JP2007286278A - 所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向の形成方法 - Google Patents

所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向の形成方法 Download PDF

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隆史 關
Hitoshi Mazaki
仁詩 真崎
Takuya Matsumoto
卓也 松本
Takafumi Aizono
啓文 相園
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Abstract

【課題】液晶表示装置の視野角拡大のため、高分子液晶性化合物などの液晶性組成物をハイブリッド配向させた位相差フィルムを用いた場合、位相差フィルム内における液晶の平均チルト角が所定の角度からずれると、液晶表示装置の視野角拡大の効果が著しく減少する。本願では、液晶性組成物が位相差フィルム内において所定の平均チルト角を形成する方法を提供する。
【解決手段】液晶性組成物をハイブリッド配向させるにあたり、配向処理温度を制御することによって所定の平均チルト角を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向の形成方法に関する。
近年、液晶材料を光学用途に適用するための研究開発が活発に行われており、液晶材料を配向してフィルム化した位相差フィルムは、液晶ディスプレイの色補償用途や視野角拡大用途などに実用化されている。
前記の位相差フィルムにおける液晶の配向形態(相)には液晶状態における自己秩序化により、ネマチック、ねじれネマチック、スメクチック、コレステリック、キラルスメクチックなどの相が知られており、また液晶を配向させる基板面への液晶分子の配列によりホモジニアス、ホメオトロピック、チルト、ハイブリッドなどの配向も知られている。
これらの相および配向を適宜組み合わせることにより得られる各種の位相差フィルムは、液晶表示装置の性能向上、例えば視野角拡大、色補償や輝度向上等に多大の寄与をしている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
TN型やECB型等の各種液晶セルに、ハイブリッド配向した位相差フィルムを用いて視野角を拡大することができることは、前記の特許文献から公知である。しかしながら、これらの特許文献では、ハイブリッド配向の平均チルト角の制御は組成物を構成する成分の種類や組成を変えて行っているため、必ずしも所望の平均チルト角を有する位相差フィルムが得られるとは限らない。視野角拡大の効果を充分に実現するにはハイブリッド配向した位相差フィルムの液晶層の平均チルト角が重要であり、適切でない平均チルト角を有するハイブリッド配向した位相差フィルムで補償すると、視野角拡大の効果は少なく、このハイブリッド配向の平均チルト角は所望の角度から数度ずれただけでも視野角拡大の効果が著しく減少する。
特開平06−347742号公報 特開平07−20434号公報 特開平07−140326号公報
本発明は、視野角の拡大された高品質の液晶ディスプレイを実現するために、簡便な方法で精度良く、所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向した液晶フィルムを製造する技術を提供するものである。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、液晶性組成物をハイブリッド配向させる際に、配向処理温度を制御することにより、所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成することができることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明の第1は、液晶性組成物をハイブリッド配向させるにあたり、配向処理温度を制御することにより所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成する方法、に関する。
本発明の第2は、液晶性組成物が、少なくとも高分子液晶性化合物を含有することを特徴とする本発明の第1に記載の方法、に関する。
本発明の第3は、液晶性組成物が、下記一般式(1)で表されるジオキセタン化合物を含有することを特徴とする本発明の第1に記載の方法、に関する。
Figure 2007286278
(式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合または−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、Xは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは、式(2)または式(3)で表されるいずれかであり、式(2)および式(3)中のPは、それぞれ独立に、式(4)から選ばれる基を表し、Pは式(5)から選ばれる基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表す。)
−P−L−P−L−P− (2)
−P−L−P− (3)
Figure 2007286278
Figure 2007286278
(式(4)および式(5)において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはノルマルブチル基を、tBuはターシャリーブチル基をそれぞれ表す。)
本発明の第4は、高分子液晶性化合物が主鎖型高分子液晶性化合物からなることを特徴とする本発明の第2に記載の方法、に関する。
本発明の第5は、高分子液晶性化合物が側鎖型高分子液晶性化合物からなることを特徴とする本発明の第2に記載の方法、に関する。
本発明の第6は、高分子液晶性化合物が、反応性基を結合した高分子液晶性化合物であることを特徴とする本発明の第2、第4または第5に記載の方法、に関する。
本発明の第7は、反応性基が、カチオン重合性基であることを特徴とする本発明の第6に記載の方法、に関する。
本発明の第8は、カチオン重合性基が、オキセタン基であることを特徴とする本発明の第7に記載の方法、に関する。
本発明の第9は、前記側鎖型高分子液晶性化合物が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする本発明の第5に記載の方法、に関する。
Figure 2007286278
(式(6)において、Rは、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シアノ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基またはカルボキシル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは、炭素数1から24までの炭化水素基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−を表し、pは、1から10までの整数を表し、qは、0から10までの整数を表し、a、b、c、d、eおよびfは、ポリマー中の各ユニットのモル比(a+b+c+d+e+f=1.0、ただし、c+d+e=0ではない)を表す。)
本発明の第10は、液晶性組成物が、反応開始剤を含むことを特徴とする本発明の第1〜第9のいずれかに記載の方法、に関する。
本発明の第11は、反応開始剤が光カチオン発生剤または熱カチオン発生剤であることを特徴とする本発明の第10に記載の方法、に関する。
本発明の第12は、液晶性組成物を配向基板上に展開し、当該液晶性組成物の配向処理温度を制御することにより所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成した後、光照射および/または加熱処理することにより当該配向状態を固定化することを特徴とする液晶フィルムの製造方法、に関する。
本発明により、ハイブリッド配向を固定化した光学フィルムを液晶表示素子に搭載する際に、最も重要なパラメーターであるΔndおよび平均チルト角を任意に幅広く、また、精密に制御する方法を実現することができる。また、ハイブリッド配向を固定化したフィルムは、正目から見たときのリタデーションを利用して、位相差フィルムや波長板として利用でき、リタデーションの視角依存性の非対称性を生かして、特にTN型液晶表示装置の視野角改善フィルムに利用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ハイブリッド配向および平均チルト角は次の意味を有する。
ハイブリッド配向とは、液晶分子がネマチック配向しており、このときの液晶分子のダイレクターとフィルム平面のなす角がフィルム上面と下面とで異なった配向形態を言う。したがって、上面界面近傍と下面界面近傍とで該ダイレクターとフィルム平面との成す角度が異なっていることから、該フィルムの上面と下面との間では該角度が連続的に変化しているものといえる。
また本発明でいう平均チルト角とは、液晶フィルムの膜厚方向における液晶分子のダイレクターとフィルム平面との成す角度の平均値を意味するものである。本発明に供される液晶フィルムは、フィルムの一方の界面付近ではダイレクターとフィルム平面との成す角度が、絶対値として通常20度〜90度、好ましくは30度〜70度の角度をなしており、当該面の反対においては、絶対値として通常0度〜20度、好ましくは0度〜10度の角度を成しており、その平均チルト角は、絶対値として通常5度〜50度、好ましくは10度〜45度、さらに好ましくは15度〜45度である。なお、液晶性組成物、後述する配向基板の配向能や配向能を付与する操作等の組み合わせによっては、フィルム界面で液晶分子が一定角度(プレチルト角)で立ち上がった状態で配向することがあるが、本発明にいう前記の平均チルト角はこのプレチルト角を含むものである。
