図1乃至図9は、遊技機の1つであるパチンコ機を例とした発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技機の収納箱取付装置を分解して裏側から示す。図2乃至図4は遊技機の収納箱取付装置の作用を示す。図5は、遊技機の収納箱取付装置を裏側から示す。図6は、パチンコ機の遊技機枠1と遊技盤40とを分解して前側から示す。図7は、可動枠3を裏側から示す。図8は、工具係合部96乃至98に相当する工具係合部105の種々の形態を示す。図9は、台側コネクタ基板82の取付台55への取付構造を分解して裏側から示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図6の状態に遊技機枠1および遊技盤40を置いて矢印Aで示す前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図6を参照し、パチンコ機における遊技機枠1と遊技盤40との構造について説明する。遊技機枠1は、固定枠2の前側に可動枠3を左側のヒンジ4で横方向に片開き可能に取り付け、可動枠3の前側に扉5および球皿構造体6を左側のヒンジ7で横方向に片開き可能に取り付けた、構造である。固定枠2は、パチンコ店の図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれ、前後方向に貫通した縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠3は、遊技盤40を取り付ける前枠とも呼ばれ、前後方向に貫通した縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の可動枠本体8から盤収納構造体9を内部に延設する。可動枠本体8の右縦片部には、施錠装置10と複数のロック機構11;12;13およびロック解除操作体14が設けられる。盤収納構造体9は、遊技盤40を装着する前側に開口した盤収納室15の背壁16に前後方向に貫通する中央開口部17を備える。背壁16の左側部には、盤押圧体18および盤受止体19が設けられる。背壁16の右側部には、盤ロック機構20が設けられる。盤ロック機構20は、背壁16から前側に突出する円筒状の台座の中心にロック操作体21を回転可能に備える。ロック操作体21は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。盤収納室15の下縁部は、遊技盤40を搭載する左右方向に平坦な面としての盤棚22を形成する。
盤棚22から下方に延設された盤収納構造体9における前壁23の前面には、球発射機構24、球発射レール25、ファール球取入口26、払出球中継樋27が設けられる。球発射レール25は、球皿構造体6の球供給口34から供給された1個の球を受け取る。球発射機構24は、電力の供給と遮断とを交互に受けることによって、球皿部31から球発射レール25に供給された球を遊技盤40の遊技領域41に向けて1個ずつ発射する。球発射レール25は、球発射機構24から発射された球を、遊技盤40における球発射通路50の入口に誘導する。払出球中継樋27は、可動枠3の裏側に設けられた球払出装置54(図7参照)から払い出された球を球皿構造体6の球取入口33に排出する。前壁23の裏面には、機外排出樋28が設けられる。機外排出樋28は、遊技盤40の裏側から排出された球を受け取って遊技機設置構造体における捕球機構に排出する。扉5は、パネル枠とも呼ばれ、前後方向に貫通する窓29を囲む額縁形状である。扉5の裏面には、前面パネル30が窓29を覆う格好で扉5の裏側から取り付けられる。前面パネル30は、ガラスまたは合成樹脂などの材料からなる光を透過する性質の有る板状である。球皿構造体6の前面には、球皿部31および発射操作機構32が設けられる。球皿部31は、遊技に使用する球を受ける容器であって、球を収容する部分を上方に開口した上方から下方に窪む窪みとして有する。発射操作機構32は、遊技者が球を発射するために操作するものである。球皿構造体6の裏面には、球取入口33および球供給口34が設けられる。球取入口33は、払出球中継樋27から排出された球を球皿部31に供給する部分である。球供給口34は、球皿部31から球発射機構24に球を供給する部分である。
