JP2005037517A - 立体カメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1撮像系88A及び第2撮像系88Bのうち何れか一方により画像情報を取得する通常撮影又は第1撮像系88A及び第2撮像系の双方により画像情報を取得する立体撮影を実行する際に、実行される撮影の種類に応じて、発光部90の発光状態によって被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定間隔隔てて配設された第1の撮像手段及び第2の撮像手段によりそれぞれ被写体像を示す画像情報を取得し、当該画像情報を合成することにより立体画像を生成する立体カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、立体画像に対する関心が高まっており、立体画像が撮影可能な立体カメラが増えてきている。この種の立体カメラでは、視差を考慮した右目用の画像及び左目用の画像を取得して立体画像が得られるようになっており、一例として、1つのカメラユニットで光学的に右目用の光軸と左目用の光軸とに切り替えながら画像情報を取得するものや、異なる2位置に設けられた2つのカメラユニットを用いて右目用、左目用の画像情報を取得するものがある。
【0003】
この種の立体カメラでは、3次元(立体)の撮影だけでなく2次元の撮影も実行可能であり、例えば、2つのカメラユニットを備えた構成においては、3次元の立体画像を撮影する際には2つのカメラユニットを使用し、2次元の通常の画像を撮影する際には何れか一方のカメラユニットのみを使用するというように、使用するカメラユニットを切り替えることにより立体画像の撮影及び通常の画像の撮影を行なうのが一般的である。
【0004】
このような立体カメラにおいて3次元の撮影及び2次元の撮影を実行する技術として、従来、通常の2次元の映像を撮影する際に2つのカメラユニットを無駄なく用いると共に、3次元の立体映像を簡単に撮影することを目的として、一方のビデオカメラ(上記「カメラユニット」に相当)の撮像レンズにズームレンズを用いると共に、他方のビデオカメラの撮像レンズに固定倍率レンズを用い、通常の2次元画像を撮影するときにはワイドと望遠の拡大された画像を同時に撮影して任意に切り替えられるようにし、3次元画像を撮影するときには電子ズームにより2つのビデオカメラ間のズーム倍率の一致を図って撮影を行うようにした技術があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−215012号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、1つのレンズを有するカメラで人を撮影する場合、被写体となる人の視線がレンズに向けられた状態で撮影すると、得られた写真において被写体の視線は常に写真を見る人の視線と合うようになる。
【0007】
従って、レンズが1つのみの通常のカメラを用いて撮影を行う場合で、且つこのような視線状態となる写真を得たい場合には、被写体は当該レンズに視線を向ければよい。
【0008】
しかしながら、上記のような2つのカメラユニットを有する立体カメラでは、2つのレンズが配設されているため、2次元の撮影を行う際に、どちらのカメラユニットのレンズに視線を向けてよいのか分からない、という問題点があった。
【0009】
また、当該立体カメラでは、立体撮影を行う際に、どの位置に視線を向ければ写真を見る人に視線が向けられるのかが分からない、という問題点もあった。
【0010】
これに対し、上記特許文献1の技術では、被写体の視線に関しては何ら考慮されておらず、これらの問題点を解決することはできない。
【0011】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、被写体に視線を向ける方向を容易に判断させることのできる立体カメラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の立体カメラは、所定間隔隔てて配設された第1の撮像手段及び第2の撮像手段によりそれぞれ被写体像を示す画像情報を取得し、当該画像情報を合成することにより立体画像を生成する立体カメラであって、前記第1の撮像手段及び前記第2の撮像手段のうち何れか一方により前記画像情報を取得する通常撮影又は前記第1の撮像手段及び前記第2の撮像手段の双方により前記画像情報を取得する立体撮影を実行する撮影実行手段と、前記撮影実行手段により実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するための報知手段と、を備えている。
【0013】
請求項1に記載の立体カメラによれば、所定間隔隔てて配設された第1の撮像手段及び第2の撮像手段のうち何れか一方により被写体像を示す画像情報を取得する通常撮影、又は前記第1の撮像手段及び前記第2の撮像手段の双方により前記画像情報を取得する立体撮影が撮影実行手段により実行される。
【0014】
ここで、本発明では、前記撮影実行手段により実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に、当該人に対して視線を向けさせる位置が報知手段により報知される。
【0015】
