JP4648598B2 - ユニバーサル圧延機のロール零点調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニバーサル圧延機の零点調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ユニバーサル圧延機の零点調整では、1対の水平ロールと1対の竪ロールをそれぞれ圧下した際に、上下水平ロール同士が接触し、かつ左右竪ロールが上下水平ロールに各々接触する位置を求めなければならないが、各ロールの相互干渉が複雑であることから、竪ロールを非干渉位置まで待避させた後に水平ロール同士を接触させて仮位置決めを行い、その後一方の水平ロールを非干渉位置まで待避させてから、竪ロールを片方ずつ、他の一方の水平ロールに押付けて位置決めするなど、手順が非常に複雑である。また、ロール同士を接触させる際の速度、押込み量などを誤るとロール割損等の機械破損を招くこともあるので、零点調整時に動作させるロール圧下位置調整装置やロール圧下力調整装置は、細心の注意を払いながら動作させなければならない。
【0003】
従来はこうした手順の難しさ、並びに調整の微妙さを克服するため、ロールの接触状況やロール間距離、パスラインや竪ロール中心に対する水平ロールの相対位置などを、人間が目視で実測確認を行いながら、逐次手動操作することによって零点調整作業を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
非常に複雑かつ細心の注意を要するユニバーサル圧延機の零点調整作業は、作業者の心理的・肉体的負荷が大きく、また零点調整作業に著しく時間を要するとともに、目視確認による零点調整故、作業者によって零点調整精度がばらつく問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この零点調整作業を自動化を可能にし、そして作業者の負荷軽減、零点調整時間の短縮、零点調整精度の再現性の確保を実現できるユニバーサル圧延機のロール零点調整方法を提供するものである。
即ち、本発明の要旨は以下の構成からなる。
(1) 1対の水平ロールと1対の竪ロールをもつ形鋼圧延用ユニバーサル圧延機において、
前記一対の水平ロールのうち、一方のロールを水平を保ったまま仮の零点まで移動し、その停止位置の実績値(P2)を収集し、次に他の一方のロールを前記仮の零点方向へ移動し、前記一方の水平ロールに接触させ、その位置の実績値(P1)を収集し、続いて前記他の一方のロールを他のロールと干渉しない位置まで移動した後、左右の竪ロールを順次、前記一方の水平ロールに接触させ、このとき左右の竪ロール位置が均等でない場合には左もしくは右の竪ロールをさらに押込むことによって、左右の竪ロール位置が均等になるように水平ロールをセンタリングした後、そのときの左右竪ロールの位置の実績値(XL2,XR2)をそれぞれ収集し、前記左右の竪ロールおよび前記一方の水平ロールを他のロールと干渉しない位置まで移動し、前記他の一方の水平ロールを水平を保ったまま再びP1位置へ移動した後、左右の竪ロールを順次、前記他の一方の水平ロールに接触させ、このとき左右の竪ロール位置が均等でない場合には左もしくは右の竪ロールをさらに押込むことによって、左右の竪ロール位置が均等になるように水平ロールをセンタリングした後、そのときの左右竪ロールの位置の実績値(XL1,XR1)をそれぞれ収集し、前記左右の竪ロールおよび前記他の一方の水平ロールを他のロールと干渉しない位置まで移動するとともに、
前記一方の水平ロールを前記左右の竪ロールによりセンタリングしたときと、前記他の一方の水平ロールを前記左右の竪ロールによりセンタリングしたときとの左右それぞれの開度差の平均値と水平ロールと竪ロールの接触面角度およびP1、P2から水平ロールおよび竪ロールのそれぞれ零点位置を計算により求めることによって、零点調整の再現性を高めることができるとともに、上記のように決められた手順通りに各ロールを動作させることによって零点位置の算出が可能なため、これら零点調整作業時間の短縮が可能となる。
(2) またロール間接触状態の判定を、移動ロールの圧下位置変化速度が一定値以下となった時点とすることによって、もしくはロール間接触状態の判定を、移動ロールの圧下反力が一定値以上となった時点とすることによって、ロール間接触を作業員が目視確認する必要がなくなり、零点調整作業の自動化が図れ、作業員の負荷軽減が可能となる。
(3) 更に、零点位置の算出方法には下記数式を用いることができる。
上水平ロール零点位置:Y1Z、下水平ロール零点位置:Y2Z、右竪ロール零点位置:XRZ、左竪ロール零点位置:XLZとして、
Y1Z=P1−(XD/2)/tanθ
Y2Z=P2+(XD/2)/tanθ
XRZ=XR1+XD/2、またはXRZ=XR2−XD/2
XLZ=XL1+XD/2、またはXLZ=XL2−XD/2
ただし、θ:水平ロールと竪ロールとの接触面角度
XD={(XR2+XL2)−(XR1+XL1)}/2
【0006】
【発明の実施の形態】
一形式のユニバーサル圧延機の主用部分の構成を図1に示す。以下、図1を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
ユニバーサル圧延機は、圧延材料を上下方向に圧延する、上水平ロール(1)と下水平ロール(2)、圧延材料を幅方向に圧延する左竪ロール(3)と右竪ロール(4)を有しており、それぞれ対称形である。また、上下の水平ロールと左右の竪ロールとの接触面は、上水平ロール下面または下水平ロール上面の垂線に対して、零度ではないある一定の角度(θ)を有している。
【0007】
各ロールの圧下位置調整手段(51、52、53、54)は、油圧シリンダや電動モータとギヤの組み合せなどで構成されるアクチュエータ部(51a 、52a 、53a 、54a )とそれを制御するアクチュエータ駆動制御部(51b 、52b 、53b 、54b )から構成され、アクチュエータ駆動制御部には外部から与えられる動作指令及び位置目標値に従って該アクチュエータ位置を任意に制御する位置制御機能を有している。
【0008】
各ロールの圧下力調整手段(61、62、63、64)は、油圧シリンダの動作圧力の調整機構、あるいは内部にある圧下反力フィードバック制御機能などによって、外部からの圧下力指令に従って、任意の圧下力に制御できるものである。
各ロールの圧下位置検出手段(71、72、73、74)は、各ロールの圧下方向の位置を絶対的または相対的に再現性よく測定するセンサ(71a 、72a 、73a 、74a )と、センサ信号を他の制御装置にて判別のできる信号に変換する信号変換装置(71b 、72b 、73b 、74b )から構成されている。センサは直動型、あるいはギヤなどを介した回転型のどちらでもよい。
【0009】
制御装置(8)は、先述の各ロールの圧下位置検出手段からの信号を入力し、各ロールの圧下位置調整手段、及び圧下力調整手段に対して、動作指令と動作目標値を出力する入出力装置(9)と、計算機装置(10)から構成されている。
計算機装置(10)には、入力された信号を用いて必要な演算を実行する機能、予め記憶している動作手順情報を読み出す機能、新たに必要情報を記憶する機能、それら情報から最適な圧下位置操作指令や圧下力指令などの出力を逐次演算して出力する機能、などが含まれている。
【0010】
【実施例】
図2、3、4に示す零点調整手順の一例に従って、本発明の自動零点調整実施例を説明する。図2、3、4は各手順における制御装置(8)の実行内容を示している。
ステップ(101)では、まず各ロールは任意の位置から自動零点調整の初期位置に圧下位置調整手段(51、52、53、54)で移動する。移動は制御装置(8)から各ロールの圧下位置調整手段(51〜54)へ位置指令が出力されることで行われる。この場合の位置指令出力値即ち初期位置は、夫々のロールが後に説明する零点調整動作を行った際に干渉しない位置であればよいが、一般には各ロールの開限位置、つまり、水平ロールは互いに上下方向に最も開いた位置、竪ロールは互いに横方向に最も開いた位置であることが多い。
【0011】
該ロールが夫々指令した初期位置に停止すると、次に下水平ロールが下水平ロールの圧下位置調整手段(52)で、下水平ロール上面が竪ロールの中央と一致する位置付近に移動する。この位置は予め定められた固定の下水平ロール仮零点調整位置P2とし、後のステップで位置補正が行われるので、厳密に下水平ロール上面と竪ロール中央が一致する位置である必要はない。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段(62)へ位置指令が出力されることで行われる。
【0012】
下水平ロールが指令した位置に停止すると、次に上水平ロールが下水平ロールに向かってロール端面が接触するまで下降する。下降は上下水平ロール接触時のロール損傷を防ぐため、上水平ロールの圧下力調整手段(61)を用いてロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧を設定した上で、圧下位置調整手段(51)に下降指令を与えることで行われ、制御装置(8)からの指令出力により実行される。尚、ロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧の値は個別の装置により異なるが、想定される圧延反力の1/10〜1/5程度が目安でとなる。
【0013】
該ロールの接触は、上水平ロールの位置検出手段(71)より得られる上水平ロールの圧下位置検出値の時間当たりの変化量を制御装置(8)が演算し、この変化量が零、あるいは100分の数ミリメートル以下のようなきわめて微小な量、となったことを検知して制御装置(8)が判断する。制御装置(8)は前記判断によりロール接触を検知すると、圧下位置調整手段(51)に対する下降指令を止めて上水平ロールを停止させた後、上水平ロールの圧下力調整手段(61)の圧力指令出力を元の動作圧に戻す。
【0014】
次に制御装置(8)は、このときの上水平ロールの位置を上水平ロール仮零点調整位置P1として記憶する。今、下水平ロール仮零点調整位置P2にある下水平ロールに対して上水平ロールが隙間なく接触した状態となっているので、このP1は上水平ロール下面が竪ロール中央位置とほぼ一致する位置となる。該数値の記憶が完了すると、上水平ロールが下水平ロールに接触した位置から、本ステップ以降の動作で他のロールと干渉しない位置、例えば上昇限に上水平ロールの圧下位置調整手段(51)で移動する。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段へ位置指令が出力されることで行われる。該ロールが指令した位置に停止すると次のステップ(102)に進む。
【0015】
ステップ(102)では、左竪ロールが圧下、即ち右方向に向かって、下水平ロールに接触するまで移動する。本圧下動作は左竪ロールと下水平ロール接触時のロール損傷を防ぐため、左竪ロールの圧下力調整手段(63)を用いて、ロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧を設定した上で、圧下位置調整手段(53)に右進指令を与えることで行われ、制御装置(8)からの指令出力により実行される。
【0016】
該ロールの接触は、左竪ロールの位置検出手段(73)より得られる左竪ロールの圧下位置検出値の時間当たりの変化量を制御装置(8)が演算し、この変化量が零、あるいは100分の数ミリメートル以下のようなきわめて微小な量、となったことを検知して制御装置(8)が判断する。制御装置(8)は前記判断によりロール接触を検知すると、圧下位置調整手段(53)に対する右進指令を止めて左竪ロールを停止させた後、左竪ロールの圧下力調整手段(63)の圧力指令出力を元の動作圧に戻す。
【0017】
左竪ロールが停止すると、次に右竪ロールを圧下、即ち左方向に向かって、下水平ロールに接触するまで移動する。本圧下動作は右竪ロールと下水平ロール接触時のロール損傷を防ぐため、右竪ロールの圧下力調整手段(64)を用いて、ロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧を設定した上で、圧下位置調整手段(54)に左進指令を与えることで行われ、制御装置(8)からの指令出力により実行される。
【0018】
該ロールの接触は、右竪ロールの位置検出手段(74)より得られる右竪ロールの圧下位置検出値の時間当たりの変化量を制御装置(8)が演算し、この変化量が零、あるいは100分の数ミリメートル以下のようなきわめて微小な量、となったことを検知して制御装置(8)が判断する。制御装置(8)は前記判断によりロール接触を検知すると、圧下位置調整手段(54)に対する左進指令を止めて右竪ロールを停止させた後、右竪ロールの圧下力調整手段(64)の圧力指令出力を元の動作圧に戻す。この時点では、下水平ロールが左右の竪ロールに挟まれた状態となる。
【0019】
このとき左右竪ロールの圧下位置検出手段(73、74)の値が均等でない場合、即ち水平方向のパスラインセンタ狙い位置からの左右竪ロール位置偏差量が同一でない場合には、左または右竪ロールの圧下位置調整手段(53または54)によって、左右竪ロールの位置が均等になるように、左右竪ロールおよびそれらに挟まれた下水平ロールのセンタリングを実施する。
【0020】
次に、制御装置(8)が左竪ロール圧下位置検出手段(73)の出力値XL2、右竪ロール圧下位置検出手段(74)の出力値XR2を装置内で記憶する。
該数値の記憶が完了すると、左右の竪ロールが下水平ロールに接触した位置から、本ステップ以降の動作で他のロールと干渉しない位置、例えば開限に左右竪ロールの圧下位置調整手段(53、54)で移動する。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段へ位置指令が出力されることで行われる。該ロールが指令した位置に停止すると、次に下水平ロールが本ステップ以降の動作で他のロールと干渉しない位置、例えば下降限に下水平ロールの圧下位置調整手段 (52)で移動する。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段へ位置指令が出力されることで行われる。該ロールが指令した位置に停止すると次のステップ(103)に進む。
【0021】
ステップ(103)では、上水平ロールが上水平ロールの圧下位置調整手段 (51)で、前記ステップ(101)にて記憶した上水平ロール仮零点調整位置P1に移動する。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段へ位置指令が出力されることで行われる。
該ロールが指令した位置に停止すると、次に左竪ロールが圧下、即ち右方向に向かって、上水平ロールに接触するまで移動する。本圧下動作は左竪ロールと上水平ロール接触時のロール損傷を防ぐため、左竪ロールの圧下力調整手段(63)を用いて、ロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧を設定した上で、圧下位置調整手段(53)に右進指令を与えることで行われ、制御装置(8)からの指令出力により実行される。
【0022】
該ロールの接触は、左竪ロールの位置検出手段(73)より得られる左竪ロールの圧下位置検出値の時間当たりの変化量を制御装置(8)が演算し、この変化量が零、あるいは100分の数ミリメートル以下のような極めて微小な量、となったことを検知して制御装置(8)が判断する。制御装置(8)は前記判断によりロール接触を検知すると、圧下位置調整手段(53)に対する右進指令を止めて左竪ロールを停止させた後、左竪ロールの圧下力調整手段(63)の圧力指令出力を元の動作圧に戻す。
【0023】
左竪ロールが停止すると、右竪ロールが圧下、即ち左方向に向かって、上水平ロールに接触するまで移動する。本圧下動作は右竪ロールと上水平ロール接触時のロール損傷を防ぐため、右竪ロールの圧下力調整手段(64)を用いて、ロール同士が接触しても破損しない程度の低い動作圧を設定した上で、圧下位置調整手段(54)に左進指令を与えることで行われ、制御装置(8)からの指令出力により実行される。
【0024】
該ロールの接触は、右竪ロールの位置検出手段(74)より得られる右竪ロールの圧下位置検出値の時間当たりの変化量を制御装置(8)が演算し、この変化量が零、あるいは100分の数ミリメートル以下のような極めて微小な量、となったことを検知して制御装置(8)が判断する。制御装置(8)は前記判断によりロール接触を検知すると、圧下位置調整手段(54)に対する左進指令を止めて右竪ロールを停止させた後、右竪ロールの圧下力調整手段(64)の圧力指令出力を元の動作圧に戻す。この時点では、上水平ロールが左右の竪ロールに挟まれた状態となる。
【0025】
このとき左右竪ロールの圧下位置検出手段(73、74)の値が均等でない場合、即ち水平方向のパスラインセンタ狙い位置からの左右竪ロール位置偏差量が同一でない場合には、左または右竪ロールの圧下位置調整手段(53または54)によって、左右竪ロールの位置が均等になるように、左右竪ロールおよびそれらに挟まれた上水平ロールのセンタリングを実施する。
【0026】
次に、制御装置(8)が左竪ロール圧下位置検出手段(73)の出力値XL1、右竪ロール圧下位置検出手段(74)の出力値XR1を装置内で記憶する。
該数値の記憶が完了すると、左右の竪ロールが下水平ロールに接触した位置から、本ステップ以降の動作で他のロールと干渉しない位置、例えば開限に左右竪ロールの圧下位置調整手段(53、54)で移動する。移動は制御装置(8)から該ロールの圧下位置調整手段へ位置指令が出力されることで行われる。該ロールが指令した位置に停止すると次のステップ(104)に進む。
【0027】
ステップ(104)では、制御装置(8)が、下水平ロールの上面及び上水平ロールの下面と竪ロールの中央位置とを厳密に一致させた水平ロールの最終的な零点調整位置を設定するための補正演算を行う。上水平ロールの下面位置及び下水平ロールの上面位置と竪ロール中央位置が一致していれば、ステップ(102)にて下水平ロールを左右の竪ロールが挟みこんだときの竪ロールの開度と、ステップ(103)にて上水平ロールを左右の竪ロールが挟みこんだときの竪ロールの開度は同一の数値となる。しかし、前記各ステップでの上水平ロールの下面及び下水平ロールの上面と竪ロールの中央位置は厳密には一致していないので、それぞれ挟みこんだときの竪ロールの開度には差異が生ずる。
【0028】
このことを利用して制御装置(8)は以下のようにロール位置のずれ量を演算する。まず、下水平ロールを竪ロールが挟みこんだときと、上水平ロールを竪ロールが挟みこんだときの竪ロールの開度の差分XDは、予め記憶したXR1、XL1、XR2、XL2を用いて、
XD={(XR2+XL2)−(XR1+XL1)}/2
となる。このXDの値は後のステップでの演算で使用されるので、ここで制御装置(8)内に記憶される。
【0029】
XDが正の数値であれば、上水平ロールの下面が竪ロール中央より下方に位置することを意味し、その位置関係は図6で表すことができる。また、逆にXが負の数値であれば、上水平ロールの下面が竪ロール中央より上方に位置することを意味する。ここで竪ロール圧下位置を示すX*の数値は、各々の竪ロールがミル中心に向かって前進した時に正の方向に大きくなるとしている。図6より、上水平ロールの下面位置と竪ロール中央位置とのずれ量YDは、上下の水平ロールと左右の竪ロールとの接触面の角度(θ)を用いて、
YD=(XD/2)/tanθ
と求められる。
【0030】
制御装置(8)はこのYDを装置内で記憶し、下水平ロール上面が竪ロール中央と厳密に一致する位置を、ステップ(101)で用いた固定の仮零点調整位置P2よりYD分上方とし、この位置を下水平ロールの零点調整位置とする。同様に、上水平ロール下面が竪ロール中央と厳密一致する位置を、ステップ(101)で記憶し、ステップ(102)で用いた仮零点調整位置P1よりYD分上方とし、この位置を上水平ロールの零点調整位置とする。即ち、上水平ロールの零点調整位置Y1Z、下水平ロールの零点調整位置Y2Zは、
Y1Z=P1−YD
Y2Z=P2+YD
となる。ただし、前記位置共、YDが負の数値の場合はYD分下方となる。ここで水平ロールの位置を示すY*の数値は、各々の水平ロールがミル中心に向かって前進した時に正の方向に大きくなるとしている。
【0031】
該数値を演算し、上下水平ロールの零点調整位置として記憶すると、次に制御装置(8)が竪ロールの最終的な零点調整位置演算を行う。竪ロールの零点調整位置は、上下水平ロールを零点調整位置に置いたときに、左右の竪ロールが水平ロールを丁度挟みこんで接触する位置である。この位置を左竪ロールの零点調整位置XLZ、右竪ロールの零点調整位置XRZとすると、予め記憶したXR1、XL1、XR2、XL2、XDを用いて、
XLZ=XL1+XD/2 または、 XLZ=XL2−XD/2
XRZ=XR1+XD/2 または、 XRZ=XR2−XD/2
となる。該数値を演算し、左右竪ロールの零点調整位置として記憶すると本ステップは完了する。
【0032】
以上の処置により、上下水平ロールと左右竪ロールの零点調整位置が夫々、Y1Z、Y2Z、XLZ、XRZと決定される。各ロールをこの零点調整位置に配置すると、上下水平ロールが左右竪ロール中央位置で接触し、かつ、全4ロールが隙間なく接触した状態を実現でき、零点調整は完了となる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ユニバーサル圧延機の零点調整作業が自動化できるため零点調整作業が省力化できると共に、計算による零点位置決めが可能なため、零点調整作業の精度および再現性の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す図である。
【図6】本発明の実施例で使用している演算式の根拠を示す図である。
【符号の説明】
1:上水平ロール、 2:下水平ロール、
3:左竪ロール、 4:右竪ロール
51、52、53、54:圧下位置調整手段
61、62、63、64:圧下力調整手段
71、72、73、74:圧下位置検出手段
8:制御装置
θ:水平ロールと竪ロールが接する線が鉛直となす角度
P1:上水平ロール仮零点調整位置、P2下水平ロール仮零点調整位置
XL1、XL2:左竪ロールの零点調整途中の特定位置
XR1、XR2:右竪ロールの零点調整途中の特定位置
XD:竪ロールが下水平ロールを挟みこんだときと、上水平ロールを挟みこんだときの竪ロールの開度の差
YD:水平ロールの仮零点調整位置と零点調整位置の誤差
Y1Z:上水平ロールの零点調整位置
Y2Z:下水平ロールの零点調整位置
XLZ:左竪ロールの零点調整位置
XRZ:右竪ロールの零点調整位置
Claims (4)
- 1対の水平ロールと1対の竪ロールをもつ形鋼圧延用ユニバーサル圧延機において、
前記一対の水平ロールのうち、一方のロールを水平を保ったまま仮の零点まで移動し、その停止位置の実績値(P2)を収集し、次に他の一方のロールを前記仮の零点方向へ移動し、前記一方の水平ロールに接触させ、その位置の実績値(P1)を収集し、続いて前記他の一方のロールを他のロールと干渉しない位置まで移動した後、左右の竪ロールを順次、前記一方の水平ロールに接触させ、このとき左右の竪ロール位置が均等でない場合には左もしくは右の竪ロールをさらに押込むことによって、左右の竪ロール位置が均等になるように水平ロールをセンタリングした後、そのときの左右竪ロールの位置の実績値(XL2,XR2)をそれぞれ収集し、前記左右の竪ロールおよび前記一方の水平ロールを他のロールと干渉しない位置まで移動し、前記他の一方の水平ロールを水平を保ったまま再びP1位置へ移動した後、左右の竪ロールを順次、前記他の一方の水平ロールに接触させ、このとき左右の竪ロール位置が均等でない場合には左もしくは右の竪ロールをさらに押込むことによって、左右の竪ロール位置が均等になるように水平ロールをセンタリングした後、そのときの左右竪ロールの位置の実績値(XL1,XR1)をそれぞれ収集し、前記左右の竪ロールおよび前記他の一方の水平ロールを他のロールと干渉しない位置まで移動するとともに、
前記一方の水平ロールを前記左右の竪ロールによりセンタリングしたときと、前記他の一方の水平ロールを前記左右の竪ロールによりセンタリングしたときとの左右それぞれの開度差の平均値と水平ロールと竪ロールの接触面角度およびP1、P2から水平ロールおよび竪ロールのそれぞれ零点位置を算出し、算出値を各ロールの零点位置とすることを特徴とするユニバーサル圧延機のロール零点調整方法。 - 請求項1において、ロール間接触状態の判定を、移動ロールの圧下位置変化速度が一定値以下となった時点とすることを特徴とするユニバーサル圧延機のロール零点調整方法。
- 請求項1において、ロール間接触状態の判定を、移動ロールの圧下反力が一定値以上となった時点とすることを特徴とするユニバーサル圧延機のロール零点調整方法。
- 零点位置の算出方法を下式とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のユニバーサル圧延機のロール零点調整方法。
上水平ロール零点位置:Y1Z、下水平ロール零点位置:Y2Z、右竪ロール零点位置:XRZ、左竪ロール零点位置:XLZとして、
Y1Z=P1−(XD/2)/tanθ
Y2Z=P2+(XD/2)/tanθ
XRZ=XR1+XD/2、またはXRZ=XR2−XD/2
XLZ=XL1+XD/2、またはXLZ=XL2−XD/2
ただし、θ:水平ロールと竪ロールとの接触面角度
XD={(XR2+XL2)−(XR1+XL1)}/2
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