以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図25で、主に本実施の形態の画像形成システムの基本構成及び基本制御動作等を説明し、図26〜図32で、主に本発明の特徴部分を含む制御動作等を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムを構成する画像形成装置の構成を示す模式的な断面図である。
本画像形成装置1600は、プリンタエンジン100、画像読取装置220、原稿給紙装置230、コントローラ200及び操作部210等を備える。操作部210は、ユーザが印字モードや印字枚数、印字条件を指示するのに用いられるほか、サービスマンによる保守作業等に用いられる。操作部210の不図示の印字スタートキーを押下すると、原稿画像の読み込み動作が開始されるとともに、プリンタエンジン100の印字動作や原稿画像の送信等の所望の装置動作が開始される。
プリンタエンジン100は、画像形成装置1600の印字動作の中核として位置づけられ、原稿画像を画像情報に変換して印字出力する。原稿給紙装置230によって画像読取装置220の読み取り位置上に原稿が給紙され、画像読取装置220により画像情報に変換され、コントローラ200に送られる。コントローラ200では、所望の画像情報処理が行われ、その画像情報がプリンタエンジン100に送られる。読み取られた原稿画像の画像情報は、プリンタエンジン100で印字動作が行われることで、原稿画像の複写機能が実現される。
また、画像読取装置220で原稿画像が画像情報に変換され、コントローラ200に送られると、コントローラ200からネットワーク10を経由して、サーバ30−1内の不図示の記憶手段に画像情報が格納される。サーバ30−1からは、クライアントPC20−1へと画像情報が伝達され、クライアントPC20−1では、その内部の不図示の記憶手段に所望の画像情報が格納された後、その画像情報を利用できる。
また、送信先に、電子メール等のあて先アドレスを指定することで、サーバ30−1からインターネット網40を介して、ネットワーク10−2上の所望の送信先のあて先のサーバ30−2に上記画像情報を伝達し、サーバ30−2内の不図示の記憶手段に格納させることも可能である。相手先のサーバ30−2に格納された画像情報は、相手先のクライアントPC20−2に伝達すると、相手先のクライアントPC20−2の不図示の記憶手段にその画像情報が記憶され、クライアントPC20−2においても、その画像情報を利用することができる。
反対に、ネットワーク10やネットワーク10−2に接続されたクライアントPC20−1、20−2から、コントローラ200を介して、プリンタエンジン100へと画像情報を送信し、プリンタエンジン100でその画像情報を印刷出力することも可能である。
図2、図3は、プリンタエンジン100の斜視図である。
図1に示すように、プリンタエンジン100には、画像形成サブシステム150、紙搬送プラットフォーム60、プリンタエンジン100を制御するプリンタエンジン制御部105、電源ユニット90が含まれる。紙搬送プラットフォーム60には、給紙ユニット70、搬送ユニット80、及び紙搬送プラットフォームを制御するプラットフォーム制御部65が含まれる。図2、図3に示すように、画像形成サブシステム150には、作像ユニット170、定着ユニット180、及び画像形成サブシステム150を制御する画像形成制御部160が含まれる。画像形成サブシステム150乃至プリンタエンジン100の内部構成については、図14、図15でも詳述する。
また、図1に示すように、搬送ユニット80には搬送制御部85が含まれ、電源ユニット90には電源制御部95が含まれ、給紙ユニット70には給紙制御部75が含まれる。
図2、図3に示すように、プリンタエンジン100の前部には、カバー810が設けられている。画像形成サブシステム150は、左右一対のスライドレール811(図3参照)によって、プラットフォーム60に対して前後方向に抜き差し可能に支持され、前方に引き出して、紙搬送プラットフォーム60から取り外しが可能になっている。カバー810を開けて、画像形成サブシステム150を引き出すと、画像形成サブシステム150に装着されている作像ユニット170と定着ユニット180も一緒に引き出される(図3参照)。
給紙ユニット70は、画像形成サブシステム150と同様に、左右一対のスライドレール812(右側のもののみ図示)によって、プラットフォーム60に対して前後方向に抜き差し可能に支持され、搬送ユニット80も同様に、左右一対のスライドレール813(右側のもののみ図示)によって、プラットフォーム60に対して前後方向に抜き差し可能に支持されている。これにより、給紙ユニット70及び搬送ユニット80はいずれも、前方に引き出して、紙搬送プラットフォーム60から取り外しが可能になっている。スライドレール811、812、813が、画像サブシステム150の着脱機構を構成する。
図2に示すように、画像形成サブシステム150には、引き出し操作のための着脱用ノブ111Aが設けられている。同様に、搬送ユニット80には、着脱用ノブ111B、111Cが設けられ、給紙ユニット70には、着脱用ノブ111Dが設けられている。
画像形成サブシステム150や各種ユニットの重量が比較的に軽量な場合や、要求位置決め精度が緩和されるような場合には、上記のスライドレールは安価なものでよい。また、比較的に高精度を要求されるような場合には、直線的な案内レールに、ころがり軸受け(回転案内)を使用する等、各種の直線摺動案内(直線摺動ガイド、リニアスライドガイド、ガイドレール)方式を採用することで、操作性や精度向上、信頼性、耐久性の向上を図ることもできる。
このような、連結、抜き差しといった装置内蔵物の移動を伴う構成に際しては、位置決め構成とともに、メンテナンス性を考慮した構造とする。また、商品性やサービス形態等、市場における装置の使われ方を想定して、ユーザが装置内蔵物を着脱、移動動作を行う場合もありえる。そのようなユーザ使用形態においては、特に、重量物の操作に伴う怪我等が生じないよう、安全性に配慮した構成とする。また、操作者の乱暴な操作においても、装置ダメージが生じにくいように十分な強度や剛性を持つ構造とすることも有用である。
例えば、カバー810に、ロック機構を備え、メンテナンス可能な場合はロックが解除されて、カバー810の開閉が可能な状態とされ、メンテナンス不可能な場合はロックされ、カバー810が開けられない状態とされるようにしてもよい。すなわち、サービスマンがロック機構を解除することにより、初めて、装置内の画像形成サブユニット150が引き出し可能であるようにする。従って、ユーザが不用意に装置内蔵物に触れる危険性を防止し、安全性を確保できる。また、サービスマンも、所定の手順を踏んだ後に装置内蔵物を引き出す動作をすることになるため、例えば、装置全体を移動するとき等に、不用意に装置内容物が飛びだしてしまうといった危険を防止することができる。
本実施の形態では、主として画像形成を担う画像形成サブシステム150を交換可能な構成とし、しかも、画像形成サブシステム150内の作像ユニット170、定着ユニット180も独立して交換可能に構成される。また、主として、紙搬送機能を担う給紙ユニット70及び搬送ユニット80についてもそれぞれ独立して交換可能に構成される。
このように、サブシステム乃至ユニットが交換可能に構成されることで、ユーザやサービスマン等に様々な利点が提供されるだけでなく、多くの製品ラインナップが提供可能となる。まず、画像形成サブシステム150の交換による、カラープリンタエンジン、白黒プリンタエンジンの構成例について説明する。
図4〜図6は、画像形成サブシステム150の交換により構成されるプリンタエンジンの構成を示す断面図である。
図4の例は、画像形成サブシステム150として、4つの感光ドラムを有する4連ドラム(4D)方式のカラー用画像形成サブシステム150Aを組み込んだ場合のカラープリンタエンジン100の構成例である。この構成は、特に、高生産性のカラー画像形成に適しており、オフィス用途であってもよいし、軽印刷向け用途であっても良い。画像形成サブシステム150Aは、例えば、A4サイズのカラー印字で毎分20枚の生産性を有するものや、カラー印字で毎分70枚の生産性を有するもの等、ユーザ要望に合わせて構成してもよい。
図5の例は、画像形成サブシステム150として、1つの感光ドラムを有する1ドラム(1D)方式のカラー用画像形成サブシステム150Bを組み込んだ場合のカラープリンタエンジン100の構成例である。この構成は、特に、印画紙写真原稿やグラフィックデザイン分野等、高画質用途のカラー画像形成に適した構成である。画像形成サブシステム150Bの印字解像度は、400dpi、600dpi、1200dpi等、いずれでもよいし、また、印字に使用するトナーや印字可能な転写材の種類が豊富な特徴を持つ等といった、ユーザの要望に合わせて、画像形成サブシステム150Bを構成してもよい。
図6の例は、画像形成サブシステム150として、1つの感光ドラムを有する1ドラム方式の白黒画像形成サブシステム150Cを組み込んだ場合の白黒用プリンタエンジン100の構成例である。この構成は、特にオフィス用途であってもよいし、軽印刷向け用途であっても良い。画像形成サブシステム150Cは、例えば、A4サイズのカラー印字で毎分20枚の生産性を有するものや、カラー印字で毎分70枚の生産性を有するもの等、ユーザ要望に合わせて構成してもよい。
次に、給紙ユニット70、搬送ユニット80の交換によるプリンタエンジンの構成例を説明する。図7(a)、(b)は、給紙ユニット70及び搬送ユニット80の交換により構成されるプリンタエンジンの構成を示す断面図である。
図7(a)に示す構成例では、紙搬送プラットフォーム60は、給紙ユニット70Aと搬送ユニット80Aとを有する、低速タイプの紙搬送プラットフォーム60Aとなる。図7(b)に示す構成例では、紙搬送プラットフォーム60は、給紙ユニット70Bと搬送ユニット80Bとを有する、高速タイプの紙搬送プラットフォーム60Bとなる。なお、給紙ユニット70と搬送ユニット80のいずれか一方のみを交換し、画像形成サブユニット150と組み合わせてもよい。
紙搬送に関わる紙搬送プラットフォームとしてを紙搬送プラットフォーム60Aまたは紙搬送プラットフォーム60Bのいずれかを選択する上では、搬送能力、生産性、耐久性といった画像形成以外の要因で、ユーザの使い方にあわせた選択が可能である。また、画像形成サブシステム150の画像形成に関する特徴と比較しながら、ユーザが求める画像品位にあわせた画像形成サブシステム150と組み合わせることも可能である。これらにより、プリンタエンジン100の機能を所望に構成することが可能である。
給紙ユニット70A、70B、搬送ユニット80A、80Bの詳細な説明は、図9、図10で後述する。また、画像形成サブシステム150A、150B、150Cの詳細な説明は、図11〜図13、図16〜図21を用いて後述する。
次に、画像形成サブシステム150の紙搬送プラットフォーム60に対する位置決め機構を説明する。
図8(a)は、紙搬送プラットフォーム60に対する画像形成サブシステム150の位置決め途中の状態を示す模式図である。図8(b)は、紙搬送プラットフォーム60に対して画像形成サブシステム150が位置決めされた状態を示す模式図である。同図(a)、(b)は、側面視に相当し、同図左側が前方である。
サービスマンだけでなくユーザも画像形成サブシステム150の抜き差し操作をすることを想定すると、要求精度や要求コストの面だけではなく、操作性の良い着脱動作を可能とする構成が重要である。そのためには、例えば、脱着機構や位置決めの方式等が重要となってくる。
図8(a)、(b)に示すように、画像形成サブシステム150に位置決めピン115が設けられ、紙搬送プラットフォーム60に、位置決めピン115に対応する位置決め穴119が設けられる。位置決めピン115及び位置決め穴119が、位置決め機構120を構成する。
位置決めピン115は、位置決め精度を要する用途に使用されるが、要求精度、信頼度向上、ユーザの操作性等を考慮し、そのピン形状が決定される。また、位置決めピン115、位置決め穴119は、要求される位置決め精度、位置決めピン115と位置決め穴119を構成する部品同士の精度のレベル(精度バラツキの大きさ等)に応じて、それらの形状精度、部品取付け精度が決定される。また、位置決めピン115と位置決め穴119との接触面の長さ等は、操作性、作業性の度合いも考慮して決定される。
位置決め穴119の穴径や穴の位置は、画像形成サブユニット150との要求位置決め精度の公差を考慮して必要十分な精度をもって決定される。必要があれば、位置決めピン115に対して位置決め穴119の直角度精度を向上させることも有用である。位置決め穴119を基準にして挿入される位置決めピン115は、両者の相対的位置が精度良く位置決めされるように、位置決めピン115の外形の基準面が決定される。このように、位置決めピン115と位置決め穴119のはめあいを適切な条件に設計することで、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150との相対位置は要求精度以内とすることができる。
また、位置決めピン115の先端はテーパとなっており、位置決め穴119における位置決めピン115の入り口にも、不図示の面取りが形成されている。これにより、挿入時のガイドとなり、両者が係合しやすく、抜き易すくもある。位置決めピン115のテーパ部長さや、挿入時の位置決めピン115と位置決め穴119の中心ずれの程度を考慮して、位置基めピン115の軸径や先端部形状等を決定する。位置決め穴119における位置決め案内長さ等も、操作性や装置の信頼度向上の関係から決定するとよい。
特に、画像形成サブシステム150は、画像形成機能の実現に必要な様々な部品を内包しており、比較的重量が大きい。例えば、カラー画像形成を行う画像形成サブシステム150A、150Bにおいては、筋力の弱いユーザ等にも配慮した操作性を実現することが望ましい。
また、カラー用のサブシステム150A、150Bと比較して、白黒画像形成を行う画像形成サブシステム150Cは、例えば、高生産性を有する高速白黒画像向けに構成した場合には、その重量がカラー用と略同程度であるが、中速クラスとして構成した場合は、同程度か、カラー用よりもその重量が軽いことが想定される。
このように、様々な画像形成サブシステム150のいずれが接続されても、所望の安全性、耐久性、信頼性、高精度を実現しつつ、ユーザ操作性にも優れた構成にしておくことが望ましい。
一方で、紙搬送プラットフォーム60に接続可能な画像サブシステム150のラインナップが、比較的、軽量であるか、または要求される位置決め精度が比較的緩和できるような場合には、画像サブシステム150の着脱機構や位置決め機構120は、比較的低コストの構成に変更することも可能であり、コスト削減効果が期待できる。
