JP4645221B2 - 部品内蔵用抵抗素子の製造方法 - Google Patents
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この受動素子をプリント配線板内に内蔵した多層プリント配線基板は、受動素子(キャパシタ、抵抗、インダクタ)として、既存のチップ素子を埋め込むことにより、機器メーカーが必要とする特性を比較的容易に満たすことができるが、受動素子を内蔵した基板が厚くなってしまうという問題点がある。
そこで薄い部品や薄膜素子で十分な特性を満たすことができる受動素子を内蔵したプリント配線基板が求められている。
この抵抗素子は、抵抗値、精度、形状、価格などから用途に応じて形成方法を選択していく必要がある。
具体的には、基板上に抵抗素子を形成した後に、抵抗値を調整するためにレーザー加工を用いたトリミングという手法が用いるのが一般的である。
まず、トリミングは、形成した抵抗素子の抵抗値を測定しながらレーザー加工によって抵抗体部分を切断し、目的の抵抗値まで抵抗を切断上昇させるものである。現在、トリミングによって抵抗値の精度は、目的値に対して±3%の精度まで調整することが可能である。
トリミングの手法には、特許文献1のように抵抗体を切断するだけではなく、加熱によって抵抗値を調整する方法もあるが、しかし、この方法だけでは、後工程の多層配線基板の積層工程や実装部品の実装時にかかるリフローによる加熱により、再度抵抗値が変化してしまうという問題があった。
本発明の部品内蔵用抵抗素子の製造方法は、図1(a)のように、抵抗体20を形成した後に、トリミング装置のレーザースポットを拡大し、抵抗素子が加工されないエネルギーまでビーム出力を低下させ加熱用レーザービーム30をスキャニングし、前記抵抗体20の全面に照射する。
この抵抗体に照射した部分の温度が、100℃〜1200℃の範囲で、以降の工程でる、抵抗体を多層基板の積層プロセスや部品実装時のリフロー時にかかる熱履歴よりも高い温度に加熱することが好ましい。
次に、抵抗体20が十分加熱された後に、レーザースポットをトリミングするスポット径に戻したトリミング用レーザービーム40を、抵抗値を測定しながら所望の抵抗値になるように切断調整し調整抵抗体20aを形成する。
なお、加熱用レーザービーム照射時には、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスを吹きつけて、レーザー照射部以外の熱ダメージを抑えるとともに、抵抗体20の熱による酸化を防止した。
抵抗体20は、カーボンフィラーと有機樹脂の混合体、またはニッケル、クロム、タングステンのいずれかを含む金属箔からなる。
トリミング後に多層配線基板の積層工程や実装部品の実装時に使用するリフローなどの加熱によって抵抗値が変化しない部品内蔵用抵抗素子の製造が可能となった。
図1(a)の抵抗素子は、無電解ニッケルめっきによって配線基板の電極22上に形成された抵抗体20である。この抵抗体の膜厚は、0.5μmの厚みで形成されており、抵抗体20の大きさは、幅が、0.2mm、長さが、0.4mmで、抵抗値は、約400オームを示している。
この抵抗体20を、YAGレーザーを用いたトリミング装置で、通常のトリミング時にはレーザーのスポット径が、40μmφであるが、抵抗体を図1(b)のように加熱するためにスポット径を80μm〜100μmに設定しビームエネルギーを2Wで照射した。
抵抗体20全体を加熱するため、加熱用レーザービーム30をスキャンさせ、抵抗体20全体をピーク温度が280℃に達するまで加熱した。
なお、加熱用レーザービーム照射時には、窒素ガスを吹きつけて、レーザー照射部以外の熱ダメージを抑えるとともに、抵抗体20の熱による酸化を防止した。
この加熱によって抵抗値は低下し、400Ωであった抵抗値が、50〜100Ω程度まで低下した。
抵抗体20の加熱が完了した後、図1(c)のように、レーザースポット径を40μmφに戻し、ビームエネルギーを2.5Wに引き上げたトリミング用レーザービーム40により、抵抗体両端の電極部に抵抗測定用のプローブを落とし、抵抗値を測定しながら抵抗値が120Ωになるまでレーザートリミングによって切断し調整した。
このトリミング後の調整抵抗体は、抵抗値が120オーム±3%の範囲で調整することができた。
この方法でトリミングした抵抗素子は、多層配線基板の工程で絶縁層を積層する際、175℃、2時間の熱履歴がかかったが、その場合でも抵抗値変化は、1%程度であった。また、鉛フリーのハンダ実装時に、260℃のリフローをかけても抵抗値変化は、3%以内に抑えることができた。
図2(a)の抵抗素子は、カーボンペーストのスクリーン印刷によって配線基板の電極上に形成された抵抗体を用い、配線電極22と抵抗体20の間に、接触抵抗を低減するために銀ペーストを同様にスクリーン印刷により設けた銀ペースト層24が形成されている。
この抵抗体20の膜厚は、20μmの厚みで形成されており、大きさは、幅が0.4mm、長さが0.7mmで、抵抗値は、約1KΩ示している。
次に、この抵抗体20を、YAGレーザーを用いたトリミング装置で、通常のトリミング時にはレーザーのスポット径が40μmφであるが、抵抗体を加熱するためにスポット径を80μm〜100μmに設定し、ビームエネルギーを1.8Wで照射した。
抵抗体20全体を加熱するため、図2(b)に示すように、加熱用レーザービーム30をスキャンさせ、抵抗体20全体を、ピーク温度280℃に達するまで加熱した。
加熱時のレーザービーム照射時には、窒素ガスを吹きつけて、レーザー照射部以外の熱ダメージを抑えた。加熱によって抵抗値は低下し、1KΩであった抵抗値が、800〜900Ω程度まで低下した。
抵抗体20の加熱が完了した後、図2(c)に示すように、レーザースポット径を40μmφに戻し、ビームエネルギーを2.5Wに引き上げたトリミング用レーザービーム40を用いて、抵抗体両端の電極部に抵抗測定用のプローブを落とし、抵抗値を測定しながら抵抗値が、再度1KΩになるまでレーザートリミングによって切断し、調整抵抗体20aを作成した。
トリミング後の調整抵抗体は、抵抗値1KΩ±3%の範囲で調整することができた。
この方法でトリミングした抵抗素子は、多層配線基板の工程で絶縁層を積層する場合にこの方法でトリミングした抵抗素子は、多層配線基板の工程で絶縁層を積層する際、175℃、2時間の熱履歴がかかったが、その場合でも抵抗値変化は、1%程度であった。また、鉛フリーのハンダ実装時に、260℃のリフローをかけても抵抗値変化は、5%以内に抑えることができた。
抵抗素子は、無電解Ni−P−Feめっきによって配線基板の電極22上に形成された金属抵抗体である。この抵抗体の膜厚は、0.3μmの厚みで形成されており、抵抗体20の大きさは、幅が、0.2mm、長さが、0.4mmで、抵抗値は、この抵抗体を、YAGレーザーを用いたトリミング装置で、加熱処理を行わずにレーザースポット径を40μmφ、ビームエネルギーを2.5Wリミング用レーザービーム40により、抵抗体両端の電極部に抵抗測定用のプローブを落とし、抵抗値を測定しながら抵抗値が1KΩ±3%の範囲なるようにレーザートリミングによって切断し調整した。
この抵抗素子は、多層配線基板の工程で絶縁層を積層する際、175℃、2時間の熱履歴がかかったため、抵抗値が40%に低下した。
実施例2において、加熱処理を行わないで、レーザートリミングし、抵抗値1KΩ±3%の範囲で調整した調整抵抗体した。
この調整抵抗体は、鉛フリーのハンダ実装時に、260℃のリフローをかけると、抵抗値変化は、5%以上であった。
20・・・・・・・・・ 抵抗体
20a・・・・・・・・・調整抵抗体
30・・・・・・・・・ 加熱用レーザービーム
40・・・・・・・・・ トリミング用レーザービーム
Claims (6)
- 配線基板上に抵抗体を形成する工程と、
トリミング装置を用いて、抵抗素子が加工されないエネルギーまでビーム出力を低下させて、加熱用レーザービームをスキャニングし、前記抵抗体の全面に前記加熱用レーザービームを照射する工程と、
出力を上昇させたレーザービームにより抵抗素子をトリミングする工程とを含み、
前記加熱用レーザービームを照射する工程では、抵抗体の前記加熱用レーザービームに照射された部分の温度を100〜1200℃の範囲であって、以降の工程である、多層基板の積層プロセス時又は/及び部品実装時のリフロー時にかかる熱履歴よりも高い温度に加熱することを特徴とする部品内蔵用抵抗素子の製造方法。 - 前記レーザービームは、抵抗素子が加工されないエネルギーまでビーム出力を低下させたレーザービームのスポット径が、トリミング時のスポット径よりも大きくしたことを特徴とする、請求項1記載の部品内蔵用抵抗素子の製造方法。
- 前記レーザーが、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いたことを特徴とする、請求項1乃至2のいずれかに記載の部品内蔵用抵抗素子の製造方法。
- 前記抵抗素子が、カーボンフィラーと有機樹脂の混合体であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の部品内蔵用抵抗素子の製造方法。
- 前記抵抗素子が、ニッケル、クロム、タングステンのいずれかを含む金属箔からなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の部品内蔵用抵抗素子の製造方法。
- 前記レーザー照射を、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンの少なくともいずれかを含む不活性ガスを吹きつけながら行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品内蔵用抵抗素子の製造方法。
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