する誤差を測定する。そして(c)測定された誤差に様々な係数を乗じて仮の補正量(経験値)を算出して成型型を作り直す。(d)作り直された成形型により光学レンズを再度テスト成形し、(e)光学レンズの形状誤差を測定する。上記(c)〜(e)を繰り返して補正の最適化を行うのが一般的手法である。
ところが、このような成形型(鋳型)の形状補正の最適化作業を行うためには数多くの成形テストを必要とする。特に、例えば眼鏡レンズの場合、多種の成形型を必要とする。即ち、眼鏡レンズは、個々の眼鏡装用者の処方に対応するレンズを用意しなくてはならない。例えば、処方に対応する眼鏡レンズの度数範囲について、球面度数の頂点屈折力の範囲を−8.00ジオプター(D)〜+6.00ジオプター(D )、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとした場合、球面度数の種類は56種類となる。
さらに、乱視処方に対応する乱視屈折力を0.25ジオプター(D)〜2.00ジオプター(D)の範囲とした場合、屈折力の分割単位を0.25Dピッチとすると乱視の種類で8種類必要である。従って、球面処方および乱視処方を組み合わせると、成形型のレンズ母型及びガスケットは、一つ製品において448種のレンズ度数に対応する必要があり、さらにレンズ母型は上下の2つの上型、下型で構成されるので、全部で896種となる。
このため成形型の作成においては、前述のようなレンズ母型毎及びガスケット毎の形状補正の作業を伴うため、多くの製作期間を必要としていた。
一方、通常、ガスケットの内周面には、上型を位置決めする突起と、下型を位置決めする突起とを別個に設けている。上方から上型をガスケットの内周に嵌合させて上側の突起で位置決めし、下方から下型をガスケットの内周に嵌合させて下側の突起で位置決めする。これにより、互いに所定の間隔を持って上型と下型とを保持すると共に、上型と下型の間のキャビティを密閉している(例えば、特許文献1参照)。
また、環状突起を設ける代わりに、ガスケットの内周側に上型及び下型の外径よりも小径の小径筒部を設け、小径筒部の上面と下面を上型及び下型の受面とすると共に、それらの受面に上型と下型に線状に接触する線状接触部を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。また、どちらかの線状接触部を、小径筒部から更に内周側に突設した環状突片の先端に形成したものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、図19に示すように、成形型200におけるガスケット201の端面の一部にはモノマーを注入するための注入口203が設けられている。この注入口203は、後述する注入管(注入ノズル)202に対して十分な大きさとなっている。また、注入管202が確実に注入口203に挿入されるように、注入管202を注入口203に導くためのホッパ形状のテーパ構造をなした注入受け口204が、ガスケット201に設けられている。
ところで、眼鏡レンズをタイプ別に分けると、入射光を発散させるマイナスレンズと入射光を集光させるプラスレンズとがある。マイナスレンズの断面形状はレンズ中心部が薄く、レンズ外周部が厚い。一方、プラスレンズはレンズ中心部が厚く、レンズ周辺部が薄くなる特性がある。注型重合によるレンズの製造では、プラスレンズの周辺部の厚みが薄くなるため、成形型における上型と下型の間隔が狭い。従って、モノマーの充填には、成形型における上型と下型の間隔に対応した外径の細い注入管202を用いたり、特許文献4のように、成形型に切欠きを設けて注入管202の挿入位置とすることなどが行われている。
また、特許文献5のように、所定の間隔で対向する2枚の上型、下型(モールド)の外周面に粘着テープを巻き付け、これらの上型と下型間にキャビティを形成した後、ゴム状弾性を有する弾性体を粘着テープの表面に接着する。その後、注入ノズルと排気管を弾性体及び粘着テープに突き刺して、それらの先端をキャビティ内に挿入する。その後、注入ノズルからキャビティ内へプラスチックモノマーの注入を開始し、キャビティの内部がプラスチックモノマーで充填されたら、注入ノズルからのプラスチックモノマーの注入を停止し、弾性体と粘着テープから注入ノズル及び排気管を引き抜いて、後工程であるモノマーの重合工程に移行することなども行われている。
特開平4−232706号公報 実開平5−80718号公報 特公昭58−45940号公報 特開平4−247913号公報 特開平10−146846号公報
レンズ母型とガスケットから成る成形型(鋳型)の補正は交互に繰り返し行われる。即ち、レンズ母型の補正後、ガスケットを補正し、さらにガスケットの補正後に、レンズ母型の再補正が行われる。これは、従来のレンズ母型補正方法では母型設計の精度が十分でないため、その精度がレンズ設計に許容される公差の上限下限にあり、そのため、レンズ母型補正後にガスケットを補正すると、改めてレンズ母型補正が必要になるからである。そして再度レンズ母型を補正すると、その変更に対応するガスケットの再補正が必要となり、結果として、補正値が収束するまでに成形試行を繰り返すこととなる。
ところで、プラスチックの重合成形の際に、レンズ基材であるモノマーは収縮し、その反対にモールドは熱膨脹する。従って、ガスケットには、それらの挙動に対応し得るだけの密閉性の確保が要求される。しかし、上記従来のガスケットは、上型及び下型の端部形状のバラツキ等により、密閉性が必ずしも充分に保てなくなるおそれがあり、製品の品質安定化に対する改善の余地があった。
また、図19に示すように、プラスチックレンズ成形用の成型型200では、一対のガラス製の上型205及び下型206が、レンズ成形用光学面を所定の間隔をもって互いに対向させ、樹脂製のガスケット201が上型205及び下型206の周面に配置されている。一対の上型205と下型206の間隔には複数種類がある。例えば正の屈折力を有するレンズを成形する場合には、レンズ外周部での端面の厚みは1.5mm以下であるため、レンズ成型型の外周部での上型205及び下型206の間隔も同程度となり、極めて小さい間隙を形成している。原材料であるモノマーの注入は上記間隙から行われる。従って、モノマーの注入は、注射針の様に極めて細い金属の注入管202が用いられ、その先端が注入のため成形型200の内部へ挿入される。注入管202を成形型200内部へ挿入しないと、注入口203付近ではモノマーが排気を阻害してしまい、注入ができなくなるためである。
ところが、成形型200における上型205と下型206の間隔が1.5mm程度と狭いため、テーパー構造の注入受け口204による注入管202の挿入では、この注入管202が成形型200の内部と接触することがある。注入管202が成形型200の内部に接触すると、ガスケット201により固定して設定された上型205及び下型206の位置が移動することがある。このため、成形品200の厚みが厚くなったり、プリズム不良が発生したり、あるいは成形型200の密閉性を損なう恐れがある。また、排気口(排気管)が小さいと、粘性の高いモノマーが成形型200を満たした瞬間に排気口が詰まり、成形型200の内部に一時的に高い圧力が発生して成形型200全体が膨張し、上型205、下型206の固定設定位置が移動して、この場合も成形型200の密閉性が損なわれる恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、成形型から成形品を成形する際の当該成形品の形状変形を補正して、所望形状の成形品を成形する成形用モールド(成形型)のガスケットを精度よく設計できるガスケットの設計方法を提供することにある。
また、本発明は、上記事情を考慮し、プラスチックの重合成形に伴う収縮に対する追従性がより優れたガスケットを提供することを目的とする。
更に、本発明は、上述の事情を考慮し、成形用モールド(成形型)の密閉性を向上させることができるガスケット及びその設計方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上型と下型の間隔を決定すると共に、上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法において、成形面が成形品の設計曲面に形成された成形用モールドを用意し、この成形用モールドから成形された成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて上記成形品の曲面を非球面として特定し、非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と、上記成形品の設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、この誤差に対応する情報を補正情報として用いて、上記成形用モールドの成形面を補正してレンズ空間を設計し、上記ガスケットを、成形対象のレンズの設計値、成形用モールドの上型及び下型の設計値を含むレンズ空間、並びに、レンズ素材の収縮率に基づいて設計することを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係るガスケットは、レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上型と下型の間隔を決定すると共に、上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットにおいて、円筒状の本体の内周上部に上記上型を保持するための上型保持部、内周下部に上記下型を保持するための下型保持部が設けられ、上記上型保持部は、上記上型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突設され、先端エッジ部のみが上型の下面に線接触することで、上型の下方への位置を規制すると共にレンズ空間をシールする薄肉ヒレ状の環状突片とで構成され、上記下型保持部は、上記下型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突出することで、上記嵌合面に連なるその根元のコーナー部により下型の上方への位置を規制すると共に、自身の下面が下型との接触回避のための角度を持つよう形成された環状凸部とで構成され、上記上型保持部の環状突片と下型保持部の環状凸部との間を繋ぐ周壁面が、上記両嵌合面よりも小径の凹状壁面として形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、請求項1に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法において、設計対象のガスケットが、円筒状の本体の内周上部に上記上型を保持するための上型保持部、内周下部に上記下型を保持するための下型保持部を有し、上記上型保持部は、上記上型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突設され、先端エッジ部のみが上型の下面に線接触することで、上型の下方への位置を規制すると共にレンズ空間をシールする薄肉ヒレ状の環状突片とで構成され、上記下型保持部は、上記下型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突出することで、上記嵌合面に連なるその根元のコーナー部により下型の上方への位置を規制すると共に、自身の下面が下型との接触回避のための角度を持つよう形成された環状凸部とで構成され、上記上型保持部の環状突片と下型保持部の環状凸部との間を繋ぐ周壁面が、上記両嵌合面よりも小径の凹状壁面として形成されており、成形対象のレンズの設計値、並びに、成形用モールドの上型及び下型の設計値に基づいて、上記ガスケットの上型保持部の嵌合面の径及び環状突片の先端の径、上記下型保持