JP4655649B2 - Pwm駆動機器の制御装置および制御方法 - Google Patents

Pwm駆動機器の制御装置および制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4655649B2
JP4655649B2 JP2005023514A JP2005023514A JP4655649B2 JP 4655649 B2 JP4655649 B2 JP 4655649B2 JP 2005023514 A JP2005023514 A JP 2005023514A JP 2005023514 A JP2005023514 A JP 2005023514A JP 4655649 B2 JP4655649 B2 JP 4655649B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse width
width modulation
noise
modulation signal
driving device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005023514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006211864A (ja
Inventor
賢太郎 秦
トロンナムチャイ クライソン
泰明 早見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005023514A priority Critical patent/JP4655649B2/ja
Publication of JP2006211864A publication Critical patent/JP2006211864A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4655649B2 publication Critical patent/JP4655649B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Stepping Motors (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、PWM(パルス幅変調)波形で駆動する機器の制御装置において、周辺機器への障害電波となる雑音の輻射を抑制した制御装置に関する。
従来知られている電流制御ステッピングモータの制御法として下記「特許文献1」に開示されたステッピングモータ制御装置がある。このようなステッピングモータにおいては、特許文献1に開示されているように、Hブリッジ構成のスイッチング素子を予め定められたシーケンスにより順次ON/OFF制御することによって、ステッピングモータを正回転または逆回転させることができる構成である。またこの構成では、ステッピングモータの駆動パルスに対してPWM(パルス幅変調)を行うことで平均駆動電流を増減させ、速度制御等を行うことが出来る。
このように電流駆動ステッピングモータをPWM制御により駆動する場合、PWM電流波形の基本周波数およびその高調波周波数のスイッチングノイズが発生し、周辺で動作中のラジオあるいは通信機器の動作に影響を及ぼし、耳障りな雑音あるいは機器の誤動作等が生じる。
このスイッチングノイズ成分抑圧法として、下記「特許文献1」においては、可聴周波数で所定の周波数範囲内を正弦波状に変化するようにPWM電流波形の基本周波数すなわちステッピングモータ駆動用のクロック(キャリア)を周波数変調する方法が開示されている。これにより、PWM制御の基本周波数を含むスペクトル構造が時間的に変化することになり、時間平均としてノイズレベルを低減させている。
特開平7―99795号公報
しかしながら、前記従来技術における、PWM電流波形の基本周波数を正弦波状に周期的に変化させても、条件次第では必ずしもラジオ聴取に対する影響を十分に低減できるわけではない。以下にそれを説明する。
現在、日本国内におけるAM放送は、545kHzから1605kHzの帯域で、各局の放送波の搬送波は9kHzの倍数の周波数である。またその搬送波の±6kHz程度の範囲が側帯波の帯域である。つまり合計12kHz程度が一つの放送局の占有帯域幅となる。
例えば、東京地方で受信可能なニッポン放送は1242kHzを搬送波としており、側帯波を含めた占有帯域幅は1236kHzから1248kHzである。ここでPWM電流波形の基本周波数が248kHzの制御装置について、PWM電流波形の基本周波数(以下、クロック(キャリア)と呼ぶ)及びその高調波周波数成分がノイズとしてラジオ聴取に与える影響を考える。クロック(キャリア)の第5次高調波の周波数は1240kHzであり、これは上記ニッポン放送の側帯波の帯域内に入ることから、受信後の復調出力である音声出力に雑音として混入し、ラジオ聴取に影響を与える。
