JP4641875B2 - 天板付家具 - Google Patents

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本発明は、使用位置と起立位置との間でフラップ動作可能な天板と、天板を支持し下端部にキャスタを有する脚体とを具備する天板付家具に関する。
従来、使用位置と起立位置との間でフラップ動作可能な天板と、天板を支持し下端部にキャスタを有する脚体とを具備する種々の天板付家具の構成が考えられている。
その一例として、天板のフラップ動作に伴いアジャスタを昇降させるものが考えられている。このような天板付家具では、天板が使用位置にある際にはアジャスタを接地させてキャスタを利用した天板付家具の移動を抑止するとともに、天板が起立位置にある際にはアジャスタを床面から離間させてキャスタを利用した天板付家具の移動を可能にしている。(例えば、特許文献1を参照。)
特許第3614408号公報
しかして、特許文献1記載の構成では、キャスタの他にアジャスタを設ける必要がある。すなわち、特に脚ベースにキャスタを設ける態様においては、天板が使用位置にある際に天板付家具をより安定して設置するようにすべく、脚ベースの両端にアジャスタを設ける必要がある。このとき、キャスタはアジャスタよりも脚ベースの長手方向中央寄りに配されるので、移動の際に天板付家具が不安定となり、天板付家具が転倒する不具合が起こりやすくなる。また、脚ベースにキャスタを設ける態様以外であっても、キャスタの他にアジャスタを設ける必要があるので、脚体にアジャスタの設置スペースを確保する必要がありデザインの自由度が制限される不具合も発生する。
本発明は、このような課題を解決すべく構成するものである。
すなわち本発明に係る天板付家具は、使用位置と起立位置との間でフラップ動作可能な天板と、天板を支持し下端部にキャスタを有する脚体とを具備し、前記キャスタが、床面に対して転動する車輪を備えたキャスタ本体と、前記車輪の動作をロックするロック状態と前記ロックが解除されたロック解除状態とに相互に切り換えるロック手段とを有するとともに、前記天板が起立位置にある際に、前記ロック手段をすべてロック解除状態にするロック解除手段をさらに具備する天板付家具であって、前記キャスタを脚ベースの長手方向に沿って所定距離離間して対をなして設け、前記ロック手段を作動させるために外力により操作される操作手段と、前記脚ベースの内部において前記操作手段と前記ロック手段との間に介在するとともに対をなすキャスタのロック手段を接続し、ロック手段をロック状態とするロック位置とロック手段をロック解除状態とするアンロック位置との間を移動可能な操作力伝達手段と、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに選択的に係止する係止手段とを具備し、係止手段を、前記天板が使用位置にある際にのみ機能させるようにしているとともに、前記ロック解除手段が、前記天板が起立位置にある際に前記操作力伝達手段を常にアンロック位置に位置させるようにしているとともに、前記係止手段が、天板に付勢されて動作するピンと、前記操作力伝達手段に接続され前記天板が使用位置にある際にのみ前記ピンと係合可能なカム部材とを具備し、さらに、前記カム部材が、前記操作手段に対する同一の操作を受けて、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに排他的に切り替えるトグル機能を有することを特徴とする。
このように構成すれば、前記天板が起立位置にある際には、前記ロック解除機構によりキャスタのロック手段自体をロック解除状態にするので、天板の移動に伴いアジャスタを昇降させる前記特許文献1記載の構成と比較して、アジャスタの設置スペースを必要とせず、脚体のデザインの自由度を向上できるとともに、脚ベースにキャスタを設ける態様を採用する場合には、キャスタをよりベースの両端寄りに設置でき、従ってこのような天板付家具を安定して設置できる。また、前記天板が起立位置にある際には、すべてのキャスタは必ずロック解除状態となるので、前記天板を起立位置にしてこのような天板付家具を運搬する際に、キャスタのロック手段をロック状態にしたまま天板付家具を移動させようとしてしまうことに伴い発生する、キャスタの故障等の不具合の発生を防ぐことができる。
