JP4641446B2 - 被メッキ樹脂組成物及びメッキ被覆体 - Google Patents

被メッキ樹脂組成物及びメッキ被覆体 Download PDF

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Description

本発明は、薄肉成形品に成形しても、メッキにより剛性(衝撃強度など)及び靱性(曲げ弾性など)が改善され、電磁波シールド性に優れるメッキ被覆体に関する。
携帯電子機器(例えば、ノートパソコン、電子手帳、携帯電話、ビデオカメラなど)の筐体には、薄肉化、軽量化、設計の自由度などの観点から樹脂成形品が用いられているが、要求される電磁波シールド性や薄肉化のレベルは、益々高くなってきている。
これらの用途では、ポリカーボネート系樹脂/アクリロニトリル−スチレン系樹脂(ABS、ASなど)のブレンドに、非ハロゲン系難燃剤(リン酸エステル系難燃剤など)を添加した組成物などが主に使用されている。また、電磁波シールド性や薄肉化がさらに高いレベルで要求される用途では、ポリカーボネート系樹脂/ABS又はASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体)、非ハロゲン系難燃剤、及び炭素繊維を含む樹脂組成物も使用されている。また、筐体用途では、上記のような組成物で形成された成形品に、メッキを施し、筐体に種々の機能(例えば、電磁波シールド性、装飾性など)を付与する場合もある。
例えば、特開2000−190328号公報(特許文献1)には、ジエン系単量体と、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物から選択された少なくとも一種の単量体との共重合体(A)15〜70重量%と、共重合体(A)以外の非晶性熱可塑性樹脂(B)とからなる樹脂組成物100重量部に、無機充填材(C)(ガラス繊維、炭素繊維、耐熱有機繊維など)を1〜150重量部配合した強化熱可塑性樹脂組成物の成形過程において、(A)成分及び(B)成分のガラス転移温度をそれぞれTa及びTb(Ta<Tb)とするとき、主金型温度をTa℃未満、樹脂組成物が金型キャビティ表面に接触している際の前記キャビティ表面の最高温度を[Ta+1]〜[Tb+50]℃として成形することが記載されている。そして、特許文献1では、成形に伴うせん断力によるジエン系単量体の重合体成分の変形を防いで、メッキ工程でエッチングにより、メッキ膜とのアンカー効果を改善している。しかし、炭素繊維を用いると、薄肉でも靱性をある程度改善できるものの、炭素繊維が高価であるため、経済的に不利である。
特開2004−2897号公報(特許文献2)には、熱可塑性樹脂(A)(ABS樹脂など)1〜97重量%、ポリカーボネート(B)1〜97重量%、難燃剤(C)(有機リン系化合物など)1〜30重量%及び無機充填材(D)(タルクなど)1〜30重量%とを含有し、難燃性、剛性、メッキ密着性などに優れたトレー用熱可塑性樹脂組成物(但し(A)+(B)+(C)+(D)=100重量%)が開示されている。しかし、特許文献2では、メッキ密着性を十分に改善できないとともに、薄肉成形品では難燃性が不十分である。
特開平11−170434号公報(特許文献3)には、(A)ポリカーボネート樹脂10〜65重量%及び(B)ジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体90〜35重量%から実質的になる樹脂組成物100重量部に(C)珪酸カルシウムを主成分とする繊維状無機充填材(ワラストナイト)1〜50重量部及び(D)カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス0.02〜5重量部を配合したポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品にメッキしたメッキ製品が開示されている。
特開2000−190328号公報(請求項1、段落番号[0035]及び[0043]) 特開2004−2897号公報(請求項1、3及び5、段落番号[0001]及び[0034]) 特開平11−170434号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、メッキ被膜と被メッキ体との密着性が改善され、被メッキ体が薄肉であっても、難燃性、剛性及び靱性に優れるメッキ被覆体を提供することにある。
本発明の他の目的は、充填材の浮きが防止され、外観特性に優れるとともに、電磁波シールド性に優れるメッキ被覆体を提供する。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリカーボネート系樹脂と、ゴム含有スチレン系樹脂と、酸により少なくとも一部が溶出可能な無機充填材と、難燃剤とを組み合わせて被メッキ体を形成すると、メッキ被膜に対する密着性が高いとともに、薄肉に成形しても、難燃性を改善でき、メッキに伴って、剛性(曲げ弾性率など)及び靱性(耐衝撃性など)を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のメッキ被覆体は、熱可塑性樹脂組成物で形成された被メッキ体の少なくとも一部の表面に、メッキ被膜が形成されているメッキ被覆体であって、前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート系樹脂(A)と、少なくともゴム含有スチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂(B)と、鉱酸により少なくとも一部が溶出可能な無機充填材(C)と、難燃剤(D)とで構成されており、炭素繊維含有量が5重量%以下である。前記ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との割合(重量比)は、ポリカーボネート系樹脂(A)/スチレン系樹脂(B)=67/33〜95/5程度である。このようなメッキ被覆体では、被メッキ体の平均厚さ1.2mm(好ましくは1.0mm、特に0.8mm)と薄肉でも、被メッキ体の難燃性が大幅に改善されており、UL−94に準拠した被メッキ体の難燃性がV−1又はV−0である。
厚さ1mmの平板状被メッキ体を用いたメッキ被覆体について、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定したとき、前記曲げ弾性率は、5,000〜50,000MPa程度であってもよい。メッキ被覆体において、メッキ被膜の厚さは、10〜100μm程度であってもよい。
前記メッキ被覆体は、メッキ被膜と被メッキ体との密着性が高く、例えば、クロスカットテープ剥離試験において、1mm間隔で格子状碁盤目100個を形成し、この格子状碁盤目に、粘着テープを密着させた後、剥離したとき、前記碁盤目100個のうち95個以上が残存している。
ポリカーボネート系樹脂(A)の粘度平均分子量は、1.5×104〜3×104程度であってもよい。また、前記スチレン系樹脂(B)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂、ブタジエンゴム−スチレン樹脂、及びこれらの水素添加物から選択された少なくとも一種で構成してもよい。無機充填材(C)は、粒子状ケイ酸塩(タルク、マイカなど)、繊維状ケイ酸塩(ウォラストナイトなど)及びウイスカー状炭酸塩(炭酸カルシウムウイスカーなど)から選択された少なくとも一種で構成できる。無機充填材(C)は、二酸化ケイ素の含量が35〜55重量%程度である粒子状又は繊維状ケイ酸塩で構成されていてもよく、前記無機充填材(C)の割合は、ポリカーボネート系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して5〜50重量部程度であってもよい。また、無機充填材(C)は、数平均繊維長1〜30μm、数平均繊維径0.1〜10μm、及びアスペクト比1.5〜5を有するウォラストナイトであってもよい。
