JP4645770B2 - 光学ドライブ装置 - Google Patents
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Description
本発明は光学ドライブ装置に関し、特にトラッキングサーボを行う光学ドライブ装置に関する。
光ディスクのトラッキングサーボの具体的方法として、差動プッシュプル法(DPP法)と位相差検出法(DPD法)が知られている。DPP法は、光ディスクの表面に設けられたランドとグルーブの間の段差での回折を利用するもので、ランド又はグルーブの中心に光ビームの焦点を合わせることが可能になる。一方、DPD法は、記録層に記録されている符号(ピットまたは記録マーク)による回折を利用するもので、符号列の中心に光ビームの焦点を合わせることが可能になる。
DPP法では対物レンズのレンズシフトによるオフセットが生ずるため、これをキャンセルするために、光ビームを0次回折光及び±1次回折光に3分割して利用する3ビーム法が用いられる。一方、DPD法では、位相差を検出して制御を行うため、対物レンズのレンズシフトによるオフセットはほとんど問題とならず、1ビーム法が用いられる。
ROMや記録済の記録用光ディスクを再生する場合、記録層にすでに符号が記録されていることから、少なくとも記録領域においては、DPD法によるトラッキングサーボを行うことが可能である(例えば特許文献1,2を参照。)。ただし、DPD法は未記録領域では使えず、再生時であっても光ビームの照射位置が未記録領域を跨ぐ場合もあるので、従来、ランドグルーブのある光ディスクを再生する場合にはDPP法が用いられる。
しかしながら、DPP法には迷光(記録面以外での反射光。光ディスクが多層ディスクである場合には、アクセス対象層以外での反射光を含む。)の影響を強く受けるという難がある。これは、信号光の強度が比較的弱い±1次回折光を用いるためである。これに対し、±1次回折光を用いないDPD法は迷光の影響を受けにくいことから、可能な限りDPD法を使うことが好ましい。そこで、原則としてDPD法を用い、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合にDPP法に切り替えるようにすることが望まれる。
特許文献1,2には、記録領域ではDPD法を用い、未記録領域ではDPP法を用いる技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術は、未記録領域を跨ぐトラックジャンプの際にDPP法を用いるようにするための技術であり、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態(トラッキングサーボオンとなりトラック中心にくるように制御されている状態)を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かったとしても、DPP法に切り替わることはなく、DPD法によるトラッキング誤差信号生成が継続される。このため、オントラック状態を維持できなくなってしまう場合がある。以下、詳しく説明する。
特許文献1の[0023]段落に開示される技術は、トラックジャンプ時の振幅の大きさによりDPD法とDPP法とを切り替えるものである。したがって、DPD法とDPP法の切り替えはトラックジャンプ時のみに行うことができ、基本的にトラッキング誤差信号に振幅が発生しないオントラック状態では、DPD法とDPP法とを切り替えることはできない。
特許文献2の[0045]段落及び図5に開示される技術は、トラックジャンプを行う際、光ディスクの特定エリアに記録されている編集情報(データの記録や削除に応じて保存される情報)を参照して未記録エリアを跨ぐことになるか否かを判定し、その結果に応じてDPD法とDPP法とを切り替えるものである。オントラック状態でのDPD法とDPP法との切り替えについては記載されていない。
したがって、本発明の目的の一つは、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合に、DPP法によるトラッキングサーボに切り替えることのできる光学ドライブ装置を提供することにある。
また、光ディスクが多層ディスクである場合、迷光にアクセス対象層以外の層からの反射光が含まれることから、単層ディスクである場合に比べて特に迷光強度が強く、±1次回折光を用いるDPP法では複雑な迷光対策が必要となる。
したがって、本発明の他の目的の一つは、ランドグルーブを有する多層ディスクのトラッキングサーボにおいて、複雑な迷光対策を必要としない光学ドライブ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による光学ドライブ装置は、ランドグルーブを有する光ディスクを再生する光学ドライブ装置であって、前記光ディスクの記録面に対して光ビームを照射する光学系と、前記光ビームの前記記録面からの反射光を受光する光検出器と、前記光検出器の受光量に基づき、DPD法を用いて第1のトラッキング誤差信号を生成する第1のトラッキング誤差信号生成手段と、前記光検出器の受光量に基づき、DPP法を用いて第2のトラッキング誤差信号を生成する第2のトラッキング誤差信号生成手段と、前記第1及び第2のトラッキング誤差信号のうちのいずれか一方に基づいて前記光学系を制御するトラッキングサーボ手段と、前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定する判定手段とを備え、前記トラッキングサーボ手段は、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中の前記判定手段の判定結果に応じて、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合に、DPP法によるトラッキングサーボに切り替えることが可能になる。
