JP4650647B2 - 撮像装置の露出制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な撮像装置の露出制御機構に関する。詳しくは、直線方向に離接する少なくとも2枚の絞り羽根から構成される露出制御機構において、中間域の回折の改善を図るとともに、所謂シェーディングを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ等の撮像装置の露出制御機構において、複数の絞り羽根を光軸回りに回動させて絞り径の調整を行う所謂虹彩絞りに替えて、一の直線上を互いに逆方向に移動する2枚の絞り羽根を用いて小型化と軽量化、並びに、コストの低減を図ったものが使用されるようになってきている。
【0003】
ところが、被写体が明るい時に絞り径が小さくなり過ぎると、回析による画質の劣化と焦点深度の増大によるゴミの写り込み等が問題となる。
【0004】
そこで、絞り羽根のうちの1枚にNDフィルタを貼り付け、このNDフィルタが絞り羽根の絞り開口形成用切欠内に突出するようにして、極端な小絞り状態になるのを防ぐようにしたものがある。
【0005】
図8は、上記したような構造を有する露出制御機構aを示すものであり、該露出制御機構aは、2つの絞り羽根b、cと、これら絞り羽根b、cを駆動するための駆動手段dから成るものである。
【0006】
一方の絞り羽根bは、その下縁に絞り開口形成用切欠eが形成されると共に、右側縁寄りの位置及び左側縁寄りの位置には、上下方向に延びる被案内スリットf、f及び被案内スリットgがそれぞれ形成されている。また、右上の被案内スリットfの直上位置には、左右に長く延びた連結長孔hが形成されている。
【0007】
そして、光通過孔を有する図示しない筐体に設けられた案内ピンが、前記被案内スリットf、f及びgに各別に摺動自在に係合し、よって、絞り羽根bは上記筐体に上下に摺動自在に支持される。
【0008】
他方の絞り羽根cは、上縁に絞り開口形成用切欠iが形成され、NDフィルタjが絞り開口形成用切欠iの下端部を覆うように取着されると共に、左側縁寄りの位置及び右側縁寄りの位置には、上下方向に延びる被案内スリットk、k及び被案内スリットlがそれぞれ形成されている。尚、NDフィルタjとしては、例えば、10%の透過率を有するものが用いられている。また、左上の被案内スリットkの直上位置には、左右に長い連結長孔mが形成されている。
【0009】
そして、前記絞り羽根bと同様に、図示しない筐体に設けられた案内ピンが、前記被案内スリットk、k及びlに各別に摺動自在に係合し、よって、絞り羽根cは上記筐体に上下に摺動自在に支持される。
【0010】
駆動手段dは、前記図示しない筐体の上方に取着された駆動モータnと該駆動モータnの回転軸に取着固定された操作アームoとを有するものである。操作アームoは左右方向に長く形成されると共に、中央部が駆動モータnの回転軸に固定されており、左右両端部には連結ピンp、pが突設されている。そして、右側の連結ピンpが絞り羽根bの連結長孔hに、左側の連結ピンpが絞り羽根cの連結長孔mに、それぞれ摺動自在に係合される。
【0011】
従って、駆動モータnの動作によって操作アームが回動すると、連結ピンp、pがそれぞれ反対方向に移動するので、これらと連結されている絞り羽根b、cは、上下それぞれ反対の方向に移動することになる。これによって、絞り羽根b、cそれぞれの絞り開口形成用切欠e、iによって規定される絞り開口(絞り径)qが変化することになる。
【0012】
図9は、上記露出制御機構aにおいて、絞り羽根b、cを移動させて開放絞り状態(a)から小絞り状態(g)まで絞り開口を順次絞り込んでいった時の絞り開口qの形状とNDフィルタjが絞り開口qを覆う(絞り開口q内へ挿入される)様子を示すものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記露出制御機構aにあっては、図9に示す小絞り状態(g)に至る中間の過程で、図9(e)に示すように、NDフィルタjが絞り開口qの全体を覆いきらない状態の時に、素通し部分rが恰も小絞り状態の時と同様な効果(回析による画質の劣化と焦点深度の増大によるゴミの写り込み等)を示してしまうという問題があった。これは、素通し部分rとNDフィルタjとの透過率の差が極端であるために生じているものと考えられる。
【0014】
即ち、図4は、画面の対角寸法2.25mmにおける、テレビジョン受像機の解像度約260本に相当する空間周波数96本/mmを有する露出制御機構のMTF(modulation transfer function:変調伝達関数)値を光量Fナンバーに対応して表示するグラフ図であり、該グラフ図の破線で示すグラフが上記従来の露出制御機構aのものである。このグラフから解るように、(d)から(e)にかけてMTF値が下降して(e)状態で最も低く、その後、上昇しており、かかる(e)の状態において小絞りが発生していることが推測できる。
【0015】
そこで、絞り羽根cに透過率の異なる2枚のNDフィルタをj、j′を移動方向にずらして取着することが考えられる。そして、かかるNDフィルタj、j′の透過率は、例えば、一方のNDフィルタjが33%、他方のNDフィルタj′が10%にする。図10にその絞り開口(絞り径)の変化を順に示す。
【0016】
このようにすると、素通し部分rと一方のNDフィルタjとの透過率の差が上記従来の技術で説明したものよりも小さくなるため、素通し部分rの面積が小さくなっても(図10(c′)の状態からやや絞られた状態)、小絞りとして機能することが少なく、回析による画質の劣化と焦点深度の増大によるゴミの写り込み等を改善することができる。
【0017】
ところが、透過率が異なる2枚のNDフィルタj、j′を上記従来の技術で説明した露出制御機構aに適用した場合、2枚の絞り羽根bとcとの移動速度が同じであるため、CCD(固体撮像素子)の撮像面でその中心部と周縁部(特に、四隅部)とで明るさが異なってしまう、所謂シェーディングが発生(悪化)し、画面における明暗が顕著になってしまうという問題がある。
【0018】
即ち、図5は、CCD(固体撮像素子)の撮像面における周辺部における中心部に対する光量(%)を光量Fナンバーに対応して表示したグラフ図であり、該グラフ図の破線で示すグラフが、この2枚のNDフィルタj、j′を上記露出制御機構aに適用したものである。このグラフから解るように、図10(a′)から(d′)にかけて(b′)及び(c′)状態で周辺光量(%)が下降し、その後、上昇しており、(c′)の状態においていわゆるシェーディングの悪化が顕著になっている。尚、周辺部における中心部に対する光量(%)とは、ある状態における中心部の光量を100%としたときのその状態における周辺部の光量の割合である。また、図5のグラフ図に2本の破線があるのは、CCD(固体撮像素子)の画面上側と画面下側との各周辺光量を示す。
【0019】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、絞り開口が開放状態から小絞り状態に至る中間の状態の時における画質の劣化を防止するとともに、いわゆるシェーディングの発生(悪化)を減少させることを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、光軸に直交する面上を2枚の絞り羽根が互いに離接する方向に移動することにより絞り開口を形成するようにされた撮像装置の露出制御機構において、露出制御機構は、光軸を中心とする光透過孔を有する筐体と、少なくとも2段階以上の透過率を有するNDフィルタが取着された第1の絞り羽根と、NDフィルタが取着されていない第2の絞り羽根と、第1及び第2の絞り羽根を移動させる駆動手段とを備え、第1の絞り羽根に取着された2段階以上の透過率を有するNDフィルタの透過率は上部の透過率を下部の透過率より高くし、駆動手段は筐体に取着された駆動モータ及び該駆動モータの回転軸に固定された長さの異なる腕部を有する操作アームから成り、第1の絞り羽根を第2の絞り羽根よりも速く移動させるようにし、筐体の光透過孔の領域内で、第1及び第2の絞り羽根は、NDフィルタで部分的に又は全面的に覆われた絞り開口を形成するものである。
【0021】
従って、絞り羽根に取着するNDフィルタを少なくとも2段階としたので、中間域において素通し部分とNDフィルタとの透過率の差を小さくすることができ、その分素通し部分が恰も小絞りになることはなく、回折の改善を図ることができる。
【0022】
また、NDフィルタを取着した絞り羽根の移動速度をNDフィルタを取着していない絞り羽根より速くしたので、絞り径の開口面積のうち透過率が高い部分の面積が透過率の低い部分の面積よりも大きい状態を少なくすることができ、その分、シェーディングを減少させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0024】
本発明は、光軸に直交する面上を絞り羽根が移動することにより絞り開口を制限するものである。尚、以下の説明において、上下左右の方向とは、露出制御機構1を物体側から見た時の上下左右の方向を指すものとし、また、前後の方向とは、物体側を前方、像側を後方としてそれぞれ示すものとする。
【0025】
即ち、露出制御機構1は、図1に示すように、2枚(第1、第2)の絞り羽根2及び3と、第1の絞り羽根2に取着されたNDフィルタ4と、第1及び第2の絞り羽根2及び3を駆動するための駆動手段5及び該駆動手段5が固定される筐体6等から成るものである。
【0026】
上記絞り羽根2及び3は、例えば、比較的腰の強い樹脂フィルムによって形成されており、撮像装置の図示しない撮像レンズ系において、第1の絞り羽根2が物体側、第2の絞り羽根3が像側になるように配置されている。
【0027】
第1の絞り羽根2は、上縁に絞り開口形成用切欠7が形成されると共に、右側縁寄りの位置及び左側縁寄りの位置には、上下方向に延びる被案内スリット8、8及び被案内スリット9がそれぞれ形成されている。また、下縁寄りの位置には、左右に長く延びた連結長孔10が形成されている。
【0028】
第1の絞り羽根2の絞り開口形成用切欠7は上縁に開口され、その形状は上下方向のほぼ中央から上半分7aが左右の幅が同じで、下半分7bが下方へ行くに従い幅狭になり下端縁(以下、「三角状部分」という。)7cが扁平な三角状に形成されている。
【0029】
NDフィルタ4は、上部4a及び下部4bでそれぞれ異なる透過率を有するように濃度差を持つように形成されたものであり、上部4aの透過率は約33%であり、下部4bの透過率は約10%である。そして、NDフィルタ4はその上部4aが第1の絞り羽根2の絞り開口形成用切欠7の上半分7aを、その下部4bが第1の絞り羽根2の絞り開口形成用切欠7の下半分7bを覆うように取着されている。
【0030】
第2の絞り羽根3は、略左半分の下方寄りの部分が切り欠かれたような形状、即ち、右半分の下縁部が左半分よりも下方に延びた形状を有するものであり、上方寄りの位置に絞り開口形成用開口11が形成されると共に、右側縁寄りの位置及び左側縁寄りの位置には、上下方向に延びる被案内スリット12、12及び被案内スリット13がそれぞれ形成されている。また、下方に延びた右半分の下側縁寄り、即ち、右下の被案内スリット12の直下位置には、左右に長く延びた連結長孔14が形成されている。
【0031】
絞り開口形成用開口11は全体11a(以下、「円形部分」という。)がほぼ円形でその上端縁(以下、「三角状部分」という。)11bが扁平な三角状に形成されている。
【0032】
筐体6は、上方寄りの位置に光通過孔15、下方左寄りの位置に縦長の向きで円弧状長孔16及び下方右よりの位置に縦長の向きで円弧状長孔17が形成されている。また、筐体6の略中央部分には、上記絞り羽根2及び3の被案内スリット8、8、9、12、12及び13と後述するように各別に係合する案内ピン18、18及び18が左側に1つ、右側に2つそれぞれ前方(物体側)に突出するように形成されている。
【0033】
駆動手段5は、筐体6に後方側から適宜な方法で固定された駆動モータ19と、該駆動モータ19の回転軸19aに固定される操作アーム20から成るものである。
【0034】
操作アーム20は、その中央部が上記駆動モータ19の回転軸19aに固定されている。そして、該操作アーム20は互いに反対方向に延びる腕部21a、21bを有し、左側の腕部21aの先端部に連結ピン22aが、右側の腕部21bの先端部に連結ピン22bがそれぞれ前方に向かって突設されており、左側の腕部の21aの方が右側の腕部21bよりも長く形成されている。
【0035】
そして、左端に位置した連結ピン22aが上記第1の絞り羽根2の連結長孔10に、右端の連結ピン22bが第2の絞り羽根3の連結長孔14に、それぞれ摺動自在に係合される。
【0036】
従って、操作アーム20が回動すると、その連結ピン22aと22bとは互いに上下反対の方向へ移動するので、それにより、第1の絞り羽根2と第2の絞り羽根3とが互いに上下反対の方向へ移動される。また、連結ピン22aの回転軸19aからの距離の方が連結ピン22bよりも遠いので、第1の絞り羽根2の方が第2の絞り羽根3よりも速く移動される。
【0037】
そして、第1の絞り羽根2と第2の絞り羽根3とが互いに上下反対の方向へ移動することにより、それぞれの絞り開口形成用切欠7と絞り開口形成用開口11とが重なり合ってできる開口、すなわち、絞り開口23の大きさが図3(A)乃至(G)に示すように変化する。
【0038】
図3(A)の状態は、開放絞り状態を示し、操作アーム20の左側腕部21aが斜め下方で右側腕部21bが斜め上方にそれぞれ延びる向きの状態で、第1の絞り羽根2がその移動範囲における下端に、第2の絞り羽根3がその移動範囲における上端にそれぞれ位置されている(図2参照)。この状態においては、第2の絞り羽根3の絞り開口形成用開口11と筐体6の光通過孔15と一致して素通し部分24が形成され、また、第1の絞り羽根2の絞り開口形成用切欠7の上部であってNDフィルタ4の上部4aが光通過孔15の下側ほぼ1/3を覆うように位置されている。尚、開放絞り状態(A)における絞り開口23は、絞り開口形成用切欠7と絞り開口形成用開口11との重なりによってできるのではなく、筐体6の光通過孔15の大きさとなる。
【0039】
図3(B)の状態は、(A)の状態から徐々に絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、上記絞り開口形成用開口11の三角状部分11bが上記光通過孔15の上部に僅かに掛かるように位置されて素通し部分24の左斜め上部及び右斜め上部が削られるとともにNDフィルタ4の上部4aが上記光通過孔15のほぼ下半分を覆うように位置される。
【0040】
図3(C)の状態は、(B)の状態からさらに絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、上記絞り開口形成用開口11の三角状部分11bが上記光通過孔15の上部に位置して素通し部24の上部が削られるとともにNDフィルタ4の上部4aが上記光通過孔15の上下方向のほぼ中央部に位置し、また、NDフィルタ4の下部4bが下側1/4を覆うように位置する。尚、このとき、絞り開口形成用開口11とNDフィルタ4の上部4aとの間の素通し部分24が小さく扁平な三角形を呈することになるが、素通し部分24とNDフィルタ4の上部4aとの透過率の差が従来に比べて小さいため、回折による像の劣化は軽減される。
【0041】
図3(D)の状態は、(C)の状態からさらに絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、素通し部24はなくなり、絞り開口23の上側はNDフィルタ4の上部4aで、その下側はNDフィルタ4の下部4bで覆われる。また、この状態では、絞り開口用切欠7の三角状部分7cが光通過孔15内に進入しており、左斜め下部及び右斜め下部がやや削られている。
【0042】
図3(E)の状態は、(D)の状態からさらに絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、絞り開口23は絞り開口用切欠7の三角状部分7cと絞り開口用開口11の三角状部分11bとでひし形に形成され、かつ、この状態ではNDフィルタ4のうち濃い濃度(透過率10%)の上部4bがその全面を覆っている。また、この状態では、絞り開口23が光軸を中心として対称に位置されている。
【0043】
図3(F)の状態は、(E)の状態からさらに絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、絞り開口23はひし形の形状のままで小さくされ、また、第1の絞り羽根2の移動速度が速いため絞り開口23は光軸よりやや上方へ偏倚した位置に形成される。かかる状態は被写体が極めて明るい場合のみ使用するものであり、CCD(固体撮像素子)における結像面でのいわゆる「ケラレ」が出ないところまで使用可能である。
【0044】
図3(G)の状態は、(F)の状態からさらに絞り羽根2、3を移動させて絞り開口23を絞った状態で、絞り開口23が形成されていない状態を示す。かかる状態は撮影時に使用されることはないが、CCD(固体撮像素子)の保護及びCCDの欠陥補正のために絞り開口23を閉めることが好ましいからである。
【0045】
図4は、上述のようにMTF値を光量Fナンバーに対応して表示するグラフ図であり、該グラフ図の実線で示すグラフが上記第1の実施の形態にかかる露出制御機構1のものである。(A)乃至(E)は、図3の絞り開口形状(A)乃至(E)に対応したものである。このグラフから解るように、露出制御機構1においては、従来の技術で説明した露出制御機構aのMTF値と比べても、広い光量Fナンバーの範囲にわたってMTF値が高いレベルで維持されている。
【0046】
また、図5は、上述のように周辺光量を光量Fナンバーに対応して表示したグラフ図であり、該グラフ図の実線で示すグラフが上記第1の実施の形態にかかる露出制御機構1のものである。(A)乃至(E)は、図3の絞り開口形状(A)乃至(E)に対応したものである。このグラフから解るように、開放絞り状態(A)からほとんど下降することなく(B)になっており、従来、開放絞り状態(a9からやや絞った(c)状態において、シェーディングの悪化が生じていたが、かかる光量Fナンバーに相当する部分におけるシェーディングの改善を図ることができた。
【0047】
図6は、透過率の異なるNDフィルター4の比較例4Aであり、かかるNDフィルタ4Aは、2枚の同透過率33%のNDフィルタ25a、25bを段違いに貼り合せて構成したものでであり、その上部が1枚のNDフィルタ25aで、下部が2枚のNDフィルタ25aと25bとを貼り合せたものである。
【0048】
このように、2枚のNDフィルタ25aと25bとを貼り合わせた下部における透過率は33%×33%=10%ととなり、上記実施の形態におけるNDフィルタ4の下部4bの透過率と同じになる。
【0049】
しかして、かかる比較例4Aによれば、NDフィルタ4Aの作成を容易にすることができる。
【0050】
図7は、透過率の異なるNDフィルター4の比較例4Bであり、かかるNDフィルタ4Bは、2枚の同透過率33%のNDフィルタ26a、26bを各別の絞り羽根に段違いに貼り合せて構成したものである。具体的には、一方の絞り羽根27にNDフィルタ26aをその上部まで、他方の絞り羽根28にNDフィルタ26bをその下部までそれぞれ取着したものである。
【0051】
このように、絞り羽根27、28の上部においては1枚のNDフィルタ26aが、その下部においては2枚のNDフィルタ26a、26bが位置されるため、上記実施の形態におけるNDフィルタ4の下部4bの透過率と同じになる。
【0052】
しかして、かかる比較例4Bによれば、NDフィルタ4Bの作成に当たり、2枚のNDフィルタを貼り合せる必要がなく、その分容易にすることができる。
【0053】
尚、前記実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明は、光軸に直交する面上を2枚の絞り羽根が互いに離接する方向に移動することにより絞り開口を形成するようにされた撮像装置の露出制御機構において、露出制御機構は、光軸を中心とする光透過孔を有する筐体と、少なくとも2段階以上の透過率を有するNDフィルタが取着された第1の絞り羽根と、NDフィルタが取着されていない第2の絞り羽根と、第1及び第2の絞り羽根を移動させる駆動手段とを備え、第1の絞り羽根に取着された2段階以上の透過率を有するNDフィルタの透過率は上部の透過率を下部の透過率より高くし、駆動手段は筐体に取着された駆動モータ及び該駆動モータの回転軸に固定された長さの異なる腕部を有する操作アームから成り、第1の絞り羽根を第2の絞り羽根よりも速く移動させるようにし、筐体の光透過孔の領域内で、第1及び第2の絞り羽根は、NDフィルタで部分的に又は全面的に覆われた絞り開口を形成することを特徴とする。
【0055】
従って、絞り羽根に取着するNDフィルタを少なくとも2段階としたので、中間域において素通し部分とNDフィルタとの透過率の差を小さくすることができ、その分素通し部分が恰も小絞りになることはなく、回折の改善を図ることができる。
【0056】
また、NDフィルタを取着した絞り羽根の移動速度をNDフィルタを取着していない絞り羽根より速くしたので、絞り径の開口面積のうち透過率が高い部分の面積が透過率の低い部分の面積よりも大きい状態を少なくすることができ、その分、シェーディングを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2乃至図4と共に、本発明の実施の形態を示すものであり、本図は露出制御機構の分解斜視図である。
【図2】 露出制御機構の正面図である。
【図3】 開放状態から小絞り状態へと移行する各段階における絞り開口の状態を示す図である。
【図4】 本発明及び従来技術における露出制御機構のMTF値を示すグラフ図である。
【図5】 本発明及び別の従来技術における露出制御機構における受光面の中心部に対する周辺光量を示すグラフ図である。
【図6】 NDフィルタの比較例を示す要部の分解斜視図である。
【図7】 NDフィルタの別の比較例を示す要部の分解斜視図である。
【図8】 図9と共に、従来の撮像装置における露出制御機構を示すものであり、本図は露出制御機構の分解斜視図である。
【図9】 開放状態から小絞り状態へと移行する各段階における絞り開口の状態を示す図である。
【図10】 別の従来における開放状態から小絞り状態へと移行する各段階における絞り開口の状態を示す図である。
【符号の説明】
1…露出制御機構、2…NDフィルタが取着された絞り羽根、3…NDフィルタが取着されていない絞り羽根、4…1枚で2段階の透過率を有するNDフィルタ、4a…上部、4b…下部、5…駆動手段、6…筐体、7…開口形成用切欠、11…絞り開口形成用開口、15…光透過孔、19…駆動モータ、20…操作アーム、21a…腕部、21b…腕部、23…絞り開口
Claims (3)
- 光軸に直交する面上を2枚の絞り羽根が互いに離接する方向に移動することにより絞り開口を形成するようにされた撮像装置の露出制御機構において、
前記露出制御機構は、光軸を中心とする光透過孔を有する筐体と、少なくとも2段階以上の透過率を有するNDフィルタが取着された第1の絞り羽根と、NDフィルタが取着されていない第2の絞り羽根と、前記第1及び第2の絞り羽根を移動させる駆動手段とを備え、
前記第1の絞り羽根に取着された2段階以上の透過率を有するNDフィルタの透過率は上部の透過率を下部の透過率より高くし、
前記駆動手段は前記筐体に取着された駆動モータ及び該駆動モータの回転軸に固定された長さの異なる腕部を有する操作アームから成り、前記第1の絞り羽根を前記第2の絞り羽根よりも速く移動させるようにし、
前記筐体の前記光透過孔の領域内で、前記第1及び第2の絞り羽根は、前記NDフィルタで部分的に又は全面的に覆われた絞り開口を形成する
ことを特徴とする撮像装置の露出制御機構。 - 前記第1の絞り羽根は絞り開口形成用切欠を有し、前記第2の絞り羽根は絞り開口形成用開口を有し、前記NDフィルタは前記第1の絞り羽根の前記絞り開口形成用切欠を覆って取着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の露出制御機構。 - 前記筐体の前記光透過孔は略円形であり、前記第1の絞り羽根の前記絞り開口形成用開口は、前記光透過孔の直径と略同じ幅の部分と、この部分から前記第2の絞り羽根と反対側に向かって幅狭になり端部が三角形状となる部分とから成り、前記第2の絞り羽根の開口形成用開口は、前記光透過孔と略同じ円形部分と、該円形部分に前記第1の絞り羽根と反対側で連結する三角状部分とから成る
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の露出制御機構。
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