この場合、前記特許文献1では、クロック(キャリア)の周波数を周期的に変化させて、スペクトル領域でこの雑音性分となる高調波の分布を拡散させることで、高調波スペクトルのレベルを低減する方法を開示している。これにより雑音レベルを低減している。しかしながら、個々のラジオのノイズスペクトルはピーク形状を含めて異なる特性を有しており、かつクロック(キャリア)の上記高調波スペクトルは、ラジオの音声出力に含まれるノイズスペクトラムのプロファイルを示すノイズフロアのスペクトル構造あるいはマスキング領域の構造とは無関係である。このため、ピークレベルを低減させたクロック(キャリア)の高調波スペクトルの広がりがラジオのノイズフロアのマスキング領域のピーク部分と交差するような場合では、上記クロック(キャリア)の高調波の雑音がマスク出来ない部分が残り、残留雑音が聞こえることになる。このようなことから、従来技術においては、ラジオ聴取への影響の問題を必ずしも解決できるわけではないことがわかる。
本発明は、以上のような問題を解決するためのもので、クロック(キャリア)の高調波スペクトルの構造をラジオのノイズフロアに基づくマスキング領域の構造に合わせることでラジオ聴取への影響を低減する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においてはパルス幅変調信号駆動機器周辺で使用するラジオ等の通信機器が有するノイズフロアの構造から得られるマスキング領域を予め設定しておき、クロック(キャリア)の高調波成分の構造に、このマスキング領域の構造を含ませる構成としている。この処理を実現するために、本発明においては上記のマスキング領域を周波数幅の狭い複数の周波数帯域に分割し、この各周波数帯域に関する周波数情報を周波数で、各周波数帯域のそれぞれの周波数におけるマスキング領域のレベルを時間長(パルス幅)で、それぞれ変調した信号をクロック(キャリア)とし、このクロック(キャリア)にパルス幅変調信号駆動機器の動作を制御する信号を変調信号としてさらにパルス幅変調してパルス幅変調信号駆動機器の動作を制御する構成としている。
すなわち、本発明においては、クロック(キャリア)自体にラジオのノイズフロアに基づくマスキング領域構造の特性を予め付与しておき、機器駆動時に発生する放送周波数帯のノイズを効果的に低減するものである。
本発明によれば、パルス幅変調信号駆動機器を駆動するクロック(キャリア)のパルス幅変調信号に起因するノイズスペクトルを、ラジオ等通信機器のノイズフロアのマスキング領域の特性に合わせることができるため、パルス幅変調信号駆動パルスによりラジオから発生する耳障りなノイズを効果的に低減することができる。
以下、本発明による実施の形態について説明する。なお、本発明はステッピングモータ等パルス幅変調(PWM)を用いて駆動する電子制御機器において、基本周波数(キャリア)を周期的に変化させる場合、このPWM波の高調波成分が放射ノイズとして当該電子制御機器近傍に設置されているラジオ等通信機器の受信器へ影響を及ぼし、耳障りなノイズが発生するのを抑制する手段を提供するものである。以下で、マスキング領域とは聴感上の問題で、通信機器等の雑音特性、あるいは周囲騒音により信号音がマスクされ聞こえなくなる背景雑音の強さの周波数特性を指しており、マスキング領域の内部、すなわちマスキング領域を規定する境界の値よりも低いレベルの信号音は独立した信号音として認識されない領域のことである。このマスキング領域は受信時のノイズ発生源であるラジオまたは無線機器を使用する環境条件により決定される。
(実施の形態1)
図1は、本発明による第1の実施の形態によるパルス幅変調信号駆動機器に対する制御装置の構成図である。すなわち、パルス幅変調信号駆動機器1の制御装置は、パルス幅変調信号駆動機器1と、パルス幅変調信号駆動機器1に所定のシーケンスにより駆動電流パルスを流すためのスイッチング素子を有するスイッチ部2と、スイッチ部2の動作を制御する制御装置3と、制御装置3に受信妨害を受けるラジオ7等の通信機器を接続することで、この通信機器の出力に含まれるノイズ情報であるノイズフロアを供給し、パルス幅変調信号駆動機器1の速度等動作を制御するための制御信号を入力する制御信号入力手段8とで構成されている。
ここで、上記の制御装置3は、図1に示すように、ラジオ7のノイズフロアに基づくマスキング領域設定手段6と、これにより得られたマスキング領域に基づいてノイズ補償処理を施すノイズ補償波形生成手段5と、モータの速度指令等PWM駆動機器の制御情報を入力する制御信号入力手段8から入力される信号を変調信号とし、ラジオ7のノイズフロアのマスキング領域で補償処理が行われたノイズ補償波形生成手段5からの出力をクロック(キャリア)すなわち搬送波信号とするパルス幅変調手段4とを有している。
また、図2はラジオ7のノイズフロアと、このノイズフロアを基に設定されたマスキング領域との関係を示すノイズスペクトル分布図である。ノイズフロアの形状はラジオの種類毎に異なる。図2は単一ピークのノイズフロアの場合で、この場合はピークの大きさと使用する周波数帯域(可聴周波数帯域)に伴ってマスキング領域の形状は変化する。本発明においては、PWM波の搬送波となるクロック(キャリア)自体にマスキング領域の情報を含ませておき、このマスキング情報を有する搬送波に所要のデータを変調する方法としている。これにより、ノイズフロアの影響を効果的に相殺し、信号音がラジオ7のノイズフロアによりマスキングされて聴取困難になる問題を解決している。
