JP4642434B2 - カメラ付き携帯型電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、焦点切換え装置を具えたカメラ付き携帯電話機等のカメラ付き携帯型電子機器に関するものである。
従来、カメラ付き携帯電話機においては、標準モードによる撮影の他に、接写モードによる撮影、即ちマクロ撮影の機能を有するものが普及している。
この様なマクロ撮影機能を有するカメラ付き携帯電話機において、カメラ部は、CCD及び該CCDを駆動するための回路基板を有するカメラ本体と、レンズと、該レンズを光軸方向に往復移動させて焦点を切り換える焦点切換え装置とから構成される(特許文献1参照)。
図7及び図8は本発明の焦点切換え装置を示しているが、従来の焦点切換え装置の構成と同じであるので、これらの図を用いて従来の焦点切換え装置の構成を説明する。
図7に示す如く、従来のカメラ付き携帯電話機は、CCD(39)を具えたカメラ本体(38)と、該カメラ本体(38)上でレンズを保持するレンズホルダ(31)と、該レンズホルダ(31)とカメラ本体(38)との間に挟持されて両者の間で回動可能な調整リング(61)と、レンズホルダ(31)を調整リング(61)に向けて付勢するコイルバネ(60)とを具えている。調整リング(61)の一端(64)には、携帯電話機の筐体から外部に露出する切換レバー(図示省略)が連結されている。
更に、図8に示す如く、調整リング(61)とレンズホルダ(31)との対向部にはカム機構(6)が設けられており、焦点切換え装置は、調整リング(61)、カム機構(6)、コイルバネ(60)及び、切換レバーから構成される。
図7に示す焦点切換え装置によれば、前記切換レバーを操作することにより、調整リング(61)が回動し、これに伴って、調整リング(61)の表面に形成されたカムフォロワー(62)が、レンズホルダ(31)の裏面に形成されたカム面(66)を摺動して、レンズホルダ(31)をCCD(39)に接近させ、或いは離間させる。
この様にして、CCD(39)に接近した標準位置とCCD(39)から離間した接写位置との間で焦点の切り換えが可能となっている。
特開2004−163830号公報 [G02B 7/105]
しかしながら、上記従来のカメラ付き携帯電話機においては、レンズホルダ(31)が、コイルバネ(60)により接写位置から標準位置に向けて付勢されているため、コイルバネ(60)の付勢力に抗してレンズホルダ(31)を前記標準位置から接写位置に移動させる過程でユーザが感じる負荷(操作感)と、コイルバネ(60)の付勢力を受けながらレンズホルダ(31)を前記接写位置から標準位置に移動させる過程でユーザが感じる負荷(操作感)との間に差異が生じ、これによってユーザが違和感を感じることがあった。
そこで、本発明の目的は、撮影モードを標準モードから接写モードへ切り換える際の操作感と、接写モードから標準モードへ切り換える際の操作感とを同等にすることが出来、ユーザが違和感を感じることのないカメラ付き携帯電子機器を提供することである。
本発明に係わるカメラ付き携帯型電子機器は、筐体内にカメラアセンブリ(13)が配備され、該カメラアセンブリ(13)は、光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させて焦点を切り換える焦点切換え装置を具え、該焦点切換え装置は、前記光学部品を往復移動させる往復移動機構と、前記光学部品を第1位置から第2位置へ向けて移動させる方向に前記往復移動機構を付勢する付勢部材と、前記光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させる際に操作すべき操作部材とを具えている。
前記焦点切換え装置には、前記操作部材の操作に抵抗を与えるための抵抗付与機構が連繋し、該抵抗付与機構は、光学部品の第1位置から第2位置への移動過程でその逆方向の移動過程よりも大きな抵抗を操作部材の操作に付与する。
上記本発明のカメラ付き携帯電話機において、前記抵抗付与機構は、光学部品を第1位置から第2位置に向かう方向(以下、第1方向という)へ移動させる過程、即ち、光学部品を前記焦点切換え装置の付勢部材の付勢方向に移動させる過程では、大きな抵抗を操作部材の操作に付与する。
