図1乃至図11は、遊技機としてのパチンコ機の回路筐体取付装置の最良の形態を示す。図1は、回路筐体取付装置1を示す。図2は、球案内体(取付台)45への演出回路筐体(回路筐体)51の取付方法を示す。図3は、演出回路筐体51の外観を示す。図4は、球案内体45の裏面に設けられた台係合部87及び台固定部88の配置を示す。図5は、演出回路筐体51及び演出回路筐体51内に収納される部品を分解して示す。図6は、筐固定部86及び台固定部88の構造を示す。図7は、電飾集合中継基板72(台回路基板)の球案内体45への取付構造を示す。図8は、制御系統を示す。図9は、パチンコ機の遊技機枠1Aと遊技盤40とを分離して示す。図10は、遊技盤40の裏面に取り付けられる部品を分解して示す。図11は、球案内体45に取り付けられる部品を分解して示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図9の状態に遊技機枠1Aおよび遊技盤40を置いて矢印Aで示す前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図9を参照し、回路筐体取付装置1を備えたパチンコ機における遊技機枠1Aと遊技盤40との構造について説明する。遊技機枠1Aは、固定枠2の前側に可動枠3を左側のヒンジ4で横方向に片開き可能に取り付け、可動枠3の前側に扉5および球皿構造体6を左側のヒンジ7で横方向に片開き可能に取り付けた構造である。固定枠2は、パチンコ店の図外の島と呼ばれる遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれ、前後方向に貫通した縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠3は、遊技盤40を取り付ける前枠とも呼ばれ、前後方向に貫通した縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の可動枠本体8から盤収納構造体9を内部に延設する。可動枠本体8の右縦片部には、施錠装置10と複数のロック機構11;12;13およびロック解除操作体14が設けられる。盤収納構造体9は、遊技盤40を装着する前側に開口した盤収納室15の背壁16に前後方向に貫通する中央開口部17を備える。背壁16の左側部には、盤押圧体18および盤受ストッパ19が設けられる。背壁16の右側部には、盤ロック機構20が設けられる。盤ロック機構20は、背壁16から前側に突出する円筒状の台座の中心にロック操作体21を回転可能に備える。ロック操作体21は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。盤収納室15の下縁部は、遊技盤40を搭載する左右方向に平坦な面としての盤棚22を形成する。盤棚22から下方に延設された盤収納構造体9における前壁23の前面には、球発射機構24、球発射レール25、ファール球取入口26、払出球中継樋27が設けられる。球発射レール25は、球皿構造体6の球供給口34から供給された1個の球を受け取る。球発射機構24は、電力の供給と遮断とを交互に受けることによって、球皿部31から球発射レール25に供給された球を盤収納室15に取り付けられた遊技盤40の遊技領域41(図10参照)に向けて1個ずつ発射する。球発射レール25は、球発射機構24から発射された球を、遊技盤40における球発射通路44(図10参照)の入口に誘導する。払出球中継樋27は、可動枠3の裏側に設けられた図外の球払出装置から払い出された球を球皿構造体6の球取入口33に排出する。前壁23の裏面には機外排出樋28が設けられる。機外排出樋28は、遊技盤40の裏側から排出された球を受け取って島と呼ばれる遊技機設置構造体における捕球機構に排出する。扉5は、パネル枠とも呼ばれ、前後方向に貫通する窓29を囲む額縁形状である。扉5の裏面には、前面パネル30が窓29を覆うように扉5の裏側から取り付けられる。前面パネル30は、ガラスまたは合成樹脂などの材料からなる光を透過する性質の有る板状である。球皿構造体6の前面には、球皿部31および発射操作機構32が設けられる。球皿部31は、遊技に使用するパチンコ球と呼ばれる球を受ける容器であって、球を収容する部分を上方に開口した上方から下方に窪む窪みとして有する。発射操作機構32は、遊技者が球を発射するために操作するものである。球皿構造体6の裏面には、球取入口33および球供給口34が設けられる。球取入口33は、払出球中継樋27から排出された球を球皿部31に供給する部分である。球供給口34は、球皿部31から球発射機構24に球を供給する部分である。遊技機枠1Aの裏面には、電源装置200、発射払出制御装置201、図外の球払出機構などが取り付けられる。