上述したように、画像形成サブシステム150が着脱可能にされた構成においては、転写材上に転写すべきトナー画像と、転写材との位置あわせが重要になる。そこで、図8(a)、(b)に示すように、画像形成サブシステム150をプリンタエンジン100内に収容する場合において、画像形成サブシステム150と紙搬送プラットフォーム60との間の位置関係を検知するための位置検知部112を設けている。
位置検知部112に採用される位置検知用センサとしては、光学式の変位センサ等が、小型、安価なものとして実用化されており、例えば、オムロン社製のマイクロ変位センサ等が採用される。なお、光学式以外のセンサを用いてもよい。オムロン社製のマイクロ変位センサを例に説明すると、「型名:Z4DB02」のマイクロ変位センサでは、検知可能距離は9.5mm±3mm、検知分解能は±50μm以下である。ちょうど400dpiの解像度の画像形成サブシステムでは、1ドット(1画素)は、25.4mm/400ドット=63.5μmであることから、マイクロ変位センサでの検知分解能は、1ドット(1画素)未満の分解能で検知することができる。600dpiの解像度では、25.4mm/600ドット=42.3μmであり、検知分解能は、1.18ドット相当である。1200dpiの解像度では、25.4mm/1200ドット=21.2μmであり、検知分解能は、2.36ドット相当である。
しかしながら、画像形成サブシステム150と紙搬送サブシステム60との相対位置を検知することは、すなわち、印字すべき画像と印字される転写材(転写シート)との相対位置に関係することであり、50μm程度の分解能で十分である。例えば、余白の大きさを2.5mmとすると、余白に対する位置検知部のマイクロ変位センサの分解能±50μmは、1/50に相当し、通常の印字動作に対しては十分な検知精度を有している。もし、位置検知部112の位置検知の分解能をさらに向上させるのであれば、同じくオムロン社製の型名Z4DB01を使用することで、検知分解能は、上記した±50μmから±10μmm以下に向上する。そうすると、検知部の分解能は5倍に改善される。
位置検知部112にマイクロ変位センサを採用した場合、マイクロ変位センサで検知された検知結果は、検知対象とマイクロ変位センサとの距離が離れるに従って、マイクロ変位センサからの出力電圧がリニアに低下するようなアナログ出力である。このような位置検知部112からの検知結果である位置情報は、転写材上の適切な位置に画像を印刷するための制御に用いられる。
画像形成サブシステム150を装着するには、着脱用ノブ111A(図2参照)を操作し、画像形成サブシステム150をプリンタエンジン100内に押し込むように、水平にスライド移動させる。図8(a)、(b)に示すように、画像形成サブシステム150には突き当て部材117が設けられ、紙搬送プラットフォーム60には、突き当て部材117に対向して突き当て部材118が設けられる。突き当て部材118には位置検知部112が設けられる。
画像形成サブシステム150をプリンタエンジン100内に収容した際には、突き当て部材117の基準面113と突き当て部材118とが当接して、位置決めピン115の軸方向の位置が決定される。位置決めピン115は、位置決めピン穴119に差し込まれて、所望の位置決め精度で画像形成サブシステム150がプリンタエンジン100内に収容される。
このとき、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150との間のメカニカルな位置については、位置検知部112からの位置検知センサ光が基準面113に照射され、基準面113からの反射光を位置検知部112が受光し、これにより、位置検知部112と基準面113との距離Lsが検知される。距離Lsは、画像形成サブシステム150の位置を示す位置情報として、紙搬送プラットフォーム60のプラットフォーム制御部65に送られる。この位置情報により、画像形成位置を最適な位置に制御するように、プラットフォーム制御部65から、画像形成制御部160に位置制御の情報が送られる。
なお、上記とは逆に、紙搬送プラットフォーム60側に基準面を設けると共に、画像形成サブシステム150に位置検知部112を設けて、画像形成制御部160に位置検知情報を送るように構成してもよい。
また、位置決め基準として、基準面113を例にとったが、これに限られず、他の方法や他の箇所を検知箇所にしても良い。例えば、突き当て部材117の他の基準面として、図8(a)に示すように、基準面113に代えて、あるいは基準面113に加えて、突き当て部材117の段差部上面である基準面113−2や、側面である基準面113−3等の場所を検知するように、位置検知部112の位置を変更したり、位置検知部112のマイクロ変位センサの数を追加したりしても良い。例えば、3方向の基準面113、113−2、113−3の位置ずれを検出するようにして、より精度よく、画像形成サブシステム150の3次元の位置ずれを検出して、画像位置の補正制御に用いるようにしても良い。
また、位置決め機構120は、転写材上にトナー画像を転写する機構の近傍に配置することも効果的である。これにより、転写ローラの位置と侵入してきた転写材との位置精度をより一層効果的に向上させることができる。
なお、上記の例では、位置決め作業を円滑に行うために、軸と穴の寸法関係(はめあい方式等)と併せて、位置決めピン115及び位置決め穴119の形状を最適に設計したが、このような位置決めピン方式に限られず、ユーザ操作性を向上させつつ、位置決めの要求精度を満足するような構成であれば、他の構成を採用してもよい。
次に、紙搬送プラットフォーム60、給紙ユニット70、搬送ユニット80について説明する。給紙ユニット70、搬送ユニット80は、各々、性能が異なる複数の給紙ユニット、搬送ユニットが、紙搬送プラットフォーム60に対して交換可能な形で接続可能に構成される。
図9(a)、(b)は、交換可能な給紙ユニットの概略構成を示す断面図である。交換可能な性能の異なる給紙ユニットとして、同図(a)に、低速給紙向きの給紙ユニット70A、同図(b)に、高速給紙向きの給紙ユニット70Bを例示して説明する。
図9(a)に示すように、低速給紙向きの給紙ユニット70Aは、プラットフォーム制御部65または給紙ユニット70A内の図示しない給紙ユニット制御部によって制御される。DCブラシレスモータ501は所定の速度で回転を行う。給紙動作において、ピックアップローラ502は、図示しないソレノイド等によって所定のタイミングで転写材Pとの当接・離間が制御される。転写材Pは、DCブラシレスモータ501によって駆動されるピックアップローラ502が当接することでピックアップされ、給紙パス511に送り込まれ、給紙パス511中の搬送ローラ503で搬送されることで、画像形成サブシステム150に所定の速度で搬送される。搬送ユニット80からの再給紙された転写材Pは、再給紙パス512を通り、給紙パス511中の搬送ローラ503で搬送されることで、画像形成サブシステム150に搬送される。
図9(b)に示すように、高速給紙向きの給紙ユニット70Bは、プラットフォーム制御部65または給紙ユニット70B内の図示しない給紙ユニット制御部によって制御される。ステッピングモータ504は、可変制御される所定の速度で回転を行う。給紙動作において、ピックアップローラ502は、図示しないソレノイド等によって所定のタイミングで転写材Pとの当接・離間が制御される。転写材Pは、ステッピングモータ504によって駆動されるピックアップローラが当接することでピックアップされ、給紙パス511に送り込まれ、給紙パス511中の搬送ローラ503で搬送されることで、画像形成サブシステム150に所定の速度で搬送される。搬送ユニット80からの再給紙された転写材Pは、再給紙パス512を通り、給紙パス511中の搬送ローラ503で搬送されることで、画像形成サブシステム150に搬送される。
このとき、転写材Pの搬送速度は可変制御されるステッピングモータ504の回転速度に応じて可変されることで、転写材の搬送速度、連続して給紙される複数の転写材Pの間隔の制御が、多段階で、広範囲に可能となる。
ここで、給紙ユニット60の説明として、給紙段が1段である構成として説明を行ったが、構成はこれに限るものではなく、従来知られているように、複数の給紙段を多段に結合または接続して複数の転写材種、転写材サイズを給紙可能とする構成であってもよい。
図10(a)、(b)は、交換可能な搬送ユニットの概略構成を示す断面図である。交換可能な性能の異なる搬送ユニットとして、同図(a)に、低速搬送向きの搬送ユニット80A、同図(b)に、高速搬送向きの搬送ユニット80Bを例示して説明する。
図10(a)に示すように、低速搬送向きの搬送ユニット80Aは、プラットフォーム制御部65または搬送ユニット80A内の図示しない搬送ユニット制御部によって制御される。ステッピングモータ520は、動作モードに応じて正逆回転駆動制御される。DCブラシレスモータ521は、所定の速度で回転を行う。搬送動作において、画像形成サブシステム150の定着ユニット180から搬送される転写材Pは、排紙パス525に送り込まれる。排紙時には排紙ローラ522は、転写材Pを機外に排出する方向に回転を行うことで、転写材Pを機外に排出する。
両面形成のための反転時には、排紙ローラ522は、転写材Pを排紙する方向に回転を行い、転写材Pの後端を排紙ローラ522で噛んだ状態で、ステッピングモータ520を停止、逆転することで、排紙ローラ522を停止、逆転させて転写材Pを搬送パス526に搬送する。所定の速度で回転駆動するDCブラシレスモータ521によって回転駆動される搬送ローラ523、524によって、転写材Pは搬送パス526を搬送され、給紙ユニット70の再給紙パス512へ送出される。
図10(b)に示すように、高速搬送向きの搬送ユニット80Bは、ステッピングモータ531は搬送ローラ523を回転駆動し、ステッピングモータ532は搬送ローラ524を回転駆動する。搬送ユニット80Bは、プラットフォーム制御部65または搬送ユニット80B内の図示しない搬送ユニット制御部によって制御される。ステッピングモータ520、531、532は、可変制御される所定の速度、方向で回転を行う。搬送動作において、画像形成サブシステム150の定着ユニット180から搬送される転写材Pは、排紙パス525に送り込まれる。排紙時には排紙ローラ522は、転写材Pを機外に排出する方向に回転を行い、転写材Pを機外に排出する。
両面形成のための反転時には、排紙ローラ522は転写材Pを排紙する方向に回転を行い、転写材Pの後端を排紙ローラ522で噛んだ状態で、ステッピングモータ520を停止、逆転することで、排紙ローラ522を停止、逆転させて転写材Pを搬送パス526に搬送する。可変速度制御されるステッピングモータ531によって回転駆動される搬送ローラ523と、可変速度制御されるステッピングモータ532によって回転駆動される搬送ローラ524とによって、転写材Pは搬送パス526を搬送され、給紙ユニット70の再給紙パス512へ送出される。このとき、転写材Pの搬送速度は可変制御されるステッピングモータ531、532の回転速度に応じて可変されることで、転写材Pの搬送速度、連続して搬送される複数の転写材Pの間隔の制御が、多段階で、広範囲に可能となる。
給紙ユニット70Aと搬送ユニット80Aとを組み込んだ紙搬送プラットフォーム60A(図7(a)参照)、給紙ユニット70Bと搬送ユニット80Bとを組み込んだ紙搬送プラットフォーム60B(図7(b)参照)のいずれにおいても、プラットフォーム制御部65(図1参照)は、組み込まれたユニットを識別またはユニットと通信することで、組み込まれたユニットに応じた制御情報を収集する。そして、その組み込まれたユニットに応じた制御情報を、プリンタエンジン制御部105とやり取りし、プリンタエンジン制御部105により決定された制御仕様に基づいて、プラットフォーム制御部65が紙搬送プラットフォーム60の統括した制御を行う。
次に、画像形成サブシステム150について説明する。画像形成サブシステム150において、作像ユニット170及び定着ユニット180は、各々、異なる機能を有するものと交換可能に、且つ物理的に分離可能に構成される。
図11は、4Dフルカラープリンタ用である画像形成サブシステム150Aの断面図である。画像形成サブシステム150Aは、作像ユニット170として作像ユニット170A、定着ユニット180として定着ユニット180Aが装着されて構成される。
図12は、1Dフルカラープリンタ用である画像形成サブシステム150Bの断面図である。画像形成サブシステム150Bは、作像ユニット170として作像ユニット170B、定着ユニット180として定着ユニット180Bが装着されて構成される。
図13は、1D白黒プリンタ用である画像形成サブシステム150Cの断面図である。画像形成サブシステム150Cは、作像ユニット170として作像ユニット170C、定着ユニット180として定着ユニット180Cが装着されて構成される。
まず、図11に示す画像形成サブシステム150Aの詳細を説明する。作像ユニット170Aは、イエロー色の画像を形成する画像形成部601Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部601Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部601Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部601Bkの4つの画像形成部を備えている。これら4つの画像形成部601Y、601M、601C、601Bkは、一定間隔で一列に配置される。
各画像形成部601Y、601M、601C、601Bkには、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」称する)602A、602B、602C、602Dが設置されている。各感光ドラム602A、602B、602C、602Dの周囲には、1次帯電器603A、603B、603C、603D、現像装置604A、604B、604C、604D、転写手段としての転写ローラ605A、605B、605C、605D、ドラムクリーナ装置606A、606B、606C、606Dがそれぞれ配置されており、1次帯電器603A、603B、603C、603Dと現像装置604A、604B、604C、604Dの下方には、レーザ露光装置607が設置されている。
各現像装置604A、604B、604C、604Dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。各感光ドラム602A、602B、602C、602Dは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって図11の時計方向に所定のプロセススピード(mm/sec)で回転駆動される。
