JP4646438B2 - 立体画像撮影装置及びカメラの制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体画像の撮影装置及びカメラの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(第1の従来の技術)
従来の立体画像の観察方法としては、視差のある2つ以上の画像を撮影し、それら異なる画像を観察者が左右の目で同時に見ることにより、立体的に認識する方法がある。この方法は、観察者が移動することなく立体情報を得られるものの、目のフォーカスにより距離判断を行なうことができない。そのため、観察する立体画像に不自然さを感じたり、疲労が増えるなどの問題が発生していた。
【0003】
この問題を改善するために、特開2000−214413号公報に開示されているような、複数の画像の間隔をあけて表示する方法が知られている。この方法では、観察者側からの被写体の距離に応じて表示手段の輝度を調整して、観察者に距離を判断させている。この方法では、観察者はある程度、視差、輻輳、フォーカスの情報が得られるので、立体的に観察を行なえる。
【0004】
(第2の従来の技術)
また、従来の立体画像の観察装置には、観察の際に特殊な眼鏡を必要とするものと、肉眼で観察できるものとの両方がある。特殊な眼鏡を要する装置には、液晶シャッター眼鏡装置、ヘッドマウントディスプレイ等がある。肉眼で観察できる観察装置には、例えばレンチキュラーシートがあり、特殊な眼鏡が不要なので、誰でも鑑賞できる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(第1の従来の技術の問題点)
従来の立体画像の観察方法では、画像を作成するために大量の計算処理が必要になり、多くの時間を必要とする。このため、画像処理量を少なくして、撮影から画像の作成までを簡単に行なえることが望まれている。
【0006】
(第2の従来の技術の問題点)
従来の立体画像の観察装置のように、肉眼で観察できるレンチキュラーシート等を作成することは、容易でない。まず、厳密な撮影条件で撮影することが必要であり、また、撮影した画像に基づくシートの作成に専用の装置が必要である。従って、身近な画像を手軽に立体画像にすることや、様々な画像を交換して観察することも容易ではない。
【0007】
本発明の目的は、肉眼で観察できる立体画像を容易に撮影できる立体画像撮影装置及びカメラの制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
課題を解決し目的を達成するために、本発明の立体画像撮影装置及び方法は以下の如く構成されている。
【0009】
(1)本発明の立体画像撮影装置は、同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影する立体画像撮影装置であって、撮影対象に対して合焦を行なう合焦手段と、前記合焦手段により変更される合焦位置を予め指示する合焦位置指示手段と、前記合焦位置指示手段で指示された合焦位置を記憶する記憶手段と、前記合焦位置で前記撮影対象を撮影する撮影手段と、前記合焦位置指示手段によって2回目の撮影用の合焦位置が指示された場合に、当該2回目の撮影用の合焦位置が前記合焦位置指示手段によって1回目の撮影用として記憶されている合焦位置の被写界深度を外れる位置か否かを判定する判定手段と、前記判定手段で前記被写界深度を外れない位置と判定された場合、警告を発生する警告手段と、から構成されている。
【0010】
(2)本発明の立体画像撮影装置は、同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影する立体画像撮影装置であって、撮影対象に対して合焦を行なう合焦手段と、前記合焦手段で合焦された合焦位置を記憶する記憶手段と、前記撮影対象を撮影する撮影手段と、合焦位置を所定量ずつ移動させながら連続して撮影を行わせるよう制御するものであって、当該連続撮影の2回目以降の撮影については、その合焦位置が前回の合焦位置の被写界深度から毎回外れた位置になるように前記合焦手段を制御して、当該合焦位置で順次撮影を行なうよう前記撮影手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0011】
(3)本発明の立体画像撮影装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された合焦位置における近い位置から遠い位置への順番で撮影を行なうよう制御する。
【0012】
(4)本発明の立体画像撮影装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記制御手段は、前記合焦位置指示手段で指示された合焦位置の順番で撮影を行なうよう制御する。
【0016】
(5)本発明の立体画像撮影装置は上記(2)に記載の装置であり、かつ前記立体画像を構成するための撮影と通常の撮影とを選択する選択手段を備えている。
【0017】
(6)本発明の立体画像撮影装置は上記(5)に記載の装置であり、かつ前記立体撮影時に、前記通常の撮影時よりも画像の彩度を低下させる色処理を行なう画像処理手段を備えている。
【0018】
(7)本発明の立体画像撮影装置は上記(5)に記載の装置であり、かつ前記立体撮影時に、前記通常の撮影時よりも露光量を大きくするよう露出を制御する露出制御手段を備えている。
【0019】
(8)本発明のカメラの制御方法は、同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影するカメラの制御方法において、合焦位置を所定量ずつ移動させながら連続して撮影を行わせるよう制御するものであって、当該連続撮影の2回目以降の撮影については、その合焦位置が前回の合焦位置の被写界深度から毎回外れた位置になるようにして、当該合焦位置で順次撮影を行なうよう制御する。