部の嵌合面の径及び環状凸部の径、上記凹状壁面の径をそれぞれ設定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法であって、上記注入口を、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔に略等しく設定し、上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉状態とする注入開口部を、上記上型及び上記下型の外部に設定することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、請求項4に記載の発明において、上記注入口を、プラスレンズを成形するための成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、請求項4に記載の発明において、上記注入口を、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法であって、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔が上記注入管の内径よりも大きい場合には、上記注入口を上記注入管の内径に略等しく設定し、上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉する注入開口部を、上記上型及び上記下型の外部に設定することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明に係るガスケットの設計方法は、請求項4乃至7のいずれかに記載の発明において、上記注入口及び排気口を、注入開口部を内包するホッパ形状の単一の注入受け口内に設定するものである。
請求項9に記載の発明に係るガスケットは、レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットであって、上記注入口が、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔に略等しく、または当該間隔が上記注入管の内径よりも大きい場合には上記注入管の内径に略等しくそれぞれ設定され、上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉状態とする注入開口部が、上記上型及び上記下型の外部に配置されたことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明に係るガスケットは、請求項9に記載の発明において、上記注入口が、プラスレンズを成形するための成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定されたことを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明に係るガスケットは、請求項9に記載の発明において、上記注入口が、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定されたことを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明に係るガスケットは、請求項9乃至11のいずれかに記載の発明において、上記注入口及び排気口を、注入開口部を内包するホッパ形状の単一の注入受け口内に設定するものである。
請求項13に記載の発明に係るプラスチックレンズは、プラスチック原料を成形型に注入して成形することによってレンズ形状に形成されたプラスチックレンズであって、前記請求項1、3、4乃至8のいずれかに記載のガスケットの設計方法が用いられて製造されたものである。
請求項14に記載の発明に係るプラスチックレンズは、プラスチック原料を成形型に注入して成形することによってレンズ形状に形成されたプラスチックレンズであって、前記請求項2、9乃至12のいずれかに記載のガスケットが用いられて製造されたものである。
請求項1または13に記載の発明によれば、レンズ母型(上型及び下型)を精度よく設計できるため、ガスケットの設計に係るすべての変数をレンズ母型の設計値と、該レンズ母型の間隔によって定まるレンズ空間から算出可能である。従って、レンズ母型及び上記レンズ空間の設計値が完成すると同時に、ガスケットの設計を完了することができる。
請求項2または14に記載の発明によれば、上型の半径方向の位置を嵌合面で規制しながら、上型に対する環状突片の先端エッジ部の線状接触により、上型とガスケットの確実なシールを図ることができる。特に環状突片はある程度の柔軟性を備えるので、その柔軟性により、レンズ基材の収縮とモールド(成形型)の熱膨脹とを、シール性能を維持しながら吸収することができる。なお、上型の下方への位置は、環状突片で確実に規制することができる。
また、ガスケットの下型保持部の嵌合面は、下型の半径方向の位置を確実に規制しながら、下型とガスケットのシール性を確保する。また、環状凸部の根元のコーナー部に下型の外周エッジ部が当たるので、確実に下型の上方への位置規制を行うことができる。また、コーナー部での高い面圧確保によって、レンズ基材の収縮やモールドの熱膨脹の影響に拘わらず、シール性の向上が図れる。
また、上型とガスケット、及び下型とガスケットのシール性が確保されたことから、レンズ基材材料であるモノマー原料の成形用モールド(成形型)への注入時、レンズ空間への泡の巻き込みを低減することができる。また、上型の環状突片が柔軟性を備え、且つ下型のコーナー部での高い面圧確保によって、加熱重合加工中に、成形用モールドがレンズ基材材料の収縮による変形に追従できずに、レンズ基材面と成形型面が剥離することを防止できる。従って、重合中に剥離すると、成形型、レンズ面の相互の表面にキズがつくが、それを防止できる。
また、上型保持部の環状突片と下型保持部の環状凸部の間の周壁面を、フラットな壁面ではなく、凹状壁面で構成したので、レンズ基材の収縮やモールド(成形型)の熱膨脹の影響によるシール性の低下を緩和することができる。また、レンズ空間における泡の排出を容易にすることができる。
請求項3または13に記載の発明によれば、ガスケット設計に係るすべての変数をレンズ母型(上型及び下型)の設計値と、該レンズ母型の間隔によって定まるレンズ空間から算出可能であり、レンズ母型及び上記レンズ空間の設計値の完成と同時にガスケット設計値が確定する。従って、成形対象のレンズの設計値、成形用モールドの上型及び下型の設計値、及び成形型のレンズ空間の設計値に基づいて、ガスケットの主要形状に関与するパラメータを決定するだけで、重合成形時の挙動に対応した最適設計が可能となる。
請求項4、9、13または14に記載の発明によれば、注入管が上型及び下型の外部に設定された注入開口部に嵌合されて、注入口が密閉状態となり、この注入口を通してキャビティ内へ原材料を注入することから、注入管がレンズ空間内へ挿入されて、このレンズ空間を構成する上型及び下型に接触し、これらの上型、下型を移動させて、上型、下型及びガスケットからなる成形型の密閉性を損なうことを防止できる。
また、注入管が、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に略等しく設定されたので、注入口を経てレンズ空間内へ注入される原材料の注入流量を増大させることができる。
請求項5、10、13または14に記載の発明によれば、ガスケットの注入口を、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔が最も小さな、プラスレンズの成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定することから、プラスレンズを成形する成形用モールドの場合にも、マイナスレンズを成形する成形用モールドの場合にも、ガスケットにおける注入口の設計変更が必要ないので、ガスケットの製造コストを低減できる。
請求項6、11、13または14に記載の発明によれば、次の効果を奏する。つまり、成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔は、成形用モールドによって成形されるレンズの種類によって異なる。ガスケットの注入口を、成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定することで、この注入口を通してレンズ空間内へ注入される原材料の注入流量を極力増大させることができ、成形用モールド毎に最適化できる。
請求項7、9、13または14に記載の発明によれば、注入管が上型及び下型の外部に設定された注入開口部に嵌合されて、注入口が密閉状態となり、この注入口を通してレンズ空間内へ原材料を注入することから、注入管がレンズ空間内へ挿入されて、このレンズ空間を構成する上型及び下型に接触し、これらの上型、下型を移動させて、上型、下型及びガスケットからなる成形型の密閉性を損なうことを防止できる。
また、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔が上記注入管の内径よりも大きい場合には、上記注入口を上記注入管の内径に略等しく設定することから、注入管から注入口を経てレンズ空間内へ原材料を、スムーズに且つ過不足ない流量で注入することができる。
請求項8、12、13または14に記載の発明によれば、次の効果を奏する。つまり、レンズ空間内に原材料を注入した後には、この原材料の収縮によってレンズ空間内に発生する空洞を防止するために、注入口及び排気口に原材料を追加注入するが、注入口及び排気口をホッパ形状の単一の注入受け口内に設定することから、上記追加注入を単一の注入受け口内に原材料を満たすことで実施できる。これにより、注入口及び排気口を原材料によって同時に密封することができるので、作業効率を向上させることができる。
[A]第1の実施の形態(図1〜図11)
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
まず最初に、成形用モールド(成形型ともいう)の設計方法について説明する。
図1は、成形型の設計方法を用いて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。図5は、図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面および設計曲面などを示すグラフである。図7は、図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。
(レンズ製造用成形型の構成の説明)
図1に示す成形型10は、プラスチック製の球面レンズをキャスト法と呼ばれる製法によって成形するものであり、上型としての上型モールド11、下型としての下型モールド12及びガスケット13を有して構成される。上記上型モールド11及び下型モールド12はレンズ母型と総称される。
ガスケット13は、弾性を有する樹脂にて円筒形状に形成され、内周面に上型モールド11と下型モールド12を所定距離離間して液密に保持する。これらの上型モールド11、下型モールド12及びガスケット13に囲まれてキャビティ14(レンズ空間ともいう)が構成される。ガスケット13には、このキャビティ14内へ、光学レンズの原料であるモノマーを注入するための注入部15が一体に設けられている。また、ガスケット13の高さは、成形品である光学レンズの周縁部の厚みを確保できる寸法に設定される。
上型モールド11及び下型モールド12はガラスなどで構成される。上型モールド11は、光学レンズの曲面(凸面)を形成すべく凹面型に形成される。また、下型モールド12は、光学レンズの曲面(凹面)を形成すべく凸面型に形成される。これらの上型モールド11及び下型モールド12においては、図2にも示すように、光学レンズのレンズ曲面を形成する面を使用面16と称し、上記レンズ曲面を形成しない面を非使用面17と称する。