上記光学ドライブ装置において、前記判定手段は、前記第2のトラッキング誤差信号が第1の所定範囲を超えて変化したか否かに応じて、前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定することとしてもよい。これによれば、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かったことを適切に判定できる。
この光学ドライブ装置においてさらに、前記トラッキングサーボ手段は、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定された場合に、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えるとともに、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記第2のトラッキング誤差信号が前記第1の所定範囲より狭い第2の所定範囲内に入ったか否かに応じて、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えることとしてもよい。また、前記光検出器の受光量に基づき、RF信号を生成するRF信号生成手段をさらに備え、前記判定手段は、前記RF信号に応じて、前記光ビームの照射位置が記録領域であると判定し、前記トラッキングサーボ手段は、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定された場合に、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えるとともに、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が記録領域であると判定された場合に、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えるとしてもよい。これらによれば、トラッキングサーボ手段は、未記録領域でも安定的に、制御の切り替えを行えるようになる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記光検出器の受光量に基づき、RF信号を生成するRF信号生成手段をさらに備え、前記判定手段は、前記RF信号に応じて、前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定することとしてもよい。これによっても、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かったことを適切に判定できる。
また、この光学ドライブ装置において、前記判定手段は、前記RF信号に応じて、前記光ビームの照射位置が未記録領域であるか記録領域であるかを判定し、前記トラッキングサーボ手段は、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定された場合に、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えるとともに、前記第2のトラッキング誤差信号に基づく制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が記録領域であると判定された場合に、前記第1のトラッキング誤差信号に基づく制御に切り替えることとしてもよい。
本発明の他の一側面による光学ドライブ装置は、ランドグルーブを有する多層ディスクを再生する光学ドライブ装置であって、前記多層ディスクの記録面に対して光ビームを照射する光学系と、前記光ビームの前記記録面からの反射光を受光する光検出器と、前記光検出器の受光量に基づき、DPD法を用いてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号に基づいて前記光学系を制御するトラッキングサーボ手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ランドグルーブを有する多層ディスクのトラッキングサーボにおいてDPP法ではなくDPD法を用いるので、複雑な迷光対策が不要となる。
本発明によれば、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合に、DPP法によるトラッキングサーボに切り替えることが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学ドライブ装置1の模式図である。
光学ドライブ装置1は光ディスク11の再生及び記録を行う。光ディスク11としてはCD、DVD、BD等の各種光記録媒体を用いることができるが、本実施の形態では特に、多層膜によって多層化された記録面を有する円盤状の光ディスクを用いる。また、光ディスクには、再生専用型(DVD−ROM、BD−ROMなど。)、追記型(DVD−R、DVD+R、BD−Rなど。)、書換型(DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、BD−REなど。)など、記録方法によって分類されるいくつかの種類があるが、本実施の形態では追記型又は書換型を用いる。
