JP5003662B2 - 光学レンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、設計値通りの光学特性を持つ光学レンズを効率よく製造することができる光学レンズの製造方法に関するものであり、特に走査光学系に用いるに適した光学レンズの製造方法に関するものである。
レーザプリンタなどの高画質化を図るために、走査光学系における走査レンズとして用いられる光学レンズに対しては、ビームスポット位置の高精度化及びスポット径の均一化の要求があり、これらの要求を満たすようにレンズの設計形状が決定される。一方、低コスト化という別の要求から、光学レンズのプラスチック化が進行している。プラスチック製の光学レンズは、射出成形によってレンズ成形が行われるのが一般的である。しかし射出成形レンズの場合、不均一な収縮等による設計値からの形状誤差や内部歪による屈折率分布の不均一などの原因によって、実際の光学特性値と設計値から算出される光学特性値とのずれ(以後、これを光学エラーと呼ぶ)が発生する。
そこで従来から、光学レンズの設計値に基づいて成形された光学レンズを検査装置に取り付けて実際の焦点ずれ量を測定し、それに基づいて光学レンズの補正を行う予定の面(以後、補正予定面と呼ぶ)についての補正形状を算出し、鏡面駒を補正加工することによって設計に近い光学特性値を持つ光学レンズを製造する方法が提案されている。(特許文献1)。
特開2002−248666号公報
光学エラーは、光学レンズの形状誤差に起因するエラーと、屈折率分布の不均一に起因するエラーと、レンズ厚や偏心等の寸法誤差に起因するエラーとを含む。そして、形状誤差に起因するエラーは、補正予定面の形状誤差によるエラーと、それ以外の面の形状誤差によるエラーとに分けることができる。ここで、補正予定面の形状補正のみによって光学エラーを解消するためには、補正予定面の形状が、補正予定面の形状誤差以外の要因に起因するエラーを打ち消すように補正される必要がある。そのためには、補正予定面の形状誤差に起因するエラーと、補正予定面の形状誤差以外の要因に起因するエラーとが、切り分けられる必要がある。
しかし、特許文献1に記載の方法では、光学エラーの誤差要因は区別されず、補正予定面の形状補正のみによって光学エラーの解消が図られる。即ち、特許文献1に記載の方法では、光学エラーの誤差要因の切り分けができていない。仮に、補正予定面の形状誤差に起因するエラーが存在しなければ、特許文献1に記載の方法でも1度の補正加工で目標とする設計値に収束する。しかし、実際には樹脂の不均一収縮のために、補正予定面の形状誤差に起因するエラーが存在する。そのために、特許文献1に記載の方法では、形状誤差が補正予定面に存在した場合に1度の補正加工では目標とする設計値に収束せず、何回も成形・測定・鏡面駒の補正加工を繰り返さなければ、光学設計値通りの光学特性を持つ光学レンズを得ることができないという問題があった。従って本発明の目的は、設計値通りの光学特性を持つプラスチック製の光学レンズを、従来のような試行錯誤を繰り返すことなく精度よく製造することができる光学レンズの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、光学レンズの設計値に基づいて成形された光学レンズの光学特性を測定する第1工程と、前記成形された光学レンズの少なくとも1つの補正予定面の初期形状を測定する第2工程と、前記第2工程において測定された前記初期形状を含む形状を用いて、光学シミュレーションにより前記初期形状の影響を含む光学特性を算出する第3工程と、第1工程において測定された前記成形された光学レンズの光学特性と、第3工程において算出された前記初期形状の影響を含む光学特性との差から、補正予定面の前記初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量を取得する第4工程と、第4工程において取得した光学特性値のずれ量を前記光学レンズの設計値より算出された設計光学特性に反映させて得られる補正された光学特性を取得する第5工程と、第5工程において取得した前記補正された光学特性に対応する補正面の補正形状を、光学シミュレーションにより算出する第6工程と、第6工程において取得した前記補正形状に基づく鏡面駒の補正量を算出する第7工程と、前記鏡面駒の補正量に基づいて前記鏡面駒を補正加工する第8工程と、前記補正加工された鏡面駒を用いて光学レンズを再度成形する第9工程とからなるからなることを特徴とするものである。
