JP2006028428A - オキセタン誘導体、カチオン重合性組成物および位相差フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
これらの問題のない硬化系として、カチオン重合性のビニルエーテル基やオキシラン基を有する化合物が検討されている。しかしながらビニルエーテル基は目的とする誘導体の合成過程で当該基の脱離が起こりやすい、オキシラン基は高反応性故に誘導体の合成が困難であるなどの欠点がある。
近年、上述の問題を解決しうる官能基としてオキセタン基の検討がなされ、多くのオキセタン誘導体が合成されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
液晶化合物からなる位相差フィルムは、配向後固定化された液晶の配向構造が、実使用条件下で保持されることが必須となる。液晶の配向構造を保持する方法として、重合性の液晶化合物を用いる方法、高分子液晶物質を用いる方法、更に、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法が提案されている。
一方、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法としては、高分子主鎖に重合性反応基を導入する方法、側鎖に重合性反応基を有するモノマー単位を導入する方法(例えば、特許文献8参照。)が提案されているが、これらいずれの方法においても液晶性を低下させるため、機械的強度を十分に高めるまでに多量の重合性反応基の導入には限度があり、他の手法が求められている。
本発明の第3は、一般式(1)で表されるオキセタン誘導体とカチオン重合性基を有する化合物(一般式(1)で表される化合物を除く。)とからなるカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第4は、オキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上含有することを特徴とする本発明の第3に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第6は、液晶性を示す化合物が、オリゴマーまたが高分子化合物であることを特徴とする本発明の第5に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第7は、カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする本発明の第3に記載のカチオン重合性組成物に関する。
本発明の第8は、前記のカチオン重合性組成物を用いて得られる位相差フィルムに関する。
本発明の第9は、本発明の第8に記載の位相差フィルムを配置した液晶表示装置に関する。
本発明のオキセタン誘導体は下記式(1)で表される化合物であり、分子両端に各々2個のオキセタン基を有する。
カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、4,4’―ビフェノール等若しくはそれらの置換体としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましく、特にヒドロキノンまたは4,4’―ビフェノールとその置換体が好ましい。
−H,−CH3,−C2H5,−CH2CH2CH3,−CH(CH3)2,
−CH2CH2CH2CH3,−CH2CH(CH3)CH3,
−CH(CH3)CH2CH3,−C(CH3)3,−OCH3,−OC2H5,
−OC6H5,−OCH2C6H5,−F,−Cl,−Br,−NO2,
または −CN
−H,−CH3,−C2H5,−CH2CH2CH3,−CH(CH3)2,
−CH2CH2CH2CH3,−CH2CH(CH3)CH3,
−CH(CH3)CH2CH3,−C(CH3)3,−OCH3,−OC2H5,
−OC6H5,−OCH2C6H5,−F,−Cl,−Br,−NO2,
または −CN
反応にあたっては、オキセタン基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要がある。なお、オキセタン基は類似のカチオン重合性官能基であるオキシラン基などと比べて、副反応を起こす可能性が低い。さらに、類似したアルコール、フェノール、カルボン酸などの各種化合物をつぎつぎに反応させることもあり、適宜保護基の活用を考慮してもよい。合成された粗オキセタン誘導体は、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの方法で精製してもよい。特に結晶性がある程度高いものについては、再結晶は有効な手段であり、常温で再結晶が不可能な化合物についても、−20℃などの低温に冷却することで再結晶が可能になることもある。
本発明のカチオン重合性組成物は、本発明のオキセタン誘導体と、該オキセタン誘導体を除くカチオン重合性基を有する化合物とからなり、好ましくは本発明のオキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上、より好ましくは10質量%以上含むカチオン重合性組成物である。オキセタン誘導体の含有量が5質量%未満では組成物中に占める重合性基の濃度が低くなり、重合後の機械的強度等が必ずしも十分でないなど好ましくない。
また、必要により他の共重合可能な化合物を共重合することもできる。共重合する化合物は特に限定されるものではないが、好ましくは合成される高分子化合物が液晶性を示すような化合物を用いて液晶性を高めるためにメソゲン基を有する(メタ)アクリル化合物が好ましい。
例えば、ウィリアムソンのエーテル合成法や、縮合剤を用いたエステル合成法などの手段でカチオン重合性基を持つ部位と(メタ)アクリル基を持つ部位を結合することで、カチオン重合性基と(メタ)アクリル基の2つの反応性官能基を持つカチオン重合性基を有する(メタ)アクリル化合物を容易に合成することができる。
カチオン重合開始剤には、適当な光によりカチオンを発生しうる光カチオン発生剤および熱によりカチオンを発生しうる熱カチオン発生剤(以下、両者を合わせてカチオン発生剤ということがある。)があり、本発明のカチオン重合性組成物においては、それぞれ個別に用いてもよく、両者を併用してもよい。また必要によっては各種の増感剤を併用してもよい。
前記のカチオン発生剤の中では、光でカチオンを発生しうる光カチオン発生剤は、前記のカチオン重合性組成物が液晶性を有する場合などは液晶相を発現する任意の温度でカチオンを発生させて重合(硬化)を行うことができるため、特に好ましい。
次に、本発明のカチオン重合性組成物を用いた位相差フィルムの製造方法について詳細に説明する。位相差フィルム製造の方法としてはこれらに限定されるものではないが、下記方法に示される各工程を踏むことが望ましい。
本発明のカチオン重合性組成物から製造される位相差フィルムは、基板上に形成されたままの形態(基板/(配向膜)/フィルム)、基板とは異なる透明基板フィルム等に位相差フィルムを転写した形態(透明基板フィルム/位相差フィルム)、または位相差フィルムに自己支持性がある場合には位相差フィルム単層形態(フィルム)のいずれの形態であってもよい。
前記反応性のものの反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよい。例えば、光硬化型の場合は光カチオン発生剤の場合と同様な光源を使用し、同様な照射量でよく、電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常25kV〜200kV、好ましくは50kV〜100kVである。
化合物を重水素化クロロホルムまたは重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、VARIAN社製INOVA 400で測定した。
(2)相挙動の観察
相挙動はメトラー社製ホットステージFP82HT上で、試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
相転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査熱量計DSC7により測定した。
相挙動の記載において、Cは結晶相を、Chはコレステリック相を、Nmはネマチック相を、Isoは等方性液体相を表す。
ネマチック配向のリタデーション測定は、王子計測機器(株)製のKOBRA−20ADHを用いた。
ねじれネマチック構造のねじれ角及びリタデーションは、シンテック(株)製のOptiproを用いて測定した。
(4)GPCの測定
化合物をテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフィーLC−9Aを用いて測定した。測定条件を下に示す。
カラム: (株)資生堂製CAPCELL PAK C18、タイプMG
移動相: 水/アセトニトリル/リン酸=60/40/0.1(体積比)
流量: 1ml/分
検出器: UV検出器(測定波長254nm)
(6)対数粘度の測定
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
下記スキーム1に従い、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製、商品名OXT−101)を原料として、オキセタニル基を持つアクリル化合物1を合成した。
アクリル化合物1の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
スキーム1中の略号はそれぞれ下記を表す。
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP:4,−ジメチルアミノピリジン
DCM:ジクロロメタン
PPTS:ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
スキーム2に従い、オキセタニル基を持たないアクリル化合物2を合成した。アクリル化合物2の1H−NMRスペクトルを図2に示す。
オキセタニル基を有するアクリル化合物1の1部(モル比)とオキセタニル基を持たないアクリル化合物2の9部(モル比)とから、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを開始剤、DMFを溶媒として、窒素下、90℃、6時間、ラジカル重合を行い、メタノールに再沈して精製することで、オキセタニル基を持つ側鎖型液晶性ポリアクリレート3を合成した。
GPCにより測定した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の重量平均分子量は、9,700であった。
DSC測定より、ガラス転移点(Tg)は79℃であった。ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度で液晶相を発現し、スメクチック−ネマチック転移温度が109℃、ネマチック−アイソトロピック転移温度は250℃以上であることを確認した。
3−クロロメチル−3−エチルオキセタン97.188g(722mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)9.70g(30.1mmol)および4−ヒドロキシ安息香酸エチル(東京化成(株)製、試薬)100.00g(602mmol)をN−メチルピロリドン溶媒中120℃で3時間攪拌混合して反応させ、得られた反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、溶剤を留去する事により粗4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸エチルを得た。ついで該エステルに純度85%の水酸化カリウム43.69g(662mmol)の水溶液を加え100℃で4時間反応させ加水分解し、さらに91.40g(662mmol)の硫酸水素ナトリウム1水和物の水溶液で希釈・析出させることにより、4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の粗結晶を得た。該粗結晶をアセトニトリルに溶解させ再結晶することにより、HPLC純度99.5%以上の4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の結晶を得た。
2Lなす形フラスコに3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン(東亜合成(株)製、製品名OXT−101)46.3g(0.40mol)、1,4−ジブロモブタン(東京化成(株)製、試薬)250.3g(1.16mol)およびヘキサン275mlを仕込み、2gのテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)を含む、500mlの33%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、5時間激しく攪拌した。その後さらに、80℃で1時間加熱還流させた後、500mLの脱イオン水を加え、分液して、水層から160mLのヘキサンで3回抽出した。有機層と抽出層を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶剤を減圧で留去した。得られた透明な液体を減圧蒸留して、109℃/532Paの留分として、3−[(4−ブロモブトキシ)メチル]−3−エチルオキセタン44.5g(0.18mol)を得た(収率44%、1H−NMRにて同定)。
2Lセパラブルフラスコに3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン(東亜合成(株)製、製品名OXT−101)235.5g(2.03mol)、トリエチルアミン228.0g(2.25mol)およびジメチルホルムアミド(DMF)500mLを入れ、氷冷下、メタンスルホン酸クロリド257.4g(2.03mol)およびDMF100mLの溶液を滴下した。滴下終了後さらに1.5時間氷冷した後、100℃に昇温して4時間反応した。冷却し脱イオン水2L中へ注ぎ、トルエン500mLで4回抽出し、有機層を併せて濃縮し淡黄色の液状の粗3−クロロメチル−3−エチルオキセタン210.7gを得た。得られた液体を減圧蒸留して、85〜86℃/4800Paの留分として、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン147.5gを得た(1H−NMRにて同定)。
参考例3で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の0.8gと、実施例1で得たオキセタン誘導体1の0.2gを、9mlのシクロヘキサンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.05gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み100μmのポリイミドフィルム「カプトン」(デュポン社製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後60℃のホットプレート上で乾燥させた。得られたポリイミドフィルム上のカチオン重合性組成物層を150℃に加熱しながら、空気雰囲気下、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射した後、冷却して硬化したカチオン重合性組成物層を得た。
得られた位相差フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一なネマチックハイブリッド液晶配向が観察され、正面から見たときのリタデーションは115nmであった。また、ラビング軸に沿って鉛直から40°傾いた場所から見たときのリタデーションは141nm、その反対の−40°傾いた場所から見たときのリタデーションは53nmと非対称であり、どの角度でもリタデーションが0nmになる点が存在しなかったことから、このフィルムはネマチックハイブリッド配向構造をとっているとわかる。
さらに位相差フィルムのカチオン重合性組成物部分のみを掻き取り、DSCを用いてガラス転移点(Tg)を測定したところ、Tgは観測されなかった。
またフィルムのカチオン重合性組成物層表面の鉛筆硬度は3H程度となり、充分に強固な膜が得られた。このように、側鎖型液晶性ポリアクリレート3を用いることで、良好な液晶配向性を維持し、液晶配向固定化後の熱安定性と強度に優れたフィルムが作成できることがわかった。
参考例3で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート3の1gを9mlのシクロヘキサンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.05gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過して液晶性材料溶液を調整した。
この溶液を用いる以外は実施例3と同様に行い位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一なネマチック液晶配向が観察され、そのリタデーションは100nmであった。しかし、位相差フィルムの液晶材料部分のみを掻き取り、DSCを用いてガラス転移点を測定したところ、Tgは90℃と低く、またフィルムの液晶材料層表面の鉛筆硬度はHB程度と軟らかいものだった。
このフィルムを2mm厚の青板ガラスにノンキャリア粘着剤を介して貼り付け、その上にポリイミドフィルムのラビング方向と偏光板の吸収軸を一致させて、偏光板(住友化学工業社製SQW−862)を貼り付けた。このサンプルをバックライト上、偏光板を介して観察したところ、均一なフィルムであった。このサンプルを100℃の恒温槽中で24時間経過させたのち、取り出して、同様の観察を行ったところ、液晶配向の乱れが著しく白抜けが発生していた。
参考例4で合成した主鎖型液晶性ポリエステル1を5.00gおよびオキセタン誘導体1を1.00gとり、15.00gのシクロヘキサノンに溶解させた。この溶液に、光酸発生剤「TAZ−106」(ミドリ化学(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「T−60」(東レ(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去し、ついでオーブン中で160℃で3分加熱することにより、まず均一な液晶配向を形成させた(フィルム1a)。フィルム1a表面の鉛筆硬度は6B以下と弱いものであった。
位相差フィルム1を偏光顕微鏡下で観察すると、均一な液晶配向を有していた。また、位相差フィルム1のリターデーション値は885nmであった。さらには位相差フィルム1のカチオン重合性組成物層部分のみを掻き取り、DSCによりガラス転移点(Tg)を測定したところ、Tgは130℃であった。位相差フィルム1のカチオン重合性組成物層表面の鉛筆硬度を測定したところ2H程度であり、強固な膜が得られていた。
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリドと(S)−メチルブタンジオールから常法に従って、光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル2を合成した。なお、得られた主鎖型液晶性ポリエステル2は、対数粘度が0.152dL/gであり、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、ガラス状態−コレステリック相転移温度が140℃、コレステリック相−アイソトロピック転移温度は175℃であった。
参考例4で合成した主鎖型液晶性ポリエステル1、上記の光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル2およびオキセタン誘導体1を、それぞれ8.2g、1.8gおよび1.1g量り取り、90gの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤SP−172(旭電化(株)製)0.1gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過してカチオン重合性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、ラビング処理したポリイミド膜を有するガラス基板にスピンコート法を用いて塗布し、50℃のホットプレート上で溶剤を除去し170℃のオーブン中で10分間熱処理した。次いで、150℃に加熱しつつ高圧水銀ランプにより積算照射量200mJ/cm2の紫外線光を照射した。ガラス基板上のカチオン重合性組成物層はコレステリック配向を有し、鮮やかな赤色の選択反射光を示した。分光器で測定したところ、選択反射光の中心波長は620nmであった。
図4のような配置で液晶ディスプレイを作成した。
すなわち、実施例3で作成した正面リタデーション115nmの位相差フィルム(図4において位相差フィルム11)と塗布膜厚を変えて作成したリタデーション265nmの位相差フィルム(図4において位相差フィルム12)を用いて、両者の遅相軸が60°となるように粘着剤で貼り合わせ、広帯域λ/4板とし、反射板を有するTFT−半透過ECB型液晶セルを組み合わせた。この液晶セルは、液晶性材料としてZLI−1695(Merck社製)を用い、セル液晶層厚5μmにホモジニアス配向させた。セル界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは310nmであった。また、偏光板としては、住友化学工業社製SQW−862を用いた。
その結果、CR=8の良好な白黒表示が得られることがわかった。
Claims (9)
- 一般式(1)において、Lが、ベンゼン環側から−O−(CH2)2−または−O−(CH2)4−であり、−X−M−X1−が、−O−C6H4−O−または−O−C6H4−C6H4−O−であることを特徴とする請求項1記載のオキセタン誘導体。
- 一般式(1)で表されるオキセタン誘導体とカチオン重合性基を有する化合物(一般式(1)で表される化合物を除く。)とからなるカチオン重合性組成物。
- 一般式(1)で表されるオキセタン誘導体を少なくとも5質量%以上含有することを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
- カチオン重合性基を有する化合物が液晶性を示す化合物であることを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
- 液晶性を示す化合物が、オリゴマーまたは高分子化合物であることを特徴とする請求項5記載のカチオン重合性組成物。
- カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項3記載のカチオン重合性組成物。
- 請求項3〜7のいずれかに記載のカチオン重合性組成物を重合して得られる位相差フィルム。
- 請求項8記載の位相差フィルムを配置した液晶表示装置。
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