遊技機枠1では、可動枠3や扉5および球皿構造体6が閉じられてロック機構11乃至13で開閉不能に支持された場合、遊技店の店員が図外のキープレート(鍵)を遊技機枠1の前側から施錠装置10の鍵穴35に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠3とのロック機構11による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠3を前側に引くことによって、可動枠3はヒンジ4を回転中心として前側に片開きされる。また、上記施錠装置10の鍵穴35に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠3と扉5とのロック機構12による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が扉5を前側に引くことによって、扉5はヒンジ7を回転中心として前側に片開きされる。このように、扉5が前側に開かれた状態において、店員が可動枠3の前面に設けられたロック解除操作体14を操作すると、可動枠3と球皿構造体6とのロック機構13による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が球皿構造体6を前側に引くことによって、球皿構造体6はヒンジ7を回転中心として前側に片開きされる。
遊技盤40の前面には、内ガイドレール42と外ガイドレール43とで囲まれた内側の遊技領域41に、入賞部品44、遊技釘45、風車46、サイドランプ47、飾り部品48、アウト口49などの前側部品を備える。飾り部品48は、センター飾りとも呼ばれる。飾り部品48の裏側には、画像表示装置が配置される。画像表示装置は、画像表示装置の表示画面に表示された画像が遊技盤40の前側から飾り部品48の光を透過する性質の有る合成樹脂からなる保護パネルを通して見えるように、遊技盤の裏面における球案内構造体に取り付けられる。内ガイドレール42の左側部と外ガイドレール43の左側部との間に形成された隙間は、球発射通路50である。球発射通路50は、球発射機構24から発射された球を遊技領域41に誘導する。遊技盤40の右側部には、盤側取付部51が、上下に位置して設けられる。盤側取付部51は、ロック挿入孔52を個別に備える。
遊技盤の裏面には、図示は省略するが、球案内構造体と画像表示装置と取付台と主制御装置および演出制御装置が取り付けられる。球案内構造体は、セット板とも呼ばれ、遊技盤40の遊技領域41から裏面に排出されたパチンコ球と呼ばれる球を、下方に誘導して排出する。画像表示装置は、液晶表示器のように電気的に表示形態を変えられる画像を表示画面に表示する図柄表示器とも呼ばれる画像表示器と、画像表示器を制御する図柄制御装置とが、1つの収納箱の内部に装着された構造である。取付台は、主制御装置や演出制御装置を取り付けるものであって、球案内構造体の裏面に取り付けられる。主制御装置は、遊技の全般を制御するものであって、CPU、ROM、RAM、入力インターフェース、出力インターフェースなどのような、電気部品の実装されたプリント配線板からなる回路基板が、光を透過する性質の有る無色な合成樹脂からなる収納箱の内部に格納され、収納箱が開閉できないように封止部で封印された、構造である。演出制御装置は、主制御装置からの出力によって、表示灯やスピーカなどの遊技を演出する部品を制御するものであって、CPU、ROM、RAM、入力インターフェース、出力インターフェースなどのような、電気部品の実装された回路基板が、光を透過する性質の有る無色な合成樹脂からなる収納箱の内部に格納された、構造である。
そして、遊技盤40は、遊技機枠1に次のように装着される。扉5が可動枠3の前側に開けられた状態において、遊技盤40の前面が前側に向けられ、遊技盤40の裏側が遊技機枠1の方向に向けられ、遊技盤40が可動枠3の前側から盤収納室15に挿入され、遊技盤40の下部が盤棚22の上に載せられ、遊技盤40の左側部が盤押圧体18と盤受止体19との間に挿入され、遊技盤40の左側部が盤押圧体18で前側に押されつつ盤押圧体18と盤受止体19とで前後方向から挟まれた後、遊技盤40の右側部が作業者によって後側に押されると、盤ロック機構20のロック操作体21が盤側取付部51のロック挿入孔52に後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、作業者がロック操作体21を例えば左方向に90度回転操作すると、ロック操作体21がロック挿入孔52の周りにおける盤側取付部51と係合し、遊技盤40が可動枠3に取り付けられる。このように遊技盤40が可動枠3に取り付けられた場合、遊技盤40の裏面における球案内構造体と画像表示装置と取付台および主制御装置が、中央開口部17を経由して盤収納構造体9より裏側に突出する。
