JP6720689B2 - 繊維強化プラスチック成形体及び繊維強化プラスチック成形体用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形体に関する。具体的には、本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂を含むコア層と、所定の樹脂を含む表面層を有する繊維強化プラスチック成形体であって、難燃性と塗装適性に優れる繊維強化プラスチック成形体に関する。さらに、本発明は、該繊維強化プラスチック成形体を成形し得る繊維強化プラスチック成形体用基材に関する。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含む不織布(繊維強化プラスチック成形体用基材ともいう)から成形された繊維強化プラスチック成形体は、既にスポーツ、レジャー用品、航空機用材料、電子機器部材など様々な分野で用いられている。繊維強化プラスチック成形体においてマトリックスとなる樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられることが多い。しかし、熱硬化性樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂と強化繊維を混合した不織布は冷蔵保管しなければならず、長期保管ができないという難点がある。
このため、近年は、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用い、強化繊維を含有した不織布の開発が進められている。このような熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた不織布は、保存管理が容易であり、長期保管ができるという利点を有する。また、熱可塑性樹脂を含む不織布は、熱硬化性樹脂を含む不織布と比較して成形加工が容易であり、加熱加圧処理を行うことにより成形加工品を成形することができるという利点を有している。
繊維強化プラスチック成形体には、その用途に応じて難燃性が求められる場合がある。特に、繊維強化プラスチック成形体が電子機器等に組み込まれる場合には、難燃化が必須条件となっている。繊維強化プラスチック成形体を難燃化する方法としては、不織布やマトリックス樹脂に難燃剤を添加する方法が検討されている(例えば、特許文献1〜3)。
また、繊維強化プラスチック成形体の表面には、用途に応じて様々な塗装が施される場合がある。例えば、特許文献4では、繊維強化プラスチック成形体に、特定の塗剤で塗装を施すことが提案されている。ここでは、塗剤にカーボンブラックとつや消し剤を配合することで、繊維強化プラスチック成形体の表面の欠陥を目立たなくすることが提案されている。
特開平9−278914号公報 特開平11−147965号公報 特開平3−180588号公報 特開2014−173030号公報
本発明者らは、難燃性が高められた繊維強化プラスチック成形体であって、表面に良好な塗装を施すことができる繊維強化プラスチック成形体を形成することを試みた。しかしながら、上述したような難燃剤を含む繊維強化プラスチック成形体に、塗装加工を施した場合、塗装層にピンホールが生じ、意匠性が悪化することが本発明者らの検討により明らかとなった。また、特許文献4に開示されたような塗剤を用いた場合であっても、塗装適性が良好ではなく、塗剤を均一に塗布できないことが、本発明者らの検討により明らかとなった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、難燃性と塗装適性の両方を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、強化繊維と熱可塑性樹脂を含むコア層と、特定の樹脂から形成される表面層から繊維強化プラスチック成形体を構成することにより、難燃性と塗装適性の両方を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体を得ることができることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]コア層と、表面層とを有し、コア層は、強化繊維と熱可塑性樹脂とを含み、熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、コア層は難燃剤を含み、表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
[2]表面層は、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種を含む[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[3]表面層の坪量は10〜350g/m2である[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[4]コア層の密度は1.2〜1.8g/cm3である[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[5]熱可塑性樹脂は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂である[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[6]熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及び難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂から選択される少なくとも1種である[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[7]コア層は、熱可塑性樹脂を、強化繊維と熱可塑性樹脂の合計質量に対して、40質量%以上含む[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[8]強化繊維は、炭素繊維である[1]〜[7]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[9]厚みが1mm以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[10]厚みが0.2〜0.9mmである[1]〜[9]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[11]コア層用不織布と、表面層用シートとを有し、コア層用不織布は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含み、熱可塑性樹脂繊維は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維であるか、もしくは、コア層用不織布は難燃剤を含み、表面層用シートは、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用基材。
[12]表面層用シートは、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種を含む[11]に記載の繊維強化プラスチック成形体用基材。
本発明によれば、難燃性と塗装適性の両方を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。このため、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、電子機器をはじめ、様々な分野で好ましく用いることができる。
図1は、本発明の繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する断面図である。 図2はアウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する断面図である。 図3はアウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する断面図である。 図4は、アウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する拡大断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(繊維強化プラスチック成形体)