なお、本発明にいうネマチック配向をとる液晶とは、分子長軸が一様な方向を向いている、配向秩序のみを持つ液晶状態であり、分子の重心に関する長距離秩序はなく液体と同じであるホモジニアス配向を示すものをいう。
本発明において液晶性組成物は、当該組成物が液晶性を示せばよく、液晶性組成物を構成する個々の成分が総て液晶性を示す必要はない。
液晶性組成物を構成する成分としては、反応性基の有無を問わず低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物が使用されるが、好ましくは高分子液晶性化合物であり、より好ましくは、反応性基を有する高分子液晶性化合物である。
液晶分子の形態としては、棒状でも円盤状であってもよいが、棒状の液晶分子が好ましい。
また、他に前記低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物と混和しうる非液晶性の高分子化合物、各種活性化剤や各種の添加剤、例えば界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、染料、顔料等を本発明の主旨を逸脱しない範囲で添加することができる。
前記の低分子液晶性化合物としては、(メタ)アクリロイル基やオキシラン基、オキセタン基等の重合性基を有する低分子液晶性化合物を挙げることができる。
前記の高分子液晶性化合物は、主鎖型と側鎖型とに大別される。
主鎖型高分子液晶性化合物としては、いずれも液晶性を示すポリエステル、ポリエステリアミド、ポリアミド、ポリカーボネート等が例示されるが、なかでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などの面から液晶性ポリエステルが好ましく、カチオン重合性基を結合した主鎖型液晶性ポリエステルが特に好ましい。
主鎖型液晶性ポリエステルは、芳香族ジオール単位(以下、構造単位(A)という。)、芳香族ジカルボン酸単位(以下、構造単位(B)という。)および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位(以下、構造単位(C)という。)のうち少なくとも2種を必須単位として含む主鎖型液晶性ポリエステルであって、主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位を含むことを特徴とする主鎖型液晶性ポリエステル、である。以下に、構造単位(A)、(B)および(C)に付いて順次説明する。
構造単位(A)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体、4,4’―ビフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,6−ナフタレンジーオールなどが挙げられ、特に、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体が好ましい。
Figure 2007286278
ただし、式中の−Xは、−H、−CH、−C、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−C(CH、−OCH、−OC、−OC、−OCH、−F、−Cl、−Br、−NO、または−CNのいずれかの基であり、特に下記式で表される化合物が好ましい。
Figure 2007286278
構造単位(B)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体、4,4'−スチルベンジカルボン酸若しくはその置換体、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体が好ましい。
Figure 2007286278
ただし、式中の−Xは、−H、−CH、−C、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−C(CH、−OCH、−OC、−OC、−OCH、−F、−Cl、−Br、−NO、または−CNのいずれかの基を表す。
構造単位(C)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、ヒドロキシ安息香酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ桂皮酸などが挙げられ、特に、ヒドロキシ安息香酸およびその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体が好ましい。
Figure 2007286278
ただし、式中の−X、−X1、−X2は、それぞれ個別に、−H、−CH、−C、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−C(CH、−OCH、−OC、−OC、−OCH、−F、−Cl、−Br、−NO、または−CNのいずれかの基を表す。
主鎖型液晶性ポリエステルは、構造単位として、(A)芳香族ジオール単位、(B)芳香族ジカルボン酸単位、および(C)芳香族ヒドロキシカルボン酸単位のうちから少なくとも2種と、好ましくはさらに主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位(以下、構造単位(D)という。)を含み、サーモトロピック液晶性を示すものであればよく、他の構造単位はこれら条件を満足する限り特に限定されるものではない。
主鎖型液晶性ポリエステルを構成する構造単位(A)、(B)および(C)の全構造単位に占める割合は、構造単位(A)、(B)および(C)がジオールあるいはジカルボン酸あるいはヒドロキシカルボン酸として全モノマーの仕込み量に対して占める重量和の比率で表した場合、通常20〜99%、好ましくは30〜95%、特に好ましくは40〜90%の範囲である。20%より少ない場合には、液晶性を発現する温度領域が極端に狭くなるおそれがあり、また99%を越える場合には、カチオン重合性基を有する単位が相対的に少なくなり、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがある。
次にカチオン重合性基を有する構造単位(D)について説明する。カチオン重合性基としては、エポキシ基、オキセタン基、およびビニルオキシ基からなる群から選ばれる官能基が好ましく、特にオキセタン基が好ましい。構造単位(D)を導入するための化合物としては、下記の一般式に示すごとく、フェノール性水酸基あるいはカルボキシル基を有する芳香族化合物に、エポキシ基、オキセタン基、およびビニルオキシ基から選ばれるカチオン重合性を有する官能基が結合した化合物である。また、芳香環と上記カチオン重合性基との間には、適当なスペーサー部分を有していても良い。
Figure 2007286278
ただし、式中の−X、−X1、−X2、−Y、−Zは、各構造単位毎にそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基を表す。
(1)−X、−X、−X:−H、−CH、−C、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−C(CH、−OCH、−OC、−OC、−OCH、−F、−Cl、−Br、−NO、または−CN
(2)−Y:単結合、−(CH−、−O−、−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−(CH−、−CO−O−(CH−、−(CH−O−CO−、−(CH−CO−O−、−O−(CH−O−CO−、−O−(CH−CO−O−、−O−CO−(CH−O−、−CO−O−(CH−O−、−O−CO−(CH−O−CO−、−O−CO−(CH−CO−O−、−CO−O−(CH−O−CO−、または−CO−O−(CH−CO−O−(ただし、nは1〜12の整数を示す。)
(3)Z:
Figure 2007286278
構造単位(D)の中では、カチオン重合性基もしくはカチオン重合性基を含む置換基とフェノール性水酸基あるいはカルボン酸基の結合位置は、これらの基が結合する骨格がベンゼン環の場合は1,4−の位置関係を、ナフタレン環の場合は2,6−の位置関係を、ビフェニル骨格、スチルベン骨格の場合は4,4'−の位置関係にあるものが液晶性の点から好ましい。より具体的には、4−ビニルオキシ安息香酸、4−ビニルオキシフェノール、4−ビニルオキシエトキシ安息香酸、4−ビニルオキシエトキシフェノール、4−グリシジルオキシ安息香酸、4−グリシジルオキシフェノール、4−(オキセタニルメトキシ)安息香酸、4−(オキセタニルメトキシ)フェノール、4'−ビニルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−グリシジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−オキセタニルメトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、6−ビニルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−ビニルオキシエトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシエトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−グリシジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−オキセタニルメトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−オキセタニルメトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、4−ビニルオキシ桂皮酸、4−ビニルオキシエトキシ桂皮酸、4−グリシジルオキシ桂皮酸、4−オキセタニルメトキシ桂皮酸、4'−ビニルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−ビニルオキシエトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−グリシジルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−オキセタニルメトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシスチルベンなどが好ましい。