遊技機枠1Aでは、可動枠3や扉5および球皿構造体6が閉じられてロック機構11乃至13で開閉不能に支持された場合、遊技店の店員が図外のキープレート(鍵)を遊技機枠1Aの前側から施錠装置10の鍵穴35に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠3とのロック機構11による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠3を前側に引くことによって、可動枠3はヒンジ4を回転中心として前側に片開きされる。また、上記施錠装置10の鍵穴35に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠3と扉5とのロック機構12による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が扉5を前側に引くことによって、扉5はヒンジ7を回転中心として前側に片開きされる。このように、扉5が前側に開かれた状態において、店員が可動枠3の前面に設けられたロック解除操作体14を操作すると、可動枠3と球皿構造体6とのロック機構13による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が球皿構造体6を前側に引くことによって、球皿構造体6はヒンジ7を回転中心として前側に片開きされる。
図10に示すように、遊技盤40の前面40aには、内ガイドレール35aと外ガイドレール35bとからなるガイドレールが設けられ、ガイドレールで囲まれた内側の遊技領域41には、始動入賞部品36、一般入賞部品37、可変入賞部品38、飾り部品39、サイドランプ42、遊技釘43a、風車43b、アウト口43cを備える。飾り部品39は、センター飾りとも呼ばれる。内ガイドレール35aの左側部と外ガイドレール35bの右側部との間に形成された隙間は、球発射通路44である。球発射通路44は、球発射機構24から発射された球を遊技領域41に誘導する。遊技盤40の右側部には、盤側取付部44aが、上下に位置して設けられる。盤側取付部44aは、ロック挿入孔44bを個別に備える。
遊技盤40の裏面40bには、球案内体45が取り付けられる。球案内体45はセット板とも呼ばれる。球案内体45には、演出制御ユニット50、複数の電飾基板55、複数の中継基板56、主制御装置取付部材57が取り付けられる。主制御装置取付部材57には主制御中継基板58、主制御装置59が取り付けられる。演出制御ユニット50は、演出回路筐体51内に表示装置52と演出制御基板53とが収納されて形成される。表示装置52は、液晶表示パネルのような表示パネル46と表示パネル46を制御する表示パネル制御基板47とにより構成される。主制御装置59は、主回路筐体60内に主制御基板61が収納されて形成される。
球案内体45は、板状の基盤65と基盤65の周縁部より前方に突出する隔壁66とを備え、基盤65と隔壁66とにより前側から裏側に窪む凹部67の形成された前側開口の箱形状である。基盤65には、基盤65の前面68(球案内体45の前面)と裏面69(球案内体45の裏面)とに貫通する表示孔70が形成される。表示孔70は、横に長い長方形形状であり、演出制御ユニット50の演出回路筐体51内の前側に配置される表示パネル46を基盤65の裏側から基盤65の前側に臨ませる貫通孔である。演出制御ユニット50の演出回路筐体51の前側に配置された表示パネル46の表示面71が表示孔70を経由して飾り部品39に設けられた光を透過する性質の有る合成樹脂からなる保護パネル39aの裏側に配置される。表示パネル46の表示面71に表示された画像が遊技盤40の前側から飾り部品39の保護パネル39aを通して見えるように、演出制御ユニット50が、球案内体45の基盤65の裏面69に取り付けられる。
基盤65の前面68には複数の電飾基板55が設けられる。複数の電飾基板55は、電飾集合中継基板72、センター下電飾基板73、センター右電飾基板74、左サイド電飾基板75、右サイド電飾基板76、始動電飾基板77である。これら複数の電飾基板55にはLEDのような光源78が実装される。この光源78の光が、遊技盤40の裏側から遊技盤40に形成された図外の部品取付孔、この部品取付孔を介して遊技盤40の前面40aに設けられた始動入賞部品36、サイドランプ42、飾り部品39などの光透過性部品を経由して遊技盤40の前側に透過し、これら光透過性部品を照明する。複数の電飾基板55は、図外の止ねじにより基盤65の前面68に取り付けられる。即ち、電飾集合中継基板72は、表示孔70の左縁の横に位置する基盤65の前面68に取り付けられる。センター下電飾基板73は、表示孔70の下縁の下に位置する基盤65の前面68に取り付けられる。センター右電飾基板74は、表示孔70の右縁の右に位置する基盤65の前面68に取り付けられる。左サイド電飾基板75は、基盤65の前面68における左下部に取り付けられる。右サイド電飾基板76は、基盤65の前面68における右下部に取り付けられる。始動電飾基板77は、基盤65に形成された始動電飾基板中継孔79の周縁部の周りにおける基盤65の前面68に取り付けられる。複数の電飾基板55同士は、基盤65の前面68に設けられた配線により互いに接続される。即ち、電飾集合中継基板72とセンター下電飾基板73とが配線73aにより互いに接続される。電飾集合中継基板72とセンター右電飾基板74とが配線74aにより互いに接続される。電飾集合中継基板72と左サイド電飾基板75とが配線75aにより互いに接続される。センター右電飾基板74と右サイド電飾基板76とが配線76aにより互いに接続される。センター下電飾基板73と始動電飾基板77とが配線77aにより互いに接続される。つまり、複数の電飾基板55同士が、球案内体45の基盤65の前面68の側で配線73a乃至77aにより互いに接続される。
基盤65の裏面69には、複数の中継基板56が設けられる。複数の中継基板56は、左中継基板80、右中継基板81、盤用外部中継基板(情報出力基板)82である。図11に示すように、複数の電飾基板55は止ねじにより基盤65の裏面69に取り付けられる。即ち、左中継基板80は表示孔70の左縁に沿って設けられた左取付部62に止ねじ80aで取り付けられる。右中継基板81は表示孔70の右縁に沿って設けられた右取付部63に止ねじ81aで取り付けられる。盤用外部中継基板82は、基盤65の裏面69の左上部に設けられた盤用取付部64に止ねじ82aで取付けられる。
図10に戻り、止ねじ83が案内体45の貫通孔83aを経由して遊技盤40の裏面40bに締結されることで、球案内体45が遊技盤40の裏面40bに取り付けられる。主制御中継基板58は主制御取付台57の基板取付部57aに取り付けられる。主制御装置59は、主制御取付台57に設けられた図外の取付機構により主制御取付台57に取り付けられ、主制御装置59の主制御基板61と主制御中継基板58とが互いにコネクタ48;49により電気的に接続される。止ねじ84が主制御取付台57の取付足57bに形成された貫通孔84aを経由して基盤65の裏面69に締結されて、主制御取付台57が球案内体45の基盤65の裏面69における下部に取り付けられる。演出回路筐体51は、演出回路筐体51に設けられた筐係合部85及び筐固定部86と裏面69に設けられた台係合部87及び台固定部88とにより基盤65の裏面69に取り付けられるとともに演出制御基板53に実装された筐コネクタ89と電飾集合中継基板72に実装された台コネクタ90とが互いに電気的に接続される。
図11に示すように、左中継基板80と主制御中継基板58(図10参照)とが配線91により互いに接続される。左中継基板80と遊技領域41の左側に設けられた一般入賞部品37;37の図外のそれぞれの球検出器とが配線92;93により互いに接続される。左中継基板80と始動入賞部品36の図外の始動ソレノイドとが配線94により互いに接続される。右中継基板81と主制御中継基板58とが配線95により互いに接続される。右中継基板81と遊技領域41の右側に設けられた一般入賞部品37;37の図外のそれぞれの球検出器とが配線96;97により互いに接続される。右中継基板81と飾り部品39に設けられる図外の主特別図柄表示器及び普通図柄表示器とが基盤65に形成された配線孔70aを経由して配線98により互いに接続される。左中継基板80と盤用外部中継基板82とが配線99により互いに接続される。可変入賞部品38の裏面に設けられた図外の可変中継基板と主制御中継基板58とが図外の配線により互いに接続される。遊技機枠1Aに設けられた図外のスピーカや賞球ランプや打止完了ランプと電飾集合中継基板72の枠コネクタ100とが基盤65に形成された配線孔101を経由する図外の配線により互いに接続される。図9に示すように、主制御取付台57に取り付けられた主制御装置59の主制御基板61と球案内体45の基盤65の裏面69に取り付けられた演出制御ユニット50の演出制御基板53とが配線102により互いに接続される。配線102は、両端にコネクタを備え、一端のコネクタが演出制御基板53に実装されたコネクタ53yに接続され、他端のコネクタが主制御基板61に実装されたコネクタ61yに接続される。
前面40aおよび裏面40bに図10に示した部品を搭載した図9に示す遊技盤40が、遊技機枠1Aに次のように装着される。図9のように、扉5が可動枠3の前側に開けられた状態において、遊技盤40の前面が前側に向けられ、遊技盤40の裏側が遊技機枠1Aの方向に向けられ、遊技盤40が可動枠3の前側から盤収納室15に挿入され、遊技盤40の下部が盤棚22の上に載せられ、遊技盤40の左側部が盤押圧体18と盤受ストッパ19との間に挿入され、遊技盤40の左側部が盤押圧体18で前側に押されつつ盤押圧体18と盤受ストッパ19とで前後方向から挟まれた後、遊技盤40の右側部が作業者によって後側に押されると、盤ロック機構20のロック操作体21が盤側取付部44aのロック挿入孔44bに後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、作業者がロック操作体21を例えば左方向に90度回転操作すると、ロック操作体21がロック挿入孔44bの周りにおける盤側取付部44aと係合し、遊技盤40が可動枠3に取り付けられる。このように遊技盤40が可動枠3に取り付けられた場合、遊技盤40の裏面における球案内体45と演出制御ユニット50と主制御装置取付部材57および主制御装置59が、中央開口部17を経由して盤収納構造体9より裏側に突出する。
図1を参照し、回路筐体取付装置1を説明する。回路筐体取付装置1は、遊技盤40、取付台としての球案内体45、台回路基板としての電飾集合中継基板72、台コネクタ90、回路筐体としての演出回路筐体51、筐係合部85、筐固定部86、筐コネクタ89、台係合部87、台固定部88、筐接続孔110、台接続孔111を備える。
球案内体45は遊技盤40の裏面40bに取り付けられる。電飾集合中継基板72は球案内体45の基盤65の前面68に取り付けられる。台コネクタ90は、電飾集合中継基板72の裏面に実装され、基盤65に形成された台接続孔111を経由して球案内体45の裏側に突出する。筐コネクタ89は、演出回路筐体51内に収納された筐回路基板としての演出制御基板53の前面53aに実装され、演出回路筐体51の前面51aに形成された筐接続孔110を経由して演出回路筐体51の前側に突出する。
図3;図5に示すように、演出回路筐体51は、収納筐体112と蓋体113とで形成される。収納蓋体112内に、表示パネル46、表示パネル制御基板47、演出制御基板53が設置された後に、収納筐体112の後方開口部114に蓋体113が取り付けられて収納筐体112が閉じられることで演出制御ユニット50が構成される。表示パネル46は収納筐体112の底側となる演出回路筐体51の前面51a側に設置され、表示パネル46の裏側に表示パネル制御基板47が設置され、表示パネル制御基板47の裏側に演出制御基板53が設置される。収納筐体112の底115における左側部には筐接続孔110が形成される。表示パネル46は図外の取付部を備え、この取付部に形成された貫通孔と収納筐体112内に設けられた図外の取付基台に形成された取付孔とを一致させた状態で、図外の止ねじが貫通孔を経由して取付孔に締結されることによって、表示パネル46が収納筐体112内に固定される。表示パネル制御基板47は図外の貫通孔を備え、この貫通孔と収納筐体112内に設けられた支柱116に形成された取付孔117とを一致させた状態で、図外の止ねじが貫通孔を経由して取付孔117に締結されることによって、表示パネル制御基板47が収納筐体112内に固定される。演出制御基板53は図外の貫通孔を備え、筐コネクタ89を筐接続孔110の裏側から筐接続孔110に通して筐接続孔110の前側に突出させるとともに貫通孔と収納筐体112内に設けられた支柱118に形成された取付孔119とを一致させた状態で、図外の止ねじが貫通孔を経由して取付孔119に締結されることによって、演出制御基板53が収納筐体112内に固定される。演出制御基板53の裏面には演出制御回路を形成する電気部品53xが実装される。収納筐体112の後方開口部114側の上片120と下片121とには蓋取付用の係合孔122;123;123が形成される。蓋体113の上部と下部とには収納筐体112の係合孔122;123;123に係合する係合体124;125;125が設けられる。蓋体113の上部に設けられた係合体124は、蓋体113より前側に延長する延長部126と延長部126より上に折り返されて後方に延長する折り返し部127とを備える。折り返し部127の上面には上方に突出する係合片128が設けられる。蓋体113の下部の中央には配線102を通す配線孔129が形成される。蓋体113の下部の係合体125;125が係合体125の下端から収納筐体112の下片121の係合孔123;123に収納筐体112の内側から挿入され、係合孔123;123に挿入された係合体125;125を支点として蓋体113の上部が収納筐体112の上面の方向に回転され、蓋体113の上部に設けられた係合体124の折り返し部127が延長部126の方向に押圧されることによって、折り返し部127が下方に撓み、係合片128が後方開口縁130から上片120の下面を移動して、蓋体113が前側に移動することによって、係合片128が係合孔122の位置にくると係合体124の弾性で係合片128が上方に移動し、係合片128が係合孔122の下側から上側に移動して係合孔122にはまり込むことで、蓋体113が収納筐体112の後方開口部114に取り付けられる。蓋体113が収納筐体112の後方開口部114に取り付けられた状態において、演出制御基板53の裏面に実装された筐コネクタ89と台コネクタ90とが筐接続孔110及び台接続孔111を経由して接続される。
図4に示すように、台係合部87は、球案内体45の裏面69においての一側部としての表示孔70の右側部の上下に設けられる。上の台係合部87aは、球案内体45の裏面69と平行に対向する対向面としての前後規制面131と、前後規制面の右側部と裏面69とを連結する連結部としての左右規制片132と、前後規制面131の上側部と裏面69とを連結する連結部としての上下規制片133とを備える。下の台係合部87bは、球案内体45の裏面69と平行に対向する対向面としての前後規制面134と、前後規制面134の右側部と裏面69とを連結する連結部としての左右規制片135と、前後規制面134の下側部と裏面69とを連結する連結部としての上下規制片136とを備える。
図3に示すように、筐係合部85は、演出回路筐体51の前面51aの一側部としての右縁部の上下に設けられる。図1に示すように、上の筐係合部85aは、演出回路筐体51の前面51aより上方に延長して、演出回路筐体51の前面と同一平面あるいは平行に位置する取付面138と、取付面138の左端より裏側に延長する延長面139と、延長面139の後端より右側後方向に延長する回転規制面140と、取付面138と回転規制面140との右端同士を互いに連結する湾曲面141と、取付面138、延長面139、回転規制面140、湾曲面141の上端同士を連結する上面142とを備える。図3に示すように、下の筐係合部85bと上の筐係合部85aとは、突出する方向が上下逆である以外は、同じ大きさ、同じ形状である。