なお請求項2の発明は、請求項1の発明において、第9工程において再度成形された光学レンズの光学特性を再度測定し、測定結果が仕様を満たすまで第1〜第9工程を繰り返すことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記第7工程により算出された前記鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも小さい場合、前記補正予定面を光学レンズの1面とすることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記第7工程により算出された前記鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも大きい場合、前記補正予定面を光学レンズの少なくとも2面とすることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記第2工程における補正予定面を、公差に鈍感な光学機能面に設定することを特徴とするものである。
本発明においては、第2工程において成形された光学レンズの初期形状を測定し、第3工程において、その初期形状の影響を含む光学特性を光学シミュレーションにより取得する。また第4工程においては、第1工程において測定された光学レンズの光学特性と、第3工程において算出された初期形状の影響を含む光学特性との差から、補正予定面の前記初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量を取得する。このように本発明では光学エラーの原因を、補正予定面の初期形状に起因する誤差と、補正予定面以外の形状誤差や屈折率分布の不均一などのその他の要因による誤差とに区別し、その他の要因による光学特性値のずれ量を定量化したうえ、そのずれ量を補正するための補正面の補正形状を、第6工程において光学シミュレーションにより算出している。このように本発明では、補正予定面以外の形状誤差や屈折率分布の不均一などのその他の要因による誤差を定量的に把握し、的確に補正面の補正形状に反映できるので、従来のように何度も試行錯誤を繰り返さなくても、理想的な光学特性を持つプラスチック製の光学レンズを精度よく製造することができる。
なお請求項2のように、再度成形された光学レンズの光学特性を再度測定し、測定結果が仕様を満たすまで第1〜第9工程を繰り返すことにより、光学設計通りの光学特性を持つ光学レンズを得ることができる。
請求項3のように、鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも小さい場合には、補正予定面を光学レンズの1面とすることにより、片側の鏡面駒のみを補正加工すればよく、経済的である。また請求項4のように、鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも大きい場合には、補正予定面を光学レンズの少なくとも2面とすることによって、補正面を1面とした場合に発生する再メッキ塗布の必要がなく、経済的かつ効果的に光学設計通りの光学特性を持つ光学レンズを得ることができる。
さらに請求項5のように、補正予定面を公差に鈍感な光学機能面、すなわち光学レンズの表面形状が変化しても光学特性の変化量が少ない面に設定することにより、鏡面駒の加工精度の誤差が光学特性の誤差に及ぼす影響を小さくすることができる。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の工程を示すフロー図であり、まず光学レンズの光学設計(S1)を行う。この実施形態の光学レンズは、図2に示されるようなレーザプリンタなどの光走査装置における走査光学系に用いられるレンズである。図2の光走査装置において、半導体レーザ等の光源10から出射した光束はコリメータレンズ20を透過して平行光束となり、円筒面レンズ30を透過してポリゴンミラー40の反射面上で線状に集光される。ポリゴンミラー40の回転に応じて反射、偏向された光束は走査光学系50を透過して焦点面60に設置された感光体表面で集光する。次に金型設計(S2)においては、設計値通りの形状が成形できるように金型設計(S2)を行って金型(鏡面駒)を作成する。具体的には、金型(鏡面駒)形状は、樹脂の収縮率が理想的に一様と仮定してレンズの設計値より相似拡大させることにより決定される。次に、作成された金型(鏡面駒)を用いて、実際に光学レンズの射出成形を行う。この成形はイニシャル成形(S3)と呼ばれる。ただし、イニシャル成形ではヒケ、バリ等の成形不良がなく、且つばらつきが少ない安定した成形が前提となる。しかし、前記したように、この段階で得られた光学レンズにはプラスチックの不均一な収縮による初期形状の誤差や、内部歪による屈折率分布の不均一などの原因によって、光学エラーが発生することが多い。