図7を参照し、可動枠3の裏側の構造について説明する。可動枠3の裏面には、球払出装置54と取付台55と電源装置56および発射払出制御装置57が設けられる。球払出装置54は、タンク構造体58と球払出機構59および図外の満タン検出機構を備える。そして、パチンコ球と呼ばれる球が、遊技機設置構造体における補給系統からタンク構造体58の内部に供給された状態において、球払出機構59の払出駆動源たるステップモータが一方向に回転して球払出機構59のスプロケットのような球払出体を一方向に回転するのに伴い、球払出体がタンク構造体58から球払出機構59の内部に供給された球を1個ずつ分離しつつ下方に払い出し、球払出機構59の払出球検出器が球払出体から払い出された球を電気的に検出するごとに払出球検出信号を主制御装置および発射払出制御装置57に出力する。球払出機構59の払出球検出器を通過した球は、満タン検出機構を経由して払出球中継樋27(図6参照)に到達する。取付台55は、電源装置56および発射払出制御装置57を取り付けるものであって、可動枠3の前壁23の裏面に取り付けられる。電源装置56は、取付台55の裏面に、右側に位置して取り付けられる。電源装置56は、遊技機設置構造体における島電源装置と呼ばれる交流トランスから配線で供給された交流電源をパチンコ機の電気部品に使用される複数の異なる直流電源に変換してパチンコ機の電気部品に供給するものであって、電気部品の実装された回路基板が収納箱の内部に格納された構造である。発射払出制御装置57は、取付台55の裏面に、左側に位置して取り付けられる。発射払出制御装置57は、主制御装置からの出力により球発射機構および球払出装置を制御するものであって、CPU、ROM、RAM、入力インターフェース、出力インターフェースなどのような電気部品の実装された回路基板が、光を透過する性質の有る無色な合成樹脂からなる収納箱60の内部に格納された構造である。
図1を参照し、遊技機の収納箱取付装置の構造について、可動枠3の裏面に取付台55を介して取り付けられる発射払出制御装置57を例として説明する。収納箱取付装置は、台側係合機構61、箱側係合機構62、台側ロック機構63、箱側ロック機構64、ロックねじ65;66;67を備える。台側係合機構61および箱側係合機構62は、互いに、一方向への移動による摺接係合によって、収納箱60を取付台55に取り付ける一方、摺接係合による一方向に対する逆方向への移動によって、収納箱60を取付台55から取り外すものである。上記一方向への移動は、矢印X1で示す下方から上方への移動を例とし、逆方向への移動は、矢印X2で示す上方から下方への移動を例とする。よって、矢印X1で示す下方から上方への移動は、収納箱60の取付台55への取付方向であり、矢印X2で示す上方から下方への移動は、収納箱60の取付台55からの取外方向である。
台側係合機構61は、可動枠3の裏面に取り付けられた取付台55の台主体部70に、左右方向に離れて相対峙して設けられ、左係合突起71および右係合突起72を備える。左係合突起71および右係合突起72は、取付台55の下面から同じ寸法だけ上方に離れた位置に配置される。左係合突起71は、台主体部70の裏面から裏側に突出する左縦壁73の内側面に、箱側係合機構62の左係合溝75を上下方向に移動可能にかつ前後方向にがたつかないように嵌め込む突起として形成される。左縦壁73の左係合突起71を有する内側面は、右縦壁74と対向する側に位置する面である。右係合突起72は、台主体部70から裏側に突出する右縦壁74の内側面に、箱側係合機構62の右係合溝76を上下方向に移動可能にかつ前後方向にがたつかないように嵌め込む突起として形成される。右縦壁74の右係合突起72を有する内側面は、左縦壁73と対向する側に位置する面である。
箱側係合機構62は、収納箱60の左側面に設けられた左係合溝75と、収納箱60の右側面に設けられた右係合溝76とからなる。左係合溝75および右係合溝76は、互いに、左右方向で対象となる形である。左係合溝75は、台側係合機構61の左係合突起71を上下方向に移動可能にかつ前後方向にがたつかないように嵌め込む溝として形成され、横溝77と縦溝78とを備える。横溝77は、収納箱60の左側面の前端面および外側に開口し、収納箱60の左側面の前端面から後側に直線的に延びる。縦溝78は、収納箱60の左側面の外側に開口し、横溝77の後端部から下方に直線的に延びる。右係合溝76は、台側係合機構61の右係合突起72を上下方向に移動可能にかつ前後方向にがたつかないように嵌め込む溝として形成され、横溝79と縦溝80とを備える。横溝79は、収納箱60の右側面の前端面および外側に開口し、収納箱60の右側面の前端面から後側に直線的に延びる。縦溝80は、収納箱60の右側面の外側に開口し、横溝79の後端部から下方に直線的に延びる。
そして、収納箱60が人によって支持され、箱側係合機構62における左係合溝75の横溝77および右係合溝76の横溝79が台側係合機構61における左係合突起71および右係合突起72に取付台55の裏側から前側に向けて直線的に嵌め込まれ、横溝77;79の後端部が左係合突起71および右係合突起72に衝突した後、収納箱60が人の操作で下方から上方に移動されると、左係合溝75の縦溝78および右係合溝76の縦溝80が左係合突起71および右係合突起72で誘導されつつ上方に移動し、台側係合機構61と箱側係合機構62とが矢印X1で示す下方から上方への移動による摺接係合によって、収納箱60が取付台55に前後方向に抜けないように取り付けられる。このように収納箱60が取付台55に取り付けられた状態において、収納箱60が人の操作で上方から下方に移動されると、左係合溝75の縦溝78および右係合溝76の縦溝80が左係合突起71および右係合突起72で誘導されつつ下方に移動し、縦溝78;80の上端部が左係合突起71および右係合突起72に衝突した後、収納箱60が人の操作で前側から後方に移動されると、左係合溝75の横溝77および右係合溝76の横溝79が左係合突起71および右係合突起72で誘導されつつ前側に移して左係合突起71および右係合突起72から後側に抜けるというように、台側係合機構61と箱側係合機構62とが矢印X2で示す上方から下方への移動による摺接係合によって、収納箱60が取付台55から後側に取り外される。
取付台55の台主体部70から裏側に突出した上壁81の下面には、プリント配線板からなる台側コネクタ基板82が、台側係合機構61の左右の間に位置して取り付けられる。台側コネクタ基板82の下面には、台側コネクタ83が実装される。収納箱60の上側の面には、箱側コネクタ84を備える。そして、前記のように収納箱60が、台側係合機構61と箱側係合機構62との矢印X1で示す下方から上方への移動による摺接係合によって取付台55に取り付けられることによって、台側コネクタ83と箱側コネクタ84とが互いに接続され、収納箱60が、それ以上、上方に移動しないように取付台55に取り付けられる。その状態において、収納箱60が人の操作で矢印X2で示す上方から下方に移動されることによって、上記台側コネクタ83と箱側コネクタ84との接続が解除され、箱側係合機構62が台側係合機構61から後側に引き抜かれ、収納箱60が取付台55から取り外される。
台側ロック機構63は、箱側ロック機構64に嵌め込まれることによって、収納箱60を取付台55に固定するものであって、台側コネクタ83と箱側コネクタ84との接続を少ない操作力で解除できるように補助する機能を有し、取手85の左右両側に一対の回転支持部86を一方向に突出し、一対の回転支持部86の前端部からアーム87を回転支持部86の左右方向に延びる中心軸に対し直角な一方向に突出し、回転支持部86を台主体部70の上部にヒンジ88で前後方向に回転可能に取り付けた、構造である。箱側ロック機構64は、台側ロック機構63に嵌め込まれることによって、収納箱60を取付台55に固定するものであって、収納箱60の裏面に、収納箱60の裏面から前側に窪む形状に設けられる。箱側ロック機構64には、取外用凹部89が、収納箱60の裏面に、収納箱60の裏面から前側に窪む形状に設けられる。
そして、台側係合機構61と箱側係合機構62とが矢印X1で示す下方から上方への移動による摺接係合によって、収納箱60が取付台55に前後方向に抜けないように取り付けられる場合、収納箱60の上部がアーム87を上方に押し上げることによって、取手85および回転支持部86がヒンジ88を中心として前側に回転して箱側ロック機構64に取り込まれることによって、収納箱60が取付台55に固定される。また、収納箱60が取付台55から取り外される場合、人が取手85を箱側ロック機構64から取り出すように後側に動かすことによって、アーム87がヒンジ88を中心として後側に回転して収納箱60を下方に押し下げる。これによって、台側コネクタ83と箱側コネクタ84との接続が、台側ロック機構63によるてこの原理で容易に解除される。
