JP4651936B2 - 移動体検知・報知システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両や歩行者等の移動体を検知し、その検知結果に基づいて、音響、音声、光の点灯・点滅表示、文字や画像の表示、振動などによる所定の報知を行う移動体検知・報知システムに関するものである。
従来、この種の移動体検知・報知システムとして、横断歩道を横断しようとする歩行者や自転車等を、焦電型赤外線センサー、超音波センサー、光センサー等の検知センサーで検知し、その検知信号に基づいて照明灯により横断歩道面を照射する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、マイクロ波を検知エリアに向けて発信し、検知エリア内に人体が存在する場合にはその人体からの反射波(ドップラー効果によって変調したマイクロ波)を受信して人体を検知し、警報信号を出力する防犯装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−60831号公報 特開2002−311154号公報
しかしながら、前述したような従来の移動体検知・報知システムは、検知エリア内に移動体が存在するか否かを検知するに留まるものであり、存在する場合には一律に所定の報知を行うように構成されたものである。
従って、本来検知対象としない移動体をも検知する(例えば、防犯装置において人体のみならず小動物をも検知する等)ことにより、不必要な検知(防犯装置にとっては誤動作になる)を行ってしまう場合があるという問題点がある。
また、特に、従来のマイクロ波を利用したドップラー方式の検知センサーによれば、その原理状、移動体の速度及び移動方向を計測することは可能であるが、センサーと移動体との絶対距離や相対距離を計測することはできなかったため、絶対距離や相対距離応じた適切な報知(例えば音声案内が確実に聞き取れるような所定距離内に移動体が近づいて初めて音声案内を流す等)を行うことができないという問題もあった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、移動体の動きに応じた適切な報知を行い得ると共に、不必要な報知を排除することが可能な移動体検知・報知システムを提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる移動体検知・報知システムは、移動体の存在の有無、相対距離及び速度を検知するマイクロ波を利用したレーダーと、前記レーダーによって検知した移動体の存在の有無、相対距離及び速度に基づき、所定の報知を行う報知手段とを備えた移動体検知・報知システムであって、
前記レーダーは、マイクロ波の送信に係る送信部と、発信されたマイクロ波が移動体に反射して生じる反射波の受信に係る受信部と、送受信と演算を制御する処理部と、マイクロ波を送信すると共に、移動体により反射された反射波を受信する送受信アンテナとを備え、前記送信部から単一周波数のマイクロ波を出力し、前記受信部により反射波を検出することで当該移動体の存在の有無、相対距離及び速度を検知するものであり、
前記送信部は、処理部の制御部による制御信号に基づいてマイクロ波の信号を出力するマイクロ波発生部と、該マイクロ波発生部によって発生されたマイクロ波の信号を増幅して送受信アンテナに出力する増幅器とを備え、
前記受信部は、送受信アンテナによって受信された反射波の信号を増幅する増幅部と、前記送受信アンテナで受信され増幅部で増幅された反射波の信号を検波すると共に、反射波の波形を作成する波形作成部と、波形作成部より入力された波形信号に基づいて、前記送受信アンテナから送信されるマイクロ波から得られる波長の4分の1であるλ/4で腹と節とが繰り返される前記反射波の腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような矩形波からなるパルス波形に反射波を波形整形するパルス計測器とを備え、
前記処理部は、マイクロ波を発生させるための制御信号をマイクロ波発生部に出力する制御部を備え、前記制御部は、パルス計測器より入力されたパルス波形信号に基づいて所定波長あたりの時間を検出し、当該時間に基づいて移動体の速度を算出する速度算出部を備え、
前記報知手段は、報知部とレーダーから送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度に基づき報知部の動作を制御する演算制御部とを備えると共に、前記演算制御部には、移動体の存在の有無、相対距離、及び速度の範囲が、テーブル方式でそれぞれ予め設定されており、レーダーから送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度と、予め設定された前記範囲とを比較演算し、送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度が予め設定した範囲内である場合に報知部を制御し、所定の報知動作を行わせ、又はその逆に、予め設定した範囲内から範囲外へ推移した時点で報知を行うものであることを特徴とするものである。
前記レーダーは、マイクロ波を出力する出力手段及び発信されたマイクロ波が移動体に反射して生じる反射波を検出する検出手段が各々複数備えられ、且つ前記複数の出力手段及び検出手段は検出方向に対し各々所定の間隔をおいて設けられ、前記複数の検出手段が検出する反射波の位相差に基づいて、更に当該移動体の移動方向及び絶対距離を検知するものであることを特徴とするものである。
また前記レーダーと前記報知手段とは、無線接続されていてもよい
また前記報知手段は、道路近傍に連続して複数設置された発光体であり、前記レーダーにより検知された移動体の移動速度に基づいて順次点滅を行うものであってもよい
また前記発光体は、移動体の移動速度と略同一に順次点灯するものであってもよい
更にまた前記発光体は、自発光式道路鋲、自発光デリニェーター、自発光スノーポール、照明灯からなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよい
また前記レーダー及び前記報知手段は、合流する複数の道路に少なくとも1組が設置され、前記レーダーが前記合流地点の方向に向かう移動体を検知した場合、前記報知手段が該移動体の接近を報知するようにしてもよい
更にまた前記移動体は車両であって、前記合流地点は側線からの本線への合流が行われる地点であってもよい
更にまた前記移動体は車両であって、前記合流地点は交差点であってもよい
更にまた前記移動体は歩行者及び/又は自転車であってもよい
また前記移動体は道路を通行する車両であって、前記報知手段は前記レーダーにより検知された車両の移動速度が一定速度を下回った場合に、道路を通行する車両の運転者に対し渋滞の発生を報知するものであってもよい
また更に前記センサーは、道路に沿って一定間隔をおいて設置され、渋滞の距離及び速度を検知してもよい
また前記移動体は道路を通行する車両であって、前記報知手段は前記レーダーにより検知された前記車両の移動速度が一定速度を上回った場合に、前記車両の運転者に対し速度超過の警告を報知するものであってもよい
また前記移動体は車両及び/又は自転車であって、前記レーダーが前記移動体の漸進的な停止を感知した場合に、前記報知装置により駐車及び/又は駐輪の禁止を警告してもよい
また前記レーダー及び報知手段は、可搬式のものであってもよい
また前記レーダー及び前記報知手段は、進入禁止道路の入り口付近に設置され、前記レーダーにより前記移動体の移動方向が進入禁止方向として検知された場合に、前記報知手段により進入禁止警告を行ってもよい
更にまた前記進入禁止道路は、一方通行の道路であってもよい
更にまた前記進入禁止道路は、車両通過高さ制限及び/又は車両通過幅制限の地点を有するものであって、該高さ制限及び/又は幅制限と略同一の高さ及び/又は幅を通過する移動体を検知可能に前記レーダーが設けられ、該レーダーにより前記移動体が検知され且つ移動方向が前記地点に向かう方向として検知された場合に、前記報知手段により通過禁止警告を行ってもよい
また前記レーダー及び前記報知手段は、道路のカーブにおいてお互いが視認できない各々の位置に少なくとも1組が設置され、前記移動体は通行車両であってもよい
また前記報知手段は、対向車の接近を通行車両の運転者に報知するものであってもよい
また前記移動体は歩行者であって、前記報知手段は前記レーダーにより検知された歩行者が道路を横断する方向に移動した場合、道路を走行する車両の運転者に前記歩行者の存在を喚起するものであってもよい
更にまた前記報知手段は、前記横断する歩行者を照明する照明装置であってもよい
また前記報知手段は、前記センサーにより所定の方向に進行する移動体を検知してカウントし、そのカウントの数を報知するものであってもよい
また前記報知手段は、前記移動体が所定の方向以外に向かっていることを前記レーダーにより検知した場合に、所定の方向に向かうよう指示を行うものであってもよい
更にまた前記移動体は車両であって、前記報知手段及び前記レーダーは駐車場に設置されて前記車両を所定の方向に誘導してもよい
また前記レーダー及び前記報知手段は、進入に注意を要する道路の入り口付近に設置され、前記レーダーにより前記移動体の移動方向が前記道路の入り口方向と検知された場合に、前記報知手段により進入に注意を促す注意喚起を行ってもよい
更にまた前記進入に注意を要する道路はトンネルであって、該トンネル内を歩行者が歩行している場合に、前記報知手段により前記注意喚起を行ってもよい
請求項1に記載の本発明に係わる移動体検知・報知システムによれば、マイクロ波(周波数3G〜30GHz、波長1〜10cmの範囲内の電波)またはミリ波(周波数30G〜300GHz、波長1〜10mmの範囲内の電波)を利用したレーダーにより、移動体の存在の有無、相対距離及び速度を検知し、その検知結果に基づいた報知を行うことで、移動体の動き(存在の有無、相対距離及び速度)に応じた適切な報知を行うことが可能である。またこれら検知結果に基づいて移動体をある程度識別することもできる(例えば、速度が所定範囲以上の場合には、人体ではない等)ため、不必要な報知を排除する構成とすることも可能である。更には、マイクロ波とミリ波を用いることで、屋外に設置した場合でも降雨、降雪、霧、粉塵等による検知への影響を受けることが比較的少なく、安定して誤作動の少ないシステムを得ることができる。
