JP4645478B2 - 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。 - Google Patents

多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP4645478B2
JP4645478B2 JP2006051421A JP2006051421A JP4645478B2 JP 4645478 B2 JP4645478 B2 JP 4645478B2 JP 2006051421 A JP2006051421 A JP 2006051421A JP 2006051421 A JP2006051421 A JP 2006051421A JP 4645478 B2 JP4645478 B2 JP 4645478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
auxiliary
shaft
link
cylinder
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006051421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007231751A (ja
Inventor
儀明 田中
克也 茂木
研史 牛嶋
俊一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006051421A priority Critical patent/JP4645478B2/ja
Publication of JP2007231751A publication Critical patent/JP2007231751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4645478B2 publication Critical patent/JP4645478B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

本発明は、多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構に関し、特に、複数の気筒の圧縮比のばらつきを低減・解消する技術に関する。
本出願人による特許文献1には、複リンク式ピストン−クランク機構(以下、複リンク機構と呼ぶ)及びこれを利用して機関圧縮比を可変とする技術が開示されている。簡単に説明すると、各気筒のピストンとクランクシャフトのクランクピンとをアッパリンクとロアリンクにより連係し、ロアリンクと補助シャフト(コントロールシャフト)とを補助リンク(コントロールリンク)により連係し、アクチュエータにより補助シャフトの回転位置を変更することによって、ピストン行程、ひいては機関圧縮比を変更する構成となっている。このような複リンク機構では、ピストンとクランクピンとを一本のリンク(コンロッド)により連係した一般的な単リンク式ピストン−クランク機構(以下、単リンク機構と呼ぶ)に比して、クランク角に対するピストンストローク特性の設定の自由度が高く、例えばピストン行程を単振動に近づけて、慣性荷重に起因する振動を抑制することが可能である。
特開2004−156538号公報
上記の補助シャフトは、クランクシャフトと同様に全気筒にわたって気筒列方向に延在し、補助リンクの一端に設けられた軸受部に回転可能に嵌合し、この補助リンクを揺動可能に支持する補助ジャーナル部(偏心カム部)が各気筒毎に設けられている。つまり、単一の補助シャフトによって、全ての気筒の補助リンクの一端を回転可能に支持する構成となっている。単一部材である補助シャフトにおける複数の補助ジャーナル部は、旋盤などで同時加工が可能なため、高精度な同軸度を確保することが可能である。従って、補助シャフトの補助ジャーナル部と補助リンクとの組付部分における位置精度については、気筒間でのばらつきを十分に抑制することが可能である。
ただし、上記のような複リンク機構においては、補助シャフトの補助ジャーナル部と補助リンクとの組付部分のみならず、ロアリンクがクランクピンに回転可能に軸支されている部分、アッパリンクとロアリンクとを回転可能に連結する部分、ピストンピンがアッパリンクに回転可能に嵌合する部分など、一般的な単リンク機構に比して、リンク連結部分が数多く存在することから、各部の寸法公差の累積増大は避けられず、これによって、複数の気筒間でのピストン上死点位置のばらつきを生じやすいという特有の課題が存在する。気筒間でのピストン上死点位置のばらつきにより、燃焼室容積ひいては機関圧縮比のばらつきを招き、気筒間での機関圧縮比のばらつきが大きくなると、機関運転中の筒内圧のアンバランスに起因する振動現象などが発生し、エンジンとしての商品性を阻害する要因となり得る。
