JP4648659B2 - オキセタン誘導体、カチオン重合性組成物および位相差フィルム - Google Patents

オキセタン誘導体、カチオン重合性組成物および位相差フィルム Download PDF

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本発明は、カチオン重合が可能なオキセタン環を有する新規な化合物、該化合物を含むカチオン重合性組成物および位相差フィルムに関する。特に、1分子中に結合されているオキセタン基の数が多く、カチオン重合により強固な高分子が得られるオキセタン誘導体とその用途に関する。
紫外線(UV)や電子線等の活性エネルギー線の照射による樹脂類の硬化はその速度が速く、場合によっては無溶媒でも行えることなどから、各種塗装、印刷、電子材料分野などに広く利用されている。これらの分野においては、従来からアクリロイル基やメタクリロイル基(以下、両者を合わせて(メタ)アクリロイル基ということがある。)を含む化合物が多く利用されているが、皮膚刺激性が強かったり、空気中で硬化しようとすると酸素による硬化阻害のため充分な硬化が行われがたく、また硬化時の収縮が大きいことなどの問題があった。
これらの問題のない硬化系として、カチオン重合性のビニルエーテル基やオキシラン基を有する化合物が検討されている。しかしながらビニルエーテル基は目的とする誘導体の合成過程で当該基の脱離が起こりやすい、オキシラン基は高反応性故に誘導体の合成が困難であるなどの欠点がある。
近年、上述の問題を解決しうる官能基としてオキセタン基の検討がなされ、多くのオキセタン誘導体が合成されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
一方、近年、性能向上の著しい液晶表示装置(LCD)の色補償や視野角拡大などを目的として種々の位相差フィルムの研究開発が活発に行われており、既に実用化されているものも数多くある。位相差フィルムには精密延伸した高分子フィルムや液晶化合物からなるフィルムが知られているが、前述のようにLCDの性能向上に伴い用いられる位相差フィルムに要求される性能もより過酷なものとなり、従来のフィルムでは充分とは言えなくなってきた。このため、耐熱温度の高いシクロオレフィンポリマーを延伸したフィルムが使用されだしたが光学的な補償機能は充分とは言い難い。
液晶化合物からなる位相差フィルムは、配向後固定化された液晶の配向構造が、実使用条件下で保持されることが必須となる。液晶の配向構造を保持する方法として、重合性の液晶化合物を用いる方法、高分子液晶物質を用いる方法、更に、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法が提案されている。
重合性の液晶化合物を用いる方法として、メソゲンとしてベンゼン環2個あるいは3個をエステル基で結合したものが挙げられている(例えば、特許文献5および6参照。)。これらの低分子液晶化合物を位相差フィルムの材料として用いる場合には、低分子液晶化合物を加熱溶融し、液晶状態で基板フィルム上に塗布する方法が考えられるが、この方法では、位相差フィルムに要求される膜の均一性や膜厚精度を達成するのは困難である。また、溶液としてフィルム基板上に塗布する場合には、溶液粘度が低く、塗布自体が困難である場合が多い。従って、特許文献5および6の明細書においては、自立型の位相差フィルムを作製する場合には、ガラスセルの中に液晶材料を充填し、加熱下で紫外線照射を行う等により硬化させた後、ガラス基板を取り除き自立型の位相差フィルムとする方法が提案されているが、フィルム基板上に塗布する方法と比較すると煩雑である。
高分子液晶物質を用いる方法として、配向保持能に優れた液晶性ポリエステルが提案されている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、モバイル機器の普及に伴い、これら液晶性ポリエステルからなる位相差フィルムに対して、より厳しい使用環境での配向保持能、より優れた機械的強度が求められている。
一方、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法としては、高分子主鎖に重合性反応基を導入する方法、側鎖に重合性反応基を有するモノマー単位を導入する方法(例えば、特許文献8参照。)が提案されているが、これらいずれの方法においても液晶性を低下させるため、機械的強度を十分に高めるまでに多量の重合性反応基の導入には限度があり、他の手法が求められている。
特開平11−106380号公報 特開2001−163882号公報 特開2002−80581号公報 国際公開第02/28985号パンフレット 特表平11−513019号公報 特表平11−513360号公報 特開平11−158258号公報 特開平9−3454号公報
本発明の目的は、上述のような問題を解決しうる合成の容易なオキセタン基を多数結合した新規な化合物を提供し、該化合物を用いた組成物から得られる耐熱性等の向上した位相差フィルムを提供するものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるオキセタン誘導体に関する。
Figure 0004648659
(式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは単結合またはベンゼン環側から−O−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、XおよびX1は、それぞれ独立に、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは
Figure 0004648659
のいずれかを表し、R2は水素、フッ素、塩素、メチル基、エチル基またはtert−ブチル基を表し、X2は酸素、−CHまたは−C(CH −を表す。)
本発明の第2は、一般式(1)において、Lが、ベンゼン環側から−O−(CH−または−O−(CH−であることを特徴とする本発明の第1に記載のオキセタン誘導体に関する。
本発明の第3は、一般式(1)で表されるオキセタン誘導体とカチオン重合性基を有する化合物(一般式(1)で表される化合物を除く。)とからなるカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第4は、オキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上含有することを特徴とする本発明の第3に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第5は、カチオン重合性基を有する化合物が液晶性を示す化合物であることを特徴とする本発明の第3に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第6は、液晶性を示す化合物が、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリシロキサンおよびポリマロネートから選ばれる化合物であることを特徴とする本発明の第5に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第7は、カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする本発明の第3に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第8は、前記のカチオン重合性組成物を用いて得られる位相差フィルムに関する。
