JP3556139B2 - 耐摩耗鋳鋼及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性に優れており、岩石を破砕するコーンクラッシャ,ジョークラッシャなどの破砕機の耐摩耗部材に用いて好適な耐摩耗鋳鋼及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来、破砕機などに用いられる耐摩耗部材には、耐摩耗性と靭性を合わせ持つ高Mn鋳鋼(JIS G5131相当)が多用されてきた。高Mn鋳鋼は、そのマトリックスがオーステナイトで靭性が良く、また塑性変形を受けると、双晶変形あるいは積層欠陥により加工硬化が生じて、該塑性変形を受けた表面部の硬さが高くなるという特性を有している。このため、破砕機のライナー部材など衝撃を受ける耐摩耗部材では、衝撃を受けた部分の硬さが高くなり衝撃面の耐摩耗性が向上する。
【0003】
ところで近年、この破砕機の処理能力の向上が求められ、破砕機の大型化、破砕圧力の高圧化が進められている。このため、このような使用条件の過酷化に対応できる耐摩耗性に優れた耐摩耗鋳鋼が強く要望されている。そしてまた、破砕機が大型化すると、例えばコーンクラッシャのマントルライナー,ボウルライナーなどの重衝撃を受ける耐摩耗部材では、破砕機運転中に脆性破壊が生じて損傷するという恐れがある。
【0004】
この脆性破壊は、鋳鋼製造時にできた鋳造欠陥から疲労亀裂が進展し、その亀裂寸法が許容値を超えたときに発生するものである。疲労亀裂は、破砕機運転中に前記耐摩耗部材に繰り返し生じる引張応力によって発生するものであり、その亀裂が進展するか否かについては、亀裂生成起点となる鋳造欠陥のサイズや、繰り返し発生する引張応力の大きさに依存する。そして、厳密に鋳造条件を管理しても鋳造欠陥の発生を皆無にすることは極めて困難であり、また破砕機ではその機構上、繰り返し負荷される引張応力をなくすことはできない。そのため、脆性破壊を防止すべく、耐摩耗部材として靱性や耐摩耗性はもとより、耐疲労亀裂進展性を高めた耐摩耗鋳鋼が必要となっている。
【0005】
そこで本発明の目的は、耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性に優れた耐摩耗鋳鋼及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1の発明は、質量%で、C:0.4〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Mn:3.0〜9.0%、Mo:0.5〜3.0%、Ni:0.04〜0.2%、Cr:1.0%未満(0%を含む)をそれぞれ含有するとともに、1.7≦〔(%C)×(%Mn)〕<5の関係を満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなり、組織がオーステナイトとマルテンサイトの複合組織よりなる耐摩耗鋳鋼である。
【0007】
請求項2の発明は、前記請求項1記載の耐摩耗鋳鋼において、さらに、質量%で、Al:0.005〜0.2%、N:0.01〜0.3%を含有するものであることを特徴とするものである。請求項3の発明は、前記請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼において、破砕機の耐摩耗部材として用いられるものであることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1又は2記載の化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、しかる後に水冷を行う請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法である(本発明による第1の製造方法)。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1又は2記載の化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、次いで500〜700℃の温度範囲で3〜24時間加熱保持してパーライト化処理し、しかる後に再度850〜1200℃の温度範囲に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行う請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法である(本発明による第2の製造方法)。
【0010】