また、単一の周波数に由来する反射波により移動体の動きを検知して報知手段により報知できることで、レーダーに周波数を変化させるための回路等が不要で、機構が簡便なものとなりコストや故障の低減に繋げることができ、更には単一の周波数であるから周囲に通信やレーダー等が複数設置されている場合でも混信や誤検知の恐れが小さくなり好ましい。
また請求項2の発明によれば、各反射波の位相差を検出して移動体の移動方向を検出することが単一の周波数で可能となり、単一の周波数を用いることによる上述の利点に加え、簡便な構成で移動方向を検知して、レーダーの適用する幅を格段に広げることができ好ましい。
また前記レーダーと前記報知手段とが、無線接続されていれば、レーダーと報知手段との間をケーブル等の配線で接続する必要がないため、設置上の制約を受け難いと共に、例えば1つのレーダーの計測結果に応じて複数の報知手段を動作させることや、複数のレーダーの計測結果に応じて1つの報知手段を動作させること等も比較的容易となり、移動体検知・報知システムは自由度の高いものとなり好ましい。
また請求項1の発明によれば、検知対象とするべき移動体の相対距離、及び速度の範囲がそれぞれ予め設定されており、前記報知手段は、前記レーダーによって計測した移動体の相対距離及び速度が、前記予め設定された範囲内にあるか、または範囲内から範囲外に移動した場合に報知を行うように構成されているため、検知対象ではない移動体を検知することによる不必要な報知を排除することが可能となり好ましい。
また前記報知手段が、道路近傍に連続して複数設置された発光体であり、前記レーダーにより検知された移動体の移動速度に基づいて順次点滅を行うものであれば、レーダーにより移動体の少なくとも存在、移動方向及び速度を検知し、その速度に応じて発光体を順次点滅させることで、発光体の発光が必要な移動体の通過時のみに発光体を発光させて発光に係わるエネルギーを低減することができ、且つ移動速度に応じて最適な順次点滅を行い、視線誘導等、発光体の発光による効果を高いものとすることができ好ましい。
また前記発光体が、移動体の移動速度と略同一に順次点灯するものであれば、移動体がとりわけ高速で走行する車両である場合に、極めて視線誘導効果の高いガイドライトとして機能することができ、また順次点滅が必要な発光体を最小限のものとでき、発光に係わるエネルギーを更に低減することができ好ましい。
また前記発光体が、自発光式道路鋲、自発光デリニェーター、自発光スノーポール、照明灯からなる群から選ばれた少なくとも1つであれば、これらの発光体は道路の近傍に連続して複数設置されるものであり、視線誘導等の機能を有すると共に、発光に係わるエネルギーの低減による利点が有効に発揮されるものであり、かかる発光体に適用することで上述の如き効果が更に高められることとなり好ましい。
また前記レーダー及び前記報知手段は、合流する複数の道路に少なくとも1組が設置され、前記レーダーが前記合流地点の方向に向かう移動体を検知した場合、前記報知手段が該移動体の接近を報知すれば、移動体の少なくとも存在及び移動方向を検知し、合流地点の方向に向かう移動体を検知した場合に他方の道路に設置された報知手段により移動体の接近を報知することで、対象とする移動方向以外に移動する移動体の検知による報知手段の誤作動を防止して、動作の信頼性が高い移動体検知・報知システムとすることができ好ましい。
また前記移動体が車両であって、前記合流地点が側線からの本線への合流が行われる地点であれば、側線から本線への合流は他方の車両への見通しが悪い場合が多く、合流時に接触を起こす恐れが高いが、少なくとも一方の道路を走行する車両に合流車両の存在を喚起して合流を予知させておくことで合流は円滑に行われ、接触の恐れを低減することに繋がり好ましい。
また前記移動体が車両であって、前記合流地点が交差点であれば、信号のない交差点などにおける車両同士の合流においては、例え主幹道路を走行していても見通しの悪い側線からの車両の飛び出しの恐れがあり、かかる交差点に本発明に係わる移動体検知・報知システムを適用することで、側線等からの車両の接近を予め他方の道路に報知できるようにして運転者に安心感を与えると共に、車両同士の接触の恐れを低減して交通安全に貢献することができ好ましい。
また、前記移動体が歩行者及び/又は自転車であれば、上述の交差点の場合と同様に、見通しの悪い側線等から飛び出してくる歩行者や自転車を検知して予め他方の道路に報知できるようにして運転者に安心感を与えると共に、歩行者、自転車及び車両の接触の恐れを低減して交通安全に貢献することができ好ましい。
また、前記移動体が道路を通行する車両であって、前記報知手段が前記レーダーにより検知された車両の移動速度が一定速度を下回った場合に、道路を通行する車両の運転者に対し渋滞の発生を報知するものであれば通行する車両の少なくとも存在及び移動速度を計測し、車両が存在し且つ移動速度が一定値以下となった場合に報知手段により渋滞の報知を行うことで、従来の画像処理等と較べ周囲の環境変化に影響されにくく、またリアルタイムで信頼性の高い渋滞の報知を行うことができ好ましい。
また更に前記センサーが、道路に沿って一定間隔をおいて設置され、渋滞の距離及び速度を検知すれば、レーダーが設置され且つ渋滞が検知されている範囲により渋滞の距離を検出でき、また移動体の移動速度を検知することで渋滞の流れ度合いをも検知して報知することができ、渋滞に関する詳細な情報を報知して運転者の苛立ち等の軽減に繋げることができ好ましい。
また前記移動体が道路を通行する車両であって、前記報知手段が前記レーダーにより検知された前記車両の移動速度が一定速度を上回った場合に、前記車両の運転者に対し速度超過の警告を報知するものであれば、従来の速度超過警告装置より簡易な構成で形成でき、また悪天候時、視界不良時、夜間を問わず移動体の存在及び移動速度を検知し、速度超過している車両に対し報知手段により警告を行うことができるものとなり好ましい。
また前記移動体が車両及び/又は自転車であって、前記レーダーが前記移動体の漸進的な停止を感知した場合に、前記報知装置により駐車及び/又は駐輪の禁止を警告すれば、移動体の少なくとも存在及び移動速度を検知し、その移動速度の推移を観測することで、移動体の通過と駐車及び/又は駐輪とを高い信頼性で判別でき、また駐車の直後に警告を行うことで駐車及び/又は駐輪の警告は効果的なものとなり好ましい。
また前記レーダー及び報知手段が、可搬式のものであれば、レーダー及び報知装置を工事現場やイベント会場等の必要な場所に設置して簡易且つ適宜にシステムを構成することができ好ましい。
また前記レーダー及び前記報知手段が、進入禁止道路の入り口付近に設置され、前記レーダーにより前記移動体の移動方向が進入禁止方向として検知された場合に、前記報知手段により進入禁止警告を行えば、進入禁止道路は概ね屋外であり、レーダーにマイクロ波又はミリ波を利用していることで従来のセンサー類と較べ周囲の環境変化により影響が少なく、移動体の検知が安定して行われ、また移動体の方向を誤検知することなく、その方向が進入禁止の方向であれば瞬時に進入禁止警告を行うことが可能であり、進入後の後戻りなどの発生を防止でき好ましい。
また前記進入禁止道路が、一方通行の道路であれば、一方通行の道路は狭い道路である場合が多く、一方通行の道路に適用することで上述の如き効果はより顕著なものとなり好ましい。
また前記進入禁止道路が、車両通過高さ制限及び/又は車両通過幅制限の地点を有するものであって、該高さ制限及び/又は幅制限と略同一の高さ及び/又は幅を通過する移動体を検知可能に前記レーダーが設けられ、該レーダーにより前記移動体が検知され且つ移動方向が前記地点に向かう方向として検知された場合に、前記報知手段により通過禁止警告を行えば、車両通過高さ制限や幅制限は遵守されないことによる被害が甚大なものとなる恐れがあり、従来の制止バーを用いる方法では車両の側に傷を付けてしまう場合があり、レーダーにより高さ及び/又は幅の制限外の領域における少なくとも移動体の存在及び移動方向を検知して警告することで、効果的且つ安全に進入禁止警告を行うことができ好ましい。
また前記レーダー及び前記報知手段が、道路のカーブにおいてお互いが視認できない各々の位置に少なくとも1組が設置され、前記移動体が通行車両であれば、通行車両の少なくとも存在及び移動方向を検知して、各々が視認できない位置の報知手段により接近警告を行うことで、報知の対象とする方向のみに移動する車両のみを検知して接近警告を行うことができ、対象とする方向の反対側に移動する車両を検知して報知手段が誤作動を起こす恐れがなく、またマイクロ波又はミリ波を利用することで周囲の環境変化の影響も受けにくく、動作の信頼性が高い移動体検知・報知システムとなり好ましい。
また前記報知手段が、対向車の接近を通行車両の運転者に報知するものであれば、従来の対向車の接近を通行車両の運転者に報知するシステムは、センサーが周囲の環境変化による影響を受けやすいものが多く、また通行車両の存在のみを検知して報知を行うもので誤作動が多く信頼性に乏しいものであったため、本発明に係わる移動体検知・報知システムを適用することでそれらの問題を一挙に解決して信頼性の高いものとすることができ好ましい。
また前記移動体が歩行者であって、前記報知手段は前記レーダーにより検知された歩行者が道路を横断する方向に移動した場合、道路を走行する車両の運転者に前記歩行者の存在を喚起するものであれば、歩行者の少なくとも存在及び移動方向を検知し、歩行者が道路を横断する方向に移動している場合に、道路に対して歩行者の横断を報知することで、降雪や霧等の視界不良時においても、横断する歩行者の存在を運転者に確実に予告して交通事故の防止に繋げることができ好ましい。
また前記報知手段が、前記横断する歩行者を照明する照明装置であれば、夜間において横断する歩行者は対向車の前照灯等によって蒸発現象が起こり、運転者から視認できなくなる場合があるが、歩行者を明るく照明することで蒸発現象の発生を抑止し、交通事故の発生を未然に防止することができ好ましい。
また前記報知手段が、前記センサーにより所定の方向に進行する移動体を検知してカウントし、そのカウントの数を報知するものであれば、移動体の存在及び移動方向を検知し、検知された回数を報知することで、対象以外の方向に移動する移動体を検知することなく一方向へ移動する移動体を確実にカウントすることで、信頼性の高い移動体のカウントを行うことができ好ましい。
また前記報知手段が、前記移動体が所定の方向以外に向かっていることを前記レーダーにより検知した場合に、所定の方向に向かうよう指示を行うものであれば、移動体の少なくとも存在及び移動方向を検知し、ロータリーや駐車場等所定の方向以外に移動体が移動すると不都合が起こる箇所において所定の方向以外に向かう移動体に対してのみ方向変更を指示することで、過度の表示や報知を行うことなく不都合の発生を回避でき好ましい。