図3は、ラジオ7におけるノイズフロアのマスキング領域の影響を補償する原理を説明するものである。ラジオ7のノイズフロアのマスキング領域を所定の周波数帯域毎に分割し、それぞれの分割点の周波数をf0,f1,f2,…fnとする。この分割した各周波数帯域の周波数の低い側(ノイズフロアのピークより高い側では周波数の高い側)のマスキング領域のレベル値をA0,A1,A2,…An−1とする。ただし、図3または図4におけるノイズフロアのピークが鋭い形状を有する場合は当該部分のみ分割する周波数帯域幅を狭くする場合がある。
図4(a)は以上のようにして得られたノイズ補償波形生成手段5の出力を示すもので、図3において示した、各周波数とマスキング領域のレベル値との関係を、縦軸を周波数軸、横軸を時間軸として示している。図4(a)は無線機器が使用する可聴周波数帯域全体に渉って分割する時間を1周期Tとし、この1周期分について示している。図4(a)において、周波数情報は各周波数帯域幅に対応した電圧を順次オフセット電圧として付与することで示され、各周波数帯域におけるマスキング領域のレベル値は時間軸上の長さで示されている。この電圧として示されている周波数情報は、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator)等の電圧・周波数変換手段を用いることで図3に示したデータである周波数/マスキング領域レベルの関係を電圧/時間長の関係として表示することが出来る。図4(b)は図4(a)の波形図から得られたノイズ補償波形生成手段5の出力に、制御信号入力手段8から入力された機器制御指令を変調信号としてパルス幅変調を行ったパルス幅変調手段4の出力波形である。
ここで、各周波数帯域内が細かい三角波で周波数走査されているのは、図3で分割された周波数帯域内で,マスキング領域のレベルが急激に変化している部分があるか否かをチェックするためのものである。したがって、波形は三角波に限定するものではなく、他の周期関数の波形でもよいが、以下においては三角波を例に説明する。この三角波はマスキング領域のレベルを示す時間長よりも十分に短い周期、すなわち高い周波数のものである。
図5は図1において、ノイズフロアのマスキング領域の成分をクロック(キャリア)に取り込み、ノイズ補償処理を行うノイズ補償波形生成手段5の構成を示すものである。波形発振器FG1(51)は上記高周波数の三角波を発生する部分で、この三角波の振幅は周波数軸上で分割する周波数帯域幅(f0-f1,f1-f2,…)に対応している。波形発振器FG2(52)は上記の分割した各周波数帯域間の周波数軸上での距離、すなわち図4の周波数軸上(縦軸)でのステップ(f0,f1,f2,…)に対応したオフセット電圧を発生するもので、ラジオ7の可聴周波数帯域の特性で決定される全周波数帯域を一周期Tとして階段波形状に増加する波形である。すなわち、一周期T分の操作を行うことで、ラジオ7等の通信機器が必要とする全周波数帯域に渉って、予め定められた周波数帯域幅によりカバーすることになる。この波形発振器FG2(52)の出力は加算器54において波形発振器FG1(51)の出力(三角波)に加算され、図4(a)に示した分割周波数帯域が階段状に増加する形の波形となる。
また、時間長(横軸)で示される周波数毎のマスキング領域のレベル値(A0,A1,A2,…)は、ラジオ7のノイズフロアのマスキング領域設定手段6からの出力波形により周波数帯域毎の時間長の変化として波形発振器FG2(52)において設定されている。なお、設定されたマスキング領域に例えば鋭いピークが存在する等の急激な変化が生じている場合、その周波数の近傍については分割する帯域幅を狭めてマスキング領域のレベルの検出精度を上げておくことが望ましい。上記設定されたマスキング領域レベルに急激な変化が存在する場合については、波形発振器FG3(53)において、より狭い帯域幅で分割し、各細分された周波数帯域に対してマスキング領域のレベルを求め、これを前記加算器54の出力と共に乗算器55に入力して乗算処理を行い、加算器54の出力である図4(a)の波形の振幅値に変更を加える。
ここで、対象とする周波数帯域内でのマスキング領域に急激な変化が見られない場合は、分割する周波数帯域を部分的に変更する必要はなく、全周波数帯域に渉って分割幅は一定にしておけばよいから波形発振器FG3(53)と乗算器55は不要となる。なお、ここで波形発振器FG2(52)と波形発振器FG3(53)とは分割した周波数帯域の境界部分を揃える必要があり、これは同期手段56により互いに同期がとられる。
以上の処理を行った電圧波形を、例えばVCO等の電圧/周波数変換手段57により振幅一定で周波数変調および時間長に変換されたデータを有する信号をパルス幅変調信号駆動機器1に供給するPWM変調用クロック(キャリア)としてノイズ補償波形生成手段5から出力する。なお、図4(b)は図4(a)の波形から変換されたPWM変調用クロック(キャリア)を制御信号入力手段8から入力したデータによりパルス幅変調したパルス幅変調手段4の出力波形を示している。図4(a)に示した一周期分の長さTはパルス変調されて図4(b)に示す形で、クロック(キャリア)のパルス列内に含まれる。
