JP4654985B2 - 車両用シートのヘッドレスト - Google Patents

車両用シートのヘッドレスト Download PDF

Info

Publication number
JP4654985B2
JP4654985B2 JP2006165915A JP2006165915A JP4654985B2 JP 4654985 B2 JP4654985 B2 JP 4654985B2 JP 2006165915 A JP2006165915 A JP 2006165915A JP 2006165915 A JP2006165915 A JP 2006165915A JP 4654985 B2 JP4654985 B2 JP 4654985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
headrest
links
state
support portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006165915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007331576A (ja
Inventor
武史 西浦
篤樹 佐々木
義久 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2006165915A priority Critical patent/JP4654985B2/ja
Publication of JP2007331576A publication Critical patent/JP2007331576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4654985B2 publication Critical patent/JP4654985B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用シートのヘッドレストに関する。詳しくは、車両の衝突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止める支承部をヘッドレスト基部に対して相対移動させることのできる移動手段を備えた車両用シートのヘッドレストに関する。
従来、自動車の座席用シートには、車両の後面衝突の発生時にヘッドレストを瞬時に前方移動させて乗員の頭部をサポートすることのできるアクティブヘッドレストが採用されているものがある。例えば、下記特許文献1には、4節リンク機構の動きを利用して、ヘッドレストの頭受部となる支承部を前方移動させる技術が開示されている。この開示では、シートバックに組み付けられて固定されるヘッドレスト基部と支承部との間に4節リンク機構が設けられている。そして、この4節リンク機構のヘッドレスト基部側に固定される固定リンクと他の可動リンクとの間には、ばね部材が設定されている。これにより、4節リンク機構は、常時は支承部を前方移動させる回動方向に附勢を受けている。ここで、4節リンク機構は、車両衝突が発生する前の常時は、支承部をヘッドレスト基部側に引き込んだ初期位置の姿勢状態に保持されている。そして、車両衝突が発生することにより、この保持状態が解除されて支承部が前方に附勢移動するようになっている。
また、4節リンク機構は、支承部を前方に移動させた姿勢状態では、ストッパ構造やラッチの噛合構造によって、その姿勢状態で保持されるようになっている。詳しくは、4節リンク機構は、支承部を前方移動させることにより、可動リンクがストッパと当接し、その進行方向への移動が規制されるようになっている。そして、この規制と共に、可動リンクと一体に設けられたラッチ構造が他の構成部材と噛合するようになっている。これにより、支承部の後退方向への移動が規制される。したがって、支承部を前方移動させた姿勢状態では、衝突の勢いによって頭部が後傾してきても、支承部がこれに押し戻されることなくその位置で頭部を受け止められるようになる。これにより、頭部の過度な後傾を防ぐことができ、頸部にかかる負荷を軽減することができる。
特開2002−142910号公報