1次帯電手段としての1次帯電器603A、603B、603C、603Dは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム602A、602B、602C、602Dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電させる。現像装置604A、604B、604C、604Dは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム602A、602B、602C、602D上に形成される各静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
1次転写手段としての転写ローラ605A、605B、605C、605Dは、各1次転写部615A〜615Dにて中間転写ベルト608を介して各感光ドラム602A、602B、602C、602Dに当接可能に配置されている。ドラムクリーナ装置606A、606B、606C、606Dは、感光ドラム2上で1次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム2から除去するためのクリーニングブレード等を有している。
また、中間転写ベルト608が、各感光ドラム602A、602B、602C、602Dの上面側に配置されて、2次転写対向ローラ609とテンションローラ610間に張架されている。該2次転写対向ローラ609は、2次転写部616において、中間転写ベルト608を介して2次転写ローラ611と当接可能に配置されている。この中間転写ベルト608は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
また、中間転写ベルト608において、感光ドラム602A、602B、602C、602Dとの対向面側には、1次転写面608Bが形成されている。中間転写ベルト608は、1次転写面608Bが、2次転写ローラ611側を下方にして傾斜するように配置されている。
レーザ露光装置607は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段(図示せず)、ポリゴンミラー618、スキャナモータ617、反射ミラー等で構成され、各感光ドラム602A、602B、602C、602Dに露光をすることによって、各1次帯電器603A、603B、603C、603Dで帯電された各感光ドラム602A、602B、602C、602Dの表面に、画像情報に応じた各色の静電潜像を形成させる。これと同時に、レーザ露光装置607に具備される図示しないビーム検知信号(BD)発生回路が、ポリゴンミラーにより偏光される主走査方向のレーザ光を検出する。
さらに、これらの各要素の動作を制御するための、作像ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、該作像ユニット制御手段が、さらに作像ユニットのプロセススピードや、色見、濃度の調整等の制御を行う。
次に、定着ユニット180Aの説明をする。この定着ユニット180Aは、作像ユニット170Aの2次転写部616よりも記録紙の搬送方向下流側に配置される。定着ユニット180Aの内部には、ハロゲンヒータ等の熱源を備える定着ローラ612Aと加圧ローラ612Bとを有する定着装置612が、縦パス構成で設置されている。また、この定着ローラ612A及び加圧ローラ612Bは、図示しない駆動装置により回転駆動されるとともに、定着ローラ612A内のハロゲンヒータの電力制御をすることにより、定着ローラの表面温度制御を行う。さらに、これらの要素の制御を行う、定着ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、該定着ユニット制御手段が、さらに各ローラの回転速度や、定着ローラの温調温度や、異常時の処理について制御を行う。
また、画像形成サブシステム150Aの画像形成制御部160は、上記作像ユニット制御手段、定着ユニット制御手段と通信を行い、各制御手段からユニット情報を吸い上げると共に、各制御手段へユニット制御情報を伝える。さらに、コントローラ200から各画像信号のやり取りをしたり、プリンタエンジン制御部105及びプラットフォーム制御部65と制御情報のやり取りをしたりする。
ここでは、作像ユニット170A、定着ユニット180Aが、それぞれ制御手段を持つ構成について説明したが、作像ユニット170A、定着ユニット180Aは、これらの制御手段を持たない構成であっても動作可能であり、その場合は、画像形成制御部160が、作像ユニット170A、定着ユニット180A内の各要素の制御を行うこととなる。
次に、図12に示す画像形成サブシステム150Bの詳細を説明する。作像ユニット170Bは、スキャナユニット631を有し、スキャナユニット631は、レーザユニット634、多面体ミラー(ポリゴンミラー)635、スキャナモータ636及びビーム検知信号(BD信号)発生回路643を有する。作像ユニット170Bはまた、感光ドラム632、中間転写ベルト633、各色の現像剤ユニット637A〜637Dを有する現像ロータリ637、1次転写ローラ、2次転写ローラ638、クリーニングブレード639を備えている。
感光ドラム632は、OPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって図12の時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。1次帯電手段としての1次帯電器642は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム632の表面を所定電位に均一に帯電させる。スキャナユニット631において、レーザユニット634は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に基づいて変調されたレーザ光を発光する。多面体ミラー635は、レーザユニット634から発せられたレーザ光を偏向して感光ドラム632上を走査し、該感光ドラム632上に静電潜像を形成するための回転多面鏡である。スキャナモータ636は、ポリゴンミラー635を回転駆動する。ビーム検知信号発生回路643は、ポリゴンミラー635により偏向される主走査方向のレーザ光を検出する。
現像ロータリ637は、感光ドラム632上に形成された静電潜像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の現像剤ユニット637A、637B、637C、637Dにより現像する。感光ドラム632は、現像ロータリ637により現像された感光ドラム632上の現像剤を、上述した作像ユニット170Aと同様に、1次転写ローラに1次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト633に1次転写させる。2次転写ローラ638は、中間転写ベルト633に当接し、中間転写ベルト633上の現像剤を記録紙等の記録媒体に2次転写させる。
クリーニングブレード639は、感光ドラム632に常時当接しており、感光ドラム632表面の残留トナーを掻き取ることで清掃を行う。さらに、作像ユニット170Bには、作像ユニット170Aと同様に、内部の各要素の動作を制御するための、作像ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、作像ユニット170Bのプロセススピードや、色見、濃度の調整等の制御を行う。
次に、定着ユニット180Bの説明をする。定着ユニット180Bは、作像ユニット170Bの2次転写ローラ638よりも記録紙の搬送方向の下流側に配置され、定着装置640が、記録紙上に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる定着動作を行う。また、定着装置640のローラは、図示しない駆動装置により回転駆動されるとともに、定着装置640内のハロゲンヒータの電力制御をすることにより、定着ローラの表面温度制御を行う。定着ユニット180B内には、さらに、これらの要素の制御を行う定着ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、該定着ユニット制御手段が、各ローラの回転速度や、定着ローラの温調温度や、異常時の処理について制御を行う。
また、画像形成サブシステム150Bにおいても、画像形成サブシステム150Aの場合と同様に、画像形成制御部160が、上記作像ユニット制御手段、定着ユニット制御手段と通信を行い、ユニット制御情報、画像信号、制御情報等のやり取りをする。また、作像ユニット170B、定着ユニット180Bについても、それぞれ制御手段を持つ構成に限られず、制御手段を持たない構成であっても動作可能であり、その場合は、画像形成制御部160が、作像ユニット170B、定着ユニット180B内の各要素の制御を行うこととなる。
次に、図13に示す画像形成サブシステム150Cの詳細を説明する。作像ユニット170Cは、スキャナユニット661を有し、該スキャナユニット661は、レーザユニット663、多面体ミラー(ポリゴンミラー)664、スキャナモータ665及びビーム検知信号発生回路672を有する。作像ユニット170Cはまた、感光ドラム662、現像ユニット666、転写ローラ667を備えている。
感光ドラム662は、OPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって図13の反時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。1次帯電手段としての1次帯電器670は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム662の表面を所定電位に均一に帯電させる。
スキャナユニット661において、レーザユニット663は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に基づいて変調されたレーザ光を発光する。多面体ミラー(ポリゴンミラー)664は、レーザユニット663から発せられたレーザ光を偏向して感光ドラム662上を走査し、該感光ドラム662上に静電潜像を形成するための回転多面鏡である。スキャナモータ665は、ポリゴンミラー664を回転駆動する。ビーム検知信号発生回路672は、ポリゴンミラー664により偏向される主走査方向のレーザ光を検出する。
現像ユニット666は、感光ドラム662上に形成された静電潜像をブラック(Bk)の現像剤により現像する。転写ローラ667は、感光ドラム662に当接し、感光ドラム662上の現像剤を記録紙等の記録媒体に転写させる。クリーニングブレード669は、感光ドラム662に常時当接しており、感光ドラム662表面の残留トナーを掻き取ることで清掃を行う。
さらに、作像ユニット170Cには、作像ユニット170Aと同様に、内部の各要素の動作を制御するための、作像ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、作像ユニット170Cのプロセススピードや、濃度の調整等の制御を行う。
次に、定着ユニット180Cの説明をする。定着ユニット180Cは、作像ユニット170Cの転写ローラ667よりも転写材の搬送方向の下流側に配置され、定着装置668が、記録紙上に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる定着動作を行う。また、この定着装置668のローラは、図示しない駆動装置により回転駆動されるとともに、定着装置668内のハロゲンヒータの電力制御をすることにより、定着ローラの表面温度制御を行う。定着ユニット180Cには、さらに、これらの要素の制御を行う定着ユニット制御手段(図示せず)が設けられており、該定着ユニット制御手段が、各ローラの回転速度や、定着ローラの温調温度や、異常時の処理について制御を行う。
また、画像形成サブシステム150Cにおいても、画像形成サブシステム150Aの場合と同様に、画像形成制御部160が、上記作像ユニット制御手段、定着ユニット制御手段と通信を行い、ユニット制御情報、画像信号、制御情報等のやり取りをする。また、作像ユニット170C、定着ユニット180Cについても、それぞれ制御手段を持つ構成に限られず、制御手段を持たない構成であっても動作可能であり、その場合は、画像形成制御部160が、作像ユニット170C、定着ユニット180C内の各要素の制御を行うこととなる。
次に、画像形成装置1600の内部構成について説明する。
図14は、画像形成装置1600の内部構成を示すブロック図である。
ここで、搬送ユニット80は、内部にCPUを含む制御部を有するユニットであり、給紙ユニット70は内部にCPUを含まないユニットであるとする。また、作像ユニット170は、内部にCPUを含む制御部を有するユニットであり、定着ユニット180は内部にCPUを含まないユニットであるとする。
紙搬送プラットフォーム60において、搬送ユニット80は、プラットフォーム制御部65と通信して制御情報の受け渡しを行い、各制御負荷の制御を行う。給紙ユニット70は、プラットフォーム制御部65の制御の下に各制御負荷の制御を行う。給紙ユニット70は、転写材の給紙動作に関わる負荷制御を行う。搬送ユニット80は、転写材の排紙、反転、両面搬送動作に関わる負荷制御を行う。このような制御により、紙搬送プラットフォーム60は、画像形成に関わる転写材の搬送動作を実現する。
また、画像形成サブシステム150において、作像ユニット170は、画像形成制御部160と通信を行い、制御情報の受け渡しを行い、各制御負荷の制御を行う。定着ユニット180は、画像形成制御部160の制御の下に各制御負荷の制御を行う。作像ユニット170はコントローラ200とやりとりされる画像信号に基づき転写材上への画像形成動作を行い、定着ユニット180は転写材上に形成された画像の加熱定着動作を行う。ここで、やりとりされる画像信号は、ビデオデータ(VIDEO)、画像同期CLK(VCLK)、及び主走査同期信号(BD)、副走査同期信号(ITOP)を含む信号である。
画像形成サブシステム150は、紙搬送プラットフォーム60で搬送される転写材を受け取り、画像形成サブシステム150で形成した画像を転写材上の正しい位置に転写する。これを実現するために、画像形成制御部160は、自らが管理している副走査同期信号(ITOP)を基に生成する紙搬送同期信号(REGI)を、プリンタエンジン制御部105経由でプラットフォーム制御部65に送付する。プラットフォーム制御部65は、送付された紙搬送同期信号(REGI)を基に給紙、搬送動作を制御し、搬送した転写材を画像形成サブシステム150に所定のタイミングで引き渡す。このような協調動作が行われることで、画像形成サブシステム150は、搬送された転写材上への画像形成動作を実現する。
電源ユニット90は、AC入力から、DC出力及び整流されたAC出力を出力する。出力されたDC出力としては、出力制御された複数の電圧出力が、画像形成装置1600のプラットフォーム、サブシステム、各ユニットに供給される。AC出力は、必要に応じてプラットフォーム、サブシステム、各ユニットに供給されるものであるが、ここでは、一例として、定着ユニットに供給される系について説明する。