前記難燃剤(リン系難燃剤など)(D)の割合は、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、1〜50重量部程度であってもよい。前記熱可塑性樹脂組成物は、さらに、酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)(酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂など)を含有してもよい。前記酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂の融点は100〜170℃程度であってもよい。また、変性オレフィン系樹脂の重量平均分子量は1.5×104〜30×104程度であってもよい。酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)の割合は、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であってもよい。
本発明のメッキ被覆体では、ポリカーボネート系樹脂と、少なくともゴム含有スチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂と、特定の無機充填材と、リン系難燃剤とを組み合わせて被メッキ体を形成するので、前記無機充填材が、メッキ加工に伴うエッチング処理などにより溶出して、アンカー効果によりメッキ被膜と被メッキ体との密着性を改善できるとともに、メッキ密着性が高いため、被メッキ体が薄肉であっても、剛性及び靱性を改善することができ、難燃性も向上できる。また、充填材の浮きを防止して、外観特性を改善できるとともに、電磁波シールド性に優れるメッキ被覆体が得られる。さらに、酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物を含む熱可塑性樹脂で被メッキ体を形成すると、被メッキ体及びメッキ被覆体の強度(ウェルド強度など)をさらに改善することもできる。なお、ウォラストナイト、マイカなどの無機充填材を用いると、反りを低減できるとともに、ウェルド強度を改善することもできる。
[メッキ被覆体]
メッキ被覆体は、熱可塑性樹脂組成物で形成された被メッキ体と、この被メッキ体の少なくとも一部の表面に形成されたメッキ被膜とで構成されている。
(熱可塑性樹脂組成物(被メッキ樹脂組成物))
被メッキ体を構成する前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート系樹脂(A)と、少なくともゴム含有スチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂(B)と、酸により少なくとも一部が溶出可能な無機充填材(C)と、難燃剤(D)とで構成されている。そして、前記熱可塑性樹脂組成物は、必要により、さらに酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)を含有してもよい。
(A)ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂としては、芳香族ポリカーボネート系樹脂、例えば、二価フェノール類とカーボネート前駆体[例えば、カルボニルハライド(ホスゲンなど)、カルボニルエステル(ジフェニルカーボネートなど)またはハロホルメート(2価フェノールのジハロホルメートなど)など]とを慣用の方法(界面重縮合法、エステル交換法など)で反応させることにより得ることができるポリカーボネートなどが挙げられる。
二価フェノール類としては、ビスフェノール類、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニル;ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)C1-6アルカン類;ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)C5-8シクロアルカン類;9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;ビス(ヒドロキシフェニル)アルキルベンゼン類、例えば、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンなどのビス{(4−ヒドロキシフェニル)アルキル}ベンゼン類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエステルなどが例示できる。これらの二価フェノール類は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
二価フェノール類としては、通常、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)C5-8シクロアルカン類などを用いる場合が多い。
ポリカーボネート系樹脂は、直鎖構造や分岐構造を有していてもよい。なお、分岐構造は、必要により、少量の三官能以上のポリフェノール類、例えば、トリス(ヒドロキシフェニル)アルカン類[1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンなど]を用いることにより形成できる。また、ポリカーボネート系樹脂は末端にヒドロキシル基を有していてもよく、末端は封鎖されていてもよい。末端の封鎖は、単官能フェノール類(フェノール、C1-20アルキルフェノールなど)により行うことができる。ポリカーボネート系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリカーボネート系樹脂の分子量は、通常、粘度平均分子量で、1×104〜10×104、好ましくは1×104〜5×104(例えば、1.5×104〜3×104)、さらに好ましくは1.5×104〜2.7×104程度であってもよい。なお、粘度平均分子量は、塩化メチレンを用いて測定できる。
(B)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂は、少なくともゴム含有スチレン系樹脂を含む限り特に制限されず、ゴム含有スチレン系樹脂[例えば、ゴム強化スチレン系樹脂(ゴム成分に少なくともスチレン系単量体がグラフト重合したスチレン系グラフト樹脂又はゴム−グラフトスチレン系樹脂など)]単独で構成してもよく、前記ゴム含有スチレン系樹脂と非ゴム強化スチレン系樹脂とを併用してもよい。
スチレン系樹脂のスチレン系単量体(芳香族ビニル系単量体)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(o−,m−又はp−メチルスチレン)、ビニルキシレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ハロスチレン(モノブロムスチレン、ジブロムスチレンなど)などが挙げられる。これらのスチレン系単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのスチレン系単量体のうち、通常、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンを用いる場合が多く、特に少なくともスチレンを用いる場合が多い。
スチレン系単量体は共重合性単量体と併用してもよい。共重合性単量体としては、例えば、シアン化ビニル類((メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体[メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸グリシジル;フェニルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリール;シクロヘキシルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル;ベンジルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]、マレイミド系単量体[マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど]、α,β−不飽和カルボン酸類[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸など]などが例示できる。これらの共重合性単量体も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、共重合性単量体の割合は、スチレン系単量体100重量部に対して、例えば、0〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、さらに好ましくは10〜60重量部程度であってもよい。スチレン系樹脂としては、シアン化ビニル類を用いた共重合体も好ましく、このようなスチレン系樹脂において、シアン化ビニル類の割合は、スチレン系単量体100重量部に対して、例えば、5〜100重量部、好ましくは10〜95重量部、さらに好ましくは20〜90重量部程度であってもよい。
