JP2009180674A - 眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具およびその製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の領域内に視野を害する欠陥があるか否かを容易かつ確実に検査することができ、また検査者の検査結果への影響を低減することができるようにした眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具およびその製造方法を提供する。
【解決手段】眼鏡レンズの外観検査に用いる欠陥限度見本具1の凸面側光学面1aに、光学中心Oを中心とする直径D1 の突状体からなり外観検査基準の領域を示す領域境界線2と、この領域境界線2によって仕切られた領域毎にサイズが異なる複数の微小な点状の突部からなるブツ見本部3a〜3c、4a〜4cをそれぞれ形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡レンズの外観検査に用いる眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具およびその製造方法に関するものである。
眼鏡用プラスチックレンズの製造過程において行なう検査には、眼鏡レンズの光学的性能や形状の検査の他に、視野を害する可能性のあるレンズ内部または表面の欠陥(以下、「外観的欠陥」あるいは単に「欠陥」という)の有無を検査する外観検査がある。外観的欠陥としては、例えばキズ、ブツ(点状の凹凸)、コンタミネーション(異物の混入)、泡(気泡)、脈理(屈折率の不均一による光学的歪み)、汚れ、曇り(白濁)などがある。
眼鏡レンズの外観検査は、レンズ成形工程後、光学面形成工程(研削・研磨工程)後、染色工程後、各種コーティング工程(ハードコート、反射防止膜、撥水膜等の形成工程)後などの各種工程後や、製品完成後(最終検査)に行なわれる。例えば、特許文献1には成形後、光学面研磨工程後、ハードコーティング仮焼成後、反射防止膜コーティング工程後、染色工程後、および製品完成後に外観検査を行なうことが開示されている。
完成品の外観および品質については、非特許文献1、2、3において、視野を害する欠陥があってはならない領域(単焦点眼鏡レンズにおいては測定基準点を中心とする直径30mmの領域内、多焦点眼鏡レンズにおいては遠用部測定基準点を中心とする直径30mmの領域内ならびに直径30mm以下の小玉の全領域もしくは直径30mm以上の小玉における近用部測定基準点を中心とする直径30mmの領域、累進屈折力眼鏡レンズにおいては、プリズム測定基準点を中心とする直径30mmの領域内)と、その領域の外側であって微細な孤立した欠陥及び/又は表面の欠陥が許容される領域とが定められている。また、レンズメーカによっては、前記非特許文献1、2、3の要求事項を満たし、かつ、それよりも一層厳しい外観検査基準を独自に設定することも行なっている。また、各種製造工程後における外観検査においても、前記完成品の外観検査基準に応じて外観検査基準を設定することも行なわれている。
外観検査の方法としては、目視で行なう方法が一般的に行なわれている。この目視による外観検査方法としては、例えば約2001xで環境照明された室内で4001mの光源からなる検査灯を用いて視覚的に検査する方法が前記非特許文献1、2、3の付属書Aに示されている。
この目視による外観検査に当たっては、製造場所(例えばレンズメーカ工場)毎に複数の人が携わるため検査者の個人差が検査結果に影響を及ぼす可能性がある。そこで、検査結果の個人差を減らす方法として、欠陥見本を用意し、実際に製造された被検査レンズに生じている外観的欠陥をこの欠陥見本と比較して判定することにより、可及的的確な検査ができるようにすることが行なわれている。例えば、非特許文献4には、ガラスレンズを研磨した後に標準キズ見本と比較して外観検査することが記載されている。欠陥見本としては、例えば、一つの透明樹脂プレート上に異なるサイズのキズとブツのサンプルを一体に形成した市販品であるキズ・ブツ簡易判定プレート(エドモンド・インダストリアル・オプティクス社製)が知られている。また、製造過程で実際に外観的欠陥が生じた不具合レンズのうち、適当なものを選びそれを欠陥見本として用いることも行なわれている。なお、以下、欠陥見本全体を欠陥見本具と呼び、この欠陥見本具に設けられている個々の欠陥のサンプル部分を欠陥見本部と呼ぶこととする。
特開平5−19212号公報 JIST7313:2000屈折補正用単焦点眼鏡レンズ、日本規格協会、P3、5 JIST7314:2000屈折補正用多焦点眼鏡レンズ、日本規格協会、P3−4、6 JIST7315:2000屈折補正用累進屈折力眼鏡レンズ、日本規格協会、P3−4、6 「光学技術ハンドブック」、朝倉書店、昭和50年7月20日発行、P635−636
しかしながら、欠陥見本具と被検査レンズとで、光学面形状、材質、コーティングなどに違いがある場合、欠陥見本具に形成されている欠陥見本部と被検査レンズに生じている欠陥とで見え方に違いが生じ、これが検査者の検査結果に影響を及ぼすという問題があった。例えば、前述した市販品からなるキズ・ブツ簡易判定プレートは、光学部品に汎用の欠陥見本具であって、ポリカーボネートからなる透明なプレートの表面に、キズ見本としての異なる幅(0.01mm〜0.16mm)の突条からなる複数のキズ見本部と、ブツ見本としての異なる直径(0.05mm〜1mm)の円形凸部からなる複数のブツ見本部とが一体に成形されている。このため、被検査レンズと形状(光学面形状、厚さなど材質、各種コーティングの有無などが異なり、それらが影響して見た目に違いが生じ検査者の検査結果に個人差が生じやすくなる原因となっていた。また、実際に製造過程で生じた不具合品レンズを欠陥見本として用いる場合、被検レンズと形状や材質が同じあるいは近い不具合レンズを欠陥見本具として用いる場合は、上記のような問題は生じ難いが、欠陥の限度を示す同程度の欠陥を備えた不具合レンズを多数見つけて用意する必要がある。しかしながら、、複数の製造場所で同一基準の欠陥見本具を用意することは容易ではなかった。また、前記したとおり、許容される欠陥の程度は、外観検査基準が定める領域毎に異なるが、前述したキズ・ブツ簡易判定プレートの場合は、異なるサイズのキズ見本やブツ見本が明示されているだけである。このため、検査者が検査したい領域毎の欠陥見本部をその都度識別しなければならないために煩雑になる。また、不具合レンズを欠陥見本として使用する場合は、検査したい領域毎にその領域における欠陥の限度を示す欠陥見本部を備えた不具合レンズを用意する必要があり煩雑であった。
本発明は、上記した従来の問題および要請に応えるべくなされたもので、その目的とするところは、被検査レンズに生じた欠陥との見え方の違いが小さく、外観検査基準で定められた領域毎の欠陥限度の識別が容易で、量産が可能な眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具は、メニスカス状レンズの光学面に外観検査基準の領域を示す領域境界線を表示するとともに、この領域境界線によって仕切られた領域毎に、その領域内における欠陥の限度を示すための異なるサイズの突部からなる欠陥限度見本部を形成したことを特徴とするものである。
第2の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具は、前記欠陥限度見本部がレンズの凸面側光学面に形成されていることを特徴とするものである。
第3の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具は、前記欠陥限度見本部がレンズの凹面側光学面に形成されていることを特徴とするものである。
第4の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具は、前記欠陥限度見本部が点状の突部からなるブツ見本部であることを特徴とするものである。
第5の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具は、前記欠陥限度見本部が突条からなるキズ見本部であることを特徴とするものである。
第6の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法は、ガラス製モールドの転写面にロウを塗布する工程と、前記ロウが塗布された前記モールドの転写面に、刻印機によって外観検査基準の領域を示す領域境界線を形成するための境界線形成用溝と、この境界線形成用溝によって仕切られた領域毎に、欠陥限度見本部を形成するための異なるサイズの欠陥限度見本部形成用凹部とを形成する工程と、前記モールドに形成された前記境界線形成用溝および前記欠陥限度見本部形成用凹部にフッ酸系水溶液を塗布する腐食工程と、前記腐食工程後に転写面に残存しているロウとフッ酸系水溶液を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程後のモールドを用いて成形型を組立てる成形型組み立て工程と、前記成形型にプラスチックレンズの原料液を注入して硬化させる成形工程と、前記成形工程後に前記成形型から成形されたレンズを取り出す工程とを備えたことを特徴とするものである。
第7の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法は、前記欠陥限度見本部形成用凹部がブツ見本部を形成するための点状凹部であることを特徴とするものである。
第8の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法は、前記欠陥限度見本部形成用凹部がキズ見本部を形成するための溝であることを特徴とするものである。
第9の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法は、製造された欠陥限度見本具に対して、その光学面にハードコートを施す工程をさらに備えていることを特徴とするものである。
第10の発明に係る眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法は、製造された欠陥限度見本具に対して、その光学面に反射防止膜を形成する工程をさらに備えていることを特徴とするものである。
本発明においては、外観検査基準の領域を示す領域境界線と、この領域境界線によって仕切られた領域毎にサイズが異なる突部からなる欠陥限度見本部が形成されているので、外観検査時に被検査レンズと欠陥限度見本具とを見比べ比較することが容易になる。また、欠陥の見え方も近くすることができるため、検査者の違いによる検査結果に及ぼす影響が少なくなる。また、欠陥を迅速かつ的確に見つけられる。
第2、第3の発明においては、欠陥限度見本具の凸側または凹側光学面のいずれに形成されている場合でも、欠陥限度見本を視認することができ、被検査レンズの外観検査に用いることができる。
第4の発明においては、被検査具のブツをブツ見本部によって検査することができる。
第5の発明においては、被検査具のキズをキズ見本部によって検査することができる。
第6の発明においては、欠陥限度見本具を成形型による成形によって製作できるので、同一の欠陥限度見本具を複数個製作することができる。
第7の発明においては、点状凹部がレンズ光学面に転写されるとブツ見本部となる。
第8の発明においては、溝がレンズ光学面に転写されるとキズ見本部となる。
第9の発明においては、欠陥限度見本具に対してハードコートを施す工程を備えているので、ハードコートが形成された被検査レンズの外観検査に用いることができる。
第10の発明においては、欠陥限度見本具に対して反射防止膜を施す工程を備えているので、反射防止膜が形成された被検査レンズの外観検査に用いることができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1(a)、(b)は、本発明をブツ見本部が形成された眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびA−A線断面図である。同図において、眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具(以下、欠陥限度見本具と略称する)1は、通常の単焦点眼鏡レンズ(フィニッシュトレンズ、セミフィニッシュトレンズ、レンズブランクを含む)と同様のメニスカス状レンズに形成されており、球面又は非球面からなる凸面(以下、凸面側光学面ともいう)1aと、同じく球面又は非球面からなる凹面(以下、凹面側光学面ともいう)1bと、これら両光学面1a、1bの外周を接続するコバ面1cとを有し、凸面側光学面1aに外観検査基準の領域を示す領域境界線2と、6個のブツ見本部3a〜3c、4a〜4cが形成されている。
前記領域境界線2は、その光学中心Oを測定基準点とする直径D1 (例えば30mm)の円で、幅が0.05mm、高さが20μmの突状体によって形成されている。
前記ブツ見本部3a〜3c、4a〜4cは、眼鏡レンズの製造時に生じるブツ(微細な点状の凹凸)を検査する際の比較対象となるブツ見本として形成するものであり、微小な点状の突部で構成されている。これらのブツ見本部3a〜3c、4a〜4cは、領域境界線2によって仕切られた領域毎に欠陥(ブツ)の限度を示すために形成したもので、そのうち3個のブツ見本部3a〜3cは前記領域境界線2の内側にそれぞれ形成し、残り3個のブツ見本部4a〜4cは領域境界線2の外側にそれぞれ形成している(以下、領域境界線内に形成されたブツ見本部を境界内ブツ見本部、領域境界線外に形成されたブツ見本部を境界外ブツ見本部とも呼ぶ)。
これらブツ見本部のサイズは、適用する外観検査基準に応じて基準が異なる領域毎に適宜設定される。すなわち、境界内ブツ見本部3a〜3cは、領域境界線2内の検査基準に基づく許容限度の欠陥の見本となるようにサイズが設定され、境界外ブツ見本部4a〜4cは、領域境界線2外の検査基準に基づく許容限度の欠陥の見本となるようにサイズが設定される。この実施の形態では、境界内ブツ見本部3aは直径が30μm、高さ3〜5μm、境界内ブツ見本部3bは直径が20μm、高さ6〜7μm、境界内ブツ見本部3cは直径が40μm、高さ1〜2μmに形成している。また、境界外ブツ見本部4aは直径が70μmで、高さ6〜8μm、境界外ブツ見本部4bは直径が60μm、高さ9〜10μm、境界外ブツ見本部4cは直径が80μm、高さ4〜5μmに形成している。このように同一の領域内でブツ見本部のサイズを異ならせている理由は、ブツの外形が大きいと許容されるブツの高さや深さが小さくなる傾向があり、ブツの外形が小さいと許容されるブツの高さや深さが大きくなる傾向にあるので、異なるサイズの限度見本部を同一領域内に複数設けることで、様々なブツの形状に対して比較しやすいようにするためである。なお、同一領域内のブツ見本部のサイズを同じにしてもよい(例えば、境界内ブツ見本部3a〜3cは直径が30μm、高さ3〜5μm、境界外ブツ見本部4a〜4cは直径が70μmで、高さ6〜8μm)。また、ブツ見本部の数も、一つの領域に1〜2個でもよいし、4個以上でもよい。また、サイズが異なるブツ見本部を識別しやすいようにブツ見本部の近傍にそのサイズを示す文字や記号を設けてもよいし、レンズの向きを示す文字や記号をレンズ表面に設けてもよい。また、上記ブツ見本部は、許容限度を示すように形成しているが、許容できない限度を示すように形成してもよい。
このような構造からなる欠陥限度見本具1は、一般の眼鏡レンズの製造と同様に注型重合法により、後述する成形型にプラスチックレンズ用の原料液モノマー(例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリチオウレタン系樹脂、ポリウレタンウレア系樹脂、エピスルフィド系樹脂等の熱硬化性樹脂)を充填し、所定温度で加熱重合することにより形成する。
また、欠陥限度見本具1は、眼鏡レンズの各製造工程において用いるものであるため、必要に応じて成形後の後工程により光学面1a、1bにハードコートや反射防止膜を形成する。例えば、レンズ成形工程直後や光学面形成工程直後の外観検査時には、被検査レンズに未だハードコートが形成していないので、ハードコーティング処理されていない欠陥限度見本具を用いて検査し、ハードコートが形成された被検査レンズの外観検査にはハードコーティング処理された欠陥限度見本具を用いて検査し、ハードコートの上に反射防止膜が形成された被検査レンズの外観検査には、同じくハードコートの上に反射防止膜が施された欠陥限度見本具を用いて検査すると好ましい。
このように、ハードコートや反射防止膜を形成しておくと、眼鏡レンズのハードコーティング工程直後や、反射防止膜形成工程直後に外観検査するとき、欠陥の見え方が被検査レンズにより近い欠陥限度見本具を用いて検査することになるため、検査者の違いによる検査結果のばらつきを軽減することができる利点がある。なお、各種のコーティングを行なう場合は、その膜厚分だけブツ見本部3a〜3c、4a〜4cのサイズが変化するため、膜厚を考慮してブツ見本部3a〜3c、4a〜4cの直径および高さを決定することが望ましい。