プリンタエンジン制御部105は、プラットフォーム制御部65との通信によって得られる紙搬送プラットフォーム60の制御情報、画像形成制御部160との通信によって得られる画像形成サブシステム150の制御情報、及び、電源ユニット90から得られる電源ユニット90の制御情報を統括する。それらの統括した制御情報を基に、プリンタエンジン100に画像形成動作を行わせるために、プラットフォーム制御部65、画像形成制御部160及び電源ユニット90へ制御情報を送出する。
プラットフォーム制御部65は、プリンタエンジン制御部105によって決定された制御情報に基づいて、搬送ユニット80と通信を行い、制御情報の受け渡しを行う。プラットフォーム制御部65はまた、プリンタエンジン制御部105によって決定された制御情報に基づいて、給紙ユニット70の各制御負荷の制御を行う。搬送ユニット80は、受け渡された制御情報に基づき各制御負荷の制御を行う。
画像形成制御部160は、プリンタエンジン制御部105によって決定された制御情報に基づいて、作像ユニット170と通信を行い、制御情報の受け渡しを行う。画像形成制御部160はまた、プリンタエンジン制御部105によって決定された制御情報に基づいて定着ユニット180の各制御負荷の制御を行う。作像ユニット170は、受け渡された制御情報に基づき各制御負荷の制御を行う。電源ユニット90は、プリンタエンジン制御部105によって決定された制御情報に基づいて出力電圧の制御を行う。
コントローラ200は、プリンタエンジン制御部105と通信して制御情報のやりとりを行い、画像形成制御部160と画像信号のやりとりを行う。コントローラ200には、画像読み取り動作を行う画像読取装置220が接続され、画像読取装置220から画像情報が入力される。画像読取装置220には、原稿給紙装置230が接続され、原稿給紙装置230で原稿の給紙動作が行われる。また、コントローラ200には、操作入力、表示を行う操作部210が接続され、コントローラ200と操作部210との間で、制御情報のやりとりが行われる。コントローラ200は、ネットワーク10に接続され、ネットワーク10上の図示しないコンピュータ等と、画像信号や制御情報のやりとりを行うことが可能である。
なお、画像形成装置1600の内部構成は、これに限定されるものではなく、例えば、図14に示す構成に代えて、図15に示すような他の構成も採用可能である。すなわち、プリンタエンジン制御部105がプラットフォーム制御部65と同一のCPU資源で動作するように構成してもよい。
図15は、画像形成装置1600の内部構成の他の例を示すブロック図である。
プリンタエンジン制御部105は、内包するプラットフォーム制御部65の制御情報と、画像形成制御部160との通信によって得られる画像形成サブシステム150の制御情報と、電源ユニット90から得られる電源ユニットの制御情報とを統括する。これ以外の構成及び制御の態様は、図14で説明したのと同様である。
なお、図14、図15のいずれの例でも、搬送プラットフォーム60内の各ユニット及び画像形成サブシステム150内の各ユニットとして、CPUを含む制御部を持つユニットとCPUを持たないユニットがそれぞれ存在する系であるとして説明を行った。しかし、各ユニットがCPUを持つ、持たないの組み合わせはこの例に限られるものではなく、ユニットの制御内容等によって適宜設定することができる。
また、プリンタエンジン100が、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150を有し、紙搬送プラットフォーム60内に給紙ユニット70と搬送ユニット80の2つのユニット、画像形成サブシステム150内に作像ユニット170と定着ユニット180の2つのユニットがそれぞれ存在する系で説明を行った。しかし、プリンタエンジン内のサブシステムの構成、及び、プラットフォーム、サブシステム内のユニットの構成は、このような系に限られるものではなく、サブシステム及びユニットの制御内容等によって適宜設定することができる。
図16、図18、図20は、それぞれ、画像形成サブシステム150A、150B、150Cのブロック図である。図17、図19、図21は、それぞれ、画像形成サブシステム150A、150B、150Cの画像形成タイミングを示すタイミングチャートである。図17、図19、図21では、いずれも、2枚のイメージを連続で作像する場合が例示されている。
図16、図18、図20に示すように、画像形成サブシステム150A、150B、150Cにはそれぞれ、上記した作像ユニット170A、170B、170Cと定着ユニット180A、180B、180Cの他に、画像形成制御部160として、画像処理部を含む画像形成制御部160A、160B、160Cが含まれる。
まず、図16に示す画像形成サブシステム150Aにおいて、画像信号がコントローラ200からRGBカラーフォーマットで画像形成制御部160Aに入力され、次の処理が行われる。すなわち、画像信号は、LOG変換回路310で濃度変換され、出力マスキング回路311でYMCKデータに変換される。出力マスキング回路311はLab空間での平均色差が最小になるよう変換を行うもので、その係数は作像ユニット170Aのハード特性に依存する。
YMCKデータは、階調補正回路312に入力され、ルックアップテーブル(以下、「LUT」と称する)による階調補正が行われる。LUTとしては、作像ユニット170Aの個体差や経時変化等のハード特性を補正するテーブルと、ユーザ設定によって変更される濃度調整テーブルと、文字モード/印画紙モードといった画像モードテーブルとが合成されたものが使われる。
LUTは、次段のハーフトーン処理によっても変わり、ハーフトーン処理回路313は複数のハーフトーン処理を並行して行うため、階調補正回路312はハーフトーン処理回路313の処理構成分のLUTを持ち、全て同時に処理し出力する。階調補正後の信号はハーフトーン処理回路313に入力され、印字データが生成される。印字データは、ハーフトーン処理回路313によって、誤差拡散と複数のスクリーン処理が同時に並行して行われ、後述するZ信号によって選択され出力される。出力された印字データはドラム間遅延メモリ314でドラム配置に応じた遅延処理が行われ、作像ユニット170Aに出力される。
コントローラ200からは、画像特徴を表すZ信号も並行して入力される。Z信号はRGB信号に同期した信号で、LOG変換回路310、出力マスキング回路311、階調補正回路312、ハーフトーン処理回路313、ドラム間遅延メモリ314に入力される。Z信号には、ページ単位の特徴を示すデータと、画素単位の特徴を示すデータとが含まれ、具体的には、前者はコピー画像/PDL画像を示すデータで、後者は文字/写真やBMP(ビットマップ)/オブジェクト等を示すデータである。
コントローラ200の画像出力タイミングは、タイミング生成部315が出力する画像同期信号ITOP及びPBDによって制御される。ITOP信号は副走査方向、PBD信号は主走査方向の同期信号である。また、画像クロックPCLKもコントローラ200に入力され、コントローラ200はPCLKに同期した画像データを出力する。
PBD信号は作像ユニット170Aから出力されるBD信号を基準に生成されるものである。タイミング生成部315では、レジローラの駆動タイミングを制御するREGI信号も生成され、REGI信号はレジローラを含む作像ユニット170Aに供給される。REGI信号はITOP信号を基準に生成され、そのタイミングは作像位置と転写位置とレジローラとの関係から決まるもので、画像形成サブシステム150A固有の値となる。REGI信号は、レジローラとの同期を取るため、プラットフォーム制御部60にも同時に供給される。
図17に示すように、ITOPタイミングに従ってコントローラ200からRGBイメージが出力され、画像処理遅延t1後に、作像ユニット170Aに供給されるYMCKデータが順次出力される。YMCKデータ間にはドラム間遅延t2の位相差があり、この遅延処理はドラム間遅延メモリ314で行われる。タイミング生成部315では、ITOP生成からレジ遅延t3の遅延処理後にREGI信号が生成され、このタイミングでレジローラが駆動され、不図示の2次転写部に用紙が搬送される。2次転写については、REGI信号から転写遅延t4だけ遅れたタイミングで転写が開始される。2ページ目の処理は、1ページ目の転写動作中に開始され、さらに多くの枚数の場合には同様に繰り返される。
図18に示す画像形成サブシステム150Bにおいて、画像信号はコントローラ200からRGBカラーフォーマットで画像形成制御部160Bに入力され、次の処理が行われる。
画像形成サブシステム150Bにおける画像形成制御部160Bは、画像形成サブシステム150Aの画像形成制御部160Aに対して、ドラム間遅延メモリ314に代えてページメモリ320が設けられている点のみが異なり、その他は同様である。
図19に示すように、ITOPタイミングに従ってコントローラ200からRGBイメージが出力され、画像処理遅延t10後にページメモリ320にYMCK印字データが保存され、作像ユニット170Bに順次YMCKデータが供給される。構造上、1色ずつの作像が行われるため、各色の作像が完了してから次の印字データが供給される。タイミング生成部315では、ITOP生成からレジ遅延t13の遅延処理後にREGI信号が生成され、このタイミングでレジローラが駆動され、不図示の2次転写部に用紙が搬送される。
2次転写については、REGI信号から転写遅延t14だけ遅れたタイミングで転写が開始される。2ページ目の処理は、1ページ目の4色目の作像処理と2ページ目の1色目の作像処理とが重ならないようなタイミングで開始され、さらに多くの枚数の場合には同様に繰り返される。
図20に示す画像形成サブシステム150Cにおいて、コントローラ200から供給される画像信号は、フルカラーの画像形成制御部160Aと同様にRGBフォーマットで、画像形成制御部160CにてBk信号が生成される。
まず、Bk生成回路330でRGBからBk信号への変換が行われる。次にLOG変換回路331で濃度変換され、階調補正回路332で階調補正が行われ、ハーフトーン処理回路333で印字データが生成される。
LOG変換回路331、階調補正回路332、ハーフトーン処理回路333の機能は、画像形成制御部160AのLOG変換回路310、階調補正回路312、ハーフトーン処理回路313と全く同一であり、異なるのはチャンネル数がBk単色、すなわち1チャンネルになっている点だけである。
図21に示すように、ITOPタイミングに従ってコントローラ200からRGBイメージが出力され、画像処理遅延t20後に作像ユニット170Cに供給されるBkデータが出力される。タイミング生成部315では、ITOP生成からレジ遅延t23の遅延処理後にREGI信号が生成され、このタイミングでレジローラが駆動され、転写部に用紙が搬送される。転写については、REGI信号から転写遅延t24だけ遅れたタイミングで転写が開始される。2ページ目の処理は、1ページ目の転写動作中に開始され、さらに多くの枚数の場合には同様に繰り返される。
次に、図9〜図11を参照しつつ、上記した高速カラースループットに対応した画像形成サブシステム150Aを紙搬送プラットフォーム60に装着した場合における、プリンタエンジン100による画像形成動作について説明する。
画像形成装置1600の操作部210を介したユーザの指示により、画像形成ジョブの開始の指示をプリンタ制御部105が受けると、プリンタエンジン制御部105からプラットフォーム制御部65に給紙要求コマンドが送信され、搬送ユニット80と給紙ユニット70は動作を開始する。また同様に、画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信されると、作像ユニット170Aと定着ユニット180Aが画像形成動作を開始する。
図11に示すように、作像ユニット170Aのここでは図示しない駆動機構により、任意のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部601Y、601M、601C、601Bkの各感光ドラム602A〜602Dは、それぞれ1次帯電器603A〜603Dによって一様に負極性に帯電される。そして、レーザ露光装置607は、スキャナモータ617によって回転駆動されるポリゴンミラー618に、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ発光素子から照射し、反射ミラー等を経由して各感光ドラム602A〜602D上に各色の静電潜像を形成させる。
そして、感光ドラム602A上に形成された静電潜像に、感光ドラム602Aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置604Aにより、イエローのトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、感光ドラム602Aと転写ローラ605Aとの間の1次転写部615Aにて、1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ605Aにより、駆動されている中間転写ベルト608上に1次転写される。
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト608は、画像形成部601M側に移動する。そして、画像形成部601Mにおいても、前記と同様にして、感光ドラム602Bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト608上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、1次転写部615Bにて転写される。この時、各感光体ドラム602A〜602D上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置606A〜606Dに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
以下、同様にして、中間転写ベルト608上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部601C、601Bkの感光ドラム602C、602Dで形成されたシアン、ブラックのトナー像が各1次転写部615A〜615Dにて順次重ね合わされて、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト608上に形成される。
そして、中間転写ベルト608上のフルカラーのトナー像先端が2次転写対向ローラ609と2次転写ローラ611間の2次転写部616に移動するタイミングに合わせて、給紙ユニット70から給紙カセットが選択される。そして、ピックアップローラ502(図9(a)、(b)参照)が駆動され、給紙カセットに積載された転写材(用紙)Pの最上位紙がピックアップされるとともに、給紙パス511に搬送される。また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Aのレジストローラ613(図11参照)に搬送する。そして、作像ユニット170Aのレジストローラ613によって、転写材Pは2次転写部616に搬送される。2次転写部616に搬送された転写材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ611により、フルカラーのトナー像が一括して2次転写される。