また前記移動体が車両であって、前記報知手段及び前記レーダーが駐車場に設置されて前記車両を所定の方向に誘導すれば、駐車場の一方通行の指示や、駐車場の空きスペースへの誘導を行うことができ、駐車場内の安全や駐車場の円滑な運用に繋げることができ好ましい。
また前記レーダー及び前記報知手段が、進入に注意を要する道路の入り口付近に設置され、前記レーダーにより前記移動体の移動方向が前記道路の入り口方向と検知された場合に、前記報知手段により進入に注意を促す注意喚起を行えば、狭い道やトンネル等の進入に注意を要する道路に歩行者や自転車等の移動体が通行していることをレーダーにより検知し、入り口で報知手段により注意を促すことで、進入に際して事前に減速する等の対応を行うことができ、進入に注意を要する道路における接触事故等の発生の恐れを低減でき好ましい。
また前記進入に注意を要する道路がトンネルであって、該トンネル内を歩行者が歩行している場合に、前記報知手段により前記注意喚起を行えば、とりわけ口径の小さいトンネルなどにおいては接触事故等の発生の恐れが大きく、予め歩行者や自転車が通行していることが報知手段により示されていれば、減速や前照灯の点灯等の対応を行なうようになり、接触事故等の発生の恐れが低減され好ましい。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる移動体検知・報知システムの一例を示すもので、レーダーが一出力型のドップラーレーダーである場合を示すブロック図である。移動体検知・報知システム100は、レーダー1a及び報知手段2を備えたもので、レーダー1はマイクロ波(周波数3Gから30GHz、波長1〜10cmの範囲内の電波)を利用したドップラー方式のレーダーとされている。レーダー1は、マイクロ波の送受信アンテナ11と、マイクロ波の送信に係わる送信部12、反射波の受信に係わる受信部13、及び送受信と演算を制御する処理部14とを備えている。
レーダー1において、送信部12は、マイクロ波発生部121及び増幅部122を備えて構成され、マイクロ波発生部121は制御部141による制御信号に基づいてマイクロ波の信号を出力する。増幅部122は、マイクロ波発生部121によって発生されたマイクロ波の信号を増幅して送受信アンテナ11に出力する。送受信アンテナ11は、増幅器によって増幅されたマイクロ波を送信すると共に、移動体により反射された反射波Sを受信する。
受信部13は、増幅部131、波形作成部132及びパルス計測器133を備えて構成され、増幅部131は送受信アンテナ11によって受信された反射波Sの信号を増幅し、波形作成部42に出力する。波形作成部132は、送受信アンテナ11で受信し増幅部131で増幅された反射波Sの信号を検波すると共に、後述する反射波Sの波形を作成する。パルス計測器133は、波形作成部132によって作成された反射波Sを矩形波に波形整形する。
処理部14は、制御部141を備えて構成される。制御部141は、例えば中央演算処理装置(Central Processing Unit、以下「CPU」と略記する)で構成され、速度算出部142を含む。
なお、制御部141は上述の通り、マイクロ波を発生させるための制御信号をマイクロ波発生部121に出力する。速度算出部142は、受信部13によって検出された反射波Sの所定波長辺りの時間を検出することによって移動体Mの速度を算出する。
図2は、上述の反射波Sの形成を説明するための概略説明図であり、図2(a)は送受信アンテナ11と移動体との間に形成される反射波Sを表す波形図であり、図2(b)は図2(a)に示す反射波Sを波形作成部132において波形変換することによって得られる矩形波を表す波形図である。図2(a)に示すように、レーダー1aの送受信アンテナ11からマイクロ波を送信すると、進行波となって空気中を進行し、移動体Mに到達すると移動体で反射して反射波Sとなり、この反射波Sは移動体Mから送受信アンテナ11に向かって進行する。
ここでマイクロ波fの波長λはλ=c/fで表される。波長λは一周期の間に波動が伝播する距離を表しており、反射波Sは送受信アンテナ11から送信されるマイクロ波から得られる波長の4分の1であるλ/4で、腹Shと節Sfとが繰り返される。マイクロ波を出力することによって得られる反射波Sは、移動体が停止している場合、振幅が一定レベルのみを示し振幅は得られないが、移動する移動体Mが存在することで腹Shと節Sfとが繰り返される振幅が得られ、その振幅を受信部13及び処理部14により検出することで、移動体Mの存在の有無を判定することができる。
上述のように、反射波Sの波長λは一周期の間に波動が伝播する距離を表しているため、腹から腹、節から節、腹から節又は節から腹に至る時間を測定すれば、移動体Mの速度を測定することができる。すなわち、図2(b)に示すように、節d1から節d2までの距離Δd(=d2−d1)は、下記の(1)式で表すことができる。
Δd=λ/2=(1/2)×(c/f)=c/2f・・・(1)
なお、上記(1)式において、cは空気中を進行するマイクロ波の速度を示し、fは送受信アンテナ11から発信されるマイクロ波の周波数を表している。
更に、移動体Mの速度Vは上記(1)式を用いて下記の(2)式で表すことができる。
V=Δd/Δt=(c/2f)/Δt・・・(2)
なお、上記(2)式において、Δdは反射波Sの節d1から節d2迄の距離を表し、Δtは時間t1から時間t2までの期間を表し、cは空気中を進行するマイクロ波の速度を示し、fは送受信アンテナ11から発信されるマイクロ波の周波数を表している。
このように、反射波Sの節d1から節d2までの距離Δdを、時間t1から時間t2までの期間Δtで除算することによって移動体Mの速度Vを算出することができる。
次に、移動体Mの速度を算出する場合におけるレーダー1の動作について説明する。まず制御部141は単一周波数fのマイクロ波の信号を発生させるための制御信号を出力し、マイクロ波発生部121に制御信号が入力される。マイクロ波発生部121は入力された制御信号に基づいて所定の単一の周波数fのマイクロ波の信号を発生させ、増幅部122に出力する。増幅部122は入力された単一の周波数fの信号を増幅させ、送受信アンテナ11に出力し、送受信アンテナ11は単一の周波数fのマイクロ波を空気中に送信する。
送受信アンテナ11より送信されたマイクロ波が移動体Mにより反射されて反射波Sが形成され、送受信アンテナ11により反射波Sが受信される。送受信アンテナ11は受信した反射波Sを増幅器131に出力し、増幅器は送受信アンテナ11により入力された信号を増幅して波形作成部132に出力する。波形作成部132は、入力された反射波Sを検波すると共に、反射波Sの波形を作成し、パルス計測器133に出力する。
パルス計測器133は、波形作成部132より入力された波形信号に基づいて、図2(b)に示すような反射波Sの腹ShでLレベルからHレベルに変化し、節SfでHレベルからLレベルに変化するようなパルス波形に反射波Sを波形整形し、制御部141の速度算出部142に出力する。速度算出部142は、パルス計測器133より入力されたパルス波形信号に基づいて所定波長あたりの時間を検出し、検出された所定波長あたりの時間を検出する。すなわち、速度算出部142は、入力された所定波長λ/4あたりの期間Δtを検出する。速度算出部142は、入力された所定波長λ/4あたりの期間Δtに基づいて移動体Mの速度を算出する。すなわち、速度算出部142は、所定波長あたりの時間Δtを(2)式に代入することにより移動体Mの速度Vを算出する。
反射波の波長は距離にそのまま対応しているため、検出された反射波の所定波長あたりの時間を検出することで移動体の速度を算出することができる。第1の実施形態に記載のレーダー1aでは、単一の周波数のマイクロ波を用いるので、簡単な装置構成で移動体に向けてマイクロ波を出力し、反射波を検出することによって容易に移動体の速度及び移動距離、すなわち相対距離を測定することができる。以上のように、レーダー1aにより、移動体Mの存在の有無、速度及び相対距離が計測され、これら計測結果がケーブルCを介して報知手段2に送信される。
報知手段2は、演算制御部21と、報知部22とを備えている。演算制御部21は、レーダー1から送信された計測結果(移動体Mの存在の有無、速度及び相対距離)に基づき、後述する所定の演算を行い、報知部22の動作を制御するものである。演算制御部21には、検知対象とするべき移動体の存在の有無、速度及び相対距離の範囲が、例えばテーブル方式でそれぞれ予め設定されており、演算制御部21は、レーダー1から送信された移動体Mの存在の有無、速度及び相対距離と、前記予め設定された範囲とを比較演算し、送信された計測結果が予め設定した範囲内である場合に報知部22を制御し、所定の報知動作を行わせる。また逆に、予め設定した範囲内から範囲外へ推移した時点で報知を行うものであってもよい。
前記検知対象とするべき移動体の存在の有無、速度及び相対距離の範囲は、本システム100の使用目的に応じて種々の値に設定することが可能である。より具体的には、例えば移動体Mが検出され、その移動体Mの速度が所定範囲内にある場合に移動体Mが歩行者であると判断し、報知部22を動作させるように構成することが可能である。また複数の範囲を設定し、いずれの範囲に該当するかによって報知動作を異ならせるように制御することも可能である。更には、時系列で複数の範囲を設定しておき、先の範囲に該当した後、次の範囲に該当して初めて報知動作を行わせるように構成することも可能である。
報知部22の報知内容も本システム100の使用目的に応じて種々設定可能である、例えば、歩行者が歩道から車道に逸脱した場合(移動体の速度及び存在の有無により判断可能である)に、音声案内部で警告や誘導を発音させるように構成すれば、老人や生活弱者等のバリアフリーに供することが可能である。更には、歩行者に車両が接近している(移動体の存在の有無、速度及び相対距離により判断可能である)ことを警告したり、歩行者が電柱等に接近していることを警告したり等、レーダー1から送信された移動体の存在の有無、速度及び相対距離と、これら計測結果に応じた報知内容とを予め設定しておくことにより、多種多様の報知を行うことが可能である。