本発明の第9は、本発明の第8に記載の位相差フィルムを配置した液晶表示装置に関する。
以下、本発明を詳述する。
本発明のオキセタン誘導体は下記式(1)で表される化合物であり、分子両端に各々2個のオキセタン基を有する。
Figure 0004648659
すなわち、本発明のオキセタン誘導体は、主に芳香族エステルなどの誘導体からなる部分とそれと結合した主に炭化水素鎖からなる部分と両末端の反応性のオキセタン基部分を構成単位として含む化合物である。なお、Mの構造によっては液晶性を示すこともある。
式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは単結合(ここで単結合とは、Lを介さず両側の元素が直接結合することをいう。)またはベンゼン環側から−O−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、XおよびX1は、それぞれ独立に、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは
Figure 0004648659
のいずれかを表し、R2は水素、フッ素、塩素、メチル基、エチル基またはtert−ブチル基を表し、X2は酸素、−CHまたは−C(CH −を表す。
本発明では、構造単位 M を導入するための化合物としては、特にカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体、4,4’―ビフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、4,4’−スルホニルジフェノール、ビスフェノールA、2,6−ナフタレンジーオール等が挙げられる。
カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、4,4’―ビフェノール等若しくはそれらの置換体としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましく、特にヒドロキノンまたは4,4’―ビフェノールとその置換体が好ましい。
Figure 0004648659
ただし、式(2)中のR2は、それぞれ個別に、以下に示すいずれかの基を表す。
−H,−CH,−C,−CHCHCH,−CH(CH
−CHCHCHCH,−CHCH(CH)CH
−CH(CH)CHCH,−C(CH,−OCH,−OC
−OC,−OCH,−F,−Cl,−Br,−NO
または −CN
構造単位 M を導入するための他の化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体、4,4’−スチルベンジカルボン酸若しくはその置換体、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−スルホニルジベンゼンカルボン酸等が挙げられる。好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸および4,4’−ビフェニルジカルボン酸等若しくはそれらの置換体であり、より具体的は、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004648659
ただし、式(3)中のR2は、それぞれ個別に、以下に示すいずれかの基を表す。
−H,−CH,−C,−CHCHCH,−CH(CH
−CHCHCHCH,−CHCH(CH)CH
−CH(CH)CHCH,−C(CH,−OCH,−OC
−OC,−OCH,−F,−Cl,−Br,−NO
または −CN
構造単位 M を導入するための別の化合物としては、ヒドロキシ安息香酸若しくはその置換体、4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4’−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸等も挙げられる。
式(1)で表される本発明のオキセタン誘導体は、有機化学における通常の合成方法に従って合成することができ、合成方法は特に限定されるものではない。
反応にあたっては、オキセタン基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要がある。なお、オキセタン基は類似のカチオン重合性官能基であるオキシラン基などと比べて、副反応を起こす可能性が低い。さらに、類似したアルコール、フェノール、カルボン酸などの各種化合物をつぎつぎに反応させることもあり、適宜保護基の活用を考慮してもよい。合成された粗オキセタン誘導体は、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの方法で精製してもよい。特に結晶性がある程度高いものについては、再結晶は有効な手段であり、常温で再結晶が不可能な化合物についても、−20℃などの低温に冷却することで再結晶が可能になることもある。
具体的な合成方法としては例えば、ジヒドロキシ安息香酸を出発化合物として、例えば、ウィリアムソンのエーテル合成法等によりオキセタン基を2個結合させ、次いで得られた化合物と本発明に適したジオールとを、酸クロリド法やカルボジイミドによる縮合法等を用いて結合させる方法や、逆に予めジヒドロキシ安息香酸の水酸基を適当な保護基で保護し、本発明に適したジオールと縮合後、保護基を脱離させ、適当なオキセタン化合物、例えばハロアルキルオキセタン等と水酸基とを反応させる方法などが挙げられる。
オキセタン化合物と水酸基との反応は、用いられる化合物の形態や反応性により適した反応条件を選定すればよいが、通常、反応温度は−20℃〜180℃、好ましくは10℃〜150℃が選ばれ、反応時間は10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。これらの範囲外では反応が充分に進行しなかったり、副反応が生じたりして好ましくない。また、両者の混合割合は、水酸基1当量につき、オキセタン化合物0.8〜1.2当量が好ましい。
反応は、無溶媒でも可能であるが、通常は適当な溶媒下で行われる。使用される溶媒は目的とする反応を妨害しなければ特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル類やこれらの混合物が挙げられる。
本発明はまた、前記のオキセタン誘導体とカチオン重合性基を有する化合物とからなるカチオン重合性組成物に関する。
本発明のカチオン重合性組成物は、本発明のオキセタン誘導体と、該オキセタン誘導体を除くカチオン重合性基を有する化合物とからなり、好ましくは本発明のオキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上、より好ましくは10質量%以上含むカチオン重合性組成物である。オキセタン誘導体の含有量が5質量%未満では組成物中に占める重合性基の濃度が低くなり、重合後の機械的強度等が必ずしも十分でないなど好ましくない。