すなわち、本発明に係る立体カメラでは、これから通常撮影及び立体撮影の何れの撮影を行うのか、更には、通常撮影を行う場合に適用する撮像手段が第1の撮像手段及び第2の撮像手段の何れであるのかを事前に把握している。この点を利用して、本発明では、報知手段によって視線を向ける位置(具体的には、得られる写真を見た人に視線が向けられる位置)を報知するようにしており、これによって被写体に視線を向ける方向を容易に判断させることができるようにしている。
【0016】
なお、上記報知手段による報知としては、光の点灯や点滅等による報知、音声による報知、文字や記号等の表示による報知等を例示することができる。
【0017】
このように、請求項1に記載の立体カメラによれば、第1の撮像手段及び第2の撮像手段のうち何れか一方により画像情報を取得する通常撮影又は第1の撮像手段及び第2の撮像手段の双方により画像情報を取得する立体撮影を実行する際に、実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するようにしているので、被写体に視線を向ける方向を容易に判断させることができる。
【0018】
ところで、本発明の報知手段により報知される視線を向ける位置は、前述したように、得られる写真を見た人に視線が向けられる位置である。この位置は、通常撮影時は撮影時に画像情報が取得される撮像手段における被写体像を結像させるためのレンズの配設位置となり、立体撮影時には、第1の撮像手段及び第2の撮像手段の各々のレンズの中間の位置、第1の撮像手段における被写体を結像させるためのレンズの配置位置及び第2の撮像手段における被写体を結像させるためのレンズの配置位置の何れかとなる。
【0019】
そこで、本発明は、請求項2に記載の立体カメラのように、前記報知手段を、前記第1の撮像手段における前記被写体像を結像させるための第1のレンズ近傍、前記第2の撮像手段における前記被写体像を結像させるための第2のレンズ近傍及び前記第1のレンズと前記第2のレンズの中間位置と、の少なくとも1つに設けられた発光手段とすることが好ましい。
【0020】
これにより、通常撮影を行う際には当該撮影に用いる側のレンズの近傍に設けられた発光手段を発光(点滅も含む。)させ、立体撮影を行う際には各レンズの中間位置に設けられた発光手段を発光(点滅も含む。)させることによって、被写体に視線を向ける方向を、より容易に判断させることができる。
【0021】
なお、本発明において、発光手段は上記3箇所のうち、1箇所にのみ設けてもよいし、複数の位置に設けてもよい。例えば、通常撮影を行う際に使用するレンズが固定的に定められている場合には、当該レンズの近傍のみに発光手段を設けるようにすればよい。これによって、複数箇所に設ける場合に比較して低コスト化することができる。
【0022】
さらに、請求項3に記載の立体カメラでは、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの少なくとも一方の近傍に設けた発光手段を、当該レンズを囲むように発光するものとしている。
【0023】
これにより、当該発光手段を点発光するものとした場合に比較して、被写体に対する報知効果を、より向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を立体静止画像及び通常(2次元)の静止画像の撮影を行う機能を有するデジタルカメラに適用した場合について説明する。
【0025】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。同図に示すように、デジタルカメラ10の正面には、各々被写体像を結像させるためのレンズ12A及びレンズ12Bと、発光することにより被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するための発光部90A〜90Cと、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ70と、が備えられている。
【0026】
本実施の形態に係る発光部90A〜90Cは、各々LED(発光ダイオード)により構成されており、発光部90Aはレンズ12A近傍に、発光部90Bはレンズ12Aとレンズ12Bの中間位置に、発光部90Cはレンズ12B近傍に、各々配設されている。
【0027】
また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)52Aと、電源スイッチ52Eと、が備えられている。
【0028】
なお、本実施の形態に係るレリーズボタン52Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。そして、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン52Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0029】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ70の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)30と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD30に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するために操作されるモード切替スイッチ52Bと、十字カーソルボタン52Cと、撮影時に被写体像のズーミング(拡大及び縮小)を行うときに操作されるズームスイッチ52Dと、が備えられている。
【0030】
なお、LCD30には、液晶表示部とバックライトとの間に、該バックライトからの光を部分的に遮る複数の遮光部が所定の間隔毎に設けられた視差バリアが備えられている。視差バリアはスイッチ液晶によって構成されており、オン/オフを切り替えることにより遮光部での遮光/透光が切り替えられる。これにより、立体画像の表示と通常画像の表示とを可能としており、LCD30に立体画像を表示する際には、視差バリアをオンすることによって光を部分的に分散させ、左目用、右目用の画像をそれぞれ左右の目に届くようにする。
【0031】
また、十字カーソルボタン52Cは、LCD30の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成されている。また、ズームスイッチ52Dは、同図の‘T’の位置に対応し、かつ被写体像を拡大するときに操作されるテレ・スイッチと、同図の‘W’の位置に対応し、かつ被写体像を縮小するときに操作されるワイド・スイッチと、により構成されている。
【0032】
一方、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られたデジタル画像データが記録可能な記録メディア(ここでは、当該デジタル画像データが画像ファイルとして記録される記録メディア。)を装着することができるスロットSLが設けられている。
【0033】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0034】
同図に示すように、デジタルカメラ10は、前述のレンズ12Aを含んで構成された光学ユニット13Aと、レンズ12Aの光軸後方に配設されたCCD(電荷結合素子)14Aと、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)16Aと、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)18Aと、を含んで構成された第1撮像系88Aを備えている。また、デジタルカメラ10は、前述のレンズ12Bを含んで構成された光学ユニット13Bと、レンズ12Bの光軸後方に配設されたCCD14Bと、CDS16Bと、ADC18Bと、を含んで構成された第2撮像系88Bを備えている。
【0035】
すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10は、互いに同様の構成とされた第1撮像系88A及び第2撮像系88Bの2つの撮像系を備えており、これらを用いることによって立体撮影を可能としている。なお、通常の2次元の撮影を行う際には、第1撮像系88A及び第2撮像系88Bの何れか一方が選択的に用いられる。
【0036】
第1撮像系88Aにおいて、CCD14Aの出力端はCDS16Aの入力端に、CDS16Aの出力端はADC18Aの入力端に、各々接続されている。同様に、第2撮像系88Bにおいても、CCD14Bの出力端はCDS16Bの入力端に、CDS16Bの出力端はADC18Bの入力端に、各々接続されている。
【0037】
ここで、CDS16A及びCDS16Bによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0038】
一方、デジタルカメラ10は、所定容量のラインバッファを内蔵すると共に入力されたデジタル画像データを後述する第2メモリ40の所定領域に直接記憶させる制御を行う画像入力コントローラ20と、デジタル画像データに対して各種画像処理を施す画像信号処理回路22と、第1撮像系88A及び第2撮像系88Bにより得られた2つのデジタル画像データに基づいて右目用の画像及び左目用の画像が合成された立体画像を示すデジタル画像データを生成する立体画像信号処理回路23と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた形式で伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路24と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD30に表示させるための信号を生成してLCD30に供給する一方、LCD30に表示させる画像を示す映像信号(本実施の形態では、NTSC信号。)を生成してビデオ出力端子OUTに出力するビデオ/LCDエンコーダ28と、を含んで構成されている。なお、画像入力コントローラ20の入力端はADC18A及びADC18Bの出力端に接続されている。
【0039】
また、デジタルカメラ10は、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央演算処理装置)32と、AF機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施の形態では、撮影に用いられているCCD14A及びCCD14Bの少なくとも一方による撮像によって得られた画像のコントラスト値。)を検出するAF検出回路34と、AE機能及びAWB(Automatic White Balance)機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施の形態では、撮影に用いられているCCD14A及びCCD14Bの少なくとも一方による撮像によって得られた画像の明るさを示す量(以下、「測光データ」という。)。)を検出するAE・AWB検出回路36と、CPU32による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成された第1メモリ38と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成された第2メモリ40と、を含んで構成されている。