請求項6の発明は、前記請求項5記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法において、前記均質化処理後は室温まで水冷を行い、また前記パーライト化処理後は室温まで空冷を行うものであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、靱性を重視してフルオーステナイト組織とした従来の高Mn鋳鋼とは違って、C量とMn量とを所定範囲に規定することにより、組織をオーステナイトと耐摩耗性の良いマルテンサイトとの複合組織にし、さらに、(%C)×(%Mn)の値を所定範囲に規定することにより、耐摩耗性部材として用いられた際に岩石破砕の衝撃による塑性変形時に加工誘起マルテンサイト変態を生じさせることができ、これによって前記マトリックスのマルテンサイトと前記塑性変形時の加工誘起マルテンサイトとにより部材摩耗面(衝撃面)の硬さを高め、優れた耐摩耗性を得ることができる。
【0012】
前記の加工誘起マルテンサイト変態とは、準安定なオーステナイト組織に歪みを与えることによりマルテンサイト変態が生じる現象をいう。また、前記の複合組織は、所要の靱性を有し耐摩耗性に優れた耐摩耗鋳鋼を得るために、鋳鋼組織におけるオーステナイト及びマルテンサイトの両者の占める割合が合計で95%以上のものであり、且つ、オーステナイト、マルテンサイトそれぞれの占める割合が5%以上のものである。オーステナイト組織だけのものでは靱性は高いものの耐摩耗性が十分でなく、一方、マルテンサイト組織だけのものでは耐摩耗性は優れるものの靱性が劣るためである。
【0013】
そして前記のように加工誘起マルテンサイト変態を生じさせることができるので、耐摩耗性部材として用いられる場合、塑性変形時の応力が集中する鋳造欠陥先端部ではオーステナイトがマルテンサイトに変態し、その際に体積膨張を伴うため該鋳造欠陥先端部(亀裂生成起点)が圧縮応力場となる。そのため亀裂進展抵抗を著しく高くでき、高い耐疲労亀裂進展性を得ることができる。
【0014】
本発明においては、耐摩耗性改善手段としてC量を高める必要がなく、従来の高Mn鋳鋼よりもC量を減らして炭化物の析出を抑制できるので、靱性の向上を図ることができる。また、Moの添加による粒界炭化物の析出防止と針状炭化物の抑制、及び、Niの少量添加とCr量の限定とによる粒界炭化物の析出防止により、靱性の向上を図ることができる。さらに、AlとNとを複合添加することがよい。この複合添加によりAlNを生成させて結晶粒を微細化して、靱性と耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0015】
以下、本発明の耐摩耗鋳鋼における化学成分の限定理由について説明する。なお、成分含有量の「%」は「質量%」を意味する。
【0016】
(イ)〔C:0.4〜1.0%〕Cは耐摩耗性を高めるのに有効な元素であり、そのためには0.4%以上の含有量が必要である。一方、C量が1.0%を超えると組織をオーステナイトとマルテンサイトの複合組織となしえず、所要の靱性と優れた耐摩耗性を得ることができない。したがって、C量は0.4〜1.0%の範囲とした。
【0017】
(ロ)〔Mn:3.0〜9.0%〕Mnはオーステナイト安定化元素であり、耐摩耗性を高めるために、オーステナイト化処理後、組織をオーステナイトとマルテンサイトの複合組織とするとともに、加工誘起マルテンサイトの生成に作用する。耐摩耗性を高めるにはMn量は3.0%以上の含有量が必要である。一方、9.0%を超えると前記複合組織が得られない。したがって、Mn量は3.0〜9.0%の範囲とした。
【0018】
(ハ)〔1.7≦(%C)×(%Mn)<5〕オーステナイト化処理後、組織をオーステナイトとマルテンサイトの複合組織とするとともに、塑性変形時の加工誘起マルテンサイト変態を生じさせるためには、前記(イ)の範囲に規定されたC量と前記(ロ)の範囲に規定されたMn量とは、さらに、(%C)×(%Mn)の値が1.7以上で5未満という関係を満たす必要がある。この範囲内においては、高C低Mn組成域ではαマルテンサイトが生成し、低C高Mn組成域にすればαマルテンサイトとともにεマルテンサイトが多く生成し、両者はマルテンサイトの結晶構造が異なるものの、いずれが生成しても加工硬化性は顕著に向上する。(%C)×(%Mn)の値が5以上では組織がオーステナイト化主体となり耐摩耗性が低く、一方、1.7を下回ると組織がマルテンサイト主体となり靱性が著しく低く、耐摩耗性部材としては岩石破砕時の荷重で割れが発生し易くなるために適さないものとなる。したがって、(%C)×(%Mn)の値は1.7以上5未満の範囲とし、好ましくは3以上5未満の範囲がよい。