ロックねじ65乃至67は、収納箱60が台側ロック機構63と箱側ロック機構64との嵌め合いにより取付台55に固定された状態において、台側ロック機構63を箱側ロック機構64に締結するものであって、別々の工具でなければ操作できない構造である。ロックねじ65乃至67は、ねじ部90;91;92と頭部93;94;95とを同軸に一体に備える。ねじ部90乃至92は、頭部93乃至95の方向からねじ部90乃至92の先端部の方向にいくにしたがって徐々に外径が細くなる棒の外周面に雄ねじの形成されたタッピングスクリューのような構造である。頭部93乃至95は、ねじ部90乃至92の一端部に設けられる。頭部93乃至95の外径は、ねじ部90乃至92の外径よりも大きい。頭部93乃至95には、工具係合部96;97;98が、別々の工具でなければ操作できないように、互いに異なる形状に設けられる。
台側ロック機構63の取手85には、ねじ挿入孔99および頭収納部100が設けられる。ねじ挿入孔99は、ロックねじ65乃至67のねじ部90乃至92を直線的に挿入するために、取手85の前面と裏面とに貫通する。頭収納部100は、ロックねじ65乃至67の頭部93乃至95を収容するために、取手85の裏面から内部への窪みである。箱側ロック機構64には、ねじ結合孔101が設けられる。取手85および回転支持部86がヒンジ88を中心として箱側ロック機構64に取り込まれた場合、ねじ結合孔101は、取手85のねじ挿入孔99と位置が対応する。
そして、取手85および回転支持部86がヒンジ88を中心として箱側ロック機構64に取り込まれ、ロックねじ65乃至67のねじ部90乃至92が取手85の裏側から頭収納部100およびねじ挿入孔99を経由してねじ結合孔101に挿入される。その後、人が、図示を省略したロックねじ65乃至67に対応する別々の工具を、取手85の裏側からロックねじ65乃至67の工具係合部96乃至98に嵌め込んで一方向に回転操作すると、ロックねじ65乃至67のねじ部90乃至92がねじ結合孔101に雌ねじを形成しながら締結され、ロックねじ65乃至67の頭部93乃至95が頭収納部100に収容されて頭収納部100の前面に接触する。これによって、ロックねじ65乃至67が台側ロック機構63と箱側ロック機構64とを互いに結合する。取付台55の台主体部70には、ねじ挿入孔102が前後方向への貫通孔として設けられる。ねじ挿入孔102は、取付台55を可動枠3の前壁23の裏面に取り付けるための止ねじ103(図2参照)を挿入するための孔である。
図1乃至図5を参照し、収納箱取付装置の作用について説明する。先ず、図1に示すように発射払出制御装置57の収納箱60が人によって取付台55の後側に配置され、図2に示すようにタッピングスクリューのような止ねじ103が取付台55の裏側からねじ挿入孔102を経由して可動枠3の前壁23に締結され、取付台55が前壁23の裏面に取り付けられる。そして、図2において、台側ロック機構63の取手85がヒンジ88を中心として取付台55から後側に離れるように人によって操作され、箱側係合機構62における横溝77;79の後側開口が台側係合機構61の左係合突起71および右係合突起72と前後方向で向かい合わせられる。その後、収納箱60が人によって取付台55の台主体部70に近づくように前側に矢印X3で示すように直線的に移動されるのに伴い、箱側係合機構62の横溝77;79が台側係合機構61の左係合突起71および右係合突起72に後側から嵌め込まれて直線的な前側への移動によって摺接係合し、横溝77;79の後端部が左係合突起71および右係合突起72に衝突すると、箱側コネクタ84が台側コネクタ83の真下に到達する。
次に、図3に示すように、収納箱60が人によって矢印X4で示すように上方に直線的に移動されるのに伴い、台側係合機構61の左係合突起71および右係合突起72が箱側係合機構62の横溝77;79から縦溝78;80に上方から嵌め込まれて直線的な上側への移動によって摺接係合する過程において、収納箱60の上面が台側ロック機構63のアーム87を上方に押し上げる。図2の矢印X3と図3の矢印X4とが図1に示す矢印X1を構成する。引き続き、収納箱60の矢印X4で示す上方への移動が進行するのに伴い、収納箱60の上面が台側ロック機構63のアーム87をさらに上方に押し上げ、台側コネクタ83と箱側コネクタ84とが互いに嵌め合わされて接続し、台側ロック機構63の取手85および回転支持部86が収納箱60の箱側ロック機構64に格納され、収納箱60が取付台55に取り付けられる。