しかし、上記従来の開示技術では、支承部を前方移動させた姿勢位置に保持するために、ストッパ構造やラッチの噛合構造を用いた複数の係合構造が必要となる。したがって、かかる部品点数や製造コストが増大するという問題があった。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、アクティブヘッドレストの支承部を前方移動させた姿勢位置に保持することのできる係合構造を簡略化することにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートのヘッドレストは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、車両の衝突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止める支承部をヘッドレスト基部に対して相対移動させることのできる移動手段を備えた車両用シートのヘッドレストである。移動手段は、支承部とヘッドレスト基部との間に設けられたリンク機構と、リンク機構に対して配設され、車両の衝突時に支承部を衝突対応位置に向けて移動させる駆動装置と、を有する。リンク機構は、支承部側に固定された可動リンクとヘッドレスト基部側に固定された固定リンクとが、互いに離間して配置された下方位置の第1リンクと上方位置の第2リンクによりそれぞれリンク連結されて構成されている。リンク機構における第1リンクと可動リンクとの連結は可動リンクの長手方向に沿って相対移動可能に連結されており、相対移動可能な範囲は固定リンクに対する第1及び第2リンクの連結位置間の間隔幅に対して可動リンクに対する第1及び第2リンクの連結位置間の間隔幅が広くなったり狭くなったりすることのできる相対移動範囲として構成されている。更に、第1と第2リンクとが同期して互いに反対方向に回動可能となるリンク連結状態として第3リンクが第1と第2リンクに対して配設されている。車両の衝突時に、駆動装置によってヘッドレストの支承部の位置がヘッドレスト基部に対する通常時の初期位置よりも相対的に前方かつ上方に移動した衝突対応位置では、第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態から広い状態に移行して、移行した端部の連結位置においてヘッドレストの支承部が受ける荷重を受け止める。
この第1の発明によれば、リンク機構は、車両の衝突時には、駆動装置によって一の作動方向(進行方向)に回動する。これにより、支承部がヘッドレスト基部に対して相対的に前方かつ上方に移動して、衝突対応位置の状態となる。この支承部が衝突対応位置まで移動した状態では、第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が、固定リンクに対する間隔幅よりも狭い状態から広い状態に移行した状態となる。この状態では、支承部にかかる乗員の頭部を受け止める受止荷重は、その移行した第1リンクと可動リンクとの端部の連結位置において受け止められる。これにより、上記受止荷重は、リンク機構に対し、第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅を広げる方向に回動させる押圧力として作用する。したがって、支承部は、乗員の頭部を受け止める受止荷重によっては押し戻されない状態として保持される。
更に、第2の発明は、上述した第1の発明において、第1及び第2リンクに対して両リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態から広い状態とすることのできる互いに反対方向に回動する回動力を附勢する附勢部材と、附勢部材の附勢に抗してリンク機構を支承部の初期位置状態である第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態で保持することのできる保持装置と、を有する。車両の衝突時には、保持装置による第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態の保持状態が解除されて附勢部材により広い状態に移行する。
この第2の発明によれば、車両の衝突時には、保持装置による保持状態が解除されることにより、リンク機構は、附勢部材の附勢によって進行方向に回動する。
更に、第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、第1リンクが可動リンクの長手方向に沿って相対移動可能となる連結は、可動リンクに長手方向に穿設された長孔と、長孔に係合して摺動移動する第1リンクに設けられた連結ピンとからなっている。
この第3の発明によれば、車両の衝突時におけるリンク機構の進行方向への回動は、第1リンクに設けられた連結ピンと可動リンクに穿設された長孔の他端との当接によって規制される。この状態では、支承部にかかる乗員の頭部を受け止める受止荷重は、第1リンクに設けられた連結ピンと長孔の他端との当接によって規制されている摺動方向に回動させる押圧力として作用する。
更に、第4の発明は、上述した第1から第3の発明において、リンク機構の第1リンク及び第2リンクは、支承部が衝突対応位置となる状態では、互いに前方に向けてハの字状に広がった姿勢状態となる。
この第4の発明によれば、支承部にかかる乗員の頭部を受け止める受止荷重は、リンク機構に対し、第1リンク及び第2リンクの成すハの字の姿勢を更に広げる方向の押圧力として作用する。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、第1リンクを可動リンクとの連結端部に当接させることにより、リンク機構の進行方向への回動を規制することができると共に、衝突対応位置にある支承部が乗員の頭部に押し戻されないように規制することができる。このように、アクティブヘッドレストの支承部を前方移動させた姿勢位置に保持することのできる係合構造を簡略化して構成することができる。