以上に説明したように、本実施形態に係わる移動体検知・報知システム100によれば、マイクロ波を利用したドップラー方式のレーダーにより、移動体Mの存在の有無、速度及び相対距離を計測し、その計測結果に基づいた報知を行うため、移動体Mの動きに応じた適切な報知を行うことが可能である。また検知対象とするべき移動体Mの存在の有無、速度及び相対距離がそれぞれ予め設定されており、レーダー1による計測結果が前記予め設定された範囲内にある場合か、又は範囲内から範囲外に推移した時点で報知手段2により報知を行うように構成されているため、検知対象ではない移動体Mを検知することによる不必要な報知を排除することが可能である。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる移動体検知・報知システムの一例を示すもので、レーダーが二出力型のドップラーレーダーである場合を示すブロック図である。移動体検知・報知システム100は、レーダー1b及び報知手段2を備えたもので、レーダー1bはマイクロ波(周波数3Gから30GHz、波長1〜10cmの範囲内の電波)を利用したドップラー方式のレーダーとされている。レーダー1bは、二体のマイクロ波の送受信アンテナ11A及び11Bと、第1の実施形態と同様に、送信部12、受信部13及び処理部14とを備えたものである。尚、処理部14には速度算出部142に替えて移動方向・距離算出部143が備えられたものとなされている。
本実施形態においては、第1の反射波検出手段と、第1の反射波検出手段と所定の間隔を有する位置に設けられた第2の反射波検出手段を設けることによって、第1の反射波検出手段において検出される第1の反射波と、第2の反射波検出手段において検出される第2の反射波に位相差を生じさせる。そして第1の反射波検出手段によって検出された第1の反射波と、第2の反射波検出手段により検出された第2の反射波との位相差に基づいて、移動体の移動方向を検出する。なお、レーダー1bにおける送信部12及び受信部13は、第1の実施形態と同じ構成であるため、説明を省略する。
レーダー1bにおいて、第1の反射波検出手段及び第2の反射波検出手段は、各々送受信アンテナ11A及び11Bを用いて実現される。送受信アンテナ11Aと送受信アンテナ11Bとは、所定の位相差(例えばλ/4)が生じるような距離となされ、送受信アンテナ11Aにより第1の反射波が検出され、送受信アンテナ11Bにより第2の反射波が検出される。処理部14は、制御部141を備えて構成され、制御部141は例えば中央演算処理装置で構成され、移動方向・距離算出部143を含むものである。移動方向・距離算出部143は、受信部13によって波形整形された第1の矩形波と、受信部13によって波形整形された第2の矩形波との位相差に基づいて移動体Mの移動方向を検出する。
次に第2の実施形態におけるレーダー1bの動作について説明する。なお、レーダー1bにおけるマイクロ波発生部121及び増幅部122の動作は、第1の実施形態におけるレーダー1aの動作と同じであるため、説明を省略する。
送受信アンテナ11A及び11Bからそれぞれ送信されたマイクロ波は、移動体Mに向かって進行し、移動している移動体Mにより反射されて第1の反射波及び第2の反射波が形成される。第1の反射波S1及び第2の反射波S2は、送受信アンテナ11A及び11Bによりそれぞれ受信され、増幅部131に出力される。増幅部131は第1の反射波及び第2の反射波を増幅し、波形作成部132に出力し、波形作成部132は入力された第1の反射波及び第2の反射波を検波すると共に、第1の反射波及び第2の反射波の波形を作成し、パルス計測器133に出力する。
パルス計測器133は、反射波Sの腹ShでLレベルからHレベルに変化し、節SfでHレベルからLレベルに変化するようなパルス波形に第1の反射波及び第2の反射波を波形整形し、第1の反射波を波形整形した第1の矩形波、及び第2の反射波を波形整形した第2の矩形波を制御部141の移動方向・距離算出部143に出力する。移動方向・距離算出部143は、パルス計測器133により入力された第1の矩形波及び第2の矩形波の位相差に基づいて、移動体Mの移動方向を検出する。
図5は、移動体が順方向(レーダー1bに近づく方向)に移動する場合に送受信アンテナ11Aにより検出される第1の反射波S1、及び送受信アンテナ11Bにより検出される第2の反射波S2の波形を示す図である。図5(a)は、送受信アンテナ11Aにおいて検出される第1の反射波S1の波形を示す波形図であり、図5(b)は送受信アンテナ11Bにおいて検出される第2の反射波S2の波形図である。図5(c)は図5(a)に示す第1の反射波S1を矩形波に波形整形した波形を示す波形図であり、図5(d)は図5(b)に示す第2の反射波S2を矩形波に波形整形した波形を示す波形図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、第1の反射波S1と第2の反射波S2とはλ/4だけ位相差が生じる。移動体Mが順方向に移動する場合、第1の矩形波がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングのとき、第2の矩形波は常にLレベルとなる。従って、第1の矩形波と第2の矩形波との遷移状態を判断することにより、移動体Mの移動方向が順方向であることを検出することができる。
図4は、移動体が逆方向(レーダー1bから離れる方向)に移動する場合の送受信アンテナ11Aにおいて検出される第1の反射波S1、及び送受信アンテナ11Bにより検出される第2の反射波S2の波形を示す図である。図4(a)は、送受信アンテナ11Aにおいて検出される第1の反射波S1の波形を示す波形図であり、図4(b)は送受信アンテナ11Bにおいて検出される第2の反射波S2の波形図である。図4(c)は図4(a)に示す第1の反射波S1を矩形波に波形整形した波形を示す波形図であり、図4(d)は図4(b)に示す第2の反射波S2を矩形波に波形整形した波形を示す波形図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の反射波S1と第2の反射波S2とはλ/4だけ位相差が生じる。移動体Mが逆方向に移動する場合、第1の矩形波がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングのとき、第2の矩形波は常にHレベルとなる。従って、第1の矩形波と第2の矩形波との遷移状態を判断することにより、移動体Mの移動方向が逆方向であることを検出することができる。
更に制御部14は、第1の矩形波及び第2の矩形波に基づき、移動方向・距離算出部143において移動体の絶対距離(レーダー1cと移動体との距離)又は相対距離(移動体の移動距離)を算出することができる。換言すれば、各反射波S1及びS2の位相差は、移動体の絶対距離又は相対距離に応じて変化するため、当該位相差を検出する(第1の矩形波及び第2の矩形波の位相差は、反射波S1及びS2の位相差に比例するため、前記出力信号の位相差を検出することは、間接的に反射波S1及びS2の位相差を検出することになる)ことにより、逆に移動体Mの絶対距離又は相対距離を算出することが可能である。
以上のように、レーダー1bにより、移動体の存在の有無、絶対距離、相対距離、速度及び移動方向が検知され、これら検知結果がケーブルCを介して報知手段2に送信される。報知手段2については第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
(第1の参考例)
図6は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの第1の参考例を示すもので、レーダーが異なる2つの周波数を送信し、各反射波間の位相差に基づいて移動体の状態を検知するドップラーレーダーである場合を示すブロック図である。移動体検知・報知システム100は、レーダー1c及び報知手段2を備えたもので、レーダー1cはマイクロ波(周波数3Gから30GHz、波長1〜10cmの範囲内の電波)を利用したドップラー方式のレーダーとされている。レーダー1は、マイクロ波の送受信アンテナ11と、第1の実施形態と同様に、送信部12、受信部13及び処理部14を備えたものである。尚、処理部14は速度算出部142に替えて移動方向・距離算出部143を備えたものとなされている。
レーダー1cにおいて、マイクロ波発生部121は制御部141からの制御信号によって制御され、マイクロ波発生部121により発せられたマイクロ波の信号が増幅器122により増幅されて、送受信アンテナ11から当該送受信アンテナ11の取付位置等によって決まる所定範囲に向けて送信される。ここで、マイクロ波発生部12は周波数の異なる2つのマイクロ波(以下、マイクロ波A、マイクロ波Bという)が送受信アンテナ11から順次送信されるように制御される。より具体的には、マイクロ波A及びマイクロ波Bが所定時間毎に交互に送信されるように制御される。
マイクロ波A及びBの送信範囲内に移動体Mが存在する場合、ドップラー効果により移動体Mからの各反射波(以下、反射波A、反射波Bという)は、移動体Mの速度及び移動方向に応じて変調され、送受信アンテナ11に受信される。受信された反射波Aは、第1増幅器131によって増幅され、同様にして受信された反射波Bは第2増幅器134によって増幅される。増幅された反射波A及びBは、第1ミキサ135及び第2ミキサ136によってマイクロ波発信部121の発信時の波形とミキシングされる。これにより、第1ミキサ135からは反射波Aのドップラー周波数を有する信号波形が、第2ミキサ136からは反射波Bのドップラー周波数を有する信号波形が、それぞれ出力される。
第1ミキサ135からの出力信号は、第1波形整形回路部137において、波形整形、フィルタリング等の処理を施された後、制御部141に出力される。同様にして、第2ミキサ136からの出力信号は、第2波形整形回路部138において、波形整形、フィルタリング等の処理を施された後、制御部141に出力される。制御部141は、第1波形整形回路部137及び第2波形整形回路部138からの出力信号に基づき(各反射波A及びBに基づき)、移動体Mの速度及び移動方向(レーダー1から遠ざかる方向又は近づく方向)を算出する。更に制御部14は、第1波形整形回路部137及び第2波形整形回路部138からの出力信号の位相差を検出し、当該位相差に基づき、移動方向・距離算出部143において移動体の絶対距離(レーダー1cと移動体との距離)又は相対距離(移動体の移動距離)を算出する。換言すれば、各反射波A及びBの位相差は、移動体の絶対距離又は相対距離に応じて変化するため、当該位相差を検出する(第1波形整形回路部137及び第2波形整形回路部138からの出力信号の位相差は、反射波A及びBの位相差に比例するため、前記出力信号の位相差を検出することは、間接的に反射波A及びBの位相差を検出することになる)ことにより、逆に移動体Mの絶対距離又は相対距離を算出することが可能である。
以上のように、レーダー1cにより、移動体の存在の有無、絶対距離、相対距離、速度及び移動方向が検知され、これら検知結果がケーブルCを介して報知手段2に送信される。報知手段2については第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
(第2の参考例)
図7は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの第2の参考例を示すもので、レーダーがFM波を用いた周波数変調連続波方式を利用したものである場合を示すブロック図である。移動体検知・報知システム100は、レーダー1d及び報知手段2を備えたもので、レーダー1dは、第1の実施形態と同様に、送受信アンテナ11、送信部12、受信部13、及び処理部14とを備えている。尚、処理部14は速度算出部142に替えて移動方向・距離算出部143を備えたものとなされている。
レーダー1dにおいて、送信部12は、マイクロ波発生部121、増幅部122及びFM変調器123を備えて構成され、FM変調器123は制御部141による制御信号に基づいてマイクロ波発生部121から三角波又はそれに近い波形のマイクロ波の信号を出力する。増幅部122は、マイクロ波発生部121によって発生されたマイクロ波の信号を増幅して送受信アンテナ11に出力する。送受信アンテナ11は、増幅器によって増幅された三角波又はそれに近い波形のマイクロ波を送信すると共に、移動体により反射された反射波Sを受信する。
受信部13は、増幅部131、ミキサ135及び波形整形回路部137を備えて構成され、増幅部131は送受信アンテナ11によって受信された反射波Sの信号を増幅し、ミキサ135に出力する。受信された反射波Sの信号は、ミキサ135によってマイクロ波発信部121の発信時の波形とミキシングされる。これにより、ミキサ135からは反射波Sのドップラー周波数を有する信号波形が波形整形回路部137に出力される。ミキサ135からの出力信号は、波形整形回路部137において、波形整形、フィルタリング等の処理を施された後、制御部141に出力される。制御部141は、後述の如く送受信周波数及びビード周波数の時間変化から、移動体の絶対距離及び速度を検出する。
図8は、上述の送受信周波数及びビード周波数を説明する概略説明図であり、図8(a)は送受信アンテナ11から送信された送信波と、移動体との間に形成される反射波を表す波形図の時間変化を示すグラフであり、図8(b)は図8(a)に示す送信波と反射波の時間変化及びフィルタの出力信号であるビード周波数の時間変化を表すグラフである。図8(a)において、fd(t)は送受信アンテナ11より送信される送信波の波形、fs(t)は移動体で反射された後、送受信アンテナ11で受信された反射波の波形を示すもので、fd(t)及びfs(t)は三角波又はそれに近い波形である。図8(b)に示すビード周波数は、移動体からの受信信号の時間遅延及びドップラー効果により、ピークがf1及びf2である信号を繰り返す。これらビード周波数f1及びf2は、(3)式及び(4)式で表される。
f1=(4β/Tc)r+(2fo/c)ν・・・(3)
f2=(4β/Tc)r−(2fo/c)ν・・・(4)
ここで図8(a)に示す如く、foは送信波の中心周波数、Tは変調繰返周期、βはFM変調幅であり、rはレーダー1dから移動体までの絶対距離、νは移動体の速度、cは光速である。かかるビード周波数f1及びf2の遷移状態を連続的に計測し、(3)式及び(4)式に代入して演算を行うことで、対象とする移動体の絶対距離r及び速度νを検知することが可能となる。移動体の移動方向は、絶対距離rの推移により検知が可能であり、また当該レーダー1dについては、移動中の移動体はもとより、移動体が静止した状態(式(3)及び(4)において、(2fo/c)νが0になる場合)であっても、移動体との絶対距離rを検知することが可能である。
以上のように、レーダー1dにより、移動体の存在の有無、絶対距離、相対距離、速度及び移動方向が検知され、これら検知結果がケーブルCを介して報知手段2に送信される。報知手段2については第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
(第3の参考例)
図9は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの第3の参考例を示すもので、レーダーがマイクロ波を用いドップラー原理を利用したパルス方式のものである場合を示すブロック図である。移動体検知・報知システム100は、レーダー1e及び報知手段2を備えたもので、レーダー1eは、第1の実施形態と同様に、送受信アンテナ11、送信部12、受信部13、及び処理部14とを備えている。尚、処理部14は速度算出部142に替えて移動方向・距離算出部143を備えたものとなされている。
レーダー1eにおいて、送信部12は、マイクロ波発生部121、増幅部122及びFM変調器123を備えて構成され、FM変調器123は制御部141による制御信号に基づいてマイクロ波発生部121から断続的なパルス状のマイクロ波の信号を出力する。増幅部122は、マイクロ波発生部121によって発生されたマイクロ波の信号を増幅して送受信アンテナ11に出力する。送受信アンテナ11は、増幅部122によって増幅されたパルス状のマイクロ波を送信すると共に、移動体により反射された反射波Sを受信する。
受信部13は、増幅部131、ミキサ135及び波形整形回路部137を備えて構成され、増幅部131は送受信アンテナ11によって受信された反射波Sの信号を増幅し、ミキサ135に出力する。受信された反射波Sの信号は、ミキサ135によってマイクロ波発信部121の発信時の波形とミキシングされる。これにより、ミキサ135からは反射波Sのドップラー周波数を有する信号波形が波形整形回路部137に出力される。ミキサ135からの出力信号は、波形整形回路部137において、波形整形、フィルタリング等の処理を施された後、制御部141に出力される。制御部141は、後述の如くエコーパルスの往復時間及びドップラー周波数から、移動体の絶対距離及び移動方向を検出する。
レーダー1eから移動体までの絶対距離Rは、送受信アンテナ11からマイクロ波が発信されてからエコーパルスが受信されるまでの時間をΔtとすると、(5)式により求められる。
R=(cΔt)/2・・・(5)
ここでcは光速を示す。
また移動体とレーダー1eとの間に相対的運動が存在している(移動体が移動している)ときには、反射波の周波数はドップラー効果により(6)式に示すドップラー周波数fdを生じる。
fd=2Vr/λ=(2Vr/c)f・・・(6)
ここで、Vrは移動体のレーダー半径方向の相対速度(正または負)、λは送信波の波長(=c/λ)、fはレーダーの送信周波数を示す。ドップラー周波数fdを基に演算を行うことで、相対速度Vrを算出し、その正または負により移動体の移動方向が検知可能となる。当然またドップラー効果の発生の有無により移動体の存在の有無が判断でき、更にはエコーパルスの有無により、移動体が静止した状態でもその存在を検知することが可能である。
以上のように、レーダー1dにより、移動体の存在の有無、絶対距離及び移動方向が検知され、これら検知結果がケーブルCを介して報知手段2に送信される。報知手段2については第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
図10〜図12は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、報知手段が道路近傍に連続して複数設置された発光体である場合を示す説明図である。まず図10のイ)において、報知手段はカーブした道路Rに沿って設けられた縁石ES上に設置され、車両の運転者等に矢印を発光させてカーブの存在を示すと共に、カーブの曲線方向を示して視線誘導を行う矢印状発光体2A、及び道路面に設置され、道路側縁の存在を喚起する自発光道路鋲2Bである。またロ)においては、報知手段は道路R側縁に沿って略等間隔で設置され、車両の運転者等に発光により道路側縁を示したり、カーブの線形を示して視線誘導を行う自発光デリニェーター2Cである。
これらの報知手段は、本発明に係わるレーダー1が移動体の存在を検知し、当該移動体の距離、速度及び移動方向に基づいて発光を行うものとなるが、その発光の一例を図11に示す。道路Rに沿って矢印状発光体2Aが略等間隔で設置されており、道路Rの側縁に移動体である車両M1の存在を検知し、且つ車両M1の速度を検知可能なレーダー1が設置されている。図に示す如く、レーダー1が車両M1を検知することで所定の数の矢印状発光体2Aが発光するが、矢印状発光体2Aはレーダー1により検知された車両M1の速度と同じ速度となるように流れ点灯を行うようになされ、車両M1が通り過ぎて運転者が視認する必要のなくなった矢印状発光体2Aは消灯する。かかる流れ点滅により、車両M1に対して矢印状発光体2Aは線形誘導を行うのみに留まらず、ガイドライトとして機能することができ、その視線誘導効果は単なる点滅によるものよりはるかに高いものとなり得る。
また報知手段は、図12のイ)に示す如く、指向性の高い光源を多数配置し、霧や吹雪の中でも高い視認性を発揮することができる自発光式スノーポール2Dや、道路Rを照明する照明灯2Eであってもよい。これらはいずれも道路Rに沿って略等間隔で設置されるものであり、車両M1等の移動体が通過する際に必要となるものであるから、必要な期間においてのみ点灯することで発光に係わるエネルギーの低減し、また視線誘導効果を高めることで交通安全に繋げることができ、好適に適用できるものである。
図13は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、レーダー及び報知手段が合流する複数の道路に設置されている状態を示す説明図である。本線道路R1と側線道路R2とが合流する場合、本線道路R1を走行する車両は合流地点が近づくと側線道路R2からの車両の合流の際の接触が気になり不安を覚えることになり、本線道路R1と側線道路R2との見通しが悪い場合にはその不安は更に増大するが、レーダー1を本線道路R1に、報知手段2を側線道路R2にとレーダー1及び報知手段2を1組設置し、側線道路R2に移動体である車両M2の存在の有無及び速度を検知可能なレーダー1を設置し、側線道路R2を一定速度以上の移動体が移動している場合に車両M2であると判断し、本線道路R1側縁に設けた、LEDをドットマトリックス状に配置して文字情報の表示を行う情報板2Fにより合流車両の存在を喚起させることで、歩行者や自転車等の通行による誤動作を排除して本線道路R1の運転者に対し信頼性高く合流する車両M2の存在を喚起し、車両M1の運転者の不安を軽減すると共に、円滑な合流を補助するものとなり得る。
レーダー1及び報知手段2は、本線道路R1と側線道路R2とに1組のみの設置に限定されず、各々にレーダー1及び報知手段2を設置することで2組として、本線道路R1を走行する車両M1を検知した際に側線道路R2を走行する車両M2の運転者に対して、合流先の道路に車両が走行していることを喚起させてもよい。また合流する道路は略同方向に進行するものには限定されず、直交する交差点や、五差路、六差路等の変則交差点について、接触事故が多く発生したり、又は発生すると予測される箇所について好適に用いることができる。
図14は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、レーダー及び報知手段が合流する複数の道路に設置され、移動体が自転車や歩行者である場合を示す説明図である。主となる歩道W1と直交する歩道W2が合流する地点において、歩道W1を歩行する移動体である歩行者M3は、合流する歩道W2から歩行者が歩行してきた場合には、仮に接触してもさほどの問題はないが、速度の高い移動体である自転車M4の飛び出しにより衝突した場合、非常に危険で大怪我を負う恐れすらもある。そこで合流する歩道W2にレーダー1を、主となる歩道W1に報知手段としての発光・音声表示塔2Gをと、1組のレーダー1及び報知手段2Gを設け、レーダー1を移動体の存在の有無及び速度を検知可能なものとし、例えば時速10km以上の移動体をレーダー1が検知した場合、レーダー1から無線により報知手段2Gに報知に係わる信号が送信され、信号を受信した報知手段2Gはその信号に歩道W1を歩行する歩行者M3や、走行する自転車等に対し「対向接近注意」などの発光表示部2G1を表示したり、スピーカー2G2により自転車接近注意等の音声情報を発することで注意を喚起し、歩行者M3と自転車M4、または自転車同士の衝突を防止することができる。
より好ましくは、レーダー1を移動方向も検知可能なものとし、主とする歩道W1の方向に向かう自転車のみを検知するようにすれば、逆方向の自転車を検知して報知手段2Gが作動することがなくなり、システムとしての信頼性を更に高めることができる。
図15及び図16は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、報知手段が道路を通行する車両の運転者に対し渋滞の発生を報知するものである場合を示す説明図である。まず図15の平面図について、道路R2との交差点の信号SGから渋滞が発生している道路R1において、従来の報知システムでは渋滞の発生及び渋滞のおおよその長さを示す程度のものであり、運転者は渋滞がどの程度の流れのものか、又はどれ位渋滞に耐える必要があるのかといった判断がつかず、運転者に無用の焦燥感を与えるものであった。
本実施例においては、渋滞が多発する道路R1の側縁に適宜間隔をおいて、移動体である車両M1の存在の有無及び速度を検知可能なレーダー1を設置し、そのレーダー1からの情報は無線により道路管理者3に伝達する。道路管理者3はその情報を分析し、車両M1の存在が確認され、且つその車両M1の速度が一定速度を下回っている場合に、当該レーダー1の設置区域を渋滞発生箇所と判断する。道路管理者3により判断された渋滞情報は、同じく道路側縁に設置された報知手段2に無線によりフィードバックされる。
図16は、報知手段2の詳細を示す説明図である。車両M1により渋滞している道路R1の側縁に設置されているレーダー1により渋滞の有無及び渋滞している車両M1の速度が検知され、その情報は報知手段である情報板2Fにより数字によって表示される。具体的には、渋滞の有無が検知されたレーダー1が設置されている区間の距離が渋滞距離として「この先」の下方に表示され、レーダー1により検知された車両M1の平均的な速度が「平均速度」の下方に数字として表示される。図中の如く、1.5kmの渋滞が発生し、平均速度が時速2kmであれば、その地点の車両M1の運転者はあと45分渋滞に耐える必要があると判断でき、そのまま耐えるか迂回路を探す等、状況に応じた対応を行うことができ運転者に無用な焦燥感を感じさせることを少なくできる。
図17は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、報知手段が速度超過警告を行うものである場合を示す説明図である。高速道路等、速度超過が起こりやすい道路Rを走行する移動体である車両M1に対し、移動体の存在の有無及び速度が測定可能なレーダー1を用いて車両M1の速度を検知し、制限速度をしきい値としてその速度以上であると検知された場合に、道路R側縁に表示面を車両M1と対向するように設置された発光道路標識2Hにより速度超過警告を行うことで、一体のレーダー1により速度検知が可能で簡便にシステムを構成することができ、また周囲の環境変化による影響が少ないために、速度超過による危険が増大する霧や降雪等による視界不良時においても制限速度の超過を報知することが確実なものとなる。
図18は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、報知手段が駐車禁止警告を行うものである場合を示す説明図である。開店している商店等の近傍の道路Rには、駐車禁止標識H1が設置されている場合でも駐車する車両が多々見かけられるが、かかる道路Rの側縁に移動体の存在の有無及び速度を検知可能なレーダー1と、報知手段として駐車禁止を告知する発光・音声表示塔2Gとを設け、レーダー1により道路Rにおいて車両M1の漸進的な速度低下及び停止が確認された場合に、発光・音声表示塔2Gの発光表示部2G1から発光により駐車禁止警告を表示したり、スピーカー2G2から音声により駐車禁止区域であることを車両M1の運転者に報知する。レーダー1により車両M1の漸進的な速度低下及び停止は極めて短時間で判断が可能であり、駐車した車両M1の運転者に駐車直後に駐車禁止警告を行えることで、その警告効果は高いものとなり得る。
図19は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、レーダー及び報知手段が可搬式のものである場合を示す説明図である。崩落箇所DAが発生した道路Rにおいて、復旧までに時間がかかる場合には仮に危険を知らせる表示を行う必要があるが、夜間における視認性を確保するために発光式のものとすると、電力の確保が困難な場所には設置できず、太陽電池式のもので常時発光させていると、蓄電していた電力が払底して発光しなくなる場合がある。そこで移動体の存在の有無及び速度を検知可能で可搬型のレーダー1と、同じく可搬型の報知手段としてLEDをドットマトリックス状に配置した発光表示板2Jを崩落箇所DAの手前に設置し、レーダー1車両M1が検知された場合についてのみ一定時間、すなわち必要なタイミングに必要な時間だけ発光による表示を行うことで、蓄電された電力を有効に使用し、電力の払底が起こりにくく、且つ不慮の災害等で発生した危険箇所で電力の確保が困難な場所においても迅速に危険の仮表示を行うことができるものとなり得る。
かかる可搬型のレーダー及び報知手段は、危険箇所の仮表示に限定されず、見通しの悪い工事現場の手前に設置して警備員に車両の接近を発光、音声等により知らせるものや、イベント会場において危険な箇所に移動しようとする参加者に警告を行う等、恒久的ではなく仮に車両や歩行者を検知し警告等の表示を行う場合について好適に用いることができる。
図20は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、進入禁止道路が高速道路のランプウェイである場合の説明図である。レーダー1及び報知手段2は、高速道路RからサービスエリアSAのランプウェイLWの、サービスエリアSA側の入り口に設置されている。ランプウェイLWは所定の方向以外に進入すると新たに進入してきた車両と鉢合わせをしたり、高速道路を逆走する恐れがあり、進入禁止警告を行うことが重要な道路の一種である。とりわけ夜間や視界不良時にはその様な恐れが増大する。かかるランプウェイLWの入り口にレーダー1を設置し、車両Cの移動方向が矢印Y1方向であることをレーダー1が検知した場合に、報知手段としてランプウェイLWの入り口に設けられ、LEDをドットマトリックス状に配置して文字情報を発光表示できる情報板2Aや、路面に埋設されLEDの点滅発光により車両に向けて光を発することで注意を促す道路鋲2Aが設置され、情報板2Aや道路鋲2Bが発光することで車両Cの運転者に進入禁止警告を行うことで逆走を防止し、事故の発生を未然に防止することができ、また発光することで夜間や視界不良時にも進入禁止警告を視認させて確実に注意を促すことができる。
図21は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの他の実施例を示すもので、進入禁止道路が一方通行の道路である場合の説明図である。広い道路R1と狭い道路R2が交差する地点において、狭い道路R2が一方通行で広い道路R1からは進入禁止であるが、広い道路R1から矢印Y2やY3の方向に車両が進入しようとした場合、車両進入禁止の道路標識H1が設置されている場合でも、夜間においては見づらかったり、周囲の景観と相俟って視認し辛くなったりすることで、車両進入禁止の道路と認識できずに進入しようしてしまう恐れがある。そこで、移動体の移動方向を検知可能なレーダー1を道路R2の入り口付近に設置し、道路R2の進入方向である矢印Y2及びY3方向への移動体を検知した場合、同じく道路R2の入り口付近に設置され、表示面が道路R1側に向けられた情報板2Aを用いて、発光により「進入禁止」等の進入禁止警告を行うようにすれば、瞬時に進入禁止警告を行えることで車両がそれ程進入していない状態で車両の運転者は道路R2が進入禁止道路であることを認識して方向変換を行うことができ、進入後の後退等による危険や、道路R2を走行してきた車両との正面衝突等を未然に防止することができる。また道路R1を普通に車両が通過している場合や、進入方向と反対側から道路R1に出ようとする車両が通行しても警告表示は行われず、進入禁止警告の過剰表示による効果の低下を防ぎ、表示により消費するエネルギーの低減にも繋げることができる。
図22は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、進入禁止道路が鉄道の桁下で高さ制限のある道路である場合の説明図である。レーダー1及び報知手段2は、列車TRの桁TK下を通る道路Rに設置されており、道路Rは高さ4.5m以上の車両が通行すると車両が桁TKに接触する恐れがあり、仮に接触が起こって桁TKが破損等した場合には、その影響は言うまでもなく甚大なものとなる。レーダー1を移動体の存在の有無、速度及び移動方向が検知可能なものとし、レーダー1による検知範囲Aを制限高さである4.5mよりやや低い高さhの上方に設けて、矢印Y4の方向に進行し、且つ高さが4.5m以上である移動体であるトラックや重機等の車両がレーダー1により検知された場合、道路Rの桁TK方向に移動する移動体を検知した場合に、情報板2Aにより「高さ超過」等の警告を行ったり、桁TKに設けた警告灯2Cを点灯して制限高さを超過していることを車両の運転者に警告する。レーダー1による移動体の存在の有無、速度及び移動方向は極めて短い時間で行われ、また情報板2Aや警告灯2Cによる警告表示も瞬時に行うことができるから、高さ超過の移動体を検知して短時間の内に警告表示までを行うことができ、車両の運転者が高さ超過を早期に認識し、適切な対応を行うことで車両の桁TKへの接触を防止でき、またバー等を用いる場合のような、車両を傷つける恐れもなくなる。また速度を車両の通行速度程度、例えば時速20〜80km程度に設定しておくことで、それ以上の速度で飛翔する鳥などが検知範囲Aを通過した場合には報知手段が作動することがなく、高さ超過警告の信頼性を更に高めることができる。
図23は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、進入禁止道路が幅制限のある道路である場合の説明図である。途中から幅が幅wに狭まる道路Rに、その幅以上の車幅を持つ車両が進入すると、側壁への接触や本図の如く崖下への転落が起こる場合があり、その場合、道路Rの幅が狭まる手前に移動体の存在の有無、速度及び移動方向が検知可能なレーダー1及び幅制限超過を警告する情報板2Aを設け、道路Rに制限幅wの間隔でラインLN標示してその間を車両が通行するようにし、そのラインLNの両端側にレーダー1による検知範囲A1及びA2を設けることで道路R中央に幅w程度の検知しない領域を設け、検知範囲A1、A2のいずれか少なくとも一方に、例えば時速20km以上の移動体が矢印Y5方向に移動していることが検知された場合に、制限幅w以上の車両が通行したと判断し、情報板2Aが発光して幅超過警告を行う。例え歩行者や自転車が矢印Y5の方向に移動しながら検知範囲A1又はA2を通過しても、速度が時速20km未満での移動体を検知した場合には情報板2Aが動作せず、警告報知の信頼性は高いものとなる。かかる構成により、進入しようとしている車両の運転者に制限幅wを超過していることを認識させて適切な対応を促すことで、上述の如き崖下への転落や側壁への接触等を未然に防止することに繋がる。
図24は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、レーダー及び報知手段は、道路のカーブにおいてお互いが視認できない位置にそれぞれ設置され、検知対象となる移動体が通行車両である場合の説明図である。道路Rがカーブし、なおかつカーブの曲線の内側に山岳MT等が存在している場合には、カーブの前後で見通しが悪くなり、またカーブにおいては走行車両の挙動が不安定になり、対向車線へのはみ出し等も直線道路と較べはるかに多く発生し、対向車同士が接触する恐れがあり、通行車両の運転者に何らかの形で対向車の接近を報知し注意を促すことで、そのような接触事故を未然に防止できる確率は飛躍的に高いものとなり得る。
本図に示す如く、かかる見通しが悪いカーブの、お互いが視認できない各々の位置に1組のレーダー1及び報知手段である情報板2Aを設置し、レーダー1は移動体の存在の有無、速度、及び移動方向を検知可能なものを用い、レーダー1が例えば矢印Y6の方向に時速20km以上で移動する移動体を検知した場合に、車両M2が通過したものと判断し、車両M2が進行する先のカーブ入り口付近に設置された情報板2Aにより、車両M2の対向車である車両M1の運転者に対向車が接近していることを報知し注意を促すことで、カーブにおける接触事故の発生の恐れを飛躍的に軽減することができる。カーブにおいては、上述の如く対向車線へのはみ出しが発生する確率が高く、移動体の存在の有無のみを検知するのでは、検知範囲を片側の車線のみに設定しておいても、車両のはみ出しにより検知すべき車両の進行方向である矢印Y6と逆の方向に進行する移動体をも検知してしまう恐れがあるが、レーダー1が移動体の移動方向を検知可能となされていることで、検知及び報知の信頼性を高めることができる。また速度が検知可能となされていることで、歩行者や自転車等の通過の場合を排除して、報知の信頼性を更に高めることができる。
本図に示す実施例においては、レーダー1及び報知手段2は1組のものを設置しているが、カーブの入り口及び出口付近にレーダー1及び報知手段2をそれぞれ設置し、上述の報知に加え、車両M2に対し、対向車である車両M1が接近していることを警告するものとして各々の車両M1及びM2に対して注意を促すものとしてもよく、更には車両M1又は車両M2のいずれか一方しか検知されていない場合には、情報板2Aを動作させず、発光に係わるエネルギーの低減を図ってもよい。
図25は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、歩行者横断の際に運転者に注意を促す照明装置を示す説明図である。まず検知すべき移動体は、道路Rに設けられた横断歩道ODを横断しようとする歩行者M5及びM6であって、レーダー1は移動体の存在の有無及び少なくとも移動方向が検知可能なものである。横断歩道ODを横断するのは歩行者に限らず、自転車も対象としてもよい。歩行者M5又はM6が、歩道Wから道路Rを横断する方向、すなわち矢印Y7又はY8の方向に移動した場合、レーダー1により検知されその情報が報知手段の制御部2K1に伝達され、制御部2K1が横断歩道標識と一体化された照明装置2Kを発光させるように指示を行う。レーダー1は横断歩道の両側にそれぞれ設置され、照明装置2Kが設けられた照明柱に制御部2K1及び一方のレーダー1Aが取り付けられ、他方のレーダー1Bは独立して設置されると共に、歩行者M6を検知した信号を制御部2K1に無線RDで送信するようになされている。矢印Y5及びY6以外の方向に移動する歩行者や自転車を検知による報知の対象から排除できることで、歩道Wを単に通行する歩行者や自転車を検知することによる報知手段の誤動作を排除することができ、報知の信頼性を高めることができる。更には移動体の速度を測定可能なものとして一定速度でのしきい値を設けておくことで、歩道Wからの横断歩道ODのみならず交差点に並設された横断歩道において車両と歩行者との判別を行うことも可能である。歩行者M5又はM6を検知して照明装置2Kが横断歩道を照明することで、横断歩道付近が明るく照明されると共に、横断する歩行者M5又はM6が照明されてその存在が顕著に確認可能なものとなり、道路Rを走行する車両の運転者に横断する歩行者M5、M6の存在を強く喚起することができる。
報知手段は、上述の照明装置2Kに限定されるものではなく、情報板2Aや発光表示板2F等を用いて「歩行者横断注意」などの文字を発光させるものでもよく、警告灯2Cを用いて横断する歩行者の存在を喚起させるものなどであってもよい。
図26は、照明装置2Kの他の例を示す説明図である。照明装置2Kは横断歩道標識と一体化され、その下面に下向きに横断歩道を照明する発光部2K2が設けられ、更に下面両端部分が横断歩道の両端に向けられた傾斜面2K3となされ、傾斜面2K3からマイクロ波fを放射するレーダー1A、1Bが照明装置2Kに内蔵されているものである。発光に係わる制御部は別体としてもよく、照明装置2Kに内蔵してもよい。かかる構成により、レーダー1A、1Bを別体で設ける必要がなく、外観が良好になると共に車両等の衝突や悪戯などによるレーダー1A、1Bの不具合の発生を防止できる。またレーダー1A、1Bが照明装置2Kに内蔵されることでその耐久性は高められる。更には横断歩道標識を兼ねる照明装置2Kは横断歩道の直上に設置されるものであり、その下面の傾斜面2K3からマイクロ波fを放射することで、横断する歩行者の移動方向と電波の放射の向きが略同一線上となり、とりわけ移動方向の検知の信頼性を高めることができ好ましい。
図27は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、トラフィックカウンターとして用いられる場合を示す説明図である。道路Rを走行する車両M1の台数を計測するのは、従来正確を期する場合は人手に頼ったり、2体のセンサー間を一定以内の時間差により通過した移動体の数を数えるといったものであったが、前者の場合では継続的な計測が困難で、費用も極めて高いものとなる。後者の場合は、センサーが2体必要で設置に係わる費用が大きいものとなり、また例えば通行車両がセンサーの感知領域を通らなかったりする場合には誤検知を起こす場合があり、信頼性が万全といえるものではなかった。
本実施例においては、道路R上方にゲートGTを差し渡し、ゲートGTの上梁に、移動体の存在の有無、速度及び移動方向を検知可能なレーダー1を設置し、道路Rを検知範囲として道路Rを走行する移動体である車両M1を、例えば矢印Y9の方向に時速20km以上で移動する移動体を検知した場合に車両M1であるとしてカウントし、無線RDにより報知手段2を道路管理者3に送信することで、1体のセンサーにより逆方向に走行する車両や自転車等を検知の対象から排除した信頼性の高い通行車両の台数に係わる情報を道路管理者3が得ることができる。