図6は図4(b)に示した波形の高次高調波が放送周波数帯域に現れる周波数スペクトルを示す図で、ノイズ補償波形生成手段5の出力であるクロック(キャリア)の第5高調波が放送周波数帯に入り、この第5高調波を中心周波数(以下、放送周波数と記述)としてその上下側帯波にパルス幅変調した周波数スペクトルが発生している。図において、Δfは前述の分割した周波数帯域幅(f1−f0,f2−f1,…等)を示しており、各帯域幅内の微細スペクトル構造は図5における波形発振器FG1(51)出力である三角波成分である。図7は図6で示したパルス幅変調信号をラジオ7で受信し復調した時の可聴周波数領域における周波数スペクトルを示している。このスペクトル構造は図2におけるラジオのノイズフロアのマスキング領域の構造と同じ形状であり、これにより効果的に電流制御ステッピングモータから発生するノイズ成分をマスクすることが出来るようになる。
本発明の有効性は以下のようにして説明することが出来る。すなわち、周波数変調信号駆動機器1である例えば電流制御ステッピングモータの駆動パルスから発生する高調波成分をそのままラジオ7で受信すると図8(a)に示すように、クロック(キャリア)周波数が248kHzの場合、その第5次高調波(1240kHz)がニッポン放送の周波数帯域(1236kHz〜124kHz)内の下側帯波部分に入り、これをラジオ7で再生すると図8(b)に示すようにこの高調波はノイズ成分として可聴周波数帯内で再生される。
このため、前記特許文献1においては、電流制御ステッピングモータのクロック(キャリア)の周波数を正弦波状に変動させ、これにより図8(a)で示した第5次高調波のピークをスペクトル領域内で拡散させピークレベルを抑圧する方法を開示している。図9にこの状況を示す。例えば、このクロック(キャリア)を248kHzとし、図9(a)に示すように数秒の周期でf=5kHz,f=20kHzの間を変動する信号で周波数変調したとすると、波形は図9(b)に示すようになる。すなわち、クロック(キャリア)周波数fが変調周波数f〜f間を数秒の周期で緩やかに正弦波状に変動するスペクトル構造となる。この波形のスペクトル構造は図10のようになる。図10(a)において周波数f〜f間の多数の微細スペクトル構造は周波数f〜f間をクロック(キャリア)の周波数が数秒周期で移動する様子を示すものである。放送周波数帯においては図10(a)に示すように、高次高調波周波数fは図9(a)の変動周波数(5〜20kHz)の中心周波数(12.5kHz)の高次高調波成分であり、この中心周波数fとその上下側帯波fLSおよびfUSで挟まれる周波数幅に広がっている。このノイズ分布に放送周波数帯が重畳された形となっており、放送波の周波数帯と、正弦波状に周波数を移動させることによる駆動パルスの高次高調波成分とは相互に関係はなく、クロック(キャリア)の高次高調波成分は分散されることによりレベルは低減されているが前記のマスキング領域のスペクトルの形状とは無関係であるため、部分的にマスクされる周波数領域があっても依然としてマスクされないで残る部分もあることになる。
すなわち、図9で示したスペクトルが分散され高調波成分のレベルが抑えられたパルス波形においては、高次高調波成分がラジオ7のノイズフロアの形状とは関係なく、単なる外来ノイズ成分として重畳されるのみである。この状態の放送波をラジオ7で受信し復調すると、図10(b)に示すラジオ7で再生される可聴周波数帯域内でのスペクトル構造が得られることになる。すなわち、従来の技術によれば、図10(b)に示すように、ラジオ7のノイズフロアのマスキング領域とは関係なく上記スペクトルが拡散され、ノイズレベルが抑圧されたノイズが受信側で再生されるためノイズを抑圧しきれない部分が残り、十分なノイズ抑圧効果が得られなかった。
以上述べたように、従来の技術では電流制御ステッピングモータ駆動装置から発生するパルスによるノイズ成分を所定の周波数間で周波数変調することによるスペクトルの拡散効果で放送波に混入するノイズレベルを抑圧するのみであった。これに対し、本発明においてはラジオ7のノイズフロアによるマスキング効果を考慮したノイズ抑圧法としているため可聴周波数帯域内で効果的にノイズ抑圧を行うことが出来るようになった。
この結果、パルス幅変調信号の制御周波数に起因するノイズをラジオ7のノイズフロアのマスキング領域の形状に近づけることが出来、したがって、上記抑圧しきれない残留ノイズ成分の少ない効果的なノイズ抑圧を行うことが出来、ラジオ7からの耳障りなノイズを低減することが出来る。
(実施の形態2)