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着装置ユニット180Aに搬送され、定着ローラ612Aと加圧ローラ612Bとの間の定着ニップ部614(図11参照)でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80(図10(a)、(b)参照)に搬送される。そして、転写材Pは、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。
以上が片面画像形成時の画像形成動作である。続いて両面画像形成動作について説明する。
両面画像形成動作においては、定着ユニット180Aに搬送されるところまでは、片面画像形成動作と同様である。すなわち、定着ローラ612Aと加圧ローラ612Bとの間の定着ニップ部614でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に転写材Pの大部分が排出された状態で、排紙ローラ522の回転を停止させる。その際、転写材Pの後端位置が反転可能位置に位置する。すなわち転写材Pの後端位置が排紙パス525と搬送パス526の分岐地点より下流側に到達しているように転写材Pが停止している。
続いて、図10(a)、(b)に示すように、排紙ローラ525の回転を停止させたことで搬送が停止された転写材Pを、搬送ローラ523、524を備えた搬送パス526へと送り込むべく、排紙ローラ522を片面画像形成動作時の回転とは逆方向に回転させる。排紙ローラ522を逆回転させる。これにより、反転可能位置に位置していた転写材Pの後端側を先端側として、搬送ローラ523に到達させる。
その後、搬送ローラ523により転写材Pを搬送ローラ524へと搬送する。そして、紙搬送プラットフォーム60の給紙パス511(図9(a)、(b)参照)に搬送する。また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Aのレジストローラ613に搬送する。また、その間に画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信され、上記した片面画像形成時と同様、中間転写ベルト608上のフルカラーのトナー像先端が、2次転写対向ローラ609と2次転写ローラ611間の2次転写部616に移動するタイミングに合わせて、レジストローラ613により2次転写部616へと転写材Pを移動させる。
2次転写部616にてトナー像先端と転写材Pの先端を一致させ、トナー像を転写させた以降は、片面画像形成動作と同様に、定着ユニット180Aにて転写材P上の画像が定着され、再度、転写材Pが搬送ユニット80の排紙ローラ522によって搬送され、最終的に排紙トレイ上に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。
次に、図9、図10、図12を参照しつつ、上記した中速カラースループットに対応した画像形成サブシステム150Bを紙搬送プラットフォーム60に装着した場合の、プリンタエンジン100による画像形成動作について説明する。
画像形成ジョブの開始の指示をプリンタ制御部105が受けると、プリンタエンジン制御部105からプラットフォーム制御部65に給紙要求コマンドが送信され、搬送ユニット80と給紙ユニット70とが動作を開始する。また同様に、画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信されると、作像ユニット170Bのここでは図示しない駆動機構により任意のプロセススピードで回転駆動される感光ドラム632が回転する。また感光ドラム632は、1次帯電器642によって一様に負極性に帯電される。
そして、図12に示すように、スキャナユニット631は、スキャナモータ636によって回転駆動されるポリゴンミラー635に、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ発光素子から照射し、反射ミラー等を経由し感光ドラム632上にイエロー(Y)の静電潜像を形成させる。感光ドラム632が現像ロータリ637内のイエロー(Y)の現像剤ユニット637Aと接する位置で、イエロー(Y)の現像剤により感光ドラム632上の潜像が顕画化される。さらに、上記駆動機構により感光ドラム632が回転し、感光ドラム632が中間転写ベルト633と接する位置で、感光ドラム632上のイエロー(Y)の現像剤が、1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラにより、駆動されている中間転写ベルト633上に1次転写される。この時、感光体ドラム632上に残留した転写残トナーは、クリーニングブレード639により掻き落とされ、回収容器に回収される。ここで、不図示の駆動手段によって現像ロータリ637は約90度回転され、次のマゼンタ(M)の現像に備える。
次に、マゼンタ(M)のデータの作像では、イエロー(Y)のデータの作像時と同様に、感光ドラム632上に対するマゼンタ(M)のデータの潜像の書き込みが行われる。続いて、上記駆動機構により感光ドラム632が回転する。また感光ドラム632は、1次帯電器642によって一様に負極性に帯電される。
そして、スキャナユニット631は、スキャナモータ636によって回転駆動されるポリゴンミラー635に、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ発光素子から照射し、反射ミラー等を経由し感光ドラム632上にイエロー(M)の静電潜像を形成させる。
中間転写ベルト633の回転位置がイエロー(Y)のデータの作像時と同一の位置で、マゼンタ(M)の現像剤により感光ドラム632上の潜像が顕画化される。さらに、上記駆動機構により感光ドラム632が回転し、感光ドラム632が中間転写ベルト633と接する位置で、感光ドラム632上のマゼンタ(M)の現像剤が、1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラにより、駆動されている中間転写ベルト633上に1次転写される。
続いて、シアン(C)、ブラック(BK)についても上記と同様な画像形成工程による制御が行われる。そして、中間転写ベルト633上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)4色の現像剤が重ね合わされ、所定の位置で、給紙ユニット70から給紙カセットが選択される。そして、ピックアップローラ502(図9(a)、(b)参照)が駆動され、給紙カセットに積載された転写材(用紙)Pの最上位紙がピックアップされるとともに、給紙パス511に搬送される。
また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Bのレジストローラ641(図12参照)に搬送する。そして、作像ユニット170Bのレジストローラ641によって、転写材Pは2次転写部に搬送される。2次転写部に搬送された転写材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ638により、フルカラーのトナー像が一括して転写材Pに、2次転写される。
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着装置ユニット180Bに搬送され、定着装置640でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80に搬送される。そして、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に排出され、一連の画像形成動作が終了する。
以上が片面画像形成時の画像形成動作である。続いて両面画像形成動作について説明する。
両面画像形成動作においては、定着ユニット180Bに搬送されるところまでは片面画像形成動作と同様である。すなわち、定着装置640でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に転写材Pの大部分を排出された状態で、排紙ローラ522の回転が停止される。その際、転写材Pの後端位置が反転可能位置に位置する。すなわち転写材Pの後端位置が排紙パス525と搬送パス526の分岐地点より下流側に到達しているように、転写材Pが停止している。
続いて、排紙ローラ525の回転を停止させたことで搬送が停止された転写材Pを、搬送ローラ523、524を備えた搬送パス526へと送り込むべく、排紙ローラ522を片面画像形成動作時の回転とは逆方向に回転させる。排紙ローラ522を逆回転させることにより、反転可能位置に位置していた転写材Pの後端側を先端側として、搬送ローラ523に到達させる。
その後、搬送ローラ523により転写材Pを搬送ローラ524へと搬送する。そして、給紙ユニット60Bの給紙パス511に搬送する。また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Bのレジストローラ641に搬送する。また、その間に画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信され、上記の片面画像形成時と同様、中間転写ベルト608上のフルカラーのトナー像先端が、2次転写対向ローラ609と2次転写ローラ611間の2次転写部616に移動するタイミングに合わせて、レジストローラ641により2次転写部616へと転写材Pを移動させる。
2次転写部616にてトナー像先端と転写材Pの先端を一致させ、トナー像を転写させた以降は、片面画像形成動作と同様に、定着ユニット180Bにて転写材P上の画像を定着させる。そして、転写材Pは、再度、搬送ユニット80の排紙ローラ522によって搬送され、最終的に排紙トレイ上に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。
次に、図9、図10、図13を参照しつつ、上記した高速白黒スループットに対応した画像形成サブシステム150Cを紙搬送プラットフォーム60に装着した場合のプリンタエンジン100による画像形成動作について説明する。
画像形成ジョブの開始の指示をプリンタ制御部105が受けると、プリンタエンジン制御部105からプラットフォーム制御部65に給紙要求コマンドが送信され、搬送ユニット80と給紙ユニット70が動作を開始する。また同様に、画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信されると、作像ユニット170Cのここでは図示しない駆動機構により任意のプロセススピードで回転駆動される感光ドラム662が回転する。また感光ドラム662は、1次帯電器670によって一様に負極性に帯電される。そして、スキャナユニット661は、スキャナモータ665によって回転駆動されるポリゴンミラー664に、外部から入力される画像信号をレーザ発光素子から照射し、反射ミラー等を経由して感光ドラム662上に静電潜像を形成させる。
感光ドラム662が現像剤ユニット666と接する位置で、現像剤により感光ドラム662上の潜像が顕画化される。また、給紙ユニット70から給紙カセットが選択されピックアップローラ502が駆動され、給紙カセットに積載された転写材(用紙)Pの最上位紙がピックアップされるとともに、給紙パス511に搬送される。また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Cのレジストローラ671に搬送する。2次転写部に搬送された転写材Pに、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ667により、トナー像が転写材Pに転写される。トナー像が形成された転写材Pは、定着装置ユニット180Cに搬送され、定着装置668でトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80Cに搬送される。そして、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。またこの時、感光体ドラム662上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置669に設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
以上が片面画像形成時の画像形成動作である。続いて両面画像形成動作について説明する。
両面画像形成動作においては、定着ユニット180Cに搬送されるところまでは片面画像形成動作と同様である。そして、定着装置668でトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着された後に、搬送ユニット80の排紙パス525を経て排紙ローラ522によって本体上面の排紙トレイ上に転写材Pの大部分が排出された状態で、排紙ローラ522の回転が停止される。その際、転写材Pの後端位置が反転可能位置に位置する。すなわち転写材Pの後端位置が排紙パス525と搬送パス526の分岐地点より下流側に到達しているように、転写材Pが停止している。
続いて、排紙ローラ525の回転を停止させたことで搬送が停止された転写材Pを、搬送ローラ523、524を備えた搬送パス526へと送り込むべく、排紙ローラ522を片面画像形成動作時の回転とは逆方向に回転させる。排紙ローラ522を逆回転させることにより、反転可能位置に位置していた転写材Pの後端側を先端側として、搬送ローラ523に到達させる。
その後、搬送ローラ523により転写材Pを搬送ローラ524へと搬送する。そして、給紙ユニット70の給紙パス511に搬送する。また、搬送ローラ503は、搬送された転写材Pを作像ユニット170Cのレジストローラ671に搬送する。また、その間に画像形成制御部160に対してプリンタエンジン制御部105から画像形成要求コマンドが送信され、上記の片面画像形成時と同様、レジストローラ613により転写部へと転写材Pを移動させる。
転写部にてトナー像先端と転写材Pの先端を一致させ、トナー像を転写させた以降は、片面画像形成動作と同様に、定着ユニット180Cにて転写材P上の画像を定着させる。そして、転写材Pは、再度、搬送ユニット80の排紙ローラ522によって搬送され、最終的に排紙トレイ上に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。
次に、図22〜図25を参照して、プリンタエンジン100における画像形成動作を成立させるための、プリンタエンジン制御部105、画像形成サブシステム150内の画像形成制御部160、紙搬送プラットフォーム60内のプラットフォーム制御部65、及び電源ユニット90の、それぞれの通信及びそのタイミングについて説明する。本実施の形態では、典型的な1ページ画像形成動作が正常に開始・終了した場合について説明する。