(9)本発明のカメラの制御方法は、同一の撮影対象に対して異なる合焦位置で撮影された画像が印刷された少なくとも2つの印刷物が厚さ方向で所定間隔離されて配置されることで観察者に立体感を与える立体画像観察装置に用いる画像として、同一画面上で撮影距離の異なる2つの被写体に対してそれぞれ一方の被写体のみにピントが合うような画像を撮影するカメラの制御方法であって、前記画像を得るための二回の撮影に際し、撮影レンズの前面から撮影距離が短い方の被写体への合焦位置までの距離をx1、前記撮影レンズの前面から撮影距離が長い方の被写体への合焦位置までの距離をx2、前記撮影レンズの焦点距離をf、前記撮影レンズの前側焦点から前記撮影レンズの前面までの距離をb、前記撮影レンズの最小錯乱円の半径をR、前記撮影レンズにおける前記二つの撮影像の射出側開口数のうち大きい値をA、とした場合、x2≧Af 2 (x1−b)/{Af 2 −R(x1−b)}+bの条件を満たすよう撮影を行なう。
【0020】
上記手段を講じた結果、それぞれ以下のような作用を奏する。
【0021】
(1)本発明の立体画像撮影装置によれば、第1の被写体に合焦した画像と、第2の被写体に合焦しかつ前記第1の被写体がボケた状態となる画像の両方が得られ、視差、輻輳、フォーカスの情報を含み肉眼で観察できる様々な立体画像を、容易に撮影できる。
【0022】
(2)本発明の立体画像撮影装置によれば、撮影者が所望の複数の被写体に対して合焦をし撮影することができる。
【0023】
(3)本発明の立体画像撮影装置によれば、被写体の動きが多い手前側から撮影を行なうので、被写体に動きがある場合でも立体画像のブレを小さく抑えることができる。
【0024】
(4)本発明の立体画像撮影装置によれば、各被写体の相互の遠近関係に関わらず、優先する被写体を指定することができる。
【0028】
(5)本発明の立体画像撮影装置によれば、本撮影装置で立体撮影と通常の撮影とを選択的に行なうことができる。
【0029】
(6)本発明の立体画像撮影装置によれば、複数の画像が重なる立体画像のコントラストが過度になることを防止できる。
【0030】
(7)本発明の立体画像撮影装置によれば、立体撮影時の画像を通常の撮影時の画像よりも薄い色調とし、複数の画像が重なる立体画像の色が濃くなることを防止できる。
【0031】
(8)及び(9)本発明の立体画像撮影方法によれば、第1の被写体に合焦した画像と、第2の被写体に合焦しかつ前記第1の被写体がボケた状態となる画像の両方が得られ、視差、輻輳、フォーカスの情報を含み肉眼で観察できる様々な立体画像を、容易に撮影できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る撮影装置の撮影系と、立体画像観察装置による立体画像の構成を示す図である。撮影装置は、一般的な銀塩フィルムを用いたカメラや電子カメラ(デジタルカメラ)であり、フォーカス位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影する。その後、それらの画像を立体画像観察装置で重ねることで、立体画像からなる観察画像が構成される。立体画像観察装置では、撮影時のフォーカス位置の遠近関係に対応するよう、複数の画像が重ねられる。すなわち、立体画像観察装置で構成される立体画像は、複数の画像が、フォーカス位置の近い側から遠い側へ対応して、観察者に近い側から遠い側へ順に所定の間隔をもって重ねられる。
【0034】
以下、撮影装置でフォーカス位置の異なる2枚の画像を撮影する場合について説明する。図1に示すように、撮影レンズ1の前面11からフォーカス面2oまでの距離をx1、撮影レンズ1の前面11からフォーカス面3oまで距離をx2とする。この場合、x2>x1であり、撮影レンズ1からの撮影距離はフォーカス面2oよりフォーカス面3oの方が長い。
【0035】
また、撮影レンズ1の焦点距離をf、撮影レンズ1の前側焦点4から撮影レンズ1の前面11までの距離をb、撮影レンズ1の最小錯乱円の半径をR、撮影レンズ1における2つの画像の撮影時の各射出側開口数のうち大きい方の値をAとする。後側焦点位置からx1の像面までの距離をX1とすると、ニュートンの式を使い、ボケを感じる条件を表すと以下の式になる。
【0036】
(x1−b)X1=f2
(x2−b)(X1−R/A)≧f2
そして、これら二つの式からX1を消去して、
x2≧Af2(x1−b)/{Af2−R(x1−b)}+b (1)
となる条件が、撮影したすべての画像中の2つの画像の各組み合せについて満たされるようにする。
【0037】
なお、一般に撮影レンズ1の射出側開口数は、フォーカス面2oでの撮影時よりフォーカス面3oでの撮影時の方が大きくなる。上記(1)式の条件を満たさない場合、2つの画像においてフォーカスの違いにより生ずるボケの差がなくなる。この場合、観察者は2つの画像の差を認識できず、観察画像を立体的に見ることができない。すなわち、観察画像は上記(1)式の条件を満たすことにより、2つの画像においてボケの差が生じるため、立体的な画像となる。
【0038】
具体的には、2つの画像の撮影時に、互いに合焦位置の被写界深度からはずれた位置を合焦位置としている。すなわち、フォーカス面2oでの撮影では、フォーカス面3oでの撮影の合焦位置の被写界深度からはずれた位置を合焦位置とし、フォーカス面3oでの撮影では、フォーカス面2oでの撮影の合焦位置の被写界深度からはずれた位置を合焦位置としている。
【0039】
なお、被写界深度Cは、レンズのFナンバーをF、焦点深度をρ(経験値)、焦点距離をf、撮影距離をLとした場合、次式
C=±F・ρ/(f/L)2
で表わされる。
【0040】
例えば、銀塩カメラでは、F=2,ρ=30μm,f=50mm,L=2mとすると、C=±96mmとなる。また、電子カメラでは、F=2,ρ=10μm,f=8mm,L=2mとすると、C=±1250mmである。
【0041】
また、撮影レンズ1から被写体までの距離が連続的に変化し、(K+1)枚の撮影を行なう場合、以下の式を満たすようにする。
【0042】
Xn+1≧Af2(Xn−b)/{Af2−2R(Xn−b)}+b (1a)
(n=1,2,…,K)
(隣り合う)被写体までの距離を以上の様に選択して、連続的に撮影するとよい。すなわち、上記1a式で示されるより狭い間隔で撮影を繰り返しても、相互に十分なボケが生じないので、むだな撮影となる。
【0043】
以下、立体画像観察装置で前述した2つの画像から観察画像を構成する場合について説明する。図1に示すように、前述した条件での撮影による撮影像2iから観察画像5の画像2pへの、または撮影像3iから観察画像5の画像3pへの倍率をβ、撮影像2iと撮影像3iの間隔をd1、観察者6の観察画像5に対する最大観察角をθ、画像2pと画像3pの間隔をD1、画像2pと画像3pの間の媒質の屈折率をnとする。この場合、
D1≦nβAd1/sinθ (2)
の条件を満たすようにする。この条件を満たさない場合、観察者は複数の画像2p,3pが重なったように見えず、観察画像5を立体的に見ることができない。
また、上記した2つの画像の組み合せと異なる他の画像の組み合せの場合、それらの撮影像の間隔をdn、それら画像の間隔をDnとすると、
D1/d1=Dn/dn (3)
の条件を、すべての画像の組み合せについて満たすようにする。これにより、観察画像を構成する画像数が多い場合、観察者はそれらの距離感が合うため、観察時の疲労がなくなる。
【0044】
図2は、上記撮影装置による撮影時の状態を示す図である。撮影装置7は、近距離被写体8nと遠距離被写体8fにそれぞれフォーカスを合わせた2つの画像を撮影する。撮影装置7から近距離被写体8nまでの距離は前述したx1であり、撮影装置7から遠距離被写体8fまでの距離は前述したx2である。
【0045】
図3は、上記立体画像観察装置による鑑賞時の状態を示す図である。上記のように撮影された2つの画像を使って、図3に示す観察画像9が作成される。この観察画像9は、近距離被写体8nにフォーカスを合わせて撮影された画像を透明板にプリント(印刷)した透過画像10nと、遠距離被写体8fにフォーカスを合わせて撮影された画像を透明板にプリント(印刷)した透過画像10fとを、観察者11側から透過画像10n、10fの順に配置しており、それらの関係が上記した(1)式または(1a)式と(2)式を満たしている。なお、この場合、フォーカス位置が最も遠い画像については、透明でない板にプリント(印刷)してもよい。
【0046】
観察者は、この観察画像9をその後ろ側から一様な白色照明で照明して観察する。透過画像10nと透過画像10fの色の濃度は、これら2枚の画像を合わせたときに元の被写体8n,8fの色になるよう、プリント時に調整する。
【0047】
また、被写体8n,8f以外に、さらに目的とする被写体が違った距離にある場合、フォーカス位置を変えた画像を撮影して透過画像の枚数を増やすことで、より自然な観察画像になる。また、観察者11側から最も離れた位置の画像を光の反射の多い白紙にプリントしたものとすることで、前述した照明をなくすことができる。この場合、観察者が観察する光は、各透過画像に対して入射した後反射することで各透過画像を2回通過する。このため、各透過画像の明るさや色を薄くして、観察者11が見る観察画像の明るさや色調を調整する。
【0048】
なお、各画像は、時間差をおいて撮影することになるので、画像間にズレが発生することがある。この場合、撮影後、鑑賞用の観察画像を作る時に、各画像の位置関係を補正して重ねる。また、このことを考慮して、優先する被写体の順番に沿ってフォーカス情報を撮像装置に入力し、シャッター操作時にその順番に従ってフォーカス位置を変えて撮影する。また、シャッター操作時に、動きの速い被写体を検出してそのフォーカス位置を優先して撮影するよう、フォーカス位置の順番を決定することも可能である。一般的には、近距離の被写体から順に撮影するとよい。
【0049】
以上の撮影方法は、一般的な銀塩カメラや電子カメラ(デジタルカメラ)を用いて、フォーカス位置を変えて撮影するだけなので、マニュアルフォーカス操作またはオートフォーカス操作ができるカメラで、簡単に撮影を行なうことができる。以下、上記の撮影方法に適用される電子カメラについて説明する。
【0050】
図4は、本実施の形態に係る立体画像撮影装置をなす電子カメラの構成を示すブロック図である。この電子カメラは、上述した撮影方法を実行する機能を有している。図4に示すように、バス120には、メインCPU140、撮像回路113、AE処理部121、AF処理部122、画像処理回路123、不揮発性メモリ124、内蔵メモリ125、圧縮伸長部126、着脱メモリ127、LCDドライバ131が接続されている。メインCPU140には、入力部141、スピーカ142、フォーカス制御部151が接続されている。レンズ群100は、撮影レンズ1とフォーカスレンズ111からなる。また、フォーカス制御部151にはフォーカスレンズ111を駆動するモータ152が、撮像回路113にはCCDからなる撮像素子112が、LCDドライバ131にはLCD表示部132が接続されている。
【0051】