図11は本発明による第2の実施の形態を示す制御装置の構成である。図1に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置において、マスキング領域の基準として、ラジオ7のノイズフロアに代わり、室内または車内雑音のノイズスペクトルをノイズフロアとして用いている。したがって、本実施の形態2においては、図1におけるラジオ7の代わりに室内雑音を検出する室内雑音検出手段10と、この検出した室内雑音を基にマスキング領域を設定する室内雑音のマスキング領域設定手段8とを使用したことを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置としている。すなわち、図1はラジオ7自身のノイズフロアのマスキング領域を用いる構成であるが、図11では、室内雑音のマスキング領域を用いる構成である。
以上述べたように、本実施の形態2によれば室内雑音のマスキング領域にパルス幅変調信号駆動機器の駆動パルス、すなわちパルス幅変調信号により発生するノイズを室内雑音のマスキング領域に合わせることが出来るので、パルス幅変調信号に起因する耳障りなノイズを低減することができる。また、室内雑音検出手段10により、所定の時間間隔で時間的に変化する室内または車内雑音のノイズフロアを検出することが可能であり、したがって、このように時間的に変化するノイズ成分に対しても追従して効果的にパルス幅変調信号に起因する耳障りなノイズを低減することができる。
(実施の形態3)
図12は図11における室内雑音のマスキング領域と室内雑音の領域を説明する図で、室内雑音のスペクトルがピークを二つ有している場合である。室内雑音のマスキング領域も、ラジオのノイズフロアの領域と同様に、ピークを持つ場合にはマスキング領域もレベルが大きくなる。
図13は室内雑音および室内雑音のマスキング領域が図11の場合における周波数変調手段6の処理を説明する図である。マスキング領域のピークが図12に示すように複数存在する場合においても、実施の形態1と同じ方法で処理することは可能である。
図14は図4と同様に周波数変調波形生成のプロセスを説明する波形図である。図14(a)は周波数変調波の周波数と時間の関係に関する一周期分の波形であり、図14(b)は図14(a)の波形を図5に示したVCO等の電圧/周波数変換手段57を用いて周波数変調した波形を、パルス幅変調手段4によりパルス幅変調した波形である。
図15は図14(b)の波形の放送周波数帯域における周波数スペクトルを示すスペクトル図で、放送帯域における高次高調波周波数(クロック(キャリア)の第5次高調波周波数)の上下側帯波にパルス幅変調信号を変調した周波数スペクトルが放送周波数帯に発生した場合を示す。この場合もピークが二つあることを除いてスペクトルの微細構造については図6の場合と同様である。
図16は図15のパルス幅変調信号で変調された放送波をラジオ7で受信し、往復した場合の可聴周波数領域におけるスペクトル図を示す。これにより得られているスペクトルは、図12における室内雑音に対して室内雑音設定手段8において設定されたマスキング領域と同様のスペクトル構造を有している。
以上述べたように、本発明はノイズフロアが複数のピークを有している場合でも適用可能であり、パルス幅変調信号に起因するノイズは、室内雑音のマスキング領域と同様となり、ラジオからの耳障りなノイズを低減することが出来る。なお、上記作業を所定の時間間隔で繰り返すことで、時間と共に変化する室内雑音に追従してノイズ補償を行うことが出来るために、ラジオからの耳障りな音を効果的に低減することが出来る。
(実施の形態4)
図17に本発明による第3の実施の形態を示す制御装置の構成を示す。
図11に記載のパルス幅変調信号駆動機器1の制御装置において、室内雑音検出手段9としてマイク11を用いた場合のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置である。マイク11を用いたこと以外は図11と同じである。マイク11を用いたことでラジオ等通信機器による受信時に聴感上障害となる可聴周波数領域の室内雑音を容易に検出することができる。これにより、室内雑音として走行音のみならず室内に漏れてくるエンジン音も含めて複数種類の音源からのノイズに対しても、聴感上障害となるノイズ全てを含むトータルのノイズフロアとして検出することが可能となる。本実施の形態3においても、一定時間間隔で室内雑音の検出と、それに伴うマスキング領域の修正を繰り返すことで、時間と共に変化する室内雑音に追従してラジオからの耳障りなノイズを有効に低減することが出来る。
第1の実施の形態による装置系統図。 ラジオのスペクトルフロアとそれによるマスキング領域の関係を説明するスペクトル分布図。 本発明のマスキング領域によるノイズ補償法の原理説明図。 (a)周波数分割によるノイズ補償法を説明するための波形図、(b)は(a)の波形を周波数変調したパルス幅変調信号用クロック波形図。 ノイズ補償波形生成手段の回路構成図。 図4(a)に示した波形の放送周波数帯域における周波数スペクトル図。 図6の波形を受信し復調後の可聴周波数帯域でのスペクトル図。 (a)ノイズ補償なしの場合の駆動パルスの高調波が放送波帯域に混入する状態を示すスペクトル図、(b)放送波帯域に混入した高調波が復調されて課長周波数帯域に出てくることを示すスペクトル図。 従来公知の高調波ノイズの補償法で、(a)駆動クロックに周波数偏移を与える方法を示す波形図、(b)周波数偏移を与えたクロックの波形図。 従来の方法により周波数偏移を与えた時の放送波帯域でのスペクトル図、(b)ラジオで受信し復調後の可聴周波数帯域でのスペクトル図。 本発明第2の実施の形態による装置構成図。 ピークが二つある場合のノイズフロアとマスキング領域の関係を示すスペクトル図。 2ピークを有するノイズフロアに対する本発明のマスキング領域によるノイズ補償法の原理説明図。 (a)周波数変調波形生成プロセスを説明する波形図、(b)は(a)の波形図から周波数変調波形に変換した時の波形図。 図14(b)の波形の放送波周波数帯域における周波数スペクトル図。 図15の波形を受信し復調後の可聴周波数帯域でのスペクトル図。 室内雑音を集音するためにマイクを用いた場合の制御装置構成図。