図4に示すように、台固定部88は、球案内体45の裏面69においての他側部としての表示孔70の左側部の上下に設けられる。球案内体45の裏面69において球案内体45の表示孔70の下縁部の下方に演出回路筐体51の下面を支持する筐体支持部88aが形成される。
図5に示すように、筐固定部86は、演出回路筐体51の前面51aの他側部としての左縁部の上下に設けられる。上の筐固定部86aと下の筐固定部86bとは、互いに上下対象な形である。
図6を参照し、筐固定部86及び台固定部88の構造について説明する。図6のb図に示すように、筐固定部86は、係合具150と操作具151と保持具149とを備える。図6のa図に示すように、係合具150は、前後方向に貫通する中心孔152を有する円筒本体153の一端部に受部154を備え、円筒本体153の他端部に掛止部155を備える。受部154は円筒本体153の一端部より軸心方向の一方の外側に開口する皿状である。受部154と掛止部155との間における円筒本体153の外周面は、受部154の外径と掛止部155の外径との双方よりも細い、くびれ部156として形成される。掛止部155は、割溝157によって、周方向に独立した複数の片持ち梁のような弾性片として形成される。割溝157は、掛止部155の他端部とくびれ部156との間を、軸心方向と直径方向とに切り欠かれる。掛止部155を構成する各弾性片の中心孔152を囲む内面には、突起158が、軸心方向に向けて突出する。操作具151は、棒本体160の一端部に鍔161とくびれ部162と摘み163とを備え、棒本体160の他端部に係合溝164を備える。棒本体160は、受部154の方向から中心孔152に挿入されるとともに、中心孔152に挿入された場合に突起158を中心孔152の径方向外側に押して掛止部155を押し広げる、太さである。鍔161は、棒本体160の外径よりも大きな外径であって、受部154における周壁で囲まれた内部に取り込まれる大きさである。くびれ部162は、鍔161から同軸状に突出し、鍔161と摘み163との双方よりも細い。摘み163は、くびれ部162と鍔161との双方よりも太い円盤形状である。係合具150のくびれ部156が、演出回路筐体51に設けられた保持具149の取付孔170に嵌め込まれることによって、受部154と掛止部155とが、取付孔170の周囲における保持具149を挟む格好となり、係合具150が、保持具149に取り付けられる。保持具149は前面開口の筒体169の底面である後壁に取付孔170が形成されたものである。台固定部88は、裏側に開口した前後に延長する筒状の取付孔171を備える。図6のb図のように、操作具151の棒本体160が、係合具150の受部154の方向から中心孔152に挿入されることによって、係合溝164が、突起158に嵌め込まれた格好となり、操作具151が、係合具150に取り付けられる。
図6のc図を参照し、筐固定部86が台固定部88に取り付けられる構造について説明する。保持具149の筒体169を台固定部88の外側にかぶせ、係合具150の掛止部155を台固定部88の取付孔171内に入れた状態で、人が、操作具151の摘み163を矢印X1で示す方向に押すことによって、上記突起158と係合溝164との嵌まり合いが解除され、棒本体160が中心孔152の内部を奥に進入する。これに伴い、棒本体160の外周面が、突起158を中心孔152の径方向外側に押して、掛止部155を押し広げる。この中心孔152の径方向外側に押し広げられた掛止部155が、取付孔171を径方向外側に突っ張るように、取付孔171に接触する。これによって、筐固定部86が台固定部88の取付孔171に押し込まれた形態となり、筐固定部86と台固定部88とが互いに取り付けられる。
このように筐固定部86と台固定部88とが互いに取り付けられた状態において、人が、操作具151の摘み163を矢印X2で示す方向に引くことによって、棒本体160が中心孔152の奥から手前に後退する。これに伴い、棒本体160の外周面による突起158に対する中心孔152の径方向外側への押し力が弱くなり、掛止部155が自身の弾性によって径方向内側に復帰し、突起158が係合溝164に嵌まり込み、掛止部155が取付孔171から離れ、図6のb図の状態になる。これによって、筐固定部86と台固定部88との係合が解除された形態となり、人が筐固定部86を台固定部88から離れる方向に移動すると、台固定部88から筐固定部86が取り外される。
図7を参照し、演出制御ユニット50の筐コネクタ89と接続される台コネクタ90の取付構造を説明する。球案内体45に設けられた台接続孔111の上縁の上に位置する基盤65の前面68と台接続孔111の下縁の下に位置する基盤65の前面68とには上下一対で設けられた支柱を175;175を備える。一方、電飾集合中継基板72には、支柱175;175を電飾集合中継基板72の裏面から電飾集合中継基板72の前面に貫通させる上下一対の貫通孔176;176が設けられる。よって、電飾集合中継基板72の裏面を基盤65の前面68に向け、台コネクタ90を台接続孔111経由で球案内体45の裏側に突出させるとともに支柱175;175の前端を電飾集合中継基板72の裏側から貫通孔176;176に通して電飾集合中継基板72の前側に突出させた状態において、支柱175;175の前端に押え板177を設けて、止ねじ178が押え板177の貫通孔179;179を貫通して支柱175の前部に締結されることで、電飾集合中継基板72が支柱175;175に取り付けられる。電飾集合中継基板72の貫通孔176の径は支柱175の径より大きく、台接続孔111の径は台コネクタ90の径より大きく、支柱175の台座180と支柱175に締結された押え板177との間の長さaは、電飾集合中継基板72の板の厚さbより大きい。従って、台コネクタ90が台接続孔111より基盤65の裏側に突出した状態で、電飾集合中継基板72が、球案内体45の基盤65の前面68と直交する方向X(支柱175の中心線aに沿った方向)及び基盤65の前面68に沿う方向Y(支柱175の中心線aと直交する方向)に移動可動な状態に取り付けられる。これにより、演出制御ユニット50の演出制御基板53に設けられた筐コネクタ89と電飾集合中継基板72に設けられた台コネクタ90とのコネクタ同士による接続作業の際の筐コネクタ89と台コネクタ90との位置合わせを容易とできるとともに、演出制御ユニット50から筐コネクタ89及び台コネクタ90への応力集中を防止でき、筐コネクタ89及び台コネクタ90の損傷、接触不良などを防止できる。
図2を参照し、球案内体の裏面に回路筐体を取り付ける方法を説明する。a図、b図のように、演出回路筐体51の前面51aを球案内体45の裏面69に対して斜めに向かい合わせて筐係合部85と台係合部87とが係合され、演出回路筐体51が筐係合部85と台係合部87との係合を中心として裏面69に向かう方向に回転されるのに伴い、c図のように、筐コネクタ89と台コネクタ90とが互いに接続され、筐コネクタ89の電気接続子89aと台コネクタ90の電気接続端子90aとが互いに電気的に接続され(図1参照)、筐固定部86が台固定部88の裏側から前側に押し込まれるように押圧されることで台固定部88に結合され、演出表示制御ユニット50が球案内体45の裏面69に取り付けられることによって、演出表示制御ユニット50の球案内体45の裏面69への取付け作業が容易となる。