図4において、撮影レンズ1とフォーカスレンズ111を通過した被写体の光学像は、撮像素子112で電気信号に変換され、この電気信号は、撮像回路113でアナログ画像信号に変換された後にA/D変換される。そのデジタル画像信号(以下、「画像情報」とも称する)は、一旦、揮発性の内蔵メモリ125に記憶される。この内蔵メモリ125は、高速な、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)からなり、画像一時記憶メモリ、画像処理用のワークエリアとしても使用される。
【0052】
画像処理回路123は、内蔵メモリ125に一時記憶された画像情報の色情報の変換処理、画素数変換などの処理を行なう。色情報の変換処理では、CCDからの色情報出力に対して固有の色合いの調整、例えばきれいな肌色を出すといった処理を行なう。画像処理回路123では、下式の色マトリクスにおけるk値を変えることで、色情報の変換を行なう。
【0053】
【数1】
【0054】
また、画像処理回路123では、内蔵メモリ125に一時記憶された画像情報に対して、図5に示すようなγ曲線に沿った色低下処理を行なう。画像処理回路123は、立体撮影時の色情報出力のコントラストを低下させ、その彩度が通常の撮影時よりも低下するような色情報の変換処理を行なう。これにより、複数の画像が重なる立体画像のコントラストが過度になることを防止できる。
【0055】
そして、画像処理回路123でさまざまな画像処理を受けた画像情報は、圧縮伸長部126で例えばJPEG圧縮されて、スマートメディア等の着脱メモリ127に記録される。また、撮影画像を表示する場合には、画像処理後の画像情報は、LCDドライバ131を介して、画像表示用のLCD132に表示される。
【0056】
着脱メモリ127に記録された画像を表示する場合には、着脱メモリ127から読み出された画像情報は圧縮伸長部126で伸長されて、画像処理回路123で所定の画像処理がなされる。その後、撮影の時と同様に、画像表示用のLCD132に画像が表示される。
【0057】
メインCPU140は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ124から電子カメラの基本制御プログラムを読み出して、電子カメラ全体の制御を行なう。メインCPU140は、入力部141からの入力を受け付けて、その入力に応じた制御を行なう。入力部141は、図示しないレリーズボタン(シャッターボタン)、立体撮影モードボタン、メニューボタン、プリセットボタン等を有している。なお、メニューボタンを操作することにより、‘近距離優先’、‘遠距離優先’、‘中間距離優先’、‘プリセット順’の撮影モードを選択できる。
【0058】
また、メインCPU140は、図示しない電源部を制御して電子カメラ全体の電源管理も行なう。また、メインCPU140は、フォーカス制御部151とモータ152を介してフォーカスレンズ111を駆動制御するとともに、撮像回路113に対して素子シャッター制御を行なう。また、メインCPU140は、警告等の音声をスピーカ142から発生させる。
【0059】
以下、立体画像観察装置による観察画像の構成例を示す。被写体距離(撮影レンズ1の前面11からフォーカス面までの距離)が2mの人物と被写体距離が50cmの花を、撮影装置で撮影するものとする。撮影装置で、焦点距離6.5mm(35mmカメラ換算焦点距離35mm)のレンズを使い、Fナンバーを2とし、撮像範囲6.25×4.68mm2のCCDで撮影したとする。この場合、2つの撮影像の間隔d1=0.0633mmであり、A=1/2NAであるからA=0.25である。
【0060】
このように撮影された2つの画像をはがきサイズにプリントし、観察画像として鑑賞する場合、倍率β=22.9倍である。観察者の眼から観察画像までの鑑賞距離を150mmとし、最大の眼幅70mmに対して左右に10mmの余裕をとって観察しやすくする。その場合、最大観察角θについてsinθ=(90/2/150)=0.3となる。2つの画像の間の媒質であるガラスの屈折率nは、1.5である。このとき2つの画像の間隔D1は、上記(2)式から以下の値になる。
【0061】
D1≦1.5×22.9×0.25×0.0633/0.3
=1.81(mm)
また、媒質を空気として換算すると、以下の値になる。
【0062】
D1≦1.81/1.5=1.21(mm)
なお、本実施の形態による観察画像では、D1の間隔が空気換算長で1mm以下になると立体感が減る。そのような場合、撮影時にレンズのFナンバーか焦点距離を変えることが好ましい。
【0063】
次に、撮影された2つの画像をA1サイズまで拡大し、観察画像として鑑賞する場合、倍率β=131.9倍となる。最大観察角θを、観察画像の中心から見て45度までで良いとすると、sinθ=sin45°=0.707となる。このとき2つの画像の間隔D1は、上記(2)式から以下の値になる。
【0064】
D1≦1.5×131.9×0.25×0.0633/0.707
=4.43(mm)
すなわち、D1が4.43(mm)以下で4.43(mm)に近いほど立体感が大きくなるため、適度な値である厚さ4mmのガラス(透明材質)を用いると良い。
【0065】
図6〜図9は、上記立体画像撮影装置の第1の動作手順を示すフローチャートである。以下、図6〜図9を基に上記立体画像撮影装置の動作を説明する。
【0066】
図6は、メインフローチャートである。まずステップS1で、撮影者により入力部141の立体撮影モードボタンがONにされると、ステップS2で、メインCPU140はフォーカス位置のプリセット処理を行なう。その後、ステップS3で、メインCPU140は撮影処理を実行する。なお、上記ステップS1で立体撮影モードボタンがONにされない場合、ステップS4で、本電子カメラは通常の撮影装置として機能する。すなわち撮影者は、立体撮影モードボタンを操作することにより、通常の撮影から立体画像撮影へ選択的に切り替えることができる。
【0067】
図7は、上記ステップS2のプリセット処理のフローチャートである。まずステップS11で、撮影者によりプリセットボタンがONにされると、ステップS12で、メインCPU140はAF(オートフォーカス)処理を実行する。次にステップS13で、メインCPU140は、AF処理で算出されたフォーカス位置を内部メモリに記憶する。その後、ステップS14で、撮影者により入力部141のメニューボタンが操作されるまで、上記ステップS11〜S13の処理が繰り返し実行される。すなわち、撮影者によりプリセットボタンがONにされた回数分、AF処理が実行され、そのフォーカス位置が内部メモリに記憶される。
【0068】
なお、2回目以降のAF処理において、メインCPU140は、算出されたフォーカス位置が前回算出されたフォーカス位置の被写界深度からはずれた位置であるか否かを判定し、はずれた位置でない場合、スピーカ142から警告音を発生するか、あるいは図示しない表示部に警告を表示する。この警告音は、上記(1)式の条件を満たしていない場合、例えば前回のフォーカス位置が2mであり、今回算出されたフォーカス位置が2m±1250mmの範囲内である場合に発生される。このような場合、算出されたフォーカス位置は内部メモリに記憶されない。
【0069】
続いてステップS15で、撮影者により入力部141のメニューボタンで‘近距離優先’が選択された場合、ステップS16で、メインCPU140は近距離優先モードを実行する。ステップS17で、撮影者により入力部141のメニューボタンで‘遠距離優先’が選択された場合、ステップS18で、メインCPU140は遠距離優先モードを実行する。ステップS19で、撮影者により入力部141のメニューボタンで‘中間距離優先’が選択された場合、ステップS20で、メインCPU140は中間距離優先モードを実行する。ステップS21で、撮影者により入力部141のメニューボタンで‘プリセット順’が選択された場合、ステップS22で、メインCPU140はプリセット順モードを実行する。
【0070】
以上のプリセット処理により、メインCPU140の内部メモリには、複数の異なるフォーカス位置(撮影レンズ1の前面11からフォーカス面までの距離)が、AF処理された順に記憶される。メインCPU140は、選択されたモードに応じて、複数の異なるフォーカス位置について撮影を行なう順番を決定する。近距離優先モードでは、メインCPU140は、近いフォーカス位置から遠いフォーカス位置へ順番に焦点を変える情報を、内部メモリに記憶する。遠距離優先モードでは、メインCPU140は、遠いフォーカス位置から近いフォーカス位置へ順番に焦点を変える情報を、内部メモリに記憶する。中間距離優先モードでは、メインCPU140は、中間のフォーカス位置からその前後のフォーカス位置へ順番に焦点を変える情報を、内部メモリに記憶する。プリセット順モードでは、メインCPU140は、内部メモリに記憶されたフォーカス位置の順番で焦点を変える情報を、内部メモリに記憶する。
【0071】
例えば、メインCPU140の内部メモリに、A:2m、B:3m、C:1mの三つのフォーカス位置が順に記憶されたとする。この場合、‘近距離優先’では、C:1m→A:2m→B:3mの順、‘遠距離優先’では、B:3m→A:2m→C:1mの順、‘中間距離優先’では、A:2m→C:1m→B:3mの順、‘プリセット順’では、A:2m→B:3m→C:1mの順となる。
【0072】
図8は、上記ステップS12のAF処理のフローチャートである。まずステップS21で、撮影者により被写体中の合焦対象が決められ、レリーズボタンが半押しされると、メインCPU140はフォーカス制御部151とモータ152を介して、フォーカスレンズ111を初期位置に移動させる。次にステップS22で、メインCPU140は撮像回路113にて事前撮影を行なわせる。ステップS23で、メインCPU140は、AF処理部122にコントラスト値を算出させ、内部メモリに記憶する。
【0073】
ステップS24で、フォーカスレンズ111の位置が最後の位置でない場合、ステップS25で、メインCPU140がフォーカスレンズ111を次の位置に移動させた後、上記ステップS22とS23の処理が実行される。そして、上記ステップS24で、フォーカスレンズ111の位置が最後の位置である場合、ステップS26で、メインCPU140は内部メモリに記憶した各コントラスト値から、AF処理部122に最大のコントラスト値が得られたフォーカス位置を最適なフォーカス位置として算出させる。
【0074】
図9は、上記ステップS6の撮影処理のフローチャートである。まずステップS31で、撮影者により被写体中の合焦対象が決められ、レリーズボタンが全押しされると、メインCPU140は、明るさ統一のためAE処理部121に1回のみ露出制御を行なわせる。なおAE処理部121は、立体撮影時には、通常の撮影時よりも撮影回路113への露光量を大きくするよう露出を制御する。これにより立体撮影時の画像は、通常の撮影時の画像よりも薄い色調となる。
【0075】
次にステップS32で、メインCPU140は、内部メモリに記憶されたフォーカス位置に合うようフォーカスレンズ111を移動させる。ステップS33で、撮像素子112が露光された後、その画像情報は、一時的に内蔵メモリ125に記憶される。次にステップS34で、内蔵メモリ125に記憶された画像情報は、画像処理回路123で画像処理され、圧縮伸長部126で圧縮された後、ステップS35で、着脱メモリ127に記録される。
【0076】
そしてメインCPU140は、ステップS36で、内部メモリに記憶されている全てのフォーカス位置についての撮影が終了するまで、各フォーカス位置について上記ステップS32〜S35の処理を行なう。
【0077】
以下、上述したプリセット処理の第1の変形例について説明する。図7の手順では、撮影者によりプリセットボタンがONにされる毎に、AF処理が実行されフォーカス位置が算出されたが、本変形例ではAF処理を1回のみ実行する。
【0078】
この場合、撮影者により入力部141のレリーズボタンが押下された時、まずメインCPU140は、撮像面の中心にある被写体に対しAF処理を実行し、フォーカス位置を算出して撮影する。次にメインCPU140は、このフォーカス位置をL0とし、以降このL0に対して、予め設定されている間隔でフォーカス位置を変更しながら撮影する。具体的には、メインCPU140は下表のようなテーブルを内部メモリに記憶しており、このテーブルを参照してフォーカス位置を変更する。
【0079】
【表1】
【0080】
例えば、1番目のフォーカス位置L0が1mである場合、2番目のフォーカス位置L1は、1×2=2m、3番目のフォーカス位置L2は、1×4=4m、となる。また、1番目のフォーカス位置L0が2mである場合、2番目のフォーカス位置L1は、2×2=4m、3番目のフォーカス位置L2は、2×4=8m、となる。なお、上記テーブルは、各フォーカス位置が互いに他のフォーカス位置の被写界深度からはずれた位置となるよう設定される。
【0081】
以下、上述したプリセット処理の第2の変形例について説明する。本変形例でもAF処理を1回のみ実行する。この場合、撮影者により入力部141のレリーズボタンが押下された時、まずメインCPU140は、撮像面の中心にある被写体に対しAF処理を実行し、第1のフォーカス位置を算出して1回目の撮影をする。次にメインCPU140は、この第1のフォーカス位置に対して所定の演算を行ない、第2のフォーカス位置を算出して2回目の撮影をする。
【0082】
この演算では、撮影レンズ1の焦点距離をf、撮影レンズ1の前側焦点4から撮影レンズ1の前面11までの距離をb、撮影像から観察画像の画像への倍率をβ、観察画像の各画像の間隔をD1とする。メインCPU140は、1回目の撮影の撮影距離(撮影レンズ1の前面11から第1のフォーカス面までの距離)をx1とした場合、2回目の撮影の撮影距離x2を、x2>x1(x2がx1に対して遠距離)であれば、
x2=f2 β(x1−b)/{f2β−D1(x1−b)}+b
x2<x1(x2がx1に対して近距離)であれば、
x2=f2 β(x1−b)/{f2β+D1(x1−b)}+b
と演算する。
【0083】
なお撮影の前には、撮影者により入力部141から、2回目の撮影距離が1回目の撮影距離に対して遠距離、近距離のいずれであるかが設定される。
【0084】
図10,図11は、上記立体画像撮影装置の第2の動作手順を示すフローチャートである。以下、図10,図11を基に上記立体画像撮影装置の動作を説明する。
【0085】
図10は、メインフローチャートである。まずステップS41で、撮影者により入力部141の立体撮影モードボタンがONにされると、ステップS42で、メインCPU140は撮影処理を実行する。上記ステップS41でONにされない場合、ステップS43で通常の撮影処理を実行する。
【0086】
図11は、上記ステップS42の撮影処理のフローチャートである。まずステップS51で、メインCPU140は、明るさ統一のためAE処理部121に1回のみ露出制御を行なわせる。次にステップS52で、メインCPU140は、予め内部メモリに記憶されている所定のフォーカス位置(後述する)に合うようフォーカスレンズ111を移動させる。ステップS53で、撮像素子112が露光された後、その画像情報は、一時的に内蔵メモリ125に記憶される。次にステップS54で、内蔵メモリ125に記憶された画像情報は、画像処理回路123で画像処理され、圧縮伸長部126で圧縮された後、ステップS55で、着脱メモリ127に記録される。
【0087】
そしてメインCPU140は、ステップS56で、予め内部メモリに記憶されている全てのフォーカス位置についての撮影が終了するまで、各フォーカス位置について上記ステップS52〜S55の処理を行なう。
【0088】
具体的には、メインCPU140は下表のようなテーブルを内部メモリに記憶しており、このテーブルを参照してフォーカス位置を設定する。
【0089】
【表2】
【0090】
この例では、1番目のフォーカス位置L0は1m、2番目のフォーカス位置L1は2m、3番目のフォーカス位置L2は4m、となる。なお、上記テーブルは、各フォーカス位置が互いに他のフォーカス位置の被写界深度からはずれた位置となるよう設定される。
【0091】
図12は、立体画像観察装置の第1の作成例を示す側面図である。この装置では、2つの画像が重ねられる。この装置は、第1の透明アクリル板(表面板)41、第2の透明アクリル板(中間板)42、底板(透明板でなくても可)43が、この順に積層して接着された平板状をなしている。第1の透明アクリル板41と第2の透明アクリル板42の間には、第1の画像がプリントされた透明紙4Aが挟着されており、第2の透明アクリル板42と底板43の間には、第2の画像がプリントされた白紙4Bが挟着されている。この装置は、スタンド44で立てかけて鑑賞することができる。
【0092】
図13は、立体画像観察装置の第2の作成例を示す側面図である。この装置では、3つの画像が重ねられる。この装置は、第1の透明アクリル板(表面板)51、第2の透明アクリル板(中間板)52、第3の透明アクリル板(中間板)53、底板(透明板でなくても可)54が、この順に積層して接着された平板状をなしている。第1の透明アクリル板51と第2の透明アクリル板52の間には、第1の画像がプリントされた透明紙5Aが挟着されており、第2の透明アクリル板52と第3の透明アクリル板53の間には、第2の画像がプリントされた透明紙5Bが挟着されており、第3の透明アクリル板53と底板54の間には、第3の画像がプリントされた白紙5Cが挟着されている。この装置は、上記スタンド44で立てかけて鑑賞することができる。