図2(a)は、光ディスク11の1つの記録層の平面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A’線におけるこの記録層の断面図を示している。
図2に示すように、記録層には周期的に溝が設けられており、溝の凸部はランドL、凹部はグルーブGと呼ばれる。ただし、溝の凸部と凹部は相対的なものであり、凸部と凹部のいずれをランドLと呼ぶかについては、光ディスク11の表面・裏面のいずれを下とするかによって変わってくる。なお、図2ではランドLとグルーブGを直線的に描いているが、実際には、半径方向にわずかに蛇行(ウォブル)している。
図2の例ではランドLが情報書込ラインであり、ランドLに情報を記憶するための符号(ピットまたは記録マーク)Mが設けられる。なお、なお、図2では、符号Mの横幅がランドの幅に比べてかなり小さいように描いているが、これは図面の見易さを優先したためであり、実際の符号Mの横幅はランドの幅より少し小さい程度である。符号Mは、光ビームの照射によって記録又は消去される。光ディスク11の記録層の未記録領域は、この符号Mが記録されていない領域である。一方、記録領域は、符号Mが記録されている領域である。なお、情報書込ラインは、グルーブGに設けられる場合もあれば、ランドLとグルーブGの両方に設けられる場合もある。
図1に戻る。図1に示すように、光学ドライブ装置1は、レーザ光源2、光学系3、光検出器5、及び処理部6を備えて構成される。これらのうち、レーザ光源2、光学系3、及び光検出器5は光ピックアップを構成する。
光学系3は、回折格子21、ビームスプリッタ22、コリメータレンズ23、1/4波長板24、センサレンズ(シリンドリカルレンズ)25、及び対物レンズ4を有している。光学系3は、レーザ光源2が発した光ビームを光ディスク11に導く往路光学系として機能するとともに、光ディスク11からの戻りビームを光検出器5に導く復路光学系としても機能する。
まず、往路光学系では、回折格子21は、レーザ光源2が発した光ビームを3ビーム(0次回折光及び±1次回折光)に分解しP偏光としてビームスプリッタ22に入射させる。ビームスプリッタ22は、入射されたP偏光を反射して、その進路を光ディスク11方向に折り曲げる。コリメータレンズ23は、ビームスプリッタ22から入射される光ビームを平行光とする。1/4波長板24は、コリメータレンズ23を通過した光ビームを円偏光とする。1/4波長板24を通過した光ビームは対物レンズ4に入射する。
対物レンズ4は、1/4波長板24から入射される光ビーム(平行光状態の光ビーム)を光ディスク11上に集光させるとともに、光ディスク11の記録面で反射してきた戻り光ビームを平行光に戻す。この戻り光ビームは記録面のランド・グループで回折されており、0次回折光及び±1次回折光に分解されている。この0次回折光及び±1次回折光は、回折格子21により生ずる0次回折光及び±1次回折光とは異なるもので、紛らわしいので、以下では回折格子21により分解された0次回折光,+1次回折光,−1次回折光をそれぞれメインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2と称し、0次回折光及び±1次回折光という場合には記録面のランド・グループでの回折によって生じた回折光を指すことにする。メインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2は、それぞれ独立して反射光を生ずる。
復路光学系では、対物レンズ4を通過し、1/4波長板24を往復することによりS偏光となった光ビームがコリメータレンズ23に入射する。コリメータレンズ23を通過した光ビームは、集光しつつビームスプリッタ22に入射する。ビームスプリッタ22は、入射してきた光ビームを透過してセンサレンズ25(シリンドリカルレンズ)に入射させる。センサレンズ25は、ビームスプリッタ22から入射された光ビームに非点収差を付与する。非点収差を付与された光ビームは光検出器5に入射する。
図3はセンサレンズ25によって付与される非点収差の説明図である。同図に示すように、センサレンズ25は一方方向(同図MY軸方向=子線方向。)にのみレンズ効果を有している。そのため、コリメータレンズ23(図1)とセンサレンズ25によって構成される光学系の焦点の位置は、MY軸方向と、MY軸方向に垂直な方向であるMX軸方向(母線方向)とで異なっている(図3に示すMY軸焦点とMX軸焦点)。なお、MY軸方向とMX軸方向の光ビームの長さが等しい点を合焦点と称する。
光学ドライブ装置1では、焦点を合わせようとする層(アクセス対象層)で反射した光ビーム(信号光)の合掌点がちょうど光検出器5上に位置するようにするための、対物レンズ4の位置制御が行われる(フォーカスサーボ)。逆に言えば、アクセス対象層以外の層で反射した光ビーム(迷光)の合掌点は光検出器5上に位置しないこととなり、迷光が光検出器5上に形成するスポット(迷光スポット)は、信号光が光検出器5上に形成するスポット(信号光スポット)に比べ、MY軸方向とMX軸方向の少なくとも一方に広がった形状を有することとなる。
図1に戻る。光検出器5は、光学系3から出射される戻り光ビームの光路に交差する平面上に設置される。光検出器5は3つの受光面を備えており、各受光面はそれぞれ複数の受光領域に分割されている。光学ドライブ装置1では、これらの受光領域を適宜組み合わせて用いることで、フォーカス誤差信号FE、全加算信号(プルイン信号PI、RF信号RF)、トラッキング誤差信号TEDPD、TEDPPなどの各種信号を生成することが可能となっている。その具体的内容については後述する。