そこで本発明では第1工程は、イニシャル成形された光学レンズを測定装置にセットし、成形された光学レンズの光学特性を測定(S4)する。その測定手法は公知であり、実際にレーザ光線をポリゴンミラーにより走査しながら光学レンズの各部分に照射して、実際の焦点と設計像面とのずれ量を焦点面付近において測定する。図2に示すX軸方向が主走査方向、Y軸方向が副走査方向、Z方向が光軸方向である。以下の説明では主走査方向における光学特性値(主像面湾曲、fθ特性)のずれ量の補正を中心として説明するが、副走査方向(副像面湾曲、走査線曲がり)についても同様である。なお、光学レンズの形状は数1の多項式により表わすことができる。
Figure 0005003662
この第1工程である光学特性の測定(S4)の結果、例えば図3に示すような光学特性値のグラフが得られる。このグラフは横軸が走査軸方向(例えばX軸方向)の焦点面での像高、縦軸が光学特性値である。光学特性値としては例えば主像面湾曲を挙げることができる。図3中にAとして示した曲線が設計形状から算出される光学特性値である。しかしイニシャル成形された光学レンズの測定値はBとして示すように設計形状から算出される光学特性値Aからずれることことが多く、本発明では以下の工程によって光学レンズの補正予定面の表面形状を補正し、設計形状から算出される光学特性値Aに近づけて行く。ここでは補正予定面は光学レンズの片面であるが、後記するように複数面となることもある。また図2に示すように複数の光学レンズを用いた光学系等においては、主走査方向と副走査方向の公差感度が異なることがあり、補正対象である公差に鈍感な面が主走査方向と副走査方向に対しそれぞれ異なる面となる場合、補正面が2面以上になることもある。
次に第2工程は、成形された光学レンズの少なくとも1つの補正予定面の初期形状を測定(S5)する。補正予定面の初期形状の測定方法は例えば図4に示すとおりであり、定盤1上にセットされたレンズ保持台2に光学レンズ3を載せ、測定子4をX軸及びY軸方向に動かしながら補正予定面のZ軸方向の変位を計測する。この図4では接触式の測定子4で光学レンズ3表面の形状を測定しているが、レーザ干渉計等の非接触式の測定器を用いても良い。この第2工程である補正予定面の初期形状の測定(S5)によって、イニシャル成形された光学レンズの補正予定面の初期形状が、光学設計値通りの設計形状からどれだけずれているかが判明する。
本発明では第3工程は、この補正予定面の初期形状の影響を含む光学特性を取得(S6)する。ここで補正予定面の初期形状の影響を含む光学特性とは、補正予定面の形状を光学設計値から実際の形状測定より取得した初期形状に置き換えた光学レンズの光学特性を、光学シミュレーションソフトを用いて演算した結果を意味する。このようなシミュレーションソフトとしては、市販のZEMAX、CODE−Vなどの光学特性算出ソフトを用いることができる。この種のソフトは光学レンズの表面形状から光学特性を算出でき、逆に光学特性から最適化等により表面形状を算出できる機能を備えている。この第3工程である補正予定面の初期形状の影響を含む光学特性の取得(S6)により、図3のグラフ中にCとして示した初期形状の影響を含む光学特性曲線を求めることができる。
このようにして求めた曲線Cは、通常は測定された曲線Bと一致しない。その理由は、測定された曲線Bは補正予定面の初期形状のみならず、補正予定面以外の面の形状誤差、屈折率分布の不均一による誤差など多くの要因によって生じたものであるのに対して、初期形状の影響を含む光学特性曲線Cは補正予定面の初期形状のみを反映しており、その他は光学設計値の通り(誤差なし)として演算された値であるからである。そこで第4工程は、第1工程である光学特性の測定(S4)において測定された光学特性(曲線B)と第3工程である補正予定面の初期形状の影響を含む光学特性の取得(S6)において取得された光学特性(曲線C)との差から、補正予定面の初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量を取得(S7)する。このずれ量を図3中にXで示した。この第4工程である補正予定面の初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量の取得(S7)により、補正予定面の初期形状以外の要因による光学特性値のずれ量を定量的に把握することが可能となる。