【0019】
(ニ)〔Si:0.3〜1.0%〕Siは鋳造時の溶湯の流動性を確保するため、また、溶解・精錬時の脱酸のために、0.3%以上の含有量が必要である。一方、1.0%を超えると炭化物の結晶粒界への析出を促進させて靭性低下を招くことになる。したがって、Si量は0.3〜1.0%の範囲とした。
【0020】
(ホ)〔Mo:0.5〜3.0%〕Moは粒界炭化物及び針状炭化物の生成抑制に有効な元素であり、その効果を得るには0.5%以上の含有量が必要である。一方、3.0%を超えるその効果が飽和し無駄となる。したがって、Mo量は0.5〜3.0%の範囲とした。
【0021】
(ヘ)〔Ni:0.04〜0.2%〕Niは靱性向上に有効な元素であり、その効果を得るには0.04%以上の含有量が必要である。一方、0.2%を超えるとオーステナイトが安定して加工誘起マルテンサイトの生成を阻害して、加工硬化特性を低下させる。特に、Cr量が0.5%を超えると粒界炭化物の析出が一部促進されて靱性が低下する場合があるので、Niの添加はこのような靱性低下を改善できる。したがって、Ni量は0.04〜0.2%の範囲とした。
【0022】
(ト)〔Cr:1.0%未満(0%を含む)〕Crは加工硬化特性を向上させて耐摩耗性を高めるのに有効な元素である一方、粒界炭化物の析出を促進させて靱性の低下を招く。このため、前述のNi:0.04〜0.2%の添加条件においてもCr量は1.0%未満にすることが必要で、好ましくは0.95%以下がよい。一方、下限については、0.5%以上が好ましく、より好ましくは0.6%以上がよい。
【0023】
(チ)〔Al:0.005〜0.2%、N:0.01〜0.3%〕AlとNとを複合添加することがよい。本発明の耐摩耗鋳鋼を製造する際には、後述するように、パーライト組織をオーステナイト組織に変態させて結晶粒を微細化させることがよい。このオーステナイト化処理は850〜1200℃の温度範囲で加熱処理を行うものであり、この加熱処理中に、オーステナイト結晶粒はオストワルド成長により粒成長する。ところが、鋳鋼中に微細な窒化物AlNが析出していると、該AlNによるピンニング効果によって結晶粒の粒成長が抑制されて、オーステナイト組織の結晶粒が微細化される。この結晶粒の微細化によって加工硬化特性が向上して耐摩耗性が高められる。
【0024】
このような結晶粒の微細化による耐摩耗性向上効果を得るためには、Alの含有量は0.005〜0.2%、Nの含有量は0.01〜0.3%の範囲がよい。Alが0.005%を下回るとともにNが0.01%を下回ると、鋳造後の冷却過程あるいは熱処理過程で析出するAlN量が不足し、耐摩耗性向上効果が得られない。一方、Al含有量が0.2%を超えるとともにNが0.3%を超えると、鋳造時に粗大化したAlNが晶出し、該粗大化したAlNは結晶粒の粒成長の抑制に寄与しないので、耐摩耗性向上効果が得られないからである。
【0025】
なお、Alについては、鋳鋼の鋳造にあたり溶鋼の脱酸のために用いられることから、一般的に鋳鋼中に不純物として0.005%未満含まれることがある。またNについても、鋳鋼中に不純物として0.01%未満含まれることがある。しかし、これらのAl及びN量では、前述した結晶粒の微細化による耐摩耗性向上効果は得られない。
【0026】
次に製造方法について説明する。本発明の第1の製造方法では、前記規定した化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、しかる後に水冷を行って耐摩耗鋳鋼を製造するようにしている。これにより前記規定した化学成分を有し、組織が均質化されるとともに、オーステナイトとマルテンサイトの複合組織よりなる耐摩耗鋳鋼を得ることができる。均質化処理条件を(850〜1200℃)×(0.5〜3時間)とした理由は、鋳造時に生成した炭化物をオーステナイト中へ溶解させることで靱性低下を防止するとともに、オーステナイト結晶粒の成長を抑制して加工硬化特性の劣化を防ぎ耐摩耗性を高めるためである。均質化温度については、850℃以下では炭化物を溶解することができず靱性が劣化する一方、1200℃を超えるとオーステナイト結晶粒が粗大化し、優れた加工硬化特性と耐摩耗性が得られない。よって均質化温度は850〜1200℃の範囲とした。処理時間については、前記炭化物溶解作用のためには少なくとも0.5時間以上が必要であり、一方、3時間を超えると炭化物溶解作用が飽和しこれ以上時間をかけても無駄であり、よって0.5〜3時間の範囲とした。