本発明のオキセタン誘導体に配合されるカチオン重合性基を有する化合物としては、下記式(4)で表されるようなカチオン重合性基を有する化合物(ただし、本発明のオキセタン誘導体を除く。)で、本発明のオキセタン誘導体と混和しうるものであれば特に制限はなく、各種の低分子化合物、フィルム形成能を有する各種の高分子化合物、液晶性を示す各種の低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物などが挙げられる。さらに本発明の目的を損なわない範囲内でカチオン重合性基を持たない化合物や各種の染料、顔料や添加剤を配合することもできる。これらの中でも液晶性を示す化合物が好ましく、組成物全体として液晶性を示すことが後述の位相差フィルムの製造には特に好ましい。
Figure 0004648659
カチオン重合性基を有する液晶性を示す化合物は種々あるが、液晶性を示すオリゴマーや高分子化合物が好ましく、高分子液晶性化合物としては主鎖型、側鎖型いずれも使用することができる。主鎖型高分子液晶化合物としてポリエステル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート等が挙げられ、側鎖型高分子液晶性化合物としてポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等が挙げられる。
主鎖型液晶性ポリエステルの合成方法としては、通常のポリエステルを合成する際に用いられる方法を採ることができ、特に限定されるものではない。例えば、カルボン酸単位を酸クロリドやスルホン酸無水物などに活性化し、それを塩基の存在下でフェノール単位と反応させる方法(酸クロリド法)や、カルボン酸単位とフェノール単位をDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの縮合剤を用いて直接縮合させる方法、フェノール単位をアセチル化して、これとカルボン酸単位とを溶融条件下で脱酢酸重合する方法などを用いることが出来る。ただし、溶融条件下での脱酢酸重合を用いる場合には、カチオン重合性基を有するモノマー単位が反応条件下で重合や分解反応を起こすおそれがあるため、反応条件を厳密に制御する必要がある場合が多く、場合によっては適当な保護基を用いたり、あるいは一度別な官能基を有する化合物を反応させておいてから、後でカチオン重合性基を導入するなどの方法を採ることが望ましい場合もある。また、重合反応により得られた粗主鎖型液晶性ポリエステルを、再結晶、再沈などの方法により精製してもよい。
側鎖型高分子液晶性化合物も種々の方法で合成することができ、例えばポリ(メタ)アクリレートの場合は、片末端にカチオン重合性基を有する(メタ)アクリル化合物を用いてラジカル重合またはアニオン重合により(メタ)アクリル基のみを重合して、カチオン重合性基を持つ側鎖型高分子液晶性化合物を得ることができる。
ラジカル重合の例としては、(メタ)アクリル化合物をジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒に溶かし、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)などを開始剤として、60〜110℃で数時間反応させる方法が挙げられる。また、液晶相を安定に出現させるために、臭化銅(I)/2,2’−ビピリジル系やTEMPO系などを開始剤としたリビングラジカル重合を行い、分子量分布を制御する方法も有効である。これらのラジカル重合は厳密に脱酸素条件で行う必要がある。
アニオン重合の例としては、(メタ)アクリル化合物をテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒に溶かし、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、グリニャール試薬などの強塩基を開始剤として、反応させる方法が挙げられる。また、開始剤や反応温度を最適化することでリビングアニオン重合とし、分子量分布を制御することもできる。これらのアニオン重合は、厳密に脱水かつ脱酸素条件で行う必要がある。
また、必要により他の共重合可能な化合物を共重合することもできる。共重合する化合物は特に限定されるものではないが、好ましくは合成される高分子化合物が液晶性を示すような化合物を用いて液晶性を高めるためにメソゲン基を有する(メタ)アクリル化合物が好ましい。
なお、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル化合物の合成法も特に制限されるものではなく、通常の有機化学合成法で用いられる方法を適用することによって合成することができる。
例えば、ウィリアムソンのエーテル合成法や、縮合剤を用いたエステル合成法などの手段でカチオン重合性基を持つ部位と(メタ)アクリル基を持つ部位を結合することで、カチオン重合性基と(メタ)アクリル基の2つの反応性官能基を持つカチオン重合性基を有する(メタ)アクリル化合物を容易に合成することができる。
本発明のカチオン重合性組成物はカチオン重合性基を有する組成物からなるため、その重合(硬化)にはカチオン発生剤の添加が好ましい。
カチオン重合開始剤には、適当な光によりカチオンを発生しうる光カチオン発生剤および熱によりカチオンを発生しうる熱カチオン発生剤(以下、両者を合わせてカチオン発生剤ということがある。)があり、本発明のカチオン重合性組成物においては、それぞれ個別に用いてもよく、両者を併用してもよい。また必要によっては各種の増感剤を併用してもよい。
より詳細に説明すれば、本発明で言う光カチオン発生剤とは、適当な波長の光を照射することによりカチオンを発生する化合物を意味し、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系などを例示することが出来る。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェート、ボレートなどが好ましく用いられる。具体的な化合物としては、ArSbF 、ArBF 、ArPF (ここで、Arはフェニル基または置換フェニル基を示す。)などが挙げられる。また、スルホン酸エステル類、トリアジン類、ジアゾメタン類、β−ケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナートなども用いることができる。
また、本発明で言う熱カチオン発生剤とは、適当な温度に加熱されることによりカチオンを発生する化合物であり、例えば、ベンジルスルホニウム塩類、ベンジルアンモニウム塩類、ベンジルピリジニウム塩類、ベンジルホスホニウム塩類、ヒドラジニウム塩類、カルボン酸エステル類、スルホン酸エステル類、アミンイミド類、五塩化アンチモン−塩化アセチル錯体、ジアリールヨードニウム塩−ジベンジルオキシ銅、ハロゲン化ホウ素−三級アミン付加物などを挙げることができる。
また、ルイス酸などのカチオンを発生する化合物を予め添加したカチオン重合性組成物を調製し、塗布・乾燥等の処理後、カチオンを発生させて重合させることができる。カチオン重合性組成物が液晶性を示す場合は、液晶配向形成後、あるいは液晶配向形成と同時にカチオン重合性基を重合させる方法を採ることも出来るが、液晶配向工程と重合工程を分離できた方が、十分な液晶配向と重合度とを両立できることが多く、実際には熱あるいは光などにより顕在化するカチオン発生剤を用いることがより好ましい。