符号の説明
1:パルス幅変調信号駆動機器 2:スイッチ部
3:制御装置 4:パルス幅変調手段
5:ノイズ補償波形生成手段
6:ラジオのノイズフロアのマスキング領域設定部
7:ラジオ 8:制御信号入力手段
9:室内雑音のマスキング領域設定手段
10:室内雑音検出手段 11:マイク
51:波形発振器FG1 52:波形発振器FG2
53:波形発振器FG3 54:加算器
55:乗算器 56:同期手段
57:電圧・周波数変換手段

Claims (10)

  1. パルス幅変調信号駆動機器と、
    前記パルス幅変調信号駆動機器に所定の駆動電流を流すためのスイッチング素子を駆動するスイッチ部と、
    前記スイッチ部を制御する制御装置と、
    前記パルス幅変調信号駆動機器の動作を制御する制御信号入力手段と、を有するパルス幅変調信号駆動機器の制御装置において、
    前記制御装置は
    前記パルス幅変調信号駆動機器近傍に設置されている通信機器の音声出力に含まれるノイズ情報に基づいて前記通信機器のノイズフロアのマスキング領域を設定するマスキング領域設定手段と、
    前記ノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性に基づいて、前記パルス幅変調信号駆動装置を駆動するクロックを生成し、該クロックに対してノイズ補償処理を施すノイズ補償波形生成手段と、
    前記ノイズ補償波形生成手段からの信号を前記制御指令入力手段からの信号でパルス幅変調して前記スイッチ部に出力するパルス幅変調手段と、を有することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置。
  2. 請求項1に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置において、
    前記ノイズ補償波形生成手段は、
    前記ノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性における急激な変化を検出するための波形を生成する第1の発振器と、
    前記ノイズフロアのマスキング領域を予め定められた帯域幅に分割するため、周波数帯域毎にオフセット電圧を付加する電圧波形を生成する第2の発振器と、
    前記オフセット電圧を前記第1の発振器出力に加算する加算器と、
    前記加算器出力の電圧値に応じて予め定められた周波数に変換する電圧/周波数変換手段と、を有していることを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置。
  3. 請求項2に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置において、
    前記ノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性に急激な変化が前記マスキング領域設定手段で検出された場合に対しては、当該部分の分割する周波数帯域幅を予め定められた前記帯域幅よりも狭い帯域幅に分割するための信号を発生する第3の発振器と、
    前記加算器出力に前記第3の発振器出力を乗算する乗算器と、
    を前記加算器と前記電圧周波数変換手段との間に挿入する手段と、を備えたことを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置。
  4. 請求項1に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置において、
    前記通信機器のフロアノイズのマスキング領域として室内雑音のマスキング領域を使用し、このための室内雑音のマスキング領域設定手段と、
    前記室内雑音を検出する室内雑音検出手段と、を有することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置。
  5. 請求項4に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御装置おいて、
    前記室内雑音検出手段としてマイクを使用したことを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御装置。
  6. パルス幅変調信号駆動機器と、
    前記パルス幅変調信号駆動機器に所定の駆動電流を流すためのスイッチング素子を駆動するスイッチ部と、