【0027】
これに対して本発明の第2の製造方法では、前記規定した化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、次いで500〜700℃の温度範囲で3〜24時間加熱保持してパーライト化処理し、しかる後に再度850〜1200℃の温度範囲に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行って耐摩耗鋳鋼を製造するようにしている。このように前記第1の製造方法とは違って、パーライト化処理し、該パーライト化処理後に再オーステナイト化して、鋼塊の組織をパーライトからオーステナイトに変態させることにより、結晶粒が微細化されるとともに、極めて多数の焼鈍双晶が導入された耐摩耗鋳鋼を得ることができる。
【0028】
この結果、結晶粒が微細化されたものでは、加工硬化特性が向上して耐摩耗性が高められる。また、多数の焼鈍双晶が導入されたものでは、使用の際の塑性変形時に双晶界面が変形(転位すべり)の障壁となって加工硬化を促進し、耐摩耗性が高められる。このように、前述した「マトリックスのマルテンサイトと塑性変形時の加工誘起マルテンサイトによる硬さ」に加え、「結晶粒の微細化による加工硬化の促進」、及び「双晶導入に基づく転位すべり抑制による加工硬化の促進」により、より優れた耐摩耗性を得ることができる。
【0029】
また、前記の双晶は部材の亀裂が進展するときの障壁にもなりうる。このため、双晶が導入されたものは、前述した加工誘起マルテンサイトによる耐疲労亀裂進展性の向上効果と合わせて、より優れた耐疲労亀裂進展性を得ることができる。
【0030】
本発明の第2の製造方法において、パーライト化処理条件を(500〜700℃)×(3〜24時間)とした理由は、後続のオーステナイト化の際に結晶粒を十分に微細化すべく、組織をパーライト、炭化物及びマルテンサイトよりなる複合組織にするためである。処理温度については、この複合組織とするにはパーライト変態が進行する温度域にて熱処理を行う必要があり、そのため500〜700℃の範囲とした。処理温度が該範囲より外れるとパーライト変態は進行しないからである。また処理時間については、パーライト変態は均質化処理により生成したオーステナイトが分解して生じるものであり、オーステナイトが残留しないようにするには少なくとも3時間以上必要である。オーステナイトが残留すると後続のオーステナイト化の際に、該残留したオーステナイトが起点となり異常成長をおこし結晶粒が微細化されない。一方、24時間を超えて行ってもパーライト化は飽和してこれ以上時間をかけても無駄である。したがって、パーライト化の処理時間は3〜24時間とした。
【0031】
また、オーステナイト化処理の温度条件を850〜1200℃の範囲にした理由は、パーライト化処理により生成したパーライト、炭化物及びマルテンサイトよりなる組織をフルオーステナイト組織とするためである。なお、本発明の特徴であるマルテンサイトは前記温度範囲で加熱保持した後の冷却時に生成されるものである。オーステナイト化処理温度が850℃未満ではフルオーステナイトとすることができず、一方、1200℃を超えるとオーステナイト結晶粒が粗大化して優れた加工硬化特性と耐摩耗性が得られない。したがって、オーステナイト化処理の温度は850〜1200℃の範囲とした。
【0032】
また、第2の製造方法においては、均質化処理後は室温まで水冷を行い、また、パーライト化処理後は室温まで空冷を行うことがよい。均質化処理後は室温まで空冷ではなく水冷による速い冷却を行うことで、鋼塊の結晶粒を微細化できる。この微細な結晶粒を持つ鋼塊を用いて、順次、パーライト化処理、オーステナイト化処理を行うことにより、得られる耐摩耗鋳鋼のオーステナイト結晶粒をより微細化できる。その結果、先に述べた結晶粒の微細化及び双晶導入による耐摩耗性向上効果をより高めることができる。
【0033】
一方、パーライト化処理後は室温まで逆に水冷でなく空冷による徐冷の冷却を行うことがよい。この理由は、パーライト処理後の鋳鋼は靱性が低くなるので、空冷にて冷却速度を遅くすることで鋳鋼の内外温度差を小さくし、内外温度差による熱応力の発生を抑制して鋳鋼の割れを防止するためである。特に、鋳鋼肉厚が100mm以上と厚いものでは、肉厚方向に大きな熱応力が発生するので空冷することがよい。
【0034】