図22(a)〜(e)は、コンフィギュレーション通信のパラメータを示す概念図である。図23(a)、(b)は、コマンドシーケンスを示す図である。図22、図23では、特に、プリンタエンジン100が電源ユニット90から電力を供給された直後、すなわち電源ON時におけるコンフィギュレーション通信及びコマンドシーケンスを示す。
まず、図22(a)に示すコンフィギュレーションデータ(以下、「コンフィグ情報」と称する)701は、各ユニット毎のコンフィギュレーションデータの共通部分であり、能力情報として、電源ON時にプリンタエンジン制御部105に送信される。コンフィグ情報701は、電源ユニット90からの電源供給により、プリンタエンジン制御部105とプラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とが処理を開始したときに、プラットフォーム制御部65からプリンタエンジン制御部105へ、同様に画像形成制御部160からプリンタエンジン制御部105へ、それぞれ送信される。
ここで送信されるデータ内容は、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とがどのような能力を持ったサブシステムとプラットフォームであるかをプリンタエンジン制御部105に知らしめるための内容である。その内容としては、以下のようなものが考えられる。
例えば、どのユニットからの情報かを判断するためのユニットIDである。また、そのユニットが動作可能なプロセススピード等の情報も考えられる。プロセススピードについては、例えば画像形成サブシステム150がカラープリント可能なものである場合の定着条件や転写条件等は、フルカラーモード時と黒単色モード時では異なり、同一の転写材であっても定着可能なスピードが異なる場合がある。
従って、その画像形成サブシステムの能力を正しく通知するためには、フルカラーモード時のプロセススピード値、黒単色モード時のプロセススピード値を、カラーモードと一セットにして、それぞれ通知する必要がある。逆に紙搬送プラットフォームの場合等は、フルカラーモード時、黒単色モード時で転写材の搬送能力が変化しない場合が多いため、その場合はプロセススピード値とともにフルカラー・黒単色モード共通の条件であることを通知する。
また、一方、転写材の種類が異なる場合、例えば厚紙と普通紙を比べた場合、定着条件や搬送条件に違いが発生する場合が多い。従って、各転写材の種類ごと、すなわちマテリアル条件とプロセススピードを一セットにして、各々通知する必要がある。さらに、カラーモード・マテリアル条件等の違いにより、定着性確保のための定着ヒータ温度等に違いが発生するため、カラーモード・マテリアル条件等のデータとともに、ユニットがその条件下において消費する電力量のデータも通知する必要がある。
以上のことを踏まえ、コンフィグ情報701のデータ構造は、プロセススピード、その前提となるカラーモード、消費電力量(W)、マテリアル条件を一セットとした情報を通知するデータ構造としている。コンフィグ情報701においては、例として3種類のプロセススピードを通知するべき場合を示した。なお、1種類のプロセススピードの通知で事足りるユニットの場合は、それのみを通知すればよい。
さらに、搬送条件としてのセンサ反応時間や、定着性等の条件から、転写材と転写材の間隔、すなわち最低紙間距離も、そのユニットにより異なる可能性があるため、これも、通知すべきデータとしてコンフィグ情報701に含められている。
図22(b)に示す供給可能電力量データ702は、電源ユニット90からプリンタエンジン制御部105に通知される。本実施の形態では、プリンタエンジン100は、任意の能力を備えた画像形成サブシステム150と紙搬送プラットフォーム60とからなる構成をとるため、その電源ユニット90から供給されうる総電力量、及び電源系統の構成データは、装置の稼動を可能にするか否かを判断する上で重要なデータである。そのため、コンフィグ情報701と同様に、供給可能電力量データ702を、電源ON時にプリンタエンジン制御部105に通知すべきデータとしている。
図22(c)に示す固有コンフィグ情報703は、各ユニット毎のコンフィギュレーションデータの固有部分である。固有コンフィグ情報703には、図22(a)に示すコンフィグ情報701として通知されるデータ以外に、画像形成制御部160が、画像形成サブシステム150の能力データとして通知すべきデータが含まれている。
具体的には、固有コンフィグ情報703中には、構成情報、例えば、「4Dカラーの画像形成サブシステム150Aである」、あるいは、「1Dカラーの画像形成サブシステム150Bである」、といった情報が含まれる。さらには、画像形成サブシステム150A、150Bのようなカラー画像形成サブシステムである場合、4色の画像を現像・転写させるべく、4色分のITOP信号を適切な時間間隔で発生させる必要がある。そのためのデータ「ITOP間隔」データ等も含まれる。
また、カラー画像形成サブシステムである場合、ある1ページの画像データのうち、最初に現像される色画像データを制御するためのITOP信号を発生させた時点から、4色分の画像が現像・転写され、2次転写部に該画像データの副走査の先頭が到達するまでの所要時間が、転写材との位置合わせにおいて必要となる場合がある。従って、そのためのデータ等も、必要に応じて固有コンフィグ情報703中に含める必要がある。
図22(d)に示すプリンタエンジン動作条件情報704は、プリンタエンジン100を画像形成装置として動作させるためのデータである。例えば、コンフィグ情報701、703により紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150とから通知された、各カラーモード・各マテリアル条件におけるプロセススピードの値及び消費電力量と、供給可能電力量データ702で通知される供給可能電力量とから、すべてのユニットが正常に動作可能で、プリンタエンジン100が画像形成装置として安定した性能を得ることができるような動作条件を導き出すことも可能である。また、プリンタエンジン制御部105が規定値としていくつかの動作条件を予め保持しておき、各ユニットから収集したデータと不整合がない動作条件を選択することも可能である。
図22(d)の例では、プリンタエンジン動作条件情報704において、各カラーモード・各マテリアル条件におけるプロセススピードとPPM(print per minute)を3種類決定した場合を記載している。また、必要に応じて対応できないカラーモード・マテリアルの組み合わせを通知することも可能である。
図22(e)に示す消費電力量情報705は、画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65とからプリンタエンジン制御部105に通知される。画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65とは、プリンタエンジン制御部105から動作条件を通知された後、その動作条件下での消費電力量を改めて決定し、それを、消費電力量情報705として、プリンタエンジン制御部105に対し、再度通知する。
消費電力量情報705は、プリンタエンジン制御部105が、電源ユニット90から受け取った供給可能電力量データ702と、各ユニットが決定した条件下で消費する電力量の総和とを比較し、動作可否・条件の是正等をする際に用いられる。
以上が、電源ON時のコンフィギュレーション通信のパラメータの説明である。
なお、上記の説明において、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150が、それらに付随する各ユニット、例えば画像形成サブシステム150に付随する作像ユニット170や定着ユニット180等に、CPU等の独自の制御手段を持たない系、すなわちサブシステム自体が、付随するユニットの能力情報の記憶や制御を司る系を前提としている。しかし、これに限るものでなく、例えば、付随するユニットが独自の制御手段をもつ場合であれば、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160がそれぞれ付随するユニットからコンフィグ情報701の通知を受け、それを取りまとめた上でプリンタエンジン制御部105と通信を行うように構成してもよい。
紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150がそれらに付随する各ユニットの能力情報の記憶や制御を司る系の場合のシーケンスは、次のように実行される。まず、電源ON時のコンフィギュレーション情報のコマンドシーケンスでは、図23(a)に示すように、不図示の電源SWがONされ、電源ユニット90から各ユニットに対し電源が供給された後、最初にプラットフォーム制御部65及び画像形成制御部160からプリンタエンジン制御部105に対し、コンフィグ情報701が送信される。この際、画像形成制御部160からは固有コンフィグ情報703も付け加えられる。このデータ通信とほぼ同時期に、電源ユニット90からプリンタエンジン制御部105に対し、供給可能電力量データ702が送信される。
プリンタエンジン制御部105は、受けたコンフィグ情報701、703に基づいて、画像形成装置としての動作条件乃至動作仕様(各マテリアル・各カラーモードにおけるプロセススピードとPPM等)を決定する。その後、プリンタエンジン制御部105は、決定した動作条件を、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160に対し、プリンタエンジン動作条件情報704として送信する。
プラットフォーム制御部65及び画像形成制御部160は、プリンタエンジン動作条件情報704により動作することを認識し、動作パラメータの生成等、画像形成動作の準備を施すと同時に、与えられた動作条件下における各々の消費電力量を再度算出する。そして、その算出結果を、消費電力量情報705としてプリンタエンジン制御部105に送信する。
以上のコマンドシーケンスにより、一連の電源ON時のコンフィギュレーション通信が終了する。
なお、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150に付随するユニットが独自の制御手段を持つとした場合のシーケンスは、図23(b)に示すものとなる。
すなわち、図23(b)に示すように、不図示の電源SWがONされ、電源ユニットから各ユニットに対し電源が供給された後、最初にプラットフォーム制御部65に付随するユニットである給紙ユニット70と搬送ユニット80が、コンフィグ情報701をプラットフォーム制御部65に対して送信する。画像形成制御部160に付随するユニットである作像ユニット170及び定着ユニット180も、同様にコンフィグ情報701を画像形成制御部160に対して送信する。
プラットフォーム制御部65は、給紙ユニット70と搬送ユニット80とから送信されたコンフィグ情報701に基づき、プラットフォーム制御部65としての能力情報を決定する。画像形成制御部160も同様の作業を行う。
その後、プリンタエンジン制御部105に対し、プラットフォーム制御部65からはコンフィグ情報701、画像形成制御部160からはコンフィグ情報701に加え固有コンフィグ情報703がコンフィギュレーションデータとして送信される。このデータ通信とほぼ同時期に、電源ユニット90からプリンタエンジン制御部105に対し、供給可能電力量データ702が送信される。
プリンタエンジン制御部105は、受けたコンフィグ情報701、703に基づいて、画像形成装置としての動作仕様乃至動作条件(各マテリアル・各カラーモードにおけるプロセススピードとPPM等)を決定する。その後、プリンタエンジン制御部105は、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160に対し、決定した動作条件をプリンタエンジン動作条件情報704として送信する。
プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160は、プリンタエンジン動作条件情報704により動作することを認識し、そのプリンタエンジン動作条件情報704を、各々付随するユニットである、給紙ユニット70、搬送ユニット80、作像ユニット170、定着ユニット180に対して送信する。
プリンタエンジン動作条件情報704を受けた給紙ユニット70及び搬送ユニット80と、作像ユニット170及び定着ユニット180とは、各々与えられた動作条件により動作することを認識し、動作パラメータの生成等、画像形成動作の準備を施すと同時に、与えられた動作条件下における各々の消費電力量を再度算出する。そして、その算出結果を、消費電力量情報705としてプラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とにそれぞれ送信する。
プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とは、各々付随するユニットから送信された消費電力量情報705に基づき、各々その総和を算出する。さらにその算出結果を、消費電力量情報705としてプリンタエンジン制御部105に送信する。
以上のコマンドシーケンスにより、一連の電源ON時コンフィギュレーション通信を終了する。
図24(a)〜(f)は、プリンタエンジン100が画像形成動作を行う際の、各ユニットとの間で交わされる通信のパラメータを示す概念図である。図25(a)、(b)は、プリンタエンジン100が画像形成動作を行う際のコマンドシーケンスを示す図である。
図24(a)に示す給紙要求コマンド711は、画像形成動作の際に転写材の搬送を開始するためにプリンタエンジン制御部105からプラットフォーム制御部65及び画像形成制御部160に対して送信される給紙要求コマンド及びパラメータの共通部分である。
給紙要求コマンド711は給紙要求であるため、プラットフォーム制御部65のみに送信することも可能であり、画像形成動作の予約の意味合いで画像形成制御部160にも送信することも可能である。本実施の形態では、予約の意味合いで画像形成制御部160にも送信するものとして説明する。
給紙開始要求に必要なデータの例として、給紙要求コマンド711では、給紙開始要求コマンドを表すコマンドID、要求する画像データに対応したページID、カラーモード、用紙サイズ、マテリアル情報、印刷面(片面、両面表面、両面裏面等)等のデータが示されている。
図24(b)に示す固有給紙要求コマンド712は、画像形成動作の予約情報として画像形成制御部160に通知する必要はないが、プラットフォーム制御部65が実際に転写材の搬送を制御ために必要な固有部分のデータであり、給紙要求コマンド711のコマンドデータには記載されていないデータである。具体的には、給紙開始する給紙段情報と搬送ユニットにて搬送する上で必要な排紙方向等である。