図2のa図、b図のように、筐係合部85の取付面138と回転規制面140とのなす角度αと筐係合部85の台係合部87への挿入の際の取付面138と球案内体45の裏面69とのなす角度β(挿入角度)とは互いに錯角となる。また、図2のb図の状態、即ち、挿入の際の筐係合部85の最大前後幅Xと、図2のc図の状態、即ち、台係合部87に取付けられた際の筐係合部85の最大前後幅Yとの関係は、Y>Xである。幅Xは、球案内体45の裏面69と台係合部87の前後規制面131;134との間の距離Zより小さく、幅Yは距離Zより大きい。つまり、筐係合部85の台係合部87への挿入の際には、球案内体45の裏面69と取付面138とのなす角を挿入角βに設定して回転規制面140と台係合部87の前後規制面131;134の内面とを互いに接触させた状態で回転規制面140を前後規制面131;134の内面で滑らせる。これにより、筐係合部85の台係合部87への挿入作業が容易となる。そして、湾曲面141と左右規制片132;135とが衝突したら、筐係合部85と台係合部87との係合を中心として演出制御ユニット50を球案内体45の裏面69の方向に回転させることによって、Y>Z>Xであるので、筐係合部85が台係合部87の前後規制面131;134を球案内体45の裏側方向に押圧した状態で球案内体45の裏面69と台係合部87の前後規制面131;134との間に嵌合され、演出制御ユニット50が球案内体45の裏面69にがたつきなく取り付けられる。つまり、筐係合部85の形状を、Y>Z>Xに設定する湾曲面141を備えた涙形状にすることで筐係合部85の台係合部87への挿入作業を容易にでき、かつ、筐係合部85を球案内体45の裏面69と台係合部87の前後規制面131;134との間に嵌合でき、球案内体45の裏面69に演出制御ユニット50をがたつきなく取り付けることがきる。また、演出制御ユニット50の取り外しの際には、図2のaないしc図の操作を逆に行う。この場合、筐固定部86と台固定部88との結合が解除されて、演出回路筐体51が筐係合部85と台係合部87との係合を中心として裏面69から離れる方向に回転された場合に、回転規制面140が台係合部87の前後規制面131;134の内面と衝突することによって、取付面138と球案内体45の裏面69とのなす角度βが90度以上にならないように規制されるので、演出表示制御ユニット50の取り外しの際の不意な脱落を防止できる。また、筐体支持部88aにより、演出表示制御ユニット50を支持するので、筐固定部86と台固定部88との結合部にかかる荷重を小さくできて、演出表示制御ユニット50の傾きを防止できる。
パチンコ機は、図外の電源スイッチの投入により、電源装置200から図外の電力供給配線を経由して、発射払出制御装置201、主制御装置59、演出制御ユニット50、その他の電気部品に電力が供給される。即ち、島と呼ばれる遊技機設置構造体の電源設備からの商用電源を図外の電源コネクタを経由して電源装置200に入力し、電源装置がパチンコ機に搭載された電気部品の駆動に必要な複数の電力を生成して電気部品に供給する。主制御基板61が電源スイッチのオン動作に伴う電力供給で起動し、球が球皿31に入っている状態において、遊技者が発射操作機構32を操作すると、発射払出制御基板201が発射機構24を発射操作機構32から出力された操作量に応じた発射力で例えば1分間に1か100発未満までの所定数の間隔で駆動し、発射機構24が球を1個ずつ遊技盤40の発射通路44に向けて発射する。発射通路44に発射された球が、発射通路44から遊技領域41に入り遊技領域41を流下する過程において、いずれかの入賞部品に入賞したならば、その入賞部品の球検出器から入賞検出信号が主制御基板61に出力される。
図8を参照し、パチンコ機の制御系統を説明する。入力機器181である球検出器からの入力信号が配線92;93;94;96;97、左中継基板80、右中継基板81、配線91;95、主制御中継基板58を経由して主制御基板61に出力されると、主制御基板61は配線102を経由して演出制御基板53に演出制御指示信号を出力する。演出制御基板53は演出制御指示信号を入力した場合に、出力機器182である表示装置52や複数の電飾基板55の光源78や遊技機枠1Aに設けられた図外のスピーカやランプのような枠側電気部品を制御する。即ち、演出制御基板53は、表示装置52の表示パネル制御基板47に表示の制御信号を出力したり、筐コネクタ89及び台コネクタ90を経由して複数の電飾基板55に光源78の制御信号を出力したり、電飾集合中継基板72及び枠コネクタを経由して枠側電気部品に制御信号を出力する。また、主制御基板61に記憶されたパチンコ機の情報は盤用外部中継基板82経由で図外のホールコンピュータに送信される。