JP4642708B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受隙間に生じる潤滑流体の動圧作用で軸部材を回転自在に支持する動圧軸受装置に関するものである。
動圧軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えばファンモータなどの小型モータ用として好適に使用可能である。
例えば、特許文献1に示されている動圧軸受装置は、軸受部材(軸受スリーブ)と軸部材とを備え、軸受部材の内周面と軸部材の外周面との間に形成されるラジアル軸受隙間の潤滑流体の動圧作用で、軸部材を回転自在に支持している。この動圧軸受装置では、軸受部材を樹脂で形成することにより、材料コストの低減を図っている。
また、このような軸受部材には、軸受内部の圧力バランスを保つ等の目的で、内部を潤滑流体が流通可能の軸方向の貫通孔(バイパス通路)を形成する場合がある(特許文献2参照)。
特開2004−316712号公報 特開2004−11897号公報
しかし、貫通孔の内径寸法は一般に微小(数十μm〜数百μm程度)であるため、軸受部材に機械加工等で貫通孔を形成することは極めて困難であり、且つ加工粉等が軸受内部にコンタミとして混入する恐れがある。
本発明の課題は、貫通孔を有し、且つ成形性に優れた軸受部材を備えた動圧軸受装置を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、樹脂の型成形で形成された軸受部材と、軸受部材の内周に挿入された軸部材とを備え、軸受部材の内周面と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙間に、潤滑流体の動圧作用を発生させる動圧軸受装置において、軸受部材に、半径方向の肉厚が異なる厚肉部と薄肉部を円周方向で異なる位置に設け、厚肉部に内面を成形面とした軸方向の貫通孔を設けたことを特徴とする。
このように、本発明では、貫通孔の内面が成形面であるので、貫通孔は軸受部材の型成形と共に、キャビティに配した成形ピンを用いて同時成形することができる。従って、容易に貫通孔を形成することができ、かつコンタミの問題も回避できる。
また、軸受部材に厚肉部と薄肉部を設けるため、キャビティには径方向幅の広い部分(以下、幅広部と称す)と径方向幅の狭い部分(以下、幅狭部と称す)とが形成される。このため、キャビティ内に射出された樹脂材料による圧力(以下、射出圧と称す)が場所によって異なる。極細の成形ピンに高い射出圧がかかると、成形ピンが折れるおそれがある。本発明では、軸受部材の厚肉部に軸方向の貫通孔を設けているため、射出圧が比較的小さいキャビティの幅広部に成形ピンが配置され、成形ピンが折れる危険性を低減することができる。
この軸受部材の厚肉部及び薄肉部は、例えば軸受部材の円周方向に交互に設けることができる。
このように形成した貫通孔の一端をラジアル軸受隙間の一端に連通させると共に、貫通孔の他端をラジアル軸受隙間の他端に連通させ、ラジアル軸受隙間、貫通孔、および貫通孔とラジアル軸受隙間の間を全て潤滑流体で満たすことにより、軸受装置の内部で潤滑流体を循環させることができる。これにより、軸受内部の潤滑流体に気泡や局所的な負圧が生じることを防止できる。
以上のように、本発明によれば、貫通孔を有し、かつ成形性に優れた軸受部材を備えた動圧軸受装置が得られる。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を相対回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に固定されるディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取付けられている。動圧軸受装置1の軸受部材7は、ブラケット6の内周に固定される。また、ディスクハブ3には、情報記録媒体としてのディスクDが一又は複数枚(図1では2枚)保持される。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、ディスクハブ3およびディスクハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、軸受部材7と、軸受部材7の内周に挿入される軸部材2と、軸受部材7の一端を閉口する蓋部材10と、軸受部材7の他端をシールするシール部11とを主に備えている。なお、説明の便宜上、軸方向両端に形成される軸受部材7の開口部のうち、蓋部材10で閉口される側を下側、閉口側と反対の側を上側として以下説明する。
軸部材2は、軸部2aと軸部2aの下端に設けたフランジ部2bとからなり、SUS鋼等の金属材料で一体または別体に形成される。軸部材2の各部は、同種の材料で形成する他、別材料で形成することもできる。例えば軸部2aを金属材料で形成すると共に、フランジ部2bの一部または全部を樹脂材料で形成することもでき、この場合、軸部材2は、軸部2aをインサート部品とする樹脂の射出成形で製作することが可能である。
軸受部材7は、軸方向両端を開口した形状をなし、略円筒状のスリーブ部8と、スリーブ部8の外径側に位置するハウジング部9とを一体に備えている。この実施形態では、軸受部材7は、例えば液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の結晶性樹脂、あるいはポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物を射出成形することで形成される。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
スリーブ部8は、円周方向で厚肉部A1と薄肉部A2を交互に備え、その内周面8aは複数の円弧面からなる多円弧形状を呈している(図3に誇張して示す)。軸部材2の回転時には、スリーブ部8の内周面8aと軸部2aの外周面2a1との間に、ラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間を形成する。
スリーブ部8の下端面8bの全面または一部環状面領域には、複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図4に示すように、複数の動圧溝8b1をスパイラル形状に配列した領域が形成される。軸部材2の回転時には、動圧溝8b1の形成領域とフランジ部2bの上端面2b1との間に、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
スリーブ部8の外径側に位置するハウジング部9は略筒状をなすもので、その軸方向両端をスリーブ部8の両端面8b、8cよりも軸方向上下に突出させた形態をなす。ハウジング部9の下端突出部9aの内周には、軸受部材7の下端側を閉口する蓋部材10が接着、圧入、接着剤介在下での圧入(以下、圧入接着と称す)、溶着、あるいは溶接等の手段で固定される。この際、ハウジング部9と蓋部材10との固定面間では、軸受内部に充満した潤滑油が少なくとも外部に漏出しない程度の密封性が確保されている。
ハウジング部9の上端突出部9bの内周には環状のシール部11が、その下端面11bをスリーブ部8の上端面8cに当接させた状態で固定される。シール部11の内周面11aと、この面に対向する軸部2aの外周面2a1との間には、その半径方向寸法を上方に向けて漸次拡大させたテーパ状のシール空間S1が形成される。軸受内部が潤滑油で満たされた状態では、潤滑油の油面は常にシール空間S1の範囲内にある。
軸受部材7の径方向中間部には、図2に示すように、軸受部材7を軸方向に貫通する複数の貫通孔12が形成される。この貫通孔12は、この実施形態では、円周方向等間隔の複数箇所、例えば4箇所に設けられる。貫通孔12は、下端でスリーブ部8の下端面8bの動圧溝8b1形成領域よりも外径側に開口する(図4参照)と共に、上端でスリーブ部8の上端面8cの外径側に開口する。
貫通孔12の内径の大きさは、軸受内部の潤滑流体の流動性や、貫通孔12の成形性などを考慮して適宜の値に設定される。しかし、貫通孔12の内径が大きすぎると、軸受部材の強度低下を招いたり、他の流体保持空間から貫通孔12へ流体が過剰に流れ込むことで、本来圧力が高まるべき箇所、すなわちラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間から流体が逃げ、あるいは局所的に負圧状態を生じ、かえって圧力バランスが崩れる恐れがある。このため、貫通孔12の内径は、内部を潤滑流体が良好に流れることのできる範囲内で、できるだけ小径に設定することが望ましい。
貫通孔12の上端は、シール部11の下端面11bに複数設けられた半径方向溝11b1を介してラジアル軸受隙間の上端と連通し、貫通孔12の下端は、蓋部材10の当接面10b1に複数設けられた半径方向溝10c及び第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を介してラジアル軸受隙間の下端と連通する。
この軸受部材7は、以下のように形成される。軸受部材7の射出成形で使用される金型は、図5に示すように、真円状の内周面を有する外型14と、軸受部材7の内周面8aの形状に対応した多円弧形状の外周面を有する内型15とを備える。この外型14及び内型15で形成されたキャビティ16に、貫通孔12を成形するための成形ピン13を配置し、スプルー17およびゲート18を介してキャビティ16内に樹脂材料を射出する。このように、貫通孔12の内面を成形ピン13で成形するため、軸受部材7の成形と同時に簡易に貫通孔12を形成することができ、且つ加工粉も生じないため、コンタミによる不具合も解消できる。
また、内型15の外周面が多円弧形状であるため、キャビティ16には円周方向で交互に幅広部A1’と幅狭部A2’が形成される。ゲート18から射出された樹脂材料の圧力は、幅狭部A2’で最大となる。本発明では、図5に示すように、キャビティ16のうち、比較的圧力の低い幅広部A1’に成形ピン13を配することにより、極細形状の成形ピン13が折損する危険を低減することができる。
蓋部材10の上端面10aの一部環状面領域には、図示は省略するが、複数の動圧溝を、例えば図4に示すスパイラル形状とは円周方向反対向きの形状となるよう配列した領域が形成される。軸部材2の回転時には、この動圧溝形成領域とフランジ部2bの下端面2b2との間に、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
また、蓋部材10の上端面10aの外周には上方に突出する突出部10bが設けられており、突出部10bの上端に位置する当接面10b1をスリーブ部8の下端面8bに当接させた状態で、蓋部材10が下端突出部9aの内周に固定される。この場合、突出部10bの軸方向寸法からフランジ部2bの軸方向幅を減じた値が、スラスト軸受部T1、T2の各スラスト軸受隙間の総和に等しくなる。
上記構成の動圧軸受装置1の内部空間、詳しくはラジアル軸受隙間、スラスト軸受隙間、貫通孔12、及びこれらの間の空間を全て潤滑油で満たす。潤滑油としては、種々のものが使用可能であるが、HDD等のディスク駆動装置用の動圧軸受装置に提供される潤滑油には、その使用時あるいは輸送時における温度変化を考慮して、低蒸発率及び低粘度性に優れたエステル系潤滑油、例えばジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチルアゼレート(DOZ)等が好適に使用可能である。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2の回転時、スリーブ部8の内周面8aは、対向する軸部2aの外周面2a1との間にラジアル軸受隙間を形成する。スリーブ部8の内周面8aは非真円形状を呈するため、ラジアル軸受隙間は円周方向で異なる隙間幅を有する(図3を参照)。軸部材2の回転に伴い、ラジアル軸受隙間のうち比較的隙間幅が大きい部分の潤滑油が、比較的隙間幅が小さい部分に押し込まれることにより、潤滑油膜の圧力が上昇する。このように、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用によって、軸部材2をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部Rが構成される。
これと同時に、スリーブ部8の下端面8bの動圧溝8b1形成領域とこれに対向するフランジ部2bの上端面2b1との間のスラスト軸受隙間、および蓋部材10の上端面10aの動圧溝形成領域とこれに対向するフランジ部2bの下端面2b2との間のスラスト軸受隙間に形成される潤滑油膜の圧力が、動圧溝の動圧作用により高められる。そして、これら油膜の圧力によって、軸部材2をスラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
また、この動圧軸受装置1では、上述のように、軸受部材7に形成された貫通孔12の上端がラジアル軸受隙間の上端に連通すると共に、貫通孔12の下端がラジアル軸受隙間の下端に連通している。このため、何らかの理由でハウジング7の閉塞側の流体(潤滑油)圧力が過度に高まり、あるいは低下するといった事態を避けて、軸部材2をスラスト方向に安定して非接触支持することが可能となる。
以上、本発明の第1実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明する。なお、以下に示す図において、第1実施形態と構成・作用を同一にする部位および部材については、同一の参照番号を付し、重複説明を省略する。
例えば、スリーブ部8の内周面8aの形状は多円弧形状に限定されず、図6に示すように、ステップ形状とすることもできる。具体的には、スリーブ部8の内周面8aが、円周方向交互に現れる小径部8a1と大径部8a2とで構成され、各小径部8a1の円周方向位置、すなわち軸受部材7の厚肉部A1に、貫通孔12が一又は複数箇所(図6では3箇所)に形成される。
あるいは、スリーブ部8の内周面8aを、いわゆるテーパ軸受で構成することもできる。具体的には、図7に示すように、スリーブ部8の内周面8aが、回転軸心Oから等距離だけオフセットした中心O’を有する3つの円弧面8a3、8a4、8a5で構成される。各円弧面が臨むラジアル軸受隙間は、円周方向の一方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小した形状を有している。また、3つの円弧面8a3、8a4、8a5の相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝Gが形成されている。このとき、ラジアル軸受隙間の隙間幅が最小となる円周方向位置が、軸受部材7の厚肉部A1となり、分離溝Gの円周方向位置が、軸受部材7の薄肉部A2となる。軸受部材7の厚肉部A1に、貫通孔12が一又は複数箇所(図7では3箇所)に形成される。
あるいは、スリーブ部8の内周面8aを、いわゆるテーパ・フラット軸受で構成することもできる(図8を参照)。この場合、図7に示す構成のうち、3つの円弧面8a3、8a4、8a5の最小隙間側の所定領域θが、それぞれ、回転軸心Oを曲率中心とする同心の円弧で構成されている。従って、各所定領域θにおいて、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定になる。
以上の実施形態では、軸受部材7の外周面9cが真円形状である場合を示したが、これに限られない。例えば、図9に示すように、軸受部材7の外周面9cの円周方向の複数箇所(図9では3箇所)に、外径へ向けて突出した突出部7aを形成してもよい。この場合、突出部7aの形成領域が厚肉部A1、その円周方向間の領域が薄肉部A2となり、厚肉部A1に貫通孔12が形成される。本実施形態では、このように、突出部7aを設けることにより、厚肉部A1と薄肉部A2との肉厚差を積極的に大きくしている。この厚肉部A1と薄肉部A2の肉厚差による成形収縮量の差を利用して、内周面8aに大径部8a1及び小径部8a2を形成することができる。この大径部8a1と小径部8a2との径差が、ラジアル軸受隙間の潤滑流体に動圧作用を発生させる動圧発生部となる。このため、軸受部材7の内周面を成形する内型は、真円形状で足りるため、内型の製造コストが低減される。
以下に、本発明が適用される他の実施形態に係る動圧軸受装置の構成例を示す。図10に示す動圧軸受装置21は、主に、第1シール部23、および第2シール部24をそれぞれ軸部材22に設け、シール部23、24の外周面23a、24aとこれに対向するハウジング部9の内周面9a1、9b1との間にシール空間S2、S3を形成している。また、第1シール部23(下側)の上端面23bとスリーブ部8の下端面8bとの間に第1スラスト軸受部T11が形成されると共に、第2シール部24(上側)の下端面24bとスリーブ部8の上端面8c(この実施形態では、かかる上端面8cにも動圧溝形成領域が設けられる。)との間に第2スラスト軸受部T12が形成される。なお、この実施形態では、シール部23、24を何れも軸部材22とは別体とし、これらシール部23、24を軸部材22に接着、圧入等の手段で固定した場合を例示しているが、これに限らず、例えばシール部23、24のうち何れか一方を軸部材22と一体に形成することもできる。
この実施形態では、貫通孔12の上端は、第1スラスト軸受部T11のスラスト軸受隙間を介してラジアル軸受隙間の上端と連通すると共に、貫通孔12の下端は、第2スラスト軸受部T12のスラスト軸受隙間を介してラジアル軸受隙間の下端と連通する。
図11に示す動圧軸受装置31は、スリーブ部8の下端面8bとフランジ部32bの上端面32b1との間に第1スラスト軸受部T21が形成されると共に、ディスクハブ33を構成する円盤部33aの下端面33a1とハウジング部39の上端面39aとの間に第2スラスト軸受部T22が形成される。また、ハウジング部39の外周上端にテーパシール面39bを設け、このテーパシール面39bと、この面に対向するディスクハブ33の筒部33bの内周面33b1との間にシール空間S4を形成する。
この実施形態では、貫通孔12の上端は、スリーブ部8の上側端面8cと円盤部33aの下側端面33a1との間の隙間を介してラジアル軸受隙間の上端と連通すると共に、貫通孔12の下端は、第1スラスト軸受部T21のスラスト軸受隙間を介してラジアル軸受隙間の下端と連通する。
以上の実施形態では、軸受部材として、スリーブ部とハウジング部とが一体成形された場合を例示したが、これに限らず、例えば、貫通孔を有するスリーブ状の軸受部材を、別途形成したハウジングの内周に固定してもよい。
また、以上の実施形態では、貫通孔12を、スリーブ部8の両端面8b、8cに開口する位置に形成した場合を説明したが、これに限らず、軸受部材7、27、37を軸方向に貫通し、厚肉部A1に位置する限り、任意の位置に形成することができる。また、図2に示すように、蓋部材10やシール部11に半径方向溝10c、11b1を形成する場合、これら半径方向溝10c、11b1を対向する部材の側(例えばスリーブ部8の両端面8b、8c)に設けることも可能である。
また、以上の実施形態では、円筒状の内周面を有する貫通孔12を例示したが、軸受部材7に形成される貫通孔は、その両端開口間で流体を流通可能とする限り、また、成形ピンで以って軸受部材の射出成形と同時に形成可能である限り、他形状の貫通孔を採用することもできる。
また、スラスト軸受部の動圧発生部は上記のようなスパイラル形状の動圧発生部に限らず、図示は省略するが、ヘリングボーン形状の動圧溝や、動圧発生部が形成される領域(例えばスリーブ部8の両端面8b、8c、蓋部材10の上端面10a、ハウジング部39の上端面39a)に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、スリーブ部8や蓋部材10、ハウジング部39の側にスラスト動圧発生部(動圧溝8b1等)が形成される場合を説明したが、動圧発生部が形成される領域は、例えばこれらに対向するフランジ部2bの両端面2b1、2b2、あるいはディスクハブ33の下端面33a1の側に設けることもできる。
また、以上の説明では、動圧軸受装置1、21、31の内部に充満し、ラジアル軸受隙間や、スラスト軸受隙間に動圧作用を生じる流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧作用を発生可能な流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
また、本発明の動圧軸受装置は、上記のようにHDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータに限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、レーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用、あるいは電気機器の冷却ファン用のファンモータとしても好適に使用することができる。
本発明の実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだスピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置1の断面図である。 軸受部材7の径方向断面図である。 軸受部材7の下面図である。 軸受部材7の射出成形工程を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の軸受部材7を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の軸受部材7を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の軸受部材7を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の軸受部材7を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る動圧軸受装置21を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る動圧軸受装置31を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
7 軸受部材
8 スリーブ部
9 ハウジング部
10 蓋部材
11 シール部
12 貫通孔
13 成形ピン
14 外型
15 内型
16 キャビティ
A1 厚肉部
A2 薄肉部
R ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (3)

  1. 射出成形で形成された軸受部材と、軸受部材の内周に挿入された軸部材とを備え、軸受部材の内周面と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙間に、潤滑流体の動圧作用を発生させる動圧軸受装置において、
    軸受部材に、半径方向の肉厚が異なる厚肉部と薄肉部を円周方向で異なる位置に設け、厚肉部に内面を成形面とした軸方向の貫通孔を設けたことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 軸受部材の円周方向に前記厚肉部と前記薄肉部を交互に設けた請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 貫通孔の一端をラジアル軸受隙間の一端に連通させると共に、貫通孔の他端をラジアル軸受隙間の他端に連通させ、ラジアル軸受隙間、貫通孔、および貫通孔とラジアル軸受隙間の間を全て潤滑流体で満たした請求項1又は2記載の動圧軸受装置。
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