更に、第2の発明によれば、附勢部材の附勢によって、リンク機構の進行方向への回動を弾みをつけて敏速に行うことができる。
更に、第3の発明によれば、長孔と連結ピンとの係合構造により、支承部が乗員の頭部に押し戻されないように規制する構成を比較的簡単に具現化することができる。
更に、第4の発明によれば、第1及び第2リンクがハの字状に広がる構成としたことにより、衝突対応位置にある支承部が乗員の頭部に押し戻されないように規制することのできる構成を比較的簡単に具現化することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートのヘッドレストについて図1〜図7を用いて説明する。図1はヘッドレスト3の概略構成を側面視によって表した構成図である。図2はヘッドレスト3及びシートバック2の骨格構造を背面側から見た斜視図である。図3はリンク機構10の初期の姿勢状態を表した斜視図である。図4はリンク機構10の回動後の姿勢状態を表した斜視図である。図5はリンク機構10の回動前後の動きを側面視によって表した構成図である。図6は加圧板21の移動前後の動きを前面側から見た斜視図である。図7は図6の側面図である。
ここで、図2〜図7では、本実施例の構成を分かり易く表すために、ヘッドレスト3やシートバック2の表皮構造を省略し内部の骨組み構造のみを表している。したがって、以下の説明において、ヘッドレスト3やシートバック2の表皮構造について述べる場合には、適宜図1を参照するものとする。
本実施例のヘッドレスト3は、図1に示されるように、車両用シート1の一部を構成しており、シート1に着座した乗員の頭部を後方側から支持するようになっている。このヘッドレスト3は、シートバック2の上部に設置されており、常時はこの設置された姿勢状態を維持するようになっている。しかし、このヘッドレスト3は、車両の後面衝突発生時には、乗員の頭部を受け止める支承部3aを瞬時に前進移動させられるようになっている。これにより、車両の後面衝突発生時において、シートバック2やヘッドレスト3から体を前方に浮かした着座姿勢となっている乗員に対し、支承部3aだけを単独で後頭部の直ぐ後ろまで接近移動させることができる。したがって、後面衝突の発生時には、頭部がその勢いによって後傾し過ぎないようにサポートすることができ、頸部にかかる負荷を軽減することができる。
ここで、上記した支承部3aの前進移動は、ヘッドレスト3の内部に組み込まれたリンク機構10の回動に伴って行われる。このリンク機構10は、支承部3aとヘッドレスト3の支柱であるステー3b,3bとの間に設けられている。ここで、ステー3b,3bは、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fのアッパフレームFuに固定されたサポート2s,2sにそれぞれ差し込まれている。これにより、ヘッドレスト3がシートバック2の上部に設置された状態として保持されている。
そして、リンク機構10は、常時は、図5の実線で示されている姿勢状態に保持されており、支承部3a(図1参照)を初期位置の状態に保持している。そして、リンク機構10は、車両の後面衝突の発生によって上記の保持状態が解除されることにより、附勢によって支承部3aを前進移動させる方向(矢印で示されている進行方向)に回動する。これにより、リンク機構10は、同図の仮想線で示されるように、支承部3aを、ステー3b,3bに対する通常時の初期位置の状態(実線状態)から相対的に前方かつ上方に移動させる。ここで、リンク機構10の進行方向への附勢回動は、仮想線で示されている状態位置で規制されるようになっている。そして、これにより、支承部3aを頭部の直ぐ後ろの衝突対応位置に接近移動させた状態として保持することができる。ここで、リンク機構10の初期の姿勢状態は図3において斜視図で表されており、回動後の姿勢状態は図4において斜視図で表されている。
ところで、上記したリンク機構10の保持状態を解除する操作は、図2に示されている解除操作機構20の作動によって行われる。この解除操作機構20は、シートバック2の内部に配設されている。そして、この解除操作機構20は、リンク機構10を初期位置の状態に掛合によって保持することのできるフック30と連結されている。ここで、フック30が本発明の保持装置に相当する。
上記の解除操作機構20は、車両の後面衝突の発生により、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かろうとする背凭れ荷重を受けて後方側に押し動かされる構造となっている。そして、解除操作機構20は、この押動によって、フック30を操作し、フック30とリンク機構10との係合状態を解除させるようになっている。
以下、リンク機構10や解除操作機構20等の各構成について詳しく説明する。
先ず、リンク機構10について説明する。
すなわち、リンク機構10は、図4に示されるように、可動ブラケット11、支持ブラケット12、第1リンク13,13、第2リンク14,14及び第3リンク15,15を有する。これら第1リンク13,13、第2リンク14,14及び第3リンク15,15は、左右一対で構成されており、各リンクの回動が同期して行われるようにリンク連結されている。ここで、可動ブラケット11が本発明の可動リンクに相当し、支持ブラケット12が本発明の固定リンク及びヘッドレスト基部に相当する。
詳しくは、可動ブラケット11は、枠状に形成されており、その幅長方向の両側部が後方側に張り出した形状となっている。この可動ブラケット11は、図1を参照して、支承部3aと一体に固定されている。そして、この可動ブラケット11の後方側に張り出した部位の下半領域には、紙面内上下方向に延びる長孔11a,11aが形成されている。
次いで、図4に戻って、支持ブラケット12は、枠状に形成されており、その幅長方向両側の下端部がステー3b,3bとそれぞれ一体的に固定されている。
次いで、第1リンク13,13は、それらの中程の部位が、連結ピン10a,10aによって、支持ブラケット12の高さ方向の中程の部位にそれぞれリンク連結されている。そして、第1リンク13,13は、それらの前端側の部位が、これらに設けられた連結ピン10b,10bによって、可動ブラケット11に形成された長孔11a,11aにそれぞれスライド移動自在に嵌め込まれた状態として連結されている。そして、第1リンク13,13は、それらの後端側の部位同士が長尺棒状の連結軸10eによって連結されており、左右の動きが同期して行われるようになっている。
次いで、第2リンク14,14は、それらの中程の部位が、連結ピン10c,10cによって、支持ブラケット12の上端側の部位にそれぞれリンク連結されている。そして、第2リンク14,14は、それらの前端側の部位が、連結ピン10d,10dによって、可動ブラケット11の上端側の部位にそれぞれリンク連結されている。そして、第2リンク14,14は、それらの後端側の部位同士が長尺棒状の連結軸10fによって連結されており、左右の動きが同期して行われるようになっている。
次いで、第3リンク15,15は、それらの紙面内下側の端部が前述した連結軸10eの両端部にそれぞれリンク連結されており、紙面内上側の端部が連結ピン10d,10dにそれぞれリンク連結されている。これにより、第3リンク15,15は、第1リンク13,13と第2リンク14,14とをそれぞれリンク連結して、これらの回動する動きを双方に同期させている。
そして、前述した連結軸10eと連結軸10fとの間には、2個の引張ばねSa,Saが掛けられている。ここで、引張ばねSa,Saが本発明の附勢部材に相当する。これら引張ばねSa,Saは、両連結軸10e,10fを互いに引き寄せる方向に附勢しており、リンク機構10を進行の回動方向に附勢している。ここで、リンク機構10の進行の回動方向とは、図5で見て、第1リンク13,13が連結ピン10a,10aを中心として反時計回りに回動する方向のことである。
しかし、リンク機構10は、車両の後面衝突発生前の常時は、支持ブラケット12に軸支されたフック30によって掛合されており、図5の実線で示された初期位置の状態に保持されている。詳しくは、図3に良く示されるように、リンク機構10は、上記引張ばねSa,Saの附勢に抗して連結軸10eがフック30に掛合されることにより、その附勢方向への回動が規制されている。このリンク機構10が初期位置の姿勢状態のときには、連結ピン10b,10bはそれぞれ長孔11a,11aの紙面内上端側の部位に位置している。そして、このとき、第1リンク13,13及び第2リンク14,14の可動ブラケット11に対する連結ピン10b,10d間の高さ方向の間隔幅は、支持ブラケット12に対する連結ピン10a,10c間の高さ方向の間隔幅よりも狭い状態となっている。
ところで、フック30には、後述するケーブル部材24のインナーケーブル24aの上端が掛着されている。これにより、フック30は、インナーケーブル24aが紙面内下方向に牽引操作されることにより、紙面内反時計回り方向に回動し、連結軸10eとの掛合状態から外されるようになっている。
したがって、リンク機構10は、上記フック30と連結軸10eとの掛合状態が外れることにより、引張ばねSa,Saの附勢によって進行方向に回動する。具体的には、図5に示されるように、第1リンク13,13は、連結ピン10b,10bを長孔11a,11aの内部を紙面内下方向にスライド移動させながら回動する。そして、この第1リンク13,13の回動する動きが、第3リンク15,15を介して第2リンク14,14に伝えられ、第2リンク14,14がこれに同期して回動する。そして、これらの回動により、可動ブラケット11は、支持ブラケット12に対する通常時の初期位置に対して、相対的に前方かつ上方に向けて移動していく。
そして、図5の仮想線で示されるように、上記の進行方向への回動は、連結ピン10a,10aが長孔11a,11aの紙面内下端側の部位と当接することによって係止される。これにより、リンク機構10は、支承部3aを衝突対応位置まで移動させた状態として、その進行方向への回動が規制された状態として保持される。これにより、リンク機構10は、第1リンク13,13及び第2リンク14,14が、各々の支持ブラケット12に対する連結ピン10a,10a,10c,10cに対して、互いに前方に向けてハの字状に広がった姿勢状態となる。すなわち、第1リンク13,13及び第2リンク14,14の可動ブラケット11に対する連結ピン10b,10d間の高さ方向の間隔幅が、支持ブラケット12に対する連結ピン10a,10c間の高さ方向の間隔幅よりも広い状態となる。これにより、第1リンク13,13は、支承部3aによって乗員の頭部を受け止める受止荷重を、連結ピン10a,10aと長孔11a,11aの下端側の部位との当接によって規制されている進行方向に回動させる押圧力として作用させる姿勢状態となる。すなわち、リンク機構10が回動しない姿勢状態となっている。
したがって、車両の後面衝突の発生時には、支承部3aに後傾に伴う乗員の頭部を受け止める受止荷重が作用しても、支承部3aは、進行方向とは逆方向(矢印の逆方向)に押し戻されない状態として保持される。
次に、解除操作機構20について説明する。
すなわち、解除操作機構20は、図6に示されるように、加圧板21と、軸支部材22と、腕部材23と、ケーブル部材24と、を有する。これら各部材は、シートバック2の形状内部に配設されている。詳しくは、各部材は、図7に示されるように、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fのサイドフレームFs,Fsの前後幅に収まるように配設されている。なお、ケーブル部材24については、その下端側はシートバック2の形状内部に配設されているが、上端側は、図2に示された紙面内左側のステー3bの内部に挿し通されることによってヘッドレスト3の形状内部に配設されている。ここで、紙面内左側のステー3bは、管状に形成されている。
詳しくは、加圧板21は、図6に示されるように、その上側と下側の縁部がシートバック2の後方側に反り返った湾曲形状に形成されている。この加圧板21は、その後方下側の位置で、サイドフレームFs,Fsに対して軸回動可能に連結された軸支部材22と一体に固定されている。詳しくは、軸支部材22は、両サイドフレームFs,Fs間に掛け渡されて固定された補強部材Rfに対し、これに更に固定して設けられた軸支ブラケットRb,Rbによって軸回動可能に連結されている。これにより、加圧板21は、シートバック2に対して、その形状内部で前後方向に押引動可能な状態とされている。この加圧板21は、常時は図6や図7の実線で示されている前側の姿勢位置に保持されている。そして、車両の後面衝突の発生により、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かろうとする背凭れ荷重を受けることにより、同図の仮想線で示されるように後方側に押し動かされる。
次に、腕部材23は、図7に示されるように、軸支部材22と一体に固定されており、加圧板21や軸支部材22と回動を共にするようになっている。詳しくは、腕部材23は、軸支部材22の前方に向けて腕を延び出す形状に形成されている。これにより、加圧板21、軸支部材22及び腕部材23の一体構成より成る全体形状が、折曲点である軸支部材22を回動中心としたL字フレーム状に形成されている。この腕部材23には、ケーブル部材24のアウターケーブル24bの下端が一体に固定されている。
ここで、ケーブル部材24は、可撓性を有するが比較的剛性の高い管状のアウターケーブル24bの内部に可撓性を有したインナーケーブル24aが挿し通された構成となっている。そして、アウターケーブル24bの下端は、上述したように腕部材23に固定されており、インナーケーブル24aの下端は、図6に示されるように、バックフレーム2fと一体に固定されている。また、アウターケーブル24bの上端は、図3に示されるように、ヘッドレスト3のステー3bと一体に固定されており、インナーケーブル24aの上端は、フック30と一体に固定されている。
したがって、図7に戻って、ケーブル部材24は、加圧板21が後方側に押し動かされる動作によって牽引操作される。すなわち、加圧板21が後方側に押し動かされると、腕部材23によってアウターケーブル24bの下端が上方側に持ち上げられる。これにより、内部に挿通されているインナーケーブル24aの下端側が相対的に引き出されるかたちとなり、上端側のインナーケーブル24aのアウターケーブル24bに対する引き出し長さが短くなる。すなわち、上端側のインナーケーブル24aが牽引される。そして、図5に示されるように、上端側のインナーケーブル24aが牽引されることにより、フック30が紙面内反時計回り方向に回されて、連結軸10eとの掛合状態から外される。
次に、本実施例の使用方法について説明する。
すなわち、図1の仮想線に示されるように、ヘッドレスト3の通常時の初期状態では、支承部3aが初期位置の状態で保持されている。そして、図6を参照して、車両の後面衝突が発生すると、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かり、加圧板21が後方側に押し動かされる。これにより、図5に示されるように、ケーブル部材24が牽引操作され、フック30によるリンク機構10の保持状態が解除される。そして、これにより、リンク機構10は、引張ばねSa,Saの附勢によって、連結ピン10a,10aが長孔11a,11aの下端と当接する位置まで進行方向(矢印方向)に回動する。これにより、同図の仮想線で示されるように、支承部3aが初期位置の状態(実線状態)から前方かつ上方に移動した衝突対応位置の状態となり、同位置で頭部が後傾してくるのを待ち受ける状態となる。そして、図1に戻って、支承部3aが衝突対応位置(実線位置)まで移動したことにより、支承部3aにかかる頭部の後傾に伴う受止荷重は、リンク機構10を、上記連結ピン10a,10aと長孔11a,11aの下端との当接によって規制されている進行方向に回動させる押圧力として作用する。したがって、支承部3aは、上記の受止荷重を受けても進行方向とは逆方向に押し戻されることはなく、乗員の頭部を衝突対応位置で受け止める。
このように、本実施例の車両用シートのヘッドレストによれば、可動ブラケット11(可動リンク)に形成された長孔11a,11aの下端部に第1リンク13,13の連結ピン10a,10aを当接させることによって、リンク機構10の一の作動方向(進行方向)への回動を規制することができると共に、衝突対応位置にある支承部3aが乗員の頭部に押し戻されないように規制することができる。これにより、ヘッドレスト3(アクティブヘッドレスト)の支承部3aを前方移動させた姿勢位置に保持することのできる係合構造を簡略化して構成することができる。
更に、引張ばねSa,Saの附勢によって、リンク機構10の進行方向への回動を弾みをつけて敏速に行うことができる。
更に、第1リンク13,13及び第2リンク14,14がハの字状に広がる構成としたことにより、衝突対応位置にある支承部3aが乗員の頭部に押し戻されないように規制することのできる構成を比較的簡単に具現化することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例について説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、リンク機構は、加圧板によって牽引操作されるケーブル部材によって、直接、進行方向に回動操作される構成であってもよい。このようなケーブル部材によってリンク機構を直接回動操作する構成は、特開2005−104259号公報等の文献に開示されている。また、ケーブル部材に替えて、リンク機構を採用しても良い。但し、この場合には、構成が複雑となるおそれがある。
また、リンク機構は、上下に反対向きの構成となっていてもよい。但し、この場合には、リンク機構の進行方向への回動に伴って、支承部が前方かつ下方に移動する構成となる。
また、リンク機構は、第1リンクが可動ブラケットに形成された長孔の下端と当接した状態では、第1リンク及び第2リンクが互いに前方に向けてハの字状に広がる姿勢状態となるものを示した。しかし、リンク機構の姿勢状態は、支承部によって乗員の頭部を受け止める受止荷重がリンク機構を更に進行方向に回動させる押圧力として作用する姿勢状態となっていればよく、特に限定されるものではない。例えば、第2リンクが前方に向けて下傾した姿勢状態となっていてもよい。
ヘッドレストの概略構成を側面視によって表した構成図である。 ヘッドレスト及びシートバックの骨格構造を背面側から見た斜視図である。 リンク機構の初期の姿勢状態を表した斜視図である。 リンク機構の回動後の姿勢状態を表した斜視図である。 リンク機構の回動前後の動きを側面視によって表した構成図である。 加圧板の移動前後の動きを前面側から見た斜視図である。 図6の側面図である。
符号の説明
1 シート
2 シートバック
2f バックフレーム
2s サポート
3 ヘッドレスト
3a 支承部
3b ステー
10 リンク機構
10a〜10d 連結ピン
10e,10f 連結軸
11 可動ブラケット(可動リンク)
11a 長孔
12 支持ブラケット(固定リンク,ヘッドレスト基部)
13 第1リンク
14 第2リンク
15 第3リンク
20 解除操作機構
21 加圧板
22 軸支部材
23 腕部材
24 操作ケーブル
24a インナーケーブル
24b アウターケーブル
30 フック(保持装置)
Sa 引張ばね(附勢部材)
Fs サイドフレーム
Fu アッパフレーム
Rf 補強部材
Rb 軸支ブラケット

Claims (4)

  1. 車両の衝突時に、シートに着座した乗員の頭部を受け止める支承部をヘッドレスト基部に対して相対移動させることのできる移動手段を備えた車両用シートのヘッドレストであって、
    前記移動手段は、
    前記支承部とヘッドレスト基部との間に設けられたリンク機構と、
    該リンク機構に対して配設され、車両の衝突時に前記支承部を衝突対応位置に向けて移動させる駆動装置と、を有し、
    前記リンク機構は、前記支承部側に固定された可動リンクと前記ヘッドレスト基部側に固定された固定リンクとが、互いに離間して配置された下方位置の第1リンクと上方位置の第2リンクによりそれぞれリンク連結されて構成されており、
    該リンク機構における第1リンクと可動リンクとの連結は該可動リンクの長手方向に沿って相対移動可能に連結されており、該相対移動可能な範囲は前記固定リンクに対する第1及び第2リンクの連結位置間の間隔幅に対して該可動リンクに対する第1及び第2リンクの連結位置間の間隔幅が広くなったり狭くなったりすることのできる相対移動範囲として構成されており、更に、該第1と第2リンクとが同期して互いに反対方向に回動可能となるリンク連結状態として第3リンクが該第1と第2リンクに対して配設されており、
    車両の衝突時に、前記駆動装置によってヘッドレストの支承部の位置がヘッドレスト基部に対する通常時の初期位置よりも相対的に前方かつ上方に移動した衝突対応位置では、第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態から広い状態に移行して、該移行した端部の連結位置においてヘッドレストの支承部が受ける荷重を受け止めることを特徴とする車両用シートのヘッドレスト。
  2. 請求項1に記載の車両用シートのヘッドレストであって、
    前記駆動装置は、
    前記第1及び第2リンクに対して該両リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態から広い状態とすることのできる互いに反対方向に回動する回動力を附勢する附勢部材と、
    該附勢部材の附勢に抗して前記リンク機構を前記支承部の初期位置状態である前記第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態で保持することのできる保持装置と、を有し、
    車両の衝突時には、前記保持装置による第1及び第2リンクの可動リンクに対する連結位置間の間隔幅が狭い状態の保持状態が解除されて前記附勢部材により広い状態に移行することを特徴とする車両用シートのヘッドレスト。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのヘッドレストであって、
    前記第1リンクが可動リンクの長手方向に沿って相対移動可能となる連結は、該可動リンクに長手方向に穿設された長孔と、該長孔に係合して摺動移動する第1リンクに設けられた連結ピンとからなっていることを特徴とする車両用シートのヘッドレスト。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用シートのヘッドレストであって、
    前記リンク機構の第1リンク及び第2リンクは、支承部が衝突対応位置となる状態では、互いに前方に向けてハの字状に広がった姿勢状態となることを特徴とする車両用シートのヘッドレスト。
JP2006165915A 2006-06-15 2006-06-15 車両用シートのヘッドレスト Expired - Fee Related JP4654985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006165915A JP4654985B2 (ja) 2006-06-15 2006-06-15 車両用シートのヘッドレスト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006165915A JP4654985B2 (ja) 2006-06-15 2006-06-15 車両用シートのヘッドレスト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007331576A JP2007331576A (ja) 2007-12-27