    前記スイッチ部を制御する制御装置と、
    前記パルス幅変調信号駆動機器の動作を制御する制御信号入力手段とを用いたパルス幅変調信号駆動機器の制御方法において、
    前記パルス幅変調信号駆動機器近傍に設置されている通信機器の音声出力に含まれるノイズ情報に基づいてマスキング領域設定手段により前記通信機器のノイズフロアのマスキング領域を設定し、
    ノイズ補償波形生成手段により前記パルス幅変調信号駆動装置を駆動するクロックの生成と、該クロックに対して前記通信機器のノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性に基づいたノイズ補償処理とを行い、
    パルス幅変調手段において、前記ノイズ補償処理が行われたクロックを前記制御信号入力手段からの制御信号でパルス幅変調し、
    前記パルス幅変調されたクロックを前記スイッチ部に送出することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御方法。
  7. 請求項6に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御方法において、
    第1の発振器により前記ノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性における急激な変化部分を検出するための波形を生成し、
    第2の発振器により前記のいずフロアのマスキング領域を予め定められた帯域幅に分割し、かつ該分割した境界の周波数におけるマスキング領域のレベルを設定する波形を生成し、
    加算器により前記第2の発振器出力と、前記第1の発振器出力とを加算し、
    電圧/周波数変換手段により前記加算器出力の電圧値に応じて予め定められた周波数に変換することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御方法。
  8. 請求項7に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御方法において、
    前記ノイズフロアのマスキング領域のスペクトル特性を前記予め定められた帯域幅とは一部分異なる帯域幅で分割する必要が生じた場合、第3の発振器により新たな帯域幅に対応する信号を発生し、
    前記加算器と前記電圧周波数変換手段との間に乗算器を挿入し、該乗算器により前記加算器出力に前記第3の発振器出力を乗算することにより一部分前記異なる周波数帯域に変換することを必要に応じて実行することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御方法。
  9. 請求項6に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御方法において、
    前記通信機器の音声出力に含まれるノイズ情報として室内雑音を用い、
    室内雑音検出手段により前記室内雑音を検出し、
    前記検出された室内雑音のマスキング領域をマスキング領域設定手段により設定することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御方法。
  10. 請求項9に記載のパルス幅変調信号駆動機器の制御方法において、
    マイクを使用して前記室内雑音を検出することを特徴とするパルス幅変調信号駆動機器の制御方法。
JP2005023514A 2005-01-31 2005-01-31 Pwm駆動機器の制御装置および制御方法 Expired - Fee Related JP4655649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023514A JP4655649B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 Pwm駆動機器の制御装置および制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023514A JP4655649B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 Pwm駆動機器の制御装置および制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006211864A JP2006211864A (ja) 2006-08-10
JP4655649B2 true JP4655649B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=36968085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005023514A Expired - Fee Related JP4655649B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 Pwm駆動機器の制御装置および制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4655649B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014090584A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Denso Corp 車両用モータコントローラ