なお、本発明による耐摩耗鋳鋼を製造するに際し、鋼塊を鋳造後、(イ)850〜1200℃の温度で0.5〜3時間保持する均質化処理、(ロ)500〜700℃の温度で3〜24時間保持するパーライト化処理、(ハ)850〜1200℃の温度に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行う処理、という3つの熱処理をそれぞれ単独に、あるいは2つを順に組み合わせて行うこともできる。例えば、鋳造後、(ロ)の500〜700℃の温度で3〜24時間加熱保持してパーライト化処理し、その後に室温まで空冷を行い、しかる後に、(ハ)の850〜1200℃の温度に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行うものである。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
【0036】
大気溶解により表1に示す化学組成の鋼をそれぞれ溶製し、該溶鋼を鋳型に鋳込んで150kgの舟形の鋼塊(幅:30〜120mm(最大肉厚120mm),高さ:400mm,長さ:500mm)とした。ここで、No.1〜13が比較鋼、No.14〜23が本発明鋼である。このときの鋳造温度は1480〜1560℃で、通常の鋳造温度である。そしてAlの添加(表1においてAl含有量が0.005質量%以上のもの)は、溶鋼をAl脱酸後、さらにAlを所要量添加することで行った。また、Nの添加(表1においてN含有量が0.01質量%以上のもの)は、Nガスの加圧雰囲気の調整により行った。なお、黒鉛電極と溶解材料の間にアーク放電を発生させて溶解を行う電気炉では、アーク放電部でNがNに解離し活性化されるため溶鋼中へのNの吸収能が大きいので、アーク入熱を変化させることでN含有量を調整することも可能である。
【0037】
鋳造して鋼塊を得たのち、比較鋼のNo.1〜6、比較鋼のNo.13及び本発明鋼のNo.14〜19の鋼塊については、通常の熱処理を行った。すなわち、鋳造したのち、得られた鋼塊を1100〜1200℃の温度範囲で3時間加熱保持して均質化処理し、しかる後に水冷を行うという熱処理(表1では「処理1」として示す)を実施して共試鋳鋼を得た。
【0038】
また、比較鋼のNo.7〜12、及び本発明鋼のNo.20〜23の鋼塊については、均質化処理・パーライト化処理・再オーステナイト化処理という熱処理を行った。すなわち、鋳造した後、得られた鋼塊を、温度1100℃で3時間加熱保持して均質化処理し該処理後に室温まで水冷し、次いで630℃に加熱して該温度で5時間加熱保持してパーライト化処理し該処理後に室温まで空冷し、しかる後に再度1100℃に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行うという熱処理(表1では「処理2」として示す)を実施して共試鋳鋼を得た。
【0039】
これらの得られた各共試鋳鋼の肉厚100mmの中心部分より、組織観察用試験片(平均結晶粒径の測定用、双晶の導入された結晶粒の割合の測定用)をそれぞれ採取した。また、これら各鋳鋼から耐摩耗評価試験用の摩耗試験片(図1の符号1,2)、シャルピー衝撃試験片、及び疲労亀裂伝播試験片をそれぞれ製作した。以下、これらの試験方法について説明する。
【0040】
平均結晶粒径:各試験片を鏡面研摩後、JISで規定される方法(JIS G0551)により粒度番号を測定後、下記▲1▼〜▲4▼の手順にて平均結晶粒径を算出した。▲1▼JIS G 0551に準拠し、粒度番号を求める。▲2▼粒度番号(N)から断面積1mmあたりの結晶粒の数(n)を、n=2N+3 により算出する。▲3▼前記求めたn値を用いて、結晶粒の平均断面積A(μm)を、A=1000000/nにより算出する。▲4▼結晶粒を球形と仮定し、平均結晶粒径2r(μm)を、2r=2×(A/π)1/2 により算出する。
【0041】
双晶の導入された結晶粒の割合:前記鏡面研摩後の各試験片の結晶粒において、双晶の存在の有無を判断し、双晶の存在する結晶粒の個数を数えて求めた。結晶粒の様子については、ピクラル腐食した後、倍率1000倍の光学顕微鏡観察組織を画像解析して調べた。
【0042】
耐摩耗性評価試験(摩耗試験):耐摩耗性評価試験は、図1に示す試作した耐摩耗性評価試験機を用いて行った。同図中、1は共試鋳鋼からなる上型試験片、2は同共試鋳鋼からなる下型試験片、3は被破砕石、4は上部原料シュート、5は下部原料シュート、6は荷重検出装置(ロードセル)、7は昇降用アクチュエータ、8は強化ガラス体をそれぞれ示している。上型試験片1及び下型試験片2を装着し、チャート岩石(被破砕石3)を上部原料シュート4から連続的に装入して、昇降用アクチュエータ7を駆動・昇降させることにより、チャート岩石を破砕して摩耗試験を行った。
【0043】
摩耗試験条件は、チャート岩石の投入サイズ:3.5〜6mm、チャート岩石の出ロサイズ:2.0±lmm、破砕時の周波数:6Hz、平均破砕荷重:5.5kN(荷重検出装置6によって制御)、繰り返し回数:約8500回、とした。なお、試験片1,2に加工硬化層を形成させるために、予めチャート岩石を破砕させておいてから(繰り返し回数:約1000回)、本摩耗試験を実施した。この時の摩耗量は本摩耗試験には含めていない。
【0044】
耐摩耗性については、試験前の試験片1,2(各2個、合計4個)の重量と試験後の重量とから重量減少量(試験材4個の合計)を求めて、下式に示す比摩耗量(g/kg)の値により評価した。ここで、試験片1,2の重量減少は破砕に供された岩石の重量(投入量)に影響を受けると予測されるため、比摩耗量で評価した。
【0045】
比摩耗量(g/kg)=試験材の重量減少量(g)/破砕した岩石の重量(kg)
【0046】
シャルピー衝撃試験:2mmのUノッチのJIS3号試験片を用いて、ハンマー荷重:294.2N(30kgf)、試験温度:室温にて行った。シャルピー衝撃値は吸収エネルギーを断面積で除して求めた。
【0047】
耐疲労亀裂進展性の評価:疲労亀裂伝播試験により、亀裂伝播下限界値ΔKthを室温で測定し求めた。試験方法はASTM E647に準拠し、応力比はR(=σmin /σmax )=0.1で実施した。
【0048】
これらの試験結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003556139
【0050】
【表2】
Figure 0003556139
【0051】
表2から明らかなように、本発明鋼(No.14〜No.23)は、比摩耗量が0.060g/kg以下であり、且つ、シャルピー衝撃値が30J/cmを上回るとともに、亀裂伝播下限界値ΔKthが10.9MPa・√mを上回っており、優れた耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性を有している。
【0052】
そして本発明鋼において、No.16〜No.23は、Al量:0.005〜0.2質量%、N量:0.01〜0.3質量%という本発明で規定する推奨範囲を満たして、比摩耗量が0.050g/kg以下で、且つ、シャルピー衝撃値が31J/cmを上回るとともに、亀裂伝播下限界値ΔKthが11.2MPa・√mを上回るという値が得られており、AlとNの複合添加により、結晶粒が微細化されて耐摩耗性だけでなく、靱性と耐疲労亀裂進展性も向上している。
【0053】
これらのうち特に、本発明鋼のNo.20〜No.23は、比摩耗量が0.039g/kg以下で、且つ、シャルピー衝撃値が31J/cmを上回るとともに、亀裂伝播下限界値ΔKthが12.7MPa・√mを上回っている。すなわち、均質化処理だけの熱処理工程とは違って、均質化処理の後にパーライト化処理とオーステナイト化処理とを行ったことにより、結晶粒の微細化と双晶導入との効果が大きく、靱性に優れるとともに、より優れた耐摩耗性及び耐疲労亀裂進展性を有している。
【0054】
一方、比較鋼のNo.5〜No.13では、本発明で規定する要件の何れかを欠くため、次のような問題があった。すなわち、No.5はCr量が上限値を外れるために靱性が低い。また、Si量が下限値を外れるため、脱酸不足で鋳鋼中に多数のブローホールが生じて耐摩耗性が悪い。No.6はC量及びMn量ともに各下限値を外れ、そのため(%C)×(%Mn)の値も下限値を外れており、耐摩耗性,靭性とも悪いだけでなく、組織がマルテンサイト主体となっているため耐疲労亀裂進展性も悪い。No.7はNi量が下限値を外れるために靭性が低くなっている。No.8はC量が上限値を外れる一方、N量が上限値を外れるため結晶粒が微細化されておらず耐摩耗性が悪い。
【0055】
また、No.9はSi量が上限値を外れるために靭性が低く、Mn量が上限値を外れるために耐摩耗性が悪い。No.10はMo量が下限値を外れるために靭性が低く、Al量が上限値を外れるためにAlNが粗大化し耐摩耗性が悪い。No.11は、耐摩耗性は良いものの、(%C)×(%Mn)の値が下限値を外れて組織がマルテンサイト主体となっているため靭性と耐疲労亀裂進展性が悪い。No.12は、靭性と耐疲労亀裂進展性は良いものの、(%C)×(%Mn)の値が上限値を外れて組織がオーステナイト主体となっているため耐摩耗性が低い。No.13はNi量が上限値を外れるために耐摩耗性が悪く、また耐疲労亀裂進展性も悪い。
【0056】