(光学レンズの製造方法の説明)
上述の成形型10を用いた光学レンズの製造手順を、図3を参照して説明する。
まず、光学レンズの原料であるモノマーを用意する(S1)。このモノマーは熱硬化樹脂であり、この樹脂に触媒と紫外線吸収剤などを加えて調合し、フィルタで濾過する(S2)。
次に、ガスケット13に上型モールド11及び下型モールド12を組み付けて成形型10を完成する(S3)。そして、この成形型10のキャビティ14内に、上述の如く調合されたモノマーを注入し、電気炉内で加熱重合させて硬化させる(S4)。成形型10内でモノマーの重合が完了することでプラスチック製光学レンズが成形され、この光学レンズを成形型10から離型する(S5)。
光学レンズの離型後に、重合より生じたレンズ内部の歪みを除去すべく、アニールと呼ばれる加熱処理を実施する(S6)。その後、中間検査として外観検査及び投影検査を光学レンズに対し実施する。
光学レンズは、この段階で完成品と半製品(セミ品)に区分けされ、半製品に対しては処方に応じて第2面を研磨する。完成品に対しては、その後、カラー製品を得るための染色工程、傷に対し強化する強化コート工程、反射防止用の反射防止コート工程を実施し(S7)、最終検査を実施する(S8)。完成品は、この最終検査後に製品となる(S9)。
上述の光学レンズの製造工程において使用される成形型10の上型モールド11及び下型モールド12の製造手順を、図4を参照して次に述べる。
上型モールド11及び下型モールド12は、プレス加工した厚いガラスブランクスの両面を加工することで得られるため、まず、このガラスブランクスを用意する(S11)。
このガラスブランクスを加工することで、ガラスブランクスのプレス面の表面欠陥層を除去し、使用面16及び非使用面17を所定精度の曲率半径にすると同時に、微細で均一粗さの高精度な使用面16及び非使用面17を得る。ガラスブランクスの上記加工は、研削及び研磨によって実施される。
研削工程は、具体的には、NC制御を行う自由曲面研削機においてダイヤモンドホイールを使用し、ガラスブランクスの両面(使用面16及び非使用面17)を所定の曲率半径に研削する(S12)。この研削により、ガラスブランクスから上型モールド11及び下型モールド12が形成される。
研磨工程は、ゴム製の中空皿にポリウレタンまたはフェルトを貼着した研磨皿を使用し、酸化セリウム・酸化ジルコニウム等の微細粒子を研磨剤として、研削により形成された上型モールド11及び下型モールド12の両面を研磨する(S13)。この研磨工程によって、研削工程において生じた上型モールド11及び下型モールド12のそれぞれの使用面16及び非使用面17における表面の凹凸を除去して透明とする(砂目抜き)。そして、更に、この使用面16及び非使用面17を効果的に十分な表面精度に仕上げる。
この研磨工程後に上型モールド11及び下型モールド12を検査し(S14)、使用面16にレイアウトパターンの基準位置となる隠しマークをマーキングする(S15)。レイアウトパターンは、光学レンズの光学的レイアウトを示すものであり、円形状の光学レンズを眼鏡フレームに枠入れする際に使用するものである。このレイアウトパターンは、光学レンズの表面に消去可能にマーキングされる。
隠しマークのマーキング後に、上型モールド11及び下型モールド12に対し科学的なガラス強化処理を実施して(S16)、上型モールド11及び下型モールド12を完成する(S17)。この上型モールド11及び下型モールド12は、光学レンズの処方の屈折力に応じて製作されるため、ガスケット13と共に多くの種類が必要となる。
(モールド設計方法の説明)
上述のようにして製造される成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の設計手順を、図5及び図7を参照して次に述べる。
まず、成形品である光学レンズをテスト成形する成形型10を用意する。成形されるべき上記光学レンズは、曲面が球面形状の球面レンズである。従って、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における成形面たる使用面16も球面形状に形成される。この場合、上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の曲率半径は、光学レンズの曲面の設定値(例えばレンズの頂点屈折力における曲率半径である設計頂点曲率半径R)と等しく形成される。尚、設計頂点曲率半径Rを有する光学レンズの曲面を、設計曲面C20(図5)と称する。
次に、上述の上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10を用いて成形テストを実施し、成形型10にモノマーを注入して加熱重合し、テスト成形品たる光学レンズを成形する。このテスト成形された光学レンズの曲面形状は、モノマーの熱収縮などが原因となって球面形状に形成されない。本発明者は鋭意検討の結果、成形後の形状変化による誤差量の主成分が下記式(1)で表される非球面の式で近似する事ができることを見いだした。すなわちテスト成形された光学レンズの曲面形状は、非球面形状を含む球面以外の形状に成形されてしまう。そこで、この成形された光学レンズの表面の曲面形状を、後述の転写マーキング32(図9)を基準として形状測定器を用いて測定する(図7のS21)。そして、この測定値を最小二乗法を用いて非球面の式に近似させて、テスト成形された光学レンズの曲面を非球面として定量化し特定する。
上記非球面の式は、Zを頂点Oから光軸P方向に測った距離、X、Yを上記頂点Oから上記光軸Pと垂直な方向に測った距離としたときにρをρ=X+Y、Rを頂点曲率半径としたときに頂点曲率CをC=1/R、Kを円錐定数、A2iを非球面係数(iが整数)としたとき、回転対称な非球面形状を表す次式(1)である。この式(1)はスペンサーの式とも称される。
Figure 2006056246
但し実際には、計算を容易に実施するために、上記式(1)を変形した次式(2)を用い、上記測定値を最小二乗法を用いて式(2)に近似させて定量化して特定し、当該式(2)の係数B2i(式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを含む係数)を算出する。ここで、係数B2iのiは整数である。
Figure 2006056246
この式(1)から式(2)への変形は、次のようにしてなされる。つまり、Q=1+K(Kは定数)として式(1)の第1項を有理化すると、
Figure 2006056246

平方根の部分を級数展開すると
Figure 2006056246

これを式(a)に代入すると、
Figure 2006056246

これを式(1)に代入してρの多項式としてまとめると、上記式(1)は以下の式(2)で表すことができる。
Figure 2006056246

ただし、
Figure 2006056246
上述のように、テスト成形された光学レンズの曲面形状の測定値を式(2)に近似させることで算出された係数B2iから、上記式(b)を用いて、式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを計算する。これにより、テスト成形された光学レンズの曲面形状を式(1)により定量化して特定する。しかし、テスト成形された光学レンズの曲面形状の測定値を式(1)に直接近似させて定量化して特定し、この式(1)の頂点曲率C及び非球面係数A2iを求めてもよい。いずれの場合も、式(1)による定量化に際しては、円錐定数KをK=0(すなわちQ=1)とし、式(1)の第1項を球面を表す式として頂点曲率Cを算出し、i=2、3、4、5として非球面係数A、A、A、A10を算出する。
この式(1)により特定された、テスト成形された光学レンズの曲面形状を、図5に成形曲面C21として示す。この成形曲面C21は非球面形状である。また、この図5において符号C22は、式(1)にて定量化されて特定された光学レンズの成形曲面C21のうち、式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分の曲面形状を表す。この曲面形状C22は、式(1)の頂点曲率Cの逆数である頂点曲率半径R(R=1/C)を曲率半径とする球面(基準球面)を示す。
更に、図5におけるZNは、式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面C21のうちの球面形状以外の成分を表し、式(1)の第2項である多項式成分を示す。このZNが示す上記多項式成分は、図6の符号23に示すように、式(1)第1項の基準球面成分に対し誤差成分となっている。
次に、テスト成形されて式(1)にて定量化されて特定された光学レンズのデータを解析する(図7のS22)。このデータ解析では、式(1)の頂点曲率C(頂点曲率半径R)及び非球面係数A、A、A、A10が使用される。例えば、光学レンズの設計曲面C20の設計頂点曲率半径RをR=532.680mmとしたとき、使用面16が上記設計曲面C20に形成された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10から成形されて、式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面C21の頂点曲率半径R(=1/C)はR=489.001mm、また、非球面係数A、A、A、A10は表1に示すように設定される。これらの頂点曲率半径R及び非球面係数A、A、A、A10が、データ解析において使用される。
Figure 2006056246
(モールド設計方法:誤差の球面、及び非球面成分の分離)
このデータ解析では、テスト成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項である基準球面成分と、式(1)の第2項である多項式成分とを分離独立して取り扱う。
ところで、従来技術は形状誤差の球面成分及び非球面成分を一体として補正を行う。従って、形状誤差の補正係数も球面成分と非球面成分とで同一の係数が適用される。ところが、後述する各レンズ形状毎の補正数値は、形状誤差の球面成分と非球面成分とで形状毎に全く異なる。例えば、形状誤差の球面成分におけるレンズ凹面側の補正数値は、レンズの表面形状が変化しても、一部の形状を除き一定である。また、形状誤差の球面成分におけるレンズ凸面側の補正数値は、レンズ凸面側形状が屈折力4D以上で一定となる。すなわち、全体形状補正値については、屈折力4D以上においてレンズ凹凸両面で形状誤差の補正数値が一定である。一方、形状誤差の非球面成分は全ての屈折力で異なる値を示し、形状誤差及び補正値、ならびに成型品の形状には傾向がない。
しかし、従来技術では、形状誤差の球面成分と非球面成分を一体に補正する。したがって、すべての形状において補正値を変更することとなる。しかしながら、本来変更しなくてもよい屈折力4D以上のレンズ形状の形状誤差球面成分についても、変更して補正を行うことになるため、補正値確定は更に複雑化する。結果として、全ての成形型毎に試作を十分繰り返し、適切な補正値を確定する事になる。本実施形態は形状誤差の球面成分と非球面成分を分離させて、補正情報を独立して求めることで、適切な補正を実施して容易に成形型を設計することができる。
つまり、テスト成形されて式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面C21(図5)と当該光学レンズの設計曲面C20との誤差のうち、球面形状成分の誤差に対応する情報を、式(1)第1項(K=0)である基準球面成分(図5の曲面形状C22が表す形状)を用いて算出する。この情報を全体形状補正情報とする(図7のS23)。この全体形状補正情報は、成形型10の上型モールド11、下型モールド12における使用面16の全面形状を補正して、上記球面形状成分の誤差を解消するものである。