従って、上記のような複リンク機構においては、複数の気筒間での圧縮比のばらつきを十分に小さなものとするために、各気筒のピストン上死点位置を精度良く調整することが要求される。各気筒のピストン上死点位置の調整手法として、一旦複リンク機構を構成する全ての部品を仮に組み立てた後に、ピストン上死点位置を測定し、この測定結果に応じて、ピストン高さ(コンプレッションハイト)が異なる数種類のピストンの中から適切なピストンを選択し、このピストンに組替えるという手法が考えられる。ピストン上死点位置の測定では、手回しなどによりクランクシャフトを回動させながら、各気筒のピストン上面とシリンダブロックデッキ面との面段差をダイヤルゲージなどで測定することが想定される。
しかしながら、複リンク機構を有するエンジンの組立て手順として、典型的には、先ずピストンとアッパリンクとロアリンクとを中間組立体として最初に組み立てておき、この中間組立体とクランクシャフトとをシリンダブロック側に組み付けた後に、補助リンクと補助シャフトを組み付ける順序となる。このため、上記のように仮組立後にピストンを交換する手法では、ピストン脱着のために、クランクシャフトを含めて複リンク機構を構成するほぼ全てを分解し、改めて適当なピストンを組み付けるという膨大な作業を要するため、作業効率の面で課題が残る。
上述したように、複リンク機構では、一般的な単リンク機構を有するレシプロエンジンと同様、エンジン上方のピストン側の部品からエンジン下方の部品の順で組み付ける手法が一般的である。従って、仮組立後の複リンク機構において、最初に分解を行うことが可能な部品は、補助リンクの一端を支持する補助シャフトである。つまり補助シャフトは、複リンク機構を構成する他の部品を分解することなく交換が可能である。本発明はこの点に着目してなされたものであって、気筒間の圧縮比のばらつきを解消するための機関圧縮比の調整作業の作業効率を大幅に向上することが可能な複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法を提供することを目的としている。
本発明では、クランクシャフトのクランクピンと各気筒のピストンとが複数のリンクで連係されるとともに、これら複数のリンクの一つと気筒列方向に沿って配置される補助シャフトとが補助リンクにより連係され、上記補助シャフトに、補助リンクの一端を揺動可能に支持する補助ジャーナル部が設けられている。そして、上記補助シャフトが、少なくとも一つの補助ジャーナル部を含む複数のシャフト分割部材に分割して構成されている。
この発明によれば、シャフト分割部材を含めたピストン−クランク機構の各部品を一旦組み立てた状態で、機関圧縮比に対応するピストン上死点位置を測定し、この測定結果に基づいて、補助ジャーナル部の位置関係が異なる数種類のシャフト分割部材の中から選択された適切なシャフト分割部材に組み替えることによって、各気筒のピストン上死点位置を適正なものとして、複数の気筒間での機関圧縮比のばらつきを精度良く解消することができる。
シャフト分割部材の組替の際には、複リンク式ピストン−クランク機構を構成する他の部品、つまりピストンやクランクシャフトの他、ピストンとクランクピンを連係する複数のリンクや上記の補助リンク等を分解する必要がないので、部品の交換により調整を行う手法の中では組替時の作業工数を最小限に抑制することができ、調整作業の作業効率を大幅に向上することができる。
図7及び図8は、多気筒内燃機関の機関圧縮比を変更可能な複リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に複リンク機構とも称する)10の基本構成を示している。なお、図7は、最高圧縮比の設定状態におけるピストン上死点近傍での状態を示している。
シリンダブロック11には、各気筒毎に円筒状のシリンダ12が形成されると共に、各シリンダ12の周囲に冷却用のウォータージャケット13が形成されている。各シリンダ12内にはピストン14が昇降可能に配設されており、各ピストン14のピストンピン15と、クランクシャフト18のクランクピン17とは、複リンク式ピストン−クランク機構10により機械的に連係されている。
上記の複リンク機構10は、クランクピン17に相対回転可能に取付けられたロアリンク21と、このロアリンク21とピストンピン15とを連係するアッパリンク22と、クランクシャフト18の斜め下方に配置されて、このクランクシャフト18と平行に気筒列方向へ延びる補助シャフト(制御軸)23と、この補助シャフト23に各気筒毎に偏心して設けられた複数の補助ジャーナル部(制御カム)24と、この補助ジャーナル部24とロアリンク21とを連係する補助リンク(制御リンク)25と、を有している。ロッド状をなすアッパリンク22の上端部はピストンピン15に相対回転可能に連結されており、下端部は連結ピン26を介してロアリンク21に相対回転可能に連結されている。補助リンク25の一端はロアリンク21に連結ピン38を介して相対回転可能に連結されており、補助リンク25の他端は、補助シャフト23の中心Qに対して偏心した円筒面をなす補助ジャーナル部24の外周に相対回転可能に取付けられている。そして、機関圧縮比を変更・保持するために、補助シャフト23を所定の制御範囲内で回転駆動すると共に、所定の回転位置に保持するためのアクチュエータ30が設けられている。