図2(a)、(b)は、本発明をキズ見本部が形成された欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびB−B線断面図である。同図において、この欠陥限度見本具10は、光学面10aに図1に示したブツ見本部3a〜3c、4a〜4cの代わりに6個のキズ見本部11a〜11c、12a〜12cを形成した以外は、前記欠陥限度見本具1と同じであるため、同一構成部材、部分については同一符号をもって示し、その詳細な説明は省略する。なお、10b、10cは、欠陥限度見本具10の凹面側光学面、コバ面である。
キズ見本部11a〜11c、12a〜12cは、眼鏡レンズの製造時に生じる微細なキズ(例えば引っ掻きキズ)を検査する際の比較対象となるキズ見本として形成したものであり、微細な線状の突条で構成され、それぞれ光学中心Oから放射状になる向きに形成されている。なお、キズ見本部11a〜11c、12a〜12cの向きはこれに限らず任意に設定してもよい。これらのキズ見本部11a〜11c、12a〜12cのうち3個のキズ見本部11a〜11cは、領域境界線2の内側にそれぞれ形成し、残り3つのキズ見本部11a〜11cは、領域境界線2の外側にそれぞれ形成している(以下、領域境界線内に形成されたキズ見本部を境界内キズ見本部、領域境界線外に形成されたキズ見本部を境界外キズ見本部とも呼ぶ)。
これらのキズ見本部のサイズは、適用する外観検査基準に応じて基準が異なる領域毎に適宜設定される。すなわち、境界内キズ見本部11a〜11cは、領域境界線2内の検査基準に基づく許容限度の欠陥の見本となるようにサイズが設定され、境界外キズ見本部12a〜12cは、領域境界線2外の検査基準に基づく許容限度の欠陥の見本となるようにサイズが設定される。この実施の形態では、境界内キズ見本部11aは幅4μm、高さ3〜5μm、境界内キズ見本部11bは幅が3μm、高さ6〜7μm、境界内キズ見本部11cは幅が5μm、高さ1〜2μmに形成している。また、境界外キズ見本部12aは幅が10μm、高さ6〜8μm、境界外キズ見本部11bは幅が9μm、高さ9〜10μm、境界外キズ見本部12cは幅が11μm、高さ4〜5μmに形成している。このように同一の領域内でキズ見本部のサイズを異ならせている理由は、キズの幅が大きいと許容されるキズの高さや深さが小さくなる傾向があり、キズの幅が小さいと許容されるキズの高さや深さが大きくなる傾向にあるので、異なるサイズの限度見本部を同一領域内に複数設けることで、様々なキズの形状に対して比較しやすいようにするためである。なお、同一領域内のキズ見本部のサイズを同じにしてもよい(例えば、境界内キズ見本部11a〜11cは幅が4μm、高さ3〜5μm、境界外ブツ見本部12a〜12cは幅が10μmで、高さ6〜8μm)。また、キズ見本部の数も、一つの領域に1〜2個でもよいし、4個以上でもよい。また、サイズが異なるキズ見本部を識別しやすいようにキズ見本部の近傍にそのサイズを示す文字や記号を設けてもよいし、レンズの向きを示す文字や記号をレンズ表面に設けてもよい。また、上記キズ見本部は、許容限度を示すように形成しているが、許容できない限度を示すように形成してもよい。なお、キズ見本部11a〜11c、12a〜12cの長さは検査基準に応じて適宜設定されるが、この実施の形態においては領域境界線2の内外ともに約10mmに設定している。
図3(a)、(b)は、本発明を欠陥限度見本部(ブツ見本部およびキズ見本部)が形成された欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびC−C線断面図である。同図において、欠陥限度見本具20の凸面側光学面20aには、それぞれ3個からなるブツ見本部3a、4a、4aおよびキズ見本部11a、12a、12aを形成しており、それ以外は前記欠陥限度見本具1、10と同じであるため、同一構成部材、部分については同一符号をもって示し、その詳細な説明は省略する。なお、20b、20cは、欠陥限度見本具20の凹面側光学面、コバ面である。
前記ブツ見本部3a、4a、4aは、上記した通り微小な点状の突部で構成しており、そのうち1個のブツ見本部3aを領域境界線2の内側に形成し、残り2個のブツ見本部4a、4aは領域境界線2の外側にそれぞれ形成している。前記キズ見本部11a、12a、12aは、上記した通り微細な線状の突条からなり、そのうち1個のキズ見本部11aを領域境界線2の内側に形成し、残り2個のキズ見本部12a、12aは領域境界線2の外側にそれぞれ形成している。なお、ブツ見本部3a、4a、4aとキズ見本部11a、12a、12aのサイズは、図1、図2に示した同一符号のブツ見本部、キズ見本部と同じである。
図4(a)、(b)は、同じく本発明を欠陥限度見本部(ブツ見本部およびキズ見本部)が形成されているとともに、2個の領域境界線を形成した欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびD−D線断面図である。同図において、欠陥限度見本具30の凸面側光学面30aには、2個の外観検査基準の領域境界線2a、2bとそれぞれ4個からなるブツ見本部3a、4a、4a、5aおよびキズ見本部11a、12a、12a、13aを形成しており、それ以外は前記欠陥限度見本具1、10、20と同じであるため、同一構成部材、部分については同一符号をもって示し、その詳細な説明は省略する。なお、30b、30cは、欠陥限度見本具30の凹面側光学面、コバ面である。