また、前記キャスタを脚ベースの長手方向に沿って所定距離離間して対をなして設け、前記ロック手段を作動させるために外力により操作される操作手段と、前記脚ベースの内部において前記操作手段と前記ロック手段との間に介在するとともに対をなすキャスタのロック手段を接続し、ロック手段をロック状態とするロック位置とロック手段をロック解除状態とするアンロック位置との間を移動可能な操作力伝達手段と、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに選択的に係止する係止手段とを具備し、係止手段を、前記天板が使用位置にある際にのみ機能させるようにしているとともに、前記ロック解除手段が、前記天板が起立位置にある際に前記操作力伝達手段を常にアンロック位置に位置させるようにしているので、前記天板が起立位置にある際には、前段で述べたような効果を得ることができるようにしつつ、前記天板が使用位置にある際には、必要に応じて対をなして設けたキャスタを同時にロック状態又はアンロック状態とすることができる。
さらに、前記係止手段が、天板に付勢されて動作するピンと、前記操作力伝達手段に接続され前記天板が使用位置にある際にのみ前記ピンと係合可能なカム部材とを具備する構成により、上述したロック解除機構を簡単な構成により実現できる。
加えて、前記カム部材が、前記操作手段に対する同一の操作を受けて、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに排他的に切り替えるトグル機能を有するので、簡単な操作でロック手段のロック又はアンロックを行えるようにすることができる。
前段に述べたような天板付家具において、前記天板が起立位置にある際にロック手段をアンロック位置にしておくための構成として、前記操作力伝達手段をアンロック位置側に付勢する付勢手段を利用して前記ロック解除手段を形成しているものが挙げられる。
本発明は、以上のような構成であるから、前記天板が起立位置にある際には、前記ロック解除機構によりキャスタのロック手段自体をロック解除状態にするので、天板の移動に伴いアジャスタを昇降させる構成と比較して、アジャスタの設置スペースを必要とせず、キャスタをよりベースの両端寄りに設置できるので、このような天板付家具を安定して設置できる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態では、本発明に係るテーブルTは、全体斜視図である図1、及び側面図である図2に示すように、家具本体たるテーブル本体2と、当該テーブル本体2を下方より支持する脚体1とを具備している。ここで本実施形態において、テーブルTの使用端側を前端側と記載し、反使用端側を後端側と記載するものとする。
テーブル本体2は、前記図1及び図2に示している使用位置から側面図を図3に示すような起立位置へとフラップ動作可能に左右の脚柱11に支持させた天板20と、天板20の後端側に下肢空間を隠蔽すべく設けたパネル21とを具備してなる。そして、天板20を起立位置に保持した状態で、当該テーブルTと他のテーブルTの脚ベース10同士を一部重合し得るように構成している。なお、図2以降では、パネル21は省略して示している。
次に、脚体1の各部の具体的な構成について、以下に詳述する。
前記図1及び図2に示すように、脚体1は脚ベース10と、脚柱11と、テーブルTの使用端側に位置する第一キャスタ3と、該第一キャスタ3と略同一構成でありテーブルTの反使用端側に位置する第二キャスタ4とを具備している。
ここで、本実施形態において一対のキャスタ3、4は床面に対して移動不能にロックされるロック状態と前記ロックが解除されたロック解除状態とを相互に切り換える後述のロック手段3A、4Aを有している。そして本実施形態に係る脚体1はロック手段3A、4Aを作動させるために外力により操作される後述の操作手段5と、該操作手段5に入力された操作力を一対のロック手段3A、4Aに同時に伝達する後述の操作力伝達手段6とを具備することにより、一対のキャスタ3、4のロック又はロック解除を同時に行うことを可能としている。このような機構の詳細は後で説明する。また、キャスタ3と操作力伝達手段6との接続部の平面図を図4に示す。