カチオン重合性基を有する構造単位(D)の主鎖型液晶性ポリエステルを構成する全構造単位に占める割合は、同様に構造単位(D)をカルボン酸あるいはフェノールとして仕込み組成中の重量割合で表した場合、通常1〜60%、好ましくは5〜50%の範囲である。1%よりも少ない場合には、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがあり、また60%を越える場合には、結晶性が上がることにより液晶温度範囲が狭まり、どちらの場合も好ましくない。
(A)〜(D)の各構造単位は、それぞれ1つまたは2つのカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を有しているが、(A)〜(D)の有するカルボキシル基、フェノール性水酸基は、仕込みの段階においてそれぞれの官能基の当量数の総和を概ねそろえることが望ましい。すなわち、構造単位(D)が遊離のカルボキシル基を有する単位である場合には、((A)のモル数×2)=((B)のモル数×2)+((D)のモル数)、構造単位(D)が遊離のフェノール性水酸基を有する単位である場合には、((A)のモル数×2)+((D)のモル数)=((B)のモル数×2)なる関係を概ね満たすことが望ましい。この関係式から大きく外れる仕込み組成の場合には、カチオン重合に関わる単位以外のカルボン酸あるいはフェノール、もしくはそれらの誘導体が分子末端となることになり、十分なカチオン重合性が得られないばかりか、これら酸性の残基が存在することにより、プロセス上の望む段階以外で重合反応や分解反応が起きてしまうおそれがあり好ましくない。
主鎖型液晶性ポリエステルは、(A)、(B)、(C)および(D)以外の構造単位を含有することができる。含有することができる他の構造単位としては、特に限定はなく当該分野で公知の化合物(モノマー)を使用することができる。例えば、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物や、ビフェノール、ナフタレンジオール、脂肪族ジオールおよびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物等を挙げることができる。
また、主鎖型液晶性ポリエステルを構成する単位の原料として光学活性な化合物を用いた場合、該主鎖型液晶性ポリエステルにカイラルな相を付与せしめることが可能となる。かかる光学活性な化合物としては特に制限はないが、例えば、光学活性な脂肪族アルコール(C2n+1OH、たただしnは4から14の整数を表す。)、光学活性な脂肪族基を結合したアルコキシ安息香酸(C2n+1O−Ph−COOH、ただしnは4から14の整数、Phはフェニル基を表す。)、メントール、カンファー酸、ナプロキセン誘導体、ビナフトール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチルブタンジオール、2−クロロブタンジオール、酒石酸、メチルコハク酸、3−メチルアジピン酸などを挙げることができる。
主鎖型液晶性ポリエステルの分子量は、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(質量比60/40)中、30℃で測定した対数粘度ηが0.03〜0.50dl/gであることが好ましくより好ましくは0.05〜0.15dl/gである。ηが0.03dl/gより小さい場合には、主鎖型液晶性ポリエステルの溶液粘度が低く、フィルム化する際に均一な塗膜が得られない恐れがある。また、0.50dl/gより大きい場合には、液晶配向時に要する配向処理温度が高くなり、配向と架橋が同時に起こり配向性を低下させる危険性がある。
本発明において、主鎖型液晶性ポリエステルの分子量制御は専ら仕込み組成により決定される。具体的には分子両末端を封印する形で反応する1官能性モノマー、すなわち前記した構造単位(D)を導入するための化合物の、全仕込み組成における相対的な含有量により、得られる主鎖型液晶性ポリエステルの平均的な重合度(構造単位(A)〜(D)の平均結合数)が決定される。したがって、所望の対数粘度を有する主鎖型液晶性ポリエステルを得るためには、仕込みモノマーの種類に応じて仕込み組成を調整する必要がある。
主鎖型液晶性ポリエステルの合成方法としては、通常のポリエステルを合成する際に用いられる方法を採ることができ、特に限定されるものではない。例えば、カルボン酸単位を酸クロリドやスルホン酸無水物などに活性化し、それを塩基の存在下でフェノール単位と反応させる方法(酸クロリド法)、カルボン酸単位とフェノール単位をDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの縮合剤を用いて直接縮合させる方法、フェノール単位をアセチル化して、これとカルボン酸単位とを溶融条件下で脱酢酸重合する方法などを用いることが出来る。ただし、溶融条件下での脱酢酸重合を用いる場合には、カチオン重合性基を有するモノマー単位が反応条件下で重合や分解反応を起こすおそれがあるため、反応条件を厳密に制御する必要がある場合が多く、場合によっては適当な保護基を用いたり、あるいは一度別な官能基を有する化合物を反応させておいてから、後でカチオン重合性基を導入するなどの方法を採ることが望ましい場合もある。また、重合反応により得られた粗主鎖型液晶性ポリエステルを、再結晶、再沈などの方法により精製してもよい。
このようにして得られた主鎖型液晶性ポリエステルは、NMR(核磁気共鳴法)などの分析手段により、それぞれのモノマーがどのような比率で主鎖型液晶性ポリエステル中に存在するかを同定することができる。特に、カチオン重合性基の量比から、主鎖型液晶性ポリエステルの平均結合数を算出する事ができる。
前記カチオン重合性基を含む主鎖型液晶性ポリエステルに他の化合物を配合することも、本発明の範囲を超えない限り可能である。例えば、本発明に用いる主鎖型液晶性ポリエステルと混和しうる他の高分子化合物や各種低分子化合物等を添加しても良い。かかる低分子化合物は、液晶性を有していても有していなくとも良く、架橋性の主鎖型液晶性ポリエステルと反応できる重合性基を有していてもいなくとも良い。重合性基を有する液晶性化合物を用いることが好ましく、例えば以下のものを例示できる。
Figure 2007286278
ここで、nは2〜12の整数を、また−V−および−Wはそれぞれ以下のいずれかの基を表す。
−V−: 単結合、−O−、−O−Cm2m−O−(ただし、mは2〜12の整数)
−W:
Figure 2007286278
なお、添加する高分子化合物や低分子化合物が光学活性である場合、組成物としてカイラルな液晶相を誘起させることができる。かかる組成物は、ねじれネマチック配向構造やコレステリック配向構造を有するフィルムの製造に利用することができる。
前記の側鎖型高分子液晶性化合物としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等が挙げられ、中でも下記一般式(6)で表される反応性基を結合したポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2007286278
式(6)において、Rは、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シアノ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基またはカルボキシル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは、炭素数1から24までの炭化水素基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−を表し、pは、1から10までの整数を表し、qは、0から10までの整数を表し、a、b、c、d、eおよびfは、ポリマー中の各ユニットのモル比(a+b+c+d+e+f=1.0、ただし、c+d+e=0ではない)を表す。
式(6)で表される側鎖型高分子液晶性化合物を構成する各成分のモル比は、a+b+c+d+e+f=1.0であり、c+d+e=0ではなく、かつ、液晶性を示すことが必要である。この要件を満たせば各成分のモル比は任意でよいが、以下のとおりであることが好ましい。
a:好ましくは0〜0.80、より好ましくは0.05〜0.50
b:好ましくは0〜0.90、より好ましくは0.10〜0.70
c:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
d:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
e:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
f:好ましくは0〜0.30、より好ましくは0.01〜0.10
これらのポリ(メタ)アクリレート中の各成分は、上記の条件を満たせば、6種類の成分すべてが存在する必要もない。
また、Rは、好ましくは、水素、メチル基、ブチル基、メトキシ基、シアノ基、ブロモ基、フルオロ基であり、特に好ましくは、水素、メトキシ基またはシアノ基であり、Lは、好ましくは、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−であり、Rは、好ましくは、炭素数2、3、4、6、8および18の炭化水素基を表す。
さらに、一般式(6)で表される側鎖型高分子液晶性化合物は、各成分a〜fのモル比や配向形態により複屈折率が変化するが、ネマチック配向をとった場合の複屈折率は0.001〜0.300であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.25である。
上記の側鎖型高分子液晶性化合物は、各成分に該当するそれぞれの(メタ)アクリル化合物の(メタ)アクリル基をラジカル重合またはアニオン重合により共重合することにより容易に合成することができる。重合条件は特に限定されるものではなく、通常の条件を採用することができる。
ラジカル重合の例としては、各成分に該当する(メタ)アクリル化合物をジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの溶媒に溶かし、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)などを開始剤として、60〜120℃で数時間反応させる方法が挙げられる。また、液晶相を安定に出現させるために、臭化銅(I)/2,2’−ビピリジル系や2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ・フリーラジカル(TEMPO)系などを開始剤としたリビングラジカル重合を行い、分子量分布を制御する方法も有効である。これらのラジカル重合は脱酸素条件下に行う必要がある。
アニオン重合の例としては、各成分に該当する(メタ)アクリル化合物をテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒に溶かし、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、グリニャール試薬などの強塩基を開始剤として反応させる方法が挙げられる。また、開始剤や反応温度を最適化することでリビングアニオン重合とし、分子量分布を制御することもできる。これらのアニオン重合は、脱水かつ脱酸素条件で行う必要がある。
側鎖型高分子液晶性化合物は、重量平均分子量が1,000〜200,000であるものが好ましく、3,000〜50,000のものが特に好ましい。この範囲外では強度が不足したり、配向性が悪化したりして好ましくない。
また、前述の円盤状の液晶分子、すなわちディスコチック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284号公報等に記載がある。
本発明において、液晶性組成物は下記一般式(1)で表されるジオキセタン化合物を含有することが好ましい。
Figure 2007286278
式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合または−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、Xは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは、式(2)または式(3)で表されるいずれかであり、式(2)および式(3)中のPは、それぞれ独立に式(4)から選ばれる基を表し、Pは式(5)から選ばれる基を表し、Lは、それぞれ独立に単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表す。
−P−L−P−L−P− (2)
−P−L−P− (3)
Figure 2007286278
Figure 2007286278
式(4)および式(5)において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはノルマルブチル基を、tBuはターシャリーブチル基をそれぞれ表す。
より具体的には、M基から見て左右のオキセタン基を結合している連結基は異なっても(非対称型)同一でも(対称型)よく、特に2つのLが異なる場合や他の連結基の構造によっては液晶性を示さないこともあるが、使用には制約とならない。
一般式(1)で表される化合物は、M、LおよびXの組み合わせから多くの化合物を例示することができるが、好ましくは、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2007286278
これらの化合物は有機化学における通常の合成方法に従って合成することができ、合成方法は特に限定されるものではない。
合成にあたっては、オキセタン基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要がある。なお、オキセタン基は類似のカチオン重合性官能基であるオキシラン基などと比べて、副反応を起こす可能性が低い。さらに、類似したアルコール、フェノール、カルボン酸などの各種化合物をつぎつぎに反応させることもあり、適宜保護基の活用を考慮してもよい。
より具体的な合成方法としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸を出発化合物として、ウィリアムソンのエーテル合成法等によりオキセタン基を結合させ、次いで得られた化合物と本発明に適したジオールとを、酸クロリド法やカルボジイミドによる縮合法等を用いて結合させる方法や、逆に予めヒドロキシ安息香酸の水酸基を適当な保護基で保護し、本発明に適したジオールと縮合後、保護基を脱離させ、適当なオキセタン基を有する化合物(オキセタン化合物)、例えばハロアルキルオキセタン等と水酸基とを反応させる方法などが挙げられる。
オキセタン化合物と水酸基との反応は、用いられる化合物の形態や反応性により適した反応条件を選定すればよいが、通常、反応温度は−20℃〜180℃、好ましくは10℃〜150℃が選ばれ、反応時間は10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。これらの範囲外では反応が充分に進行しなかったり、副反応が生じたりして好ましくない。また、両者の混合割合は、水酸基1当量につき、オキセタン化合物0.8〜1.2当量が好ましい。
反応は、無溶媒でも可能であるが、通常は適当な溶媒下で行われる。使用される溶媒は目的とする反応を妨害しなければ特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類やこれらの混合物が挙げられる。
本発明において用いられる液晶性組成物は、前記の低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物を少なくとも10質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上含み、液晶性を示す組成物である。低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物の含有量が10質量%未満では組成物中に占める前記の液晶性を示す化合物の濃度が低くなり、組成物が液晶性を示さなくなる場合があり好ましくない。
本発明の液晶性組成物では、前述のように低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物の他に、液晶性を損なわずに混和し得る種々の化合物を含有することができる。含有することができる化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基やオキセタン基、エポキシ基、ビニルエーテル基などのカチオン重合性基を有する各種の重合性化合物、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基などの反応性基を有する化合物、フィルム形成能を有する各種の高分子化合物などを配合することもできる。また、前述のように界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを、さらに反応性の官能基を有する化合物や低分子または高分子液晶を用いた場合は、それぞれの官能基に適した反応開始剤や活性化剤、増感剤等を本発明の目的を逸脱しない範囲内で添加してもよい。
反応性基を有する液晶性組成物は、所望の平均チルト角を実現させた後、当該反応性基を反応させるに適した条件下で反応を行わしめ、架橋や分子量増大等により、目的とする最終製品の機械強度等の向上に寄与させることもできる。
前記の重合性化合物としては、得られる液晶フィルムの、場合により次なる加工工程での加工性や接着性を向上しうる化合物が好ましく、特にオキセタン基を有する(メタ)アクリレート類が好ましくい。これらの(メタ)アクリレートとしては、一般式(7)、(8)および(9)で表される化合物が挙げらる。
Figure 2007286278
上記式(7)、式(8)および式(9)において、Rは、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、L2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、mは、それぞれ独立に、1から10までの整数であり、nは、それぞれ独立に、0から10までの整数を表す。
これらの式(7)、(8)および(9)に該当する具体的な化合物は種々挙げることができるが、必ずしも液晶性を有する必要はない。
より具体的には、
Figure 2007286278
などが特に好ましい。
これらのオキセタン基を有する(メタ)アクリレートの合成法も特に制限されるものではなく、通常の有機化学の合成法で用いられる方法を適用することによって合成することができる。
例えば、ウィリアムソンのエーテル合成や、縮合剤を用いたエステル合成などの手段でオキセタン基を持つ部位と(メタ)アクリロイル基を持つ部位を結合させることで、オキセタン基と(メタ)アクリロイル基と全く異なる2つの反応性基を持つオキセタン基を有する(メタ)アクリレートを合成することができる。ただし反応にあたっては、オキセタン基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要があるが、これらの反応条件は上述の一般式(1)で表される化合物の合成で詳述した範囲から適宜選択すればよい。
前記の反応開始剤としては、一般のラジカル重合に使用される有機過酸化物類や各種の光重合開始剤などが例示される。
光重合開始剤には、適当な光により開裂してラジカルを発生する光ラジカル開始剤、適当な光により開裂してカチオンを発生する光カチオン発生剤を挙げることができる。また必要によっては適当な温度に加熱されることによりカチオンを発生できる熱カチオン発生剤なども使用することができる。
光ラジカル開始剤としては、一般の紫外線(UV)硬化型塗料、UV接着剤、ネガ型レジスト等に使用される市販のベンゾインエーテル類、アシルホスフィンオキシド類、トリアジン誘導体類、イミダゾール誘導体類が挙げられる。
光カチオン発生剤としては、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系などを例示することが出来る。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェート、ボレートなどが好ましく用いられる。具体的な化合物としては、ArSbF 、ArBF 、ArPF (ただし、Arはフェニル基または置換フェニル基を示す。)などが挙げられる。また、スルホン酸エステル類、トリアジン類、ジアゾメタン類、β−ケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナートなども用いることができる。
また、熱カチオン発生剤としては、例えば、ベンジルスルホニウム塩類、ベンジルアンモニウム塩類、ベンジルピリジニウム塩類、ベンジルホスホニウム塩類、ヒドラジニウム塩類、カルボン酸エステル類、スルホン酸エステル類、アミンイミド類、五塩化アンチモン−塩化アセチル錯体、ジアリールヨードニウム塩−ジベンジルオキシ銅、ハロゲン化ホウ素−三級アミン付加物などを挙げることができる。
これらの反応開始剤の液晶性組成物中への添加量は、用いる液晶化合物を構成するメソゲン部分やスペーサ部分の構造や、分子量、液晶の配向条件などにより異なるため一概には言えないが、液晶化合物に対し、通常100質量ppm〜20質量%、好ましくは1000質量ppm〜10質量%、より好ましくは0.2質量%〜7質量%、最も好ましくは0.5質量%〜5質量%の範囲である。100質量ppmよりも少ない場合には、反応開始剤から発生する活性種の量が十分でなく反応が進行しないおそれがあり、また20質量%よりも多い場合には、液晶性組成物中に残存する反応開始剤の分解残存物等が多くなり着色したり、耐光性などが悪化するおそれがあるため好ましくない。
次に、本発明の液晶性組成物をハイブリッド配向するにあたり、平均チルト角を所定の角度に制御する方法について説明する。
まず、液晶性組成物を適当な配向基板上で薄膜(フィルム)化し、液晶相温度領域内において、配向温度を調整して目的とする平均チルト角を有するハイブリッド配向が得られる温度に設定する。
具体的には、1枚の基板上に液晶性組成物の薄膜(フィルム)層を形成して、液晶性組成物(フィルム)層の片側表面は空気に曝した状態で、所望の平均チルト角が得られる液晶相温度に維持し、ハイブリッド配向を実現する。
上記の液晶相温度領域は、用いる液晶化合物の構造や分子量、各種添加物の量等により変化するため、一概には決定できないが、10℃〜300℃となるものが好ましい。
なお、所望する所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成する温度は、事前に、使用する液晶性組成物を液晶相温度領域内の任意の複数の温度でハイブリッド配向させて平均チルト角を測定し、個々の液晶性組成物ごとに配向温度と平均チルト角の関係図を作成しておくことにより容易に決定することができる。
以下に、液晶性組成物(フィルム)層の形成方法について説明するが、液晶性組成物(フィルム)層の形成方法としてはこれらに限定されるものではない。
まず、本発明の液晶性組成物を配向基板上に展開する。当該液晶性組成物層を配向させる配向基板としては、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリシクロオレフィン等のフィルムが例示できる。これらのフィルムは製造方法によっては、該液晶性組成物に対して充分な配向能を示し、そのまま配向基板として用いることができるものもあるが、多くはラビング、延伸、斜方蒸着、偏光照射、斜め光照射などの操作を行うことで配向能を発現もしくは強化させて用いる。またこれらの基板フィルム上に、ポリイミド、ポリビニルエーテル、ポリビニルシンナメート、ポリビニルアルコールなどの公知の配向膜を設けて、前記の配向能付与操作を行うことで配向能を発現することもできる。
配向基板として、光学的に等方でない、あるいは得られるフィルム層が最終的に目的とする使用波長領域において不透明である、もしくは配向基板の膜厚が厚すぎて実際の使用に支障を生じるなどの問題がある場合、配向基板上で形成された形態から、配向基板と異なる基板、例えば、光学的に等方な、あるいは得られるフィルム層が最終的に目的とする使用波長領域において透明なフィルム、もしくはフィルム層を液晶セルなどに貼合するまでの間、仮に支持しておくためのフィルムに転写した形態も使用しうる。転写方法としては公知の方法を採用することができる。例えば、特開平4−57017号公報や特開平5−333313号公報に記載されているように液晶フィルム層を粘着剤もしくは接着剤を介して、配向基板とは異なる基板を積層した後に、必要により当該粘着剤もしくは接着剤に硬化処理を施し、該積層体から配向基板を剥離することで液晶フィルムのみを転写する方法等を挙げることができる。
前記の配向基板と異なる基板としては、例えば、フジタック(富士写真フイルム社製品)、コニカタック(コニカ社製品)などのトリアセチルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学社製品)、アートンフィルム(JSR社製品)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン社製品)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製品)などの透明フィルムや、シリコン処理を施したり、表面に易剥離層を設けたりしたポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。また必要によっては、偏光フィルム、偏光板、各種ガラス等に直接転写することも可能である。
転写に使用される粘着剤もしくは接着剤は光学グレードのものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができる。前記反応性のものの反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度等や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよい。例えば、光硬化型の場合は後述の光カチオン発生剤の場合と同様な光源を使用し同様な照射量でよく、電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常25kV〜200kV、好ましくは50kV〜100kVである。
液晶性組成物を配向基板上に展開して液晶性組成物層を形成する方法としては、液晶性組成物を溶融状態で直接配向基板上に塗布する方法や、液晶性組成物の溶液を配向基板上に塗布後、塗膜を乾燥して溶媒を留去させる方法が挙げられる。
溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明の液晶性組成物に使用される各種化合物を溶解でき適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限はなく、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを溶液に添加してもよい。
液晶性組成物を直接塗布する方法でも、溶液を塗布する方法でも、塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ディップコート法、ロールコート法などが挙げられる。
液晶性組成物の溶液を塗布する方法では、塗布後に溶媒を除去するための乾燥工程を入れることが好ましい。この乾燥工程は、塗膜の均一性が維持される方法であれば、特に限定されることなく公知の方法を採用することができる。例えば、ヒーター(炉)、温風吹きつけなどの方法が挙げられる。
塗布膜厚は、用いる液晶性組成物やや得られる液晶フィルムの用途等により調整されるため一概には決められないが、乾燥後の膜厚で0.1〜20μm、好ましくは0.3〜10μmである。または本発明の液晶性組成物は配向させることにより屈折率異方性を発現するため、塗布膜厚は単に膜厚のみで規定するだけでは必ずしも十分とは言えず、液晶の配向状態によってはリタデーション値(=屈折率異方性×膜厚:Δnd)で規定するのが好ましいときもある。そのときのリタデーション値は10〜1000nm、好ましくは20〜800nmの範囲である。膜厚および/またはリタデーション値がこの範囲外では、目的とする効果が見られない、配向が不十分になる、などして好ましくない。
続いて、配向基板上に形成された液晶性組成物層を、熱処理などの方法で液晶を配向させ、ハイブリッド配向を形成させた後、必要により光照射および/または加熱処理で反応性基を反応させ当該配向を固定化する。最初の熱処理では、使用した液晶性組成物の液晶相発現温度範囲内で所望の平均チルト角が得られる温度に加熱することで、該液晶性組成物が本来有する自己配向能により液晶をハイブリッド配向させる。熱処理の条件としては、用いる液晶性組成物の液晶相挙動温度(転移温度)や該温度と平均チルト角との関係等により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは20℃〜250℃の範囲であり、該液晶性組成物のガラス転移点(Tg)以上の温度、さらに好ましくはTgより10℃以上高い温度で熱処理するのが好ましい。あまり低温では、液晶配向が充分に進行しないおそれがあり、また高温では液晶性組成物や配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜30分、好ましくは10秒〜10分の範囲である。3秒より短い熱処理時間では、液晶配向が充分に完成しないおそれがあり、また30分を超える熱処理時間では、生産性が悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。
所定の平均チルト角に制御するためには、用いる液晶性組成物が示す液晶相温度領域内での配向処理温度を変化させることが必要である。配向処理温度の範囲は、液晶相温度領域の範囲、液晶性組成物の組成などにより変化するため、一概に決定できないが、前述の液晶性ポリエステルを用いた場合は、10℃〜300℃であり、好ましくは50℃〜250℃である。また、前述の側鎖型高分子液晶性化合物を用いた場合は、通常20℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃の範囲である。
該液晶性組成物層を上記の方法によりハイブリッド配向を形成したのち、反応性基を含有する液晶性組成物を用いた場合は、当該液晶配向状態を保ったまま液晶性組成物を組成物中に含まれる反応開始剤の機能を発現させ反応性基を反応させて配向を固定化したり機械強度を向上させたりする。
反応開始剤が光の照射により開始剤の機能を発現する場合、光照射の方法としては、用いる反応開始剤の吸収波長領域にスペクトルを有するようなメタルハライドランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、アークランプ、レーザーなどの光源からの光を照射し、反応開始剤を活性化させる。1平方センチメートルあたりの照射量としては、積算照射量として通常1〜2000mJ、好ましくは10〜1000mJの範囲である。ただし、当該反応開始剤の吸収領域と光源のスペクトルが著しく異なる場合や、液晶性組成物自身に光源波長の吸収能がある場合などはこの限りではない。これらの場合には、適当な光増感剤や、吸収波長の異なる2種以上の反応開始剤を混合して用いるなどの方法を採ることもできる。
光照射時の温度は、該液晶性組成物が液晶配向をとる温度範囲が好ましく、反応の効果を充分にあげるためには、該液晶材料のTg以上の温度で光照射を行うのが好ましい。
以上のような工程により製造した液晶フィルムは、充分強固な膜となっている。具体的には、硬化反応等によりメソゲンが3次元的に結合され、硬化前と比べて耐熱性(液晶配向保持の上限温度)が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。本発明は、容易に液晶配向という緻密な配向を制御し、熱的・機械的強度の向上を果たすという、相反する目的を同時に達成できる方法を提供する意味で、工業的な意義が大きい。
液晶配向が固定化された液晶性組成物層は、配向基板上に形成されたままの形態(配向基板/(配向膜)/液晶性組成物層)、配向基板上とは異なる透明基板フィルム等に液晶性組成物層を転写した形態(透明基板フィルム/液晶性組成物層)、または液晶性組成物層単層形態(液晶フィルム)で光学フィルムとして用いることができる。
かくして得られた本発明の液晶フィルムは特に光学フィルムとして好適に用いることができ、液晶表示素子に搭載される。光学フィルムは、その配向構造によって様々な用途があり、特に、位相差フィルム、色補償フィルム、視野角改良フィルム、円偏光フィルムとして好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は以下の通りである。
(1)H−NMRおよび13C−NMRの測定
化合物を重水素化クロロホルムまたは重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、VARIAN社製INOVA 400で測定した。
(2)液晶相挙動の観察
相挙動はメトラー社製ホットステージFP82HT上で、試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
相転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査熱量計DSC7により測定した。
相挙動の記載において、Cは結晶相を、Chはコレステリック相を、Nmはネマチック相を、Isoは等方性液体相を表す。
(3)液晶フィルムのパラメータ測定
液晶フィルムのリタデーション値は、王子計測機器(株)製のKOBRA−20ADHを用いた。測定波長は550nmである。
また、ハイブリッド配向の平均チルト角は、王子計測機器(株)製のKOBRA−20ADHを用いて測定した−50°から50°までの10°刻みのΔndを用い、線形でチルト角が変化すると仮定したシミュレーションで求めた。
(4)GPCの測定
高分子液晶をテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(5)純度(HPLC)分析法
Agilent製高速液体クロマトグラフィー1100を用いて測定した。測定条件を下に示す。
カラム:(株)資生堂製CAPCELL PAK C18、タイプMG
移動相:水/アセトニトリル/リン酸=60/40/0.1(体積比)
流量:1ml/分
検出器:UV検出器(測定波長254nm)
(6)対数粘度の測定
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン(60/40質量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
なお、参考例の各スキーム中の略号はそれぞれ下記を表す。
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DCM:ジクロロメタン
PPTS:ピリジニウム−p−トルエンスルホネート
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
[参考例1(オキセタン基を持つ中間体化合物1の合成)]
スキーム1に従い、オキセタン基を持つ中間体化合物1を合成した。
Figure 2007286278
[参考例2(オキセタン基を持つ中間体化合物2の合成)]
スキーム2に従い、オキセタン基を持つ中間体化合物2を合成した。
Figure 2007286278
[参考例3(アクリル化合物3の合成)]
下記スキーム3に従い、アクリル化合物3を合成した。
Figure 2007286278
[参考例4(アクリル化合物4の合成)]
下記スキーム4に従い、アクリル化合物4を合成した。
Figure 2007286278
[参考例5(アクリル化合物5の合成)]
スキーム5に従い、アクリル化合物5を合成した。
Figure 2007286278
[参考例6(アクリル化合物6の合成)]
スキーム4に従い、アクリル化合物6を合成した。
Figure 2007286278
[参考例7(側鎖型液晶性ポリアクリレート7の合成)]
アクリル化合物3の2部(モル比)とアクリル化合物5の8部(モル比)とから、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを開始剤、DMFを溶媒として、窒素下、90℃、6時間、ラジカル重合を行い、メタノールに再沈して精製することで、側鎖型液晶性ポリアクリレート7を合成した。
GPCにより測定した側鎖型液晶性ポリアクリレート7の重量平均分子量は、9,100であった。
DSC測定より、ガラス転移点(Tg)は82℃であった。ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度でネマチック液晶相を発現し、Nm−Iso転移温度は248℃であった。
[参考例8(側鎖型液晶性ポリアクリレート8の合成)]
アクリル化合物4の2部(モル比)、アクリル化合物5の6部(モル比)およびアクリル化合物6の2部(モル比)とから、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを開始剤、DMFを溶媒として、窒素下、90℃、6時間、ラジカル重合を行い、メタノールに再沈して精製することで、側鎖型液晶性ポリアクリレート8を合成した。
GPCにより測定した側鎖型液晶性ポリアクリレート8の重量平均分子量は、9,700であった。
DSC測定より、ガラス転移点(Tg)は78℃であった。ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度でネマチック液晶相を発現し、Nm−Iso転移温度は229℃であった。
[参考例9(ジオキセタン化合物9の合成)]
スキーム9に従い、ジオキセタン化合物9を合成した。
Figure 2007286278
[参考例10(ジオキセタン化合物10の合成)]
下記スキーム10に従い、ジオキセタン化合物10を合成した。
Figure 2007286278
上記スキーム10に従い、ヒドロキノン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、オキセタン基を持つ中間体化合物1、およびオキセタン基を持つ中間体化合物2とから、ジオキセタン化合物10を合成した。得られた化合物はヘキサン/酢酸エチル溶媒による再結晶で精製した。
(1)H−NMR(CDCl;TMS)におけるジオキセタン化合物10のピーク位置
0.9(t, 3H), 1.0(t, 3H), 1.6(q, 2H), 1.7(q, 2H), 1.8(m, 2H), 1.9(m, 2H), 3.6(t, 4H), 3.7(q, 4H), 4.0(dd, 2H), 4.1(t, 2H), 4.4(dd, 2H), 4.5(dd, 2H), 7.0(dd, 4H), 7.3(s, 4H), 8.2(dd, 4H).