また、表2から明らかなように、高Mn・高Cの比較鋼(No.1〜No.4)は、耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性とも劣っている。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による耐摩耗鋳鋼は、フルオーステナイト組織とした従来の高Mn鋳鋼とは違って、C量とMn量、及び(%C)×(%Mn)の値を調整することで、組織をオーステナイトとマルテンサイトとの複合組織にするとともに、衝撃による塑性変形時に加工誘起マルテンサイト変態を生じさせるようにしたものであるから、マトリックスのマルテンサイトと塑性変形時の加工誘起マルテンサイトとによって硬さが高められて耐摩耗性に優れている。また、前記加工誘起マルテンサイトを生じさせることで鋳造欠陥などを起点とする亀裂の進展に対する抵抗を高めることができるので、耐疲労亀裂進展性に優れている。さらに、Mo、Ni、Al及びNを添加・調整することで、靱性にも優れている。すなわち、本発明による耐摩耗鋳鋼は、耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性に優れており、破砕機の耐摩耗部材に用いて好適であって、破砕機の大型化・破砕圧力の高圧化による使用条件の過酷化に応えることができる。
【0058】
本発明による第1の製造方法によると、耐摩耗性、靱性及び耐疲労亀裂進展性に優れた耐摩耗鋳鋼を得ることができる。また、本発明による第2の製造方法によると、鋳造したのちに均質化処理された鋼塊を、前記第1の製造方法とは違って、パーライト化処理し、該パーライト化処理後に再オーステナイト化して、鋼塊の組織をパーライトからオーステナイトに変態させるようにしたものであるから、100mmを上回る厚肉のものであっても結晶粒が微細化されるとともに、多数の双晶が導入された耐摩耗鋳鋼を得ることができる。これにより、靱性が良いことに加えて、耐摩耗性及び耐疲労亀裂進展性がともにより優れた耐摩耗鋳鋼を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩耗試験に使用した耐摩耗性評価試験機の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…上型試験片 2…下型試験片 3…被破砕石 4…上部原料シュート 5…下部原料シュート 6…荷重検出装置 7…昇降用アクチュエータ 8…強化ガラス体

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.4〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Mn:3.0〜9.0%、Mo:0.5〜3.0%、Ni:0.04〜0.2%、Cr:1.0%未満(0%を含む)をそれぞれ含有するとともに、1.7≦〔(%C)×(%Mn)〕<5の関係を満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなり、組織がオーステナイトとマルテンサイトの複合組織よりなることを特徴とする耐摩耗鋳鋼。
  2. さらに、質量%で、Al:0.005〜0.2%、N:0.01〜0.3%を含有するものである請求項1記載の耐摩耗鋳鋼。
  3. 破砕機の耐摩耗部材として用いられるものである請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼。
  4. 請求項1又は2記載の化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、しかる後に水冷を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法。
  5. 請求項1又は2記載の化学成分を有する鋼塊を、鋳造したのち、850〜1200℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱保持して均質化処理し、次いで500〜700℃の温度範囲で3〜24時間加熱保持してパーライト化処理し、しかる後に再度850〜1200℃の温度範囲に加熱してオーステナイト化処理し、次いで水冷を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法。
  6. 前記均質化処理後は室温まで水冷を行い、また前記パーライト化処理後は室温まで空冷を行うものである請求項5記載の耐摩耗鋳鋼の製造方法。
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