図24(c)に示す給紙要求ACKコマンド713は、給紙要求コマンド711及び固有給紙要求コマンド712に基づき、プラットフォーム制御部65が給紙動作を開始の判断を行った結果を、プリンタエンジン制御部105に対し通知するためのコマンドデータである。そのパラメータの具体例は、ページID、給紙段情報、正常に給紙が開始されたもしくは開始される状態か否かを表す給紙ステータス情報、給紙ステータス情報が、開始されないことを示す「NG」であった場合のNG要因情報等である。NG要因の具体例としては、紙無し状態、エラー状態、ジャム状態等がある。また、本実施の形態においては、給紙要求ACKコマンド713をプラットフォーム制御部65が送信したことをもって、画像形成動作を開始してもよいタイミングであることも同時に意味するものとする。
図24(d)に示す画像形成要求コマンド714は、プラットフォーム制御部65が給紙開始を給紙要求ACKコマンド713として通知した場合に、プリンタエンジン制御部105から画像形成制御部160に対し送信される。プリンタエンジン制御部105は、画像形成の準備ができた段階で、この画像形成要求コマンド714を発行する。そのパラメータの具体例としてはページID、カラーモード等がある。
図24(e)に示す画像形成動作開始通知コマンド715は、画像形成要求コマンド714によって画像形成制御部160に対し画像形成要求が発行されたことを受け、画像形成制御部160が実際に画像形成動作を開始したことをプリンタエンジン制御部105に通知するためのコマンドデータである。
画像形成制御部160は、その構成に応じて、画像形成動作を開始させるトリガーであるITOP信号を発生させると同時にこの画像形成動作開始通知コマンド715を発行する。プリンタエンジン制御部105は、この画像形成動作開始通知コマンド715を受けると、転写材の搬送制御のためにプラットフォーム制御部65に対してもこの画像形成動作開始通知コマンド715を送信する。画像形成動作開始通知コマンド715のパラメータの具体例としてはページID等がある。
図24(f)に示す画像形成・搬送終了通知コマンド716は、画像形成動作と搬送動作全てが終了したことを通知するためのコマンドデータである。例えば、プラットフォーム制御部65は、搬送ユニット80から転写材が機外に排出された、もしくはジャム発生等で機内に転写材が残ったままになった等によって、画像形成動作と搬送動作の全てが終了したことを検出し、その結果を画像形成・搬送終了通知コマンド716としてプリンタエンジン制御部105に通知する。
この画像形成・搬送終了通知コマンド716により、プリンタエンジン制御部105は、画像(ページ)の画像形成動作が正常に終了したか否かを認識する。画像形成・搬送終了通知コマンド716のパラメータの具体例としては、正常終了か否かを通知する終了ステータス情報と、正常終了しなかった要因を示すNG要因情報等がある。NG要因の例としては、エラー状態、ジャム状態等があげられる。
以上が、画像形成動作に伴い、プリンタエンジン制御部105、プラットフォーム制御部65、画像形成制御部160の間で通信されるコマンドデータのパラメータ詳細である。
なお、上記の説明においても、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150がそれらに付随する各ユニットが、CPU等の独自の制御手段を持たない系、すなわちサブシステム自体が付随するユニットの制御を司る系を前提としている。しかしこれに限るものでなく、例えば、付随するユニットが独自の制御手段をもつ場合であれば、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160が受け取ったコマンドデータから、それぞれ付随するユニットに対して、適切なタイミングで必要なコマンドデータを送信し、それにより各付随ユニットが画像形成動作の一部を制御するようにしてもよい。その場合、プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160は、必要があればその結果を各付随ユニットから送信してもらい、それを取りまとめた上でプリンタエンジン制御部105と通信を行うように構成してもよい。
紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150がそれらに付随する各ユニットの制御を司る系の場合の画像形成動作時のコマンドシーケンスは、図25(a)に示すものとなる。
画像形成動作を開始するに当たり、まず最初に、プリンタエンジン制御部105がプラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とに対し、給紙要求コマンド711を送信する。プラットフォーム制御部65に対しては、給紙要求コマンド711に加え固有給紙要求コマンド712も送信する。
プラットフォーム制御部65は、給紙要求コマンド711を受信した後、給紙開始可能かどうかの判断を行い、その結果を給紙要求ACKコマンド713としてプリンタエンジン制御部105に送信する。この際、給紙開始可能と判断される条件としては、転写材が無し状態になっていない、既に給紙が開始された別の転写材によるジャム状態になっていない、等が考えられる。
プリンタエンジン制御部105は、給紙要求ACKコマンド713を受信し、プラットフォーム制御部65が給紙開始可能と判断したことを認識した場合、画像形成開始要求を、画像形成要求コマンド714として画像形成制御部160に対し送信する。画像形成制御部160は、画像形成要求コマンド714を受け、PPMの設定値から得られる画像形成間隔分だけ、前画像形成から時間が経っているか等の判断を行う。
画像形成制御部160は、画像形成可能と判断した場合は、ITOP信号を発生させ画像形成動作を開始すると同時に、画像形成動作開始通知を、画像形成動作開始通知コマンド715としてプリンタエンジン制御部105に送信する。プリンタエンジン制御部105は画像形成動作開始通知コマンド715を受信し、正常に画像形成が開始されたことを認識すると同時に、転写材搬送制御のためにプラットフォーム制御部65に対して画像形成動作開始通知コマンド715を送信する。
プラットフォーム制御部65は、画像形成動作開始通知コマンド715を受信したことで、転写材が2次転写部にて転写制御されるべく、レジストローラにて搬送制御されることを認識する。一方、画像形成制御部160は、発生させたITOP信号から所定時間後にレジストローラを現像画像と転写材の位置が合うようにタイミング制御して動作させると同時に、レジスト信号をプラットフォーム制御部65に通知し、実際に転写材の搬送動作が始まったことを通知する。プラットフォーム制御部65はその通知を受け、転写材のレジストローラより上流側の負荷の駆動を開始させる。
プラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とによる画像形成制御及び搬送制御が行われた後、転写材は画像形成サブシステム150内から紙搬送プラットフォーム60へと受け渡される。その後、紙搬送プラットフォーム60から転写材が機外へと排出されたことをプラットフォーム制御部65が認識すると、プリンタエンジン制御部105に対し、画像形成・搬送終了通知コマンド716が発行される。プリンタエンジン制御部105は、画像形成・搬送終了通知コマンド716を受信することで、転写材への一連の画像形成動作が全て終了したことを認識する。
以上が、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150がそれらに付随する各ユニットの制御を司る系の場合の1ページ画像形成動作の開始から終了までのコマンドシーケンスの詳細である。
なお、紙搬送プラットフォーム60と画像形成サブシステム150に付随するユニットが独自の制御手段をもつとした場合のシーケンスは、図25(b)に示すものとなる。
図25(b)に示すように、画像形成動作を開始するに当たり、まず最初に、プリンタエンジン制御部105がプラットフォーム制御部65と画像形成制御部160とに対し、給紙要求コマンド711を送信する。プラットフォーム制御部65に対しては給紙要求コマンド711に加え固有給紙要求コマンド712も送信する。プラットフォーム制御部65は、給紙要求コマンド711を受信した後、給紙ユニット70に対し、受信した給紙要求コマンド711に加え固有給紙要求コマンド712をそのまま送信する。
また、画像形成制御部160は、作像ユニット170と定着ユニット180とに対し、受信した給紙要求コマンド711をそのまま送信する。給紙ユニット70は、給紙要求コマンド711を受信したことにより、給紙開始可能かどうかの判断を行い、その結果を給紙要求ACKコマンド713としてプラットフォーム制御部65に送信する。この際、給紙開始可能と判断されるための条件としては、転写材が無し状態になっていない、既に給紙が開始された別の転写材によるジャム状態になっていない、等が考えられる。
プラットフォーム制御部65は、給紙ユニット70から受信した給紙要求ACKコマンド713に従い、同じ結果を示す給紙要求ACKコマンド713をプリンタエンジン制御部105に送信する。プリンタエンジン制御部105は、給紙要求ACKコマンド713を受信し、プラットフォーム制御部65が給紙開始可能と判断したことを認識した場合、画像形成要求コマンド714を画像形成制御部160に対して送信する。画像形成制御部160は、受信した画像形成要求コマンド714をそのまま作像ユニット170と定着ユニット180とに送信する。
作像ユニット170は、画像形成要求コマンド714を受け、PPMの設定値から得られる画像形成間隔分だけ、前画像形成から時間が経っているか等の判断を行う。作像ユニット170は、画像形成可能と判断した場合、ITOP信号を発生させ画像形成動作を開始すると同時に、画像形成動作開始通知コマンド715を画像形成制御部160に送信する。
画像形成制御部160は、作像ユニット170から送信された画像形成動作開始通知コマンド715と同じ内容を、プリンタエンジン制御部105に送信する。また、画像形成制御部160は、作像ユニット170が画像形成動作を開始したため、後に定着ユニット180に転写材が搬送される旨を通知するべく、定着ユニット180に対しても画像形成動作開始通知コマンド715を送信する。
プリンタエンジン制御部105は、画像形成動作開始通知コマンド715を受信し、正常に画像形成が開始されたことを認識すると同時に、転写材搬送制御のためにプラットフォーム制御部65に対して画像形成動作開始通知コマンド715を送信する。プラットフォーム制御部65は、画像形成動作開始通知コマンド715を受信した後、給紙ユニット70に対し、受信した画像形成動作開始通知コマンド715をそのまま送信する。
プラットフォーム制御部65と給紙ユニット70とは、画像形成動作開始通知コマンド715を受信したことで、転写材が2次転写部にて転写制御されるべく、レジストローラにて搬送制御されることを認識する。一方、作像ユニット170は、発生させたITOP信号から所定時間後にレジストローラを現像画像と転写材の位置が合うようにタイミング制御して動作させると同時に、レジスト信号を画像形成制御部160を介し、プラットフォーム制御部65に通知し、実際に転写材の搬送動作が始まったことを通知する。プラットフォーム制御部65はその通知を受け、同時にその通知を給紙ユニット70にも遅延なく伝達することで、給紙ユニット70は転写材のレジストローラより上流側の負荷の駆動を開始させる。
プラットフォーム制御部65は、画像形成動作開始通知コマンド715を受け取ったタイミングから所定時間後に、転写材が画像形成サブシステム150内から紙搬送プラットフォーム60へと受け渡されるタイミング以前に受信していた給紙要求コマンド711及び固有給紙要求コマンド712を、搬送ユニット80に通知し、搬送ユニットに転写材の受け入れの準備を行わせる。
その後、搬送ユニット80は、転写材を受け取り、搬送し、最終的に転写材が機外へと排出されたことを認識すると、プラットフォーム制御部65に対し、画像形成・搬送終了通知コマンド716を発行する。プラットフォーム制御部65は、搬送ユニット80からの画像形成・搬送終了通知コマンド716を受け取ったことにより、同じ内容の画像形成・搬送終了通知コマンド716をプリンタエンジン制御部105に対して送信する。プリンタエンジン制御部105は、画像形成・搬送終了通知コマンド716を受信することで、転写材への一連の画像形成動作が全て終了したことを認識する。
次に、本実施の形態の特徴となる部分について説明する。
図26は、本実施の形態の画像形成システムの構成を示す図である。この画像形成システムは、画像形成装置1600に、情報管理サーバ130とプラン提案サーバ131とが、ネットワーク10を介して、情報をやり取りできるように接続されて構成される。なお、情報管理サーバ130、プラン提案サーバ131には、サーバ30−1、30−2(図1参照)が相当するものとしてもよい。
図27は、情報管理サーバ130に格納される組み合わせデータ(動作スペック情報)の表示の一例を示す図である。図28は、操作部210の不図示の表示部に表示される現在のシステムスペックの一例を示す図である。図29は、変更提案データの表示の一例を示す図である。図30は、操作部210の不図示の表示部に表示される電源変更勧告の一例を示す図である。
組み合わせデータ(図27参照)は、画像形成装置1600において着脱可能なすべてのサブシステム乃至ユニットの、画像形成処理動作に関する動作スペック情報を、プリンタエンジン制御部105が収集して成るものであり、情報管理サーバ130に送られて格納されると共に、操作部210の不図示の表示部に表示される。この組み合わせデータにおいて、左列には、交換可能なサブシステム乃至ユニット群が表示される。この例では、画像形成サブシステム群としてグラフィックカラーG1、オフィスカラーA1、オフィスカラーC1があり、給紙ユニット群として給紙ユニットC11、C12、C13がある。真ん中の列には、各ユニットの最大スペックが表示され、速度(CPM)、対応マテリアル(用紙)及び消費電力がスペックとして挙げられている。右列には、各ユニットと組み合わせるユニットの必要条件が示されている。
なお、グラフィックカラーG1、A1、C1、給紙ユニットC11、C12、C13は、いずれも例示であり、数もこれらに限定されない。なお、グラフィックカラーG1、A1、C1には、例えば、上記した画像形成サブシステム150A、150Bのようなものが相当する。
変更提案データは、プラン提案サーバ131で編成されて格納され、画像形成装置1600においては操作部210の不図示の表示部に表示される。図29の例では、画像形成サブシステムをオフィスカラーC1からオフィスカラーA1に交換する場合の変更提案データが示されている。