その後、図4に示すように、ロックねじ65乃至67がロックねじ65乃至67に対応する別々の工具で操作され、ロックねじ65乃至67のねじ部90乃至92が取手85の裏側から頭収納部100およびねじ挿入孔99を経由してねじ結合孔101に締結され、ロックねじ65乃至67の頭部93乃至95が頭収納部100に収容されて頭収納部100の前面に接触し、ロックねじ65乃至67が台側ロック機構63と箱側ロック機構64とを互いに結合する。これによって、図5に示すように、取付台55に設けられた台側ロック機構63と収納箱60に設けられた箱側ロック機構64とが互いに嵌め合わされ、別々の工具で操作可能な工具係合部96乃至98を備えたロックねじ65乃至67が台側ロック機構63と箱側ロック機構64とを互いに結合しているので、工具係合部96乃至98に対応する別々の工具を用いなければ、ロックねじ65乃至67による台側ロック機構63と箱側ロック機構64との結合を解除することができず、収納箱60を取付台55から簡単に取り外すことができないという利点がある。
収納箱60が取付台55にロックねじ65乃至67による台側ロック機構63と箱側ロック機構64との結合によって取り付けられた状態において、人が工具係合部96乃至98に対応する別々の工具を収納箱60の裏側から工具係合部96乃至98に差込んで前記締結方向と逆方向に回転操作することによって、ロックねじ65乃至67を台側ロック機構63および箱側ロック機構64から収納箱60の裏側に個別に取り外す。そして、人が収納箱60の裏側から取外用凹部89に指を入れて取手85を収納箱60の裏側に動かして、台側ロック機構63と箱側ロック機構64との嵌め合いを解除する。これによって、台側ロック機構63のアーム87がヒンジ88を中心として後側に回転して収納箱60を下方に押し下げる。この収納箱60が押し下げられる過程において、台側コネクタ83と箱側コネクタ84との接続が解除される。その後、人が、図2に示す台側係合機構61と箱側係合機構62との係合を解除するように、収納箱60を矢印X2で示す取出方向に移動することによって、収納箱60が取付台55から取り外せる。
台側コネクタ83と箱側コネクタ84との接続を少ない操作力で解除できるように補助するためのアーム87が、台側ロック機構63と別に、取付台55に設けられてもよいが、図1に示すように、アーム87が台側ロック機構63に設けられたので、アーム87を台側ロック機構63と別に設けた場合よりも、遊技機の収納箱取付装置としても全体構造が簡単となるという利点がある。
図8を参照し、図1の工具係合部96乃至98に相当する工具係合部105の構造について説明する。図8において、106は図1のロックねじ65乃至67に相当するロックねじ、107は図1のねじ部90乃至92に相当するねじ部、108は図1の頭部93乃至95に相当する頭部、109は頭部108の表面を示す。表面109は、ロックねじ106が図4に示す台側ロック機構63と箱側ロック機構64とを互いに結合した場合に、台側ロック機構63の裏側から見える面である。a欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から内部に窪む凹十字形であって、凹十字形の工具係合部105の中央に突起104を有する、凹凸複合形に形成される。b欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から外部に突出する凸花弁形である。c欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から内部に窪む凹花弁形である。d欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から内部に窪む凹三角形である。e欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から外部に突出する凸三角形である。f欄に示す工具係合部105は、頭部108の表面109から外部に突出する凸楕円形である。
図1では、図8のa欄乃至c欄に示す工具係合部105を有するロックねじ106をロックねじ65乃至67として用いたが、図8のa欄乃至f欄に示すロックねじ106を1本ずつ必要な複数本からなる組み合わせによって、複数本からロックねじ106に相当するロックねじ65乃至67が異なる形状の工具係合部96乃至98となる組み合わせでもよい。また、図8に図示は省略したが、工具係合部105の形状は、図8のa欄乃至f欄に示す形状に限定されるものではなく、凸十字形と凹十字形と凸四角形との組み合わせ、凸十字形と凹四角形と凸四角形との組み合わせ、凹十字形と凹四角形と凸四角形との組み合わせなど種々の形状の組み合わせが考えられる。図8のa欄乃至f欄に示すように、工具係合部105が、プラスドライバやマイナスドライバと呼ばれる汎用工具で回転操作不可能な、特殊な形状であれば、収納箱60を取付台55から取り外すことが一層やりづらくなるという利点がある。