次に第5工程は、第4工程である補正予定面の初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量の取得(S7)において取得した光学特性値のずれ量Xを設計形状から算出される光学特性値を示す曲線Aに反映させる。具体的には、設計形状から算出された光学特性値を示す曲線Aから光学特性値のずれ量Xを差引いて曲線Dを得る(S8)。この曲線Dは、設計形状から算出された光学特性値を示す曲線Aを、補正予定面の形状以外の要因による光学特性値のずれ量Xだけシフトさせたものであり、この曲線Dの光学特性値が得られるように補正予定面の形状を補正すれば、補正予定面の初期形状以外の要因による光学特性値のずれも解消されることとなる。すなわち、測定された曲線Bを設計形状から算出された曲線Aと一致させるように設計式の係数を変更して形状補正を行う従来法では、もし補正予定面に誤差が存在した場合にその誤差分を過剰に補正することになり、一度の補正では狙った設計特性には一致せず再び補正が必要となる可能性がある。これに対して、本発明では補正予定面の初期形状を形状測定により求め、その初期形状に起因するエラー量をシミュレーションにより算出しておく。これにより、真に補正すべき量である補正予定面の初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量Xを定量化し、それを反映させた光学特性値(曲線D)を求め、これを補正予定面の狙い値とすることができる。
次に第6工程は、光学特性から表面形状を演算できる機能を備えた前記したシミュレーションソフトを用い、曲線Dの補正された光学特性値が得られるような補正予定面の形状を演算(S9)する。そして第7工程は、補正形状に基づく鏡面駒の補正量を算出(S10)する。第8工程は、その補正量の通り鏡面駒形状を補正(S11)する。さらに第9工程は、補正加工された鏡面駒を用いて光学レンズを再度成形(S12)する。
この光学レンズは、補正予定面の初期形状以外の要因による光学特性値のずれ量Xを考慮して設定された曲線Dを狙い値としたものであり、理論的には曲線Aで示す光学設計通りの光学特性を持つものである。このため得られた光学レンズについて光学特性を再度測定し、測定結果が仕様を満たす場合には本発明の工程を終了する。しかし、例えば補正量が大きい等の理由により、再度成形されたレンズの光学特性値が設計形状から算出される光学特性値Aから大きくずれ、一度の補正で測定結果が仕様を満たさない場合には、仕様を満たすまで上記した第1〜第9工程を繰り返すことにより、光学レンズの光学特性値を設計形状から算出される光学設計値に一致させることができる。なお、補正予定面を公差に鈍感な光学機能面、すなわち光学レンズの表面形状が変化しても光学特性の変化量が少ない面に設定すれば、鏡面駒の加工精度の誤差が光学特性の誤差に及ぼす影響を小さくすることができるので好ましい。
以上に説明した実施形態では、補正予定面が1面であった。しかし光学レンズを成形するための鏡面駒は金型母材の内表面に無電解ニッケルめっき層を形成した構造であり、このめっき層の厚さは例えば150μm程度である。このため補正加工量がこのめっき層の厚さより小さければ、鏡面駒の補正予定面に対応するめっき層を切削することによって鏡面駒の補正が可能であるが、補正加工量がこのめっき層の厚さを超える場合には、そのまま補正加工を行うと金型母材が露出することとなって鏡面を得にくくなり好ましくない。
そこで本発明の他の実施形態においては、図5のフローに示すように、第7工程である補正形状に基づく鏡面駒の補正量の算出(S10)において算出された鏡面駒の補正加工量と鏡面駒のめっき厚とを比較(S20)する。補正加工量がこのめっき層の厚さより小さければ補正予定面を1面とする片面補正(S21)を行い、補正加工量がこのめっき厚より大きければ補正予定面を2面とする両面補正(S22)を行う。これにより算出された補正加工量が鏡面駒のめっき層の厚さを超える場合にも、支障が生じない。なお前述したとおり、複数枚の光学レンズを用いた光学系等においては、2枚以上の光学レンズが補正予定面を有する、即ち補正予定面が2面以上になることもある。例えば、3つの光学素子によって構成される図2に記載の走査光学系50の場合、複数の光学素子が補正予定面を有しても良い。さらに、個々の光学素子が有する補正予定面は片面でも両面でも良い。
以上に説明した工程により光学レンズの特定の軸方向の補正が可能であるが、光学レンズは主走査方向だけではなく副走査方向についても補正を要することがある。そこで以下にこの点について補足する。
曲面モデルの再設計を行う場合には、設計パラメータの再設計を行う。ここで予め設計形状による光学シミュレーションで理想的な主走査像面湾曲、副走査像面湾曲、走査線曲がりを求めておく。先ず主走査像面湾曲の最適化について説明すると、再設計モデルの曲面式を数2で定義する。