脚ベース10は、テーブルTの前後方向に延びる平面視縦長な略矩形状をなす上壁10cと、該上壁10cの両側端より下方に連続する側壁10d、10eと、脚ベース10の前端、後端において上壁10cと側壁10d、10eとに連続する前端壁10a及び後端壁10bとを一体に有し、下側に開放された部材であり、例えばプレス成形等により形成される。そして、脚ベース10の両側壁10d、10eにおける前後両端部には、キャスタ3、4に形成した取付爪322a、422aと係合可能なキャスタ取付孔(図示略)を形成している。
脚柱11は、脚ベース10の後端壁10b側において下端部を支持されるとともに斜め前方へ傾斜して立ち上がり、上端側に位置する天板支持部においてテーブル本体2を支持するものである。また、脚柱11の上端部において天板20を前記起立位置へとフラップ動作可能に支持する天板支持部を設けている。
第一キャスタ3及び第二キャスタ4は、一般に低床キャスタと称されるものであり、本実施形態において、それぞれ同様の構成を有している。以下、これら一対のキャスタ3、4のうち第一キャスタ3について前記図4、及び脚ベース10の幅方向中央で切断した状態の断面図である図5に示して具体的に説明する。なお、前記図5では、脚ベース10及び脚柱11は、想像線により示している。
第一キャスタ3は、キャスタ本体31と、このキャスタ本体31を支持するとともに取付爪322aを介して脚ベース10に位置決めされるケース32及びケース32に対して水平方向に摺動するロックレバー33とを具備している。
キャスタ本体31は、水平軸心回りに回動する一対の走行用の車輪たる本車輪311と、本車輪311よりも小径で走行中床面から浮上した位置にある障害物乗り越え用の補助車輪312と、本車輪311及び補助車輪312を鉛直軸心回りに旋回可能に支持する旋回機構たる台座313とを具備している。本車輪311は台座313の軸心から一方方向、図示例においては前方向に偏位した位置に、補助車輪312は前記台座313の軸心から図示例において後方に偏位した位置に設けられ、該補助車輪312は、前記台座313の鉛直軸心回りの回動により走行時に前記本車輪311よりも常に進行方向前側に位置して障害物を乗り越え得るように構成されている。台座313は、円盤状のものであり、該台座313よりも若干大きな巾寸法を有する有底円筒状のケース32内に収容され、その側壁の外面と、ケース32の側壁の内面との間に介在させた複数のボールからなるベアリングにより前記ケース32に対して鉛直軸心回りに旋回可能に取り付けている。
さらにキャスタ本体31の内部について詳述すると、キャスタ本体31の上部における台座313の軸心と重複する位置には、ロックピン314が上下動可能に設けられている。このロックピン314は、上端部に前記ロックレバー33の上面と当接可能な当接部341aを設けていて、前記ロックレバー33の上面にガイドされて上下動する。一方、上述した本車輪311には、該本車輪311と同軸に外歯車315が設けられており、この外歯車315の外周面には複数の歯部315aが形成されている。また、この外歯車315近傍には、軸支点(図示略)において台座313に対して回動可能に軸支された車輪止め316が設けられており、この車輪止め316の自由端側がロックピン314に追従するようにロックピン314の下端部に接続しているとともに車輪止め316の下面には外歯車315の歯部315aと係合し得る突起(図示略)が設けられている。さらに、車輪止め316の上方には台座止め317が配置されており、その略中央部に形成された軸部(図示略)が台座313に軸支されている。この台座止め317の基端部が上述した車輪止め316に接していることにより、車輪止め316の回動に伴い台座止め317の先端部が上下するとともに該先端部が上述した台座313に設けられた開口部から上方へ突出し得るように構成している。
