JP4646434B2 - パワーオンリセット回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーオンリセット回路に関し、更に詳しく言えば、電源電圧の立ち上がりが緩やかな場合でも、十分なリセットパルスが出力されるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパワーオンリセット回路の構成について図面を参照しながら説明する。
【0003】
ここで、上記パワーオンリセット回路は、電源投入時から一定期間、例えばメモリ内のデータをリセットするためのリセット信号を内部回路内に供給するためのものである。
【0004】
図5において、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間にコンデンサC1とNチャネル型MOSトランジスタM1が直列接続され、また、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間にPチャネル型MOSトランジスタM2とコンデンサC2が直列接続され、更に、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間にインバータIVが接続され、前記MOSトランジスタM1のゲートは、前記コンデンサC1と前記MOSトランジスタM1との接続点と、前記MOSトランジスタM2のゲートに接続され、前記MOSトランジスタM2と前記コンデンサC2との接続点は、前記インバータIVに接続されて、当該インバータIVからの出力が不図示の内部回路(マイコン側)に伝達される構成となっている。
【0005】
以下、上記パワーオンリセット回路の動作について説明すると、先ず電源が投入され、電源電圧VDDが印加されることで、インバータIVからHレベルが出力され、内部回路にリセット信号が供給される。
【0006】
そして、上記リセット信号の停止動作は以下のようになる。即ち、電源電圧VDDが印加された瞬間、図6に示すように、Aの電圧(コンデンサC1の接地電圧VSS側の電圧)は前記Nチャネル型MOSトランジスタM1のしきい値電圧以下であり、当該MOSトランジスタM1はオフしている。やがて、Aの電圧がしきい値電圧以上になると、前記MOSトランジスタM1がオンし、コンデンサC1の充電が開始される。
【0007】
次に、電源電圧VDDとAの電圧がVtp(Pチャネル型MOSトランジスタM2のしきい値電圧)となると、当該MOSトランジスタM2がオンし、Bの電圧(コンデンサC2の電源電圧VDD側の電圧)が徐々に上昇する。
【0008】
一方、Vt*(インバータの遷移電圧)は電源電圧VDDの1/2になるように設定されているため、電源電圧VDDと共に上昇する。そこで、Bの電圧がVt*以上になるとインバータIVの出力はLレベルとなり、内部回路へのリセット信号が停止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来のパワーオンリセット回路は、電源電圧VDDが緩やかに立ち上がるような際に、図4に×印で示すように、マイコンにリセットをかけられる電圧(図4に矢印で指し示すRC発振の発振開始電圧)以上のパルスを発生させることができない場合があった。
【0010】
このような不具合を解消するためには、前記コンデンサC1,C2の容量を大きくし、前記MOSトランジスタM1,M2のインピーダンスを高くしておく必要があった。
【0011】
しかしながら、上記コンデンサC1,C2の容量を大きくするか、上記MOSトランジスタM1,M2のインピーダンスを高くする場合、パターン面積が大きくなってしまうという問題がある。特に、コンデンサC1、MOSトランジスタM1のRC時定数が問題となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題に鑑み本発明のパワーオンリセット回路は、電源電圧と接地電圧との間に第1のコンデンサと第1のMOSトランジスタが直列接続され、電源電圧と接地電圧との間に第2のMOSトランジスタと第2のコンデンサが直列接続され、電源電圧と接地電圧との間にインバータが接続され、前記第1のMOSトランジスタのゲートが、前記第1のコンデンサと当該第1のMOSトランジスタとの接続点と前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続され、当該第2のMOSトランジスタと前記第2のコンデンサとの接続点が、前記インバータに接続されて成るものにおいて、前記第1のMOSトランジスタと前記第1のコンデンサとの間に第3のMOSトランジスタを直列接続し、当該第3のMOSトランジスタのゲートには電源電圧と接地電圧との間に直列接続された複数の抵抗の比から決まる分圧された電圧が印加されるように構成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記インバータの出力が、前記電源電圧もしくは接地電圧との間に接続された抵抗との間に直列接続された第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパワーオンリセット回路の一実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、従来構成と同等な構成については、重複した説明を避けるため、同符号を付して説明を簡略化する。
【0015】
ここで、本発明の特徴を為す回路構成は、図1に示すように第1のMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)M1と第1のコンデンサC1との間に第3のMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)M3を直列接続し、当該MOSトランジスタM3のゲートに印加されるゲート電圧を電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に直列接続された抵抗R1,R2の分圧で決めるようにしたことである。
【0016】
即ち、図1において、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に抵抗R1,R2、そして第4のMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)M4が直列接続されている。
【0017】
また、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に第1のコンデンサC1と第1の第1のMOSトランジスタM1が直列接続され、かつ当該第1のコンデンサC1とMOSトランジスタM1との間に第3のMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)M3が直列接続されている。尚、前記MOSトランジスタM3のゲートには、前記抵抗R1,R2の比により分圧された電圧が印加されている。
【0018】
更に、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に第2のMOSトランジスタ(Pチャネル型MOSトランジスタ)M2と第2のコンデンサC2が直列接続されている。尚、前記MOSトランジスタM2のゲートには、前記第1のコンデンサC1と第3のMOSトランジスタM3の接続点が接続されている。
【0019】
そして、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間にインバータIVが接続され、当該インバータIVからの出力が不図示の内部回路(マイコン側)に伝達され、メモリ内のデータの初期化が行われる構成となっている。
【0020】
上述したように本発明回路と従来回路との相違点は、上記第3のMOSトランジスタM3を準備したことである。そして、当該第3のMOSトランジスタM3がオンするためには、図2及び図3に示すように、Cの電圧(第1のMOSトランジスタM1のゲート電圧)とDの電圧(抵抗R1−抵抗R2間の電圧)との電圧差が当該第3のMOSトランジスタM3のしきい値電圧以上にならないとオンしない。
【0021】
そのため、コンデンサC1の充電が開始される時間を遅らせることができる。
従って、図4に○印で示すように本発明回路では、従来回路に比してより高い電源電圧レベル(VDD1<VDD2)を得ることができ、十分なリセットパルスを出力できる。
【0022】
また、前記Dの電圧は抵抗R1,R2の抵抗比を変えることによって調整でき、それによって、コンデンサC1に充電が開始される時間を遅らせることができる。
【0023】
更に、前記インバータIVからの出力は、前記第4のMOSトランジスタ(Nチャネル型MOSトランジスタ)M4のゲートにも入力されるように構成されており、インバータIVからのLレベル出力により、当該第4のMOSトランジスタM4はオフされる。
【0024】
そして、上記したように本発明回路を実現するにあたって、従来の回路構成に抵抗R1,R2及びMOSトランジスタM3,M4を追加するだけで可能となりいたずらにパターン面積が増大することはない。
【0025】
このように本発明では、上記MOSトランジスタM3のインピーダンスをサイズだけでなく、上記抵抗R1,R2の比で変更可能にしたことで、電源電圧VDDの立ち上がりが緩やかな場合でも、十分なリセットパルスを出力することができる。そして、上記回路構成を採用することで、容易に高いインピーダンスのトランジスタをつくることができるようになり、いたずらにパターン面積の増大化を招くことがない。
【0026】
また、リセットパルスが出ていない時には、前記接地電圧VSSと抵抗R2との間に直列接続され、インバータからのLレベルの信号がゲート入力されるMOSトランジスタM4がオフし、電流が流れないように構成している。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、電源電圧の立ち上がりが緩やかな場合でも、十分なリセットパルスを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のパワーオンリセット回路を説明するための回路図である。
【図2】本発明の一実施形態のパワーオンリセット回路を説明するための特性図である。
【図3】本発明の一実施形態のパワーオンリセット回路を説明するための特性図である。
【図4】本発明の一実施形態のパワーオンリセット回路を説明するための特性図である。
【図5】従来のパワーオンリセット回路を説明するための回路図である。
【図6】従来のパワーオンリセット回路を説明するための特性図である。
【符号の説明】
M1 第1のMOSトランジスタ
M2 第2のMOSトランジスタ
M3 第3のMOSトランジスタ
M4 第4のMOSトランジスタ
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
IV インバータ
Claims (1)
- 電源電圧と接地電圧との間に第1のコンデンサと第1のMOSトランジスタが直列接続され、電源電圧と接地電圧との間に第2のMOSトランジスタと第2のコンデンサが直列接続され、電源電圧と接地電圧との間にインバータが接続され、前記第1のMOSトランジスタのゲートが、前記第1のコンデンサと当該第1のMOSトランジスタとの接続点と前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続され、当該第2のMOSトランジスタと前記第2のコンデンサとの接続点が、前記インバータに接続されて成るパワーオンリセット回路において、
前記第1のMOSトランジスタと前記第1のコンデンサとの間に第3のMOSトランジスタを直列接続し、当該第3のMOSトランジスタのゲートには電源電圧と接地電圧との間に直列接続された複数の抵抗の比から決まる分圧された電圧が印加され、
かつ、前記インバータの出力が、前記電源電圧もしくは接地電圧との間に接続された抵抗との間に直列接続された第4のMOSトランジスタのゲートに印加されるように構成したことを特徴とするパワーオンリセット回路。
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- 2001-05-10 JP JP2001139531A patent/JP4646434B2/ja not_active Expired - Fee Related
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