ゴム含有スチレン系樹脂としては、慣用の方法、例えば、ゴム成分の存在下、少なくともスチレン系単量体(及び必要により前記共重合性単量体)を、慣用の方法(塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合など)でグラフト重合することにより得られるゴム強化スチレン系樹脂などが使用できる。ゴム含有スチレン系樹脂において、ゴム成分としては、種々のゴム、例えば、ジエン系ゴム(ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ランダム又はブロックスチレン−ブタジエン共重合体など)、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム(エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴムなど)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム(エチレン−アクリル酸エチルゴム、エチレン−アクリル酸ブチルゴムなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系ゴム(ポリアクリル酸ブチルなど)、シリコーンゴム、複合ゴムなどが例示できる。ゴム含有スチレン系樹脂において、共重合性単量体としては、通常、シアン化ビニル類及びメタクリル酸メチルから選択された少なくとも一種を利用する場合が多い。
ゴム含有スチレン系樹脂としては、例えば、ゴム成分にスチレン系単量体がグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS樹脂)、ゴム成分にアクリロニトリル(A)及び/又はメタクリル酸メチル(M)とスチレン系単量体(S)とがグラフト重合した重合体[ゴム成分がブタジエンゴムであるABS樹脂、MBS樹脂、MABS樹脂、ゴム成分がアクリルゴムであるASA樹脂、ゴム成分がエチレンプロピレンゴムであるAES樹脂など]、又はこれらの水素添加物が例示できる。これらのゴム含有スチレン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ゴム含有スチレン系樹脂において、ゴム成分の含有量は、例えば、40重量%以下(例えば、2〜30重量%)好ましくは5〜25重量%程度、特に5〜20重量%程度である。
ゴム含有スチレン系樹脂は、通常、スチレン系樹脂のマトリックスと、このマトリックス中に粒子状に分散したゴム成分とで構成されている。マトリックス中に分散するゴム成分の形態は、特に制限されず、コア/シェル構造、オニオン構造、サラミ構造などを含んでいてもよい。
分散相を構成するゴム成分の粒子径は、樹脂組成物の用途に応じて選択でき、例えば、体積平均粒子径約0.1〜10μm、好ましくは約0.2〜7μm、特に0.5〜5μm程度の範囲から選択できる。さらに、ゴム成分の粒度分布において、単一のピークを示してもよく、複数のピークを示してもよい。
ゴム含有スチレン系樹脂のうち、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン(AAS)樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン(AES)樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン(MBS)樹脂、ブタジエンゴム−スチレン樹脂(HIPS)、及びこれらの水素添加物から選択された少なくとも一種などが好ましい。
前記ゴム含有スチレン系樹脂と組み合わせて使用する非ゴム強化スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸系単量体共重合体(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MAS樹脂)など)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)などが例示できる。これらの非ゴム強化スチレン系樹脂のうち、ポリスチレン(PS樹脂)、AS樹脂などを用いる場合が多い。
スチレン系樹脂、ゴム含有スチレン系樹脂のマトリックスの分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、ポリスチレン換算)は、例えば、重量平均分子量1×104〜100×104、好ましくは5×104〜50×104、特に10×104〜50×104程度である。
ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=67/33〜95/5、好ましくは68/32〜95/5(例えば、70/30〜95/5)、さらに好ましくは75/25〜93/17(例えば、75/25〜90/10)、特に75/25〜85/15程度であってもよい。
なお、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む組成物は、ポリマーブレンド又はポリマーアロイを形成してもよい。このような系には、必要により相溶化剤、例えば、オキサゾリン化合物、エポキシ化スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物などを添加してもよい。
(C)無機充填材
無機充填材(C)としては、少なくとも一部が、鉱酸により溶出可能であれば特に制限されないが、通常、ケイ酸塩(ケイ酸塩鉱物など)、炭酸塩(炭酸カルシウムウィスカなどの炭酸金属塩など)が使用できる。これらの無機充填材は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ケイ酸塩としては、例えば、カオリン、タルク、クレー、パイロフィライト、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、天然シリカ、合成シリカ、ゼオライト、珪藻土、ハロサイト、アタパルジャイトなどが挙げられる。このようなケイ酸塩のうち、タルク、マイカ及びウォラストナイト(特に、マイカ及びウォラストナイト)が好ましい。
前記ケイ酸塩中の二酸化ケイ素SiO2の含量は、酸による溶出性の点から、少ない方が好ましいが、通常、35重量%以上である場合が多い。なお、ケイ酸塩中の二酸化ケイ素の含量は、例えば、35〜70重量%、好ましくは40〜65重量%、さらに好ましくは40〜55重量%(例えば、40〜50重量%)程度であってもよい。
無機充填材(C)の形状は、粒状、板状、及び繊維状のいずれであってもよいが、粒状又は繊維状が好ましい。無機充填剤(C)のうち、特に、粒子状ケイ酸塩(タルク、マイカなど)、繊維状ケイ酸塩(ウォラストナイトなど)及びウイスカー状炭酸塩(炭酸カルシウムウイスカー)から選択された少なくとも一種が好ましい。
粒状の無機充填材の平均粒子径は、例えば、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜80μm、さらに好ましくは1〜50μm程度の範囲から選択できる。例えば、マイカの平均粒子径は、1〜80μm、好ましくは1.5〜60μm、さらに好ましくは2〜50μm程度であってもよい。また、タルクの平均粒子径は、0.5〜50μm、好ましくは0.5〜20μm(例えば、0.5〜10μm)程度であってもよい。
ウォラストナイトは、カルシウムを含む珪酸塩鉱物であり、その結晶構造に由来して微粉砕しても繊維状の形態である。なお、ウォラストナイトの産地は特に制限されず、北米、中南米、中国を含む東アジアなどであってもよい。
ウォラストナイトの数平均繊維長は、例えば、50μm以下、好ましくは30μm以下(例えば、1〜30μm、特に1〜25μm程度)、さらに好ましくは20μm以下(例えば、1〜20μm程度)であり、通常、3〜15μm(例えば、5〜10μm)程度)である。また、数平均繊維径は、例えば、0.1〜10μm(例えば、0.1〜7μm、好ましくは0.5〜7μm、さらに好ましくは1〜5μm程度)であってもよい。