熱カチオン発生剤を用いる場合には、熱カチオン発生剤の活性化温度(通常用いられる指標としては、50%解離温度)よりも低い温度で前記重合性液晶性組成物の配向のため熱処理を行い、ついで本工程において活性化温度以上に加熱することにより、用いた熱カチオン発生剤を解離させ、発生したカチオンによりカチオン重合性基を反応させることが出来る。この方法のメリットとしては、熱処理設備のみにより液晶配向と重合反応を行うことが出来る点が挙げられる。しかしながら、反面、熱(温度の違い)のみにより配向と重合の工程を分離しているため、配向時に若干重合反応が進行してしまう、あるいは重合工程においても十分反応が進行しない場合があるなどのデメリットも挙げられる。
光カチオン発生剤を用いた場合、液晶配向のための熱処理を暗条件(光カチオン発生剤が解離しない程度の光遮断条件)で行えば、カチオン重合性組成物は配向段階で重合や分解をすることなく、十分な流動性をもって配向することが出来る。この後、適当な波長光を発する光源からの光を照射することによりカチオンを発生させ、カチオン重合性組成物を重合(硬化)させればよい。
これらのカチオン発生剤のカチオン重合性組成物中への添加量は、用いるカチオン重合性組成物を構成する化合物、各種添加剤や、オキセタン基当量などにより異なるため一概には言えないが、オキセタン誘導体に対する質量比にして通常100ppm〜20%、好ましくは1000ppm〜10%、より好ましくは0.2%〜7%、最も好ましくは0.5%〜5%の範囲である。100ppmよりも少ない場合には、発生するカチオンの量が十分でなく重合が進行しないおそれがあり、また20%よりも多い場合には、カチオン重合性組成物中に残存するカチオン発生剤の分解残存物等が多くなり耐光性などが悪化するおそれがあるため、どちらの場合も好ましくない。
前記のカチオン発生剤の中では、光でカチオンを発生しうる光カチオン発生剤は、前記のカチオン重合性組成物が液晶性を有する場合などは液晶相を発現する任意の温度でカチオンを発生させて重合(硬化)を行うことができるため、特に好ましい。
このように、本発明のカチオン重合性組成物を重合(硬化)することにより、位相差フィルムを製造することができる。
次に、本発明のカチオン重合性組成物を用いた位相差フィルムの製造方法について詳細に説明する。位相差フィルム製造の方法としてはこれらに限定されるものではないが、下記方法に示される各工程を踏むことが望ましい。
本発明のカチオン重合性組成物から製造される位相差フィルムは、基板上に形成されたままの形態(基板/(配向膜)/フィルム)、基板とは異なる透明基板フィルム等に位相差フィルムを転写した形態(透明基板フィルム/位相差フィルム)、または位相差フィルムに自己支持性がある場合には位相差フィルム単層形態(フィルム)のいずれの形態であってもよい。
本発明に用いることのできる基板としては、カチオン重合性組成物が液晶性を示す場合のことも考慮して、配向基板となりうるものが好ましく、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムおよびこれらフィルムの一軸延伸フィルム等が例示できる。これらフィルムは製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくとも本発明のカチオン重合性組成物に対して十分な能力を示すものもあるが、能力が不十分等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸する、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行う、酸化珪素等の斜方蒸着処理、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属板や各種ガラス板等も基板として使用することができる。
基板として光学的に等方でない、あるいは得られる位相差フィルムが最終的に目的とする使用波長領域において不透明な基板を使用した場合は、基板上で形成された形態から光学的に等方なフィルムや最終的に使用される波長領域において透明な基板上に転写した形態も使用し得る。該転写方法としては、例えば特開平4−57017号公報や特開平5−333313号公報に記載されているように位相差フィルム層を粘・接着剤を介して、当初の基板とは異なる他の透明な基板を積層した後に、必要により粘・接着剤に硬化処理を施し、該積層体から当初の基板を剥離することで位相差フィルムのみを転写する方法等を挙げることができる。
前記透明な基板としては、例えばフジタック(富士写真フィルム(株)製品)、コニカタック(コニカ(株)製品)などのトリアセチルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学(株)製品)、アートンフィルム(JSR(株)製品)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン(株)製品)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン(株)製品)等が挙げられ、また必要によっては透明な基板として偏光板を使用することもできる。さらに、石英板やガラス板を使用することもある。なお、前記偏光板は保護層の有無を問わず使用することができる。
転写に使用される粘・接着剤は光学グレードのものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができる。
前記反応性のものの反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよい。例えば、光硬化型の場合は光カチオン発生剤の場合と同様な光源を使用し、同様な照射量でよく、電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常25kV〜200kV、好ましくは50kV〜100kVである。
位相差フィルムは、カチオン重合性組成物を溶融状態で基板上に塗布する方法や、カチオン重合性組成物の溶液を基板上に塗布する方法等により製造することができる。基板上に塗布された塗膜は、乾燥、必要に応じて熱処理および/または延伸等の操作後、光照射および/または加熱処理(重合)を経て、位相差フィルムとなる。
カチオン重合性組成物の溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明のカチオン重合性組成物を構成する各成分等を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限は無く、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を溶液に添加しても良い。さらに、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、着色を目的として染料や顔料等を添加することもできる。
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。
塗膜に光照射および/または加熱処理して重合(硬化)を行う前に、必要なら熱処理などを行っても良い。この熱処理は、カチオン重合性組成物が液晶性を示す場合に好ましく組み込まれ、使用したカチオン重合性組成物の液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該組成物が本来有する自己配向能により液晶を配向させる。熱処理の条件としては、用いるカチオン重合性組成物の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜250℃、好ましくは20〜200℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、オキセタン基を含むカチオン重合性基や基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜30分、好ましくは10秒〜10分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また30分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。該カチオン重合性組成物の熱処理などにより液晶の配向が完成したのち、そのままの状態で基板上の組成物を重合反応により硬化させる。本発明における重合・硬化工程とは、塗布した膜を重合・硬化反応により液晶配向状態を固定化し、より強固な膜に変成することを目的としている。
光カチオン発生剤を用いた場合、カチオンを発生させるために、適当な波長光を発する光源からの光を照射する。光照射の方法としては、用いる光カチオン発生剤の種類や量により照射波長、照射強度、照射時間等の最適値が異なるが、光カチオン発生剤の吸収波長領域付近にスペクトルを有するようなメタルハライドランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、アークランプ、レーザー、シンクロトロン放射光源などの光源からの光を照射し、光カチオン発生剤を解裂させる。単位面積(1平方センチメートル)当たりの照射量としては、積算照射量として通常1〜2000mJ、好ましくは10〜1000mJの範囲である。ただし、光カチオン発生剤の吸収領域と光源のスペクトルが著しく異なる場合や、あるいはカチオン重合性組成物自身に光源波長の吸収能がある場合などにはこの限りではない。これらの場合には、適当な光増感剤や、あるいは吸収波長の異なる2種以上の光カチオン発生剤を混合して用いるなどの方法を採ることも出来る。
以上のような工程により製造した位相差フィルムは、十分強固な膜になっている。具体的には、硬化反応により3次元的に結合され、硬化前に比べて耐熱性が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。本発明は、熱的・機械的強度の向上という目的と同時に、カチオン重合性組成物が液晶性を有する場合は液晶配向という厳密な配向制御が達成できる方法を提供する意味で工業的な意義が大きい。
なお、本発明のカチオン重合性組成物が液晶性を有する場合は、必要に応じて配合する化合物を適宜選定することにより、その配向構造を制御することができ、ネマチック配向、ねじれネマチック配向、コレステリック配向、ネマチックハイブリッド配向等を固定化した位相差フィルムを製造することが可能であり、その配向構造によって種々の用途がある。
これらの位相差フィルムのなかで、例えばネマチック配向、ねじれネマチック配向を固定化した位相差フィルムは、STN型、TN型、OCB型、HAN型等の透過型または反射型液晶表示装置の補償板として使用できる。コレステリック配向を固定化した位相差フィルムは、輝度向上用の偏光反射フィルム、反射型のカラーフィルター、選択反射能に基因する視角による反射光の色変化を生かした各種の装飾フィルムなどに利用できる。またネマチックハイブリッド配向を固定化したフィルムは、正面から見たときのリターデーションを利用したり、またリターデーション値の向き(フィルムの傾き)による非対称性を生かしてTN型液晶表示装置の視野角改善フィルムなどに利用できる。また、1/4波長板機能を有する位相差フィルムは、偏光板と組み合わせ、反射型の液晶表示装置やEL表示装置の反射防止フィルターとして用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は以下の通りである。
(1)H−NMRおよび13C−NMRの測定
化合物を重水素化クロロホルムまたは重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、VARIAN社製INOVA 400で測定した。
(2)相挙動の観察
相挙動はメトラー社製ホットステージFP82HT上で、試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
相転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査熱量計DSC7により測定した。
相挙動の記載において、Cは結晶相を、Chはコレステリック相を、Nmはネマチック相を、Isoは等方性液体相を表す。
(3)位相差フィルムのパラメータ測定
ネマチック配向のリタデーション測定は、王子計測機器(株)製のKOBRA−20ADHを用いた。
ねじれネマチック構造のねじれ角及びリタデーションは、シンテック(株)製のOptiproを用いて測定した。
(4)GPCの測定
化合物をテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(5)純度(HPLC)分析法
(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフィーLC−9Aを用いて測定した。測定条件を下に示す。
カラム: (株)資生堂製CAPCELL PAK C18、タイプMG
移動相: 水/アセトニトリル/リン酸=60/40/0.1(体積比)
流量: 1ml/分
検出器: UV検出器(測定波長254nm)
(6)対数粘度の測定
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
[参考例1(オキセタニル基を持つアクリル化合物1の合成)]
下記スキーム1に従い、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製、商品名OXT−101)を原料として、オキセタニル基を持つアクリル化合物1を合成した。
アクリル化合物1のH−NMRスペクトルを図1に示す。
スキーム1中の略号はそれぞれ下記を表す。
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP:4,−ジメチルアミノピリジン
DCM:ジクロロメタン
PPTS:ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
Figure 0004648659
[参考例2(オキセタニル基を持たないアクリル化合物2の合成)]
スキーム2に従い、オキセタニル基を持たないアクリル化合物2を合成した。アクリル化合物2のH−NMRスペクトルを図2に示す。
Figure 0004648659
[参考例3(側鎖型液晶性ポリアクリレート3の合成)]
オキセタニル基を有するアクリル化合物1の1部(モル比)とオキセタニル基を持たないアクリル化合物2の9部(モル比)とから、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを開始剤、DMFを溶媒として、窒素下、90℃、6時間、ラジカル重合を行い、メタノールに再沈して精製することで、オキセタニル基を持つ側鎖型液晶性ポリアクリレート3を合成した。
GPCにより測定した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の重量平均分子量は、9,700であった。
DSC測定より、ガラス転移点(Tg)は79℃であった。ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度で液晶相を発現し、スメクチック−ネマチック転移温度が109℃、ネマチック−アイソトロピック転移温度は250℃以上であることを確認した。
[参考例4(カチオン重合性主鎖型液晶性ポリエステル1の合成)]
3−クロロメチル−3−エチルオキセタン97.188g(722mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)9.70g(30.1mmol)および4−ヒドロキシ安息香酸エチル(東京化成(株)製、試薬)100.00g(602mmol)をN−メチルピロリドン溶媒中120℃で3時間攪拌混合して反応させ、得られた反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、溶剤を留去する事により粗4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸エチルを得た。ついで該エステルに純度85%の水酸化カリウム43.69g(662mmol)の水溶液を加え100℃で4時間反応させ加水分解し、さらに91.40g(662mmol)の硫酸水素ナトリウム1水和物の水溶液で希釈・析出させることにより、4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の粗結晶を得た。該粗結晶をアセトニトリルに溶解させ再結晶することにより、HPLC純度99.5%以上の4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の結晶を得た。
該4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸12.00g(50.8mmol)およびN,N−ジイソブチルエチルアミン6.56g(50.8mmol)の混合物を蒸留精製したテトラヒドロフランに溶解し、この溶液を、蒸留したメタンスルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液中に0℃で滴下し、4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸のメタンスルホン酸無水物を得た。ここに、テレフタル酸クロリド9.37g(46.2mmol)、メチルヒドロキノン4.30g(34.6mmol)およびカテコール3.81g(34.6mmol)を溶解させ、ついでトリエチルアミン15.18g(150.0mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.41g(11.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、0℃で2時間、次いで60℃に昇温してさらに4時間反応させた。その後、反応液を室温で過剰量のメタノール中に注ぎ込み、反応生成物を再沈により析出させ、洗浄、乾燥させ主鎖型液晶性ポリエステル1を得た。得られた主鎖型液晶性ポリエステル1は、対数粘度が0.090dL/gであり、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、ガラス状態−ネマチック相転移温度が68℃、ネマチック−アイソトロピック転移温度は268℃であった。
[実施例1(オキセタン誘導体1の合成)]
2Lなす形フラスコに3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン(東亜合成(株)製、製品名OXT−101)46.3g(0.40mol)、1,4−ジブロモブタン(東京化成(株)製、試薬)250.3g(1.16mol)およびヘキサン275mlを仕込み、2gのテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)を含む、500mlの33%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、5時間激しく攪拌した。その後さらに、80℃で1時間加熱還流させた後、500mLの脱イオン水を加え、分液して、水層から160mLのヘキサンで3回抽出した。有機層と抽出層を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶剤を減圧で留去した。得られた透明な液体を減圧蒸留して、109℃/532Paの留分として、3−[(4−ブロモブトキシ)メチル]−3−エチルオキセタン44.5g(0.18mol)を得た(収率44%、H−NMRにて同定)。
300mL三つ口フラスコ中で、3,5−ジヒドロキシ安息香酸エチル5.5g(30mmol)、無水炭酸カリウム13.8g(100mmol)および3−[(4−ブロモブトキシ)メチル]−3−エチルオキセタン7.8g(62mmol)を100mLのジメチルホルムアミドに溶かした。溶液が濁った状態のまま100℃に加熱して5時間攪拌した後、固体を濾別し溶媒を減圧で完全に留去した。得られた黄色の油状物質に50%水酸化カリウム水溶液30mLとエタノール100mLを加え、3時間加熱還流後、エタノール−水共沸物75mLを常圧蒸留で留去し、冷却後、脱イオン水500mLにフラスコ内容物を注ぎ、均一水溶液とした。1規定塩酸を加えてpHを3程度に調節し、析出した油状物質を酢酸エチル200mLで3回抽出し抽出層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧で留去し、3,5−ビス[4−(3−エチル−3−オキセタン−1−イルメトキシ)ブトキシ]安息香酸(淡黄色油状物)8.9gを得た(収率60%、H−NMRにて同定)。得られた化合物はこれ以上の精製を行わずに次の反応に用いた。
200mL三つ口フラスコに、3,5−ビス[4−(3−エチル−3−オキセタン−1−イルメトキシ)ブトキシ]安息香酸5.0g(10mmol)、ヒドロキノン0.53g(4.8mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.2gおよびジクロロメタン100mLを入れ、氷冷しながらジシクロヘキシルカルボジイミド2.27g(11mmol)のジクロロメタン10mL溶液をゆっくりと添加した。添加終了後1時間氷冷を続け、室温で終夜反応させた。生成した白色固体を濾別し、濾液を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し粘稠油状物を得た。得られた油状物をヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的とするオキセタン誘導体1(構造:下式)を得た。図3に13C−NMRスペクトルを示す。
Figure 0004648659
[実施例2(オキセタン誘導体2の合成)]