ケース32は、キャスタ本体31を旋回可能に収納する内ケース321と、前記内ケース321を内嵌させて取り付ける外ケース322とを有している。
内ケース321は、その上側面において周方向に沿って上述した台座止め317の先端部と係り合う複数の係止穴321aを形成している。
外ケース322は、前記脚ベース10に形成したキャスタ取付孔(図示略)と係合可能な取付爪322aを有するとともに内部に前記内ケース321を内嵌可能である。
ロックレバー33は、先端側が上述したケース32の摺動空間32Sに摺動可能に挿入されるとともに基端側がケース32の外へ露出するように位置付けられている。また、ロックレバー33の上面に、ロックピン314の上端と当接する当接部331を形成している。この当接部331は、前部に位置し略鉛直上方を向く第1当接面331aと、後部に位置し略鉛直上方を向くとともに前記第1当接面よりも下方に位置する第2当接面331bと、これら第1当接面331a及び第2当接面331bを接続する傾斜面331cとを有する。さらに、このロックレバー33の基端側に、後述する操作力伝達手段6の取付孔6xと係合可能な取付突起332を形成している。そして、ロックピン314の当接部314aをこのロックレバー33の当接部331に当接させたままこのロックレバー33をテーブルTの前後方向、すなわち脚ベース10の長手方向に沿ってスライドさせることにより、ロックピン314を上下動させるようにしている。ここで本実施形態において、台座313及びロックピン314は、台座313の旋回する軸線上に位置するように構成しているため、キャスタ本体31の旋回に拘わらずロックピン314とロックレバー33との相対位置が変化することなく安定してロックピン314を操作し得るようになっている。
そして本実施形態において当該キャスタ3は、本車輪311及び台座313の動作をロックするロック状態と前記ロックが解除されたロック解除状態とに相互に切り換えるロック手段3Aを有しており、当該ロック手段3Aについて、以下に詳述する。
前記図5に示すように、ロックピン314がロックレバー33の第1当接面331aに当接してロックピン314が上方に位置する状態においては、外歯車315の歯部315aと車輪止め316の突起(図示略)との係合並びに台座止め317の先端部と内ケース321の係止穴321aとの係合が解除されることにより当該ロック状態が解除される。一方、図7に示すような、ロックレバー33を水平方向に移動させることによりロックピン314がロックレバー33の第2当接面331bに当接している状態、すなわちロックピン314が下側に位置している状態では、外歯車315の歯部315aと車輪止め316の突起(図示略)とが係合するとともに台座止め317の先端部と内ケース321の係止穴321aとが係合することにより、本車輪311の回動と台座313の旋回とが同時にロックされるロック状態となる。このように本実施形態において、上述のように機能するロックピン314を含むキャスタ本体31とロックレバー33とによって、本発明に係るロック手段3Aを構成するものとしている。なお、前記図7では、脚ベース10及び脚柱11は、想像線により示している。
他方、脚ベース10の後端壁10b側には上述した第一キャスタ3に対向して位置付けられている第二キャスタ4が設けられている。ここで、当該第二キャスタ4は、上述した第一キャスタ3と同様の構成を有しているので詳細な説明を省略するものとする。また、第二キャスタ4におけるロックレバーを43、ロック手段を4Aと記載するように、第一キャスタ3に対応する第二キャスタ4の各箇所並びに構成要素には、符号の第一桁の「3」を「4」に置き換えて記載するものとする。ここで、脚ベース10の幅方向中央で切断した状態の断面図を図6及び図8に示す。図6はロック手段4Aをロック解除状態とした場合の図である。また、図8はロック手段4Aをロック状態とした場合の図である。なお、前記図6及び図8では、脚ベース10及び脚柱11は、想像線により示している。