具体的には、成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す曲面形状C22(基準球面)の頂点曲率半径Rと、光学レンズの設計曲面C20における設計頂点曲率半径Rとの、Z方向における差Hを、成形された光学レンズの成形曲面C21における球面形状成分の誤差として算出する。この差Hを全体形状補正情報として決定する。この全体形状補正情報は、成形される光学レンズが所望の屈折力を得るために必要な補正情報である。
成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分が表す曲面形状C22(基準球面)の頂点曲率半径Rと、光学レンズの設計曲面C20における設計頂点曲率半径Rは素材の収縮率により一致しない場合がある。また、その収縮率は素材毎に異なる。これらの頂点曲率半径Rと設計頂点曲率半径Rの差が、後述の式(3)の面屈折力換算で2D以下、好ましくは1D以下であれば、上記全体形状補正情報と後述の局所形状補正情報を用いることによって、成形品(光学レンズ)の成形曲面を所望の形状とすることが可能となる。
また、テスト成形されて式(1)により定量化されて特定された光学レンズの成形曲面C21と当該光学レンズの設計曲面C20との誤差のうち、球面形状以外の成分の誤差に対応する情報を、式(1)第2項である多項式成分(図5のZNが表す)を用いて算出する。この情報を局所形状補正情報とする。(図7のS24)。この局所形状補正情報は、成形型10の上型モールド11、下型モールド12における使用面16の局所形状を補正して、つまり使用面16を部分的に補正して上記球面形状以外の成分の誤差を解消するものである。
具体的には、成形された光学レンズを定量化して特定した式(1)の第2項である多項式成分が表す、当該光学レンズの成形曲面C21(図5)における球面形状以外の成分の高さ(Z値)ZNと、光学レンズの設計曲面C20における高さ(Z値)ZMとを用いて形状変化率を算出する。この形状変化率は、形状変化率=ZN/ZMとして算出され、テスト成形された光学レンズの頂点からの各位置において算出される。局所形状補正情報は、光学レンズの頂点からの各位置において、当該位置における形状変化率に、当該位置における光学レンズの設計曲面C20の高さZMを乗じた値として算出して決定される。
ここで、上記高さZNは、式(1)第1項(K=0)の基準球面成分が表す曲面形状C22(基準球面)と、成形されて式(1)により特定された光学レンズの成形曲面C21とにおいて、光学レンズの頂点からの同一位置におけるそれぞれの高さ(Z値)の差で表される。
最後に、上述のようにして算出した局所形状補正情報と全体形状補正情報とを用い、成形型10における上型モールド11、下型モールド12の使用面16を補正して設計する(図7のS25)。
つまり、まず、光学レンズの設計曲面C20に形成された上型モールド11、下型モールド12の使用面16におけるレンズ頂点からの各位置の設計値に、当該各位置に対応した局所形状補正情報をZ方向に加算する。これにより、成形される光学レンズの成形曲面C21における球面形状以外の成分の誤差を解消する。次に、局所形状補正情報が加算された上型モールド11、下型モールド12の使用面16における全面の設計値に、全体形状補正情報(差H)をZ方向に加算する。これにより、成形される光学レンズの成形曲面C21における球面形状成分の誤差を解消する。このようにして、上型モールド11、下型モールド12の使用面16の設計値を補正して、当該使用面16を設計する。
尚、上記全体形状補正情報の加算は、下型モールド12の使用面16の設計値に対してのみ実施されてもよい。その理由は、下型モールド12が各種の光学レンズにおいて共通であり、補正すべき使用面16の数が上型モールド11に比べて少ないからである。また、その理由は、下型モールド12の使用面16により成形される光学レンズの曲面(凹面)の曲率半径を変えることで、当該光学レンズの曲面(凸面)への影響が均一に作用すると考えられるためでもある。
上述のように上型モールド11、下型モールド12の使用面16を補正して設計する設計手順を、図8を参照して更に説明する。
上型モールド11、下型モールド12の使用面16は、成形される光学レンズの寸法よりも大きくならなければならないため、光学レンズの曲面の設計値を拡張して使用面16の設計値を算出する(S31)。この算出された設計値に基づき、使用面16が光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R)と等しくなるように上型モールド11及び下型モールド12を製作し、成形型10を組み立てる(S32)。
次に、組み立てられた成形型10内にモノマーを注入して光学レンズをテスト成形し、成形品たる光学レンズの曲面形状を、後述の転写マーキング32(図9)を基準として形状測定器を用いて測定する(S33)。この形状測定器は、本実施の形態では、例えばテーラーホブソン社製のフォームタリサーフを主として用いているが、非接触式3次元測定器(例えば松下電器社製のUA3P等)等を用いることもでき、とくに測定装置について限定されるものではない。フォームタリサーフはルビーもしくはダイヤモンドが測定子の先端に配置され、測定子先端がレンズの表面上を接触しながら移動し、レンズ表面を走査して表面形状を測定し、その測定軌跡は通常直線のみとなっている。一方、3次元測定器は、分子間力により測定面から一定なる微小量浮上して表面を走査する方式のものである。
次に、テスト成形された光学レンズの上記測定値を式(2)に最小二乗法を用いて近似し、成形された光学レンズの曲面形状を定量化して特定し、係数B2iを算出する。更に、この係数B2iから式(b)を用いて、式(1)(K=0)の頂点曲率C及び非球面係数A、A、A、A10を算出し、成形された光学レンズの曲面形状を式(1)(K=0)により定量化して特定する。
その後、上記頂点曲率C及び非球面係数A、A、A、A10を用いて、成形されて式(1)に定量化された光学レンズのデータを解析する(S34)。この際、式(1)の第1項(K=0)と第2項を分離独立して取り扱い、第1項(K=0)から全体形状補正情報を算出し(S35)、第2項から局所形状補正情報を算出する(S36)。
次に、算出された局所形状補正情報及び全体形状補正情報を、光学レンズの設計曲面(設計頂点曲率半径R)に形成された上型モールド11、下型モールド12のそれぞれの使用面16の設計値に加算し、当該使用面16を補正して設計する。加えて、光学レンズの設計値から成形型の間隔(上型モールド11、下型モールド12間の間隔)を算出し、上記使用面16を所定の間隔に配置するキャビティを設計する。(S37)。
次に、上型モールド11及び下型モールド12の非使用面17の設計を実行する(S38)。そして、上型モールド11及び下型モールド12における使用面16と非使用面17の設計値から加工機用のデータを作成する(S39)。その後、ガラスブランクスを選択し、研削加工機及び研磨加工機により成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を製作する(S40)。
(本実施形態と従来技術との成型品精度の比較)
本実施形態による成形品の形状精度について説明する。
上述のようにして製作された上型モールド11及び下型モールド12を有する成形型10により成形された光学レンズは、曲面が所望の球面
形状となっている。例えば、図10(A)は、本実施形態による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。また図10(B)は、従来技術による成型品の曲面を、異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの形状誤差測定結果である。図10(A)及び図10(B)は共に面屈折力が5.00D(ジオプター)の光学レンズを成形型10により成形した成型品の測定結果である。図10は、横軸がレンズ中心(頂点)からの距離(mm)であり、グラフ中央部の0が光学レンズ中心を示す。また縦軸が屈折力誤差量を示しており、0.00Dは誤差がないことを示す。図10に基づき本実施形態と上記従来技術によって成形された成型品の形状誤差量について詳細に説明する。
最初にレンズ中央部について説明する。レンズ中央部は使用頻度が高く光学中心として特に重要である。光学レンズ中心部の誤差量は明らかに異なり、本実施形態(図10(A))では誤差量が0.06Dであるのに対して、上記従来技術(図10(B))では0.18Dの誤差量である。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が3倍向上している事が解る。
更に、レンズ中央部以外の周辺部について説明する。この周辺部では、成形された光学レンズの曲面を異なる直径方向(図では直交する2方向)で測定したときの光学レンズの設計曲面に対する形状誤差は、レンズ各部のいずれの位置においても本実施形態による成型品が小さくなっている。一般的な眼鏡フレームで使用される眼鏡レンズの外径50mm付近での形状誤差を比較すると、本実施形態では誤差量が0.02D程度であるが、上記従来技術では0.04Dである。従って、本実施形態は上記従来技術に比べ精度が2倍程度向上している事がわかる。
更に、本実施形態の誤差量は、上記従来技術に比べてレンズ中心部から周辺部にかけて誤差の変化量が小さく緩やかである。従って、視線位置が眼球回旋により中心部から周辺部に移動しても違和感が少ない効果もある。
これらの結果から、本実施形態の設計方法による成形型10にて成形された光学レンズは、設計曲面と略等しい形状となっていることがわかる。また、上記従来技術における成形型により成形された光学レンズは、設計曲面からかけ離れた形状となっていることがわかる。
ここで、図10(A)及び(B)における縦軸は、屈折力誤差(単位:D(ジオプター))を示す。この屈折力誤差は、光学レンズの曲面形状を示す曲率半径r(単位:m)の誤差を、次式(3)によって、当該光学レンズの上記曲面の面屈折力P(単位:D(ジオプター))の誤差に換算したものである。
P=(n−1)/r …(3)
この式(3)において、nは光学レンズの屈折率である。尚、凸面と凹面を有するメニスカス形状の光学レンズでは、凸面と凹面のそれぞれの面屈折力の和が、当該光学レンズの屈折力を表す。
(表面形状測定の説明)
次に、図7のステップ21及び図8のステップ33において、テスト成形された光学レンズの曲面形状を測定する際に基準とする転写マーク32(図9(A))について述べる。この転写マーク32は、成形型の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に形成されたマーク(不図示)が、テスト成形された光学レンズ30の曲面31に転写して形成されたものである。
さらに図9(B)、図9(C)から分るようにこの転写マーク32は、光学レンズ30の曲面31における頂点Oの部分に形成される頂点転写マーク部33と、上記曲面31の周縁部で上記頂点Oに対し点対称な位置に一対形成される周縁部転写マーク部34A及び34Bとを有する。更に、上記頂点転写マーク部33は、曲面31の頂点Oに形成されるメイン頂点転写マーク部35と、このメイン頂点転写マーク部35から所定距離を隔てて放射し、互いに直交して形成されるサブ頂点転写マーク部36とを有する。
例えば、メイン頂点転写マーク部35は、直径約0.5mmの円形凸部である。また、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、直径約1mmの円形状の凸部である。また、サブ頂点転写マーク部36は、長さSが約2mm、同一直線状にあるサブ頂点転写マーク部36同士の離間距離Tが約1mm、これらサブ頂点転写マーク部36の幅寸法が数10μmの長方形の凸部である。