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、コア層と、表面層を有する。ここで、コア層は、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む。本発明で用いられる熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、コア層が難燃剤を含む。また、表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含む層である。
図1は、本発明の繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する断面図である。図1に示されているように、本発明の繊維強化プラスチック成形体1は、コア層10と、表面層14を有する。表面層14は、コア層10の一方の表面上に積層されることが好ましいが、コア層の両方の表面上に積層されてもよい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の表面に塗装が施される場合は、表面層14上に塗装が施される。本発明の繊維強化プラスチック成形体1においては、このような表面層14を有するため、塗装適性を向上させることができる。また、本発明の繊維強化プラスチック成形体1は、表面層14を有するため、耐溶剤性や耐候性にも優れている。
図1に示されているように、表面層14は、コア層10よりも薄い層であることが好ましい。具体的には、表面層14の膜厚は、コア層10の膜厚の1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。本発明の繊維強化プラスチック成形体1においては、このような薄膜である表面層14を有することで、難燃性と塗装適性の両方を高めることができる。
本発明のコア層に含有される熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、コア層は難燃剤を含む。本発明では、繊維強化プラスチック成形体のコア層を上記構成とすることにより、難燃性を高めることができる。すなわち、本発明では、難燃性と塗装適性を兼ね備えた繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体のUL94燃焼試験の評価は、V−1以上の評価であることが好ましく、V−0であることがより好ましい。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、燃焼性が抑制されており、燃焼した場合であっても滴下物の発生がほとんど見られない。このため、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、難燃性が求められる電子機器等に好ましく用いられる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、厚みが1mm以下であることが好ましく、0.9mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらに好ましく、0.7mm以下であることが特に好ましい。また、繊維強化プラスチック成形体の厚みは0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。中でも、繊維強化プラスチック成形体の厚みは0.2〜0.9mmであることが好ましい。本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上記のように薄型化された場合においても、優れた難燃性を発揮することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の全体の密度は、0.9g/cm3以上であることが好ましく、1.2g/cm3以上であることがより好ましく、1.4g/cm3以上であることがさらに好ましい。繊維強化プラスチック成形体の全体の密度を上記範囲とすることにより、より難燃性を高めることができ、さらに塗装適性も高めることができる。
繊維強化プラスチック成形体に塗装を施す場合、溶剤系塗料が使用されることが多い。溶剤系塗料に含有される溶剤としては、MEK、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。従来の表面層を有さない繊維強化プラスチック成形体においては、強化繊維とマトリックス樹脂との界面が溶剤系塗料の溶剤に侵されることがあり、このような場合、塗装塗膜の膨れやピンホールを招来し、外観不良が生じることがあった。本発明では、耐薬品性の高い表面層を有する繊維強化プラスチック成形体に塗装を施すことができるため、このような外観不良を抑制することができる。なお、本発明の繊維強化プラスチック成形体に塗装が施される場合は、表面層上に塗装が施される。
(表面層)
表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含む。なお、表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことがよりさらに好ましく、97質量%以上含むことが特に好ましい。表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種からなる層であってもよい。なお、表面層は、上記のいずれか1種のみから構成されてもよく、上記の樹脂の混合物から構成されてもよい。また、上記の樹脂以外の樹脂を用いてもよく、例えば、ポリスチレンやポリフェニレンエーテル等を例示することができる。これらの樹脂は上記樹脂と併用されてもよい。
表面層の坪量は10〜350g/m2であることが好ましく、20〜300g/m2であることがより好ましく、50〜200g/m2であることがさらに好ましく、60〜110g/m2であることが特に好ましい。表面層の坪量を上記範囲内とすることにより、塗装適性を高めることができ、さらに難燃性も高めることができる。
表面層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種であればよい。表面層とコア層に高い接着性が必要とされる場合は、これらの樹脂と、後述するコア層に含まれる熱可塑性樹脂は同種であることが好ましい。例えば、コア層がポリエーテルイミドを含有している場合、表面層にもポリエーテルイミドを含有させることが好ましい。このように、コア層と表面層に共通樹脂を含有させることによって、コア層と表面層の接着性を高めることができ、繊維強化プラスチック成形体の全体の強度を高めることができる。
なお、表面層とコア層に含まれる樹脂は、異種であってもよい。例えば、コア層の熱可塑性樹脂−表面層の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、ポリエーテルイミド−ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイド−ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン−ポリエーテルイミド、ポリエーテルイミド−ポリスチレン、ポリエーテルイミド−ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。
中でも、表面層は、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリエーテルイミドを含むことがより好ましい。表面層がポリエーテルイミドを含む場合、表面層の坪量は、50〜200g/m2であることが好ましく、60〜100g/m2であることがより好ましい。表面層にポリエーテルイミドを含有させることにより、表面層の坪量を比較的低く抑えることができ、繊維強化プラスチック成形体の製造コストを抑制することもできる。
表面層は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を主要構成成分とする不織布又は樹脂フィルムから成形される。表面層が不織布から成形される場合は、不織布は、上記樹脂の繊維から構成される。また、表面層が樹脂フィルムから成形される場合は、上記樹脂を溶融してフィルム状にしたフィルムを用いることができる。樹脂フィルムには、市販品を用いてもよく、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)フィルムとしては、三菱樹脂株式会社製のスペリオ等を例示することができる。
表面層には、さらにバインダー成分を含有させてもよい。バインダー成分は、コア層の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。なお、バインダー成分としては、後述するコア層に含まれるバインダー成分と同様のものを例示することができる。
(コア層)
コア層は、強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む。ここで、熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、コア層は難燃剤を含む。コア層が難燃剤を含む場合は、熱可塑性樹脂は難燃剤を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。
コア層の密度は0.9g/cm3以上であることが好ましく、1.2g/cm3以上であることがより好ましく、1.2〜1.8g/cm3であることがさらに好ましい。コア層の密度を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体の難燃性をより高めることができる。さらに、表面層との接着性を良好なものとすることができる。
(強化繊維)
コア層は、強化繊維を有する。強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、炭素繊維又はガラス繊維であることがより好ましく、炭素繊維であることがさらに好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
強化繊維として、例えば、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を使用した場合、繊維強化プラスチック成形体用基材に含まれる熱可塑性樹脂の溶融温度で加熱加圧処理することにより繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。また、強化繊維として、アラミド等の有機繊維を用いた場合は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用基材から形成される成形体よりも耐摩耗性を向上させ得る。
強化繊維の質量平均繊維長は、3〜100mmであることが好ましく、3〜75mmであることがより好ましく、3〜50mmであることがさらに好ましく、6〜50mmであることが特に好ましい。強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用基材から強化繊維が脱落することを抑制することができ、かつ、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。また、強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、強化繊維の分散性を良好にすることができる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
なお、本明細書において、質量平均繊維長は、100本の繊維について測定した繊維長の平均値である。
なお、強化繊維の平均繊維径は、特に限定されないが、一般的には炭素繊維、ガラス繊維共に平均繊維径が5〜25μm程度の繊維が好適に使用される。また、強化繊維は、複数の素材や形状を併用してもよい。
なお、本明細書において、平均繊維径は、100本の繊維の繊維径を測定した繊維径の平均値である。
(炭素繊維)
強化繊維としては炭素繊維を用いることが好ましい。強化繊維に含まれる炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等の炭素繊維を用いることができる。これらの炭素繊維は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。また、これら炭素繊維の中でも、工業規模における生産性及び機械特性の観点から、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維を用いることが好ましい。
炭素繊維の質量平均繊維長は、3〜100mmであることが好ましく、3〜75mmであることがより好ましく、3〜50mmであることがさらに好ましく、6〜50mmであることが特に好ましい。炭素繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用基材から炭素繊維が脱落することを抑制することができ、かつ、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することが可能となる。また、炭素繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、強化繊維の分散性を良好にすることができる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
炭素繊維の単繊維強度は、4500MPa以上であることが好ましく、4700MPa以上であることがより好ましい。単繊維強度とは、モノフィラメントの引っ張り強度をいう。このような炭素繊維を使用した場合、曲げ強度を向上させることができる。なお、単繊維強度は、JIS R7601「炭素繊維試験方法」に準じて測定することができる。
炭素繊維の平均繊維径は特に限定されないが、好ましい範囲は5〜20μmである。炭素繊維の繊維径を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体の強度を高めることができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、コア層が難燃剤を含む。コア層が難燃剤を含む場合、難燃剤の脱落を防止するために難燃剤を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂として、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂と、難燃剤を含む熱可塑性樹脂を併用してもよい。
なお、本発明では、熱可塑性樹脂が、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であり、かつコア層が難燃剤を含むものであってもよい。中でも、熱可塑性樹脂が、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂と難燃剤を含む熱可塑性樹脂の混合物であることが好ましい。本発明には限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂と難燃剤を含む熱可塑性樹脂を併用した態様も含まれる。
熱可塑性樹脂は、繊維、粉末、ペレット又はフレーク状のものを、単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂繊維又は熱可塑性樹脂粉末であることが好ましい。
本明細書中の「熱可塑性樹脂繊維」とは、熱可塑性樹脂のうち繊維状のものを言う。熱可塑性樹脂繊維は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸することによって得られる。難燃剤を含む熱可塑性樹脂繊維は、難燃剤を含む熱可塑性樹脂を溶融紡糸することによって得られる。また、難燃剤を含む熱可塑性樹脂繊維は、難燃剤と溶融した熱可塑性樹脂を混合し、紡糸することによって得ることもできる。また、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂を溶融紡糸することによって得られる。なお、本発明では、熱可塑性樹脂繊維は、チョップドストランドであることも好ましい。
熱可塑性樹脂繊維の質量平均繊維長は、3〜100mmであることが好ましく、3〜50mmであることがより好ましく、3〜25mmであることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用基材から熱可塑性樹脂繊維が脱落することを抑制することができ、ハンドリング性に優れたコア層及び繊維強化プラスチック成形体用基材を得ることができる。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、熱可塑性樹脂繊維の分散性を良好にすることができるため、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。さらに、熱可塑性樹脂繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維が均一に混ざり合い、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することが可能となる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
本明細書中の「熱可塑性樹脂粉末」とは、熱可塑性樹脂のうち粉末状のものを言う。熱可塑性樹脂粉末は、例えば、熱可塑性樹脂のペレットを凍結粉砕し、メッシュによる分級を行うことで得られる。熱可塑性樹脂粉末の平均1次粒子径は、3〜7000μmであることが好ましく、30〜3000μmであることがより好ましく、100〜1000μmであることがさらに好ましい。なお、熱可塑性樹脂粉末が球形ではない場合は、熱可塑性樹脂粉末の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真により粒子の投影面積を求め、同じ面積を有する円の直径を平均1次粒子径とする。熱可塑性樹脂粉末の平均1次粒子径を上記範囲内とすることにより、網の抄き上げが可能となり湿式不織布法でコア層用不織布を得ることができる。また、熱可塑性樹脂粉末の分散性を良好にすることができるため、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
本発明で用いる熱可塑性樹脂は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であることが好ましい。限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂としては、いわゆるスーパーエンプラ樹脂と呼ばれる樹脂を用いることができる。限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、限界酸素指数35)、ポリアミドイミド(PAI、限界酸素指数43)、ポリフェニレンスルフィド(PPS、限界酸素指数34)、ポリエーテルイミド(PEI、限界酸素指数47)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等を挙げることができる。中でも、熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、ポリエーテルイミドであることがさらに好ましい。このようなスーパーエンプラ繊維を用いることにより、難燃剤を付与せずとも難燃性が得られる。なお、本発明において、「限界酸素指数」とは、燃焼を続けるのに必要な酸素濃度を表し、JIS K7201に記載された方法で測定した数値をいう。すなわち、限界酸素指数が20以下は、通常の空気中で燃焼することを示す数値である。
コア層が難燃剤を含む場合、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリフェニルエーテル(PPE)等を用いることもできる。中でも、ポリカーボネート(PC)及びポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)は好ましく用いられる。ポリカーボネートは曲げ強度・弾性率・耐衝撃強度等に優れ、軽量であっても強度の高い繊維強化プラスチック成形体を成形できるため好ましい。
コア層が難燃剤を含む場合、もしくは、熱可塑性樹脂が難燃剤を含む場合においても、熱可塑性樹脂の限界酸素指数は一定以上であることが好ましい。具体的には、繊維状態において限界酸素指数が24以上であることが好ましく、27以上であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の限界酸素指数を上記範囲とすることにより、より難燃性に優れた繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
熱可塑性樹脂としては、上述した種々の樹脂を用いることができるが、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及び難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂から選択される少なくとも1種は特に好ましく用いられる。なお、難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂は、限界酸素指数が30以上のものであることが好ましい。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、140℃以上であるものが好ましい。熱可塑性樹脂は、繊維強化プラスチック成形体を形成する際に300℃から400℃というような温度条件下で十分に流動的であることが求められる。なお、PPS樹脂繊維のようにガラス転移温度が140℃未満のスーパーエンプラ繊維であっても、樹脂の荷重たわみ温度が190℃以上となるスーパーエンプラを繊維化したものであれば使用可能である。このような熱可塑性樹脂は、加熱・加圧により溶融して限界酸素指数が30以上という非常に高い難燃性を有する樹脂ブロックを形成する。
熱可塑性樹脂は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成するため、マトリックス樹脂とも呼ばれる。このような熱可塑性樹脂を用いた不織布状のコア層用不織布は、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
コア層用不織布では、熱可塑性樹脂が繊維形態をしていることが好ましく、このような場合はシート中に空隙が存在している。熱可塑性樹脂が繊維形態をしている場合、熱可塑性樹脂繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用基材を巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
(難燃剤)
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤を配合することができる。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ブロム化イミド等が挙げられ、中でも、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、エチルホスフィン酸金属塩、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、リン酸エステル、ホスファゼン等が挙げられ、中でも、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、ホスファゼンが熱安定性に優れる点から好ましい。また、成形時のガスやモールドデポジットの発生、難燃剤のブリードアウトを抑制するために、リン系難燃剤と相溶性に優れる熱可塑性樹脂を配合してもよい。このような熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂である。
コア層は、さらに難燃剤と共に、難燃助剤を混合してもよい。難燃助剤としては、例えば、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、アンチモン化合物、硼酸亜鉛等が挙げられ、2種以上併用してもよい。これらの中でも、難燃性がより優れる点からアンチモン化合物、硼酸亜鉛が好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb23)、五酸化アンチモン(Sb25)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、該難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。難燃助剤を用いる場合は、難燃助剤も難燃剤と共に熱可塑性樹脂に含有させることが好ましい。
コア層に難燃剤を含有させる場合は、コア層用不織布に難燃剤を含有させることとなる。コア層用不織布に難燃剤を含有させる方法は、限定されるものではないが、下記の方法を挙げることができる。(1)難燃剤を含んだ熱可塑性樹脂を用いてコア層用不織布を形成する方法、(2)粒子状の難燃剤を強化繊維と熱可塑性樹脂のスラリーに混合し、コア層用不織布を湿式抄紙する方法、(3)難燃剤を含んだ熱可塑性樹脂を用いてコア層用不織布を形成し、その不織布に難燃剤のスラリーや水溶液、エマルジョン等をディッピング等の方法で含浸し、乾燥させる方法を挙げることができる。なお、これらの方法を併用することもできる。
コア層が難燃剤を含む場合、熱可塑性樹脂が難燃剤を含むことが好ましい。本明細書中の「難燃剤を含む熱可塑性樹脂」とは、難燃性を付与するために、難燃剤を配合した熱可塑性樹脂を言う。難燃剤としては、上述した難燃剤を好ましい例としてあげることができる。なお、難燃剤は、熱可塑性樹脂中に均一に分散していることが好ましいが、表面に難燃剤を付着させたものを用いることもできる。難燃剤を含む熱可塑性樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、コア層が難燃剤を含む場合に用いることができる熱可塑性樹脂と同様のものを列挙することができる。
(バインダー成分)
コア層には、さらにバインダー成分を含有させてもよい。バインダー成分は、コア層の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用基材を得ることができる。
バインダー成分としては、一般的に不織布製造に使用されるものを挙げることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂及びこれらを組み合わせた芯鞘構造のバインダー繊維、アクリル樹脂、アクリルパルプ、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、PVA樹脂、各種澱粉、セルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドーアクリル酸エステルーメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が使用できる。また、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂も好適に使用することができ、これらを変性させて適宜融点を調整した樹脂を使用した合成繊維は少量でも十分な強度が得られるため好ましい。
バインダー成分は、アクリル系ポリマーであってもよい。アクリル系ポリマーは、アクリル繊維であってもよく、アクリル系ポリマーを含むエマルジョンや、アクリル系ポリマーを水中に分散させた溶液であってもよい。中でも、難燃性の観点からは、アクリル系ポリマーは、アクリル繊維であることが好ましい。アクリル繊維は、アクリロニトリル単位を含むことが好ましい。特に、アクリル繊維は、アクリロニトリル単位と(メタ)アクリレート単位とを含むアクリルパルプであることが好ましい。ここで、「単位」とは、アクリル繊維(アクリル系ポリマー)を構成する繰り返し単位(モノマー単位)である。また、アクリルパルプとは、主繊維から枝状の枝繊維が延びている、いわゆるフィブリル状物をいう。
アクリル繊維は、アクリロニトリルと(メタ)アクリレートを混合し、ブレンド紡糸法によって繊維状にしたものであることが好ましい。このようなアクリル繊維においては、アクリロニトリルポリマーと(メタ)アクリレートポリマーが海島構造を構成している。ここで、海島構造とは、アクリロニトリルポリマー中に、(メタ)アクリレートポリマーが微細な層分離構造を構成していることをいう。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味する。」
アクリル繊維が含有する(メタ)アクリレート単位としては、アルキル(メタ)アクリルレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどに由来するモノマー単位が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート単位としては、アルキル(メタ)アクリルレート由来の単位を用いることが好ましく、メチル(メタ)アクリルレート又はエチル(メタ)アクリルレート由来の単位を用いることがより好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート及びメチルアクリレートなどの共重合物のエマルジョンや、アクリル系ポリマーを水中に分散させたものも使用することができる。エマルジョンや分散溶液に用いるアクリル系ポリマーは、必要に応じてスチレン共重合物としてもよく、アクリロニトリル共重合物とすることもできる。
(繊維形状)
本発明では、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、コア層用不織布中で、各種繊維を均一に混合することができる。また、繊維の断面形状は円形に限定されず、楕円形等、異形断面のものも使用できる。
(繊維強化プラスチック成形体用基材)
本発明は、コア層用不織布と、表面層用シートとを有する繊維強化プラスチック成形体用基材に関するものでもある。コア層用不織布は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含み、熱可塑性樹脂繊維は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維であるか、もしくは、コア層用不織布は難燃剤を含む。また、表面層用シートは、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含む。
表面層用シートは、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種を含む不織布であってもよく、フィルムであってもよい。表面層用シートは、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種を含む不織布又はフィルムであることが好ましい。
表面層用シートが不織布の場合は、不織布は上記樹脂繊維から構成される。また、表面層用シートがフィルムの場合は、上記樹脂を溶融してフィルム状にしたフィルムを用いることができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエーテルイミドフィルムとしては、三菱樹脂株式会社製のスペリオ等を例示することができる。
表面層用シートは、上記樹脂を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことがよりさらに好ましく、97質量%以上含むことが特に好ましい。
表面層用シートには、さらにバインダー成分を含有させてもよい。バインダー成分は、コア層の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。なお、バインダー成分としては、上述するコア層に含まれるバインダー成分と同様のものを例示することができる。
コア層用不織布が難燃剤を含む場合、熱可塑性樹脂が難燃剤を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。この場合に用いることができる難燃剤については、上述したものを好ましく例示することができる。
繊維強化プラスチック成形体用基材においては、所望の厚さの繊維強化プラスチック成形体を成形するために、コア層用不織布を複数枚積層してもよい。例えば、コア層用不織布を2〜10枚積層し、積層体としてもよい。この場合、表面層は、積層体の少なくとも一方の表面に積層される。
(繊維強化プラスチック成形体用基材の製造方法)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材の製造工程は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、湿式抄紙法又は乾式抄紙法によってコア層用不織布を形成する工程を含む。湿式抄紙法は、熱可塑性樹脂繊維、強化繊維のチョップドストランドを溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法である。また、乾式抄紙法は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を気体中で混合し、次いでネット上に捕捉してマットを得る方法である。このような方法は、エアレイドと呼ばれることもある。
コア層用不織布を形成する工程は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維に加えて、さらにバインダー成分を混合し、湿式抄紙法又は乾式抄紙法によってコア層用不織布を形成する工程であってもよい。なお、バインダー成分はエマルジョン液又は水溶液に混合して、スプレー若しくはディッピングによりコア層用不織布に付与する場合、コア層用不織布を形成する工程の後に、さらにバインダー成分を含むエマルジョン液又は水溶液に混合して、スプレー若しくはディッピングする工程を含んでもよい。
なお、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンをコア層用不織布に内添、塗布又は含浸させた後は、そのコア層用不織布を乾燥することが好ましい。このような加熱工程を設けることにより、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンをコア層用不織布の表層領域に移行させることができる。さらに、バインダー成分を水掻き膜状に局在させることができる。
湿式抄紙法で繊維強化プラスチック成形体用基材を抄紙する際には、円網抄紙機、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙することが好ましい。
繊維強化プラスチック成形体用基材の製造工程は、さらに表面層用シートを形成する工程を含んでもよい。表面層用シートは、不織布でもフィルムでも好適に使用することができる。表面層用シートが不織布の場合は、ポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド及びナイロンから選択される少なくとも1種の繊維を湿式抄紙法又は乾式抄紙法で抄紙し、表面層用シートを形成する。表面層用シートが不織布の場合は、表面層用シートはバインダー成分を含んでもよい。また、表面層用シートがフィルムの場合は、既知の方法で製造された上記樹脂のフィルムを使用することができる。
コア層用不織布を形成する工程の後には、コア層用不織布と表面層用シートを積層する工程を含むことが好ましい。この場合、コア層用不織布は複数枚積層してもよく、表面層用シートはコア層用不織布の積層体の少なくとも一方の表面に積層される。コア層用不織布と表面層用シートを積層する工程では、コア層用不織布と表面層用シートを軽く熱プレスをしてもよい。また、コア層用不織布と表面層用不織布を湿式抄紙法で製造する場合は、多層抄きが可能な抄紙機を使用して、ウエットウエブの状態で重ね合わせ、これらを一体として乾燥させて繊維強化プラスチック成形体用基材を得ることもできる。多層抄きが可能な抄紙機としては、傾斜ワイヤーを複数備えた抄紙機、円網ワイヤーを複数備えた抄紙機、或いは傾斜ワイヤーと円網ワイヤーの双方を複数備えた、いわゆるコンビネーション型抄紙機が例示される。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材の製造工程では、抄紙工程において乾燥工程が設けられていることが好ましい。乾燥工程は、熱可塑性樹脂繊維が溶融したり熱変形したりしない範囲でなるべく高い温度で行うことが好ましい。このような乾燥工程は、コア層用不織布の抄紙工程後や表面層用シートが不織布の場合は、コア層用不織布及び表面層用シートの抄紙工程の後に、それぞれ設けてもよく、コア層用不織布と表面層用シートを積層した後に設けてもよい。これにより、繊維強化プラスチック成形体用基材の水分や揮発ガス分を減少させ、成形加工時における水蒸気や揮発ガスの発生に起因する塗装面の荒れを防ぐことができる。
(繊維強化プラスチック成形体の成形方法)
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上述した繊維強化プラスチック成形体用基材を加熱加圧成形することにより成形される。繊維強化プラスチック成形体用基材は、目的とする形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。
繊維強化プラスチック成形体は、繊維強化プラスチック成形体用基材を、熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱した金型によって加熱加圧成形することで成形される。また、繊維強化プラスチック成形体は、表面層用シートの不織布とコア層用不織布をそれぞれ別々に熱プレスした後、それらを積層して再び熱プレスすることで成形されてもよい。繊維強化プラスチック成形体は、コア層用不織布を熱プレスしたものの少なくとも一方の表面に表面層用シートを積層して熱プレスすることで成形されてもよい。
なお、上記の加熱加圧成形を行う前に、熱可塑性樹脂繊維が溶融したり熱変形したりしない範囲の高温の熱風や熱ロール等によって、繊維強化プラスチック成形体用基材等(コア層用不織布や表面層用シート)を加熱処理してもよい。これにより、繊維強化プラスチック成形体用基材の水分や揮発ガス分を減少させ、成形加工時における水蒸気や揮発ガスの発生に起因する塗装面の荒れを防ぐことができる。このような加熱処理を行った場合、いったん冷却してから加熱加圧成形を行ってもよいし、冷却せずに加熱加圧処理成形してもよい。
プレス成形の方法としては、各種存在するプレス成形の方法の中でも、大型の航空機などの成形体部材を作製する際によく使用されるオートクレーブ法や、工程が比較的簡便である金型プレス法が好ましく挙げられる。ボイドの少ない高品質な成形体を得るという観点からはオートクレーブ法が好ましい。一方、設備や成形工程でのエネルギー使用量、使用する成形用の治具や副資材等の簡略化、成形圧力、温度の自由度の観点からは、金属製の型を用いて成形をおこなう金型プレス法を用いることが好ましく、これらは用途に応じて選択することができる。
金型プレス法には、ヒートアンドクール法やスタンピング成形法を採用することができる。ヒートアンドクール法は、繊維強化プラスチック成形体用基材を型内に予め配置しておき、型締とともに加圧、加熱をおこない、次いで型締をおこなったまま、金型の冷却により該シートの冷却をおこない成形体を得る方法である。スタンピング成形法は、予め該基材を遠赤外線ヒーター、加熱板、高温オーブン、誘電加熱などの加熱装置で加熱し、熱可塑性樹脂を溶融、軟化させた状態で、成形体型の内部に配置し、次いで型を閉じて型締を行い、その後加圧冷却する方法である。また、低密度の成形体を得る場合など、成形時の温度が比較的低い場合は、ホットプレス法を採用することもできる。
成形用の金型は大きく2種類に分類され、1つは鋳造や射出成形などに使用される密閉金型であり、もう1つはプレス成形や鍛造などに使用される開放金型である。本発明の繊維強化プラスチック成形体用基材を用いた場合、用途に応じていずれの金型も使用することが可能である。成形時の分解ガスや混入空気を型外に排除する観点からは開放金型が好ましいが、過度の樹脂の流出を抑制するためには、成形加工中においては開放部をできるだけ少なくし、樹脂の型外への流出を抑制するような形状を採用することも好ましい。
さらに、金型には打ち抜き機構、タッピング機構から選択される少なくとも一種を有する金型を使用することができる。2段プレス機構を用いるなどの工夫で、熱プレス後に連続して、成形体を打ち抜き加工することも可能である。また、成形体は、その使用目的などによってはリブやボス等の強度補強・加工用の突起やネジ穴の形成、意匠性の付与を目的とした模様の付与を行うことができる。
繊維強化プラスチック成形体が多層構造である場合、他種の繊維強化プラスチック成形体用基材を積層して熱プレスで加熱加圧成形することもできる。また、繊維強化プラスチック成形体用基材を成形すると同時、或いは成形後にアウトサート成形やインサート成形によって、より複雑な形状部材を接着することも可能である。
成形後にアウトサート成形を行う場合、アウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。アウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体としては、例えば、図2又は図3に示したアウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体を例示することができる。図2及び図3は、アウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体の構成を説明する断面図である。
図2に示されているようにアウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体20においては、アウトサート成形部材15は、繊維強化プラスチック成形体1のコア層10側の面に付設されてもよい。
また、アウトサート成形部材15は、繊維強化プラスチック成形体1のコア層10と表面層14の両方に接するように付設されていてもよい。例えば、図3に示されているように、繊維強化プラスチック成形体1のコア層10側の面から繊維強化プラスチック成形体1の側面を覆うように付設することができる。
図4は、図3における点線囲い部の拡大断面図である。アウトサート成形部材15を繊維強化プラスチック成形体1の側面を覆うように付設した場合であって、表面層上の塗装が施された場合は、溶剤系塗料に含有される溶剤が、表面層14とアウトサート成形部材15の界面17から侵入し、更にコア層10とアウトサート成形部材15との界面16からコア層10に侵入することがある。そして、塗料乾燥時の加熱によって気化して体積膨張し、表面層14を突き破って揮発するため、塗装面にピンホールが生じて意匠性が低下するという現象が発生することがある。このような現象を防止するためには、コア層10が含有する熱可塑性樹脂の一部又は全部を、アウトサート成形部材15に使用される熱可塑性樹脂と同一成分の熱可塑性樹脂とすることが好ましい。例えば、アウトサート成形部材にポリカーボネート樹脂を使用する場合、コア層が含有する熱可塑性樹脂の一部又は全部をポリカーボネート樹脂とすることが好ましい。
アウトサート成形部材15が含有する熱可塑性樹脂のうち、コア層10が含有する熱可塑性樹脂と同一成分の含有率は、溶剤の侵入を抑制するという観点から、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。このような構成を採用することで、コア層10とアウトサート成形部材15の接着強度を高めることができるため、溶剤がコア層への侵入することを防ぐことができ、塗装面の意匠性を良好なものに保つことができる。
繊維強化プラスチック成形体用基材から繊維強化プラスチック成形体を成形する際には、具体的には、繊維強化プラスチック成形体用基材を150〜600℃の温度で加熱加圧成形することが好ましい。なお、加熱温度は、熱可塑性樹脂繊維が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
繊維強化プラスチック成形体を成形する際の圧力としては、5〜20MPaが好ましい。また、所望の保持温度に到達するまでの昇温速度は3〜20℃/分が好ましく、所望の熱プレス温度での保持時間としては1〜30分、その後、成形体を取り出す温度(200℃以下)までは圧力を維持しながら、3〜20℃/分の冷却速度とするのが好ましい。さらに、生産効率はやや落ちるものの、熱プレスの保持温度から熱可塑性樹脂のガラス転移温度までは空冷でゆっくりと0.1〜3℃/分で冷却することも、強度向上の観点からは好ましい。また、急速加熱、急速冷却(ヒートアンドクール)成形を用いて熱プレス成形することも可能であり、その場合の昇温、冷却速度はそれぞれ30〜500℃/分である。更に、赤外線ヒーターによる場合は、温度として150〜600℃、好ましくは200〜500℃で1〜30分間加熱し、その後30〜150MPaの圧力で成形することができる。
(繊維強化プラスチック成形体の用途)
本発明の繊維強化プラスチック成形体の用途としては、例えば、「OA機器、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットPC、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器、エアコンその他家電製品などの筐体、及び筐体に貼り付けるリブ等の補強材、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種フレーム、各種車輪用軸受、各種ビーム、ドア、トランクリッド、サイドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、などの外板またはボディー部品及びその補強材」、「インストルメントパネル、シートフレームなどの内装部品」、または「ガソリンタンク、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」、「エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング」、などの自動車、二輪車用部品、「ウィングレット、スポイラー」などの航空機用部品、「鉄道車両用の座席用部材、外板パネル、外板パネルに貼り付ける補強材、天井パネル、エアコン等の噴出し口」などの鉄道車両用部品、「樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)からなる成形体の補強材、樹脂と強化繊維からなる成形体の補強材、植物由来のシート(クラフト紙、段ボール、耐油紙、絶縁紙、導電紙、剥離紙、含浸紙、グラシン紙、セルロースナノファイバーシートなど)の補強材」などの部材、等に好適に使用される。
このように、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、強度が高く、また優れた難燃性を有するため安全性が高いので、電気、電子機器用の筐体、自動車用の構造部品、航空機用の部品、土木、建材用のパネル、その他多種多様な用途に好ましく用いられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下において、実施例3、4、6、7、9及び11〜13はそれぞれ、参考例3、4、6、7、9及び11〜13と読み替えるものとする。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
(コア層用不織布の作製)
繊維長12mmの炭素繊維(台湾プラスチック社製、CS815)をスラリー濃度0.5%となるように水中に投入し、分散剤としてエマノーン(登録商標)3199V(花王株式会社製)を、炭素繊維100質量部に対して1質量部となるよう添加した。尚、エマノーン3199Vはあらかじめ0.5%濃度の水溶液となるように水に溶解して添加した。その後、古紙離解用パルパーを用いて30秒間攪拌して初期分散を行った後、スラリー濃度0.15%となるように水で希釈した(炭素繊維スラリー)。
別容器にて、粉末のアニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤(MTアクアポリマー株式会社製、スミフロック)を溶解した水溶液を作製した。粉末のアニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤は、水溶液の全質量に対して、0.1質量%となるように添加し、攪拌した。この水溶液を、上記の炭素繊維スラリーに、添加した。水溶液の添加量は、水溶液の全質量に対して増粘剤の固形分が60ppmとなるように調整した。その後、攪拌し、炭素繊維がモノフィラメント化するまで分散させた。
次いで、太さ2.2dtex、繊維長15mmのポリエーテルイミド繊維(限界酸素指数47)と、PET/変性PET芯鞘バインダー繊維(クラレ社製 N−720)を、配合比が表1の配合比となるように計量した。これを、スラリー濃度が10%となるように別容器に分取した水中に投入してポリエーテルイミド繊維とバインダー繊維のスラリーを得た。尚、ポリエーテルイミド繊維は分散性が良好であったため、特に攪拌等の処置をせずとも十分に分散した。このスラリーを、炭素繊維スラリーに投入し、水で希釈して攪拌し、濃度0.2%の原料スラリーを得た。
そして、この原料スラリーを連続して傾斜ワイヤー型抄紙機に供給し、5.5L/minの速度で抄紙し、表1の抄紙坪量の幅50cmのコア層用不織布を抄造した。
(表面層用シートの作製)
太さ2.2dtex、繊維長15mmのポリエーテルイミド繊維と、繊維状PVAバインダー(クラレ社製 、VPB−105−2)を、質量比98:2となるように水中に投入し、スラリーを作製した。得られたスラリーをコア層用不織布と同様の方法で抄紙し、表1の坪量の幅50cmの表面層用シートを抄造した
(繊維強化プラスチック成形体の作製)
得られたコア層用不織布を4枚積層し、さらにその上に表面層用シートを1枚積層し、繊維強化プラスチック成形体用基材とした。この繊維強化プラスチック成形体用基材をホットコールドプレス機に挿入し、プレス圧10MPa、加熱温度300℃で5分間プレスし、70℃に冷却して繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例2〜4)
繊維強化プラスチック成形体のコア層の坪量及び表面層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例5)
表面層用シートをポリエーテルイミドフィルム(三菱樹脂株式会社製「スペリオ」)に変更し、繊維強化プラスチック成形体のコア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例6)
実施例3の表面層用シートに使用したポリエーテルイミド(PEI)繊維をポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維(東洋紡社製 「プロコン」繊維径2.2dtex、繊維長5mm)に変更し、繊維強化プラスチック成形体の各層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例3と同様にして、繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例7)
(難燃剤含有ポリカーボネート繊維の作製)
ポリカーボネート樹脂(A成分)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンS−3000(粘度平均分子量:21,000))と、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B成分)(テクノポリマー(株)製、商品名:290FF(220°C、49N荷重におけるメルトフローレート(MFR):50g/10分))と、ポリカーボネートオリゴマー(C成分)(三菱ガス化学(株)製、商品名:AL071(平均重合度:7))と、燐系難燃剤(D成分)(燐酸エステル、大八化学(株)製、商品名:PX−200化学式:[OC63(CH322P(O)OC64OP(O)[OC63(CH322)を質量比率 100/5.5/12/16となるように混合した。混合物は、30mmφの2軸押し出し機にて溶融混合し、ペレット化した樹脂組成物を得た。
得られたペレットを紡糸温度300℃にて、紡糸ノズル(孔径0.6mm)を用いて溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を250℃に冷却し、繊度100dtexの紡糸フィラメントを得た。得られたフィラメントを、ギロチンカッターで15mm長に切断し、難燃剤含有ポリカーボネート繊維を得た。
(繊維強化プラスチック成形体の製造)
コア層用不織布のPEI繊維を上記の難燃剤含有ポリカーボネートに変更し、坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例1と同様にして幅50cmのコア層用不織布を作製した。表面層用シートのPEI繊維をPP繊維(ダイワボウ社製、PZ)に変更し、表面層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した。そして、加熱温度を210℃に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例8)
コア層用不織布のPEI繊維をPPS(限界酸素指数34)繊維に変更し、坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例1と同様にして幅50cmのコア層用不織布を作成した。そして、表面層用シートのPEI繊維をPPS繊維に変更し、表面層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例9)
繊維強化プラスチック成形体のコア層及び表面層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整し、プレス圧を5MPaに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例10)
コア層用不織布の炭素繊維をEガラス繊維(繊維長13mm、繊維径10μm、オーウエンスコーニング社製 CS13JAGP195)に変更し、配合比を表1に示すとおりとした。そして、繊維強化プラスチック成形体の各層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例11)
コア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整し、表層のPEI繊維をナイロン6繊維(東レ社製「アミラン」に変更し、坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例12)
コア層用不織布の作製工程において、ポリエーテルイミド繊維に代えて、実施例7と同様にして得られた難燃剤含有ポリカーボネート繊維とポリエーテルイミド繊維の混合繊維(質量比:50/50)を用い、繊維強化プラスチック成形体のコア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(実施例13)
コア層用不織布の作製工程において、ポリエーテルイミド繊維に代えて、実施例7と同様にして得られた難燃剤含有ポリカーボネート繊維とポリエーテルイミド繊維の混合繊維(質量比:50/50)を用い、繊維強化プラスチック成形体のコア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例5と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た
(比較例1)
表面層用シートを設けず、コア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(比較例2)
表面層用シートの熱可塑性樹脂繊維をポリカーボネート繊維(繊維径30μm、繊維長15mm、ダイワボウ社製)に変更し、繊維強化プラスチック成形体の表面層及びコア層の坪量が表1に示すとおりとなるように原料スラリーの供給速度を調整した。また、加熱温度を245℃とした以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(比較例3)
表面層の坪量が360g/cm3となるポリカーボネートフィルム(帝人社製「パンライト(商標)PC−1151)に変更した以外は、比較例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(評価)
(難燃性評価)
実施例及び比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体の燃焼試験を、「機器及び部品に使用されるプラスチック材料の燃焼試験の安全性に関するUL規格、UL94 第6版 2013年3月28日付」に記載された、50W(20mm)垂直燃焼試験に準拠して行い、難燃性評価をV−0、V−1、V−2と分類し、これらのいずれにも該当しない物をV−不適合に分類した。V−0が難燃性が最も高く、V−1、V−2、V−不適合の順に難燃性が低下する。本発明では、難燃性評価がV−1以上のものを合格レベルとした。
(塗装適性評価)
実施例及び比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体の表面層に塗装を施し、塗装適性について外観を評価した。繊維強化プラスチック成形体の外観について、塗膜の状態を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。
○:表面の膨れやピンホールが発生していない。
△:わずかにピンホールが発生したが、実用上問題はない。
×:表面の膨れやピンホールが発生した。
Figure 0006720689
実施例で得られた繊維強化プラスチック成形体は、いずれも難燃性が高く、かつ塗装適性に優れていることがわかる。
一方、表面層を設けなかった比較例1、及び表面層に耐薬品性に劣るポリカーボネートを用いた比較例2においてはいずれも塗装後の外観が劣る結果となった。また、ポリカーボネートを厚くした比較例3においては、更に難燃性も劣る結果となった。
1 繊維強化プラスチック成形体
10 コア層
14 表面層
15 アウトサート成形部材
16 コア層とアウトサート成形部材との界面
17 表面層とアウトサート成形部材との界面
20 アウトサート成形部材を付設した繊維強化プラスチック成形体

Claims (8)

  1. コア層と、表面層と、前記表面層のコア層が設けられている面側とは反対側に塗装層とを有する繊維強化プラスチック成形体であって
    前記コア層は、強化繊維と熱可塑性樹脂とを含み(但し、前記コア層は難燃剤を含まず)、
    前記熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であり、
    前記表面層は、ポリエーテルイミド及びポリフェニレンサルファイドから選択される少なくとも1種を含み、
    表面層の坪量は60〜200g/m 2 であり、
    前記繊維強化プラスチック成形体の全体の密度は1.2g/cm 3 以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
  2. 前記表面層の膜厚は、前記コア層の膜厚の1/2以下である請求項1記載の繊維強化プラスチック成形体。
  3. 前記コア層の密度は1.2〜1.8g/cm3である請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  4. 前記熱可塑性樹脂は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂である請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  5. 前記コア層は、前記熱可塑性樹脂を、前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の合計質量に対して、40質量%以上含む請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  6. 前記強化繊維は、炭素繊維である請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  7. 厚みが1mm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  8. 厚みが0.2〜0.9mmである請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体。
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