【0093】
図14は、立体画像観察装置の第3の作成例を示す側面図である。この装置では、2つの画像が重ねられているとともに、観察画像を背面側から照明する。この装置は、第1の透明アクリル板(表面板)61、第2の透明アクリル板(中間板)62、第3の透明アクリル板(裏面板)63が、この順に積層して接着された平板状をなしている。第1の透明アクリル板61と第2の透明アクリル板62の間には、第1の画像がプリントされた透明紙6Aが挟着されており、第2の透明アクリル板62と第3の透明アクリル板63の間には、第2の画像がプリントされた透明紙6Bが挟着されている。さらに第3の透明アクリル板63の裏側に蛍光燈64と反射板65が設けられている。蛍光燈64の光は、反射板65により第3の透明アクリル板63の裏面から観察側方向に向けて反射される。これにより、各透明アクリル板61〜63が透過照明される。この装置は、上記スタンド44で立てかけて鑑賞することができる。
【0094】
なお、図12〜図14の変形例として、各透明アクリル板に各画像を直接プリントし、各画像が観察側から所定間隔(透明アクリル板の厚さ)を有するよう、各透明アクリル板を合焦位置の近い順に重ねて保持してもよい。これらの変形例では、合焦位置が最も遠い画像を透明板でない板にプリントしてもよい。
【0095】
上述した立体画像撮影装置では、着脱メモリ127に画像情報を記録したが、それ以外に、立体画像観察装置の作成に必要な付帯情報を記録するようにしてもよい。この付帯情報として、例えば画像のプリントサイズ、画像の間隔(D1)、画像の前後関係(重ねる順番)等がある。観察者が他者へ立体画像観察装置の作成を依頼する際、このような付帯情報と画像情報が記録された着脱メモリ127が渡される。これにより、他者による観察者の要求に応じた立体画像観察装置の作成が可能になる。
【0096】
また撮影時には、観察者の要求する画像のプリントサイズが、入力部141から指定される。なお、このプリントサイズは、観察画像を構成する全画像にて同一である。例えば、観察者が指定するプリントサイズがW×H(例えばA6サイズ)であり、CCDのサイズがw×hである場合、撮影像から観察画像の各画像への倍率βは、β=W/wとなる。また撮影時に、観察者の要求する観察画像の各画像の間隔D1が、入力部141から指定される。この場合、D1は定型の透明アクリル板の厚み、例えば2mm,3mm,4mm等から選択するようにする。
このように、各画像の間隔を定型の透明アクリル板の厚みから選択することで、立体画像観察装置の作成に定型以外の透明アクリル板を使用することがなくなるため、作成に係るコストアップを防ぐことができる。
【0097】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。例えば、上記実施の形態では、画像を紙や透明板にプリントした例を示したが、撮影後現像されたリバーサルフィルムを透明アクリル板4で挟着するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、肉眼で観察できる立体画像を容易に撮影できる立体画像撮影装置及びカメラの制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮影装置の撮影系と、立体画像観察装置による立体画像の構成を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る撮影装置による撮影時の状態を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る立体画像観察装置による鑑賞時の状態を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置をなす電子カメラの構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置における色低下処理を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第1の動作手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第1の動作手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第1の動作手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第1の動作手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第2の動作手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置の第2の動作手順を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態に係る立体画像観察装置の第1の作成例を示す側面図。
【図13】本発明の実施の形態に係る立体画像観察装置の第2の作成例を示す側面図。
【図14】本発明の実施の形態に係る立体画像観察装置の第3の作成例を示す側面図。
【符号の説明】
1…撮影レンズ
2o,3o…フォーカス面
2i,3i…撮影像
2p,3p…画像
4…前側焦点
5…観察画像
6…観察者
7…撮影装置
8n…近距離被写体
8f…遠距離被写体
9…観察画像
10n,10f…透過画像
11…観察者
100…レンズ群
111…フォーカスレンズ
112…撮像素子
113…撮像回路
120…バス
121…AE処理部
122…AF処理部
123…画像処理回路
124…不揮発性メモリ
125…内蔵メモリ
126…圧縮伸長部
127…着脱メモリ
131…LCDドライバ
132…LCD表示部
140…メインCPU
141…入力部
142…スピーカ
151…フォーカス制御部
152…モータ
41…第1の透明アクリル板
42…第2の透明アクリル板
43…底板
44…スタンド
4A…第1の画像がプリントされた透明紙
4B…第2の画像がプリントされた白紙
51…第1の透明アクリル板
52…第2の透明アクリル板
53…第3の透明アクリル板
54…底板
5A…第1の画像がプリントされた透明紙
5B…第2の画像がプリントされた透明紙
5C…第3の画像がプリントされた白紙
61…第1の透明アクリル板
62…第2の透明アクリル板
63…第3の透明アクリル板
64…蛍光燈
65…反射板
6A…第1の画像がプリントされた透明紙
6B…第2の画像がプリントされた透明紙
Claims (9)
- 同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影する立体画像撮影装置であって、
撮影対象に対して合焦を行なう合焦手段と、
前記合焦手段により変更される合焦位置を予め指示する合焦位置指示手段と、
前記合焦位置指示手段で指示された合焦位置を記憶する記憶手段と、
前記合焦位置で前記撮影対象を撮影する撮影手段と、
前記合焦位置指示手段によって2回目の撮影用の合焦位置が指示された場合に、当該2回目の撮影用の合焦位置が前記合焦位置指示手段によって1回目の撮影用として記憶されている合焦位置の被写界深度を外れる位置か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記被写界深度を外れない位置と判定された場合、警告を発生する警告手段と、
を具備したことを特徴とする立体画像撮影装置。 - 同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影する立体画像撮影装置であって、
撮影対象に対して合焦を行なう合焦手段と、
前記合焦手段で合焦された合焦位置を記憶する記憶手段と、
前記撮影対象を撮影する撮影手段と、
合焦位置を所定量ずつ移動させながら連続して撮影を行わせるよう制御するものであって、当該連続撮影の2回目以降の撮影については、その合焦位置が前回の合焦位置の被写界深度から毎回外れた位置になるように前記合焦手段を制御して、当該合焦位置で順次撮影を行なうよう前記撮影手段を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする立体画像撮影装置。 - 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された合焦位置における近い位置から遠い位置への順番で撮影を行なうよう制御することを特徴とする請求項1に記載の立体画像撮影装置。
- 前記制御手段は、前記合焦位置指示手段で指示された合焦位置の順番で撮影を行なうよう制御することを特徴とする請求項1に記載の立体画像撮影装置。
- 前記立体画像を構成するための撮影と通常の撮影とを選択する選択手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の立体画像撮影装置。
- 前記立体画像を構成するための撮影時に、前記通常の撮影時よりも画像の彩度を低下させる色処理を行なう画像処理手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の立体画像撮影装置。
- 前記立体画像を構成するための撮影時に、前記通常の撮影時よりも露光量を大きくするよう露出を制御する露出制御手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の立体画像撮影装置。
- 同一の撮影対象に対して合焦位置の異なる少なくとも2枚の画像を撮影し、その画像を合焦位置の近い側から遠い側に対応して観察者に近い側から遠い側に所定の間隔をもって像を重ねて観察することで立体観察するための立体画像の構成に用いられる異なる合焦位置での画像をそれぞれ撮影するカメラの制御方法において、
合焦位置を所定量ずつ移動させながら連続して撮影を行わせるよう制御するものであって、当該連続撮影の2回目以降の撮影については、その合焦位置が前回の合焦位置の被写界深度から毎回外れた位置になるようにして、当該合焦位置で順次撮影を行なうよう制御することを特徴とするカメラの制御方法。 - 同一の撮影対象に対して異なる合焦位置で撮影された画像が印刷された少なくとも2つの印刷物が厚さ方向で所定間隔離されて配置されることで観察者に立体感を与える立体画像観察装置に用いる画像として、同一画面上で撮影距離の異なる2つの被写体に対してそれぞれ一方の被写体のみにピントが合うような画像を撮影するカメラの制御方法であって、
前記画像を得るための二回の撮影に際し、
撮影レンズの前面から撮影距離が短い方の被写体への合焦位置までの距離をx1、
前記撮影レンズの前面から撮影距離が長い方の被写体への合焦位置までの距離をx2、
前記撮影レンズの焦点距離をf、
前記撮影レンズの前側焦点から前記撮影レンズの前面までの距離をb、
前記撮影レンズの最小錯乱円の半径をR、
前記撮影レンズにおける前記二つの撮影像の射出側開口数のうち大きい値をA、
とした場合、
x2≧Af 2 (x1−b)/{Af 2 −R(x1−b)}+bの条件を満たすよう撮影を行なうことを特徴とするカメラの制御方法。
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