2個の領域境界線2a、2bは、直径が30mmと40mmの円形の突条体からなり、欠陥限度見本具30の光学中心Oを中心とする同心円状に形成されている。このため、欠陥限度見本具30は、検査基準の異なる3つの領域I、II、III を有している点で、上記した欠陥限度見本具1、10、20と異なっている。
4個のブツ見本部3a、4a、4a、5aのうちブツ見本部3aは、領域I 内に形成し、ブツ見本部5aは領域II内に形成し、残り2個のブツ見本部4a、4aは領域III 内にそれぞれ形成している。ブツ見本部3aは、図1に示したブツ見本部3aと同じサイズの微小な点状の突部に形成されている。領域II内のブツ見本部5aは、直径が40μm、高さが5〜6μmの微小な点状の突部によって形成している。そして、領域III のブツ見本部4a、4aは、図1に示したブツ見本部4aと同じサイズの微小な点状の突部に形成している。
4個のキズ見本部11a、12a、12a、13aのうち、キズ見本部11aは領域I内に形成し、キズ見本部13aは領域II内に形成し、残り2個のキズ見本部12a、12aを領域III 内それぞれ形成している。また、キズ見本部11aは、図2に示したキズ見本部11aと同じサイズの微細な突条によって形成している。領域II内のキズ見本部13aは、幅が7μm、高さが5〜6μmの微細な突条によって形成している。領域III 内のキズ見本部12a、12aは、図2に示したキズ見本部12aと同じサイズの微細な突条によって形成している。
図5(a)、(b)は、本発明を多焦点レンズの検査に用いられる欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびE−E線断面図である。同図において、欠陥限度見本具40は、凸側光学面40aに一体に突設された小玉41と、2個の外観検査基準の領域を表す領域境界線2c、2dと、それぞれ6個からなるブツ見本部3a、3a、3a、4a、4b、4cおよびキズ見本部11a、11a、11a、12a、12b、12cとからなる欠陥限度見本部を有している。なお、40b、40cは、欠陥限度見本具40の凹面側光学面、コバ面、42は遠用部測定基準点、43は近用部測定基準点、44は遠用部頂点屈折力測定点、Gは幾何学中心である。
多焦点レンズの外観検査に用いられる欠陥限度見本具40の場合は、検査基準が異なる領域が、小玉41を基準とした領域も考慮する必要があるため、それに適した領域境界線2c、2dが形成されている。このため、本実施の形態においては、一方の領域境界線2cを遠用部測定基準点42を中心とした直径30mmの円のうち小玉41上にくる部分を除いた円弧からなる突状体によって形成し、他方の領域境界線2dを小玉41上にある近用部測定基準点43を中心とした直径30mmの円のうち前記領域境界線2c内にくる部分を除いた円弧からなる突状体によって形成している。
このように領域境界線2c、2dを形成することにより、小玉の直径が30mm以下の場合の多焦点レンズを外観検査する場合の基準領域の境界は、領域境界線2cと小玉41の外形とで示され、小玉の直径が30mmを超える場合の多焦点レンズを外観検査する場合の基準領域の境界は、領域境界線2cと2dとで示される。そして、小玉41の領域を除く領域境界線2c内にブツ見本部3aとキズ見本部11aを形成し、小玉領域にブツ見本部3aとキズ見本部11aを形成し、小玉41領域と領域境界線2c内を除く領域境界線2d内にブツ見本部3aとキズ見本部11aを形成し、二つの領域境界線2c、2dの領域外にそれぞれ残り3個のブツ見本部4a〜4cおよびキズ見本部12a〜12cを形成している。なお、ブツ見本部3a、3a、3a、4a、4b、4cとキズ見本部11a、11a、11a、12a、12b、12cのサイズは、上記した図1、図2に示した同符号のブツ見本部とキズ見本部のサイズと同じに設定されている。
次に、上記した欠陥限度見本具の製造方法について説明する。
図6は図1に示した欠陥限度見本具1を注型重合成形するために用いられるプラスチックレンズ成形用成形型の断面図である。
同図において、プラスチックレンズ成形用成形型(以下、成形型と略称する)50は、従来周知のもので(例えば、特開2005−161552号公報等)、注型ガスケット51と、この注型ガスケット51に組み込まれる一対のモールド52、53とで構成されている。
前記注型ガスケット51は、合成樹脂(例えば、超低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などポリエチレン系樹脂等の熱可塑性材料)を射出成形によって一体に形成することにより、円筒体51Aと、この円筒体51Aの外周面に一体に突設された注入口部51Bとで構成されている。円筒体51Aは、内周面中央部にリング状の突起部54が一体に突設されている。突起部54は、断面形状が台形状を呈することにより、両端面54a、54bが円筒体51Aの軸線と適宜な角度で交叉する斜面で形成し、一方の端面54aの先端が一方のモールド52の裏面52bの周縁部を支持する支持部を形成している。他方の端面54bの先端は、他方のモールド53の表面53aの周縁部を支持する支持部を形成している。
また、円筒体51Aの周面には、モノマー注入口55が前記注入口部51Bに対応して形成されている。このモノマー注入口55は、筒状体51Aの周方向に長いスリット状に形成されており、筒状体51Aの内部と前記注入口部51Bの内部とを連通させている。
前記注入口部51Bは、欠陥限度見本具1の成形時にプラスチックレンズの原料液である液状のモノマーを筒状体51Aおよびモールド52、53によって形成されたキャビティ60内に注入するための部分で、縦断面形状が台形の漏斗状に形成されている。
前記一対のモールド52、53は、それぞれガラス製のレンズ状の形状をした母型であり、同一の外径を有している。一方のモールド52は、表面52aが緩やかに湾曲する凸面に形成され、裏面52bが同じく緩やかに湾曲する凹面に形成され、表面52aを外側にして前記注型ガスケット51の一方の開口部から嵌着され、前記突起部54に押し付けられる。モールド52の表面52aは、成形面(転写面)として使用されない面であるため、任意の仕上げ面に形成されている。一方、裏面52bは成形しようとする欠陥限度見本具1の光学面1a側の成形面(転写面)を形成している。このため、裏面52bは所定の凹面形状で鏡面仕上げされている。また、この裏面52bには、図1〜図5にしめしたような、領域境界線、欠陥見本部(ブツ見本部、キズ見本部)を転写形成するための境界線形成用溝56と欠陥見本部形成用凹部57(ブツ見本部形成用凹部、キズ見本部形成用凹部)とが形成されている。なお、境界線形成用溝56と欠陥見本部形成用凹部57の形成方法については後述する。
他方のモールド53は、同じく表面53aが凸面に形成され、裏面53bが凹面に形成され、表面53aを内側にして注型ガスケット51の他方の開口部から嵌着され、前記突起部54によって支持されている。モールド53の表面53aは、成形しようとする欠陥限度見本具1の凹面側光学面1bの成形面(転写面)を形成している。このため、表面53aは所定の凹面形状で鏡面仕上げされている。一方、裏面53bは、成形面(転写面)として使用されない面であるため、任意の仕上げ面に形成されている。
図7は、欠陥限度見本具1の製造手順を説明するためのフローチャートである。
欠陥限度見本具1の製造に際しては、先ず図6に示した成形型50を用意する(ステップ100)。次に、一方のモールド52の転写面である裏面52bにロウを塗布する(ステップ101)。これは後述する刻印部腐食処理(フッ酸処理)の際に腐食剤(フッ酸)がモールド52のフッ酸処理すべき部分以外の部分に接触しないようにするためである。ロウの塗布は裏面52bの全体に限らず、図6に示した境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57が形成される箇所とその周辺だけでもよい。なお、ロウとしては、モールド成形面に塗布層を形成できるとともに、フッ酸系水溶液を浸透させないようにできるものであればよく、高級脂肪酸と高級1価アルコールとからなる固形エステル、蜜ろうなどを用いることができる。
次に、ロウが塗布されたモールド52の裏面52bの所定箇所に刻印機によって前記境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57を形成する(ステップ102)。境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57の形成に際しては、成形後の後工程としてコーティング処理を行なう場合は、領域境界線2およびブツ見本部3a〜3fのサイズが変化するため、そのサイズ変化を考慮して境界線形成用溝56と欠陥見本部形成用凹部57のサイズを決定し、刻印形成することが望ましい。使用する刻印機としては、市販のものが使用できる(例えばモディアシステムズ株式会社製のコクインミニミラー 型式:HGM−1)。
刻印機による刻印を前記ロウ塗布工程101により形成されたロウ塗布層の上から行なうことにより、この刻印された箇所だけが凹状に削られるとともにロウも除去される。刻印機による境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57の形成が終了すると、その刻印部をガラス腐食剤で腐食処理(フッ酸処理)する(ステップ103)。腐食剤としては、ガラス表面を溶かして刻印機による切削加工により粗くなっている面を滑らかにすることができるものであればよく、例えばフッ酸系水溶液(フッ酸(例えば、濃度46〜50%の水溶液)、フッ酸および硫酸の混合液など)を使用できる。腐食処理を行なったモールド52は、洗浄して腐食剤と残っているロウを除去する(ステップ104)。
洗浄処理が終了した後、モールド52の裏面52bに形成された境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57が所定の寸法であるか否かを検査し(ステップ105)、検査の結果合格であれば、モールド52、53を注型ガスケット51に嵌め込み、成形型50を組立てる(ステップ106)。図6はこの状態を示す。
次に、成形型50のキャビティ60内にプラスチックレンズの原料液モノマーを注入口部51Bから注入する。そして、モノマーを所定温度で加熱重合して硬化させることにより欠陥限度見本具1を成形する(ステップ107)。加熱重合後、成形型50から欠陥限度見本具1を取り出す(ステップ108)。成形型50によって欠陥限度見本具1を成形すると、モールド52に形成されている境界線形成用溝56および欠陥見本部形成用凹部57は、欠陥限度見本具1の光学面1aに転写されることにより、環状の細い突状体からなる領域境界線2と、微小な点状や線状の突部からなる欠陥見本部(ブツ見本部3a〜3c、4a〜4c、キズ見本部11a〜11c、12a〜12c)となる。
成形後の後工程として、欠陥限度見本具1に、熱硬化タイプのハードコート液を塗布して熱硬化させることにより、ハードコートを形成する(ステップ109)。さらに、その上に反射防止膜を蒸着によって形成する(ステップ110)。なお、ハードコートと反射防止膜の形成は、従来周知であるため、その詳細については説明を省略する。
成形後の欠陥限度見本具1にハードコートを形成しないときは、領域境界線2と欠陥見本部が許容範囲内で形成されているか否かを検査し(ステップ111)、許容範囲内であれば合格と判定してハードコートが施されていない欠陥限度見本具とする。また、ハードコートを形成した後、欠陥限度見本具1として使用するときは、領域境界線2と欠陥見本部が許容範囲内で形成されているか否かを検査し(ステップ113)、許容範囲内であれば合格と判定してハードコート付き欠陥限度見本具とする(ステップ114)。また、ハードコートの上に反射防止膜を形成した後、欠陥限度見本具1として使用するときは、領域境界線2と欠陥見本部が許容範囲内で形成されているか否かを検査し(ステップ115)、許容範囲内であれば合格と判定して反射防止膜付きの欠陥限度見本具とする(ステップ116)。
図8は被検査レンズの外観検査の状態を示す図である。
70が外観検査するレンズの例であり、1が本発明に係る欠陥限度見本具である。この欠陥限度見本具1は、ブツ見本部の位置が異なる以外は、図1に示した欠陥限度見本具と同じである。
外観検査に際しては、レンズ上に生じている欠陥が許容範囲内か許容範囲外かの判断が難しい場合には、被検査レンズ70上の欠陥とと欠陥限度見本具1(10、20、30、50も同様)上の対応する領域にある欠陥限度見本とを見比べて判断する。見比べる方法としては、例えば、被検査レンズ70と欠陥限度見本具1とを並べて配置したり、検査用光源に対して同じ位置に交互に配置したりして目視で比較する。具体的には、被検査レンズ70に生じている欠陥が外観検査基準で定められているどの領域に位置するかを判断し、その領域に属している欠陥限度見本具1の欠陥見本部と比較して判定する。
図8の例でさらに具体的に説明すると、被検査レンズ70に生じているブツ80aは領域境界の内側に位置し、80bは領域境界の外側に位置しているため、ブツ80aは、ブツ見本部3a〜3cと比較し、ブツ80bはブツ見本部4a〜4cと比較する。そして、ブツ80a、80bのいずれか一つでも対応するブツ見本部と同程度か大きい場合に不良品と判定し、いずれのブツ80a、80bも対応するブツ限度見本部より小さければ合格品と判定する。なお、被検査レンズ70には領域境界線2が表示されていないため、ブツ80a、80bが領域境界線2より内側か否か判断しにくいときは、被検査レンズ70を欠陥限度見本具1の上に載置し重ね合わせることにより、ブツ80a、80bが領域境界線2内に位置するか否かを判定すればよい。
被検査レンズ70のキズを検査するときは、図2に示す欠陥限度見本具10を用いて同様に検査し、ブツとキズを同時に検査するときは図3または図4に示す欠陥限度見本具20または30を用いて同様に検査する。さらに、被検査レンズ70が多焦点レンズのときは、図5に示す欠陥限度見本具40を用いて同様に検査する。なお、欠陥限度見本具1、10、20、30は、単焦点レンズの外観検査の他に、累進屈折力レンズの外観検査にも利用できる。この場合は被検査レンズのプリズム測定基準点中心として定められた領域をもとに欠陥の属する領域を判定し、対応する領域に属する欠陥見本部と比較するとよい。
このように、本発明に係る欠陥限度見本具1、10、20、30、40は、領域境界線2または2a、2b、2c、2dを形成するとともに、その領域境界線によって仕切られた領域毎に、異なったサイズのブツ見本部またはキズ見本部、もしくはこれら両方を含む欠陥限度見本部を形成しているので、眼鏡レンズの外観検査時に被検査レンズ70に生じているブツまたはキズの大きさが同じ領域に属するブツ見本部やキズ見本部と比較して大きいか小さいかを判定することにより、合格品か否かを検査することができるため、検査者の違いによる個人差による影響を低減することができる。
また、欠陥限度見本具1、10、20、30、40を、眼鏡レンズのレンズ基材により、眼鏡レンズとと同様のメニスカス状レンズに形成しているので、上述した従来のキズ・ブツ簡易判定プレート等の検査具に比べてブツ見本部やキズ見本部の見え方に違いが生じず、被検査レンズ70の外観検査を的確に行なうことができる。
なお、上記した実施の形態においては、図1〜図3に示した単焦点レンズ用の欠陥限度見本具1、10、20、の製造方法について説明したが、図4〜図5に示した欠陥限度見本具30、40についても上述した製造方法によって同様に製造することができることは明らかであろう。
また、上記した実施の形態においては、欠陥限度見本具1、10、20、30、40の凸面側光学面に、それぞれ欠陥限度見本部(ブツ見本部、キズ見本部)を形成した例について説明したが、これに限らず凹面側光学面に形成されるものであってもよい。この場合は、モールド53の転写面(凸面)に領域境界線形成用溝と、欠陥見本用の溝および/または凹部を形成すればよい。また、凸面側光学面と凹面側光学面の両方に欠陥限度見本部を形成してもよい。この場合は、凸面側と凹面側での欠陥部分の見え方の違いも考慮して比較できるという点で好ましい。なお、片面側の光学面だけに領域境界線と欠陥限度見本部を形成する方が片方のモールドだけの加工で済むという点で好ましい。
また、屈折度数、光学面形状、厚さ、外形状、材質などの異なる欠陥限度見本具を複数種作成し、被検査レンズと同じあるいは近い物を選択して利用するようにするとより見え方を近づけることができるという点で好ましい。なお、図1〜図6、図8に記載した欠陥見本部や外観的欠陥は、説明上、実際の寸法よりかなり誇張して記載している。
(a)、(b)は、本発明をブツ見本が形成された眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびA−A線断面図である。 (a)、(b)は、本発明をキズ見本が形成された欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびB−B線断面図である。 (a)、(b)は、本発明をブツ見本とキズ見本が形成された欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびC−C線断面図である。 (a)、(b)は、本発明をブツ見本とキズ見本が形成されるとともに、2つの領域境界線が形成された欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびD−D線断面図である。 (a)、(b)は、本発明を多焦点レンズの検査に用いられる欠陥限度見本具に適用した一実施の形態を示す正面図およびE−E線断面図である。 プラスチックレンズ成形用成形型の断面図である。 欠陥限度見本具の製造手順を説明するためのフローチャートである。 外観検査の方法を説明するための図である。
符号の説明
1…眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具、2、2a、2b、2c、2d…領域境界線、3a〜3c、4a〜4c…ブツ見本部、10…欠陥限度見本具、11a〜11c、12a〜12c…キズ見本部、20、30、40…欠陥限度見本具、50…成形型、51…注型ガスケット、52、53…モールド、56…境界線形成用溝、57…欠陥見本部形成用凹部、70…被検査レンズ。

Claims (10)

  1. メニスカス状レンズの光学面に外観検査基準の領域を示す領域境界線を表示するとともに、この領域境界線によって仕切られた領域毎に、その領域内における欠陥の限度を示すための異なるサイズの突部からなる欠陥限度見本部を形成したことを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具。
  2. 請求項1記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具において、
    前記欠陥限度見本部がレンズの凸面側光学面に形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具。
  3. 請求項1記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具において、
    前記欠陥限度見本部がレンズの凹面側光学面に形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具において、
    前記欠陥限度見本部が点状の突部からなるブツ見本部であることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具。
  5. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具において、
    前記欠陥限度見本部が突条からなるキズ見本部であることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具。
  6. ガラス製モールドの転写面にロウを塗布する工程と、
    前記ロウが塗布された前記モールドの転写面に、刻印機によって外観検査基準の領域を示す領域境界線を形成するための境界線形成用溝と、この境界線形成用溝によって仕切られた領域毎に、欠陥限度見本部を形成するための異なるサイズの欠陥限度見本部形成用凹部とを形成する工程と、
    前記モールドに形成された前記境界線形成用溝および前記欠陥限度見本部形成用凹部にフッ酸系水溶液を塗布する腐食工程と、
    前記腐食工程後に転写面に残存しているロウとフッ酸系水溶液を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後のモールドを用いて成形型を組立てる成形型組み立て工程と、
    前記成形型にプラスチックレンズの原料液を注入して硬化させる成形工程と、
    前記成形工程後に前記成形型から成形されたレンズを取り出す工程と、
    を備えたことを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法。
  7. 請求項6記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法において、
    前記欠陥限度見本部形成用凹部がブツ見本部を形成するための点状凹部であることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法。
  8. 請求項6記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法において、
    前記欠陥限度見本部形成用凹部がキズ見本部を形成するための溝であることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法。
  9. 請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法において、
    製造された欠陥限度見本具に対して、 その光学面にハードコートを施す工程をさらに備えていることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法。
  10. 請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法において、
    製造された欠陥限度見本具に対して、その光学面に反射防止膜を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする眼鏡レンズ外観検査用欠陥限度見本具の製造方法。
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