図8を参照して、補助シャフト23は、シリンダブロック11の下部に回転可能に支持された略棒状の軸部27と、軸部27の外周面から軸部27の半径方向外側に突出してアクチュエータシャフト32の一端に連結された連結部28と、から大略構成されている。軸部27は、シリンダブロック11のバルクヘッド及びこれに固定される主ベアリングキャップとにより回転可能に挟持される支持部29と、上述した補助ジャーナル部24とから大略構成されており、補助ジャーナル部24の回転中心Pは、支持部29の回転中心Qに対して偏心している。連結部28には一対のフランジ40が設けられ、これら一対のフランジ40,40には、補助シャフト23の半径方向に細長く延びるスリット37がそれぞれ形成されている。
アクチュエータ30は、ケーシング31内に進退可能に配設されるアクチュエータシャフト32と、このアクチュエータシャフト32の基端側(後端)の雄ねじ部33に螺合する雌ねじ部36が内周に形成された円筒部34と、を有している。この円筒部34がモータ等により軸回りに回転駆動されると、上記のねじ部33,36の噛み合い部分を介してアクチュエータシャフト32が補助シャフト23と直交する方向に沿って自身の長手方向(アクチュエータシャフト32軸方向)に沿って往復移動する。このアクチュエータシャフト32の円筒形状を成す一端(先端)には、棒状のピン35の中央部35aが回転可能に嵌合している。このピン35の両側の小径部35bを一対にフランジ40,40にそれぞれ形成された一対のスリット37,37に摺動可能に係合させることによって、アクチュエータシャフト32と補助シャフト23とが連結されている。なお、ピン35の小径部35bの直径はスリット37の摺動面37a間の幅とほぼ同等に設定されている。このアクチュエータ30の動作・作動は、制御部(エンジンコントロールユニット)1により機関運転状態に応じて制御される。
この機関圧縮比変更機能を備える複リンク機構10の動作について簡単に説明する。円筒部34が回転駆動されると、この円筒部34に螺合するアクチュエータシャフト32が往復動する。これにより、ピン35のスリット37内での摺動動作を伴いながら、連結部28を介して補助シャフト23が所定の方向に回転する。つまり、このアクチュエータ30は、不用意にアクチュエータシャフト32が往復移動することのないように、雄ねじ部33と雌ねじ部36の螺合部分を介してアクチュエータシャフト32の回転運動をアクチュエータシャフト32の往復運動に変換する構成となっている。そして機関運転状態に応じて補助シャフト23の回転角度を変更することにより、補助ジャーナル部24に外嵌する補助リンク25の揺動支点が変化し、この補助リンク25によるロアリンク21の運動拘束条件が変化する。これにより、ピストン14の上死点位置を含むピストンストローク特性の変化を伴って、ピストン14の上方に画成される燃焼室の機関圧縮比が変化することとなる。なお、この複リンク機構10においては、アクチュエータシャフト32が前進して補助シャフト23が図7の時計方向ωに回転すると圧縮比が連続的に低下し、アクチュエータシャフト32が後退して補助シャフト23が図7の反時計方向に回転すると圧縮比が連続的に増加するように設定されている。
このような複リンク機構10では、ピストン14とクランクピン17とが2つのリンク22,21で連係されているため、比較的簡素な構造であり、かつ、ピストンとクランクピンを一本のリンクにより連係する単リンク機構に比して、ピストンストローク特性の設定の自由度が高く、例えばその特性を単振動に近いものとして、慣性荷重に起因する振動を抑制することが可能である。また、ロアリンク21に補助リンク25が連結されている等の関係で、この補助リンク25や補助シャフト23を、比較的スペースに余裕のある機関下方側、つまりクランクシャフトの斜め下方部分へ配置することができ、機関搭載性に優れている。
図1及び図2は、本発明の第1実施例に係る直列4気筒内燃機関の補助シャフト50の支持構造を示している。補助シャフト50は、上述した図7及び図8における補助シャフト23に対応する部品ではあるが、この補助シャフト23とは異なり、各気筒に対応して複数つまり4つのシャフト分割部材51に軸方向に分割して構成されている。これらのシャフト分割部材51は、気筒列方向に沿って同一軸線上に配置されている。各シャフト分割部材51には、その軸方向略中央部に、各気筒の補助リンク25の一端に設けられた軸受部25A(図3参照)に回転可能に嵌合し、補助リンク25の一端を揺動可能に支持する補助ジャーナル部53が設けられているとともに、その軸方向両側の端部にフランジ状に径方向に張り出した支持部52が設けられている。そして、これら支持部52の部分で、シリンダブロック11側に支持されている。この実施例では、支持部52は断面円形であり、固定キャップ54及び固定ボルト55によって、シリンダブロック11側の取付部であるバルクヘッド56に堅牢に固定された、いわゆるプレスフィット構造となっている。つまり本実施例では機関運転中に機関圧縮比を変更する構成となっておらず、各シャフト分割部材51がシリンダブロック側に回転不能に堅牢に固定されている。上記のバルクヘッド56は、シリンダブロック11の気筒間位置でシリンダブロック11の両側壁に架け渡される気筒間隔壁である。