Figure 0005003662
そして、設計形状から算出された曲線Aから光学特性値のずれ量Xを差引く(S8)という本発明の第5工程において、前記狙い値として得られる像面湾曲量から、数2で再設計される曲面を使って算出される像面湾曲量を差引いた多項式を作成する。この多項式を目標多項式と呼ぶ。そして光学シミュレーションにより目標多項式の二乗和を評価関数として、この二乗和を最小化するように上記の非球面式中のe0i(i=0,1・・・n)を最適化する。つまり、補正予定面である曲面の係数を変数として他のパラメータは理想状態である(誤差なし)とした設計式で算出された像面湾曲量が、設計形状から算出された曲線Aから光学特性値のずれ量Xを差引く(S8)という本発明の第5工程において、狙い値として得られた像面湾曲量に一致するように曲面の係数を決定することを意味する。ただし、e0iの補正では主像面湾曲と共にfθ特性に関しても補正する。同様に、副走査像面湾曲はe2i(i=0,1・・・n)を最適化し、走査線曲がりはe1i(i=0,1・・・n)を最適化することにより、それぞれの目標多項式からのずれを最小とすることができる。すなわち、主走査像面湾曲とfθ特性の補正は球面項の曲率とe0iを最適化し、走査線曲がりの補正はe1iを最適化し、副像面湾曲の補正はe2iを最適化すればよい。このようにして、本発明の方法によって光学レンズの各特性の補正が可能となる。
本発明の実施形態を示すフロー図である。 レーザプリンタなどの走査光学系の説明図である。 光学特性値のグラフである。 形状誤差の測定方法の説明図である。 本発明の他の実施形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 定盤
2 レンズ保持台
3 光学レンズ
4 測定子
10 光源
20 コリメータレンズ
30 円筒面レンズ
40 ポリゴンミラー
50 走査光学系
60 焦点面

Claims (5)

  1. 光学レンズの設計値に基づいて成形された光学レンズの光学特性を測定する第1工程と、
    前記成形された光学レンズの少なくとも1つの補正予定面の初期形状を測定する第2工程と、
    前記第2工程において測定された前記初期形状を含む形状を用いて、光学シミュレーションにより前記初期形状の影響を含む光学特性を算出する第3工程と、
    第1工程において測定された前記成形された光学レンズの光学特性と、第3工程において算出された前記初期形状の影響を含む光学特性との差から、補正予定面の前記初期形状以外の要因に基づく光学特性値のずれ量を取得する第4工程と、
    第4工程において取得した光学特性値のずれ量を前記光学レンズの設計値より算出された設計光学特性に反映させて得られる補正された光学特性を取得する第5工程と、
    第5工程において取得した前記補正された光学特性に対応する補正面の補正形状を、光学シミュレーションにより算出する第6工程と、
    第6工程において取得した前記補正形状に基づく鏡面駒の補正量を算出する第7工程と、
    前記鏡面駒の補正量に基づいて前記鏡面駒を補正加工する第8工程と、
    前記補正加工された鏡面駒を用いて光学レンズを再度成形する第9工程とからなることを特徴とする光学レンズの製造方法。
  2. 第9工程において再度成形された光学レンズの光学特性を再度測定し、測定結果が仕様を満たすまで第1〜第9工程を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズの製造方法。
  3. 前記第7工程により算出された前記鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも小さい場合、前記補正予定面を光学レンズの1面とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学レンズの製造方法。
  4. 前記第7工程により算出された前記鏡面駒の補正量が鏡面駒のめっき厚よりも大きい場合、前記補正予定面を光学レンズの少なくとも2面とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学レンズの製造方法。
  5. 前記第2工程において、前記少なくとも1つの補正予定面は、公差に鈍感な光学機能面に設定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学レンズの製造方法。
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