ここで、本実施形態に係る脚体1は、図5〜図8に示すように、脚ベース10に設けた第一キャスタ3及び第二キャスタ4のロック手段3A、4Aを作動させるために外力により操作される操作手段5と、脚ベース10の内部において操作手段5とロック手段3A、4Aとの間に介在して操作手段5に入力された操作力をロック手段3A、4Aに同時に伝達する操作力伝達手段6とを具備することにより、該一対のロック手段3A、4Aにおけるロック動作及びロック解除動作を同時に作動させ得るものとしている。
具体的には、操作手段5は、前記図5及び図7に示すように、外力により押圧されるペダル511を有する操作体51と、脚ベース10の内部において操作体51の下端部に当接し、ペダルの移動に伴い回動し操作力伝達手段6と係合する係合子たる振り子部材52とを有している。そして、これら操作体51及び振り子部材52は、それぞれ脚ベース10の内部に固定された回動軸51X、52Xに軸着されている。すなわち、操作体51及び振り子部材52は脚ベース10に間接的に固定された状態となっている。なお、前記回動軸51X、52Xは、本実施形態では脚ベース10の上面に固定して取り付けられる操作体収納具101に両端を支持させるようにしている。
さらに詳述すると、前記ペダル511は、脚ベース10の上面に略沿う板状をなし押圧操作を受け付ける本体511aと、本体511aの前端から垂下して設けられ前記回動軸51Xに軸着される取付部511bと、本体511aの後端から垂下して設けられ下端部において前記振り子部材52に当接する動作伝達部511cとを有する。一方、前記振り子部材52は、回動軸に軸着される取付部52aと、この取付部52aから後方に延伸して設けられ前記ペダル511の動作伝達部511cに当接する当接部52bと、前記取付部52aから下方に延伸して設けられ操作力伝達手段6を押圧する押圧部52cとを有する。
一方、操作力伝達手段6は、一対のロック手段3A、4Aの間に架設した棒状に延びる板部材60と、前記振り子部材52の当接部に当接する当接壁61とを利用して形成しているものである。前記板部材60には、前記ロックレバー33、43の取付突起332、432に係合可能な取付孔6x、6xを形成していて、これら取付突起332、432及び取付孔6x、6xを係合させることにより板部材60とロックレバー33、43とを接続して、これらを同時に脚ベース10の長手方向にスライド移動可能にしている。前記当接壁61は、本実施形態では前記ロックレバー33の基端部に形成している。
また、前記振り子部材52の前面に形成した押圧部521を前記当接壁61に当接させることにより係合部P2を構成している。
そして、ペダル511を押圧すると、操作力伝達手段6において、振り子部材52の下端部521の回動に係る上下方向への移動は振り子部材52の長さと当接壁61の高さ寸法において許容されるとともに、当接壁61に振り子部材52が当接することにより操作力伝達手段6が振り子部材52に追従して前後方向に移動するように構成している。すなわち、操作力伝達手段6が、振り子部材52と係合した状態で振り子部材52の回動に係る上下方向への移動を許容しつつ前後方向への移動に追従して当該前後方向へ移動するように構成している。
また、本実施形態では、前記操作力伝達手段6をロック位置及びアンロック位置のいずれかに選択的に係止する係止手段7を具備する。
この係止手段7は、前記図2、図3、図6、及び図8に示すように、前記操作力伝達手段6の板部材60に接続しているカム部材71と、前記脚柱11内部に配され、下端部が前記カム部材71に形成した溝71mと係合可能なピン72と、前記板部材60及び前記カム部材71を後方、すなわちロック解除位置側に付勢する付勢手段たるバネ73とを利用して形成している。また、この係止手段7は、前記操作手段5への同一の操作を受けて前記ロック解除位置から前記ロック位置、又は前記ロック位置から前記ロック解除位置への切替を行うように構成している。ここで、板部材60にカム部材71を取り付けた状態の平面図を図9に示す。
さらに詳述すると、前記溝71mは、略ハート型をなし、前記板部材60をロック位置に位置させる第1係止位置と、前記板部材60をロック解除位置に位置させる第2係止位置とを有するとともに、これら第1係止位置及び第2係止位置は、ハート型のくぼみの部分に位置している。
前記ピン72は、脚柱11内部に配され、上述したように、下端部が前記カム部材71に形成した溝71mと係合可能である。そして、天板20が使用位置にある場合の天板20と脚体1との境界付近の斜視図を図10に示すように、上端部にはクランク部721を形成していて、天板20が使用位置から起立位置に移動する際にはこの天板20に付勢されて移動する。なお、このピン72のクランク部721が天板20に付勢されて移動する機構については後述する。また、前記図10においては、天板20の一部を破断して示している。
前記バネ73は、本実施形態では、前記図5及び図7に示すように、操作体収納具101の内部に設けていて、一端部をこの操作体収納具101の後端に配しているとともに、他端部を前記振り子部材52に当接させ、この振り子部材52をアンロック位置側、すなわち後方に付勢している。そして、この振り子部材52に当接する前記操作力伝達手段6をもアンロック位置側、すなわち後方に付勢している。
そして、前記第1係止位置又は第2係止位置のいずれかにピン72が達した際に、この溝71mを設けたカム部材71を前記バネ73により後方に付勢し、カム部材71をピン72に圧着させることにより前記板部材60をロック位置又はロック解除位置に選択的に係止させるようにしている。
さらに本実施形態では、前記カム部材71が、前記操作手段5に対する同一の操作を受けて、前記操作力伝達手段6をロック位置及びアンロック位置のいずれかに排他的に切り替えるトグル機能を有する。
すなわち、ロック及びロックの解除は、いずれも前記ペダル511を押圧する同一の操作により行うようにしている。具体的には、ロック操作は、前記操作力伝達手段6をロック解除位置に位置させている状態において、前記ペダル511を押圧する。すると、ピン72がカム部材71に係合する位置は、前記第2係止位置から、溝71mに沿って前記図9のx点まで移動する。すなわち、前記図9の(a)に示す状態から同図の(b)に示す状態になる。そして、ペダル511に対する操作を中止すると、前記バネ73により板部材60及びカム部材71が付勢され、ピン72とカム部材71とは第1係止位置において係合する。すなわち、図9の(b)に示す状態から同図の(c)に示す状態になる。一方、ロック解除操作は、前記操作力伝達手段6をロック位置に位置させている状態において、前記ペダル511を押圧する。すると、ピン72がカム部材71に係合する位置は、前記第1係止位置からロック解除位置と反対側に移動し、図9のy点に達する。すなわち、同図の(c)に示す状態から同図の(d)に示す状態になる。そして、ペダル511に対する操作を中止すると、前記バネ73により板部材60及びカム部材71が後方に付勢され、ピン72とカム部材71とは第2係止位置において係合する。すなわち、図9の(d)に示す状態から同図の(a)に示す状態に戻る。
しかして本実施形態では、前記天板20が起立位置にある際に、前記ロック手段3A、4Aをすべてロック解除状態にするロック解除手段8をさらに具備する。
具体的には、前記天板20が使用位置にある際には、上述したように、また、前記図2に示すように、前記ピン72の下端部をカム部材71に係合させているとともに、前記天板20が起立位置にある際には、前記図3に示すように、前記ピン72の下端部とカム部材71との係合を解除し、係止手段7を、前記天板20が使用位置にある際にのみ機能させるようにしている。そして、前記バネ73を利用し、前記天板20が起立位置にある際に前記操作力伝達手段6を常にアンロック位置に位置させるようにしている。
さらに詳述すると、前記ピン72は、上述したように、また、前記図10及び天板が起立位置にある場合の天板20と脚体1との境界付近の斜視図である図11に示すように、その上端部に動作受付部たるクランク部721を有する。一方、天板20の両側端縁部の下方には、天板20と脚体1とを接続し、天板20と共に回動する側部材201を設けている。そして、この側部材201には、天板20が収納位置にある際に、前記ピン72のクランク部721を下方から支持し、前記ピン72の下端を前記カム部材71よりも上方に位置させてこれらピン72とカム部材71との係合を解除するピン押さえ部202を形成している。なお、天板20が使用位置にある場合には、前記ピン押さえ部202が前記ピン72のクランク部721を下方から支持している状態を解消して前述したようにピン72の下端部が前記カム部材71と係合するようにしている。
すなわち、天板20が起立位置にある場合には、前記ピン72のクランク部721が前記ピン押さえ部202に付勢されて上方に移動し、これにつれて前記ピン72が上方に移動して前記カム部材71の溝71mとの係合を解除し、前記板部材60はバネ73によりロック解除位置に付勢され、キャスタ3、4が全てロック解除状態となる。
本実施形態に係る天板付家具は、以上に述べたように、前記天板20が起立位置にある際には、前記ロック解除機構8によりキャスタ3、4のロック手段3A、4A自体をロック解除状態にするので、天板の移動に伴いアジャスタを昇降させる前記特許文献1記載の構成と比較して、アジャスタの設置スペースを必要とせず、脚体のデザインの自由度を向上できるとともに、キャスタ3、4をより脚ベース10の両端寄りに設置でき、従ってこのような天板付家具を安定して設置できる。また、前記天板20が起立位置にある際には、すべてのキャスタ3、4は必ずロック解除状態となるので、前記天板20を起立位置にしてこのような天板付家具を運搬する際に、キャスタ3、4のロック手段3A、4Aをロック状態にしたまま天板付家具を移動させようとしてしまうことに伴い発生する、キャスタ3、4の故障等の不具合の発生を防ぐことができる。
前記キャスタ3、4を脚ベース10の長手方向に沿って所定距離離間して対をなして設け、前記ロック手段3A、4Aを作動させるために外力により操作される操作手段5と、前記脚ベース10の内部において前記操作手段5と前記ロック手段3A、4Aとの間に介在するとともに対をなすキャスタのロック手段3A、4Aを接続し、ロック手段3A、4Aをロック状態とするロック位置とロック手段3A、4Aをロック解除状態とするアンロック位置との間を移動可能な操作力伝達手段6と、前記操作力伝達手段6をロック位置及びアンロック位置のいずれかに選択的に係止する係止手段7とを具備し、係止手段7を、前記天板20が使用位置にある際にのみ機能させるようにしているとともに、前記ロック解除手段8が、前記天板20が起立位置にある際に前記操作力伝達手段6を常にアンロック位置に位置させるようにしているので、前記天板20が起立位置にある際には、前段で述べたような効果を得ることができるようにしつつ、前記天板20が使用位置にある際には、必要に応じて対をなして設けたキャスタ3、4を同時にロック状態又はアンロック状態とすることができる。
前記操作力伝達手段6をアンロック位置側に付勢する付勢手段たるバネ73を利用して前記ロック解除手段8を形成しているので、このような天板付家具において、前記天板20が起立位置にある際にロック手段3A、4Aを確実にアンロック位置にしておくことができる。
前記係止手段7が、天板20に付勢されて動作するピン72と、前記操作力伝達手段6に接続され前記天板20が使用位置にある際にのみ前記ピン72と係合可能なカム部材71とを具備するので、このような係止手段7のピン72を、天板20を起立位置に移動させる際に天板20とともに移動させてカム部材71との係合を解除させる簡単な構成により、上述したような構成を実現できる。
前記カム部材71が、前記操作手段5に対する同一の操作を受けて、前記操作力伝達手段6をロック位置及びアンロック位置のいずれかに排他的に切り替えるトグル機能を有するので、簡単な操作でロック手段3A、4Aのロック又はアンロックを行うことができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
例えば、上述した実施形態において、付勢手段たるバネ73を、他の部位、例えばカム部材71の近傍に設ける態様が考えられる。また、上述した実施形態において、振り子部材52を軸着している回動軸52Xに付勢手段たるねじりコイルバネを設け、該振り子部材52をアンロック側に付勢するようにしてもよい。
また、キャスタ本体を前記脚ベースに対して所定動作範囲において昇降可能に固定する昇降機構を備える態様も考えられる。
さらに、ロック解除手段及び係止手段の構成も種々考えられる。例えば、上述した実施形態における係止手段のピンを脚ベースに固定して設け、前記ピンとカム部材とが常に係合するようにするとともに、操作力伝達手段に厚さ方向に貫通する貫通孔を設け、天板が起立位置に移動した際に下端部が前記貫通孔を貫通し操作力伝達手段の前後動を禁止し操作力伝達手段をロック解除位置に固定する固定ピンをさらに設け、天板と固定ピンとを第2操作力伝達手段により接続する構成が考えられる。なお、前記第2操作力伝達手段は、例えばリンク機構等を利用して形成する。
加えて、前記操作手段の構成も種々考えられる。例えば、レバーを前方に位置させた場合に操作力伝達手段がロック解除位置、レバーを後方に位置させた場合に操作力伝達手段がロック位置にそれぞれ位置するような構成等が考えられる。
そして、前記操作手段の設置位置は任意に設定してよい。例えば、脚ベースの長手方向先端部に操作手段を設けてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係るテーブルの全体斜視図。 同実施形態に係るテーブルの天板を使用位置に位置させた状態の側面図。 同実施形態に係るテーブルの天板を起立位置に位置させた状態の側面図。 同実施形態に係るテーブルの動作伝達機構及びキャスタの接続部を示す平面図。 同実施形態に係るキャスタ及び操作手段を示す模式的な断面図。 同実施形態に係るキャスタ及び係止手段を示す模式的な断面図。 同実施形態に係るキャスタ及び操作手段を示す動作説明図。 同実施形態に係るキャスタ及び係止手段を示す動作説明図。 同実施形態に係る係止手段を示す模式的な図。 同実施形態に係るテーブルの脚体及び天板の接続部分を示す斜視図。 同実施形態に係るテーブルの脚体及び天板の接続部分を示す斜視図。
符号の説明
T…テーブル(天板付家具)
1…脚体
20…天板
3、4…キャスタ
3A、4A…ロック手段
5…操作手段
6…操作力伝達手段
7…係止手段
73…バネ(付勢手段)
8…ロック解除手段

Claims (2)

  1. 使用位置と起立位置との間でフラップ動作可能な天板と、天板を支持し下端部にキャスタを有する脚体とを具備し、
    前記キャスタが、床面に対して転動する車輪を備えたキャスタ本体と、前記車輪の動作をロックするロック状態と前記ロックが解除されたロック解除状態とに相互に切り換えるロック手段とを有するとともに、
    前記天板が起立位置にある際に、前記ロック手段をすべてロック解除状態にするロック解除手段をさらに具備する天板付家具であって、
    前記キャスタを脚ベースの長手方向に沿って所定距離離間して対をなして設け、前記ロック手段を作動させるために外力により操作される操作手段と、前記脚ベースの内部において前記操作手段と前記ロック手段との間に介在するとともに対をなすキャスタのロック手段を接続し、ロック手段をロック状態とするロック位置とロック手段をロック解除状態とするアンロック位置との間を移動可能な操作力伝達手段と、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに選択的に係止する係止手段とを具備し、
    係止手段を、前記天板が使用位置にある際にのみ機能させるようにしているとともに、前記ロック解除手段が、前記天板が起立位置にある際に前記操作力伝達手段を常にアンロック位置に位置させるようにしているとともに、
    前記係止手段が、天板に付勢されて動作するピンと、前記操作力伝達手段に接続され前記天板が使用位置にある際にのみ前記ピンと係合可能なカム部材とを具備し、
    さらに、前記カム部材が、前記操作手段に対する同一の操作を受けて、前記操作力伝達手段をロック位置及びアンロック位置のいずれかに排他的に切り替えるトグル機能を有することを特徴とする天板付家具。
  2. 前記操作力伝達手段をアンロック位置側に付勢する付勢手段を利用して前記ロック解除手段を形成していることを特徴とする請求項記載の天板付家具。
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