JP5645979B2 (ja) * 2013-01-25 2014-12-24 三菱電機株式会社 デジタル制御電源装置およびデジタル制御演算方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0799795A (ja) * 1993-09-28 1995-04-11 Fujitsu Ten Ltd ステッピングモータ制御装置
JPH1168594A (ja) * 1997-08-08 1999-03-09 Honda Motor Co Ltd 車両の電子制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0799795A (ja) * 1993-09-28 1995-04-11 Fujitsu Ten Ltd ステッピングモータ制御装置
JPH1168594A (ja) * 1997-08-08 1999-03-09 Honda Motor Co Ltd 車両の電子制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006211864A (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8155164B2 (en) Spread frequency spectrum waveform generating circuit
US7109789B2 (en) Modulator—amplifier
US10805721B2 (en) Apparatus and method for preventing recording of electronic devices
JP4677764B2 (ja) パルス幅変調信号駆動機器の制御装置
US20060221654A1 (en) Switching device and related operating method
JP5113293B2 (ja) ボリューム制御に応答して電力消費量を制御するシステムおよび方法
RU193698U1 (ru) Формирователь шумового сигнала
JPH0785524B2 (ja) パルス幅変調増幅回路
US8098835B2 (en) Method and apparatus to enhance low frequency component of audio signal by calculating fundamental frequency of audio signal
EP1543495B1 (en) Masking an objectionable audio artifact in a mobile telephone
JP4655649B2 (ja) Pwm駆動機器の制御装置および制御方法
JP2004120078A (ja) 車載用電子機器
JP5205709B2 (ja) 電力変換装置の制御装置および制御方法
US8134420B2 (en) Communication apparatus and signal processing method thereof
JP4535758B2 (ja) 超指向性スピーカ用変調器
JP4543042B2 (ja) 信号形成回路、信号形成方法及び電子機器
JP5927545B2 (ja) 増幅器および増幅器を備えた音響装置
JP2008236198A (ja) 超指向性スピーカ用変調器
KR100599528B1 (ko) 디지털 앰프의 톱니파 주파수 변환장치
JP2008154135A (ja) D級増幅装置
JP2006340333A (ja) スペクトラム拡散クロック発生方法およびスペクトラム拡散クロック発生装置
KR100841401B1 (ko) Am,fm,fm 스테레오 통합 변조 장치 및 방법
WO2007023528A1 (ja) 信号形成回路、信号形成方法及び電子機器
RU2474956C1 (ru) Способ и устройство шумопонижения звуковых сигналов
JPH11274863A (ja) スイッチング増幅器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071221

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101013

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4655649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees