JP4653690B2 - グラウンドアンカー構造及びその工法 - Google Patents

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Description

この発明は、PC鋼材等からなる緊張材を用いて地盤、岩盤に地上からの引張力を伝達し、構造物の安定化や斜面の崩壊防止をするグラウンドアンカー構造及びその工法に関する。
グラウンドアンカーは、一般にPC鋼材等の高張力材料からなる緊張材の一端を地中に埋設し、地盤と緊張材を一体化した後、緊張材のもう一端に張力を加えて構造物の安定化や斜面崩壊を防止するアンカー工法により形成され、そのグラウンドアンカー構造は、緊張材と地盤が注入材で一体化される拘束長部L、緊張材に導入される緊張力を保持する自由長部L、緊張力を構造物に伝達するアンカー頭部Lで構成される。このグラウンドアンカー構造は、図4に示すように、地中に埋設する端部の構造により(a)引張型と(b)圧縮型に分類される。
グラウンドアンカーの一般的な施工方法は、図5に示すように、(a)削孔(Bm:ボーリングマシン)、(b)アンカーテンドン挿入(T:アンカー体)、(c)注入材注入(Gu:グラウト)、(d)注入材硬化後緊張(P:ジャッキポンプ)の順で施工されるが、地盤の状況によっては(b)アンカーテンドン挿入と(c)注入材注入の順序が入れ替わることもある。グラウンドアンカーの拘束長部Lは、緊張材と地盤が一体化されなければならないため、緊張材と注入材との付着力や、緊張材先端部側に取り付けた耐荷体と注入材との引抜抵抗力が、グラウンドアンカーに導入される緊張力に対して十分に耐えられる性能を有しなければならない。
グラウンドアンカーの自由長部Lは、拘束長部の注入材が硬化後、アンカー頭部Lより導入される緊張力を拘束長部Lに伝達しなければならないため、緊張材をポリエチレンパイプ等のような耐食性に優れた筒などが被され、内部の空洞に潤滑性のある材料が充填され、これにより周囲の注入材や地盤などから絶縁し、緊張時の摩擦損失が軽減されるように構成されている。又、この自由長部Lには、地盤のクリープと緊張材のリラクセーション等による緊張力の損失等、アンカー頭部に加わる荷重を自由長部L全長に分散させる機能が要求される。
地盤のクリープと緊張材のリラクセーション、グラウンドアンカーが施工される下方の土砂の掘削後の状態変化などは、アンカーテンドンに加わる荷重が増減する要因であるが、これらの荷重の増減は経時的に所定の荷重に収束する傾向にあり、これを予測して自由長部L内にもセメントグラウト等の硬化性の注入材を充填し、自由長部Lの緊張材を拘束する場合がある。これは、自由長部Lでの緊張材の防錆とアンカーテンドンが破断したときに、緊張材がアンカー頭部側に飛び出すことを防止し、自由長部Lでの緊張材の変位を拘束するためである。
アンカー頭部は緊張力を圧縮力として地盤に伝達しなければならないため、緊張材を保持するグリップやナット、保持力を地盤に伝達する支持プレート、及び支持板等で構成されるというのが一般的である。又、アンカー頭部Lが腐食すると緊張力を長期に亘って保持することができない。このため、防食及び外力からの保護を目的として、金属製等のキャップを設置し、内面に防錆材を充填した後、その外側をコンクリートキャップ等で保護される。
ところで、上記従来のグランドアンカーの構成では、次のような問題がある。
(1)テンドンが破断した場合、テンドンが頭部側へ突出し、二次災害を生じる虞がある。その理由として、自由長部は拘束長部へ伝達される緊張力を保持しなければならないため、アンボンド構造となっている。アンカー頭部に過度の変位が加わると、自由長部で緊張材が破断する。緊張材が破断した場合、自由長部に蓄えられた歪が瞬時に解放され、アンカー頭部側へ破断した緊張材とアンカー頭部部品が突出する。アンカー頭部側に道路や建築構造物などがある場合、交通障害や構造物破損、人身障害などの災害を引き起こす虞がある。テンドンの突出を頭部側で防止するためにはキャップ(構成、コンクリート製など)を取り付けなければならず、突出するエネルギーに抵抗するためには強固かつ大型のキャップが必要となる。
(2)自由長部内への注入材充填までに時間を要する。その理由は、次の通りである。即ち、緊張材の防錆と緊張材が破断したときの突出防止を目的に自由長部内にセメントグラウト等の硬化性注入材を充填する場合は、一般的にアンカー緊張後にアンカー頭部側から筒内に硬化性注入材を注入するため、注入材が硬化する際に、頭部背後に数センチ〜数十センチの空隙が生じる。グラウンドアンカーは通常、複数本施工されるため、それぞれの空隙は均一でないと考えられる。
そして、これにより生じる不具合は、
(a)地盤や頭部構造のクリープ、緊張材のリラクセーション等で緊張力が減少し、アンカー頭部側の支圧力が極端に減少する、
(b)グラウンドアンカーを施工しながら下方の土砂を掘削する場合、掘削部上方のアンカー頭部に加わる緊張荷重が増加する
ことである。
そこで、これに抵抗するグラウンドアンカーの自由長部が数センチ〜数十センチとばらついた場合、隣接するグラウンドアンカーの緊張力がアンバランスとなり、自由長部が短いものから逐次、緊張材が破断する。このため、グラウンドアンカー緊張後、自由長部を形成する筒内に注入材を注入するアンカー構造では、上記(a)、(b)の変化が安定し、自由長部の張力が安定するまで注入を待たなければならず、時間を要することとなる。
(3)注入材充填までの期間が長期に亘る場合、緊張材が腐食する虞がある。腐食の虞がある材料を緊張材に使用する場合、グラウンドアンカーの荷重変動が安定するまでは、自由長部にセメントグラウト等の注入材を充填できない。この期間が長期にわたると、緊張材が腐食し、その機械的性能が著しく低下するばかりか、注入材を充填する前に緊張材が破断する危険性がある。
上記の一般的なグラウンドアンカーの一例として、特許文献1の「PSアンカーの防食方法」が公知である。この公報に記載されているグラウンドアンカーは、PC鋼材であるPC鋼撚り線の外周にその長さ方向に沿って全長にエポキシ、ポリエチレン等の防食性樹脂を静電塗装又は流動性浸漬粉体塗装をして薄膜被覆し、PC鋼材の一部のアンボンド部である自由長部の外周にさらに防食性樹脂被覆を被せ、この防食性樹脂被覆とPC鋼撚り線との間にグリースを充填し、この鋼材を削孔内に挿入して注入材のグラウトを注入し、拘束長部のボンド部をグラウトで硬化させるというものであり、引張り型グラウンドアンカー構造である。
この公報のPSアンカーは、自由長部の長さ部分に亘ってグリースが被覆膜との空隙間に充填されているため、上述した一般的な引張り型グラウンドアンカー構造である。従って、上記自由長部の空隙にグラウトのような注入材を充填してPC鋼材と注入材を一体化させるという構成ではなく、グリースによる防錆効果は得られるが、強度的には不十分である。また、防食性樹脂被覆はポリエチレン樹脂とされているが、これは予め工場で製作されて挿入されるものであり、PC鋼材の緊張作用付加後に硬化するものではない。
特開昭60−110381号公報
この発明は、上記の問題点に留意して、グラウンドアンカー緊張後、アンカー頭部の荷重変動が安定する1週間から数年後に自由長部の緊張材周辺にセメントグラウト等の硬化性注入材を充填して自由長部で緊張材を拘束する作業を必要とせず、グラウンドアンカー緊張後に注入材を注入する手間をなくして注入材充填の手間を省略化し、かつ充填までの緊張材の防錆を達成するグラウンドアンカー構造及びその工法を提供することを課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層を全長に塗布した緊張材の周りを、外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒で被覆したアンカー部材と、緊張材の自由長部の上端の頭部に定着具と、アンカー部材の下端に圧着部と、その下端寄り位置の外周に耐荷体とを備え、上記硬化性樹脂層は、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、上記アンカー部材を土砂又は岩盤に設けた削孔内に挿置し、さらにこの緊張材の拘束長部周囲に硬化性充填材を充填し、硬化性充填材の硬化後緊張材の自由長部の上端の頭部に装着した定着具により緊張材に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層が硬化することにより緊張材の変位を拘束し、被覆筒、硬化性充填材を介して緊張材と周囲の地盤又は岩盤を一体化する圧縮型グラウンドアンカー構造としたのである。
上記課題を解決するもう1つの手段として、常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層を緊張材の自由長部に対応する長さに塗布した緊張材の周りを、外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被服筒で被覆したアンカー部材と、緊張材の自由長部の上端の頭部に定着具とを備え、上記硬化性樹脂層は、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、上記アンカー部材を地盤又は岩盤に設けた削孔内に挿置し、さらにこの緊張材の拘束長部周囲に硬化性充填材を充填し、硬化性充填材の硬化後緊張材の自由長部の上端の頭部に装着した定着具により緊張材に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層が硬化することにより緊張材の変位を拘束し、被覆筒、硬化性充填材を介して緊張材と周囲の地盤又は岩盤を一体化する引張型グラウンドアンカー構造とすることもできる。
上記構成の圧縮型又は引っ張り型のグラウンドアンカー構造は、下記のグラウンドアンカー工法により形成される。即ち、このグラウンドアンカー工法では、常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層を緊張材の全長又は一部に塗布し、その外周を、凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒により被覆し、この被覆筒で被覆された緊張材を地盤又は岩盤に設けた削孔内に挿置し、さらにこの緊張材の拘束長部周囲に硬化性充填材を充填し、緊張材の自由長部の上端の頭部に装着した定着具により緊張材に張力を加え、上記硬化性樹脂層は、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、硬化性充填材の硬化後所定の時期に張力調整した後、この硬化性樹脂層が硬化することにより緊張材の変位を拘束し、被覆筒、硬化性充填材を介して緊張材と周囲の地盤又は岩盤を一体化する。
この工法では、地盤又は岩盤の斜面に掘削された削孔内に緊張材を有するアンカー部材の拘束長部と自由長部を挿入し、拘束長部の外周にセメントグラウトのような硬化性充填材を充填し、硬化性充填材が硬化後にアンカー部材の頭部により引張力を加えてアンカー部材を緊張させて定着させる。なお、圧縮型グランドアンカー構造体では、硬化性充填材が全長に亘り圧縮力を受け、緊張作用を付加した際に、緊張材による引張力が耐荷体を介して硬化性充填材の全体に伝達され、周囲の地盤、岩盤に圧縮力として分散して応力が伝えられるため、地盤内のせん断すべり抵抗が大きく、引張特性やクリープ特性に優れている。
上記緊張作用付加後所定期間が経過すると、緊張材がクリープ等で弛緩する(約1ヶ月で全クリープの90%が進行する)ため、その所定期間経過後さらに定着具により張力を調整し、その後予め塗付された常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層(アフターボンド)が、緊張作用付加後予め設定された期間(緊張後1週間〜数年後)の経過後に硬化する。
従って、上記最初の緊張作用付加後、上記の設定期間経過までは、アンカー部材内で硬化性樹脂層は流動状である。このため、緊張作用の付加後の張力の再調整時がその設定期間内であれば、張力の再調整時に硬化性樹脂層は未硬化であり、かつ緊張材はその表面を硬化性樹脂層で覆われているため、防食状態が保持される。
従って、緊張材の防錆と緊張材が破断したときの突出防止のため、自由長部内へセメントグラウト等の硬化性注入材を充填する従来のグラウンドアンカー工法においては、緊張材の緊張後に自由長部へ硬化性注入材を充填する際に、自由長部の張力が安定するまでは注入を待たなければならないという時期的な制約があるのに対し、上記グラウンドアンカー工法では、従来の硬化性注入材に相当する材料が予め被覆筒内に挿入され緊張材に付着されているため、最初の張力の付加、再張力調整のいずれの時期にも、自由長部へ硬化性注入材を注入する必要がなく、時期的な制約を受けることがない。
この発明の圧縮型グラウンドアンカー構造は、硬化性樹脂層を全長に塗布した緊張材の周りを、外周に凹凸を有する被覆筒で被覆したアンカー部材と、緊張材の自由長部の上端の頭部に定着具と、アンカー部材の下端に圧着部と、その下端寄り位置の外周に耐荷体とを備え、又引張型グラウンドアンカー構造は、硬化性樹脂層を緊張材の自由長部に対応する長さに塗布した緊張材の周りを、外周に凹凸を有する被覆筒で被覆したアンカー部材と、緊張材の自由長部の上端の頭部に定着具とを備えている。
上記いずれのグラウンドアンカー構造も、上記硬化性樹脂層は、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、上記アンカー部材を土砂又は岩盤に設けた削孔内に挿置し、さらにこの緊張材の拘束長部周囲に硬化性充填材を充填し、硬化性充填材の硬化後緊張材の自由長部の上端の頭部に装着した定着具により緊張材に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層が硬化することにより緊張材の変位を拘束し、被覆筒、硬化性充填材を介して緊張材と周囲の地盤又は岩盤を一体化するように構成したから、従来のように自由長部内への注入材充填までに時期的な制約から時間が掛かるという不都合が全く生じることがない。
このため工期が短縮でき、さらに予め被覆筒内に硬化性樹脂が緊張材に塗布されているため、十分な防錆が行われており、従って緊張材が腐食することがなく、従来のように、注入材充填までの期間が長期に亘るため、緊張材が腐食し、腐食により緊張材の機械的性能が低下し、注入材を充填する前に緊張材が破断するなどの危険性も生じることがないという利点がある。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aの(a)主断面図、(b)(a)図の矢視B−Bからの断面図を示す。図示のように、圧縮型グランドアンカー構造体Aは、緊張材1を有するアンカー部材10の拘束長部Lと自由長部L、そしてこのアンカー部材を定着させるための定着具4を有する頭部Lとからなる。アンカー部材10は、緊張材1の全長の外周面上に常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1aを予め塗布し、その周りをポリエチレン又は鋼製で、かつ外周が凹凸状の被覆筒2で被覆している。
上記アンカー部材10は、その拘束長部Lと自由長部Lを地盤又は岩盤Gの斜面Gmに掘削された削孔H内に挿入し、拘束長部Lの外周にセメントグラウトのような硬化性充填材3が充填される。硬化性充填材3が硬化後にこの定着具4により張力を加えてアンカー部材10を定着させ、地盤又は岩盤Gの斜面Gmを固定するように圧縮型グランドアンカー構造体Aは構成されている。なお、この例のアンカー部材10は、圧縮型のアンカー部材であり、緊張材1の全長に亘って凹凸状の被覆筒2が延びて設けられている。
又、硬化性樹脂層1aを用いたグラウンドアンカー構造体は、引張型にも適用できるが、これについては後で説明する。アンカー部材10の拘束長部Lの先端には緊張材1の端部に圧着される鋼製のスリーブである圧着部5aが凹凸状の被覆筒2の端に連続して設けられ、この圧着部5aの被覆筒2側端には耐荷体7が連結して取り付けられている。耐荷体7は、削孔径内に設置できる細径で、圧着部5aから伝達される支圧力に耐え得る強度を有し、引き抜き抵抗力として拘束長部Lに分散でき、かつ周囲のグラウトとの付着性に優れたものでなければならない。
図示の例では、耐荷体7は、凹凸状の被覆筒2の外周面に密着する外筒7aと、外筒7aには多数の小孔7hが設けられ、この小孔7hにグラウトが埋まることによりグラウトとの付着力を増加させている。また、耐荷体7は、その一端が開放状であり、もう一端は支圧板である端板7bで閉じられ、この端板7bに設けた挿通孔7cを圧着部5aに挿入し、圧着部5aの外周に刻設されたねじ部に係合されるナット6で端板7bを被覆筒2の端部に押圧して取り付けられている。
アンカー部材10の自由長部Lの凹凸状の被覆筒2の外周には適宜間隔で複数個所に、アンカー部材10を削孔H内に挿入する際に凹凸状の被覆筒2の外周を傷付けないようにガイドするためのスペーサ8が取り付けられている。また、アンカー部材10の自由長部Lの上端には緊張材1に圧着される鋼製のスリーブである圧着部5bが設けられている。上記スペーサ8は、アンカー部材10を削孔H内に挿入するアンカー施工時に、凹凸状の被覆筒2の外周がケーシングや孔壁の角に擦って損傷し、内部の樹脂が流出する虞があり、この擦れによる損傷を防止すべく、被覆筒2の外径と同等以上の直径を有する螺旋状、又は籠状、或いは複数の孔を有する鋼製の保護スペーサとして設けられている。
そして、圧着部5bの端には、定着具4のアンカープレート4aが接するように置かれ、その外側にねじ定着部材4bが設けられている。このねじ定着部4bは、圧着部5bの延長部がアンカープレート4aを挿通して外部へ突出した部分にねじ部4mを予め刻設しておき、このねじ部4mにナット4nを螺合させて固定し、その後ナット4n外周に防食材のコンクリート4dを充填し、さらにその外端にキャップ4cを被せて保護する。
上記常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1aは、緊張時は流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間(緊張後1週間〜数年後)の経過後に硬化する樹脂からなり、例えば特開2000−281967号公報、あるいは特開2002−60465号公報の「プレストレストコンクリート緊張材用硬化性組成物及び緊張材」の発明に記載された硬化性組成物を用いる。上記硬化性組成物はいわゆるアフターボンド(商標)と呼ばれる樹脂組成物であリ、硬化後の強度は一般的にグラウンドアンカーで使用されるセメントグラウトの強度(12N/mm)以上である。
上記特開2000−281967号公報のプレストレスト緊張材用硬化性組成物は、エポキシ樹脂と湿気硬化型硬化剤とを含み、かつ硬化性組成物の90℃の粘度増加係数k及び常温での硬化所要日数Mが、k≦0.2、M≦730、ただし、kはlogρ=kT(ρ:粘度(ps)、T:時間(hrs))で表され、上記関係を満足する硬化性組成物である。
この硬化性組成物は、エポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等である。これらの中でも低コストのビスフェノールAジグリシジルエーテルや低粘度で緊張が容易となるビスフェノールFジグリシジルエーテルが好適とされている。又、湿気型硬化剤とは、大気中等に存在する水分と反応して、反応性生物として硬化剤を生成し、これによりエポキシ樹脂の硬化反応が開始する機能を持つものである。
このような機能を持つものとして、ケチミン化合物があり、ケチミン化合物とはカルボニル化合物でブロックされた第1級アミノ基を1分子中に少なくとも1個有するアミン化合物である。ケチミン化合物は、アミン化合物とカルボニル化合物との脱水縮合反応により得られ、この反応はアミンとアルデヒド又はケトンとの脱水縮合反応と同様の条件化で行うことができ、脱水縮合反応は例えばアミン化合物と、その論理反応量以上のケトン又はアルデヒドとを混合し、反応生成水を除去しながら反応させることにより行われる。
上記硬化組成物は,90℃での粘度係数k及び硬化所要日数Mが上記関係を満足するものとし、上記特性は湿気硬化型硬化剤の配合量を調整することにより得ることが出来る。
上記粘度増加係数k及び硬化所要日数Mの具体的な調整例として、油化シェルエポキシ(株)社製の“エピコート828”のエポキシ樹脂に湿気硬化型硬化剤“エピキュアH3”を配合する割合を変化させたときに上記数式kの変化曲線で表されるような調整を行うこととなる。
樹脂組成物層に採用し得る他の例として特開2002―60465号公報の「プレストレスト緊張材用硬化性組成物」が知られている。この硬化性組成物は、エポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ樹脂と湿気硬化型硬化剤を含む点では基本的に特開2000−281967号公報の硬化性組成物と同じであるが、この硬化性組成物は、エポキシ樹脂と湿気硬化型硬化剤とを含み、かつ硬化性組成物の90℃での緊張可能時間L並びに常温での硬化所要日数Mが、L(時間)≧20、M(日)≦1095、ただし、Lは硬化性組成物の粘度が1万psに達する時間、で表わされる関係を満足する硬化性組成物である。
しかし、この硬化性組成物は、上記に規定される緊張可能時間Lと常温での硬化所要日数Mとなるように、その組成物の具体的な素材の配合割合において、エポキシ樹脂に対して湿気硬化型硬化剤“エピキュアH3”の配合割合を少なくしたものであり、これにより特開2002―60465号公報の「プレストレスト緊張材用硬化性組成物」より緊張可能時間L、硬化所要日数Mを大きく伸ばしたものである。
図2Aに第1変形例の耐荷体7’の(a)部分縦断面を含む正面図、(b)図に側面図を示す。この変形例では、耐荷体7’を第1実施形態の外筒に相当する挿入管7a’と、その外側に二重管として設けた拘束管7a”と、この両部材の一端を閉じる支圧板である端板7bとからなり、他端は開放状とし、支圧板の直下に発生する割裂応力を分散して伝達する拘束管7a”、支圧板の端板7b、挿入管7a’とが一体として形成されている。なお、支圧板の端板7bには小孔は設けられていない。その他の構成は、第1実施形態と同じであり同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
図2Bに第2変形例の耐荷体7”の(a)部分縦断面を含む正面図、(b)側面図を示す。ただし、この例では、グラウンドアンカー構造体は、緊張材1の周りに塗布した硬化性樹脂層1aの外周を、表面が凹凸状の被覆筒2で被覆して形成したアンカー部材10の2本(鋼棒)を、互いに隣接して配置した構造体を対象とし、このグラウンドアンカー構造体の拘束長部に配設される耐荷体7”の構成を示している。この例の耐荷体7”は、第1変形例と同様な拘束管7a”を有し、その一端を閉じる支圧板の端板7bの内方にはアンカー部材10(鋼棒)の平行性を保持するための保持プレート7pが図示断面内で上下2枚に設けられている。ただし、上記アンカー部材(鋼棒)、保持プレート7pは2本以上、2枚以上としてもよい。
上記構成の拘束長部では、アンカー部材10(鋼棒)の一端に圧着部5aが設けられ、その圧着部5aから直接支圧力を受ける支圧板の端板7bは、円盤状で、かつ圧着部5aの径よりも小径の突出端部(グリップ)が挿通される程度の穴を有する支圧プレートから成り、耐荷体7”はこの支圧プレートと拘束管7a”とが一体に形成される。また、この耐荷体7”は、拘束長部の長さより短くし、耐荷体7”の全長又は一部にはアンカーテンドン外周に注入されるセメントグラウトとの付着力を向上させる目的で、0.1mm〜40mm程度の孔をこの耐荷体7”を貫通して設ける加工を施している。
図2Cに耐荷体7の第3変形例の正面図を示す。この変形例では、耐荷体7”は第2変形例のものと基本的に同じ構成であり、グラウンドアンカー構造体も同一であるが、上記孔に替えて同程度の寸法の高低差を持つ凹凸、環状又は螺旋状の突起を設けている。そして、支圧プレートより荷重が伝達された際に、グラウトに発生する割裂応力を低減するために、この耐荷体7”の外周には螺旋状の補強筋7kが配置されている。
上記第1実施形態及びそれぞれの変形例を含む各構成の圧縮型グランドアンカー構造体Aは、従来の工法と同様に、地盤又は岩盤Gの斜面Gmに掘削された削孔H内に緊張材1を有するアンカー部材10の拘束長部Lと自由長部Lを挿入し、拘束長部Lの外周にセメントグラウトのような硬化性充填材3を充填し、硬化性充填材3が硬化後にアンカー部材10の頭部Lにより引張力を加えてアンカー部材10を緊張させて定着させる。
なお、圧縮型グランドアンカー構造体では、硬化性充填材が全長に亘り圧縮力を受けるためテンションクラックが生じないという特性を有する。これは、緊張作用を付加した際に、緊張材1による引張力が耐荷体7を介して硬化性充填材3の全体に伝達され、周囲の地盤、岩盤Gに圧縮力として分散して応力が伝えられるからである。このため、地盤内のせん断すべり抵抗が大きく、引張特性やクリープ特性に優れ、繰り返し荷重に対して安定である。
しかし、緊張作用付加後、所定期間経過すると緊張材1がクリープ等で弛緩する(約1ヶ月で全クリープの90%が進行する)ため、その期間経過後さらに定着具4により張力を調整し、その後予め塗付された常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1a(アフターボンド)が、緊張作用付加後予め設定された期間(緊張後1週間〜数年後)の経過後に硬化し、この樹脂が覆われた部分の緊張材の変位を拘束し、被覆筒2、セメントグラウト等の硬化性充填材3を通じて緊張材1と周囲の地盤又は岩盤Gが一体化され、その斜面Gmを固定するグラウンドアンカー工法により形成される。
このグラウンドアンカー工法においては、予め緊張材1に塗付された常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1a(アフターボンド)は、硬化性充填材3が硬化した後に緊張作用を付加した後、さらに予め設定された期間(緊張後1週間〜数年後)の経過後に硬化する。従って、上記最初の緊張作用付加後に上記の設定期間経過までは、アンカー部材10内で硬化性樹脂層1aは流動状である。このため、緊張作用の付加後の張力の再調整時がその設定期間内であれば、張力の再調整時に硬化性樹脂層1aは未硬化であり、かつ緊張材1はその表面を硬化性樹脂層1aで覆われているため、完全な防食状態が保持される。
また、緊張材1が緊張作用付加後、所定期間経過するとクリープ等で弛緩する(約1ヶ月で全クリープの90%が進行する)ため、その期間経過後さらに定着具4により張力を調整し、上記のような未硬化の状態で張力の再調整が行われた後は、硬化性樹脂層1aが徐々に硬化を開始して所定の期間後に完全に硬化する。この硬化によって、緊張材1は、被覆筒2、圧着部5a、耐荷体7、硬化性充填材3等を介して周囲の地盤や岩盤Gと一体化し、その斜面Gmが固定される。
このため、従来のグラウンドアンカー工法では、緊張材の防錆と緊張材が破断したときの突出防止のため、自由長部内へセメントグラウト等の硬化性注入材を充填するグラウンドアンカー工法においては、緊張材の緊張後に自由長部へ硬化性注入材を充填する際に、自由長部の張力が安定するまでは注入を待たなければならないという時期的な制約があるのに対して、上記実施形態のグラウンドアンカー工法によるグラウンドアンカー構造では、従来の硬化性注入材に相当する材料が予め被覆筒内に挿入され緊張材に付着されているため、最初の張力の付加、再張力調整のいずれの時期にも、自由長部へ硬化性注入材を注入する必要がなく、時期的な制約を受けることがない。
従って、従来のように自由長部内への注入材充填までに時期的な制約から時間が掛かるという不都合が全く生じることがない。また、このためグラウンドアンカー工法としての工期が短縮できることとなる。さらに、予め被覆筒内に硬化性樹脂層1aが緊張材1に塗布されているため、十分な防錆が行われており、従って緊張材1が腐食することがなく、従来のように、注入材充填までの期間が長期に亘るため、緊張材1が腐食し、腐食により緊張材1の機械的性能が低下し、注入材を充填する前に緊張材1が破断するなどの危険性も全く生じることがない。
なお、自由長部を形成する被覆筒2内に常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1aが充填された圧縮型グラウンドアンカー構造体では、硬化性樹脂層1aが硬化した後は設計荷重よりも低い荷重でグラウンドアンカーに緊張力を導入する場合に、緊張直後で硬化性樹脂層1aが硬化する前における力のバランスは、支圧力+自由長部の摩擦力≒引抜き抵抗力となるが、樹脂が硬化した後は、支圧力+自由長部の付着力≒引き抜き抵抗力となる。この際、自由長部の付着力を高める目的で、自由長部を形成する被覆筒2の構造は、PC鋼材に接触しない程度の間隙を有し、かつ外周に凹凸を有した形状となる。この被覆筒2の材質は、ポリエチレンの合成樹脂製か、鋼製であり、その被覆筒2の内部には予め工場において硬化性樹脂層及びPC鋼材が内包される。
図3Aに第2実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aの主断面図を示す。この例の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aも、第1実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aと同じように、緊張材1を有するアンカー部材10の拘束長部Lと自由長部L、そしてこのアンカー部材10を定着させるための定着具4を有する頭部Lとからなる。又、アンカー部材10は、緊張材1の全長の外周面上に常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1aを予め塗布し、その周りをポリエチレン又は鋼製で、かつ外周が凹凸状の被覆筒2で被覆している。
そして、アンカー部材10は、その拘束長部Lと自由長部Lを地盤又は岩盤Gの斜面Gmに掘削された削孔H内に挿入し、拘束長部Lの外周にセメントグラウトのような硬化性充填材3が充填され、硬化性充填材3が硬化後にこの定着具4により張力を加えてアンカー部材10を定着させ、地盤又は岩盤Gの斜面Gmを固定するように構成されている点も第1実施形態の圧縮型グランドアンカー構造体Aと同様である。なお、この例のアンカー部材10も、圧縮型のアンカー部材であり、緊張材1の全長に亘って凹凸状の被覆筒2が延びて設けられている。
しかし、アンカー部材10の自由長部Lの上端に圧着部が設けられていないこと、又定着部4がねじ式から楔式としている点が第1実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aと異なる。なお、この形式の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aも、第1実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aの場合と同じように、耐荷体7に第1〜第3変形例の耐荷体7’、7”、螺旋状の補強筋7kを有する耐荷体7”のいずれかを有する構成を含むものとする。この圧縮型グラウンドアンカー構造体Aを形成するグラウンドアンカー工法は、第1実施形態と同じグラウンドアンカー工法により形成され、従ってその工法については説明を省略する。
図3Bに第3実施形態の引張型グラウンドアンカー構造体Aの主断面図を示す。この実施形態の引張型グラウンドアンカー構造体Aでは、従来のグラウンドアンカー構造体と同様に、アンカー部材10’の自由長部Lには、硬化性樹脂層1a、被覆筒2が設けられ、被覆筒2の端末は閉じられているが、アンカー部材10’の拘束長部Lには硬化性樹脂層1a、被覆筒2、耐荷体7は設けられていない。引張型グラウンドアンカー構造体は、被覆筒2が剥がされて露出した緊張材1に硬化性充填材3が直接硬化し、固定される。
この引張型グラウンドアンカー構造体Aでは、緊張材1と一体の硬化性充填材3を介して地盤又は岩盤Gに引張力が伝達される形式のものである。従って、引張型グラウンドアンカー構造体Aを形成するグラウンドアンカー工法においては、拘束長部Lを介して付加される引張力と圧縮力の作用の違いがあるが、定着具4により緊張材1に緊張作用を付加した後、さらに調整張力を付加する際にも、アンカー部材10の自由長部L内では硬化性樹脂層1aが未硬化であり、調整張力を付加した後に硬化性樹脂層1aが硬化を開始することについては第1実施形態と同じである。従って重複する説明は省略する。
図1に第4実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aを、図1の圧縮型グランドアンカー構造を併用して示す。この圧縮型グラウンドアンカー構造体Aは、アンカー部材10の自由長部Lに点線で示すアンボンド部Lを有する。グラウンドアンカーの施工時において、グラウンドアンカーによって抑止される地盤及び構造物の変位を想定して、施工当初の緊張荷重を設計荷重×20%〜80%とする場合がある。このような設計を予定する場合に、予め設定された自由長部Lの硬化性樹脂層の硬化時期を超過した後に変位が生じた場合、拘束された緊張材はその変位に追随できないために鋼材が破断する虞がある。
そこで、第1実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aの被覆筒2内の一部に上記点線で示すアンボンド部Lを設け、このアンボンド部Lに半永久的に硬化しないグリ−スを塗布することにより、緊張材1の伸縮が可能となる区間を設け、地盤及び構造物の変位を吸収できる構成としている。このアンボンド部の長さは、次式にて算出される。
L=ΔL×E×A/(Td−Pt)
ここで、L:アンボンド部長さ、
ΔL:予測される変位量
E:弾性係数
A:緊張材の断面積
Td:設計荷重
Pt:緊張荷重
このような緊張材に常温又は湿気で硬化する硬化性樹脂層1aが塗布されたボンド部と、硬化しないグリ−スが塗布されたアンボンド部Lを有するグラウンドアンカー構造体では、予想される変位量ΔLが大きい場合に、ボンド部が短くなり、滑動する地盤又は岩盤への伝達荷重が局部的に増加して、グラウトが破壊し、緊張力が低下する虞がある。これを解決するために、伝達荷重が増加する部分に図示しない螺旋状、籠状、或いは複数の孔を有する鋼製の補強筋が配置される。
なお、第1実施形態の耐荷体7の第1変形例の耐荷体7’、第2、第3変形例の耐荷体7”も第4実施形態に適用されるものとする。また、第3実施形態の引張型グラウンドアンカー構造体Aでは、スペーサ8は省略しているが、スペーサ8を設けてもよい。さらに、上記発明は上記各種実施形態以外にもこの発明の趣旨の範囲内で適用できる各種変形例に適用されることは勿論である。
この発明のグラウンドアンカー構造は、硬化性樹脂層を全長に塗布した緊張材、その外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒で被覆したアンカー部材を備え、上記硬化性樹脂層は、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、硬化性充填材の硬化後緊張材に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層が硬化することにより緊張材の変位を拘束し、被覆筒、硬化性充填材を介して緊張材と周囲の地盤又は岩盤を一体化する構造としたから、広くグラウンドアンカー構造として利用される。
第1、第4実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体A1、の(a)主要断面図、(b)(a)図の矢視B−Bの断面図 耐荷体7の第1変形例の耐荷体7’の(a)主縦断面図、(b)側面図 耐荷体7の第2変形例の耐荷体7”の(a)主縦断面図(b)左側面図 耐荷体7の第3変形例の螺旋筋7kを有する耐荷体7”の正面図 第2実施形態の圧縮型グラウンドアンカー構造体Aの主要断面図 第3実施形態の引張型グラウンドアンカー構造体Aの主要断面図 従来例のグラウンドアンカー構造体の(a)引張型、(b)圧縮型の模式図 従来例のグラウンドアンカー工法の説明図
符号の説明
1 緊張材
1a 硬化性樹脂層
2 被覆筒
3 硬化性充填材
4 定着具
5a、5b 圧着部
6 ナット
7 耐荷体
7’ 第1変形例の耐荷体
7” 第2、第3変形例の耐荷体
8 スペーサ
10 アンカー部材
拘束長部
自由長部
頭部
H 削孔
、A2、 圧縮型グラウンドアンカー構造体
引張型グラウンドアンカー構造体

Claims (9)

  1. 常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層1aを全長に塗布した緊張材1の周りを、外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒2で被覆したアンカー部材10と、緊張材1の自由長部Lの上端の頭部Lに定着具4と、アンカー部材10の下端に圧着部5aと、その下端寄り位置の外周に耐荷体7とを備え、上記硬化性樹脂層1aは、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、上記アンカー部材10を地盤又は岩盤に設けた削孔H内に挿置し、さらにこの緊張材1の拘束長部L周囲に硬化性充填材3を充填し、硬化性充填材3の硬化後緊張材1の自由長部Lの上端の頭部Lに装着した定着具4により緊張材1に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層1aが硬化することにより緊張材1の変位を拘束し、被覆筒2、硬化性充填材3を介して緊張材1と周囲の地盤又は岩盤を一体化する圧縮型グラウンドアンカー構造。
  2. 前記緊張材1の両端は鋼製スリーブ状の圧着部5a、5bで圧着され、アンカー部材10の拘束長部L側の外周にはスリーブ状の圧着部5aの上方に硬化性充填材との付着力を増加させる耐荷体7、7’を設け、頭部L側のスリーブ状の圧着部5bにはねじ定着具4を連結したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  3. 前記緊張材1の拘束長部L側の端部は鋼製のスリーブ状の圧着部5aで圧着され、スリーブ状の圧着部5aの上方のアンカー部材10外周に硬化性充填材3との付着力を増加させる耐荷体7、7’を設け、頭部L側の緊張材1端部に楔型定着具4を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  4. 前記外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒2で被覆した複数本のアンカー部材10の緊張材1の両端が鋼製スリーブ状の圧着部5a、5bで圧着され、拘束長部L側はスリーブ状の圧着部5aの上方のアンカー部材10外周に硬化性充填材3との付着力を増加させる耐荷体7”を設け、この耐荷体7”は、支圧板7bと、上記複数本のアンカー部材10の平行性を保持する複数の保持部材7pを有し、頭部L側のスリーブ状の圧着部5bにはねじ定着具4を連結したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  5. 前記外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒2で被覆した複数本のアンカー部材10の緊張材1の拘束長部L側の端部が鋼製のスリーブ状の圧着部5aで圧着され、スリーブ状の圧着部5aの上方のアンカー部材10外周に硬化性充填材3との付着力を増加させる耐荷体7”を設け、頭部L側の緊張材1端部に楔型定着具4を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  6. 前記緊張材1の両端は鋼製スリーブ状の圧着部5a、5bで圧着され、アンカー部材10の拘束長部L側の外周にはスリーブ状の圧着部5aの上方に支圧板7bと、外周に凹凸を有する鋼管からなる拘束管7a”と、この拘束管の周囲に螺旋状の補強筋7kとを有し、硬化性充填材との付着力を増加させる耐荷体7”を設け、頭部側のスリーブ状の圧着部にはねじ定着具4を連結したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  7. 前記緊張材1の自由長部Lの一部に硬化性樹脂層1aを塗布しない長さ部分Lを設け、この長さ部分Lにグリースを塗布し、この長さ部分で硬化性樹脂層1aの硬化後に生じる変位に対応する張力調整を自在としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の圧縮型グラウンドアンカー構造。
  8. 常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層を緊張材1の自由長部Lに対応する長さに塗布した緊張材1の周りを、外周に凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒2で被覆したアンカー部材10と、緊張材1の自由長部Lの上端の頭部Lに定着具4とを備え、上記硬化性樹脂層1aは、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、上記アンカー部材10を地盤又は岩盤に設けた削孔H内に挿置し、さらにこの緊張材の拘束長部L周囲に硬化性充填材3を充填し、硬化性充填材3の硬化後緊張材1の自由長部Lの上端の頭部Lに装着した定着具4により緊張材1に張力を加え、その後所定の時期に張力調整した後上記硬化性樹脂層1aが硬化することにより緊張材1の変位を拘束し、被覆筒2、硬化性充填材3を介して緊張材1と周囲の地盤又は岩盤を一体化する引張型グラウンドアンカー構造。
  9. 常温或いは湿気で硬化する硬化性樹脂層1aを緊張材1の全長又は一部に塗布し、その外周を、凹凸を有する樹脂又は鋼製の被覆筒2により被覆し、この被覆筒2で被覆された緊張材1を地盤又は岩盤に設けた削孔H内に挿置し、さらにこの緊張材1の拘束長部L周囲に硬化性充填材3を充填し、緊張材1の自由長部Lの上端の頭部Lに装着した定着具4により緊張材1に張力を加え、上記硬化性樹脂層1aは、緊張時に流動性を有し、緊張作用付加後予め設定された期間の経過後に硬化する樹脂とし、硬化性充填材3の硬化後所定の時期に張力調整した後、この硬化性樹脂層1aが硬化することにより緊張材1の変位を拘束し、被覆筒2、硬化性充填材3を介して緊張材1と周囲の地盤又は岩盤を一体化するグラウンドアンカー工法。
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