JP4648094B2 - 耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の高Cr鋳鉄の化学成分組成(単位:質量%)について、各元素の限定理由を含めて、以下に説明する。
Cは、Ti、V、Zr、Nb、そして、Cr、Mo、あるいはFeと、高硬度の炭化物(MC型、M7 C3 型、M23C6 型、M3 C型など) を形成するとともに、基地中に固溶し、鋳鉄の焼入れ処理(空冷処理)によって、オーステナイトから硬さの高いマルテンサイトへの変態を支配する (マルテンサイト組織を得る) ための元素であり、必要硬度確保のための重要な元素である。
Mnは、高Cr鋳鉄の焼入れ性を改善し、特に基地中に固溶して、オーステナイトが硬さの低いベイナイトに変態するのを抑制する効果を有し、基地をマルテンサイト組織とするために必須である。Mn含有量が0.6%未満ではその効果が発揮されないため下限は0.6%とする。一方、Mnはオーステナイト安定化元素であり、過剰に含有すると基地中の残留オーステナイトが多量になり、硬さが低下するため、Mn含有量の上限は2.0%とする。従って、Mn含有量は0.6〜2.0%の範囲、好ましくは0.8〜1.4%の範囲とする。
Siは鋳造時の溶湯の流動性を確保し、また、溶解・精錬時の脱酸に有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには、0.2 %以上の含有量が必要である。一方、Siはフェライト生成元素であり、Si含有量が1.0%を超えると、フェライト変態を促進して、基地硬さの低下を招来するばかりか、靭性低下をもたらす。したがって、Si含有量は0.2〜1.0%の範囲、好ましくは0.3〜0.8%の範囲とする。
Crは、Cと同様に、耐摩耗性の高い各種炭化物を形成するとともに、基地中に固溶して、オーステナイトが硬さの低いフェライトに変態するのを抑制する効果を果たす必須の元素である。従って、必要な硬さが得られるに十分な炭化物量を形成させるとともに、フェライト変態防止に有効な量のCrを基地中に固溶させる必要がある。Cr含有量が13%未満の場合は、基地中に固溶するCr量が不足して、基地のフェライト変態が生じ、基地硬さが低下するだけでなく、晶出および析出する炭化物も少なくなり、硬さ不足を招来し、必要な耐摩耗性が得られない。
Cr含有量[Cr]とC含有量[C]との比、[Cr]/[C]が4.5未満になると、CrとC各々の上記含有量が範囲内であっても、マトリックスのC含有量が多くなり、且つCr含有量が少なくなり過ぎて、焼入性が悪くなり、パーライトまたはベーナイトが生成して硬さが低下する可能性が大きい。一方、[Cr]/[C]が6.5を超えると、CrとC各々の上記含有量が範囲内であっても、マトリックス中のC含有量が低くなって硬さが低下し、必要な耐摩耗性が得られない可能性が大きい。
Moは、Crと同様に、耐摩耗性の高い各種炭化物を形成するとともに、基地中に固溶してオーステナイトが硬さの低いパーライトに変態するのを抑制する効果を有している必須元素である。従って、必要な硬さが得られるに十分な炭化物量を形成させるとともに、パーライト変態防止に有効な量を基地中に固溶させる必要がある。Mo含有量が1.0%未満の場合は、基地中に固溶するMo量が不足するため、基地中のパーライト変態が生じ基地硬さが低下するだけでなく、晶出および析出する炭化物も少なくなり、硬さ不足を招来し、必要な耐摩耗性が得られない。
Mn含有量[Mn]とMo含有量[Mo]との積、[Mn]×[Mo]が2.5以下であれば、必要な焼入性は確保される。これに対して、各々の上記含有量が範囲内であっても、[Mn]×[Mo]が2.5を超えた場合には、残留オーステナイト過剰による硬さの低下を招く。一方、この[Mn]×[Mo]が1.8未満であると、各々の上記含有量が範囲内であっても、必要な焼入れ性が得られない。
Nは、鋳鉄中に含有されて、窒化物、炭窒化物を形成して、高硬度化に寄与する。この効果は0.01%以上の含有で発揮される。一方、N含有量が0.15%を越えると、鋳鉄の鋳造において、凝固時にブローホール欠陥が発生してしまう。
Niは、必須のMoの一部置き換えとして、Moと併用する形で、含有されても良い。Niには、Moと同様に、耐摩耗性の高い各種炭化物を形成するとともに、基地中に固溶してオーステナイトが硬さの低いパーライトに変態するのを抑制する効果を有する。但し、Ni含有量が1.0%を超えた場合、残留オーステナイトの量が多過ぎるようになり、硬度が低下するので、Moと併用する場合でも、その含有量の上限を1.0%以下とする。
Ti、V、Zr、Nbは、鋳鉄の凝固時に、球状の主としてMC型炭化物を優先的に形成させ、上記平板状あるいはフィルム状のM7 C3 型炭化物の生成を抑制しつつ、炭化物の球状化を促進させる効果がある。MC型炭化物の硬度は、他の型の炭化物よりも硬度が高く、硬さ、耐摩耗性を向上させる。また、この炭化物の球状化によって、硬度レベルを低下させずに、靱性を向上させる効果もある。
本発明の高Cr鋳鉄において、800Hv以上の高硬度、シャルピー衝撃値で2J/cm2 以上の高靱性、優れた耐疲労割れ性を得るためには、上記した高Cr鋳鉄の化学成分組成とともに、高Cr鋳鉄の組織も重要となる。
図1に、本発明高Cr鋳鉄(後述する実施例表1の発明例9)の組織を、倍率100倍の光学顕微鏡で観察した図面代用写真を示す。この図1において、黒い粒子状部分が炭化物を多く含むマルテンサイト、黒い粒子状部分を囲む、あるいは隣接する白色の粒子状部分が炭化物、残りの灰色の部分が炭化物の少ないマルテンサイトである。なお、残留オーステナイトは、この光学顕微鏡では観察できない。
前記マルテンサイト(黒い粒子状部分)の1個当たりの平均面積の測定は、先ず、鋳鉄の任意の測定部位から採取した試料を研磨(機械研磨でも電解研磨でも可)後、下記常温の混合液に20〜60秒浸漬して、表面をエッチングし、水洗、乾燥する。その後、この試料について、前記倍率100倍の光学顕微鏡写真を10視野撮影し、各視野で20個づつ、前記炭化物(白色の粒子状部分)に囲まれたマルテンサイト(黒い粒子状部分)を無作為に選択する。この選択されたマルテンサイトの面積を画像解析によって求め、合計200個のマルテンサイトの面積の平均値(1個当たりの平均面積)をマルテンサイトのサイズとして求める。
上記混合液組成=塩酸(HCl)35〜37%水溶液:3重量%+ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール):3重量%+エタノール:残部(94重量%)
本発明では、上記マルテンサイトのサイズ規定と同時に、残留オーステナイトの平均体積分率を5〜40%、好ましくは10〜35%と規定する。より具体的には、マルテンサイトと残留オーステナイトおよび炭化物との合計X線回折ピーク強度に対する、残留オーステナイトのX線回折ピーク強度から、残留オーステナイトのX線回折ピーク強度比を求め、これを残留オーステナイトの平均体積分率とする。
X線解析による公知のRietvelt法により、高Cr鋳鉄組織の残留オーステナイト、マルテンサイト、炭化物の各X線回折ピークの強度を測定する。そして、これらのX線回折ピーク強度の合計に対する、残留オーステナイトのX線回折ピーク強度の構成比を算出し、残留オーステナイトの体積分率とする。測定試料は、鋳鉄の任意の部位から10個程度採取し、各々の残留オーステナイトの体積分率を求めて、平均化する。
本発明高Cr鋳鉄自体は、常法を大きく変更せずに製造可能である。即ち、上記組成の鋳鉄を溶解、鋳造したのち、焼入れ処理し、マルテンサイトを主体とする組織とする。
溶解温度は、鋳型形状や鋳型材質等と合わせて、鋳造冷却速度を決定するために重要である。ただ、溶解温度が高過ぎると、凝固冷却速度が遅くなり、マルテンサイトの微細化が難しくなる。一方、溶解温度が低過ぎると、凝固冷却速度は速くなり、引け巣が発生しやすくなる。このため、溶解(鋳込み)温度は1450〜1600℃の範囲から選択することが好ましい。