上記の固定部分では、隣り合う2つのシャフト分割部材51の対向する支持部52,52の間に、軸方向に所定の間隙57が確保されている。そして、この間隙57が、潤滑油を補助ジャーナル部53と補助リンク25との摺動部分等へ供給する潤滑油供給通路58の一部を構成している。この潤滑油供給通路58は、シリンダブロック11の側壁内を気筒列方向に延びるオイルメインギャラリ58Aと、バルクヘッド56内を延び、上記のオイルメインギャラリ58Aと間隙57とを連通するバルクヘッド内油路58Bと、シャフト分割部材51内に形成される軸方向油路58C及び径方向油路58Dと、を有している。図2に示すように、径方向油路58Dは補助ジャーナル部53内を径方向に延び、外周側で補助ジャーナル部53の外周摺動面に開口している。軸方向油路58Cはシャフト分割部材51の全長にわたって貫通形成されている。従って、潤滑油は、オイルメインギャラリ58A、バルクヘッド内油路58B、間隙57、軸方向油路58C及び径方向油路58Dを経て補助ジャーナル部53の軸受部分へ供給される。
なお、図1に示すように直列4気筒のエンジンにおいては、簡素な構成で効率良くオイルを供給するために、機関前方側より2番目と4番目のバルクヘッド56#2,56#4にのみ、バルクヘッド内油路58Bが形成されている。
図9は、比較例に係る上記補助シャフト23の支持構造を示している。この補助シャフト23は、図7及び図8を参照して上述した機関運転中に圧縮比を変更可能な機構に用いられるものであって、本実施例のように分割されておらずに一体的に形成されており、全気筒にわたって気筒列方向に延びている。この理由は、主として圧縮比可変動作を行うアクチュエータ30が単一であり、その連結部28も一つであるためである。このように補助シャフト23が複数の部材に分割されておらずに一体的に形成されていると、複数の補助ジャーナル部24の同軸度を確保し易い等のメリットがある反面、一体成形であるが故に、各気筒におけるピストン位置のばらつきを、本実施例のように補助シャフトの部分で調整・吸収することはできない。
また、この比較例では、支持部29がシリンダブロック側に回転可能に支持されており、その潤滑構造は、支持部29が実質的に潤滑油に浮動する、いわゆるフルフロート構造をなしている。なお、符号59は潤滑油溝58Eが形成された軸受メタルである。従って、潤滑油供給通路の一部として、補助シャフト23には、その軸方向油路58Cと支持部29の外周摺動面とをつなぐ径方向油路58Fを支持部29に形成する必要がある。このように機関の筒内圧に起因する荷重負荷が作用する支持部29に径方向油路58Fを形成すると、応力集中を招き易く、耐久性・信頼性を確保することが困難であり、また、十分な熱処理を施す必要が生じ、コストの増加を招いてしまう。
これに対して、図2に示す第1実施例では、比較例における径方向油路58Fとほぼ同じ位置に、隣り合うシャフト分割部材の支持部52,52の間に間隙57を形成し、この間隙57を潤滑油供給通路58の一部としている。従って本実施例では、比較例のように支持部の内部に径方向油路58Fを設ける必要がないので、このような径方向油路58Fに起因する応力集中を生じるおそれがなく、かつ、この間隙57が一定の容積を備える油溜まり室として機能するために、油ポンプより圧送された油の圧力脈動を抑制する効果も得られる。従って、安定的に補助ジャーナル部の摺動部分等へ潤滑油を供給することが可能である。
図3を参照して、補助リンク25のリンク連結間距離Lcと、ピストン14の位置、特に上死点位置と、の関係について説明する。上記の距離Lcは、補助リンク25の揺動支点となる補助シャフト50の補助ジャーナル部53の中心Pと、補助リンク25とロアリンク21との連結中心である接続ピン38の中心との距離に相当する。機関圧縮比εは、周知のように、ピストン上死点でのピストン14の冠面とシリンダヘッドSHの下面との間に画成される燃焼室容積Vcと、ピストン14の上下方向のストローク長さとシリンダ12のボア径とに基づく行程容積Vhと、に基づいて、下記の式(1)により求められる。
ε=1+(Vh/Vc)…(1)
行程容積Vhが一定であるとすると、機関圧縮比εは燃焼室容積Vcの大小で一義的に決まる値である。つまり、行程容積Vhがほぼ一定であれば、機関圧縮比εは燃焼室容積Vcに応じて増減する。この燃焼室容積Vcは、シリンダヘッドSHが固定されるシリンダブロック11の上面つまりブロックデッキ面と、ピストン上死点でのピストン冠面と、の距離Scに実質的に比例する。従って、各気筒の圧縮比εの測定の実作業として、典型的には、燃焼室容積Vcをその都度測定するのではなく、複リンク機構を構成する全ての部品を予め仮に組み立てた状態で、上記の距離Scがダイヤルゲージ等を用いて測定される。