2Lセパラブルフラスコに3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン(東亜合成(株)製、製品名OXT−101)235.5g(2.03mol)、トリエチルアミン228.0g(2.25mol)およびジメチルホルムアミド(DMF)500mLを入れ、氷冷下、メタンスルホン酸クロリド257.4g(2.03mol)およびDMF100mLの溶液を滴下した。滴下終了後さらに1.5時間氷冷した後、100℃に昇温して4時間反応した。冷却し脱イオン水2L中へ注ぎ、トルエン500mLで4回抽出し、有機層を併せて濃縮し淡黄色の液状の粗3−クロロメチル−3−エチルオキセタン210.7gを得た。得られた液体を減圧蒸留して、85〜86℃/4800Paの留分として、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン147.5gを得た(H−NMRにて同定)。
1Lセパラブルフラスコに、3,5−ジヒドロキシ安息香酸エチル20.8g(0.12mol)、水酸化カリウム33.7g(0.60mol)、エタノール200mLおよび脱イオン水100mLを入れ、75℃に加熱し、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン32.8g(0.244mol)を1時間で滴下した。その後還流温度で7時間反応させ、エタノール−水共沸物200mLを常圧蒸留で留去し冷却後、脱イオン水1mLにフラスコ内容物を注ぎ、6規定塩酸でpHを約3とし、析出した油状物質を酢酸エチル200mLで3回抽出し抽出層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧で留去し3,5−ビス(3−エチル−3−オキセタン−1−イルメトキシ)安息香酸を得た(H−NMRにて同定)。得られた化合物はこれ以上の精製を行わずに次の反応に用いた。
200mL三つ口フラスコに、3,5−ビス(3−エチル−3−オキセタン−1−イルメトキシ)安息香酸5.0g(14mmol)、ヒドロキノン0.75g(6.8mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.2gおよびジクロロメタン100mLを入れ。氷冷しながらジシクロヘキシルカルボジイミド3.1g(15mmol)のジクロロメタン10mL溶液をゆっくりと添加した。添加終了後1時間氷冷を続け、室温で終夜反応させた。生成した白色固体を濾別し、濾液を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し粗製物を得た。得られた粗製物をヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的とするオキセタン誘導体2を得た。
[実施例3(側鎖型液晶性ポリアクリレート3を用いた位相差フィルムの作成)]
参考例3で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の0.8gと、実施例1で得たオキセタン誘導体1の0.2gを、9mlのシクロヘキサンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.05gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み100μmのポリイミドフィルム「カプトン」(デュポン社製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後60℃のホットプレート上で乾燥させた。得られたポリイミドフィルム上のカチオン重合性組成物層を150℃に加熱しながら、空気雰囲気下、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cmの紫外線光を照射した後、冷却して硬化したカチオン重合性組成物層を得た。
基板として用いたポリイミドフィルムは褐色であり光学用フィルムとして好ましくないため、得られたフィルムを紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亜合成社製)を介して、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムに転写して位相差フィルムを得た。すなわち、ポリイミドフィルム上の硬化したカチオン重合性組成物層の上に、UV−3400を5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側から400mJ/cmの紫外線光を照射して接着剤を硬化させた後、ポリイミドフィルムを剥離した。
得られた位相差フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一なネマチックハイブリッド液晶配向が観察され、正面から見たときのリタデーションは115nmであった。また、ラビング軸に沿って鉛直から40°傾いた場所から見たときのリタデーションは141nm、その反対の−40°傾いた場所から見たときのリタデーションは53nmと非対称であり、どの角度でもリタデーションが0nmになる点が存在しなかったことから、このフィルムはネマチックハイブリッド配向構造をとっているとわかる。
さらに位相差フィルムのカチオン重合性組成物部分のみを掻き取り、DSCを用いてガラス転移点(Tg)を測定したところ、Tgは観測されなかった。
このフィルムを2mm厚の青板ガラスにノンキャリア粘着剤を介して貼り付け、その上にポリイミドフィルムのラビング方向と偏光板の吸収軸を一致させて、偏光板(住友化学工業社製SQW−862)を貼り付けた。このサンプルをバックライト上、偏光板を介して観察したところ、均一なフィルムであった。このサンプルを100℃の恒温槽中で24時間経過させたのち、取り出して、同様の観察を行ったところ、特に変化はなく、液晶配向の乱れは観測されなかった。
またフィルムのカチオン重合性組成物層表面の鉛筆硬度は3H程度となり、充分に強固な膜が得られた。このように、側鎖型液晶性ポリアクリレート3を用いることで、良好な液晶配向性を維持し、液晶配向固定化後の熱安定性と強度に優れたフィルムが作成できることがわかった。
[比較例1]
参考例3で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の1gを9mlのシクロヘキサンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.05gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過して液晶性材料溶液を調整した。
この溶液を用いる以外は実施例3と同様に行い位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一なネマチック液晶配向が観察され、そのリタデーションは100nmであった。しかし、位相差フィルムの液晶材料部分のみを掻き取り、DSCを用いてガラス転移点を測定したところ、Tgは90℃と低く、またフィルムの液晶材料層表面の鉛筆硬度はHB程度と軟らかいものだった。
このフィルムを2mm厚の青板ガラスにノンキャリア粘着剤を介して貼り付け、その上にポリイミドフィルムのラビング方向と偏光板の吸収軸を一致させて、偏光板(住友化学工業社製SQW−862)を貼り付けた。このサンプルをバックライト上、偏光板を介して観察したところ、均一なフィルムであった。このサンプルを100℃の恒温槽中で24時間経過させたのち、取り出して、同様の観察を行ったところ、液晶配向の乱れが著しく白抜けが発生していた。
[実施例4(カチオン重合性液晶ポリエステル1を用いた位相差フィルムの作成)]
参考例4で合成した主鎖型液晶性ポリエステル1を5.00gおよびオキセタン誘導体1を1.00gとり、15.00gのシクロヘキサノンに溶解させた。この溶液に、光酸発生剤「TAZ−106」(ミドリ化学(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「T−60」(東レ(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去し、ついでオーブン中で160℃で3分加熱することにより、まず均一な液晶配向を形成させた(フィルム1a)。フィルム1a表面の鉛筆硬度は6B以下と弱いものであった。
硬化したカチオン重合性組成物層を得るため、フィルム1aに高圧水銀ランプにより積算照射量450mJの紫外線光を照射し、ついで160℃のオーブン中で1分熱処理を行い、硬化したカチオン重合性組成物層を得た(フィルム1b)。なお基板として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムが複屈折を有し好ましくないため、フィルム1bを紫外線硬化型接着剤「UV−3400」(東亞合成(株)製)を介してTACフィルム上に転写し位相差フィルム1を得た。転写は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上の硬化したカチオン重合性組成物層の上にUV−3400を5μm厚となるように塗布しTACフィルムでラミネートし、TACフィルム側から400mJ/cm2の紫外光を照射して接着剤を硬化した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
位相差フィルム1を偏光顕微鏡下で観察すると、均一な液晶配向を有していた。また、位相差フィルム1のリターデーション値は885nmであった。さらには位相差フィルム1のカチオン重合性組成物層部分のみを掻き取り、DSCによりガラス転移点(Tg)を測定したところ、Tgは130℃であった。位相差フィルム1のカチオン重合性組成物層表面の鉛筆硬度を測定したところ2H程度であり、強固な膜が得られていた。
[実施例5]
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリドと(S)−メチルブタンジオールから常法に従って、光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル2を合成した。なお、得られた主鎖型液晶性ポリエステル2は、対数粘度が0.152dL/gであり、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、ガラス状態−コレステリック相転移温度が140℃、コレステリック相−アイソトロピック転移温度は175℃であった。
参考例4で合成した主鎖型液晶性ポリエステル1、上記の光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル2およびオキセタン誘導体1を、それぞれ8.2g、1.8gおよび1.1g量り取り、90gの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤SP−172(旭電化(株)製)0.1gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、ラビング処理したポリイミド膜を有するガラス基板にスピンコート法を用いて塗布し、50℃のホットプレート上で溶剤を除去し170℃のオーブン中で10分間熱処理した。次いで、150℃に加熱しつつ高圧水銀ランプにより積算照射量200mJ/cmの紫外線光を照射した。ガラス基板上のカチオン重合性組成物層はコレステリック配向を有し、鮮やかな赤色の選択反射光を示した。分光器で測定したところ、選択反射光の中心波長は620nmであった。
[実施例6]
図4のような配置で液晶ディスプレイを作成した。
すなわち、実施例3で作成した正面リタデーション115nmの位相差フィルム(図4において位相差フィルム11)と塗布膜厚を変えて作成したリタデーション265nmの位相差フィルム(図4において位相差フィルム12)を用いて、両者の遅相軸が60°となるように粘着剤で貼り合わせ、広帯域λ/4板とし、反射板を有するTFT−半透過ECB型液晶セルを組み合わせた。この液晶セルは、液晶性材料としてZLI−1695(Merck社製)を用い、セル液晶層厚5μmにホモジニアス配向させた。セル界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは310nmであった。また、偏光板としては、住友化学工業社製SQW−862を用いた。
その結果、CR=8の良好な白黒表示が得られることがわかった。
参考例1で得られたアクリル化合物1のH−NMRスペクトルを示す。 参考例2で得られたアクリル化合物2のH−NMRスペクトルを示す。 実施例1で得られたオキセタン誘導体1の13C−NMRスペクトルを示す 実施例6で用いた液晶表示装置の軸配置を示す模式図である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるオキセタン誘導体。
    Figure 0004648659
    (式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは単結合または−O−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、XおよびX1は、それぞれ独立に、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは
    Figure 0004648659
    のいずれかを表し、R2は水素、フッ素、塩素、メチル基、エチル基またはtert−ブチル基を表し、X2は酸素、−CHまたは−C(CH −を表す。)
  2. 一般式(1)において、Lが、ベンゼン環側から−O−(CH−または−O−(CH−であることを特徴とする請求項1記載のオキセタン誘導体。
  3. 一般式(1)で表されるオキセタン誘導体とカチオン重合性基を有する化合物(一般式(1)で表される化合物を除く。)とからなるカチオン重合性組成物。
  4. 一般式(1)で表されるオキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上含有することを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
  5. カチオン重合性基を有する化合物が液晶性を示す化合物であることを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
  6. 液晶性を示す化合物が、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリシロキサンおよびポリマロネートから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項5記載のカチオン重合性組成物。
  7. カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載のカチオン重合性組成物を重合して得られる位相差フィルム。
  9. 請求項8記載の位相差フィルムを配置した液晶表示装置。
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