ウォラストナイト全体に対する繊維長5〜25μmの個数割合は、特に制限されず、例えば、20〜75%(好ましくは20〜70%、さらに好ましくは25〜65%)程度であってもよい。本発明では、前記個数割合が、50%以下(例えば、25〜45%)、好ましくは30〜45%(例えば、35〜45%)程度であっても、成形品の表面特性を改善しつつ高い補強性を付与できる。
さらに、ウォラストナイト繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、1.5〜50(例えば、1.5〜30、好ましくは1.5〜20、さらに好ましくは1.5〜10、特に1.5〜5)程度である。本発明では、アスペクト比が小さくても高い補強性を付与でき、アスペクト比は、1.5〜5、好ましくは1.5〜4、さらに好ましくは1.5〜3程度であってもよい。
ウォラストナイトの白色度は、例えば、85以上、好ましくは89〜96、さらに好ましくは90〜96程度であってもよい。また、ウォラストナイトの吸油量(亜麻仁油ml/100g)は、25〜78(例えば、30〜80,好ましくは40〜80,さらに好ましくは50〜75)程度であってもよい。
さらに、ウォラストナイトのpHは、通常、9.5〜10.6(例えば、9.7〜10.6)程度であり、強熱減量は、0.7〜3重量%(例えば、0.7〜2.5重量%、好ましくは0.7〜2重量%、さらに好ましくは0.7〜1.8重量%)程度であり、1.5重量%以下、特に1.2重量%以下であってもよい。強熱減量は、加熱により水分が除去された試料を、熱重量分析TGA(Thermogravimetric Analysis)を用いて10℃/分の速度で昇温し、1300℃での重量減少値を算出することにより測定できる。
なお、上記繊維長及び繊維径は、次のようにして測定できる。
繊維長:光学顕微鏡(対物レンズの倍率20倍)で観察し、それぞれのウォラストナイト繊維の長さを測定し、その測定値から数平均繊維長、および繊維長5〜25μmの個数の割合を算出する。光学顕微鏡による観察は、ウォラストナイト繊維同士があまり重なり合わないように、精製水と分散剤の混合溶液中に試料を投入し、分散した形態でサンプルを調製すればよい。
観察像を、画素数が約29万のCCDカメラに画像データとして取り込み、得られた画像データを、画像解析装置を使用して、画像データの絶対最大長を求めるプログラムを使用して、5000本以上の繊維について繊維長を算出する。
繊維径:ウォラストナイト繊維を走査電子顕微鏡で観察し、それぞれの繊維径を測定し、その測定値から数平均繊維径を算出する。試料は絶乾状態とし、Ptスパッタリング処理した後、倍率1000倍で走査電子顕微鏡写真を撮影し、スケールを指標として1000本の繊維について繊維径を測定する。
ウォラストナイトは、粉砕機(ジェットミルなど)で粉砕し、分級したものを用いてもよい。また、ウォラストナイト繊維は、必要により精製処理(例えば、不純物や、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化アルミニウムなどの除去処理)してもよい。
ウォラストナイトは、必要により表面処理剤、例えば、シラン系カップリング剤(グリシジルアルコキシシラン類、アルキルアルコキシシラン類、アミノアルキルアルコキシシラン類などのアルコキシシラン類など)、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤などで表面処理してもよい。
無機充填材(C)の割合は、前記ポリカーボネート系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して、例えば、5〜50重量部、好ましくは7〜45重量部、さらに好ましくは10〜40重量部(例えば、10〜35重量部)程度であってもよい。
このような無機充填材(C)は、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、クロム酸(無水クロム酸、重クロム酸など)など)により、少なくとも一部が溶出可能である。すなわち、前記熱可塑性樹脂組成物で形成した被メッキ体を、メッキ処理の前工程でエッチング処理すると、クロム酸、硫酸などの鉱酸を含むエッチング液により、無機充填材の少なくとも一部が溶出し、ベースがポリカーボネート樹脂であるにも拘わらず、無機充填材の溶出により孔が形成され、成形体の表面を粗面化できる。このようなエッチング処理を施した成形体を、メッキ処理すると、アンカー効果により、メッキ被膜と被メッキ体との密着性を大きく改善できる。
本発明では、このような無機充填剤を用いることにより、被メッキ体が薄肉であっても、メッキ処理によりメッキ被覆物の強度を改善できるため、炭素繊維などを用いなくても靱性や強度を十分改善できる。本発明のメッキ被覆物において、被メッキ体を構成する前記熱可塑性樹脂組成物中の炭素繊維含有量は、例えば、5重量%以下(例えば、0〜5重量%程度)、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下であってもよい。
(D)難燃剤
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤を使用してもよいが、通常、非ハロゲン系難燃剤、例えば、有機酸金属塩系難燃剤(パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、トリハロベンゼンスルホン酸金属塩、ジフェニルスルホン−ジスルホン酸金属塩、ジフェニルスルホンスルホン酸金属塩などの有機カルボン酸又は有機スルホン酸のアルカリ金属(Na、K)塩、アルカリ土類金属塩など)、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、金属酸化物(酸化アンチモンなど)など]などが使用できる。これらの難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの難燃剤のうち、リン系難燃剤が好ましい。リン系難燃剤は、他の難燃剤と組み合わせて用いてもよい。
リン系難燃剤には、芳香族リン酸エステル系難燃剤、赤リン系難燃剤(赤リン、赤リン表面を熱硬化樹脂及び/又は無機化合物で被覆した安定化赤リンなど)などが含まれる。
これらのリン系難燃剤のうち、芳香族リン酸エステル系難燃剤が好ましい。芳香族リン酸エステル系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(トリル)ホスフェート、トリス(キシレニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、4,4'−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)、4,4'−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)のビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)のビス(ジキシレニルホスフェート)などが例示できる。芳香族リン酸エステル系難燃剤は、ハロゲン化芳香族リン酸エステル系難燃剤も含む。ハロゲン化芳香族リン酸エステル系難燃剤としては、前記芳香族リン酸エステル系難燃剤のハロゲン化物、例えば、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェートなど)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン−トリクロロホスフィンオキシド重縮合物(重合1〜3)のフェノール縮合物(旭電化工業(株)「アデカスタブFP-700」「アデカスタブFP-750」)などが例示できる。リン系難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
難燃剤は難燃助剤と組み合わせて用いてもよい。難燃助剤は、例えば、ドリップ防止剤又はフッ素系樹脂で構成できる。難燃助剤は、通常、粉粒状の形態で使用できる。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが例示できる。これらのうち、ポリテトラフルオロエチレン、特にフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンなどが好ましい。
難燃剤の使用量は、例えば、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜35重量部(例えば、15〜35重量部)程度である。
難燃助剤の使用量は、例えば、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部(例えば、0.5〜3重量部)、さらに好ましくは0.5〜2重量部程度である。
(E)酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物
酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物としては、酸変性又はエポキシ変性オレフィン系ワックス[例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックスを、不飽和ポリカルボン酸又はその酸無水物(マレイン酸、無水マレイン酸など)、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基などで処理した変性オレフィンワックス;前記ポリオレフィン系ワックスの構成モノマー(エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンなど)と、共重合成分としての不飽和カルボン酸又は酸無水物((メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)、グリシジル(メタ)アクリレートなどとの共重合により形成される変性オレフィンワックスなど]の他、酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂などが使用できる。これらの変性オレフィン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、前記変性オレフィン系ワックスと、変性オレフィン系樹脂とを併用してもよい。これらの変性オレフィン化合物のうち、熱可塑性樹脂組成物を効率よく改質でき、成形品に高い表面特性(表面平滑性)及び耐熱性を付与できるとともに、強度(耐衝撃性、ウェルド強度など)を向上できる点から、少なくとも酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂を用いるのが好ましい。
酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂を構成するオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独又は共重合体が利用できる。このようなオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体など)、プロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテン共重合体など)などが例示できる。オレフィン系樹脂としては、少なくともプロピレンを含むプロピレン系樹脂であるのが好ましい。
変性オレフィン系樹脂は、前記α−オレフィンと変性剤との共重合、オレフィン系樹脂に対する変性剤のグラフトなどにより得ることができる。変性剤としては、カルボキシル基又は酸無水物基を有する単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸など]、グリシジル基又はエポキシ基を有する単量体[グリシジル(メタ)アクリレートなど]が例示できる。これらの単量体も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。変性剤としては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸を用いる場合が多い。
変性オレフィン系樹脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、ポリスチレン換算)は、例えば、1.5×104〜30×104(例えば、2×104〜25×104)、好ましくは2.5×104〜23×104(例えば、2.5×104〜20×104)、さらに好ましくは2.7×104〜20×104(例えば、5×104〜17×104)程度であり、通常、3×104〜16×104程度であってもよい。なお、数平均分子量は、例えば、0.5×104〜10×104(例えば、0.75×104〜10×104)、好ましくは0.8×104〜7.5×104(例えば、0.8×104〜5×104)程度であってもよい。数平均分子量は、通常、1×104以上、例えば、1×104〜7×104(例えば、1×104〜6×104)、好ましくは1.5×104〜7×104(例えば、1.5×104〜4×104)、さらに好ましくは1.7×104〜5×104(例えば、2×104〜5×104)程度である。
変性オレフィン系樹脂の融点は高く、例えば、100〜170℃程度の範囲から選択でき、通常、120〜170℃(例えば、125〜165℃)、好ましくは130〜165℃(例えば、135〜165℃)程度であり、140〜165℃程度であってもよい。
変性オレフィン化合物において、酸性基やエポキシ基の導入量(変性量)は、例えば、0.1〜10重量%(0.5〜10重量%)、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%程度であってもよい。さらに、変性オレフィン系樹脂のケン化価(KOHmg/g)は、例えば、10〜80、好ましくは10〜70(例えば、20〜70)、さらに好ましくは10〜60(例えば、20〜60)程度である。
変性オレフィン化合物(変性オレフィン系樹脂など)(E)の割合は、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜5重量部(例えば、0.1〜3重量部)、好ましくは0.2〜2.5重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部程度であってもよい。
なお、無機充填材(C)と変性オレフィン化合物(変性オレフィン系樹脂など)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=99.5/0.5〜50/50、好ましくは99/1〜60/40、さらに好ましくは95/5〜75/25(例えば、93/7〜85/15)程度であってもよい。
前記被メッキ体を形成する熱可塑性樹脂組成物は、他の樹脂成分、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー、メチルペンテン系樹脂など)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体など)、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂など)、ポリエステル系樹脂(芳香族ポリエステル系樹脂)、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系エラストマーなど)、ゴム状重合体などを含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂組成物は、さらに種々の添加剤、例えば、充填剤、安定剤[熱安定剤(亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸やこれらのエステルなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、リン系酸化防止剤など)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤など)など]、離型剤[ワックス類(ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなど)、シリコーンオイルなど]、帯電防止剤、着色剤などを含んでもよい。充填剤としては、前記(C)成分と異なる他の無機充填剤[繊維状充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ウイスカー類(チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムなど)など)、板状充填剤(ガラスフレークなど)、粉粒状充填剤(ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、酸化チタンなど)など]、有機充填剤[繊維状充填剤(アラミド繊維など)、粉粒状充填剤(フェノール樹脂粒子、架橋スチレン系樹脂粒子、架橋アクリル系樹脂粒子など)]が例示できる。