鋳造の際の冷却速度は、5℃/s以上の速い冷却速度とする。マルテンサイトの微細化は、鋳造時の凝固冷却速度の制御により達成される。マルテンサイト領域は、凝固時の初晶オーステナイト領域であるため、凝固冷却速度を速くすることにより微細化できる。より具体的には、1400〜1200℃の温度領域において、5℃/s以上の速い冷却速度であれば良い。
上記残留オーステナイトの体積分率は、焼入れ処理の焼入れ温度と、保持時間、冷却速度で制御する。焼入れ時には、凝固時に炭化物として析出していたCおよび合金元素が再固溶し、焼入れ性を確保するとともにオーステナイトを安定化する。焼入れ温度と保持時間は、合金元素の再固溶量を適切にする条件に決める。焼入れ温度が低いあるいは保持時間が短いと、合金元素の再固溶量が少なくなるため焼入れ性が低下し、必要な硬さが得られない。また、残留オーステナイト量も少なくなる。一方、焼入れ温度が高すぎると、再固溶量が多くなりすぎるために、残留オーステナイトが多くなりすぎ、必要な硬さが得られない。
製造条件を同じとし、成分組成、組織を種々変えた高Cr鋳鉄を得て、その硬度、靱性、耐疲労割れ性などを各々評価した。
試験片を電解研磨後に、下記常温の混合液に40秒浸漬して、表面をエッチングし、水洗、乾燥した。その後、この試験片について、倍率100倍の光学顕微鏡写真を10視野撮影し、各視野で20個づつ、前記図1に示した炭化物(白色の粒子状部分)に囲まれたマルテンサイト(黒い粒子状部分)を無作為に選択した。この選択されたマルテンサイトの面積を画像解析によって求め、合計200個のマルテンサイトの面積の平均値(1個当たりの平均面積)をマルテンサイトのサイズとして求めた。
上記混合液組成=塩酸(HCl)35%水溶液:3重量%+ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール):3重量%+エタノール:残部(94重量%)
同様に研磨した試験片をX線回折解析にかけ、前記したRietvelt法により、残留オーステナイト量を測定した。即ち、マルテンサイトと残留オーステナイトおよび炭化物との合計X線回折ピーク強度に対する、残留オーステナイトのX線回折ピーク強度から、残留オーステナイトのX線回折ピーク強度比を求め、これを残留オーステナイトの平均体積分率とした。
硬度は、JISZ2244に準じて、ビッカース硬度計を用い、押し込み荷重(試験力)30kg(294.2N)で、各試験片の表面硬度(Hv)を5点測定して、平均化したものを鋳鉄の硬度とした。そして、耐摩耗性は、この硬度が800Hv以上を、実際の耐摩耗性部材としての耐摩耗性が良好として○と評価した。
靱性は、シャルピー衝撃試験により、2mmのUノッチのJIS3号試験片を用いて、ハンマー荷重:294.2N(30kgf)、試験温度:室温にて行った。なお、シャルピー衝撃値(J)は吸収エネルギーを試験片断面積で除して求めた。そして、靱性は、シャルピー衝撃値が2.0J/cm2 以上を、実際の耐摩耗性部材としての靱性が良好として、○と評価した。
靱性を評価するシャルピー衝撃試験では、疲労割れ(亀裂、割れ、クラック)が一気に進む。これに対して、疲労割れは、1回の応力振幅あたりの亀裂進展長さ(亀裂進展速度)の大小であり、徐々に疲労割れが進む特徴を持つ。このため、靱性評価だけでは、本発明が課題とする耐疲労割れ性が評価できない。
試験環境:室温・大気中、制御方法:荷重制御、制御波形:正弦波、応力比:R=0.1、試験周波数:10〜20Hz
発明例、比較例から選択したものを、実際の耐摩耗材として使用し、耐摩耗性、耐疲労割れ性を評価した。前記高Cr鋳鉄(幅50mm×長さ300m×厚み150mm )の板を、製鉄原料を搬送する製鉄所のベルトコンベアで、1.5mの高さから落下する原料が衝突する部分のライナーとして設置し、6ヶ月での重量減少量で耐摩耗性を、割れ発生の有無で耐疲労割れ性の良否を判定した。判定基準は、重量減少1kg未満、割れなしで○と評価した。
成分組成は、実施例1の表1における発明例9の成分組成で同じとし、製造条件の方を種々変えた高Cr鋳鉄を得て、その組織、硬度、靱性、耐疲労割れ性などを各々評価した。
Claims (8)
- 質量%で、C:2.5〜3.5%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、Cr:13〜22%、Mo:1.0〜3.0%、N:0.01〜0.15%、を各々含有し、かつ、これらの含有量が、[Cr]/[C]=4.5〜6.5、[Mn]×[Mo]=1.8〜2.5の関係を各々満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、100倍の光学顕微鏡での鋳鉄組織観察におけるマルテンサイトのサイズが、炭化物に囲まれたマルテンサイトの1個当たりの平均面積として6000μm2 以下であり、マルテンサイトと残留オーステナイトおよび炭化物における、X線回折ピーク強度比による、残留オーステナイトの平均体積分率が5〜40%である組織を有することを特徴とする耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄。
- 前記高Cr鋳鉄が、更に、Niを1.0質量%以下含む請求項1に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄。
- 前記高Cr鋳鉄が、更に、Ti、V、Zr、Nbの内から選択される1種または2種以上を合計で1.0〜5.0質量%含有する請求項1または2に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄。
- 前記高Cr鋳鉄の硬度が800Hv以上、靱性がシャルピー衝撃値で2.0J/cm2 以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄。
- 質量%で、C:2.5〜3.5%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、Cr:13〜22%、Mo:1.0〜3.0%、N:0.01〜0.15%、を各々含有し、かつ、これらの含有量が、[Cr]/[C]=4.5〜6.5、[Mn]×[Mo]=1.8〜2.5の関係を各々満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の鋳鉄を、冷却速度が5℃/s以上で鋳造し、次いで、900〜1050℃の範囲で3時間以上保持する加熱保持後に、冷却速度が0.05〜5℃/sの範囲で焼入れ処理し、100倍の光学顕微鏡での鋳鉄組織観察におけるマルテンサイトのサイズが、炭化物に囲まれたマルテンサイトの1個当たりの平均面積として6000μm2 以下であり、マルテンサイトと残留オーステナイトおよび炭化物における、X線回折ピーク強度比による、残留オーステナイトの平均体積分率が5〜40%である組織を得ることを特徴とする耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄の製造方法。
- 前記高Cr鋳鉄が、更に、Niを1.0質量%以下含む請求項5に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄の製造方法。
- 前記高Cr鋳鉄が、更に、Ti、V、Zr、Nbの内から選択される1種または2種以上を合計で1.0〜5.0質量%含有する請求項5または6に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄の製造方法。
- 前記高Cr鋳鉄の硬度が800Hv以上、靱性がシャルピー衝撃値で2.0J/cm2 以上である請求項5乃至7のいずれか1項に記載の耐疲労割れ性に優れた高Cr鋳鉄の製造方法。
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