図28は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、駐車場において移動体が所定の方向以外に向かった場合に報知手段により所定の方向に向かうよう指示を行うものを示す説明図である。駐車場PKにおいて、車両の流れを円滑にするために所定方向以外に車両が進行するのを防止したい場合があり、かかる駐車場において、例えば進入時に直進方向を進入禁止としたい場合、移動体の存在の有無、移動方向及びレーダー1からの絶対距離が検知可能なレーダー1を進入する車両M1と相対向するように駐車場の入口付近に設置し、進入してきた車両M1が直進方向である矢印Y10の方向に一定距離を超えても更に移動している場合に、情報板2Aにより「直進禁止」等の警告を行う。駐車場に進入する運転者は、空き駐車スペースに気を取られていたり、夜間においては標識や表示による直進禁止が認識し辛く、直進に対して能動的に警告表示を行うことでその警告の喚起は効果的なものとなり得る。また一定距離以上離れている場合に報知を行わないことで、矢印Y11及びY12に車両M1が右左折する場合には報知手段が動作することがなく、無用な報知による煩わしさや表示への慣れを防止し、動作に係わるエネルギーの低減に繋げることができる。
図29は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、移動方向が所定の方向である道路がロータリーである場合を示す説明図である。多数の道路が交差する地点や駅前広場に設けられるロータリーは一般に左回りであるが、ロータリーに不慣れな運転者や稀にある右回りのロータリーにおいて、運転者が逆方向に廻ろうとする場合がある。左回りのロータリーROを右回りである矢印Y13の方向に曲がる車両M1と相対向するように、移動体の存在の有無、速度及び移動方向を検知可能なレーダー1を設け、車両が所定の方向以外である矢印Y13の方向に曲がろうとした場合、報知手段である情報板2Aにより警告表示を行う。レーダー1が移動方向を検知可能となされていることで、所定の方向である矢印Y14の方向に走行する車両を検知しても情報板2Aは動作せず、報知の信頼性を高めることができる。
図30は、本発明に係わる移動体検知・報知システムの実施の一例を示すもので、車両が進入に注意を要する道路である口径の狭いトンネルの入り口において注意喚起を行う場合を示す説明図である。トンネルTN内に移動体である歩行者M7が歩行していることをトンネルTN内に設けられ、移動体の存在の有無及び速度が検知可能なレーダー1Aが検知した場合、トンネルTNに進入する方向である矢印Y15の方向に進行する車両M8を、トンネルTNの入り口に設置され、移動体の存在の有無、速度及び移動方向が検知可能なレーダー1Bが検知した場合、表示面が進行する車両M8と相対向するようになされた情報板2Aにより「トンネル内歩行者有り注意」等の表示を行い、車両M8の運転者に注意喚起を促す。車両M8の運転者はトンネルTN内の歩行者M7の存在を認識することで減速等の対応を行い、歩行者M7への接触や泥はね等の発生を未然に防止することができる。レーダー1Aにより、例えば20km以下の速度で移動する移動体を検知した場合、歩行者M7又は自転車がトンネルTN内に存在すると検知されることで、トンネルTN内の走行車両の検知による情報板2Aの動作を排除することができ、またレーダー1Bは、移動体の移動方向を検知可能となされていることで、矢印Y15方向以外の方向へ進行する車両の検知による情報板2Aの動作を排除し、必要なタイミングで必要な期間だけ報知手段による報知を行うことで、報知の信頼性を高め、報知に係わるエネルギーを低減することができる。尚、トンネルTN内でのレーダー1Aによる検知が困難である場合には、トンネル入り口のレーダー1Bのみを設置し、矢印Y15方向に進行する車両M8の接近を検知した場合に情報板2Aを動作させるものとしてもよい。
本発明に係わる第1の実施形態に係わる移動体検知・報知システムを示すブロック図である。 本発明に係わる第1の実施形態に係わる反射波の状態を説明する波形図である。 本発明に係わる第2の実施形態に係わる移動体検知・報知システムを示すブロック図である。 本発明に係わる第2の実施形態に係わる反射波の状態を説明する波形図である。 本発明に係わる第2の実施形態に係わる反射波の状態を説明する波形図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの第1の参考例を示すブロック図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの第2の参考例を示すブロック図である。 本発明に係わる第2の参考例に係わる送受信周波数及びビード周波数を説明する波形図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの第3の参考例を示すブロック図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例1を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例1を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例1を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例2を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例3を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例4を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例4を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例5を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例6を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例7を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例8を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例9を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例10を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例11を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例12を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例13を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例13を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例14を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例15を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例16を説明する説明図である。 本発明に係わる移動体検知・報知システムの、実施例17を説明する説明図である。
1 レーダー
1a、1b、1c、1d レーダー
11 送受信レーダー
12 送信部
13 受信部
14 処理部
141 制御部
2 報知手段
21 演算制御部
22 報知部
100 移動体検知・報知システム
M 移動体
f 送信波
S 反射波

Claims (2)

  1. 移動体の存在の有無、相対距離及び速度を検知するマイクロ波を利用したレーダーと、前記レーダーによって検知した移動体の存在の有無、相対距離及び速度に基づき、所定の報知を行う報知手段とを備えた移動体検知・報知システムであって、
    前記レーダーは、マイクロ波の送信に係る送信部と、発信されたマイクロ波が移動体に反射して生じる反射波の受信に係る受信部と、送受信と演算を制御する処理部と、マイクロ波を送信すると共に、移動体により反射された反射波を受信する送受信アンテナとを備え、前記送信部から単一周波数のマイクロ波を出力し、前記受信部により反射波を検出することで当該移動体の存在の有無、相対距離及び速度を検知するものであり、
    前記送信部は、処理部の制御部による制御信号に基づいてマイクロ波の信号を出力するマイクロ波発生部と、該マイクロ波発生部によって発生されたマイクロ波の信号を増幅して送受信アンテナに出力する増幅器とを備え、
    前記受信部は、送受信アンテナによって受信された反射波の信号を増幅する増幅部と、前記送受信アンテナで受信され増幅部で増幅された反射波の信号を検波すると共に、反射波の波形を作成する波形作成部と、波形作成部より入力された波形信号に基づいて、前記送受信アンテナから送信されるマイクロ波から得られる波長の4分の1であるλ/4で腹と節とが繰り返される前記反射波の腹でLレベルからHレベルに変化し、節でHレベルからLレベルに変化するような矩形波からなるパルス波形に反射波を波形整形するパルス計測器とを備え、
    前記処理部は、マイクロ波を発生させるための制御信号をマイクロ波発生部に出力する制御部を備え、前記制御部は、パルス計測器より入力されたパルス波形信号に基づいて所定波長あたりの時間を検出し、当該時間に基づいて移動体の速度を算出する速度算出部を備え、
    前記報知手段は、報知部とレーダーから送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度に基づき報知部の動作を制御する演算制御部とを備えると共に、前記演算制御部には、移動体の存在の有無、相対距離、及び速度の範囲が、テーブル方式でそれぞれ予め設定されており、レーダーから送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度と、予め設定された前記範囲とを比較演算し、送信された移動体の存在の有無、相対距離及び速度が予め設定した範囲内である場合に報知部を制御し、所定の報知動作を行わせ、又はその逆に、予め設定した範囲内から範囲外へ推移した時点で報知を行うものであることを特徴とする移動体検知・報知システム。
  2. 前記レーダーは、マイクロ波を出力する出力手段及び発信されたマイクロ波が移動体に反射して生じる反射波を検出する検出手段が各々複数備えられ、且つ前記複数の出力手段及び検出手段は検出方向に対し各々所定の間隔をおいて設けられ、前記複数の検出手段が検出する反射波の位相差に基づいて、更に当該移動体の移動方向及び絶対距離を検知するものであることを特徴とする請求項1に記載の移動体検知・報知システム。
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