熱可塑性樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、(i)混合機(タンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、リボンミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機など)で各成分を予備混合して溶融混練機(一軸又はベント式二軸押出機など)で溶融混練し、ペレット化手段(ペレタイザーなど)でペレット化する方法、(ii)所望の成分のマスターバッチを調製し、必要により他の成分と混合して溶融混練機で溶融混練してペレット化する方法、(iii)各成分を溶融混練機に供給して溶融混練してペレット化する方法、(iv)所定の成分(例えば、前記変性オレフィン系樹脂など)を溶融混練機の途中部で添加して混練する方法などにより調製できる。
本発明では、メッキ被覆体の被メッキ体(基材)を前記特定の3成分を含む樹脂組成物で形成するので、薄肉[例えば、平均厚さ1.2mm以下(例えば、0.4〜1.2mm程度)、好ましくは1.0mm以下(例えば、0.5〜1.0mm程度)、さらに好ましくは0.8mm以下(例えば、0.6〜0.8mm程度)]であっても、被メッキ体に、実用上十分な難燃性を付与することができる。平板状被メッキ体について、UL−94に準拠して難燃性を評価すると、平板状被メッキ体の平均厚さが0.8〜1.2mmのとき、UL−94難燃性規格をV−1又はV−0(好ましくはV−0)にまで改善できる。
そして、本発明では、ウォラストナイトなどの特定の無機充填材を用いて被メッキ体を形成するにも拘わらず、メッキ処理により、炭素繊維を用いた場合に匹敵する高い剛性及び靱性(弾性率など)が得られる。本発明では、高価な炭素繊維を用いなくても、ウォラストナイトなどを用いることにより、剛性及び靱性(特に靱性)を、メッキの程度(メッキ被膜の厚みなど)によりコントロール及び改善でき、コスト的にも有利である。すなわち、被メッキ樹脂組成物を薄肉(厚み1mm以下(例えば、0.5〜1mm程度))に成形しても、薄肉成形品自体は、剛性及び/又は靱性がさほど高くないが、メッキ処理により高い剛性及び靱性を成形品に付与することができる。
すなわち、平板状被メッキ体について、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定すると、平板状被メッキ体の厚さが1mmのとき、曲げ弾性率は2,500〜15,000MPa、好ましくは3,000〜12,000MPa、さらに好ましくは3,500〜10,000MPa程度である。一方、厚さ1mmの平板状被メッキ体の表面にメッキ被膜が形成されたメッキ被覆体について、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定したとき、メッキ被覆体の曲げ弾性率は、例えば、5,000〜50,000MPa、好ましくは6,000〜45,000MPa、さらに好ましくは7,000〜40,000MPa程度である。前記曲げ弾性率は、例えば、3,000〜50,000MPa(例えば、5,000〜50,000MPa)、好ましくは5,000〜40,000MPa、さらに好ましくは5,000〜35,000MPa程度であってもよい。
このように、本発明では、被メッキ体が薄肉、例えば、最も薄肉の部位の厚みが0.5〜1.5mm、好ましくは0.5〜1.2mm(例えば、0.5〜1mm)、さらに好ましくは0.8〜1mm程度であっても、メッキ処理により実用上十分な(例えば、炭素繊維を用いた場合に匹敵する)剛性及び靱性を付与できる。
被メッキ体は、慣用の方法、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、真空成形などにより前記熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得られる。被メッキ体として、例えば、各種電気及び/又は電子製品(特に、携帯電子機器など)などの筐体などを形成する場合が多い。
(メッキ被膜)
メッキ被膜は、少なくとも金属又は合金、例えば、銅、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属、又はこれらの金属の合金(ニッケル−亜鉛合金、ニッケル−スズ合金、ニッケル−リン合金、ニッケル−コバルト−リン合金などのニッケル基合金;銅−ニッケル合金、銅−コバルト合金などの銅基合金;鉄−亜鉛合金、亜鉛−コバルト合金などの亜鉛基合金など)などで構成できる。メッキ被膜は、少なくとも被メッキ体の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
なお、メッキ被膜は、慣用のメッキ用添加剤(光沢剤、着色剤など)を含んでいてもよい。銅メッキでは、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、亜セレン酸塩などの光沢剤や、着色剤(染料、顔料など)を用いてもよい。また、ニッケルメッキでは、例えば、光沢剤[一次光沢剤(サッカリン、ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホンアミドなど)、二次光沢剤(クマリン、プロパルギルアルコール、キノリン、ピリジン、アリルスルホン酸ナトリウムなど)など]、前記着色剤などを用いてもよい。
被メッキ体の表面に形成されるメッキ被膜の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは5〜100μm(例えば、10〜100μm)、さらに好ましくは10〜70μm程度であってもよい。なお、化学メッキ(無電解メッキ)と電気メッキとにより、メッキ被膜を形成する場合、化学メッキ被膜の厚みは、0.1〜3μm、好ましくは0.2〜2μm(例えば、0.2〜1.5μm)程度であってもよい。
本発明のメッキ被覆体では、特定の3成分で被メッキ体を形成するので、被メッキ体とメッキ被膜との密着強度を大きく向上できる。被メッキ体とメッキ被膜との密着強度は、クロスカットテープ剥離試験において、1mm間隔で縦横方向に基材(被メッキ体)に至る切り込みを入れて、格子状碁盤目100個を形成し、この格子状碁盤目に粘着テープを密着させた後、剥離したとき、前記碁盤目の残存個数により評価することができ、前記碁盤目100個のうち、95個以上(例えば、95〜100個程度)、好ましくは96〜100個、さらに好ましくは97〜100個程度が残存していてもよい。
メッキ被覆体は、前記被メッキ体を、慣用の方法により、化学エッチング処理し、電気メッキ処理することにより得られる。通常、被メッキ体を脱脂処理し、化学エッチング処理を行い、化学メッキ(無電解メッキ)処理した後、電気メッキする場合が多い。なお、必要により、溶剤処理、触媒化処理などを組み合わせてもよい。
脱脂処理(洗浄処理)は、例えば、界面活性剤、有機溶媒(アルコール、アセトンなど)、又はこれらの溶剤の混合液などに浸漬させることにより行うことができる。脱脂温度は、上記の脱脂処理溶剤の種類などに応じて、例えば、10〜70℃、好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは30〜60℃程度であってもよい。脱脂時間は特に制限されず、1〜15分程度であってもよい。
脱脂処理の後に、溶剤処理(プリエッチング)、例えば、キシレン、トルエンなどの炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラリンなどの有機溶剤による処理を行ってもよい。
化学エッチング処理では、脱脂及び必要によりプリエッチングした被メッキ体を、鉱酸[硫酸、塩酸、リン酸、クロム酸(無水クロム酸、重クロム酸、重クロム酸塩(K2Cr27など)など)などの無機強酸など]に浸漬させる。鉱酸は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。例えば、クロム酸と他の鉱酸(硫酸及び/又は塩酸など)とを組み合わせてもよく、両者の混合溶液を用いて、エッチング処理してもよく、クロム酸及び他の鉱酸のいずれか一方に浸漬した後、他方に浸漬させることによりエッチングを行ってもよい。エッチングは、通常、クロム酸−硫酸混合液、クロム酸−硫酸−リン酸混合液などを用いて行う場合が多い。
ポリカーボネート系樹脂ベースの被メッキ体では、通常、エッチング処理により、ポリカーボネート系樹脂の表面を粗面化することは困難であるが、本発明では、このようなエッチング処理により、被メッキ体に含まれる無機充填材(C)の少なくとも一部が溶出し、被メッキ体の表面に孔が形成されて、表面が粗面化し、メッキ被膜との密着性を向上できる。特に、ABS樹脂などのゴム含有スチレン系樹脂をポリカーボネート系樹脂と組み合わせるので、ゴム成分が、鉱酸(クロム酸など)により酸化、溶出され、粗面化するとともに、鉱酸(硫酸、塩酸など)により無機充填材(C)が溶出して粗面化がさらに促進され、メッキ性を大幅に改善できる。
エッチング処理の温度は、例えば、40〜80℃、好ましくは50〜70℃程度であってもよい。また、エッチング処理時間は、特に制限されず、例えば、数十秒乃至20分程度であってもよい。
化学エッチング処理後、必要により、中和処理、触媒化処理及び/又はアクセレーター処理を行うこともできる。中和処理は、例えば、塩酸、硫酸、塩酸及び硫酸の混合物などの無機強酸を用いて行うことができる。また、触媒化処理は、Pd、Au、Ag、Ptなどを被メッキ体の表面に析出させることにより行うことができ、例えば、エッチング処理した被メッキ体を、塩化スズ溶液に浸漬し、Sn2+を吸着させ、塩化パラジウム溶液に浸漬してPdを析出させることにより行ってもよい。
無電解メッキは、慣用の無電解メッキ法、例えば、金属塩、錯化剤及び還元剤、必要により添加剤、安定剤などを用いて、浸漬法、スプレー法などにより行うことができる。無電解メッキに利用される金属としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウム、鉄、スズ、インジウム、及びこれらの金属の合金(これらの金属とリン、ホウ素及び/又はタングステンなどとの合金、例えば、Co−P、Ni−Co−P、Ni−Co−B、Ni−Fe−P、Ni−W−Pなど)などが挙げられる。これらの金属のうち、銅などが好ましい。
無電解メッキ浴としては、前記メッキ金属の種類等に応じて、酸性浴、中性浴、水酸化アルカリ浴、アンモニアアルカリ浴などを適宜選択できる。無電解メッキ浴の具体例としては、例えば、銅メッキ浴(常温無電解銅メッキ浴、高温高速無電解銅メッキ浴など)、ニッケルメッキ浴(酸性又は中性無電解ニッケルメッキ浴、塩基性無電解ニッケルメッキ浴、無電解コバルト−リンメッキ浴などのニッケル合金メッキ浴など)、無電解金メッキ浴、無電解銀メッキ浴などが挙げられる。
無電解メッキ後、必要により、活性化処理を行ってもよい。活性化処理は、硫酸及び/又は塩酸などの無機強酸などを用いて行うことができる。
電解メッキ(電気メッキ)は、慣用のメッキ法、例えば、金属塩、導電性付与剤、水素イオン濃度調節剤、添加剤などを含むメッキ浴中、被メッキ体を陰極として用いて、適当な電流密度で被メッキ体の表面に金属を析出させることにより行うことができる。メッキ金属としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、カドミウム、スズ、金、銀、パラジウム、ロジウム、鉛、鉄、及びこれらの金属の合金(例えば、Cu−Ni−Cr、Ni−Crなど)などが挙げられる。
電解メッキ浴としては、銅メッキでは、例えば、硫酸銅浴、ホウフッ化銅浴などの酸性浴、シアン化銅浴、ピロリン酸銅浴などのアルカリ性浴など)が利用でき、ニッケルメッキでは、例えば、無光沢ニッケルメッキ法(ワット浴、スルファミン酸ニッケル浴、塩化物浴など)、光沢ニッケルメッキ法(有機光沢ニッケルメッキなど)などが利用できる。クロムメッキでは、サージェント浴、低濃度クロムメッキ浴、フッ化物添加浴(例えば、クロム酸−ケイフッ化ナトリウム−硫酸浴など)、SRHS浴、テトラクロメート浴、マイクロクラッククロムメッキ浴などが利用できる。また、亜鉛メッキでは、例えば、ジンケート浴、アミン浴、ピロリン酸浴、硫酸浴、ホウフッ化浴、塩化物浴などが利用できる。
電解メッキ処理は、1回で行ってもよく、複数回行ってもよい。複数回電解メッキ処理を行う場合、同一のメッキ処理を複数回行ってもよく、異なるメッキ処理を複数回行ってもよい。例えば、無電解メッキにより下地メッキなどを行った後、ニッケルなどをメッキしてもよく、下地メッキを行った後、ニッケルなどの中間メッキを行い、クロム、コバルト合金、金などの最終メッキ(装飾メッキ、機能メッキなどであってもよい)を行ってもよい。
なお、メッキ被膜には、慣用のメッキ用添加剤、例えば、光沢剤[一次光沢剤(1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸ナトリウム、サッカリンなど)、二次光沢剤(クマリン、2−ブテン−1,4−ジオール、エチレンシアンヒドリン、プロパルギルアルコール、ホルムアルデヒド、チオ尿素、キノリン、ピリジン、アリルスルホン酸ナトリウムなど)など]、メッキ被膜着色のための着色剤(顔料、染料など)などを含有させてもよい。
本発明のメッキ被覆体では、無電解メッキにより、被メッキ体を銅メッキした後、電解メッキによりニッケル又はニッケル合金などをメッキするのが好ましい。ニッケルメッキの具体例としては、サチライトニッケルメッキ、光沢ニッケルメッキ、半光沢ニッケルメッキ、ノーレベリングニッケルメッキ、ベロアニッケルメッキなどが挙げられる。なお、必要により、無電解銅メッキの後、電解銅メッキ(光沢銅メッキ、ノーレベリング銅メッキなど)を行い、さらに電解ニッケルメッキを行ってもよい。
メッキ被覆体の表面には、電解メッキ後、必要により、さらにクロメート処理や塗装(吹付クリヤー塗装、電着クリアー塗装、電着塗装など)などの表面処理を行ってもよい。
本発明のメッキ被覆体は、種々の用途、例えば、車輌用内装又は外装部品、精密機器(デジタルカメラ、携帯型情報端末など)のハウジング部品(筐体など)、オフィスオートメーションOA機器(パーソナルコンピュータ、プリンター、複写機、ファクシミリなど)のハウジング部品(筐体など)などに適用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、特に断りのない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
なお、実施例及び比較例において、成形品の特性は次のようにして評価した。
靱性(曲げ強さ(MPa)及び曲げ弾性率(MPa)):1mm厚みの被メッキ体及びこの被メッキ体の表面に15μm又は50μmの厚みのメッキ被膜を形成したメッキ被覆体を用いて、ISO178に準拠して曲げ試験を行い、曲げ強さ及び曲げ弾性率(FM)を測定した。
難燃性:UL規格94Vに準拠し、厚み0.8mm及び1.2mmの試験片(メッキなし)について垂直燃焼試験を行い、燃焼性のランクを評価した。
反り:平盤上に、縦120mm×横120mm×厚み1mmの平板成形品を置き、この成形品の4角のうち1角を押さえたとき、他の角のうち平盤からの高さが最も高い角について、メッキ前とメッキ後とで平盤からの高さを比較し、最大変形量(最大反り量)を評価した。なお、最大変形量が0mmの場合を反り「無」、0mmを超えて1mm以下の場合を反り「少」、1mmを超える場合を反り「大」として評価した。
メッキ被膜の密着性:被メッキ体(厚み1mm)の表面に厚み15μmのメッキ被膜を形成したメッキ被覆体を用いて粘着テープによりテープ剥離試験を行い、残存率を評価した。すなわち、前記メッキ被覆体において、メッキ被膜上に1mm間隔で縦横方向に被メッキ体に至る切り込みを入れて、格子状碁盤目100個を形成し、この格子状碁盤目にセロハンテープを貼って勢い良く剥離し、メッキ被膜表面に残存した前記碁盤目の個数を計数することにより、被膜のテープ剥離残存率を評価した。
参考例1、3、実施例2、実施例〜9及び比較例1〜4
表1に示す割合で各成分をV型ブレンダーで混合した後、スクリュー径30mmのベント式二軸押出機[日鋼(株) 二軸押出機TEX30α]によりシリンダー温度260℃で混練、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機[住友重機工業(株) SH100]によりシリンダー温度250℃、金型温度60℃で射出成形し、試験片(縦120mm×横120mm×厚み1mm)を作製した。
次いで試験片(被メッキ体)を以下の手順でメッキ処理した。すなわち、ホウ酸ソーダ、リン酸ソーダ及び界面活性剤の混合液で脱脂処理した試験片を、有機溶媒でプリエッチングし、さらにクロム酸及び硫酸の混合液を用いて化学エッチング処理し、塩酸及び硫酸の混合液を用いて中和処理を行った。得られた被メッキ体を水洗し、無電解銅メッキを行った。無電解銅メッキの厚みは、片面当たり1μmであった。無電解銅メッキ後、さらに、無電解銅メッキ被膜を含むメッキ被膜の厚みが片面当たり15μm又は50μmになるように、ニッケルストライクメッキを行った。
なお、実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
(i)PC:市販の粘度平均分子量25,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂)
(ii)ABS:ABS樹脂(ゴム含量20重量%、アクリロニトリル含量20重量%)
AAS:AAS樹脂(ゴム含量20重量%、アクリロニトリル含量12重量%)
AS:AS樹脂(アクリロニトリル含量25重量%、ゴム含量0重量%)
(iii)無機充填材:
F1:ウォラストナイト:数平均繊維長8.2μm、数平均繊維径5.2μm、全体に対する繊維長5〜25μmの個数割合40%、アスペクト比2
F2:タルク
F3:炭酸カルシウムウイスカー
(iv)難燃剤:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化工業(株)製「アデカスタブFP−500」)
(v)難燃助剤:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(三井デュポンフロロケミカル(株)製「6J」)
(vi)酸変性PP:酸変性ポリプロピレン樹脂(重量平均分子量3×104、数平均分子量1.5×104、融点145℃、無水マレイン酸変性量10重量%)(三洋化成工業(株)製「ユーメックス1010」)
(vii)熱安定剤:リン系安定剤トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバガイギー社製「IRGAFOS168」)
結果を表1に示す。
Figure 0004641446

Claims (16)

  1. 熱可塑性樹脂組成物で形成された被メッキ体の少なくとも一部の表面に、メッキ被膜が形成されているメッキ被覆体であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリカーボネート系樹脂(A)と、少なくともゴム含有スチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂(B)と、鉱酸により少なくとも一部が溶出可能な無機充填材(C)と、芳香族リン酸エステル系難燃剤(D)と、フッ素系樹脂とで構成され、
    前記熱可塑性樹脂組成物中の炭素繊維含有量が5重量%以下であり、
    前記ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との割合(重量比)が、ポリカーボネート系樹脂(A)/スチレン系樹脂(B)=75258515であり、
    前記無機充填材(C)の割合が、前記ポリカーボネート系樹脂(A)及び前記スチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して、5〜50重量部であり、
    前記芳香族リン酸エステル系難燃剤(D)の割合が、前記ポリカーボネート系樹脂(A)及び前記スチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して、15〜35重量部であり、
    前記フッ素系樹脂の割合が、前記ポリカーボネート系樹脂(A)及び前記スチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して、0.1〜5重量部であり、
    最も薄肉の部位の厚みが0.5〜1.5mmであり、
    被メッキ体の表面に、厚さ10〜100μmのメッキ被膜が形成され、かつ
    前記被メッキ体の平均厚さが1.2mmのとき、UL−94に準拠した前記被メッキ体の難燃性がV−1又はV−0であるメッキ被覆体。
  2. 厚さ1mmの平板状被メッキ体を用いたメッキ被覆体について、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定したとき、前記曲げ弾性率が5,000〜50,000MPaである請求項1記載のメッキ被覆体。
  3. クロスカットテープ剥離試験において、1mm間隔で格子状碁盤目100個を形成し、この格子状碁盤目に、粘着テープを密着させた後、剥離したとき、前記碁盤目100個のうち95個以上が残存している請求項1記載のメッキ被覆体。
  4. ポリカーボネート系樹脂(A)が、粘度平均分子量1.5×10〜3×10を有する請求項1記載のメッキ被覆体。
  5. スチレン系樹脂(B)が、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂、ブタジエンゴム−スチレン樹脂、及びこれらの水素添加物から選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のメッキ被覆体。
  6. 無機充填材(C)が、粒子状ケイ酸塩、繊維状ケイ酸塩及びウイスカー状炭酸塩から選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のメッキ被覆体。
  7. 無機充填材(C)が、タルク、マイカ、ウォラストナイト及び炭酸カルシウムウイスカーから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のメッキ被覆体。
  8. 無機充填材(C)が、二酸化ケイ素の含量が35〜55重量%である粒子状又は繊維状ケイ酸塩で構成されており、前記無機充填材(C)の割合が、ポリカーボネート系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)の総量100重量部に対して7〜45重量部である請求項1記載のメッキ被覆体。
  9. 無機充填材(C)が、数平均繊維長1〜30μm、数平均繊維径0.1〜10μm、及びアスペクト比1.5〜5を有するウォラストナイトである請求項1記載のメッキ被覆体。
  10. 熱可塑性樹脂組成物が、さらに、酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)を含む請求項1記載のメッキ被覆体。
  11. 酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)が酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂である請求項10記載のメッキ被覆体。
  12. 酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂の融点が100〜170℃である請求項11記載のメッキ被覆体。
  13. 酸変性又はエポキシ変性オレフィン系樹脂の重量平均分子量が1.5×10〜30×10である請求項11記載のメッキ被覆体。
  14. 酸変性又はエポキシ変性オレフィン化合物(E)の割合が、ポリカーボネート系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との総量100重量部に対して、0.1〜10重量部である請求項10記載のメッキ被覆体。
  15. 被メッキ体の平均厚さが1.0mmのとき、UL−94に準拠した前記被メッキ体の難燃性がV−1又はV−0である請求項1記載のメッキ被覆体。
  16. 被メッキ体の平均厚さが0.8mmのとき、UL−94に準拠した前記被メッキ体の難燃性がV−1又はV−0である請求項1記載のメッキ被覆体。
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