(2)13C−NMR(CDCl;TMS)におけるジオキセタン化合物10のピーク位置
7.54, 8.46, 22.94, 26.32, 26.41, 27.02, 43.65, 43.91, 46.31, 63.63, 68.25, 68.98, 71.28, 73.75, 78.77, 114.52, 114.64, 121.72, 122.37, 122.85, 122.89, 132.54, 132.57, 148.57, 148.67, 163.23, 163.69, 165.05.
[参考例11(主鎖型液晶性ポリエステル11の合成)]
3−クロロメチル−3−エチルオキセタン97.188g(722mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)9.70g(30.1mmol)および4−ヒドロキシ安息香酸エチル(東京化成(株)製、試薬)100.00g(602mmol)をN−メチルピロリドン溶媒中120℃で3時間攪拌混合して反応させ、得られた反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、溶剤を留去する事により粗4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸エチルを得た。ついで該エステルに純度85%の水酸化カリウム43.69g(662mmol)の水溶液を加え100℃で4時間反応させ加水分解し、さらに91.40g(662mmol)の硫酸水素ナトリウム1水和物の水溶液で添加・析出させることにより、4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の粗結晶を得た。該粗結晶をアセトニトリルに溶解させ再結晶することにより、HPLC純度99.5%以上の4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸の結晶を得た。
該4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸12.00g(50.8mmol)およびN,N−ジイソブチルエチルアミン6.56g(50.8mmol)の混合物を蒸留精製したテトラヒドロフランに溶解し、この溶液を、蒸留したメタンスルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液中に0℃で滴下し、4−(3−エチルオキセタン−1−イル−メトキシ)安息香酸のメタンスルホン酸無水物を得た。ここに、テレフタル酸クロリド9.37g(46.2mmol)、メチルヒドロキノン4.30g(34.6mmol)およびカテコール3.81g(34.6mmol)を溶解させ、ついでトリエチルアミン15.18g(150.0mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.41g(11.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、0℃で2時間、次いで60℃に昇温してさらに4時間反応させた。その後、反応液を室温で過剰量のメタノール中に注ぎ込み、反応生成物を再沈により析出させ、洗浄、乾燥させ主鎖型液晶性ポリエステル11を得た。得られた主鎖型液晶性ポリエステル11は、対数粘度が0.090dL/gであり、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、ガラス状態−Nm相転移温度が68℃、Nm−Iso転移温度は268℃であった。
[参考例12 (主鎖型液晶性ポリエステル化合物12の合成)]
テレフタル酸40mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸40mmol、カテコールジアセテート85mmol、アセトキシ安息香酸80mmolを用いて窒素雰囲気下260℃で4時間、290℃で2時間、続いて毎分100mlの窒素気流下290℃で4時間重合を行い、主鎖型液晶性ポリエステル化合物12を得た。
この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.16、液晶相としてネマチック相をもち、液晶相−等方相転移温度は300℃以上、Tgは120℃であった。該液晶性ポリエステルを用い10質量%のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4質量比)溶液を調製した。この溶液を、ソーダガラス板上に、バーコート法により塗布し、乾燥し、190℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化し、膜厚1μmの液晶性フィルムを得た。該フィルムの偏光顕微鏡下の観察により隣接するドメインの消光軸が同一でありながらディスクリネーションラインが存在する部分を見いだしチルト配向性であることを確認した。
Figure 2007286278
[参考例13 (主鎖型液晶性ポリエステル化合物13の合成)]
4−オクチロキシ安息香酸10mmol、テレフタル酸50mmol、ナフタレンジカルボン酸45mmol、カテコールジアセテート50mmol、3−メチルカテコールジアセテート50mmol、4−アセトキシ安息香酸50mmolを用いて窒素雰囲気下、270℃で4時間、続いて同温度で毎分30mlの窒素気流下で2時間脱酢酸重合を行った。次に得られた反応生成物をテトラクロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈殿を行って精製し、主鎖型液晶性ポリエステル化合物13を得た。
この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.10dL/g、液晶相としてネマチック相をもち、液晶相−等方相転移温度は240℃、Tgは75℃であった。
該液晶性ポリエステルを用い10mass%のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4質量比)溶液を調製した。この溶液を、ソーダガラス板上に、スピンコート法により塗布し、乾燥し、220℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化し、膜厚10μmの均一配向フィルムを得た。該フィルムのコノスコープ観察により、該フィルムがホメオトロピック配向フィルムであることを確認した。
Figure 2007286278
[参考例14 (エステル化合物14の合成)]
tert−ブチルハイドロキノンジアセテート10mmol、6−ペンチロキシ−2−ナフトエ酸20mmolを窒素雰囲気下250℃で4時間、270℃で2時間、続いて毎分30mlの窒素気流下270℃で2時間反応させた。続いて該化合物をメタノール/酢酸エチル=1/1の混合溶媒から再結晶し、下記式で示されるエステル化合物14を得た。
Figure 2007286278
[実施例1]
参考例7で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート7の0.8gと、参考例9で合成したジオキセタン化合物9の0.2gを、9mlのシクロヘキサノンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.10gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレン(PEN)ナフタレートフィルム「テオネックスQ−51」(帝人(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去し、ついでオーブン中で、所定の温度(145℃、150℃、155℃、および160℃)で3分加熱することにより、まず均一な液晶配向を形成させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cmの紫外線光を照射した後、冷却して硬化した液晶性組成物層を得た。
基板として用いたPENフィルムは複屈折を持ち、光学用フィルムとして好ましくないため、得られた硬化した液晶性組成物層を紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400(東亜合成社製)を介して、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムに転写して光学フィルムを得た。すなわち、PENフィルム上の硬化した液晶性組成物層の上に、紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400を5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側から400mJ/cmの紫外線光を照射して接着剤を硬化させた後、PENフィルムを剥離した。得られたフィルムは剥離不良部はなかった。
得られた液晶フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一な液晶配向が観察された。145℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は43度、150℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は40度、155℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は36度、160℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は30度であった。平均チルト角と配向処理温度(熱処理温度)の関係を図1に示す。
[実施例2]
参考例8で合成した側鎖型液晶性ポリアクリレート8の0.85gと、参考例10で合成したジオキセタン化合物10の0.15gを、9mlのシクロヘキサノンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)0.10gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのPENフィルム「テオネックスQ−51」(帝人(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去し、ついでオーブン中で、所定の温度(140℃、145℃、150℃、および、155℃)で3分加熱することにより、まず均一な液晶配向を形成させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cmの紫外線光を照射した後、冷却して硬化した液晶組成物層を得た。
基板として用いたPENフィルムは複屈折を持ち、光学用フィルムとして好ましくないため、得られたフィルムを紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400(東亜合成社製)を介して、TACフィルムに転写して光学フィルムを得た。すなわち、PENフィルム上の硬化した液晶組成物層の上に、紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400を5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側から400mJ/cmの紫外線光を照射して接着剤を硬化させた後、PENフィルムを剥離した。
得られた液晶フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一な液晶配向が観察され、140℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は39度、145℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は36度、150℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は32度、155℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は28度であった。平均チルト角と配向処理温度(熱処理温度)の関係を図2に示す。
[実施例3]
参考例11で合成した主鎖型液晶性ポリエステル11を5.00gおよびジオキセタン化合物9を1.00gとり、15.00gのシクロヘキサノンに溶解させた。この溶液に、光酸発生剤「TAZ−106」(ミドリ化学(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「T−60」(東レ(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去し、ついでオーブン中で所定の温度(145℃、150℃、155℃、および160℃)で3分加熱することにより、まず均一な液晶配向を形成させた。硬化した液晶性組成物層を得るため、フィルムに高圧水銀ランプにより積算照射量450mJの紫外線光を照射し、ついで160℃のオーブン中で1分熱処理を行い、硬化した液晶性組成物層を得た。
基板として用いたPETフィルムは複屈折を持ち、光学用フィルムとして好ましくないため、得られたフィルムを紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400(東亜合成社製)を介して、TACフィルムに転写して光学フィルムを得た。すなわち、PETフィルム上の硬化した液晶性組成物層の上に、紫外線硬化型アクリル接着剤UV−3400を5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側から400mJ/cmの紫外線光を照射して接着剤を硬化させた後、PETフィルムを剥離した。得られたフィルムは剥離不良部がなかった。
得られた液晶フィルムを偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションなどがないモノドメインの均一な液晶配向が観察された。145℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は22度、150℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は20度、155℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は18度、160℃で配向処理した液晶フィルムにおける平均チルト角は16度であった。平均チルト角と配向処理温度(熱処理温度)の関係を図3に示す。
[比較例1]
参考例12で得られた主鎖型液晶性ポリエステル12を75部、参考例13で得られた主鎖型液晶性ポリエステル13を20部、および参考例14で得られたエステル化合物14を5部配合してテトラクロロエタンの8質量%溶液を調製した。
ラビングポリイミド膜を有するガラス基板上に前記の溶液をスピンコート法により塗布し、乾燥し、200℃、210℃、220℃、および230℃で20分間配向処理した後、空冷しハイブリッド配向した液晶性フィルムを得た。基板上の液晶性フィルムは透明で配向欠陥はなく均一であった。平均チルト角はそれぞれ、34度、34度、33度、33度であり、配向処理温度を変えても変化しなかった。
[実施例4]
実施例2の155℃で配向処理して得られた液晶フィルムを用いて半透過反射型液晶表示装置を作製した。
作製した半透過反射型液晶表示装置の概略断面図を図4に示す。
第2の基板8にAl等の反射率の高い材料で形成された反射電極6とITO等の透過率の高い材料で形成された透過電極7とが設けられ、第1の基板3に対向電極4が設けられ、反射電極6及び透過電極7と対向電極4との間に正の誘電率異方性を示す液晶材料からなる液晶層5が挟持されている。第1の基板3の対向電極4が形成された側の反対面に第1の光学異方素子2(高分子延伸フィルム13および14からなる)及び偏光板1が設けられており、第2の基板8の反射電極6及び透過電極7が形成された面の反対側に第2の光学異方素子9(液晶フィルム15および高分子延伸フィルムからなる)及び偏光板10が設けられている。偏光板10の背面側にはバックライト11が設けられている。
使用した液晶セル12は、液晶材料としてZLI−1695(Merck社製)を用い、液晶層厚は反射電極領域6(反射表示部)で2.4μm、透過電極領域7(透過表示部)で4.8μmとした。液晶層の基板両界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは、反射表示部で略150nm、透過表示部で略300nmであった。
液晶セル12の観察者側(図の上側)に偏光板1(厚み約180μm;住友化学(株)製SQW−862)を配置し、偏光板1と液晶セル12との間に、第1の光学異方素子2として、一軸延伸したポリカーボネートフィルムからなる高分子延伸フィルム13及び14を配置した。高分子延伸フィルム13の△ndは略268nm、高分子延伸フィルム14のΔndは略98nmであった。
また、第2の光学異方素子9として、観察者から見て液晶セル12の後方に液晶フィルム15及び一軸延伸したポリカーボネートフィルムからなる高分子延伸フィルム16を配置し、更に背面に偏光板10を配置した。液晶フィルム15は実施例2の155℃で配向処理して得られた液晶フィルム(Δnd:120nm、平均チルト角:28度)を用いた。高分子延伸フィルム16のΔndは272nmであった。
偏光板1及び10の吸収軸、高分子延伸フィルム13,14及び16の遅相軸、液晶セル12の両界面のプレチルト方向、液晶フィルム15のチルト方向は図5に記載した条件で配置した。
ハイブリッドネマチック構造を持つ液晶フィルム15を用いることにより、広い視野角特性をもち、左右、上下方向の反転特性も良好な液晶表示装置を得ることができた。
実施例1で得られた熱処理温度と平均チルト角の関係を示す図である。 実施例2で得られた熱処理温度と平均チルト角の関係を示す図である。 実施例3で得られた熱処理温度と平均チルト角の関係を示す図である。 実施例4で作製した液晶表示装置の概略断面模式図を示す 実施例4で作製した液晶表示装置の各層の軸配置を示す模式図である。

Claims (12)

  1. 液晶性組成物をハイブリッド配向させるにあたり、配向処理温度を制御することにより所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成する方法。
  2. 液晶性組成物が、少なくとも高分子液晶性化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 液晶性組成物が、下記一般式(1)で表されるジオキセタン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
    Figure 2007286278
    (式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合または−(CH−(nは1〜12の整数)を表し、Xは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、Mは、式(2)または式(3)で表されるいずれかであり、式(2)および式(3)中のPは、それぞれ独立に、式(4)から選ばれる基を表し、Pは式(5)から選ばれる基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表す。)
    −P−L−P−L−P− (2)
    −P−L−P− (3)
    Figure 2007286278
    Figure 2007286278
    (式(4)および式(5)において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはノルマルブチル基を、tBuはターシャリーブチル基をそれぞれ表す。)
  4. 高分子液晶性化合物が主鎖型高分子液晶性化合物からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 高分子液晶性化合物が側鎖型高分子液晶性化合物からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 高分子液晶性化合物が、反応性基を結合した高分子液晶性化合物であることを特徴とする請求項2、4または5に記載の方法。
  7. 反応性基が、カチオン重合性基であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. カチオン重合性基が、オキセタン基であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記側鎖型高分子液晶性化合物が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
    Figure 2007286278
    (式(6)において、Rは、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シアノ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基またはカルボキシル基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは、炭素数1から24までの炭化水素基を表し、Lは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−を表し、pは、1から10までの整数を表し、qは、0から10までの整数を表し、a、b、c、d、eおよびfは、ポリマー中の各ユニットのモル比(a+b+c+d+e+f=1.0、ただし、c+d+e=0ではない)を表す。)
  10. 液晶性組成物が、反応開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 反応開始剤が光カチオン発生剤または熱カチオン発生剤であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 液晶性組成物を配向基板上に展開し、当該液晶性組成物の配向処理温度を制御することにより所定の平均チルト角を有するハイブリッド配向を形成した後、光照射および/または加熱処理することにより当該配向状態を固定化することを特徴とする液晶フィルムの製造方法。
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