すなわち、画像形成サブシステムをオフィスカラーC1からオフィスカラーA1に交換した場合において、同時に給紙ユニットC11から給紙ユニットC12に交換したときは、速度が40CPMに、マテリアル対応が200gまでに、それぞれスペックアップする。さらに、電源能力をアップさせるために、電源ユニットの変更が必要となる。あるいは、同時に給紙ユニットC11から給紙ユニットC13に交換したときは、速度が40CPMに、マテリアル対応が125gまでに、それぞれスペックアップする。さらに、電源能力をアップさせるための電源ユニットの変更は必要無しとなる。あるいは、給紙ユニットC11のまま変更しないときは、画像形成サブシステムの交換のみで、生産性もマテリアル対応も変更無しとなる。さらに、電源能力をアップさせるための電源ユニットの変更も必要無しとなる。
次に一連の動作を説明する。
ユーザが画像形成サブシステム、または給紙ユニットをスペックアップしようとすると、まず、操作部210の所定操作に応じて、プリンタエンジン制御部105(図14参照)は、操作部210の不図示の表示部に、図28に示す現在のシステムスペックを表示させる。図28の例では、画像形成サブシステムがオフィスカラーC1、給紙ユニットが給紙ユニットC11、電源システムは1000Wでコンセント1本とされている。それとともに、プリンタエンジン制御部105は、ネットワーク10を介して、情報管理サーバ130から、図27に示す各ユニット群の組み合わせデータを呼び出してきて、操作部210に表示させる。
次に、ユーザが、スペック指定のための入力として、操作部210の所定操作により、画像形成サブシステムをオフィスカラーC1からオフィスカラーA1に変更するための操作を行うと、その情報が、ネットワーク10を介して、プラン提案サーバ131に伝達される。それと同時に、情報管理サーバ130に格納されている組み合わせデータ(図27)が、プラン提案サーバ131に伝達される。
プラン提案サーバ131は、この2つのデータを基に、変更提案データを編成する。すなわち、プラン提案サーバ131は、組み合わせデータを参照して、ユーザが指定したスペックを極力満足するために、現在装着されているユニット等に替わって装着可能なユニット等を検索する。そして、検索されたユニット等毎に、速度、マテリアル対応のスペック変更、及び電源変更の要否を判断して、データ化することで、変更提案データを編成する。その際、電源の適切な変更態様(例えば、新たなコンセントが必要である)も検索して、変更提案データに含める。
そして、プラン提案サーバ131は、編成した変更提案データ(図29)を、ネットワーク10を介して、画像形成装置1600に返す。画像形成装置1600では、返された変更提案データが操作部210に表示され、ユーザがその内容を確認する。
ここで、変更提案データの内容を確認したユーザが、仮に、給紙ユニットC11から給紙ユニットC12への変更を選択しようとするならば、消費電力は、オフィスカラーA1が700W、給紙ユニットC12が400Wであり(図27参照)、合計1100Wとなる。すると、元々構成されている1000Wの電源では容量が足りなくなってしまう。しかし、図29に示すように、給紙ユニットC12への変更の場合は、「電源変更が必要」の旨が表示されているので、これにより、上記のような変更をするに当たって電源変更が必要であることをユーザは知ることができる。
一方、仮に、給紙ユニットC11から給紙ユニットC13への変更を選択しようとするならば、消費電力は、オフィスカラーA1が700W、給紙ユニットC13が250Wであり、合計950Wとなって、1000Wの電源で容量が足りる。この場合は、図29に示すように、「電源変更必要なし」の旨が表示されているので、上記のような変更をするに当たって電源変更が不要であることをユーザは知ることができる。
このように、変更提案データを確認しながら、ユニットの交換によって電源変更が必要かどうかを事前に確認できるので、ユーザにとって、過不足の無いスペックアップが容易に可能となる。
ところで、ユーザが、画像形成サブシステムをグラフィックカラーG1に変更する操作を行った場合において、給紙ユニットC11から給紙ユニットC12への変更を選択しようとするならば、合計必要電力が1600Wとなってしまう(図27参照)。従って、日本国内においては、電源規格100V−15Aを超えてしまう。そこで、このような場合は、例えば、図30に示すように、選択されたスペックアップのためには新たなコンセントが必要である旨を、操作部210の不図示の表示部に表示させる。このようにしても、ユーザにとって、過不足の無いスペックアップが可能となる。
本実施の形態によれば、ユーザは、画像形成サブシステムを交換しようとする際、変更提案データを確認することで、スペックがどのように変化するか、及び電源の変更の要否を判断することができる。従って、過不足の無いスペックアップを図ることを容易とすると共に、動作スペックの変更に応じた適切な電源規格の変更をユーザに促すことができる。
なお、本実施の形態では、電源変更の要否を表示したが、電源の変更が必要な場合にのみその旨を表示させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、画像形成装置1600にネットワーク10を介して接続された情報管理サーバ130とプラン提案サーバ131とに、組み合わせデータと変更提案データとが格納される構成を示した。しかし、これに限るものでなく、装置スペックアップする際の一連の処理を、画像形成装置1600内に備わるプリンタエンジン制御部105で行っても同様の効果が得られる。すなわち、ネットワーク10を介した外部装置を用いることなく、情報管理サーバ130及びプラン提案サーバ131の機能をプリンタエンジン制御部105が果たすように構成し、画像形成装置1600単独で処理するようにしてもよい。
具体的には、組み合わせデータは、プリンタエンジン制御部105内に格納する。変更提案データについても、プリンタエンジン制御部105が生成し、格納する。ユーザからの情報入力に対するやりとりも、プリンタエンジン制御部105が処理する。
なお、本実施の形態では、電源の電力という項目で、スペックアップ時に必要な電源を選択するという処理について説明したが、電源への入力電圧(100V、200V系)、相数(単相、3相入力)、及び電源からの出力電圧等の項目から、必要電源を選択する処理も採用可能である。
なお、本実施の形態では、画像形成サブシステム150と給紙ユニット70のスペックアップについて例示したが、これに限るものではない。例えば、定着ユニット180、作像ユニット170、搬送ユニット80等の他の機能ユニット交換によるスペックアップについても、同様の処理で実現されることは言うまでもない。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、ユーザが画像形成装置1600をスペックアップする際に、それに合致する電源システムの提案を操作部210に表示させ、ユーザに認識させるという内容について説明した。しかし、第2の実施の形態では、ユーザが電源のスペックアップを認識したのに、実際は、サブシステム乃至ユニットのみ交換し、電源のスペックアップが実施されなかった場合の処理方法について説明する。従って、第1の実施の形態に対して図31を加えて説明する。
まず、簡単な手法として、次のような手法が考えられる。上述したように、消費電力量情報705(図22(e)参照)は、画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65とからプリンタエンジン制御部105に通知される。供給可能電力量データ702(図22(b)参照)は、電源ユニット90からプリンタエンジン制御部105に通知される。プリンタエンジン制御部105は、消費電力量情報705が供給可能電力量データ702よりも大きい場合には、画像形成装置としての動作が不可能と判断し、コントローラ200を介して、操作部210にその旨を表示させ、ユーザに認識させ、電源ユニット90の交換を促す。
しかし、このようにすると、画像形成装置1600の動作を止める場合は安全ではあるが、ユーザにとっては、かなり不都合な状態となってしまう。そこで、次に説明するように、電源ユニット90の供給可能電力範囲内で動作をさせるモードについて説明する。
図31は、電流波形を示す図である。
本実施の形態では、一例として、図27に示す、オフィスカラーA1と給紙ユニットC12とが組み合わされ、且つ電源供給能力が1000Wである状態を挙げて説明する。
次の処理は、画像形成装置1600の動作開始に先だって行われる。まず、本来であれば、オフィスカラーA1と給紙ユニットC12が組み合わされば、速度70CPMで、200gのマテリアル対応が可能となるはずである。しかし、その組み合わせであれば1100Wの電源が必要となる。ここで100Wの電源不足分が出ることが、プリンタエンジン制御部105で判断される(図31の装置電流波形1631参照)。
プリンタエンジン制御部105は、この電源不足分100Wを解消するために、現状よりも少ないCPM(たとえば65CPM)、及び現状より少ないマテリアル対応(たとえば150g)とした情報であるプリンタエンジン動作条件情報704(図22(d)参照)を、画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65とに送信する。
その後、画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65では、受け取ったプリンタエンジン動作条件情報704を基に、各ユニットで消費される電力を計算する。つまり、画像形成制御部160では、図31に示す変更後の定着系電流波形1632のように変更した場合の電力を計算し、プラットフォーム制御部65では、図31に示す給紙系電流波形1633のように変更した場合の電力を計算する。
そして、それらの電力データを、消費電力量情報705として、再度、プリンタエンジン制御部105に渡す。プリンタエンジン制御部105では、消費電力量情報705に基づき、合計1000W以内に消費電力が収まっているかを判断する。その結果、動作可能と判断した場合は、上述したシーケンス(図25(a))に基づき、画像形成装置の動作を開始させる。
しかし、動作不可能と判断された場合は、再度、現状よりも少ないCPM(たとえば60CPM)、及び現状より少ないマテリアル対応(たとえば120g)とした情報であるプリンタエンジン動作条件情報704を、画像形成制御部160とプラットフォーム制御部65とに送信する。このような処理を、動作可能と判断されるまで繰り返す。また、それと同時に、プリンタエンジン制御部105からコントローラ200を介して、操作部210に、「現在の動作モードは○○CPMでマテリアル対応は○○gまで」等という現在の動作スペックを表示させ、ユーザに認識させる。
本実施の形態によれば、動作の開始前において、収集した消費電力量情報705が供給可能電力量データ702よりも大きい場合には、動作スペックを下げた制御モードで画像形成に関する処理動作が行われるので、供給可能な電力の範囲で、適切なスペックで処理動作を行わせることができる。また、縮退動作により、安全を確保することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、各ユニットから吸い上げた電力情報に対して、実動作時の電力情報を検知することによって、一度設定した動作スペックを、再度調整し、動作スペックの最適化を図るようにする。また、第2の実施の形態における処理も行われるものとする。従って、第2の実施の形態に対してさらに図32を加えて説明する。また、本第3の実施の形態では、電源ユニット90内に、図示しない電力検知手段が設けられる。
本実施の形態でも、一例として、図27に示す、オフィスカラーA1と給紙ユニットC12とが組み合わされ、且つ電源供給能力が1000Wである状態を挙げて説明する。
まず、第2の実施の形態で説明したのと同様の処理により、プリンタエンジン制御部105によって、動作スペックが、65CPM、150gマテリアル対応での動作モードで動作する状態となったとする。
図32は、計算値及び実測値による電流波形を示す図である。同図において、装置電流波形(計算値)1661は、プリンタエンジン制御部105が、供給可能電力量データ702に基づく電源供給能力と消費電力量情報705とに基づく必要消費電力とに基づいて、動作可能と判断した場合の波形である。装置電流波形(計算値)1661は、給紙系電流波形1633と定着系電流波形(計算値)1632とを加えたものに等しい。また、装置電流波形(実測値)1662は、給紙系電流波形1633と定着系電流波形(実測値)1664とを加えたものに等しい。
上記シーケンス(図25(a))に従い、画像形成装置が動作するとき、同時に、電源ユニット90内の電力検知手段が、実動作時の電力カーブを実測する。装置電流波形(実測値)1662及び定着系電流波形(実測値)1664は、この実測によって得られる。電力検知手段による実測データは、供給可能電力量データ702に付加されてプリンタエンジン制御部105に渡される。
プリンタエンジン制御部105は、装置電流波形(計算値)1661よりも、装置電流波形(実測値)1662の方が小さいと判断すると、画像形成制御部160に、マテリアル対応データをアップさせるように、プリンタエンジン動作条件情報704を送信する。その後、画像形成制御部160は、スペックアップされた後の新たな電力計算値を返すために、再度、新たな消費電力量情報705をプリンタエンジン制御部105に送信する。
プリンタエンジン制御部105は、受けた消費電力量情報705と電源ユニット90から伝えられた供給可能電力量データ702とを比較し、電源ユニット90により電力供給が可能であると判断できれば、その動作スペックで画像形成動作に移行する。また、それと同時に、プリンタエンジン制御部105は、コントローラ200を介して、操作部210に、現在の動作スペックを表示させ、ユーザに認識させる。
本実施の形態によれば、供給可能な電力の範囲で、最大スペックに設定して、処理動作を行わせることができる。
なお、電源ユニット90からの実電力データの受け取りの頻度が上がれば上がるほど、動作スペックがさらに最適化できることとなる。
それぞれのスペックに対して、何処のユニットを変えると、実現できるかを表示する。また、ユニット及びサブシステムを交換したときに、電源の交換や接続方法も変える必要がある場合は、その項を表示する。これによりユーザがユニットを交換した場合に、電源の接続が変更になる場合は、事前にその項を提案することによって、ユーザのシステムアップ計画を支援するツール(システム)を提供できる。
なお、第2、第3の実施の形態では、定着電力と給紙シーケンスを調整する例について述べたが、作像ユニット170や搬送ユニット80の動作モードや、それらすべての動作モードを調整することについても同様の効果が得られることは言うまでもない。
なお、第1、第2、第3の実施の形態では、画像形成装置1600に1個の電源ユニット90を備える系について説明したが、電源ユニット90を複数個、また、各ユニットに電源ユニットを備える系に於いても、同様の効果が得られることは言うまでもない。