【0040】
更に、デジタルカメラ10は、スロットSLに装着された記録メディア43をデジタルカメラ10でアクセス可能とするためのメディアコントローラ42と、スピーカ72と、スピーカ72によって外部に音声情報を出力するための処理を行う音声出力処理部46と、2系統設けられたマイク(ステレオマイク)とアンプ84を介して入力された音声情報を示すアナログ信号をデジタルカメラ10において取り扱うことのできるデジタル音声データに変換する等の処理を行う音声入力処理部82と、を含んで構成されている。
【0041】
以上の画像入力コントローラ20、画像信号処理回路22、立体画像信号処理回路23、圧縮・伸張処理回路24、ビデオ/LCDエンコーダ28、CPU32、AF検出回路34、AE・AWB検出回路36、第1メモリ38、第2メモリ40、メディアコントローラ42、音声出力処理部46、及び音声入力処理部82は、各々システムバスBUSを介して相互に接続されている。
【0042】
従って、CPU32は、画像入力コントローラ20、画像信号処理回路22、立体画像信号処理回路23、圧縮・伸張処理回路24、及びビデオ/LCDエンコーダ28の各々の作動の制御と、AF検出回路34及びAE・AWB検出回路36により検出された物理量の取得と、第1メモリ38、第2メモリ40、及び記録メディア43へのアクセスと、音声出力処理部46を介したスピーカ72による音声情報の出力と、マイク、アンプ84及び音声入力処理部82を介した音声情報の入力と、を各々行うことができる。
【0043】
なお、LCD30に設けられた視差バリアはCPU32に接続(接続線は図示省略。)されており、視差バリアのオン/オフはCPU32により切り替えが行われる。
【0044】
一方、第1撮像系88Aには、主としてCCD14Aを駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD14Aに供給するタイミングジェネレータ48Aが設けられており、当該タイミングジェネレータ48Aの入力端はCPU32に、出力端はCCD14Aに、各々接続されており、CCD14Aの駆動は、CPU32によりタイミングジェネレータ48Aを介して制御される。
【0045】
更に、CPU32は第1撮像系88Aに設けられたモータ駆動部50Aの入力端に接続され、モータ駆動部50Aの出力端は光学ユニット13Aに備えられた焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータに接続されている。
【0046】
本実施の形態に係る光学ユニット13Aに含まれるレンズ12Aは複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは各々CPU32の制御下でモータ駆動部50Aから供給された駆動信号によって駆動される。
【0047】
CPU32は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御して光学ユニット13Aに含まれるレンズの焦点距離を変化させる。
【0048】
また、CPU32は、CCD14Aによる撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
【0049】
なお、第2撮像系88Bにも、第1撮像系88Aのものと同一の構成とされたタイミングジェネレータ48B及びモータ駆動部50Bが備えられており、第1撮像系88Aと同様に、これらを介してCPU32により、CCD14Bの駆動と、光学ユニット13Bに備えられた不図示のレンズ駆動機構に含まれる焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動と、が制御される。
【0050】
更に、前述のレリーズボタン52A、モード切替スイッチ52B、十字カーソルボタン52C、ズームスイッチ52D、及び電源スイッチ52Eの各種ボタン類及びスイッチ類(図2では、「操作部52」と総称。)はCPU32に接続されており、CPU32は、これらのボタン類及びスイッチ類に対する操作状態を常時把握できる。
【0051】
また、デジタルカメラ10には、発光部90の発光を制御するための発光制御部92が備えられており、発光制御部92は、CPU32による制御の下に、立体撮影を行うのか、通常撮影を行うのかに応じて、発光部90A、90B、90Cの発光状態を切り替える。
【0052】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、電源回路54と電池56が備えられており、電源回路54は、CPU32による制御の下に、電池56から入力された電力に基づいて適切な作動用の電力を生成して各部に供給する。なお、錯綜を回避するために、同図では、電源回路54から電力が供給される各部への接続線の図示を省略している。
【0053】
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、クロックジェネレータ80が備えられており、クロックジェネレータ80は、CPU32による制御の下に適切なクロック信号を生成して各部に供給する。なお、錯綜を回避するために、同図では、クロックジェネレータ80からクロック信号が供給される各部への接続線の図示を省略している。
【0054】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。まず、立体撮影時におけるデジタルカメラ10の全体的な動作の概要を説明する。
【0055】
第1撮像系88Aにおいて、光学ユニット13Aを介した撮像によってCCD14Aから出力された被写体像を示す信号が順次CDS16Aに入力されて相関二重サンプリング処理が施された後にADC18Aに入力され、ADC18Aは、CDS16Aから入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)のアナログ画像信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換して画像入力コントローラ20に出力する。
【0056】
これに並行して、第2撮像系88Bにおいても、光学ユニット13Bを介した撮像によってCCD14Bから出力された被写体像を示す信号が順次CDS16Bに入力されて相関二重サンプリング処理が施された後にADC18Bに入力され、ADC18Bは、CDS16Bから入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換して画像入力コントローラ20に出力する。
【0057】
画像入力コントローラ20は内蔵しているラインバッファにADC18A及びADC18Bから順次入力される2画像分のデジタル画像データを蓄積して一旦第2メモリ40の所定領域に格納する。
【0058】
第2メモリ40の所定領域に格納された2画像分のデジタル画像データは、CPU32による制御下で画像信号処理回路22によって読み出され、これらにAE・AWB検出回路36により検出された物理量(測光データ)に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、これら2画像分のYC信号を立体画像信号処理回路23により合成して立体画像を示すYC信号を生成し、当該YC信号を第2メモリ40の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0059】
ここで、立体画像信号処理回路23では、第1撮像系88A及び第2撮像系88Bにより得られたYC信号を、それぞれ右目用、左目用の画像を示すYC信号として認識し、これら2画像分のYC信号に基づいて、上記右目用、左目用の画像がLCD30の視差バリアにおける遮光部の配設間隔に応じた幅で交互に配列された状態の立体画像を示すYC信号を合成により生成する。
【0060】
なお、LCD30は、各撮像系による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD30をファインダとして使用する場合には、第2メモリの所定領域に格納された立体画像を示すYC信号を、ビデオ/LCDエンコーダ28を介して順次LCD30に出力する。これによってLCD30にスルー画像が表示されることになる。このとき、CPU32は、LCD30における視差バリアをオンするように制御する。
【0061】
ここで、レリーズボタン52Aがユーザによって全押し状態とされたときには、その時点で第2メモリ40に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路24によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後にメディアコントローラ42を介して記録メディア43に記録する。
【0062】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、ユーザによるモード切替スイッチ52Bの操作により撮影モードが選択されると、以上のような立体撮影時の動作も含まれる撮影処理を実行する。
【0063】
図3は、このときCPU32において実行される撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、以下、同図を参照して本実施の形態に係る撮影処理について説明する。
【0064】
なお、本実施の形態では、LCD30に表示される不図示のメニュー画面からデジタルカメラ10の動作状態を設定するための項目が選択されることにより、デジタルカメラ10で取扱う画像の種類に関するモード(立体モード又は通常モード)が予め選択されているものとして説明する。
【0065】
ステップ100では、上記デジタルカメラ10で取扱う画像の種類に関するモードとして立体モードが選択されているか否かを判定する。当該判定が肯定判定である場合は、ステップ102に移行し、LCD30における視差バリアをオンすると共に、第1撮像系88A及び第2撮像系88Bを駆動可能として、撮影により立体画像を取得する立体撮影モードを設定し、その後にステップ106に移行する。
【0066】
一方、ステップ100で否定判定となった場合は、ステップ104に移行して、LCD30における視差バリアをオフすると共に、予め定められた撮像系(本実施の形態では第1撮像系88Aとする。)のみを駆動可能として、撮影により通常の2次元画像の取得する通常撮影モードを設定し、その後にステップ106に移行する。
【0067】
なお、ステップ102及びステップ104において実行される各撮影モードの設定には、上述したLCD30における視差バリアのオン/オフ設定及び第1撮像系88A及び第2撮像系88Bに対する駆動設定の他、立体画像信号処理回路を含む各種処理回路に対する設定等が含まれる。
【0068】
次のステップ106では、ユーザによりレリーズボタン52Aが半押し状態とされたか否かを判定し、ステップ106が肯定判定となると、ステップ107に移行して、AE機能及びAF機能によりそれぞれ露出状態及び合焦状態の設定を行なう。
【0069】
ここで、デジタルカメラ10では、撮影時に発光部90の発光状態により被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するようにしており、この発光部90の発光状態は上述したデジタルカメラ10で取扱う画像の種類に関するモードによって異なる。
【0070】
そこで、次のステップ108では、立体撮影モードか否かを判定しており、当該判定が肯定判定となった場合はステップ110に移行して、発光制御部92を介して発光部90の発光状態を立体撮影に応じた発光状態とし、ステップ116に移行する。
【0071】
すなわち、立体撮影は第1撮像系88A及び第2撮像系88Bの双方により行なわれるため、発光制御部92では、レンズ12Aとレンズ12Bとの中間位置に配設された発光部90Bを発光させる。
【0072】
一方、ステップ108で否定判定となった場合は、ステップ112に移行して、発光制御部92を介して発光部90の発光状態を通常撮影に応じた発光状態とし、ステップ116に移行する。
【0073】
すなわち、通常撮影は第1撮像系88Aにより行なわれるため、発光制御部92では、レンズ12Aの近傍位置に配設された発光部90Aを発光させる。
【0074】
これにより、被写体が人である場合には、被写体は発光している発光部90近傍のレンズ12A又はレンズ12Bに視線を向ければよいことが把握できる。なお、発光部90Bが発光している場合には、被写体が発光部90B自体を見てもよい。
【0075】
次のステップ116では、ユーザによってレリーズボタン52Aが全押し状態とされたか否かを判定する。ステップ116の判定が否定判定となった場合はステップ118に移行して、レリーズボタン52Aが押圧状態から復帰されたか否かを判定し、当該判定が否定判定である場合は再びステップ116に戻る。また、ステップ118で肯定判定となった場合は、ステップ120に移行して、発光制御部92を介して発光させていた発光部90の発光を停止させ、その後に再びステップ106に戻る。
【0076】
一方、ステップ116で肯定判定となった場合は、記録メディア43に被写体像を示すYC信号を記録すべく、ステップ122に移行して、発光制御部92を介して発光させていた発光部90の発光を停止させ、その後にステップ124に移行して、第2のメモリの所定領域に格納された被写体像を示すYC信号を記録メディア43に記録する。
【0077】
これにより、発光部90の発光が停止された後に取得されている上記YC信号を記録メディア43に記録しているため、発光部90を発光させても当該撮影処理により得られた画像に影響が表われる恐れがない。
【0078】
次のステップ126では、撮影に関する全ての処理が終了したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となると、再びステップ106に戻る。
【0079】
なお、本撮影処理は、モード切替スイッチ52Bがユーザににより操作されることによりデジタルカメラ10の動作モードが再生モードとなった場合や、ユーザの操作により図示しないメニュー画面等の表示が指示された場合に終了する。
【0080】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10によれば、第1撮像系88A及び第2撮像系88Bのうち何れか一方により画像情報を取得する通常撮影又は第1撮像系88A及び第2撮像系の双方により画像情報を取得する立体撮影を実行する際に、実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するようにしているので、被写体に視線を向ける方向を容易に判断させることができる。
【0081】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10によれば、第1撮像系88Aにおける被写体像を結像させるためのレンズ12A近傍に設けられた発光部90A、レンズ12Aと第2撮像系88Bにおける被写体像を結像させるためのレンズ12Bの中間位置に設けられた発光部90B及びレンズ12B近傍に設けられた発光部90Cの発光状態により視線を向ける位置を報知するようにしているので、被写体が人である場合、発光している発光部90近傍のレンズ12A又は12Bに視線を向ければよいことが容易に把握でき、被写体の視線を自然な方向に向けて撮影できる。
【0082】
なお、本実施の形態では、通常撮影モードにおいて駆動する撮像系が予め定められているものとして説明したが、デジタルカメラ10の設定として、ユーザにより選択された撮像系を駆動するようにしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態では、発光部を3箇所に設けた構成にとして説明したが、予め通常撮影モードにおいて所定の撮像系のみを駆動するように設計されている場合等には、発光部90は2つのレンズの中間位置及び上記所定の撮像系に対応するレンズ近傍の2箇所だけ、又は上記撮像系に対応するレンズ近傍の1箇所だけに設けてもよい。
【0084】
さらに、本実施の形態では、立体画像の撮影時に2つのレンズの中間位置の発光部90Bを発光させる形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立体画像の撮影時に2つのレンズ近傍にそれぞれ設けられた発光部90A及び発光部90Cの双方を発光させてもよい。この場合、2つのレンズの中間位置の発光部90Bは設けなくてもよい。
【0085】
なお、本実施の形態では、発光部90A、90B、90Cをそれぞれ1個の発光素子により構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
例えば、一例として図4に示すように、レンズ12A及びレンズ12Bを囲むように複数の発光素子(例えば、LED。)がリング状に配設された発光部91A、91Cと、レンズ12Aとレンズ12Bの中間位置に配置された1個の発光素子により構成された91Bとにより構成してもよい。これにより、視線を向ける方向を被写体により容易に把握させることができる。
【0087】
また、本実施の形態では、CCD30の液晶表示部とバックライトとの間に、該バックライトからの光を部分的に遮る複数の遮光部が所定の間隔毎に設けられた視差バリアが備えられており、当該視差バリアのオン/オフにより立体画像及び通常画像を表示可能に構成した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立体画像及び通常画像を表示可能な構成であればよい。このような構成としては、例えば、液晶表示部の表示面に所定の間隔でレンチキュラーレンズを重ね、立体モードと通常モードとでレンチキュラーレンズと液晶表示部との間隔を変化させることにより立体画像及び通常画像を表示可能にする構成がある。
【0088】
なお、本実施の形態で説明したフローチャート(図3参照)の処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0089】
また、以上のデジタルカメラ10の構成(図1、図2及び図4参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0090】
例えば、本実施の形態では、立体画像信号処理回路23において、画像信号処理回路22により得られたYC信号を合成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、YC信号に変換される前のデジタル画像データ(R、G、Bのデータ)を合成する形態とすることもできる。この場合、立体画像信号処理回路23によって合成されたデジタル画像データを画像信号処理回路22によりYC信号に変換することになる。この場合にも、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る立体カメラによれば、第1の撮像手段及び第2の撮像手段のうち何れか一方により画像情報を取得する通常撮影又は第1の撮像手段及び第2の撮像手段の双方により画像情報を取得する立体撮影を実行する際に、実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するようにしているので、被写体に視線を向ける方向を容易に判断させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す外観図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図3】CPUが実行する撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】デジタルカメラの他の構成例を示す外観図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
12A レンズ(第1のレンズ)
12B レンズ(第2のレンズ)
32 CPU(撮影実行手段)
88A 第1撮像系(第1の撮像手段)
88B 第2撮像系(第2の撮像手段)
90、91 発光部(報知手段)
92 発光制御部
Claims (3)
- 所定間隔隔てて配設された第1の撮像手段及び第2の撮像手段によりそれぞれ被写体像を示す画像情報を取得し、当該画像情報を合成することにより立体画像を生成する立体カメラであって、
前記第1の撮像手段及び前記第2の撮像手段のうち何れか一方により前記画像情報を取得する通常撮影又は前記第1の撮像手段及び前記第2の撮像手段の双方により前記画像情報を取得する立体撮影を実行する撮影実行手段と、
前記撮影実行手段により実行される撮影の種類に応じて、被写体が人である場合に視線を向ける位置を報知するための報知手段と、
を備えた立体カメラ。 - 前記報知手段を、前記第1の撮像手段における前記被写体像を結像させるための第1のレンズ近傍、前記第2の撮像手段における前記被写体像を結像させるための第2のレンズ近傍及び前記第1のレンズと前記第2のレンズの中間位置と、の少なくとも1つに設けられた発光手段とした
請求項1に記載の立体カメラ。 - 前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの少なくとも一方の近傍に設けた発光手段を、当該レンズを囲むように発光するものとした
請求項1又は請求項2に記載の立体カメラ。
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