逆に、光学部品を第2位置から第1位置に向かう方向(以下、第2方向という)へ移動させる過程、即ち、光学部品を前記焦点切換え装置の付勢部材の付勢力に抗する方向に移動させる過程で、前記抵抗付与機構は、小さな抵抗を操作部材の操作に付与する。
上述の如く、抵抗付与機構により、操作部材の操作方向によって異なる大きさの抵抗が操作部材に付与されるので、操作部材を第1方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷と第2方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷との差は、従来に比べて小さなものとなる。
更に、第1方向の移動過程で前記抵抗付与機構が操作部材の操作に付与する抵抗(以下、第1抵抗力という)と、第2方向の移動過程で前記抵抗付与機構が操作部材の操作に付与する抵抗(以下、第2抵抗力という)の差が、前記付勢部材の付勢力に等しくなる様に、第1抵抗力と第2抵抗力とを調整することにより、ユーザが操作部材を第1方向に移動させる過程で感じる負荷と第2方向に移動させる過程で感じる負荷とを同等にすることが可能となる。
この結果、前記第1方向の操作感と第2方向の操作感とが同等となり、ユーザが違和感を感じることはない。
具体的構成において、前記抵抗付与機構はカム機構によって構成され、該カム機構は、前記光学部品を第1位置と第2位置の間で移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が変化するものである。
具体的には、前記光学部品を第1位置から第2位置へ移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が上昇し、前記光学部品を第2位置から第1位置へ移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が下降する。
該具体的構成によれば、光学部品の前記第1方向への移動過程では、前記カム機構のカム曲線が上昇しているので、操作部材を該カム曲線に沿って移動させるために必要な力、即ち第1抵抗力は大きなものとなる。
逆に、光学部品の前記第2方向への移動過程では、カム機構のカム曲線が下降しているので、操作部材を該カム曲線に沿って移動させるために必要な力、即ち第2抵抗力は小さなものとなる。
上述の如くカム機構のカム曲線を構成することにより、操作部材の操作方向によって異なる大きさの抵抗を操作部材に付与することが可能となるので、操作部材を第1方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷と第2方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷との差は、従来に比べて小さなものとなる。
更に、前記第1抵抗力と第2抵抗力の差が、前記付勢部材の付勢力に等しくなる様に、前記カム機構のカム曲線を調整することにより、ユーザが操作部材を第1方向に移動させる過程で感じる負荷と第2方向に移動させる過程で感じる負荷とを同等にすることが可能となる。
この結果、前記第1方向の操作感と第2方向の操作感とが同等となり、ユーザが違和感を感じることはない。
他の具体的構成において、前記カム機構は、前記光学部品を第1位置から第2位置へ移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が急な傾斜で上昇し、前記光学部品を第2位置から第1位置へ移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が緩やかな傾斜で上昇するものである。
更に具体的には、該カム機構は、前記焦点切換え装置の操作部材に形成したカムフォロワーと、該カムフォロワーに摺接するカム面とから構成され、該カム面は、第1平坦部(81)と、第2平坦部(83)と、第1平坦部(81)と第2平坦部(83)の間に形成された凸部(82)とを有し、該凸部(82)には、前記第1平坦部(81)から該凸部(82)の頂部に至る緩斜面部(84)と、該凸部(82)の頂部から前記第2平坦部(83)に至る急斜面部(85)とが形成されて、前記光学部品を第1位置から第2位置に移動させる過程で、前記カム機構のカムフォロワーは、前記第2平坦部(83)から第1平坦部(81)に向けてカム面を摺動して前記凸部(82)を乗り越え、前記光学部品を第2位置から第1位置に移動させる過程で、前記カム機構のカムフォロワーは、前記第1平坦部(81)から第2平坦部(83)に向けてカム面を摺動して前記凸部(82)を乗り越える。
該具体的構成によれば、光学部品の第1及び第2方向への移動過程で、焦点切換え装置の操作部材に形成したカムフォロワーは、抵抗付与機構を構成するカム機構のカム面に形成した凸部(82)を乗り越えて往復移動することになる。
前記第1方向の移動過程で、前記操作部材のカムフォロワーは、カム面の第2平坦部(83)から急斜面部(85)へと摺動する。カムフォロワーを急斜面部(85)に沿って移動させるため、前記第1抵抗力は大きなものとなる。その後、前記カムフォロワーは、凸部(82)の頂部へ至り緩斜面部(84)を経て第1平坦部(81)へと摺動して、凸部(82)を乗り越える。
逆に、前記第2方向の移動過程で、前記操作部材のカムフォロワーは、カム面の第1平坦部(81)から緩斜面部(84)へと摺動する。カムフォロワーを緩斜面部(84)に沿って移動させるため、前記第2抵抗力は小さなものとなる。その後、前記カムフォロワーは、凸部(82)の頂部へ至り急斜面部(85)を経て第2平坦部(83)へと摺動して、凸部(82)を乗り越える。
上述の如くカム機構のカム面を構成することにより、操作部材の操作方向によって異なる大きさの抵抗を操作部材に付与することが可能となるので、操作部材を第1方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷と第2方向に移動させる過程でユーザが感じる負荷との差は、従来に比べて小さなものとなる。
更に、前記第1抵抗力と第2抵抗力の差が、前記付勢部材の付勢力に等しくなる様に、前記カム機構の緩斜面部(84)及び急斜面部(85)の傾斜角を設定することにより、ユーザが操作部材を第1方向に移動させる過程で感じる負荷と第2方向に移動させる過程で感じる負荷とを同等にすることが可能となる。
この結果、前記第1方向の操作感と第2方向の操作感とが同等となり、ユーザが違和感を感じることはない。
又、具体的構成において、前記カメラアセンブリ(13)は、前記筐体内に設置されて前記焦点切換え装置の操作部材をスライド可能に支持する支持部材を具え、前記抵抗付与機構を構成するカム機構は、前記焦点切換え装置の操作部材と前記支持部材との対向部に設けられている。
該具体的構成によれば、焦点切換え装置の操作部材は、支持部材との対向部に設けたカム機構から、スライド方向によって異なる大きさの抵抗を付与されることになる。
更に具体的な構成において、前記カメラアセンブリ(13)は、撮像素子を具えたカメラ本体(38)と、光学部品を保持するレンズホルダ(31)と、カメラ本体(38)とレンズホルダ(31)との間で回動可能に挟持されて両者の間隔を規定する調整リング(61)と、該調整リング(61)に向けてレンズホルダ(31)を付勢するコイルバネ(60)と、前記調整リング(61)に連結した切換レバー(5)とを具え、前記調整リング(61)と前記レンズホルダ(31)との対向部にはカム機構が設けられ、該カム機構によって前記焦点切換え装置の往復移動機構が構成され、前記コイルバネ(60)によって前記焦点切換え装置の付勢部材が構成され、前記切換レバー(5)によって前記焦点切換え装置の操作部材が構成される。
該具体的構成によれば、ユーザが切換レバー(5)を操作すると、前記焦点切換え装置の調整リング(61)が、レンズホルダ(31)との対向部に設けられたカム機構のカム曲線を摺動しながら回動し、これに伴って、レンズホルダ(31)が前記第1方向或いは第2方向に移動することになる。
本発明のカメラ付き携帯電子機器によれば、レンズを標準位置から接写位置に移動させる場合の操作感と、レンズを接写位置から標準位置に移動させる場合の操作感とが同等となるので、ユーザが違和感を感じることはない。
以下、本発明をカメラ付き携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るカメラ付き携帯電話機は、図1及び図2に示す如く、第1筐体(1)と第2筐体(2)とが互いに開閉可能に連結され、第1筐体(1)の背面には、サブディスプレイ(11)と透明窓(15)とが配備され、該透明窓(15)の内側には、後述するカメラアセンブリ(13)が配備されている。一方、第1筐体(1)の表面には、メインディスプレイ(図示省略)が配備されている。又、第2筐体(2)の表面には複数の操作キー(図示省略)が配備されている。
更に、第1筐体(1)の背面には、透明窓(15)に隣接して開口(14)が設けられており、該開口(14)から、カメラアセンブリ(13)のレンズ位置を標準モードと接写モードとの間で切り換えるための切換レバー(5)の操作部(52)が露出している。
図3に示す如く、第1筐体(1)には、サブディスプレイ(11)及びメインディスプレイ(図示省略)を保持するLCDアセンブリ(12)と、カメラアセンブリ(13)とが内蔵されている。
図4及び図5に示す如く、カメラアセンブリ(13)は、カメラモジュール(3)と、前記切換レバー(5)と、カメラモジュール(3)を保持すると共に切換レバー(5)をスライド可能に支持するカメラホルダ(4)とから構成され、該カメラホルダ(4)を介して前記第1筐体(1)に取り付けられている。
更に、カメラホルダ(4)と切換レバー(5)との対向部には、後述する第2カム機構(8)が設けられている。
図6に示す如く、カメラモジュール(3)は、CCD(図示省略)を内蔵したカメラ本体(38)と、該カメラ本体(38)上に配置されたレンズ(30)と、該レンズ(30)を保持する略円筒状のレンズホルダ(31)と、該レンズホルダ(31)の外周を覆う枠体(32)とから構成される。カメラ本体(38)は、弾性パッド(37)と、該弾性パッド(37)上に載置されてCCD及び該CCDを駆動するための回路素子が実装された回路基板(33)と、該回路基板(33)上に設置されたカバー部(75)とから構成され、回路基板(33)上の複数の電極(34)〜(34)には、図5に示す如く、フラットケーブル(35)が接続されており、該フラットケーブル(35)の先端に配備されたコネクタ(36)が、前記第1筐体(1)内のメイン基板に接続されている。
図7に示す如く、カメラ本体(38)のカバー部(75)の表面には、開口(73)が設けられており、該開口(73)から、回路基板(33)上に実装されたCCD(39)が露出している。更に、カバー部(75)の表面には、枠体(32)と係合するフック部(70)と、環状のリブ部(71)とが突設されると共に、該リブ部(71)に嵌合してレンズホルダ(31)とカメラ本体(38)との距離を調整すべき環状の調整リング(61)が設置されている。
調整リング(61)の外周部には、前記切換レバー(5)に連結されるべき連結部(64)が突設されており、該連結部(64)は、図6に示す如く、カバー部(75)の側面に開設した開口(74)からカメラ本体(38)の外部に突出している。調整リング(61)は、連結部(64)が開口(74)の内周面の一端に当接した第1回動位置と、他端に当接した第2回動位置との間で回動可能となっている。
図7に示す調整リング(61)上には、レンズホルダ(31)が設置され、該レンズホルダ(31)の外周面には、環状のフランジ部(72)が突設され、該フランジ部(72)上にコイルバネ(60)が設置されている。該コイルバネ(60)は、フランジ部(72)の表面と、カメラ本体(38)のフック部(70)と係合した枠体(32)の内面との間で圧縮された状態に保持されており、コイルバネ(60)の弾性復帰力により、レンズホルダ(31)は、調整リング(61)に向けて付勢された状態で保持されている。
更に、調整リング(61)とレンズホルダ(31)のフランジ部(72)との対向部には、第1カム機構(6)が設けられている。
図8(a)(b)に示す如く、第1カム機構(6)は、調整リング(61)の表面に形成した第1カムフォロワー(62)と、レンズホルダ(31)のフランジ部(72)の裏面に形成した第1カム面(66)とから構成される。
第1カムフォロワー(62)は、調整リング(61)の表面からレンズホルダ(31)のフランジ部(72)の裏面に向けて突設されており、該第1カムフォロワー(62)の頂部には、平坦面(63)が形成されている。図9に示す如く、第1カムフォロワー(62)は、調整リング(61)の表面に120度の間隔で3箇所に形成されており、例えば、各平坦面(63)が占める角度θ1は、25度に設定されている。
一方、図8(a)(b)に示す如く、レンズホルダ(31)のフランジ部(72)の裏面に形成した第1カム機構(6)の第1カム面(66)は、第1平坦面(67)と、該第1平坦面(67)から距離Gだけ調整リング(61)の表面に向けて突出した第2平坦面(68)と、第1平坦面(67)と第2平坦面(68)との間に形成された傾斜面(69)とを有している。図10に示す如く、第1平坦面(67)、第2平坦面(68)及び傾斜面(69)はそれぞれ、フランジ部(72)の裏面に120度の間隔で3箇所に形成されており、例えば、第1平坦面(67)が占める角度θ3は30度、第2平坦面(68)が占める角度θ4は75度、傾斜面(69)が占める角度θ5は10度に設定されている。又、図7に示すレンズホルダ(31)の取り付け状態において、基準線L1に対する傾斜面(69)の回転角θ6は、20度に設定されている。
図8(a)は、レンズホルダ(31)がカメラ本体(38)のCCD(39)に最も接近した状態、即ち、標準モードが設定された状態を示している。該標準モードにおいて、調整リング(61)は、連結部(64)が前記カメラ本体(38)のカバー部(75)に開設された開口(74)の内周面の一端に当接した前記第1回動位置に位置決めされている。この状態において、図9に示す如く、調整リング(61)に突設された第1カムフォロワー(62)の平坦面(63)は、基準線L1に対して回転角θ2を為す位置で静止しており、回転角θ2は、例えば17.5度に設定されている。
従って、図10に示す第1カム機構(6)の第1カム面(66)との相対位置関係により、図8(a)に示す如く、第1カムフォロワー(62)の平坦面(63)が第1カム面(66)の第1平坦面(67)に当接し、レンズホルダ(31)は、カメラ本体(38)のCCD(39)に最も接近した位置に保持される。
一方、図8(b)は、レンズホルダ(31)がカメラ本体(38)のCCD(39)から最も離間した状態、即ち、接写モードが設定された状態を示しており、この状態において、第1カムフォロワー(62)の平坦面(63)は、第1カム面(66)の第2平坦面(68)に当接しており、レンズホルダ(31)は、図8(a)に示す標準モードより距離G分カメラ本体(38)のCCD(39)から離間した位置に保持されることになる。
撮影モードを標準モードから接写モードに切り換える場合には、調整リング(61)を反時計方向に回転させる。これによって、調整リング(61)の第1カムフォロワー(62)は、前記コイルバネ(60)の押圧力に抗してレンズホルダ(31)を押し上げながら、第1カム面(66)を第1平坦面(67)から傾斜面(69)へと摺動し、第2平坦面(68)へ至る。その後、調整リング(61)の連結部(64)が、前記カメラ本体(38)のカバー部(75)に開設された開口(74)の内周面の他端に当接して、調整リング(61)は、前記第2回動位置に位置決めされ、接写モードへの切り換えが完了する。
逆に、撮影モードを接写モードから標準モードに切り換える場合には、調整リング(61)を時計方向に前記第1回動位置に至るまで回転させる。このとき、調整リング(61)の第1カムフォロワー(62)は、第1カム面(66)を第2平坦面(68)から傾斜面(69)を経て第1平坦面(67)へと摺動し、これに伴って、レンズホルダ(31)は、前記コイルバネ(60)の付勢力によって押し下げられる。
図11に示す如く、カメラホルダ(4)は、前記カメラモジュール(3)が挿入されるべき開口部(41)と、前記切換レバー(5)を支持するレバー支持部(42)とを有している。カメラモジュール(3)は、カメラホルダ(4)の開口部(41)に下方から挿入され、図6に示すカメラ本体(38)のカバー部(75)の表面が、カメラホルダ(4)の裏面に当接して位置決めされる。
図11に示すカメラホルダ(4)のレバー支持部(42)は、後述する切換レバー(5)のホルダ係合部(53)と係合するガイド溝(43)と、切換レバー(5)が摺動するガイドレール(44)とを有している。
図4及び図5に示した第2カム機構(8)は、カメラホルダ(4)のガイドレール(44)と切換レバー(5)との対向部に設けられており、図11に示す如く、ガイドレール(44)の表面には、前記第2カム機構(8)のカム面を構成する第2カム面(80)が形成されている。該第2カム面(80)は、第1平坦部(81)と、第2平坦部(83)と、第1平坦部(81)と第2平坦部(83)の間に形成された凸部(82)とを有し、該凸部(82)には、第1平坦部(81)から凸部(82)の頂部に至る緩斜面部(84)と、凸部(82)の頂部から第2平坦部(83)に至る急斜面部(85)とが形成されている。
ここで、第2カム面(80)の緩斜面部(84)及び急斜面部(85)の傾斜角は、切換レバー(5)が第2平坦部(83)から第1平坦部(81)に向けて第2カム面(80)を摺動して前記凸部(82)を乗り越える際の摺動抵抗と、第1平坦部(81)から第2平坦部(83)に向けて第2カム面(80)を摺動して前記凸部(82)を乗り越える際の摺動抵抗との差が、前記コイルバネ(60)の付勢力に等しくなる様に調整されている。
図12及び図13に示す如く、切換レバー(5)は、レバー本体(51)と、該レバー本体(51)の表面に突設されて図2に示す如く第1筐体(1)の開口(14)から露出する操作部(52)とを有している。図13に示すレバー本体(51)の裏面には、略T字状のホルダ係合部(53)と突片(55)とが突設されると共に、前記カメラモジュール(3)から突出した調整リング(61)の連結部(64)が嵌まる凹部(56)が形成されている。
更に、レバー本体(51)の裏面には、前記カメラホルダ(4)のガイドレール(44)の表面に形成された第2カム面(80)との対向部に、円弧面状の第2カムフォロワー(86)が突設され、該第2カムフォロワー(86)とガイドレール(44)の表面に形成された第2カム面(80)とから前記第2カム機構(8)が構成される。
図14に示す如く、切換レバー(5)は、該切換レバー(5)の裏面に突設されたホルダ係合部(53)をカメラホルダ(4)のガイド溝(43)に嵌合してカメラホルダ(4)に取り付けられる。この状態において、切換レバー(5)のレバー本体(51)の裏面は、カメラホルダ(4)のガイドレール(54)の表面に摺接し、切換レバー(5)のホルダ係合部(53)の頭部は、ガイドレール(54)の裏面に摺接している。更に、切換レバー(5)のホルダ係合部(53)と突片(55)との間にカメラホルダ(4)のガイドレール(54)を挟み込んでいる。この結果、切換レバー(5)は、カメラホルダ(4)のガイド溝(42)に沿う方向にスライド可能にカメラホルダ(4)に支持されることになる。
図15及び図16は、撮影モードを標準モードに設定した状態を示しており、この状態において、切換レバー(5)は、図15に示す標準モード位置に位置しており、これに伴って、前記カメラモジュール(3)の調整リング(61)は、前記第1回動位置に位置している。又、図16に示す如く、第2カムフォロワー(86)は、第2カム面(80)の凸部(82)の緩斜面部(84)に摺接している。
一方、図17及び図18は、撮影モードを接写モードに設定した状態を示しており、この状態において、切換レバー(5)は図17に示す如く接写モード位置に位置しており、これに伴って、前記カメラモジュール(3)の調整リング(61)は、前記第2回動位置に位置している。又、図18に示す如く、第2カムフォロワー(86)は、第2カム面(80)の第2平坦部(83)上に位置している。
従って、撮影モードを標準モードと接写モードとの間で切り換える過程で、第2カムフォロワー(86)は、第2カム面(80)の凸部(82)を乗り越えることになり、このとき、カメラホルダ(4)のガイドレール(44)及びその周辺部が僅かに弾性変形し、これによって生じる弾性力により、第2カムフォロワー(86)は第2カム面(80)に圧接されることになる。
撮影モードを標準モードから接写モードに切り換える場合には、切換レバー(5)の操作部(52)に指を掛けて、該切換レバー(5)を図15に示す標準モード位置から図17に示す接写モード位置へ第1方向にスライドさせる。切換レバー(5)を第1方向にスライドさせる過程で、図16に示す第2カムフォロワー(86)は、緩斜面部(84)から凸部(82)の頂部を経て急斜面部(85)へと第2カム面(80)を摺動する。第2カムフォロワー(86)は緩斜面部(84)を摺動するため、前記切換レバー(5)の第1方向の移動に対する抗力は小さなものなる。
又、切換レバー(5)の第1方向のスライド操作に伴って、前記カメラモジュール(3)の調整リング(61)が、前記第1回動位置から第2回動位置に回動して、前記コイルバネ(60)の付勢力に抗してレンズホルダ(31)を押し上げる。
従って、標準モードから接写モードに切り換える過程で、切換レバー(5)の操作に対する負荷は、調整リング(61)がコイルバネ(60)の付勢力に抗してレンズホルダ(31)を押し上げることにより生じる第1カム機構(6)の大きな抗力と、前記切換レバー(5)の第1方向の移動に対する小さな抗力との合力となり、ユーザは、該合力を負荷(操作感)として感じることになる。
逆に、撮影モードを接写モードから標準モードに切り換える場合には、切換レバー(5)の操作部(52)に指を掛けて、該切換レバー(5)を図17に示す接写モード位置から図15に示す標準モード位置へ第2方向にスライドさせる。切換レバー(5)を第2方向にスライドさせる過程で、図18に示す第2カムフォロワー(86)は、急斜面部(85)から凸部(82)の頂部を経て緩斜面部(84)へと第2カム面(80)を摺動する。第2カムフォロワー(86)は急斜面部(85)を摺動するため、前記切換レバー(5)の第2方向の移動に対する抗力は大きなものなる。
又、切換レバー(5)の第2方向のスライド操作に伴って、前記カメラモジュール(3)の調整リング(61)が前記第2回動位置から第1回動位置に回動し、レンズホルダ(31)は、前記コイルバネ(60)の付勢力によって押し下げられる。
従って、接写モードから標準モードに切り換える過程で、切換レバー(5)の操作に対する負荷は、第1カム機構(6)の微小な摺動抵抗と、前記切換レバー(5)の第2方向の移動に対する大きな抗力との合力となり、ユーザは、該合力を負荷(操作感)として感じることになる。
ここで、上述の如く、第2カム面(80)の緩斜面部(84)及び急斜面部(85)の傾斜角は、第1方向への移動過程で切換レバー(5)に付与される抗力と第2方向への移動過程で切換レバー(5)に付与される抗力との差が、前記コイルバネ(60)の付勢力に等しくなる様に調整されているので、撮影モードを標準モードから接写モードに切り換える過程でユーザが感じる操作感と、接写モードから標準モードに切り換える過程でユーザが感じる操作感とを同一にすることが出来る。従って、ユーザが違和感を感じることはない。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば本実施例においては、第2カム機構(8)によって抵抗付与機構を構成したが、抵抗付与機構はカム機構に限らず、操作部材の操作にその方向によって異なる大きさの抵抗を付与することが可能な周知の種々の機構を採用することが可能である。
更に、第2カム機構(8)の第2カム面(80)の形状は上述した形状に限らず、例えば、前記切換レバー(5)の第1方向の移動に伴ってカム曲線が下降し、第2方向の移動に伴ってカム曲線が上昇するカム面の形状を採用することも可能である。
本発明に係るカメラ付き携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。 図1のA部を拡大して示す斜視図である。 第1筐体の内部を示す斜視図である。 カメラアセンブリを表面側から見た斜視図である。 カメラアセンブリを裏面側から見た斜視図である。 カメラモジュールの斜視図である。 カメラモジュールの断面図である。 第1カム機構を示す断面図である。 調整リングの平面図である。 レンズホルダのフランジ部を示す平面図である。 カメラホルダの斜視図である。 切換レバーを表面側から見た斜視図である。 切換レバーを裏面側から見た斜視図である。 カメラホルダ及び切換レバーの取り付け状態を示す分解斜視図である。 標準モードにおけるカメラアセンブリの状態を示す平面図である。 図15のC−C線に沿う断面図である。 接写モードにおけるカメラアセンブリの状態を示す平面図である。 図17のD−D線に沿う断面図である。
符号の説明
(1) 第1筐体
(13) カメラアセンブリ
(2) 第2筐体
(3) カメラモジュール
(31) レンズホルダ
(33) 回路基板
(38) カメラ本体
(39) CCD
(4) カメラホルダ
(42) レバー支持部
(5) 切換レバー
(53) ホルダ係合部
(55) 突片
(6) 第1カム機構
(60) コイルバネ
(61) 調整リング
(62) 第1カムフォロワー
(66) 第1カム面
(8) 第2カム機構
(80) 第2カム面
(81) 第1平坦部
(82) 第2平坦部
(83) 凸部
(84) 緩斜面部
(85) 急斜面部
(86) 第2カムフォロワー

Claims (4)

  1. 筐体内にカメラアセンブリ(13)が配備され、該カメラアセンブリ(13)は、光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させて焦点を切り換える焦点切換え装置を具え、該焦点切換え装置は、前記光学部品を往復移動させる往復移動機構と、前記光学部品を第1位置から第2位置へ向けて移動させる方向に前記往復移動機構を付勢する付勢部材と、前記光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させる際に操作すべき操作部材とを具えているカメラ付き携帯型電子機器において、
    前記焦点切換え装置には、前記操作部材の操作に抵抗を与えるための抵抗付与機構が連繋し、該抵抗付与機構は、前記操作部材に連繋するカムフォロワーと該カムフォロワーが摺接するカム面とを有するカム機構によって構成され、前記カム面は、前記光学部品を第1位置から第2位置に移動させる過程で前記カムフォロワーが前記付勢部材の付勢力に抗して摺動すべき急斜面部(85)と、前記光学部品を第2位置から第1位置に移動させる過程で前記カムフォロワーが前記付勢部材の付勢力に抗して摺動すべき緩斜面部(84)とを有していることを特徴とするカメラ付き携帯型電子機器。
  2. 筐体内にカメラアセンブリ(13)が配備され、該カメラアセンブリ(13)は、光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させて焦点を切り換える焦点切換え装置を具え、該焦点切換え装置は、前記光学部品を往復移動させる往復移動機構と、前記光学部品を第1位置から第2位置へ向けて移動させる方向に前記往復移動機構を付勢する付勢部材と、前記光学部品を第1位置と第2位置の間で往復移動させる際に操作すべき操作部材とを具えているカメラ付き携帯型電子機器において、
    前記焦点切換え装置には、前記操作部材の操作に抵抗を与えるための抵抗付与機構が連繋し、該抵抗付与機構はカム機構によって構成され、
    該カム機構は、前記光学部品を第1位置と第2位置の間で移動させるための操作部材の移動に伴ってカム曲線が変化するものであり、前記焦点切換え装置の操作部材に形成したカムフォロワーと、該カムフォロワーが摺接するカム面とを具え、該カム面は、第1平坦部(81)と、第2平坦部(83)と、第1平坦部(81)と第2平坦部(83)の間に形成された凸部(82)とを有し、該凸部(82)には、前記第1平坦部(81)から該凸部(82)の頂部に至る緩斜面部(84)と、該凸部(82)の頂部から前記第2平坦部(83)に至る急斜面部(85)とが形成されて、前記光学部品を第1位置から第2位置に移動させる過程で、前記カム機構のカムフォロワーは、前記第2平坦部(83)から第1平坦部(81)に向けてカム面を摺動して前記凸部(82)を乗り越え、前記光学部品を第2位置から第1位置に移動させる過程で、前記カム機構のカムフォロワーは、前記第1平坦部(81)から第2平坦部(83)に向けてカム面を摺動して前記凸部(82)を乗り越えることを特徴とするカメラ付き携帯型電子機器。
  3. 前記カメラアセンブリ(13)は、前記筐体内に設置されて前記焦点切換え装置の操作部材をスライド可能に支持する支持部材を具え、前記抵抗付与機構を構成するカム機構は、前記焦点切換え装置の操作部材と前記支持部材との対向部に設けられている請求項1又は請求項2に記載のカメラ付き携帯型電子機器。
  4. 前記カメラアセンブリ(13)は、撮像素子を具えたカメラ本体(38)と、光学部品を保持するレンズホルダ(31)と、カメラ本体(38)とレンズホルダ(31)との間で回動可能に挟持されて両者の間隔を調整する調整リング(61)と、該調整リング(61)に向けてレンズホルダ(31)を付勢するコイルバネ(60)と、前記調整リング(61)に連結した切換レバー(5)とを具え、前記調整リング(61)と前記レンズホルダ(31)との対向部に前記カム機構が設けられ、該カム機構によって前記焦点切換え装置の往復移動機構が構成され、前記コイルバネ(60)によって前記焦点切換え装置の付勢部材が構成され、前記切換レバー(5)によって前記焦点切換え装置の操作部材が構成されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカメラ付き携帯型電子機器。
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