図9を参照し、台側コネクタ基板82が取付台55における台主体部70の上壁81に取り付けられる構造について説明する。取付台55における台主体部70の裏面と左縦壁73の内側面および右縦壁74の内側面には、基板挿入溝110が形成される。取付台55における上壁81の下面には、受台111が形成される。受台111の左右方向の端部には、ねじ取付孔112が、前後に離れ、受台111の下面と上壁81の上面とへの貫通孔として形成される。台側コネクタ83の箱側コネクタ84を嵌め込む側の面が下に向けられた格好で、台側コネクタ基板82の左縁部および右縁部が取付台55の裏側から左縦壁73の基板挿入溝110および右縦壁74における基板挿入溝110に挿入され、台側コネクタ基板82の前縁部が台主体部70の基板挿入溝110に挿入されることによって、台側コネクタ基板82が取付台55に装着される。
台側コネクタ基板82には、位置決め孔113とねじ挿入孔114および逃部115が形成される。位置決め孔113およびねじ挿入孔114は、台側コネクタ83から左側および右側に離れた位置に設けられる。ねじ挿入孔114は、位置決め孔113を境として前後に分かれて設けられる。台側コネクタ基板82が基板挿入溝110に挿入されて取付台55に装着された場合、ねじ挿入孔114は、ねじ取付孔112と対向する。逃部115は、ヒンジブラケット116を逃げるために、台側コネクタ基板82の後縁部に設けられる。ヒンジブラケット116は、位置決め突起117とねじ挿入孔118およびヒンジ支持部119を備える。位置決め突起117は、ヒンジブラケット116の上面から上側に突出する。ねじ挿入孔118は、位置決め突起117を境として前後に分かれ、ヒンジブラケット116の上下方向への貫通孔として、ヒンジブラケット116に設けられる。位置決め突起117が台側コネクタ基板82の下方から位置決め孔113に嵌め込まれた場合、ねじ挿入孔118がねじ挿入孔114と対向する。ヒンジ支持部119は、ヒンジブラケット116の後端部に連接される。ヒンジ支持部119には、図1の回転支持部86の端部を嵌め込むための凹部120が、前後方向および下側に開口する。ヒンジ支持部119の凹部120を形成する左右側壁には、軸受孔121が、左右方向への貫通孔として形成される。
そして、台側コネクタ基板82が基板挿入溝110に挿入されて取付台55に装着され、位置決め突起117が位置決め孔113に嵌め込まれ、ヒンジ支持部119が逃部115に取り込まれ、ヒンジブラケット116が受台111の左右方向に端部に対応するように台側コネクタ基板82に配置され、タッピングスクリューのような止ねじ122がヒンジブラケット116の下方からねじ挿入孔118およびねじ挿入孔114を経由してねじ取付孔112に締結されることによって、台側コネクタ基板82およびヒンジブラケット116が取付台55の上壁81の下面に取り付けられ、台側コネクタ基板82における台側コネクタ83と対応する上面が受台111と対向する。ヒンジブラケット116を止める止ねじ122が台側コネクタ基板82に締結されてもよいが、上記のように止ねじ122が上壁81に締結されれば、止ねじ122が台側コネクタ基板82に締結される場合に比べ、ヒンジブラケット116の取付強度が向上するという利点がある。
よって、箱側コネクタ84が台側コネクタ83に下方から接続される場合、台側コネクタ基板82の左縁部と右縁部および前縁部が基板挿入溝110で支持され、台側コネクタ基板82における台側コネクタ83の設けられた上面が受台111で支持されるので、台側コネクタ基板82に無理な外力が加わることがなく、台側コネクタ基板82が破損することなく、箱側コネクタ84が台側コネクタ83に適切に接続される。また、箱側コネクタ84が台側コネクタ83から解除される場合、台側コネクタ基板82の左縁部と右縁部および前縁部が基板挿入溝110で支持され、台側コネクタ基板82がヒンジブラケット116で支持されるので、台側コネクタ基板82に無理な外力が加わることがなく、台側コネクタ基板82が破損することなく、箱側コネクタ84が台側コネクタ83から適切に解除される。
ヒンジブラケット116の凹部120には図1の回転支持部86の端部が嵌め込まれ、ヒンジ88が回転支持部86の端部における図外の軸受孔および軸受孔121に脱落しないように嵌め込まれることによって、ヒンジ支持部119には図1の台側ロック機構63が回転可能に取り付けられる。