処理部6は、一例として多チャンネル分のアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換機能を備えたDSP(Digital Signal Processor)で構成されており、光検出器5の出力信号を受け付けて、フォーカス誤差信号FE、全加算信号(プルイン信号PI、RF信号RF)、トラッキング誤差信号TEDPD、TEDPPを生成する。処理部6の処理の詳細についても後述する。
CPU7はコンピュータやDVDレコーダー等に内臓される処理装置であり、図示しないインターフェイスを介し、処理部6に対して光ディスク11上のアクセス位置を特定するための指示信号を送信する。この指示信号を受信した処理部6は、対物レンズ4を制御し、光ディスク11の表面に平行に移動させる(この移動を「レンズシフト」という。)ことによりオントラック状態を実現する(トラッキングサーボ)。オントラック状態になると、CPU7は処理部6が生成するRF信号をデータ信号として取得する。
ここから、光検出器5の構成の詳細及び処理部6の処理の詳細について説明する。
図4は、本実施の形態による光検出器5の上面図である。同図には、信号光が受光面上に形成するスポットの例も示している。同図に示すX,Y方向はそれぞれ、光ディスク接線方向,光ディスク半径方向に対応している。
図4に示すように、光検出器5は、いずれも正方形の3つの受光面51〜53を備えている。このうち受光面51は、同一面積の4つの正方形(受光領域51A〜51D)に分割されている。また、受光面52及び53は、上下2つに同一面積で分割されている(受光領域52A,52B及び受光領域53A,53B)。受光面51〜53はそれぞれ、メインビームMB、サブビームSB1、及びサブビームSB2を受光できる位置に配置されている。
光ビームを受光した光検出器5は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光面で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、受光領域Xに対応する出力信号をIXと表す。
図5は、処理部6の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、処理部6はトラッキング誤差信号生成部61−1(第1のトラッキング誤差信号生成手段),トラッキング誤差信号生成部61−2(第2のトラッキング誤差信号生成手段)、トラッキングサーボ部62(トラッキングサーボ手段)、判定部63(判定手段)、全加算信号生成部64(RF信号生成手段)、フォーカス誤差信号生成部65、及びフォーカスサーボ部66を備えている。
トラッキング誤差信号生成部61−1は、光検出器5の出力信号に基づき、DPD法を用いてトラッキング誤差信号TEDPD(第1のトラッキング誤差信号)を生成する。以下、トラッキング誤差信号TEDPDの生成方法について詳しく説明する。
トラッキング誤差信号TEDPDの生成にあたり、トラッキング誤差信号生成部61−1は、光検出器5の出力信号から、2つの位相差信号S1p=P(I51A,I51B)とS2p=P(I51C,I51D)とを取得する。なお、P(X,Y)は信号Xと信号Yの位相差を示す関数である。そして、位相差信号S1p,S2pを加算し、トラッキング誤差信号TEDPDとして出力する。
位相差信号S1p,S2pによって示される位相差は、光ビームが符号Mによって回折される結果として、記録面への入射光の焦点位置がトラックの中心にある状態では0となり、記録面への入射光の焦点位置がトラック中心から遠ざかるに連れて大きくなる。したがって、トラッキング誤差信号TEDPDにより示される位相差の合計がゼロとなるように対物レンズ4を制御することにより、オントラック状態を実現することが可能になる。
ただし、位相差信号S1p,S2pによって示される位相差は、オントラック状態である場合だけでなく、符号Mのない領域(未記録領域)に光ビームが照射される場合にも0となる。そのため、未記録領域では、DPD法によってオントラック状態を実現することはできない。
トラッキング誤差信号生成部61−2は、光検出器5の出力信号に基づき、DPP法を用いてトラッキング誤差信号TEDPP(第2のトラッキング誤差信号)を生成する。以下、トラッキング誤差信号TEDPPの生成方法について詳しく説明する。
トラッキング誤差信号TEDPPの生成では、トラッキング誤差信号生成部61−2は、次の式(1)により差動プッシュプル信号DPPを算出する。そして、この差動プッシュプル信号DPPを、トラッキング誤差信号TEDPPとして出力する。ただし、MPP,SPPはそれぞれメインプッシュプル信号,サブプッシュプル信号であり、それぞれ式(2),式(3)で表される。また、kは正の定数であり、メインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPそれぞれに生じたレンズシフトオフセット(上述したレンズシフトに伴って生ずるオフセット)を相殺するように決定される。
図4に示すように、各ビームMB,SB1,SB2は、プッシュプル領域P1及びP2を有している。これらは、上述した0次回折光と±1次回折光の干渉している領域であり、図4に示すように、メインビームMBとサブビームSB1,SB2とでは、プッシュプル領域P1とプッシュプル領域P2の位置関係が逆になっている。
プッシュプル領域P1及びP2の相対的な強度は、記録面への入射光の焦点位置の光ディスク半径方向への移動(すなわち、トラックを横切る方向への移動)に伴って変化する。記録面への入射光の焦点位置がトラックの中心にある場合、プッシュプル領域P1及びP2の強度は等しくなる。したがって、メインプッシュプル信号MPPの値は、記録面への入射光の焦点位置がトラックの中心にある状態では0となり、そうでない場合には0以外となる。サブプッシュプル信号SPPについても同様である。ただし、上述したように、メインビームMBとサブビームSB1,SB2とではプッシュプル領域P1とプッシュプル領域P2の位置関係が逆になっていることから、メインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPとでは位相が180°異なり、符号が逆になっている。そのため、式(1)で示される差動プッシュプル信号DPPの値も、記録面への入射光の焦点位置がトラックの中心にある状態では0となり、そうでない場合には0以外となることになり、トラッキング誤差信号TEDPPがゼロとなるように対物レンズ4を制御することにより、オントラック状態を実現することが可能になる。
トラッキングサーボ部62は、トラッキング誤差信号TEDPD及びTEDPPのうちのいずれか一方に基づいて、光学系3(より具体的には対物レンズ4)を制御する(トラッキングサーボ)。以下、トラッキング誤差信号TEDPDに基づいて光学系3を制御するモードをDPDモード、トラッキング誤差信号TEDPPに基づいて光学系3を制御するモードをDPPモードと称する。
トラッキングサーボ部62は、CPU7から上述した指示信号が入力されると、まず初めにDPDモードによりトラッキングサーボを開始し、オントラック状態を実現する。そしてDPDモードによるトラッキングサーボを行っている間に判定部63から光ビームの照射位置が未記録領域であるとの判定結果を通知されると、DPPモードに切り替えてトラッキングサーボを行う。逆に、DPPモードによるトラッキングサーボを行っている間に判定部63から光ビームの照射位置が記録領域であるとの判定結果を通知されると、DPDモードに切り替えてトラッキングサーボを行う。これらの切り替え処理については、後に判定部63の説明と併せて、より詳しく説明する。
判定部63は、光ビームの照射位置(焦点位置)がアクセス対象層内の未記録領域又は記録領域のいずれにあるかを判定する。具体的には、トラッキング誤差信号生成部61−2が生成するトラッキング誤差信号TEDPPを監視し、所定範囲を超えて変化したか否かに応じて、上記判定を行う。以下、詳しく説明する。
図6は、トラック中心付近を維持しながら再生を行う際の、トラッキング誤差信号TEDPD及びTEDPPの時間変化を示す図である。トラッキング誤差信号TEDPPの実線は本実施の形態によるモード切り替えを行った場合を示し、点線は本実施の形態によるDPPモードへの切り替えを行わない場合を示している。
焦点位置が記録領域内にあり、かつ焦点位置がトラック中心にある場合、トラッキング誤差信号TEDPDの値は0になる。一方、焦点位置がトラック中心から少しずれた位置にある場合には、トラッキング誤差信号TEDPDの値は0以外となる。したがって、トラッキングサーボ部62が、トラッキング誤差信号TEDPDの値が0となるように対物レンズ4の制御を行うことにより、適切にオントラック状態が実現される。これにより、図6に示すように、トラッキング誤差信号TEDPPの値も0を維持する。
一方、焦点位置が未記録領域内にある場合、光ビームの照射位置には符号Mがないので、焦点位置がトラックからずれてもトラッキング誤差信号TEDPDの値は0のままである。したがって、トラッキングサーボ部62がトラッキング誤差信号TEDPDに基づく制御を行っていると、光ビームの照射位置は次第にトラックからずれていく。このずれに伴い、トラッキング誤差信号TEDPPの値は、図6に示すように次第に0から遠ざかっていき、本実施の形態によるモード切り替えを行わなければ、最終的にはトラックジャンプ時と同様の振動を繰り返すようになる。
判定部63は、このようなトラッキング誤差信号TEDPPの値の変化を検出することにより、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域又は記録領域のいずれにあるかを判定する。つまり、判定部63は予め所定のしきい値Δ1,Δ2(0≦Δ2<Δ1)を記憶しており、トラッキングサーボ部62がトラッキング誤差信号TEDPDに基づく制御を実行中、トラッキング誤差信号TEDPPの値が−Δ1〜Δ1の範囲を超えた場合に、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域に入ったと判定する(判定部63がそのように判定するだけであり、未記録領域に入ったことが100%保証されるわけではない。)。逆に、−Δ2〜Δ2の範囲内に入った場合には、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の記録領域に入ったと判定する(判定部63がそのように判定するだけであり、記録領域に入ったことが100%保証されるわけではない。)。
判定部63は、以上の判定の結果をトラッキングサーボ部62に通知する。トラッキングサーボ部62は、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域に入ったとの判定結果を通知されると、DPDモードでのトラッキングサーボを中止し、DPPモードでのトラッキングサーボに切り替える。一方、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の記録領域に入ったとの判定結果が通知された場合には、DPPモードでのトラッキングサーボを中止し、DPDモードでのトラッキングサーボに切り替える。
図7は、判定部63の内部回路を具体的に示す図である。同図に示すように、判定部63はコンパレータ70,71及び出力信号生成部72を有している。コンパレータ70,71はそれぞれ2つの入力端子を有し、それぞれにトラッキング誤差信号TEDPP及び基準電位Vrefが入力される。基準電位Vrefは、光ビームの焦点位置がトラック中心にあるトラッキング誤差信号TEDPPの値が0である場合のトラッキング誤差信号TEDPPの電位であり、回路の動作点などを考慮して任意に決められる。即ち、トラッキング誤差信号TEDPPは基準電位Vref込みの値としている。出力信号生成部72は、コンパレータ70,71の各出力信号V1,V2を受け、出力信号VOUTを生成する。
図8は、トラック中心付近を維持しながら再生を行う際の信号V1,V2,及びVOUTの時間変化を、トラッキング誤差信号TEDPPの時間変化に並べて記載したものである。なお、図8での時間のスケールは、図6よりも短くしている。図8から理解されるように、コンパレータ70は、トラッキング誤差信号TEDPPの値が−Δ1〜Δ1の範囲内にある場合に信号V1の値をローとし、それ以外の場合に信号V1の値をハイとする。一方、コンパレータ71は、トラッキング誤差信号TEDPPの値が−Δ2〜Δ2の範囲内にある場合に信号V2の値をローとし、それ以外の場合に信号V2の値をハイとする。出力信号生成部72は、信号V1の立ち上がりで信号VOUTをハイとし、信号V2の立ち下がりで信号VOUTをローとする。判定部63は、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域又は記録領域のいずれにあるかの判定結果として、この信号VOUTを、トラッキングサーボ部62に通知する。
トラッキングサーボ部62は、出力信号VOUTに応じてモードの切り替えを行う。すなわち、VOUTがローの時はDPDモードとなり、ハイの時はDPPモードとなる。その結果、トラッキング誤差信号TEDPPは、図8に示すように変化する。
ここで注意しなければならないのは、光ビームの照射位置が未記録領域にある場合、図8に示すように、出力信号VOUTが激しく振動する信号となる点である。この振動のため、トラッキングサーボ部62が出力信号VOUTに敏感に反応してモードの切り替えを行うこととすると、未記録領域ではモード切り替えが多発し、トラッキングサーボが不安定になってしまうおそれがある。そこで、DPPモードからDPDモードへの切り替えの際には、ある程度の遅延を持って処理を行うようにすることが好ましい。具体的には、トラッキングサーボ部62において処理を遅延させることとしてもよいし、判定部63が判定結果の出力タイミングを遅らせることとしてもよい。
図9に、遅延処理の具体的な例を示す。図9は、図8と同様、トラック中心付近を維持しながら再生を行う際の信号V1,V2,及びVOUTの時間変化を、トラッキング誤差信号TEDPPの時間変化に並べて記載したものであるが、この例では、判定部63の出力信号生成部72により出力信号VOUTがローとされるタイミングを、信号V2の立ち下がり直後ではなく、信号V2の立ち下がりから所定の遅延時間dの経過後としている。例えば、遅延時間dは、トラッキング誤差信号TEDPPがゼロに戻る時間とする。この例によれば、図9に示すように、トラッキング誤差信号TEDPPの値がゼロ付近まで戻るようにすることができるため、出力信号VOUTの振動周期が長くなっている。したがって、DPDモードとDPPモードの切りかえの頻度を低減できるので、トラッキングサーボを比較的安定的に行うことが可能になっている。
以上説明したように、本実施の形態による光学ドライブ装置1によれば、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合に、DPP法によるトラッキングサーボに切り替えることが可能になる。
図5に戻る。全加算信号生成部64は、メインビームMBを受光するための受光面51を構成する各受光領域51A〜51Dの受光量に基づいて、RF信号RF及びプルイン信号PIを生成する。具体的には、次の式(4)の演算を行ってこれらの信号を生成する。式(4)から明らかなように、RF信号RFとプルイン信号PIとは同一の信号である。ただし、プルイン信号PIは通常、ローパスフィルタを通すことにより帯域制限がなされた状態で出力される。帯域制限をするのは、符号Mの有無に応じた変動やノイズを除去するためである。
プルイン信号PIはフォーカスサーボ部66において層認識のために用いられる信号である。つまり、プルイン信号PIは、光ビームの焦点位置が層間を移動する際、記録層の表面に焦点が合っているときに極大になるという性質を有している。そこで、フォーカスサーボ部66は、プルイン信号PIの値と所定のしきい値とを比較し、このしきい値より高くなっている部分を検出することで、光ビームの焦点位置が記録層近辺に合っていることを検出する。
RF信号RFは、データ信号としてCPU7に入力される。CPU7は、RF信号RFに基づいて光ディスク11に書き込まれている情報を取得する。
フォーカス誤差信号生成部65は、メインビームMBを受光するための受光面51を構成する各受光領域51A〜51Dの受光量に基づいて、フォーカス誤差信号FEを生成する。具体的には、次の式(5)の演算を行ってフォーカス誤差信号FEを生成する。
フォーカスサーボ部66は、対物レンズ4の位置を光ディスク11の記録面と垂直な方向に制御し、上記フォーカス誤差信号FEの値が0となるようにすることで、光ビームの焦点を記録層に合わせる(フォーカスサーボ)。
図10は、本発明の第2の実施の形態による光学ドライブ装置1の処理部6の機能ブロックを示す図である。本実施の形態による光学ドライブ装置1は、判定部63の処理が一部異なる点を除き、第1の実施の形態による光学ドライブ装置1と同様である。以下では、判定部63の処理のみに着目して説明する。
図10に示すように、本実施の形態による判定部63には、トラッキング誤差信号TEDPPではなく、RF信号RFが入力される。判定部63は、このRF信号RFに応じて、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域又は記録領域のいずれにあるかを検出する。以下、詳しく説明する。
図11は、トラック中心付近を維持しながら再生を行う際の、判定部63が利用する各種信号の時間変化を示す図である。
まず初めに、RF信号RFは、図11に示すように、記録領域では短い周期で激しく振動する信号である。この振動は符号Mによる反射率の変化に対応するものであるため、未記録領域ではRF信号RFの振動は生じない。図11には一例を示しているが、RF信号RFには、記録層の反射率不均一や共焦点クロストークによって変化するオフセットが現れる。また、RF信号RFの振幅も記録層の反射率不均一や共焦点クロストークによって変動し得る。そこで、判定部63はまず、RF信号RFの下値を揃えるためのボトムクランプ処理を行い、図11に示すクランプ信号RFCを得る。
クランプ信号RFCが得られたら、次に判定部63は、所定のドループレートでクランプ信号RFCの最大値を包絡してなるトップエンベ信号ENVを取得する。そして、このトップエンベ信号ENVを、予め記憶している所定のスライスレベルSLでスライスすることにより、スライス信号SSを取得する。なお、スライスレベルSLは、クランプ信号RFCの最大値と最小値の中間程度の値とすることが好ましい。
最後に、判定部63は、スライス信号SSに基づいて未記録領域検出信号NRを生成する。具体的には、スライス信号SSのハイが一定時間D以上継続した場合に未記録領域検出信号NRをハイとし、スライス信号SSがローが一定時間D以上継続した場合には未記録領域検出信号NRをローとすることにより、未記録領域検出信号NRを生成する。このように立ち上がり及び立ち下がりの遅延処理を行うのは、RF信号RFはノイズに大きく影響される性質を有するところ、ノイズによって誤った未記録領域又は記録領域の判定がなされてしまうことを防ぐためである。
未記録領域検出信号NRは、ローである場合に光ビームの照射位置がアクセス対象層内の記録領域に入ったことを示し、ハイである場合に光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域に入ったことを示す信号である。判定部63は、光ビームの照射位置がアクセス対象層内の未記録領域又は記録領域のいずれにあるかの判定結果として、この未記録領域検出信号NRを、トラッキングサーボ部62に通知する。トラッキングサーボ部62は、入力された未記録領域検出信号NRに応じて、モードの切り替えを行う。すなわち、トラッキングサーボ部62は、未記録領域検出信号NRがローのときにDPDモードとなり、ハイのときにDPPモードとなる。図11は、RF信号RFを処理することにより未記録領域検出信号NRを生成する一例である。
以上説明したように、本実施の形態による光学ドライブ装置1によっても、DPD法によるトラッキングサーボを行うことでオントラック状態を維持しながら再生を行っている際、光ビームの照射位置が未記録領域に差し掛かった場合に、DPP法によるトラッキングサーボに切り替えることが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、判定部63は、出力信号V1と未記録領域検出信号NRの両方を生成し、光ビームの照射位置が記録領域に入ったことの判定及び通知は未記録領域検出信号NRに基づいて行い、光ビームの照射位置が未記録領域に入ったことの判定及び通知は出力信号V1に基づいて行うこととしてもよい。上述したように、信号V1,V2を用いて生成した出力信号VOUTは、光ビームの照射位置が未記録領域にある場合、激しく振動する。そこで、DPPモードからDPDモードへの切り替えの際には、ある程度の遅延を持って処理を行うようにすることが好ましいと述べたが、この遅延は、出力信号V1に未記録領域検出信号NRを組み合わせることによっても実現できる。つまり、判定部63は、光ビームの照射位置が記録領域に入ったことの判定及び通知を未記録領域検出信号NRに基づいて行い、光ビームの照射位置が未記録領域に入ったことの判定及び通知を出力信号V1に基づいて行うこととすればよい。こうすることで、トラッキングサーボ部62は、未記録領域でも安定的に、モードの切り替えを行えるようになる。
図12は、判定部63が以上のような処理を行うと仮定し、図8や図9と同様に、トラック中心付近を維持しながら再生を行う際の信号V1,NR,及びVOUTの時間変化を、トラッキング誤差信号TEDPPの時間変化に並べて記載したものである。この例によれば、図12に示すように、出力信号VOUTの値は、光ビームの焦点位置が未記録領域に入って一旦ハイとなった後、未記録領域内にある間、ハイの状態で維持される。したがって、DPDモードとDPPモードの切り替えの頻度を大幅に低減できるので、トラッキングサーボをさらに安定的に行うことが可能になっている。
また、上記実施の形態で示した光検出器5の構成及び処理部6による差動プッシュプル信号DPPの算出式(1)は、最も基本的なものである。実際には、特に光ディスク11が多層ディスクである場合、迷光対策のために光検出器5の受光面に迷光を受光するための受光領域を設け、該受光領域の受光量にも基づいて差動プッシュプル信号DPPを算出することとしてもよい。こうすることで、迷光によりトラッキング誤差信号TEDPPに生ずるオフセットを軽減できる。
また、光ディスク11としてランドグループを有する多層ディスクのみを用いる場合、トラッキングサーボ部62は、記録領域では常にトラッキング誤差信号TEDPDに基づいて光学系3を制御することとしてもよい。こうすれば、ランドグルーブを有する多層ディスクのトラッキングサーボにおいてDPP法ではなくDPD法を用いるので、複雑な迷光対策が不要となる。
1 光学ドライブ装置
2 レーザ光源
3 光学系
4 対物レンズ
5 光検出器
6 処理部
11 光ディスク
21 回折格子
22 ビームスプリッタ
23 コリメータレンズ
24 1/4波長板
25 センサレンズ
51〜53 受光面
51A〜51D,52A,52B,53A,53B 受光領域
61−1,61−2 トラッキング誤差信号生成部
62 トラッキングサーボ部
63 判定部
64 全加算信号生成部
65 フォーカス誤差信号生成部
66 フォーカスサーボ部
70,71 コンパレータ
72 出力信号生成部
2 レーザ光源
3 光学系
4 対物レンズ
5 光検出器
6 処理部
11 光ディスク
21 回折格子
22 ビームスプリッタ
23 コリメータレンズ
24 1/4波長板
25 センサレンズ
51〜53 受光面
51A〜51D,52A,52B,53A,53B 受光領域
61−1,61−2 トラッキング誤差信号生成部
62 トラッキングサーボ部
63 判定部
64 全加算信号生成部
65 フォーカス誤差信号生成部
66 フォーカスサーボ部
70,71 コンパレータ
72 出力信号生成部
Claims (4)
- ランド及びグルーブを有する多層ディスクを再生する光学ドライブ装置であって、
前記多層ディスクの記録面に対して光ビームを照射する光学系と、
前記光ビームの前記記録面からの反射光を受光する光検出器と、
前記光検出器の受光量に基づき、DPD法を用いて第1のトラッキング誤差信号を生成する第1のトラッキング誤差信号生成手段と、
前記光検出器の受光量に基づき、DPP法を用いて第2のトラッキング誤差信号を生成する第2のトラッキング誤差信号生成手段と、
前記第1のトラッキング誤差信号に基づいて、前記光ビームの焦点が前記ランド又は前記グルーブに形成された符号列の中心に合うよう、前記光学系を制御するDPDモードと、前記第2のトラッキング誤差信号に基づいて、前記光ビームの焦点が前記ランド又は前記グルーブの中心に合うよう、前記光学系を制御するDPPモードとを有し、前記DPDモード及び前記DPPモードのいずれか一方により前記光学系を制御するトラッキングサーボ手段と、
前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定する判定手段とを備え、
前記トラッキングサーボ手段は、前記多層ディスクを再生する際、前記DPDモードによる制御を実行中の前記判定手段の判定結果に応じて、前記DPPモードによる制御に切り替える
ことを特徴とする光学ドライブ装置。 - 前記判定手段は、前記光ビームの照射位置が未記録領域であるか記録領域であるかを判定し、
前記トラッキングサーボ手段は、前記多層ディスクを再生する際、前記DPDモードによる制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定された場合に、前記DPPモードによる制御に切り替えるとともに、前記DPPモードによる制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が記録領域であると判定された場合に、前記DPDモードによる制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の光学ドライブ装置。 - 前記光検出器の受光量に基づき、RF信号を生成するRF信号生成手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記RF信号に応じて、前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定することを特徴とする請求項1に記載の光学ドライブ装置。 - 前記判定手段は、前記RF信号に応じて、前記光ビームの照射位置が未記録領域であるか記録領域であるかを判定し、
前記トラッキングサーボ手段は、前記多層ディスクを再生する際、前記DPDモードによる制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が未記録領域であると判定された場合に、前記DPPモードによる制御に切り替えるとともに、前記DPPモードによる制御を実行中に前記判定手段により前記光ビームの照射位置が記録領域であると判定された場合に、前記DPDモードによる制御に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の光学ドライブ装置。
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