距離Scは、ロアリンク21のクランクピン17回りの回転位置に応じて変化し、このロアリンク21の回転位置は、補助リンク25の姿勢、つまりはその揺動支点となる補助ジャーナル部53(の中心P)の位置に応じて変化する。従って、本実施例では、シリンダブロック側に固定される支持部52の位置に対する補助ジャーナル部53の位置関係が異なる数種類のシャフト分割部材51を予め準備しておき、上記の測定結果に応じて、適切なシャフト分割部材に組み替えることによって、気筒間の距離Scの調整を行うようにしている。これにより、各気筒の圧縮比を適正化し、気筒間の圧縮比のばらつきを精度良く低減・解消することができる。なお、上記の距離Scに対する適切なシャフト分割部材の組合せ・適合は、例えば予め算出した適合表に基づいて行うことができる。
図4(A),(B)は、補助ジャーナル部53と支持部52との位置関係が異なるシャフト分割部材51A,51Bの例を示している。この第1実施例では、シリンダブロック11側へ固定される支持部52が断面円形をなし、補助リンク25の揺動支点となる補助ジャーナル部53の中心Pが支持部52の中心Qに対して偏心している。なお、図4では明瞭化のために中心Pと中心Qとの調整距離ΔLdを大幅に広げて図示している。実際の調整距離ΔLdとしては数10μmレベルの差のものを想定している。
図4(A)に示す第1シャフト分割部材51Aでは、組付状態でのピストン上死点位置におけるクランク角度で、補助ジャーナル部53の中心Pが、支持部52の中心Qに対し、接続ピン38に近づく方向F1に所定量ΔLdだけオフセットしている。図4(B)に示す第2シャフト分割部材51Bでは、同じく組付状態でのピストン上死点位置におけるクランク角度で、補助ジャーナル部53の中心Pが、支持部52の中心Qに対し、接続ピン38から遠ざかる方向に所定量ΔLdだけオフセットしている。従って、例えば第2シャフト分割部材51Bから第1シャフト分割部材51Aへ組み替えた場合、両者の偏差量ΔLd×2の分、上記の距離Lcが実質的に増加する形となり、ロアリンク21が図3の反時計方向に回転して、上記の距離Scが長くなり、圧縮比が低下することとなる。
なお、上記第1実施例のように支持部52が断面円形である場合、支持部52の組付角度によって機関圧縮比が変化してしまう。従って、実作業においては、支持部52を所定の組付角度で固定できるようにマーキングなどを施す必要がある。
以上のように本実施例では、クランクシャフト18のクランクピン17と各気筒のピストン14とが複数のリンク21,22で連係されるとともに、これら複数のリンク21,22の一つであるロアリンク21と気筒列方向に沿って配置される補助シャフト50とが補助リンク25により連係され、上記補助シャフト50に、補助リンク25の一端を揺動可能に支持する複数の補助ジャーナル部53が設けられている。そして、上記補助シャフト50が、少なくとも一つの補助ジャーナル部53を含む複数のシャフト分割部材51に分割して構成されている。
従って、上記のピストン14,クランクシャフト18及びシャフト分割部材51を含めた複リンク機構10の各部品を一旦組み立てた状態で、機関圧縮比に対応するピストン上死点位置を測定し、この測定結果に基づいて、補助ジャーナル部53の位置関係が異なる数種類のシャフト分割部材の中から選択された適切なシャフト分割部材に組み替えることによって、各気筒のピストン上死点位置を適正なものとして、複数の気筒間での機関圧縮比のばらつきを精度良く解消することができる。
シャフト分割部材の組替の際には、複リンク機構を構成する他の部品、つまりピストン14やクランクシャフト18の他、ピストン14とクランクピン17を連係する複数のリンク21,22や上記の補助リンク25等を分解する必要がないので、部品の交換により調整を行う手法の中では組替時の作業工数を最小限に抑制することができ、調整作業の作業効率を大幅に向上することができる。
更に本実施例では、シャフト分割部材51の軸方向両端に支持部52が設けられ、隣り合う2つのシャフト分割部材51の支持部52が、軸方向に所定の間隙57を確保した状態で、シリンダブロック11側に支持されている。そして、この間隙57が、補助ジャーナル部53の摺動部分へ潤滑油を供給する潤滑油供給通路58の一部を構成している。このような構成により、上述したように支持部に応力集中を招きやすい径方向油路を設ける必要がなく、その分の工数削減とともに信頼性・耐久性が向上し、かつ、間隙57が一定の容積を備える油溜まり室として機能するために、圧力脈動を抑制し、安定して潤滑油を供給することができる。
図5及び図6は、本発明の第2実施例を示している。この第2実施例のシャフト分割部材では、支持部52Aが円筒形状ではなく、断面矩形となっている。この支持部52Aが固定キャップ等を用いることなく固定ボルト55によって直接的にシリンダブロック11のバルクヘッド56に固定されている。そして、気筒間の圧縮比のばらつきを吸収するために、支持部52Aとバルクヘッド56との間に調整シム60が介装されている。
そして、厚さの異なる多数の種類の調整シム60を用意しておき、上記第1実施例と同様、仮組立状態で各気筒の圧縮比に対応する距離Scを測定した後、この距離Scに基づいて適切な厚さの調整シムを選択し、これに組み替えることによって、各気筒の圧縮比を適正化し、気筒間の圧縮比のばらつきを解消することができる。図6(A)は厚さが所定量ΔLc1小さいシムに組替えた場合、図6(B)は厚さが所定量ΔLc2大きいシムに組替えた場合を示しており、実線がシム組替前(調整前)の位置、二点鎖線がシム交換後(調整後)の位置を示している。なお、シム組替時には、シャフト分割部材51の両側の支持部52Aの双方で調整シムを組み替える必要がある。
図5に示すように、この第2実施例では、支持部52Aをバルクヘッド56側へ固定ボルト55で直接的に固定する構造であるために、隣り合うシャフト分割部材51の支持部52Aの間隙を潤滑油供給通路として利用することができない。従って、上記第1実施例とは異なる点として、バルクヘッド内油路58Bには二股状に分岐する分岐油路58Gが形成され、支持部52Aにはその外周摺動面と軸方向油路58Cとをつなぐ径方向油路58Fが形成され、調整シム60には分岐油路58Gと径方向油路58Fとをつなぐシム内油路58Hが形成され、軸方向油路58Cの両端開口部が密栓62により閉塞されている。
このような第2実施例によれば、複リンク機構10の各部品を一旦組み立てた状態でピストン上死点位置を測定し、この測定結果に基づいて、厚さの異なる数種類の調整シムの中から選択された適切な調整シムに組み替えることによって、各気筒のピストン上死点位置を適正なものとして、複数の気筒間での機関圧縮比のばらつきを精度良く解消することができる。そして、第1実施例と同様に、部品の交換により調整を行う手法の中では組替時の作業工数を最小限に抑制することができ、調整作業の作業効率を大幅に向上することができる。
しかも、この第2実施例では、汎用的な調整シムを用いて調整を行うことができるので、上記第1実施例のように数種類のシャフト分割部材を用いるものに比してコスト的に有利で生産性に優れている。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形・変更を含むものである。例えば上記実施例では、補助シャフトがシリンダブロック側に回転不能に固定されているが、これに限らず、上述した図7〜9に示すように機関圧縮比を可変とするために補助シャフト23の回転位置を変更可能なものにも本発明を適用することは可能である。
本発明の第1実施例に係る多気筒内燃機関の補助シャフト支持構造を示し、(A)が気筒列方向に沿う断面対応図、(B)が下面対応図、(C)気筒列方向に直交する断面対応図。 上記補助シャフトの支持部の近傍を示す図1の矢印A部の拡大図。 補助リンクの位置・姿勢と機関圧縮比との関係を説明するための説明図。 上記第1実施例に係るシャフト分割部材の2つの例を簡略的に示す説明図。 本発明の第2実施例に係る補助シャフトの支持構造を示し、(A)が(B)のC−C線に沿う断面図。 上記第2実施例の調整シムによる圧縮比の調整を説明するための説明図。 機関圧縮比を変更可能な複リンク式ピストン−クランク機構を簡略的に示す構成図。 図7のアクチュエータシャフトと補助シャフトとの連結構造を示す分解斜視図。 比較例に係る補助シャフトの支持構造を示す断面対応図。
符号の説明
11…シリンダブロック
14…ピストン
17…クランクピン
18…クランクシャフト
21…ロアリンク
22…アッパリンク
25…補助リンク
50…補助シャフト
51…シャフト分割部材
52…支持部
53…補助ジャーナル部
56…バルクヘッド(取付部)
57…間隙
58…潤滑油供給通路
60…調整シム

Claims (5)

  1. クランクシャフトのクランクピンと各気筒のピストンとが複数のリンクで連係されるとともに、これら複数のリンクの一つと気筒列方向に沿って配置される補助シャフトとが補助リンクにより連係され、上記補助シャフトに、補助リンクの一端を揺動可能に支持する補助ジャーナル部が設けられ、
    上記補助シャフトが、少なくとも一つの補助ジャーナル部を含む複数のシャフト分割部材に分割して構成されていることを特徴とする多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  2. 上記シャフト分割部材の軸方向両端に支持部が設けられ、隣り合う2つのシャフト分割部材の支持部が、軸方向に所定の間隙を確保した状態で、シリンダブロック側に支持されており、
    上記間隙が、補助ジャーナル部の摺動部分へ潤滑油を供給する潤滑油供給通路の一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  3. 上記シャフト分割部材は支持部でシリンダブロック側に支持されており、上記支持部とシリンダブロック側の取付部との間に調整シムが介装されていることを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。
  4. クランクシャフトのクランクピンと各気筒のピストンとが複数のリンクで連係されるとともに、これら複数のリンクの一つと気筒列方向に沿って配置される補助シャフトとが補助リンクにより連係され、上記補助シャフトに、補助リンクの一端を揺動可能に支持する補助ジャーナル部が設けられ、
    上記補助シャフトが、少なくとも一つの補助ジャーナル部を含む複数のシャフト分割部材に分割して構成された多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の圧縮比調整方法であって、
    仮組立状態で各気筒の機関圧縮比を測定し、
    この測定結果に基づいて、補助ジャーナル部の位置関係が異なる数種類のシャフト分割部材の中から適切なシャフト分割部材を選択し、
    選択されたシャフト分割部材に組み替えることを特徴とする多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の圧縮比調整方法。
  5. クランクシャフトのクランクピンと各気筒のピストンとが複数のリンクで連係されるとともに、これら複数のリンクの一つと気筒列方向に沿って配置される補助シャフトとが補助リンクにより連係され、上記補助シャフトに、補助リンクの一端を揺動可能に支持する補助ジャーナル部が設けられ、
    上記補助シャフトが、少なくとも一つの補助ジャーナル部を含む複数のシャフト分割部材に分割して構成され、
    かつ、上記シャフト分割部材の支持部とシリンダブロック側の取付部との間に調整シムが介装された多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の圧縮比調整方法であって、
    仮組立状態で各気筒の機関圧縮比を測定し、
    この測定結果に基づいて、厚さの異なる数種類の調整シムの中から適切な調整シムを選択し、
    選択された調整シムに組み替えることを特徴とする多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の圧縮比調整方法。
JP2006051421A 2006-02-28 2006-02-28 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。 Expired - Fee Related JP4645478B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006051421A JP4645478B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006051421A JP4645478B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007231751A JP2007231751A (ja) 2007-09-13
JP4645478B2 true JP4645478B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=38552608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006051421A Expired - Fee Related JP4645478B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4645478B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5141223B2 (ja) * 2007-12-06 2013-02-13 日産自動車株式会社 複リンク式多気筒内燃機関の組立て方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003201875A (ja) * 2001-10-26 2003-07-18 Toyota Motor Corp 可変ピストンストローク型内燃機関
JP2004116434A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Nissan Motor Co Ltd レシプロ式可変圧縮比機関
JP2004156538A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の圧縮比制御装置
JP2005069027A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2007538187A (ja) * 2004-03-11 2007-12-27 ラビー,ヴィアニー 可変圧縮比エンジンの調整装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003201875A (ja) * 2001-10-26 2003-07-18 Toyota Motor Corp 可変ピストンストローク型内燃機関
JP2004116434A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Nissan Motor Co Ltd レシプロ式可変圧縮比機関
JP2004156538A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の圧縮比制御装置
JP2005069027A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2007538187A (ja) * 2004-03-11 2007-12-27 ラビー,ヴィアニー 可変圧縮比エンジンの調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007231751A (ja) 2007-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20150219009A1 (en) Actuator of variable compression ratio mechanism and actuator of link mechanism
CN102482995A (zh) 设置有多连杆型活塞-曲柄机构的内燃机的曲轴和内燃机的多连杆型活塞-曲柄机构
JP6004013B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
EP1533495B1 (en) Internal combustion engine
US20100050992A1 (en) Variable stroke engine
EP3346107B1 (en) Piston crank mechanism with lubrication structure and lubrication method for upper pin in piston crank mechanism of internal combustion engine
US6012423A (en) Hypocycloidal crank mechanism for piston engines, engines especially for opposed-cylinder internal combustion engines
US11401996B2 (en) Internal combustion engine
JP4645478B2 (ja) 多気筒内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構及びその圧縮比調整方法。
CN105102798A (zh) 内燃机
US8991354B2 (en) Advanced angled-cylinder piston device
JP5625986B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構、複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸、または複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸の製造方法
EP3526462B1 (en) Cylinder block of internal combustion engine
JP2020521919A (ja) インデキシング装置を有する可変長コネクティングロッド
JP2010180806A (ja) 内燃機関の可変圧縮比装置
JP6485174B2 (ja) 内燃機関
US10125680B2 (en) Apparatus to optimize compression
JP2006183595A (ja) 内燃機関
JP2019148207A (ja) 可変圧縮比機構
JP2013011207A (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構
JP2013002557A (ja) コンロッドの組付方法
JP7471097B2 (ja) エンジン用軸受メタル
JP4581675B2 (ja) 内燃機関
JP6380655B2 (ja) 内燃機関
JP6763203B2 (ja) エンジン装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4645478

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees