JP4642008B2 - 筐体開閉機構および電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば折り畳み式携帯電話端末などの電子機器に使用して好適な筐体開閉機構に関する。
携帯電話端末や、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末、電子辞書などの携帯型の電子機器は、小型にするために、端末筐体を、上筐体と、下筐体とに分け、折り畳み式とする構成が良く採用されている。
この種の電子機器に一般的に採用されている従来の筐体開閉機構は、矩形の筐体の長辺または短辺に平行な方向を回転軸として、上筐体を下筐体に対して回転させて開閉するようにする構成である。すなわち、通常は、矩形の筐体の長辺または短辺の一方に平行な方向を回転軸として上筐体を下筐体に対して回転させて、一方向にのみ開閉することができる構成である。
しかし、例えば最近の携帯電話端末は、電話端末としての機能のみならず、テレビ視聴機能やゲーム機能などを有するように多機能になってきている。このような電子機器の多機能の使用環境を考慮した場合、矩形の筐体の長辺または短辺の一方ではなく、両方に平行な方向を回転軸とした開閉ができるようにすることが要望される。
この種の2方向の開閉を可能にした筐体開閉機構を備える携帯電話端末が、例えば特許文献1(特開2005−198062号公報)に開示されている。図10〜図12は、この特許文献1に記載された携帯電話端末の概要を説明するための図である。
すなわち、この特許文献1の携帯電話端末は、図10に示すように、端末筐体は下筐体1と上筐体2から構成されており、下筐体の長辺方向の一方の端部において、短辺方向のほぼ中央に第1のヒンジユニット3が設けられる。
そして、第1のヒンジユニット3に対しては、短辺方向の回転軸5により回転可能に第2のヒンジユニット4が取り付けてある。そして、第2のヒンジユニット4に対しては、長辺方向の回転軸6により回転可能となるように、上筐体2が取り付けられている。
したがって、この特許文献1に記載の携帯電話端末においては、上筐体2は、下筐体1に対して、閉状態から、短辺方向の回転軸5を中心として回転して、図11に示すように、縦方向に開く状態にすることができると共に、上筐体2は、下筐体1に対して、閉状態から、長辺方向の回転軸6を中心として回転して、図12に示すように、横方向に開く状態にすることができる。
上記の特許文献および非特許文献は、次の通りである。
特開2005−198062号公報
上述した特許文献1に示されるように、筐体開閉機構として、縦方向および横方向の2方向に開閉を可能にしようとした場合には、一般的には、ヒンジユニットを2個設ける必要があり、このため、ヒンジ部分が大きなスペースを占めてしまうという問題があった。
特に、特許文献1の場合、図12に示したように、横開きにするための回転軸が上筐体2の側面から突出するように設けられる構成であって、第1および第2のヒンジユニットが、上筐体2の側面側に設けられる必要があり、下筐体1の上筐体2と対向する面上に第1および第2のヒンジユニット3,4を設けた場合には、上筐体2の大きさは、第1および第2のヒンジユニット3,4の分だけ小さくなって、デザイン的に、一体感に欠けるという問題がある。
また、上筐体2の縦方向および横方向の2方向の開閉について、開閉時の回転にはある程度の重み(抵抗感)があった方が、高級感が得られるが、そのための構成も、特許文献1のような構造の場合には、第1および第2のヒンジユニット3,4のそれぞれに対して、それらを実現するための部材を付加しなければならず、より大型化してしまうという問題がある。
この発明は、以上の点にかんがみ、小型に構成でき、デザイン的に良好な構成とすることが可能な筐体開閉機構を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明による筐体開閉機構は、
下筐体に対して、上筐体が、第1の方向を回転軸線方向として開閉すると共に、前記第1の方向に対して直交する第2の方向を回転軸線方向として開閉する筐体開閉機構であって、
横断面が所定形状の柱状部材からなり、外周面に平行な方向が前記第1の方向となるような状態で、前記下筐体に対して固定されるカムと、
棒状ピンと、
前記棒状ピンを、当該棒状ピンの中心線方向に移動可能に収納する中空棒状部を備え、前記棒状ピンの中心線方向の一端側の端面が前記カムの前記外周面に対向する状態を維持するように前記中空棒状部を前記第2の方向に配し、かつ、前記中空棒状部が前記第1の方向を回転軸線方向として回転するように、前記カムに対して回転可能に取り付けられる棒状アーム部材と、
前記棒状アーム部材の前記中空棒状部内において、前記棒状ピンの前記一端側の端面を前記カムの外周面に常時圧接させるように前記棒状ピンを前記中心線方向に偏倚させる第1の偏倚手段と、
前記棒状アーム部材の前記中空棒状部に対して、当該中空棒状部を前記第2の方向を回転軸線方向として回転可能とするように挿通される、前記上筐体に対して取り付けられている回転アーム部材と、
前記回転アーム部材の、前記中空棒状部に対する回転に対して抵抗する力を付与する手段と、
を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の筐体開閉機構において、
前記カムの横断面の所定カム形状は、前記上筐体が前記下筐体に対して閉状態のときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面と前記第1の方向の回転軸線位置との距離よりも、前記第1の方向の軸線位置を回転中心として前記上筐体が前記下筐体に対して回転して開状態となったときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面と前記第1の方向の回転軸線位置との距離の方が大きくなるようなものとされる
ことを特徴とする。
上述の構成の請求項1の発明においては、ユーザが、上筐体を、下筐体に対して閉状態から、第1の方向を回転軸線方向として回転して開状態にしようとすると、下筐体に固定された柱状のカムの中心線方向に平行な第1の方向の回転軸線を回転中心として、棒状アーム部材が回転し、前記開状態を実現することができる。
このとき、棒状アーム部材内に設けられている棒状ピンの一端側の端面が、第1の偏倚手段によりカムの外周側面に対して常時圧接されるようにされているので、カムの横断面の形状に応じた反力を受けながら、棒状アーム部材は回転する。
したがって、カムの横断面の形状が、例えば請求項2に記載のように構成されている場合には、上筐体を開状態にすると、閉状態よりも大きな反力を棒状ピンがカムから受けるので、適度の重みを持って開方向に回転させ、また、閉じるときには、軽く閉じるように感じられるようにすることができる。
また、ユーザが、上筐体を、下筐体に対して閉状態から、第2の方向を回転軸線方向として回転して開状態にしようとすると、回転アーム部材が棒状アーム部材の棒状部を回転軸として回転し、前記開状態を実現することができる。
このとき、回転アーム部材は、その回転に対して抵抗力を受けるように構成されているので、適度の重みを感じながら回転させることができる。この抵抗力を付与する手段としては、棒状アーム部材の棒状部と回転アーム部材との間において付与すればよいので、ヒンジ部が大きくなるようなことは全く無い。
そして、請求項1の発明によれば、下筐体に設けるヒンジ部としては、下筐体に対して固定されたカムを含む部分のみでよいので、小型化でき、上筐体と下筐体とをほぼ同一形状とすることでき、デザイン上の一体感が得られる。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の筐体開閉機構において、
前記カムの、前記閉状態のときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する外周面部分と、前記第1の方向を回転軸線方向として前記上筐体が前記下筐体に対して回転して所定の回転角になった位置において前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面部分とは、前記棒状ピンの前記端面に対応した面形状とされている
ことを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、ユーザが、上筐体を、下筐体に対して閉状態から、第1の方向を回転軸線方向として回転して所定の回転角位置まで開状態にすると、棒状ピンの端面が、カムの外周面の棒状ピンの端面に対応した面形状部分に嵌合するので、その回転角位置でクリック感が得られ、その回転角位置で回転を停止することができる。
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の筐体開閉機構において、
前記第2の偏倚手段の偏倚力に抗して前記上筐体を前記閉状態から前記第2の方向を回転軸線方向として回転することで前記回転アーム部材を前記棒状アーム部材に対して回転させるときに、前記閉状態のときと、前記開状態の所定の回転角位置とにおいて嵌合する嵌合部材を設けた
ことを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、ユーザが、上筐体を、下筐体に対して閉状態から、第2の方向を回転軸線方向として回転して所定の回転角位置まで開状態にすると、嵌合部材が嵌合する状態となり、その回転角位置でクリック感が得られ、その回転角位置で回転を停止することができる。
また、請求項5の発明は、請求項2に記載の筐体開閉機構において、
前記棒状ピンは、その中心線方向の他端側に、その周面に対して直交する方向に突出する前記突起を備え、
前記棒状アーム部材は、前記棒状ピンの前記突起を外部に突出させる第1の透孔溝を備え、前記第1の透孔溝を通じて前記突起を外部に突出させた状態で前記棒状ピンを前記第2の方向に移動可能に収納するようにし、
前記回転アーム部材は、前記突起が入り込むことが可能なように、前記第2の方向に延長される第2の透孔溝を備え、
前記下筐体に対して上筐体が閉じられた状態においては、前記回転アーム部材の前記第2の透孔溝は、前記第1の透孔溝に延長する方向に配されるようにされるが、前記突起は、前記第2の透孔溝には入り込まない状態とされ、
前記下筐体に対して上筐体が前記第1の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、前記カムにより、前記突起が前記第2の透孔溝に入り込んで、前記上筐体が、前記開状態において前記第2の方向を回転軸線方向として回転するのを規制するようにされ、
前記下筐体に対して上筐体が前記第2の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、前記回転アーム部材が前記突起と突き当たって、前記突起の第2の方向への移動が規制されることにより、前記下筐体が前記第1の方向を回転軸線方向として回転するのを規制するようにされる
ことを特徴とする。
上記の構成の請求項5の発明においては、上筐体が第1の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、棒状ピンの他端側に設けられた突起が、回転アーム部材の第2の透孔溝に入り込むことで、回転アーム部材の棒状アーム部材に対する回転が規制される。
また、上筐体が前記第2の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、回転アーム部材が前記突起と突き当たって、前記突起の第2の方向への移動が規制されるため、棒状アーム部材の第1の方向を回転軸線方向とした回転が規制される。
したがって、上筐体の第1の方向を回転軸線方向とした回転による開閉と、上筐体の第2の方向を回転軸線方向とした回転による開閉とは、全く、独立して行なわれ、一方の開閉動作において開状態においては、他方の開閉動作はできないようにされるので、誤開閉動作を防止することができ、延いては筐体の開閉機構の破壊を防止することができる。
この発明によれば、下筐体に設けるヒンジユニットとしては、下筐体に対して固定されたカムを含む部分のみでよいので、小型化でき、上筐体と下筐体とをほぼ同一形状とすることでき、デザイン上の一体感が得られる。しかも、簡単な構成で、上筐体の下筐体に対する回転に際して、重み感を付与することができるという効果が得られる。
以下、この発明による筐体開閉機構の実施形態を、折り畳み式携帯電話端末に適用した場合を例に、図を参照しながら説明する。
図2は、この発明による筐体開閉機構の実施形態が適用された折り畳み式携帯電話端末の実施形態の筐体の全体を示すものである。この実施形態の折り畳み式携帯電話端末の実施形態の筐体10は、下筐体11と、上筐体12とからなる。
この実施形態では、図2に示すように、2軸ヒンジ部13の一部が、矩形の筐体10の4つの隅の一つにおいて、下筐体11の上に固定されて露呈する状態とされる。この実施形態では、この2軸ヒンジ部13により、上筐体12の下筐体11に対する以下に説明するような2方向の開閉動作をすることを可能にする。
この実施形態では、図2において、一点鎖線14で示すように、筐体10の短辺方向に直交する長辺方向に平行な方向を第1の回転軸線方向として、上筐体12が下筐体11に対して回転することで、第1の方向の開閉(以下、この方向の開閉を横開閉という)をすることができるように構成される。また、この実施形態では、図2において、一点鎖線15で示すように、筐体10の短辺方向に平行な方向を第2の回転軸線方向として、上筐体12が下筐体11に対して回転することで、第2の方向の開閉(以下、この方向の開閉を縦開閉という)をすることができるように構成される。
図1に、この発明による筐体開閉機構の実施形態における2軸ヒンジ部13の機構部品(下筐体11および上筐体12を除く)の分解斜視図を示す。
この実施形態における機構部品は、図1に示すように、横断面が所定のカム形状の柱状のカム20と、棒状ピン部材(以下、プッシュピンと称する)30と、棒状アーム部材40と、回転アーム部材50と、ホルダ部材60と、フレーム部材71,72と、カム固定用ノックピン75と、ブッシュ76と、第1および第2の嵌合カム81および82と、第1および第2の偏倚手段としてのばね91および92などとからなる。この実施形態では、これらは、すべて樹脂により構成されている。筐体開閉機構に使用される部品として金属部分を用いないことで、携帯電話端末などの通信端末における通信電波に対する影響をなくすことができる。
図1に示すように、この実施形態では、カム20、プッシュピン30、棒状アーム部材40、回転アーム部材50、ホルダ部材60は、一点鎖線14で示す筐体の短辺方向に並べられるもので、前述の図2にも示したように、カム20と、棒状アーム部材40の一部およびフレーム部材71,72の部分が外部に露呈し、棒状アーム部材40の前記一部を除く他の部分と、回転アーム部材およびホルダ部材60、嵌合カム81および82、ばね92などは、上筐体12内に収納されるものである。
また、後述するように、プッシュピン30およびばね91は、棒状アーム部材40の棒状部41の中空部内に収納され、外部には露呈しない。
カム20は、横断面が図3に示すような形状をしている柱状物であり、その外周面21に平行な方向に矩形の貫通孔22が設けられている。
一方、カム固定用ノックピン75は、矩形ピン部分75aの一端側寄りに、上筐体12の縦開閉の回転軸の一部となる円柱部75bが設けられた形状をしたものである。そして、このカム固定用ノックピン75の円柱部75bよりも一端側に突出する部分は、フレーム部材72に設けられる矩形貫通孔72aに挿入されるようにされるものである。
また、カム固定用ノックピン75の円柱部75bよりも他端側に延びる矩形ピン部分75aは、カム20の矩形の貫通孔22を通して、その先端が突き出るようにされている。そして、その突き出た矩形ピン部分75aには、円柱状ブッシュ76が、その矩形貫通孔76aを貫通して装着される。このとき矩形ピン75aの先端は、円柱状ブッシュ76よりも更に突き出る長さとなっており、当該プッシュ76よりも突き出た矩形ピン部分75aは、フレーム部材71の矩形貫通孔71aに挿入されるようにされる。
円柱状ブッシュ76は、前述したカム固定用ノックピン75の円柱部75bと共に、上筐体12の縦開閉の回転軸を構成するものである。
棒状アーム部材40は、カム固定用ノックピン75の円柱部75bおよび円柱状ブッシュ76を回転軸位置として、したがって、筐体10の長辺方向(一点鎖線14の方向)を回転軸線方向として回転可能となるように取り付けられる。
このため、この実施形態では、棒状アーム部材40は、棒状部41と、回転支持部42とを備える。回転支持部42は、カム固定用ノックピン75の円柱部75bおよび円柱状ブッシュ76が挿入される貫通孔43を備える鍔部42aおよび42bを備える。図1では、鍔部42b側の貫通孔43のみが示されている。
鍔部42aおよび42bは、棒状部41の中心線方向とは直交する方向(一点鎖線14で示す筐体10の長辺方向)において、所定距離だけ離れた位置に設けられる。そして、回転支持部42は、これら2個の鍔部42aおよび42bの間のスペース内に、カム20を、その外周面が、前記長辺方向に平行な方向となるような状態で収納するように構成されている。
棒状アーム部材40の棒状部41は、中空棒状部44と、ホルダ部材60に挿入されるピン部45とからなる。この実施形態では、中空棒状部44は、径が大きい大径部46と、径が小さい小径部47とからなる。
この実施形態では、棒状部41の中空棒状部44には、プッシュピン30およびばね91が収納されるように構成される。プッシュピン30は、径小部47の内径よりも小さい径のピンとされるが、ばね91の径は、径小部47の内径よりも大きいものとされている。
プッシュピン30は、その中心線方向の一端側に、カム20の外周面と当接する当接部31を備える。この当接部31は、プッシュピン30の径よりも大きく、かつ、カム20の外周面の幅(柱状カムの高さに相当)に応じた大きさとされると共に、カム20の外周面と当接する端面が、この例では平面とされている。
ばね91は、図示のように、プッシュピン30に巻回されるように取り付けられており、当接部31の部分で係止するようにされている。
プッシュピン30およびばね91は、棒状アーム部材40の中空棒状部44内に収納されるが、この例では、ばね91の径は、径小部47の内径よりも大きいものとされているため、径小部47に入り込めず、径大部46と径小部47との境目の壁からの反力により、ばね91は、常に、プッシュピン30を、当該プッシュピン30の当接部31の端面をカム4の外周面21側に押圧するようにする偏倚させる。
一方、この実施形態では、カム20の横断面に対応する形状は、図3に示すようなものとされている。図3において、カム20は、その外周面の一部を下筐体11の面と平行となる底面23とする形状を備えている。
そして、カム20の横断面の所定カム形状は、上筐体12を下筐体11に対して横開閉する場合において、ばね91の弾性偏倚力によるプッシュピン30の当接部31の端面の、カム20の外周面に対する圧接力が、下筐体11に対する上筐体12の開き角度が大きくなるにしたがって、大きくなるような形状とされている。
すなわち、図3に示すように、横開閉の回転軸線位置(回転中心位置)をPoとすると、棒状アーム部40が、ばね91の弾性偏倚力によりプッシュピン30の当接部31の端面をカム20の外周面に対して当接させながら、回転中心位置Poを中心に回転するとき、プッシュピン30の当接部31の端面と当接するカム20外周面21と回転軸線位置Poとの距離が、図3において、距離d1<距離d2<距離d3のように徐々に大きくなるように、カム20の横断面の形状が選定されている。
このような構成により、上筐体12の横開閉においては、開き角度を大きくするにしたがって、カム20の外周面21からの、ばね91の弾性偏倚力に抗する反力が大きくなるので、その反力が使用者に伝達されて、横開閉において、開く方向の回動に対する適度の重みとなる。
一方、横開閉において上筐体12を下筐体11に対して閉じる方向に回動すると、開き角度が小さくなるにしたがって、カム20の外周面21からの、ばね91の弾性偏倚力に抗する反力が徐々に小さくなるので、その反力の減少により、上筐体12に対しては下筐体11に対して閉じる方向に力が加わることになり、上筐体12はスムースに閉状態に移行するようになる。
そして、更に、この実施形態では、カム20の外周面21の、上筐体12の下筐体11に対する閉状態においてプッシュピン30の当接部31が当接する部分と、上筐体12の下筐体11に対する最大開状態においてプッシュピン30の当接部31が当接する部分とにおいては、プッシュピン30の当接部31の平面に係合するように、平面21aと、平面21bとされている。
これにより、上筐体12の横開閉において、閉じた状態から開状態にするとき、最大開状態近傍になると、プッシュピン30の当接部31の当接平面とカム20の外周面21の平面21bとが係合するような状態に引き込むように動作し、使用者にはクリック感として感知される。なお、カム20の外周面21の平面21bの、横開閉の開方向の端縁には、段差突部24が形成されており、プッシュピン30の当接部31が、当該段差突部24に衝合して、それ以上、棒状アーム部材40が横開閉の開方向には回動しないように構成されている。
また、上筐体12の横開閉において、開いている状態から閉状態にするとき、閉状態近傍になると、プッシュピン30の当接部31の当接平面とカム20の外周面21の平面21aとが係合するような状態に引き込むように動作し、使用者にはクリック感として感知される。なお、カム20の外周面21の平面21aの、横開閉の閉方向の端縁には、段差突部25が形成されており、プッシュピン30の当接部31が、当該段差突部25に衝合して、それ以上、棒状アーム部材40が横開閉の閉方向には回動しないように構成されている。
以上のような横開閉をなすための機構部分は、下筐体11に対して、フレーム部材71、72が用いられて、次のようにして取り付けられる。
すなわち、まず、ばね91が取り付けられたプッシュピン30を、棒状アーム部材40の中空棒状部44内に収納する。そして、カム20を、プッシュピン30の当接部31の端面に外周部21を当接させて、プッシュピン30を、ばね91の弾性偏倚力に抗して中空棒状部44内に偏倚させた状態で、棒状アーム部材40の2個の鍔部42aおよび42bの間のスペースに配置するようにする。
この状態で、カム固定用ノックピン75の矩形ピン75aを、棒状アーム部材40の鍔部42a→カム20の矩形貫通孔22→鍔部42b→ブッシュ76の順に挿通する。このとき、鍔部42aおよび42bの貫通孔43に、丁度、カム固定用ノックピン75の円柱部75bおよび円柱状ブッシュ76が回転可能な状態で挿通している状態となる。
そして、ブッシュ76よりも突き出た矩形ピン部分75aの先端を、更に、フレーム部材71の矩形貫通孔71aに挿通し、外部に突き出すようにする。また、カム固定用ノックピン75の円柱部75bよりも一端側に突出する部分を、フレーム部材72に設けられる矩形貫通孔72aに挿入し、外部に突き出すようにする。
以上のような組立を維持した状態で、フレーム部材71および72を、下筐体11に対してノックピン73および74により、固定するようにする。これにより、棒状アーム部材40は、図3に示すように、回転軸線位置Po(一点鎖線14で示した長辺方向の回転軸線に平行な位置)を中心として、下筐体11に対して回動可能となり、後述するように、この棒状アーム部材40が上筐体12と一体的に動くように構成されることにより、上筐体12が長辺方向の回転軸線を中心として、下筐体11に対して回動可能となる。
次に、この実施形態では、上筐体12を下筐体11に対して縦開閉させるための部材として、回転アーム部材50を設ける。回転アーム部材50は、棒状アーム部材40の中空棒状部44の小径部47の外径よりも僅かに大きい内径の円柱状中空部(図示は省略)を備える。そして、棒状アーム部材40の中空棒状部44の小径部47に、回転アーム部材50の円柱状中空部が挿通されて、回転アーム部材50が棒状アーム部材40に対して回転可能に取り付けられる。
そして、この実施形態では、この回転アーム部材50には、当該回転アーム部材50を上筐体12に固定するための上筐体固定部51を備える。この上筐体固定部51には、上筐体12の面に対接する平面51aが形成されており、この例では、この平面51aが上筐体12の面との接合固定面となる。回転アーム部材50と上筐体12との固定方法としては、接着剤を用いた接合などの他、種々の固定方法を用いることができる。
このように、上筐体12に対して回転アーム部材50が固定されることにより、上筐体12は、棒状アーム部材40に対して回転可能となり、下筐体11に対して、図1において一点鎖線15で示した短辺方向の回転軸線を中心として、回動可能となる。
そして、回転アーム部材50が、棒状アーム部材40の小径部47に回転可能に取り付けられていることにより、棒状アーム部材40は上筐体12と一体的に動くように構成されていることになる。
この結果、上筐体12は、下筐体11に対して、短辺方向の回転軸線を中心として回動可能となって縦開閉すると共に、長辺方向の回転軸線を中心として回動可能となって横開閉する。
そして、この実施形態では、回転アーム部材50の円柱状中空部の中心線方向の一端側(棒状アーム部材40の大径部46側とは反対側)の端面には、円盤状の第1の嵌合カム81が嵌合固定されている。
この実施形態では、この第1の嵌合カム81は、図4に示すようなものとされている。すなわち、図4(A)は、この第1の嵌合カム81の正面図であり、また、図4(B)は、図4(A)のA−A断面図である。
この図4に示すように、第1の嵌合カム81は、棒状アーム部材40のピン部45の円柱状部45aが挿通される貫通孔81aを備えると共に、回転アーム部材50に嵌合固定するための突部811および812を備える。さらに、第1の嵌合カム81は、この例では、貫通孔81aを横切る位置において、厚さ方向に凹となっている嵌合凹部83を備える。この嵌合凹部83は、この例では、円周方向に沿った傾斜を有する傾斜部83aおよび83bを備え、徐々に厚さ方向に凹部の深さが大きくなるような形状とされている。
回転アーム部材50が、棒状アーム部材40の中空棒状部44の小径部47に回転可能に挿通されたとき、小径部47とピン部45との間の段差部47aは、回転アーム部材50の円柱状中空部の中心線方向の一端側に嵌合固定されている第1の嵌合カム81の嵌合凹部83が形成されている側とは反対側の面84に当接する状態となる。
そして、棒状アーム部材40のピン部45は、小径部44との結合部は円柱状部45aとされ、それよりも先端側は、平行な2面を有する太鼓型形状部45bとされている。そして、太鼓型形状部45bの先端側には、後述するホルダ部材60に対して固定するためのノックピン48が挿通される貫通孔が設けられている
棒状アーム部材40のピン部45の円柱状部45aは、回転アーム部材50が、棒状アーム部材40の中空棒状部44の小径部47に回転可能に挿通されたときに、第1の嵌合カム81の貫通孔81a内に回転可能に挿通される状態になる。なお、このとき、ピン部45の円柱状部45aは、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83の凹底面83cよりも、ホルダ部材60側には突出しないように構成されている。すなわち、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83の凹底面83cよりもホルダ部材60側には、ピン部45の太鼓型形状部45bのみが存在するように構成されている。
そして、この実施形態では、図1に示すように、回転アーム部材50に嵌合固定されている第1の嵌合カム81のホルダ部材60側には、当該第1の嵌合カム81に嵌合する第2の円盤状の嵌合カム82が設けられる。
この実施形態では、この第2の嵌合カム82は、図5に示すようなものとされている。すなわち、図5(A)は、この第2の嵌合カム82の、第1の嵌合カム81と対接する面側から見た正面図であり、また、図5(B)は、図5(A)のB−B断面図である。
この図5に示すように、第2の嵌合カム82は、棒状アーム部材40のピン部45の太鼓型形状部45bは挿通されるが、円柱状部45aは挿通できない形状の貫通孔82aを備えると共に、この貫通孔82aを横切る位置において、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83に応じて、厚さ方向に凸となっている嵌合凸部85を備える。この嵌合凸部85は、この例では、円周方向に沿った傾斜を有する傾斜部85aおよび85bを備え、徐々に厚さ方向に凸部の深さが大きくなるような形状とされている。
そして、ホルダ部材60は、図1に示すように、筐体10の長辺方向に中空部を備える中空円柱状部材とされる。この実施形態では、ホルダ部材60の中空部は、回転アーム部材50に対向する側においては、ばね92を収納可能とすると共に、第2の嵌合カム82を収納可能とする円柱状とされる。一方、ホルダ部材60の、回転アーム部材50に対向する側とは反対側の先端側には、棒状アーム部材40のピン部45の太鼓型形状部45bのみが挿通可能とされる太鼓型形状の中空部61が形成される。
太鼓型形状の中空部61が形成されるホルダ部材60の外周部は、中空部61の形状に応じた平行平面62を形成するように構成され、かつ、その平行平面62には、ノックピン48を挿通する貫通孔63が形成されている。
そして、この実施形態では、ホルダ部材60内に収納されると共に、太鼓型形状の中空部の部分で一端側が係止されているばね92により、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83と、第2の嵌合カム82の嵌合凸部85とが嵌合する状態で、第2の嵌合カム82を第1の嵌合カム81側に弾性的に偏倚させた状態において、棒状アーム部材40のピン部45の太鼓型形状部45bをホルダ部材60の中空部を挿通させ、ノックピン48を、貫通孔63およびピン部45の太鼓型形状部45bの貫通孔を通すことで、ホルダ部材60を棒状アーム部材40に対して固定する。
この実施形態の場合、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83と、第2の嵌合カム82の嵌合凸部85とが嵌合する位置は、ほぼ180度、回転したときとなる。そして、この実施形態では、第1の嵌合カム81と、第2の嵌合カム82とは、一点鎖線15で示す短辺方向の回転軸線を中心とした縦開閉において、上筐体12が下筐体11に対して閉じた位置と、最大開状態にしたときとなるように取り付けられている。
このような構成によれば、回転アーム部材50は、第1の嵌合カム81に対して、第2の嵌合カム82が、ばね92により常時弾性的に偏倚させられることにより、その回転に対して、抵抗感が付与されることになる。
すなわち、この実施形態では、第1および第2の嵌合カムが上述のような開閉角度位置において嵌合するように配設されているので、上筐体12を、下筐体11に対して閉じた状態から、縦開閉したときには、回転アーム部材50が棒状アーム部材40の小径部47を回転軸として回転して開状態に移行しようとするが、その際、ばね92の弾性偏倚力に抗して、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83の傾斜部83a、83bが第2の嵌合カム82の嵌合凸部85に乗り上げるようになり、開閉の際の初動時の重みが実現される。
そして、嵌合凹部83と嵌合凸部85との嵌合状態から脱すると、嵌合状態よりもばね92による弾性偏倚力が大きくなり、縦開閉の際の適度な重みが実現される。
そして、更に、上筐体12を縦開閉の開き角度大きくして、上筐体12の下筐体11に対する最大開き角度である180度近傍になると、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83に、第2の嵌合カム82の嵌合凸部85が、それらの傾斜部83a、83b、85a,85bも手伝って、落ち込むように嵌合する状態になり、最大開状態におけるクリック感が得られる。
逆に、上筐体12を下筐体11に対して開状態から閉じるときにも、同様にして、回動時には、適度は重みが付与されると共に、閉状態の近傍になると、第1の嵌合カム81の嵌合凹部83に、第2の嵌合カム82の嵌合凸部85が、それらの傾斜部83a、83b、85a,85bも手伝って、落ち込むように嵌合する状態になり、閉状態に上筐体12が自動的に回動移動するような感覚が得られる。
以上のように構成される2軸ヒンジ部13の大部分、すなわち、棒状アーム部材40の回転支持部42、カム20、フレーム部材71,72を除く部分は、図6および図8に示すように、上筐体12内に収納される。そして、図6に示すように、回転アーム部材50の上筐体固定部51が上筐体12の上ハーフ12aに固定されるようにされている。
図6は、上筐体12の縦開閉における開状態(図の例は最大開状態)を示す図であり、図7にその一部拡大図を示している。また、図8は、上筐体12の横開閉における開状態を示す図であり、図9にその一部の拡大図を示している。なお、図6においては、2軸ヒンジ部13の上筐体12への収納状態を示すために、上ハーフ12aと、図示を省略した下ハーフからなる上筐体12のうち、下ハーフを取り除いた状態として示している。
ところで、この例のように、上筐体12を下筐体11に対して、縦開閉および横開閉が共にできるようにした場合においては、縦開閉のときには横開閉を禁止し、横開閉のときには縦開閉を禁止して、両開閉動作が、互いに独立してなされるようにすることが、筐体10の開閉機構の破壊を防止する意味で重要である。
なぜなら、縦開閉と横開閉とが自由にできるようにして、縦開閉または横開閉の一方の開閉動作の途中の状態で、他方の開閉動作を可能にしてしまうと、上筐体12が下筐体11に対して、不自然な開閉状態になってしまって、開閉機構に無理な力がかかり、開閉機構の破壊につながってしまうおそれがあるからである。
そこで、この実施形態では、上筐体を下筐体に対して閉じた状態からは、前記長辺に平行な方向を回転軸とした横開閉と、前記短辺に平行な方向を回転軸とした縦開閉とが、共に始動することが可能であると共に、前記長辺に平行な方向を回転軸として回転させて上筐体を下筐体に対して横開閉の開状態にしたときには、その開状態において、前記短辺に平行な方向を回転軸とした縦回転を不能にし、また、前記短辺に平行な方向を回転軸として回転させて上筐体を下筐体に対して縦開閉の開状態にしたときには、その開状態において、前記長辺に平行な方向を回転軸とした横開閉の回転を不能にするようにすることが重要である。
このために、この実施形態では、次のように構成する。すなわち、上筐体12の横開閉のために、棒状アーム部材40が、一点鎖線14で示す長辺方向の回転軸線を中心に回転して上筐体12が下筐体11に対して開状態になったときには、棒状アーム部材40の小径部47に取り付けられている回転アーム部材50が、小径部47に対して回転不能となるように構成する。
また、上筐体12の縦開閉のために、一点鎖線15で示す回転アーム部材50が短辺方向の回転軸線を中心に回転して上筐体12が下筐体11に対して開状態になったときには、棒状アーム部材40が、一点鎖線14で示す長辺方向の回転軸線を中心にした回転をするのを不能とするように構成する。
この実施形態では、このことを実現するために、プッシュピン30のカム20と当接する端部(当接部31側)とは反対側の端部において、当該プッシュピン30の外周面から、当該外周面に対して直交する方向に突出する2個の突起ガイド32、33を設ける。この例の場合、突起ガイド32、33は、プッシュピン30の外周面の周方向の互いに180度角間隔離れた位置に設けられる。
そして、これら突起ガイド32,33のうちの1個の突起ガイド32は、2段形状とされて、他方の突起33と同じ高さ部分と、それよりも、更に突出する高さのキー突起34とを有するものとされる。
一方、棒状アーム部材の小径部47には、これら突起ガイド32,33に対応する位置に、長孔からなる透孔溝49が形成されている(突起ガイド33に対する透孔溝は図1では図示を省略する)。
プッシュピン30は、棒状アーム部材40の中空棒状部44の小径部47に対して、突起ガイド32,33が、小径部47の透孔溝49に入り込んだ状態で、プッシュピン30の中心線方向に移動可能となる。このとき、突起ガイド33と、突起ガイド32の突起ガイド33と同じ高さ部分は、小径部47の外周面よりも突出しない状態となるように構成されているが、突起ガイド32のキー突起34は、透孔溝49を通じて、小径部47の外周面よりも更に突出するように構成されている。
さらに、回転アーム部材50には、図3に示すように、上筐体12が下筐体11に対して閉じた状態および上筐体12が下筐体11に対して縦開閉をしていない状態において、小径部47の透孔溝49と重複する位置となるように形成された透孔溝52が設けられている。
ただし、図3における上筐体12の閉状態の図に示すように、上筐体12の下筐体11に対する閉状態においては、キー突起34は、回転アーム部材50の透孔溝52には入り込まないように、プッシュピン30の長さおよび回転アーム部材50の筐体短辺方向(一点鎖線15で示す方向)の長さが選定されている。
このため、この上筐体12の閉状態においては、回転アーム部材50は、キー突起34には邪魔されずに棒状アーム部材40の小径部47を回転軸として回転可能となっており、縦開閉が可能である。
そして、上筐体12を、下筐体11に対して、横開閉の方向に開くように回転させると、小径部47内のプッシュピン30がカム20の外周形状に応じて回転アーム部材50側に偏倚されて移動し、キー突起34が回転アーム部材50の透孔溝52内に入り込みながら、棒状アーム部材40が、一点鎖線14で示す長辺方向の回転軸線を中心として回転する。そして、前述したように、プッシュピン30の当接部31がカム20の面21bに当接する状態になるまで回転して、上筐体12の横開閉が停止される。
この横開閉における開状態においては、図3の開状態の図および図8、さらには、図8の一部拡大図である図9に示すように、キー突起34が回転アーム部材50の透孔溝52内に入り込む結果、回転アーム部材50は、キー突起34のために、小径部47を回転軸とした回転が不能になるように規制される。
この実施形態では、キー突起34は、上筐体12の横開閉の最大開状態のみでなく、その途中の開状態においても、回転アーム部材50の透孔溝52に入り込むので、回転アーム部材50は、横開閉の開状態においては、いずれの回転角の開状態においても、回転アーム部材50は、キー突起34によって回転不能に規制されるものである。
そして、上述したように、閉状態においては、図3に示したように、キー突起34は回転アーム部材50の透孔溝52には入り込間内容に構成されているので、この閉状態からは、上筐体12は、縦開閉をすることが可能である。
そして、上筐体12の縦開閉に応じて回転アーム部材50が回転すると、回転アーム部材50の透孔溝52が、棒状アーム部材40の小径部47の透孔溝49の位置とは重ならない位置に移動する。すると、図7に示すように、プッシュピン30のキー突起34は、回転アーム部材50の、棒状アーム部材40の大径部46側の端縁に突き当たる状態となって、プッシュピン30は、その中心線方向には移動できない状態となる。
プッシュピン30がその中心線方向に移動できないということは、棒状アーム部材40が、回転軸線14を中心とした回転ができないことを意味する。つまり、上筐体12が閉状態から縦開閉の状態に移行すると、キー突起34の回転アーム部材50の透孔溝52に入り込むことができなくなることにより、上筐体12は横開閉ができないように規制されるものである。
なお、図7に示すように、この実施形態では、回転アーム部材50の棒状アーム部材40の大径部46側には、縦開閉の最大開状態のときに、キー突起34の側方に、回転方向から突き当たる係合突片53が設けられている。この係合突片53が、キー突起34の側方に突き当たることにより、それ以上の回転アーム部材50の回転が不能となり、縦開閉の最大開状態で、上筐体12の開方向への回動は停止となる。
この係合突片53を設けるのは、第1および第2の嵌合カム81および82のみであると、縦開閉の最大開状態において、クリック感は得られても、回転アーム部材50は更に回転が可能であるため、回動は停止することができないためである。
以上のようにして、この実施形態においては、互いに直交する方向の回転軸線方向を中心とした2方向の開閉を、小型のヒンジユニットとして構成することができる。そして、この実施形態においては、一方の回転軸線方向を中心とした回転により上筐体を下筐体に対して開閉する状態では、他方の回転軸線方向を中心とした回転をできないように規制するように構成したので、使用者が開閉動作の方向を間違えることは無く、無理な開閉動作がなされないようにすることができて、回転機構の故障を未然に防ぐことができる。
なお、上述の実施形態は、携帯電話端末の筐体の例として説明したが、図では、携帯電話端末としての機能部材の図示は省略した。通常は、例えば上筐体12の下筐体11との対向面には、液晶ディスプレイなどの表示画面が設けられ、下筐体11の上筐体12との対向面には、テンキーや種々の機能キーなどが配列されるものである。
[変形例および他の実施形態]
以上の実施形態では、一点鎖線14で示す長辺方向を第1の回転軸線の方向とし、一点鎖線15で示す短辺方向を第2の回転軸線の方向としたが、逆にしても良い。その場合には、棒状アーム部材40の中心線方向が上筐体12の長辺方向に平行な方向となり、当該長辺方向において上筐体12の内部に、ヒンジ部13の大部分が収納されるように構成されることになる。
また、上述の実施形態では、カム20や棒状アーム部材40の一部を外部に露呈する構造としたが、上筐体12の上ハーフによって、ヒンジ部13全体を覆うように構成して、ヒンジ部13のすべてを露呈しない構成とすることもできる。その場合には、上筐体12の下ハーフの、下筐体と対向する面側において、カム20や棒状アーム部材40の一部が露呈する状態になる。
また、上述の実施形態では、ヒンジ部13の大部分を上筐体12内に収納するように構成したが、下筐体11内にヒンジ部13の大部分を収納し、回転アーム部材50を下筐体11に固定するような構成としても良い。
また、プッシュピン30をカム20の外周面方向に常時偏倚させるための構成は、上述の例に限られるものではなく、要は、プッシュピン30をその中心線方向に、常時、カム20の外周面方向に偏倚させることができる機構であればどのような構成であってもよい。
また、回転アーム部材50の回転に対する回転の重み付けやクリック感の演出のための構成は、上述した円盤状の嵌合カム81,82およびばね92を用いる構成に限られるものではなく、回転アーム部材50に対して、その回転中心軸方向に弾性偏倚力を与える手段と、回転アーム部材50の回転に応じて嵌合や係合する手段とを用いる構成であれば、どのような構成であっても良い。
また、上述の実施形態では、棒状ピン30の当接部31のカム20との当接面の形状は平面としたが、平面ではなく、凸あるいは凹の所定形状とするようにしても良い。その場合には、カム20の外周面部分21aおよび21bは、その形状に対応して嵌合または係合する形状とされるものである。
また、この発明の筐体開閉機構は、携帯電話端末に限らず、冒頭で述べたような携帯情報端末などの種々の電子機器の筐体開閉機構として適用することができることは言うまでもない。
この発明による筐体開閉機構の実施形態の要部であるヒンジ部の構成を説明するための分解斜視図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態の概観を説明するための図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態の要部であるヒンジ部の、横開閉の機構を説明するための図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態の要部であるヒンジ部の構成の一部部品を説明するための図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態の要部であるヒンジ部の構成の一部部品を説明するための図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態における縦開閉の開状態を説明するための図である。 図6の一部拡大図である。 この発明による筐体開閉機構の実施形態における横開閉の開状態を説明するための図である。 図8の一部拡大図である。 従来の筐体開閉機構の一例を説明するための図である。 従来の筐体開閉機構の一例を説明するための図である。 従来の筐体開閉機構の一例を説明するための図である。
符号の説明
10…筐体、11…下筐体、12…上筐体、14…第1の回転軸線、15…第2の回転軸線、13…2軸ヒンジ部、20…カム、30…棒状ピン部材(プッシュピン)、34…キー突起、40…棒状アーム部材、44…中空棒状部、49…透孔溝、50…回転アーム部材、52…透孔溝、60…ホルダ部材、71,72…フレーム部材、81,82…嵌合カム、91,92…ばね

Claims (6)

  1. 下筐体に対して、上筐体が、第1の方向を回転軸線方向として開閉すると共に、前記第1の方向に対して直交する第2の方向を回転軸線方向として開閉する筐体開閉機構であって、
    横断面が所定形状の柱状部材からなり、外周面に平行な方向が前記第1の方向となるような状態で、前記下筐体に対して固定されるカムと、
    棒状ピンと、
    前記棒状ピンを、当該棒状ピンの中心線方向に移動可能に収納する中空棒状部を備え、前記棒状ピンの中心線方向の一端側の端面が前記カムの前記外周面に対向する状態を維持するように前記中空棒状部を前記第2の方向に配し、かつ、前記中空棒状部が前記第1の方向を回転軸線方向として回転するように、前記カムに対して回転可能に取り付けられる棒状アーム部材と、
    前記棒状アーム部材の前記中空棒状部内において、前記棒状ピンの前記一端側の端面を前記カムの外周面に常時圧接させるように前記棒状ピンを前記中心線方向に偏倚させる第1の偏倚手段と、
    前記棒状アーム部材の前記中空棒状部に対して、前記第2の方向を回転軸線方向として回転可能とするように挿通される、前記上筐体に対して取り付けられている回転アーム部材と、
    前記回転アーム部材の、前記中空棒状部に対する回転に対して抵抗する力を付与する手段と、
    を備えることを特徴とする筐体開閉機構。
  2. 請求項1に記載の筐体開閉機構において、
    前記カムの横断面の所定カム形状は、前記上筐体が前記下筐体に対して閉状態のときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面と前記第1の方向の回転軸線位置との距離よりも、前記第1の方向の軸線位置を回転中心として前記上筐体が前記下筐体に対して回転して開状態となったときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面と前記第1の方向の回転軸線位置との距離の方が大きくなるようなものとされる
    ことを特徴とする筐体開閉機構。
  3. 請求項2に記載の筐体開閉機構において、
    前記カムの、前記閉状態のときに前記棒状ピンの前記端面が圧接する外周面部分と、前記第1の方向を回転軸線方向として前記上筐体が前記下筐体に対して回転して所定の回転角になった位置において前記棒状ピンの前記端面が圧接する前記カムの外周面部分とは、前記棒状ピンの前記端面に対応した面形状とされている
    ことを特徴とする筐体開閉機構。
  4. 請求項2または請求項3に記載の筐体開閉機構において、
    前記上筐体を前記閉状態から前記第2の方向を回転軸線方向として回転することで前記回転アーム部材を前記棒状アーム部材に対して回転させるときに、前記閉状態のときと、前記開状態の所定の回転角位置とにおいて嵌合する嵌合部材を設けた
    ことを特徴とする筐体開閉機構。
  5. 請求項2に記載の筐体開閉機構において、
    前記棒状ピンは、その中心線方向の他端側に、その周面に対して直交する方向に突出する前記突起を備え、
    前記棒状アーム部材は、前記棒状ピンの前記突起を外部に突出させる第1の透孔溝を備え、前記第1の透孔溝を通じて前記突起を外部に突出させた状態で前記棒状ピンを前記第2の方向に移動可能に収納するようにし、
    前記回転アーム部材は、前記突起が入り込むことが可能なように、前記第2の方向に延長される第2の透孔溝を備え、
    前記下筐体に対して上筐体が閉じられた状態においては、前記回転アーム部材の前記第2の透孔溝は、前記第1の透孔溝に延長する方向に配されるようにされるが、前記突起は、前記第2の透孔溝には入り込まない状態とされ、
    前記下筐体に対して上筐体が前記第1の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、前記カムにより、前記突起が前記第2の透孔溝に入り込んで、前記上筐体が、前記開状態において前記第2の方向を回転軸線方向として回転するのを規制するようにされ、
    前記下筐体に対して上筐体が前記第2の方向を回転軸線方向として回転して開状態にされたときには、前記回転アーム部材が前記突起と突き当たって、前記突起の第2の方向への移動が規制されることにより、前記下筐体が前記第1の方向を回転軸線方向として回転するのを規制するようにされる
    ことを特徴とする筐体開閉機構。
  6. 請求項1〜5に記載の筐体開閉機構を備える電子機器
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