上型モールド11及び下型モールド12の使用面16には、上記メイン頂点転写マーク部35、サブ頂点転写マーク部36、周縁部転写マーク部34A及び34Bに対応する位置に、対応する寸法の凹部形状のマーキング(不図示)が形成されている。これにより、上記頂点転写マーク33(メイン頂点転写マーク部35、サブ頂点転写マーク部36)、周縁部転写マーク部34A及び34Bが光学レンズ30の曲面31に転写して形成される。周縁部転写マーク部34A及び34Bを転写するマーキングは、直径約1mmで、数μmの深さに切削加工される。また、メイン頂点転写マーク部35を転写するマーキングは、直径約0.5mmで、約0.5μm以下の深さに切削加工される。また、サブ頂点転写マーク部36を転写するマーキングは、幅が数10μmで、数μm以下の深さにケガキ加工されて形成される。
光学レンズ30の曲面31に転写して形成される頂点転写マーク部33(特にメイン頂点転写マーク部35)、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、曲面31の頂点Oを通る同一の直線L1上にある。光学レンズ30の曲面31の形状を測定する形状測定器は、上記直線L1に沿い、周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34Bを順次通過して上記曲面31の形状を測定することで、この曲面31の形状を正確に測定することが可能となる。従って、頂点転写マーク部33(特にメイン頂点転写マーク部35)、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、光学レンズ30の曲面31を測定すべき箇所に位置することになる。
形状測定器が直線L1に沿い周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33及び周辺部転写マーク部34Bを順次通過して、光学レンズ30の曲面31を測定するときには、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bは極端な形状変化を有するので、大きなノイズとして測定される。従って、これら頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bのノイズが測定されない場合には、形状測定器による光学レンズ30の曲面31における形状測定が正確に実施されていないことが明確となる。この場合には、形状測定器に対する光学レンズ30のセッティングを調整して、形状測定器が周縁部転写マーク部34A、頂点転写マーク部33及び周縁部転写マーク部34Bを順次通過して測定するように対処する。
尚、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bに起因する上記測定値における大きなノイズは、近傍の測定値に影響を与えることなく除外することが容易にできる。その後、上記測定値を前述のように最小二乗法を用いて非球面の式(1)または式(2)に近似させるため、測定値のノイズの影響は皆無である。また、頂点転写マーク部33、周縁部転写マーク部34A及び34Bの測定誤差は、周縁部転写マーク部34A及び34Bが直径約1mmの円形状であることから、この周縁部転写マーク部34A及び34Bに対しては約0.5mm以内である。また、頂点転写マーク部33のメイン頂点転写マーク部35が直径約0.5mmの円形状であることから、このメイン頂点転写マーク部35に対しては約0.25mm以内である。
また、周縁部転写マーク部34A及び34Bは、光学レンズ30の曲面31における頂点Oに対し点対称に一対設けられる場合に限らず、複数対設けてもよい。例えば、周縁部転写マーク部34A及び34Bを含む直線L1に対し、所定角度(例えば90度)回転した直線L2上に他の周縁部転写マーク部34A及び34Bを、直線L1上の周縁部転写マーク部34A及び34Bと共に、一対転写して形成してもよい。形状測定器が、上記直線L1及びL2に沿って光学レンズ30の曲面31を異なる直径方向に測定することで、例えばトーリックレンズなどの光学レンズ30の曲面31を、直交する両軸方向に正確に測定することが可能となる。
更に、転写マーク32を、光学レンズ30の曲面31において、任意の方向に設け、この方向において、曲面31の曲面形状を形状測定器により測定してもよい。
(本実施態様の効果その1)
以上のように構成されたことから、第1の実施の形態における成形型の設計方法によれば、次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)上型モールド11及び下型モールド12を備えた成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式である式(1)に近似させて光学レンズの曲面を非球面として特定する。このため、成形された光学レンズの曲面形状のうち、球面成分のみならず、球面以外の成分をも非球面の式(1)に近似させて定量化し特定できる。従って、非球面に特定された光学レンズの曲面と当該光学レンズの設計曲面との誤差が、球面形状成分と球面形状以外の成分とを正確に取り込んだものとなる。この結果、上記誤差に対応する補正情報も正確となって、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく補正して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(2)成形された光学レンズの曲面形状の測定値を非球面の式である式(1)に近似させて、上記光学レンズの曲面形状を非球面として定量化して特定する。従って、測定値に含まれる測定誤差や光学レンズの曲面の表面粗さ等のノイズを排除でき、光学レンズの曲面の測定値のみを抽出できる。このため、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の補正を精度よく実施して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(3)式(1)の第1項(K=0)である基準球面成分により、成形された光学レンズの曲面における球面形状成分の誤差(平均表面屈折力の誤差)に対応するために、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の全体形状を補正する全体形状補正情報を求める。また、上記式(1)の第2項である多項式成分により、成形された光学レンズの曲面における球面形状以外の成分の誤差に対応するために、上記上型モールド11及び下型モールド12の使用面16の局所形状を補正する局所形状補正情報を求める。このようにして全体形状補正情報と局所形状補正情報とを分離独立して求めることで、光学レンズの誤差(球面形状成分の誤差と球面形状以外の成分の誤差)を精度よく補正情報に反映し適切な補正を実施して、上型モールド11及び下型モールド12を設計できる。
(4)非球面の式である式(2)に、成形された光学レンズの曲面形状を測定した測定値を近似させて上記光学レンズの曲面を特定する。従って、計算機で取り扱いにくい式(1)を用いて光学レンズの曲面を特定する場合に比べ、その特定を容易に計算して実施でき、式(2)の係数B2iを迅速に算出できる。このため、光学レンズの変形(誤差)に対応する補正情報を容易に算出して、所望形状の光学レンズを成形する成形型10の上型モールド11及び下型モールド12を容易に設計できる。
(5)図9に示す光学レンズ30の曲面31には、成形型10の上型モールド11及び下型モールド12における使用面16に設けられたマーク(不図示)が転写されて、転写マーク32(頂点転写マーク部33、周辺部転写マーク部34A及び34B)が形成される。この転写マーク32は、光学レンズ30の曲面31において測定すべき箇所に位置する。成形型10から成形された光学レンズの曲面形状を測定する際には、測定すべき箇所に位置する上記転写マーキング32を基準として、上記光学レンズ30の曲面31の形状を測定する。これにより、光学レンズ30の曲面形状の測定を正確に実施することができる。この結果、測定値を非球面の式(1)または式(2)に近似させて、光学レンズの曲面を非球面として特定し、補正情報を算出して、成形型10における上型モールド11及び下型モールド12の使用面16を精度よく設計できる。
(ガスケット及びその設計方法)
次にガスケット及びその設計方法について説明する。
(ガスケット)
図11の(a)は第1の実施の形態のガスケットを有するプラスチックレンズ成形用モールド(成形型、鋳型ともいう)10の半断面図、(b)は要部拡大断面図である。
この成形型10は、先にも述べたように、平面円形のガラス製の上型としての上型モールド11及び下型としての下型モールド12と、これら上型モールド11及び下型モールド12を所定の間隔に保持する環状のガスケット13とからなる。この成形型10は、上型モールド11と下型モールド13の間に確保されるキャビティ14にプラスチックモノマーを充填して重合させることにより、眼鏡用のプラスチックレンズ(光学レンズ)を成形するものである。モノマーの注入口は、図11には図示しないが、ガスケット13に設けられている。ここでは、上型モールド11がプラスチックレンズの前面(凸面)を形成すべく凹面型とされ、下型モールド12がプラスチックレンズの後面(凹面)を形成すべく凸面型とされている。
ガスケット13は、円筒状の本体131の内周上部に上型モールド11を保持するための上型保持部13A、内周下部に下型モールド12を保持するための下型保持部13Bを有している。上型保持部13Aは、上型モールド11の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面132と、該嵌合面132より内周側に突設され、先端エッジ部133aのみが上型モールド11の下面に線接触することで、上型モールド11の下方への位置を規制すると共にキャビティ14をシールする薄肉ヒレ状の環状突片133とで構成されている。環状突片133の上面133bは、上型モールド11の下面に対して接触しないような角度に形成されている。
下型保持部13Bは、下型モールド12の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面134と、該嵌合面134より内周側に突出することで、嵌合面134に連なるその根元のコーナー部135aにより下型モールド12の上方への位置を規制すると共に、自身の下面135bが下型モールド12との接触回避のための角度を持つよう形成された環状凸部135とで構成されている。また、上型保持部13Aの環状突片133と下型保持部13Bの環状凸部135との間を繋ぐ周壁面は、上記両嵌合面132、134よりも小径の凹状壁面136として形成されている。
(ガスケットの設計方法)
このガスケット13を設計する場合は、先に詳しく述べた上型モールド11及び下型モールド12の設計値と、成形対象のレンズの設計値の中の中心肉厚及び端部厚みのデータを含む前記補正方法によって設計されたキャビティ14、並びに、レンズ素材の収縮率に基づいて、ガスケット13の各パラメータを算出して行う。従って、キャビティ14の一部であるガスケット13の内側も、非球面の式を用いた近似によって設計することになる。ここで、このガスケット13の設計に使用するパラメータとしては次のものがある。
(1)上型保持部外径A(上型保持部13Aの嵌合面132の径に対応)
(2)上型密閉基底部径B(凹状壁面136の径に対応)
(3)上型密閉先端部径C(上型保持部13Aの環状突片133の先端の径に対応)
(4)下型ストッパ外側部径D(下型保持部13Bの嵌合面134の径に対応)
(5)下型ストッパ内側部径E(下型保持部13Bの環状凸部135の径に相当)
(6)キャビティ外周端部厚F
(7)下型ストッパ高さG
ここで上型保持部外径Aは、上型モールド11の外径値から算出され、「成形型上型外径値-成形型上型外径公差値/2−(1.6mm〜2.8mm)」である。
そして、上型密閉基底部径Bは、「上型外径A−上型外径公差/2−ガスケット外周端部厚H」から算出される。但し、ガスケット外周端部厚Hは、レンズ基材やモールド形状によって異なり、0mm〜2mmの値である。
また、上型密閉先端部径Cは、環状突片133の突出高と上型保持部外径Aによって算出される。その算出方法は、「上型外径A−上型外径公差値/2−ガスケット外周端部厚H−環状突片133の突出高」である。環状突片133の突出高は、モールド外径やレンズ基材ごとに異なり、2mm〜5mmである。
同様に、下型ストッパ外側部径Dは、下型モールド12の外径値から算出され、「成形型下型外径値−下型外径公差値/2−(1.6mm〜2.8mm)」より求める。
下型ストッパ部内側径Eは、環状凸部135の高さから算出する。その算出方法は、「下型外径値−下型公差値/2−環状凸部135の高さ」である。環状凸部135の高さは、モールド外径やレンズ基材ごとに異なり、0.6〜3mmである。
キャビティ外周端部厚Fは、レンズ設計値の外周端部高さ、及び素材の収縮率から算出され、「レンズ設計値の外周端部高さ/素材収縮率」から求まる。また、下型ストッパ高さGは、下型ストッパ内側径Eの位置でのレンズ設計面高さ+0.02〜2mm程度とする。
次に、このガスケット13を用いてレンズを成形する場合の手順について説明する。
まず、下型モールド12をガスケット13の下方から挿入して、ガスケット13の内周の環状凸部135の根元に当てる。同様に、上型モールド11をガスケット13の上方から挿入して、ガスケット13の内周の環状突片133の先端エッジ部133aに当てる。こうすると、上型モールド11と下型モールド12の間に、レンズ成形の型となるキャビティ14が形成される。そこで、レンズ基材であるモノマーをキャビティ14内に注入して加熱重合させると、所定形状のレンズが成形される。
加熱重合の際に、プラスチックが収縮し、モールド(成形型)10が膨張するが、環状突片133に柔軟性があるので、変形に対して高いシール性能を維持しながら環状突片133が柔軟に追従する。よって、レンズ基材の重合収縮と、上型モールド11の熱膨脹による変形のストレスを回避することができ、モールド10の形状精度を維持することができる。
また、ガスケット13の設計に係る全ての変数は、上型モールド11及び下型モールド12の設計値と、該モールドの間隔によって定まるキャビティ14から算出可能である。該モールドの間隔は、光学レンズ設計によって予め所定量が規定されており、例えば成形対象のレンズの設計値の中心肉厚及び端部厚みのデータである。従って、前記補正方法によって設計されたキャビティ14の算出完了と同時に、ガスケット13の設計が完了することになる。
(本実施形態の効果その2)
従って、第1の実施の形態におけるガスケット及びその設計方法によれば、次の効果(6)〜(10)を奏する。
(6)ガスケット13の設計方法によれば、ガスケット設計に係るすべての変数をレンズ母型(上型モールド11及び下型モールド12)の設計値から算出可能であり、レンズ母型の設計値の完成と同時にガスケット13の設計値が確定する。従って、成形対象のレンズの設計値、並びに成形用モールド10の上型モールド11及び下型モールド12の設計値に基づいて、ガスケット13の主要形状に関与するパラメータを決定するだけで、重合成形時の挙動に対応した最適設計が可能となる。
(7)ガスケット13によれば、上型モールド11の半径方向の位置を、ガスケット13の上型保持部13Aの嵌合面133で規制しながら、上型モールド11に対する環状突片133の先端エッジ部133aの線状接触により、上型モールド11とガスケット13の確実なシールを図ることができる。特に、環状突片133はある程度の柔軟性を備えるので、その柔軟性により、レンズ基材の収縮と上型モールド11の熱膨脹とを、シール性能を維持しながら吸収することができる。なお、上型モールド11の下方への位置は、環状突片133で確実に規制することができる。
(8)ガスケット13の下型保持部13Bの嵌合面134は、下型モールド12の半径方向の位置を確実に規制しながら、下型モールド12とガスケット13のシール性を確保する。また、環状凸部135の根元のコーナー部135aに下型モールド12の外周エッジ部が当たるので、下型モールド12の上方への位置規制を確実に行うことができる。また、コーナー部135aでの高い面圧確保によって、レンズ基材の収縮や下型モールド12の熱膨脹の影響に拘わらず、シール性の向上が図れる。
(9)前述の(7)及び(8)で述べた如く、上型モールド11とガスケット13、及び下型モールド12とガスケット13のシール性が確保されたことから、レンズ基材材料であるモノマー原料の成形用モールド(成形型)10への注入時、キャビティ14内部への泡の巻き込みを低減することができる。また、上型保持部13Aの環状突片133が柔軟性を備え、且つ下型保持部13Bのコーナー部135aで高い面圧が確保されるので、成形用モールド10がレンズ基材材料の収縮による変形に追従できずに、加熱重合加工中にレンズ基材面と成形型面が剥離することを防止できる。従って、重合中に剥離すると、成形型(成形用モールド)10及びレンズ面の相互の表面にキズがつくが、それを防止できる。
(10)上型保持部13Aの環状突片133と下型保持部13Bの環状凸部135の間の周壁面を、フラットな壁面ではなく凹状壁面136で構成したので、レンズ基材の収縮や成形用モールド10の熱膨脹の影響によるシール性の低下を緩和することができる。また、キャビティ14の内部における泡の排出を容易化できる。
[B]第2の実施の形態(図12)
ガスケットは、成形型(上型モールド、下型モールド)の形状の違いに対応させて、次のようにいくつかの種類がある。
(1)全面に光学転写面を有する成形型10と組み合わせる全面転写対応ガスケット13(図11に示す第1の実施の形態)
(2)非光学転写面の周辺部に環状のフラット面21bを有する成形型20と組み合わせるフラット面対応ガスケット23(図12に示す第2の実施の形態)
(1)のタイプ(第1の実施の形態)は先に述べたので、(2)のタイプ(第2実施の形態)について簡単に述べる。図12において、図11の要素と同一構成要素には同符号を付して説明を省略する。
図12は(2)のタイプのガスケットを使用した成形型(モールド)20の例を示している。この成形型20において、21は上型モールド、22は下型モールド、23はガスケット、24はキャビティである。この場合は、上型モールド21の光学転写面21aの周囲にフラット面21bがあり、フラット面21bに上型保持部23Aの環状突片133の先端エッジ部133aが当たっている。下型保持部23Bは図1と同様である。
この第2の実施の形態の場合、組み合わせる成形型20の種類に応じてガスケット23の設計変数が異なるが、上記成形型10のガスケット13と同様に変数を定義することで、自動設計が可能となる。また、これらのデータは、全て計算機上の電子ファイルにて入出力が可能である。
従って、この第2の実施の形態のガスケット及びその設計方法においても、前記第1の実施の形態の効果(6)〜(10)と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図13〜図17)
図13は、本発明のガスケットにおける第3の実施の形態を備えた成形用モールド(成形型)を示し、(A)がマイナスレンズ成形用の成形型、(B)がプラスレンズ成形用の成形型のそれぞれの断面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
(ガスケットの形態)
この第3の実施の形態のガスケット51は、レンズ面を成形するための上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部を保持して成形型50を構成するものであり、これら上型モールド11、下型モールド12及びガスケット51に囲まれるキャビティ14を当該ガスケット51がシールする。更に、このガスケット51は、図13及び図15に示すように、注入管52から供給される原材料であるモノマーをキャビティ14内に注入する注入口53と、キャビティ14内を排気する排気口54と、注入口53に連通する注入開口部55と、この注入開口部55を内包する注入受け口56とを有する。
上記注入口53は、ガスケット51の円筒形状の本体57に形成され、上型モールド11の外周部と下型モールド12の外周部との間隔にほぼ等しい寸法に設定される。本実施の形態では、注入口53は、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が最も小さな、プラスレンズ成形用の成形型50における上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔にほぼ等しい寸法に固定して設定される。例えば、注入口53は、注入管52の外径が4〜6mmの場合、直径間隔1.3〜1.5mmに設定される。
上記注入開口部55は、ガスケット51の本体57から外方へ突出し、上型モールド11及び下型モールド12の外部に配置される。この注入開口部55は、注入口53に連通し、この注入口53から外方へ向かって順次拡径するテーパ形状の略円錐面を内面58とする筒形状に構成される。この注入開口部55の内面58に注入管52が嵌合することで、注入口53が密閉状態に構成される。この注入開口部55の内面58の最大径は、例えば注入管52の外径が約4〜6mmの場合、6〜10mmに設定される。尚、注入開口部55の高さH(図15)、つまり注入口53から注入開口部55の先端までの寸法は特に限定されるものではないが、約6〜10mm程度が好ましい。
上記排気口54は、図14に示すように、ガスケット51の本体57において注入口53に隣接して設けられ、注入口53と同様に、単一の前記注入受け口56内に配置される。この注入受け口56は、注入開口部55を内包し、ホッパ形状に構成され、モノマーの後述の追加注入時に、このモノマーに満たされて注入口53及び排気口54を同時に密封する。この注入受け口56は、少なくとも注入開口部55よりも高い位置に先端部を有している。
(ガスケットの設計手順)
前記第1の実施の形態のガスケット13と同様に、まずステップS41〜S50を実施する。つまり、上型モールド11の設計値を取得して(S41)、上型保持部外径Aを算出し(S42)、上型密閉基底部径Bを算出し(S43)、上型密閉先端部径Cを算出する(S44)。次に、下型モールド12の設計値を取得して(S45)、下型ストッパ外側部径Dを算出し(S46)、下型ストッパ内側部径Eを算出する(S47)。更に、上型モールド11と下型モールド12の間隔、つまりレンズ設計値の外周部高さなどを取得して(S48)、キャビティ外周端部厚Fを算出し(S49)、下型ストッパ高さGを算出する(S50)。
次に、ステップS49で算出したキャビティ外周端部厚Fから注入口53の寸法(サイズ)を算出する(S51)。この注入口53は、断面積が大きくなるに比例してキャビティ14内へのモノマー注入流量が増大することから、そのサイズはキャビティ外周端部厚Fよりも0〜0.6mm程度小さく設定する。本実施形態では、例えばプラスレンズの端面厚みが1.2mmである場合、注入口53の寸法は、1.0〜1.2mmに設定する。この注入口53の寸法は、製造上の理由(製造コスト上昇の回避など)から、プラスレンズの成形型のみならず、マイナスレンズの成形型の場合にも同一寸法としている。
注入口53の寸法が確定したら、排気口54の寸法を算出する(S52)。この排気口54の寸法は、図14に示すように、縦横が0.6mm程度以上であれば特に限定されない。排気口54の寸法が0.6mm以上であれば、粘性の高いモノマーがキャリッジ14内に注入された場合に排気口54が直ちに閉塞されて、キャビティ24の内部圧力が上昇し、成形型50を押し広めてしまうことがない。
その後、注入管52の外径を取得して(S53)、注入開口部55の最大内径寸法を算出する(S54)。この注入開口部55の最大内径寸法は、注入管52の外径寸法よりも2mm程度大きく設定する。そして、注入開口部55の内面58を略円錐形状に構成し、注入受け口56を注入開口部55が内包されるように構成して、ガスケット51の設計値を確定する(S55)。
(対象製品)
上述のようにして設定されたガスケット51を有する成形型50は、ガスケット51に形成された注入口53からモノマーを、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔へ注入し、この注型重合によりプラスチック眼鏡レンズを製造するものに適用され、特に上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が狭く、例えば1.2mm以下の場合に好ましく適用される。具体的には、上記成形型50は、上記注型重合によりプラスレンズを成形する場合や、屈折力の小さなマイナスレンズを成形する場合に特に好ましいが、屈折力の大きなマイナスレンズを成形する場合にも上記成形型50を適用できる。
(注入手順)
次に、成形型50へのモノマーの注入手順について、図16を用いて簡単に説明する。
ガスケット51に上型モールド11及び下型モールド12を予め組み付けてプラスチックレンズ成形用の成形型50を組み立てる(図16(A))。次に、この成形型50のキャビティ14内に、所定の如く調合されたプラスチックモノマーを注入する。このとき、注入口53及び排気口54が成型型50の鉛直上方に位置付けられるように、成型型50を固定してモノマーを注入する。
注入管52は例えば筒形状であり、断面は円形をしている。この注入管52は、前記注入開口部55の略円錐形状のテーパー状内面58と嵌合して、注入口53を密閉状態に構成する(図16(B))。従って、注入管52から送出されるモノマーを確実に成形型50のキャビティ14内へ注入することができる。注入は、所定の圧力によりモノマーを加圧することで実施する。
注入されたモノマーに対応して、キャビティ14内の空気が排気口54から順次排気される(図16(C))。排気口54は特にシールドされていないが、注入口53が注入管52と密閉構造をなしているため、モノマーが注入口53付近から排気口54へ流出することはない。従って、注入するモノマーが排気口54を封止して、モノマーの注入ができなくなることはない。
モノマー液面が注入口53及び排気口54まで達すると、排気口54からモノマーが流出して注入受け口56に溜り、この注入受け口56内でモノマーの液面が上昇する。さらに注入を続けて、注入受け口56の中央付近までモノマーの追加注入を適量行う(図16(D))。
追加注入はモノマーの重合過程で、モノマー自体の収縮によりキャビティ14内に空気が吸引されることを防止するために実施する。この追加注入が行われないと、密閉性が最も弱い注入口53付近から空気等の異物が成形型50内部に入り込んで成型品の不良原因となる。さらに、ガスケット51の注入口53付近は強度が相対的に低いため、空気の引き込みが発生して空洞になると、大気圧等に抗しがたくなり、成型型50の密閉性の低下及び成型型50の形状の変形が発生することがある。このようなモノマーの収縮に対応するために、成型型50の内部に充填されたモノマーに加えて、成型型50の外部の注入受け口56内にもモノマーを追加して注入し充填する。この追加注入が完了すると、注入管52を注入開口部55から引き抜き、注入受け口56の上面を密封して注入が完了する。
(変形例)
本実施形態では、注入受け口56の中央部に注入口53及び排気口54を配置したが、図20及び図21の様に注入口53や排気口54を注入受け口56の何れか一方の片側に偏在して配置することも好適である。尚、この変形例において、第3の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付している。
(第3の実施の形態の効果)
以上のように構成されたことから、上記第3の実施の形態によれば、次の効果(11)〜(16)を奏する。
(11)注入開口部55が、ガスケット51の本体57から外方へ突設されて上型モールド11及び下型モールド12の外部に設定され、この注入開口部55に注入管52が嵌合されて注入口53が密閉状態となり、この注入口53を通してキャビティ14内へモノマーを注入する。このことから、注入管52がキャビティ14内へ挿入されて、このキャビティ14を構成する上型モールド11及び下型モールド12に接触し、これらの上型モールド11、下型モールド12を移動させて、上型モールド11、下型モールド12及びガスケット51からなる成形型50の密閉性を損なうことを防止できる。
(12)ガスケット51の注入口53が、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が最も小さな、プラスレンズの成形型50における上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定されることから、プラスレンズを成形する成形型50の場合にも、マイナスレンズを成形する成形型50の場合にも、ガスケット51における注入口53の設計変更が必要ないので、ガスケット51の製造コストを低減できる。
(13)キャビティ14内にモノマーを注入した後には、このモノマーの収縮によってキャビティ14内に空気が吸引され空洞が発生するのを防止するために、注入口53及び排気口54にモノマーを追加注入するが、注入口53及び排気口54をホッパ形状の単一の注入受け口56内に設定することから、上記追加注入を単一の注入受け口56内にモノマーを満たすことで実施できる。これにより、注入口53及び排気口54をモノマーによって同時に密封することができるので、作業効率を向上させることができる。
(14) ガスケット51では、注入開口部55の内面58がテーパー構造となっており、注入管52との間で注入口53を密閉状態に構成するので、モノマーに圧力をかけて注入することができる。従って、モノマーの注入時間を短縮することが容易である。
(15)ガスケット51には排気口54が設けられているため、成形型50の内部へ注入管52を挿入しなくともモノマーの注入を確実に行うことができる。
(16)ガスケット51では、注入管52を成形型50の内部へ挿入しないため、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔の寸法が注入管52の外径に拘束されない。従って、注型重合によるプラスレンズのさらなる薄型化、軽量化が容易となる。
[D]第4の実施の形態(図18)
図18は、本発明のガスケットにおける第4の実施の形態を備えた成形型を示し、(A)がマイナスレンズ成形用の成形型、(B)がプラスレンズ成形用の成形型のそれぞれ断面図である。この第4の実施の形態において、前記第1及び第3の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第4の実施の形態の成形型60におけるガスケット61では、注入口63が、成形型60により成形されるレンズの種類ごとに異なる、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定される。つまり、図18(A)に示すように、マイナスレンズを成形する成形型60の場合には、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が大きいので、この間隔に略等しくなるように注入口63を大きく設計する。また、図18(B)に示すように、プラスレンズを成形する成形型60の場合には、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が小さいので、この間隔に略等しくなるように注入口63を小さく設計する。これにより、成形型60の種類ごとに、注入口63からキャビティ14へ注入されるモノマーの注入流量の最適化が図られる。
尚、このとき、注入開口部55の内面58に嵌合する注入管62は、マイナスレンズやセミフィニッシュレンズの成形型のように、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が最も大きな間隔と略同一の内径に固定して設定されて、全ての種類の成形型60で共通化される。このように注入管62を構成することによって、注入管62から注入口63への注入流量の増大を図りつつ、注入管62の共通化による作業負担の軽減を実現できる。
以上のように構成されたことから、上記第4の実施の形態によれば、前記第3の実施の形態の効果(11)、(13)〜(16)と同様な効果を奏するほか、次の効果(17)を奏する。
(17)成形型60における上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔は、成形型60によって成形されるレンズの種類によって異なる。ガスケット61の注入口63を、成形型60における上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定することで、この注入口63を通してキャビティ14内へ注入されるモノマーの注入流量を極力増大させることができ、この注入流量を成形型60毎に最適化できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記第3及び第4の実施の形態では、ガスケットの注入口が、成形型における上型モールドと下型モールドのそれぞれの外周部の間隔を基準にして設定されたが、この上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が注入管の内径よりも大きい場合には、注入口の寸法を上記注入管の内径に略等しく設定してもよい。
この理由を次に述べる。成形型へのモノマーの注入流量を最大とするためには、注入管、注入口及び排気口の大きさは、成型型における上型モールド11と下型モールド12のそれそれの外周部の間隔に対して同程度とすることが好ましい。しかしながら、注入管の断面積を超えるサイズの注入口は、注入管自体が制約となるため流量増大の効果が見込めない。更に、成型品であるレンズの端面の厚みは様々な種類があり、種類が変更される毎に注入管を交換することは作業の負担が大きい。これらのことから、注入管を十分な断面積を有するサイズに固定して設定し、上型モールド11と下型モールド12のそれぞれの外周部の間隔が注入管の内径よりも大きい場合に、注入口のサイズを注入管の内径と略等しく設定することで、モノマーを過不足なくスムーズに成形型内へ注入できるのである。
本発明のガスケットの設計に先立って行われる成形型の設計方法に基づいて製作された上型モールド及び下型モールドを有する成形型を示す側断面図である。 図1の下型モールドを示す側断面図である。 図1の成形型を用いた光学レンズ(プラスチックレンズ)の製造手順を示すフローチャートである。 図1の上型モールド及び下型モールドの製造手順を示すフローチャートである。 図1の成形型からテスト成形された成形品である光学レンズの成形曲面C21及び設計曲面C20などを示すグラフである。 テスト成形されて式(1)により特定された光学レンズの成形曲面C21のうちの多項式成分が図5の基準球面成分(曲面形状C22)に対しずれる偏差量を、当該光学レンズの各位置において示したグラフである。 図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順において、全体形状補正情報及び局所形状補正情報の算出などを示す概略図である。 図1の上型モールド及び下型モールドの設計手順を具体的に示すフローチャートである。 (A)は、図1の成形型により転写されて光学レンズの曲面に形成された転写マークを示す正面図であり、(B)は図9(A)の頂点転写マーク部を示す部分拡大図であり、(C)は、図9(A)の周縁部転写マーク部を示す部分拡大図である。 成形品たる光学レンズの成形曲面が設計曲面に対し有する形状誤差を当該光学レンズの各位置で示し、(A)が図1〜図9に示す成形型の設計方法により設計された成形型を用いて成形された光学レンズの場合のグラフであり、(B)が従来技術において平均曲率を用いて補正することで設計された成形型により成形された光学レンズの場合のグラフである。 (a)は本発明のガスケットの第1の実施の形態を有するプラスチックレンズ成形用モールド10の半断面図、(b)は要部拡大断面図である。 本発明のガスケットの第2の実施の形態を有するプラスチックレンズ成形用モールド20の要部拡大断面図である。 本発明のガスケットにおける第3の実施の形態を備えたプラスチックレンズ成形用モールド(成形型)50を示し、(A)がマイナスレンズ成形用の成形型、(B)がプラスレンズ成形用の成形型のそれぞれの断面図である。 (A)は、図13(A)のA‐A線に沿う断面図であり、(B)は、図13(A)のB矢視図である。 図13の注入口、注入開口部及び注入受け口を拡大して示す断面図である。 モノマーを成形型へ注入する過程を示す図である。 図13に示すガスケットの設計手順を示すフローチャートである。 本発明のガスケットにおける第4の実施の形態を備えたプラスチックレンズ成形用モールド(成形型)60を示し、(A)がマイナスレンズ成形用の成形型、(B)がプラスレンズ成形用の成形型のそれぞれ断面図である。 従来の成形型を示し、(A)がマイナスレンズ成形用の成形型、(B)がプラスレンズ成形用の成形型の断面図である。 第3の実施の形態における変形例のガスケットを備えたプラスチックレンズ成形用モールド(成形型)であって、(A)が図14(A)に、(B)が図14(B)にそれぞれ対応した図である。 図20の注入口53、注入開口部55及び注入受け口56を拡大して示し、図15に対応する断面図である。
符号の説明
10,20 成形型(モールド)
11,21 上型モールド(上型)
12,22 下型モールド(下型)
13,23 ガスケット
14,24 キャビティ
13A,23A 上型保持部
13B,23B 下型保持部
50 成形型
51 ガスケット
52 注入管
53 注入口
54 排気口
55 注入開口部
56 注入受け口
58 内面
60 成形型
61 ガスケット
62 注入管
63 注入口
131 円筒状の本体
132 嵌合面
133 環状突片
133a 先端エッジ部
134 嵌合面
135 環状凸部
135a コーナー部
135b 下面
136 凹状壁面

Claims (14)

  1. レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上型と下型の間隔を決定すると共に、上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法において、
    成形面が成形品の設計曲面に形成された成形用モールドを用意し、
    この成形用モールドから成形された成形品の曲面形状を測定し、この測定値を非球面の式に近似させて上記成形品の曲面を非球面として特定し、
    非球面の式にて特定された上記成形品の曲面と、上記成形品の設計曲面とを比較して両曲面の誤差を求め、
    この誤差に対応する情報を補正情報として用いて、上記成形用モールドの成形面を補正してレンズ空間を設計し、
    上記ガスケットを、成形対象のレンズの設計値、成形用モールドの上型及び下型の設計値を含むレンズ空間、並びに、レンズ素材の収縮率に基づいて設計することを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  2. レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上型と下型の間隔を決定すると共に、上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットにおいて、
    円筒状の本体の内周上部に上記上型を保持するための上型保持部、内周下部に上記下型を保持するための下型保持部が設けられ、
    上記上型保持部は、上記上型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突設され、先端エッジ部のみが上型の下面に線接触することで、上型の下方への位置を規制すると共にレンズ空間をシールする薄肉ヒレ状の環状突片とで構成され、
    上記下型保持部は、上記下型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突出することで、上記嵌合面に連なるその根元のコーナー部により下型の上方への位置を規制すると共に、自身の下面が下型との接触回避のための角度を持つよう形成された環状凸部とで構成され、
    上記上型保持部の環状突片と下型保持部の環状凸部との間を繋ぐ周壁面が、上記両嵌合面よりも小径の凹状壁面として形成されていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケット。
  3. 請求項1に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法において、
    設計対象の上記ガスケットが、円筒状の本体の内周上部に上記上型を保持するための上型保持部、内周下部に上記下型を保持するための下型保持部を有し、
    上記上型保持部は、上記上型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突設され、先端エッジ部のみが上型の下面に線接触することで、上型の下方への位置を規制すると共にレンズ空間をシールする薄肉ヒレ状の環状突片とで構成され、
    上記下型保持部は、上記下型の外周面が嵌合される円筒状の嵌合面と、該嵌合面より内周側に突出することで、上記嵌合面に連なるその根元のコーナー部により下型の上方への位置を規制すると共に、自身の下面が下型との接触回避のための角度を持つよう形成された環状凸部とで構成され、
    上記上型保持部の環状突片と下型保持部の環状凸部との間を繋ぐ周壁面が、上記両嵌合面よりも小径の凹状壁面として形成されており、
    成形対象のレンズの設計値、並びに、成形用モールドの上型及び下型の設計値に基づいて、上記ガスケットの上型保持部の嵌合面の径及び環状突片の先端の径、上記下型保持部の嵌合面の径及び環状凸部の径、上記凹状壁面の径をそれぞれ設定することを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  4. レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法であって、
    上記注入口を、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔に略等しく設定し、
    上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉状態とする注入開口部を、上記上型及び上記下型の外部に設定することを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  5. 上記注入口を、プラスレンズを成形するための成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定することを特徴とする請求項4に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  6. 上記注入口を、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定することを特徴とする請求項4に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  7. レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法であって、
    上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔が上記注入管の内径よりも大きい場合には、上記注入口を上記注入管の内径に略等しく設定し、
    上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉する注入開口部を、上記上型及び上記下型の外部に設定することを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  8. 上記注入口及び排気口を、注入開口部を内包するホッパ形状の単一の注入受け口内に設定する請求項4乃至7のいずれかに記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットの設計方法。
  9. レンズ面を成形するための上型と下型の外周部を保持することで、上記上型と上記下型の間隔を決定すると共に、これらの上型と下型の間に確保されるレンズ空間をシールし、注入管によって原材料が上記レンズ空間内に注入される注入口と、上記レンズ空間内を排気するための排気口とを有するプラスチックレンズ成形用モールドのガスケットであって、
    上記注入口が、上記上型と上記下型のそれぞれの外周部の間隔に略等しく、または当該間隔が上記注入管の内径よりも大きい場合には上記注入管の内径に略等しくそれぞれ設定され、
    上記注入口に連通し、上記注入管に嵌合して上記注入口を密閉状態とする注入開口部が、上記上型及び上記下型の外部に配置されたことを特徴とするプラスチックレンズ成形用モールドのガスケット。
  10. 上記注入口が、プラスレンズを成形するための成形用モールドにおける上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて固定して設定されたことを特徴とする請求項9に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケット。
  11. 上記注入口が、上型と下型のそれぞれの外周部の間隔に応じて変更して設定されたことを特徴とする請求項9に記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケット。
  12. 上記注入口及び排気口を、注入開口部を内包するホッパ形状の単一の注入受け口内に設定する請求項9乃至11のいずれかに記載のプラスチックレンズ成形用モールドのガスケット。
  13. プラスチック原料を成形型に注入して成形することによってレンズ形状に形成されたプラスチックレンズであって、前記請求項1、3、4乃至8のいずれかに記載のガスケットの設計方法が用いられて製造されたものであることを特徴とするプラスチックレンズ。
  14. プラスチック原料を成形型に注入して成形することによってレンズ形状に形成されたプラスチックレンズであって、前記請求項2、9乃至12のいずれかに記載のガスケットが用いられて製造されたものであることを特徴とするプラスチックレンズ。
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