JP4654985B2 true JP4654985B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=38931459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006165915A Expired - Fee Related JP4654985B2 (ja) 2006-06-15 2006-06-15 車両用シートのヘッドレスト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4654985B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100980830B1 (ko) 2008-06-27 2010-09-10 다이모스(주) 액티브 헤드레스트

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002142910A (ja) * 2000-09-26 2002-05-21 Daimler Chrysler Ag ヘッドレスト
JP2005013604A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Aisin Seiki Co Ltd アクティブヘッドレスト
JP2005145184A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Nissan Motor Co Ltd 車両用ヘッドレスト装置
JP2005177227A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 T S Tec Kk 車両用シートのヘッドレスト
JP2005211402A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 T S Tec Kk 車両用シートのヘッドレスト

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002142910A (ja) * 2000-09-26 2002-05-21 Daimler Chrysler Ag ヘッドレスト
JP2005013604A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Aisin Seiki Co Ltd アクティブヘッドレスト
JP2005145184A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Nissan Motor Co Ltd 車両用ヘッドレスト装置
JP2005177227A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 T S Tec Kk 車両用シートのヘッドレスト
JP2005211402A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 T S Tec Kk 車両用シートのヘッドレスト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007331576A (ja) 2007-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6230590B2 (ja) 車両用シート
CN104044490B (zh) 车辆用座椅结构
JP6040817B2 (ja) 乗物用シート
JP2011105037A (ja) 車両用シートシステム
JP5483557B2 (ja) 車両用シート
JP4670747B2 (ja) 車両用シートのヘッドレスト
JP4654985B2 (ja) 車両用シートのヘッドレスト
JP5910816B2 (ja) シート装置
JP2010184667A (ja) 車両用シート
JP4631799B2 (ja) 車両用シートのヘッドレスト
JP4640271B2 (ja) 車両用シートのケーブル連結構造
JP4631802B2 (ja) 車両用シートのヘッドレスト作動機構
JP4779825B2 (ja) 車両用シートのケーブル連結構造
JP5003169B2 (ja) 車両用シートのシートバック構造
JP4122444B2 (ja) 車両用シート装置
JP4730247B2 (ja) 車両用シート
JP2003025891A (ja) 車両用シート
JP5641539B2 (ja) 車両用シート
JP4631800B2 (ja) 車両用シートのヘッドレスト作動機構
JP6149569B2 (ja) 乗物用シート
JP6451501B2 (ja) 乗物用シート
JP6060827B2 (ja) 乗物用シートにおける操作レバー装置
JP2013249036A (ja) エネルギー吸収車両用シート
KR100785625B1 (ko) 차량 시트용 액티브 헤드레스트 구동장치
JP2020045006A (ja) 車両用ヘッドレストへの衝撃吸収構造及び該構造を備えた車両用座席

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees