JP6780736B2 - 繊維強化プラスチック成形体用シート - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]繊維強化プラスチック成形体用シートが難燃剤を含む場合、熱可塑性樹脂が難燃剤を含む熱可塑性樹脂である[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂繊維である[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]バインダー成分をさらに含み、バインダー成分は、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれている[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]強化繊維の質量平均繊維長が6〜100mmである[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]繊維強化プラスチック成形体用シートが難燃剤を含む場合、熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート又はポリアミドである[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[7]限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミドである[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性樹脂の融点又はガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成される繊維強化プラスチック成形体であって、繊維強化プラスチック成形体における厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.5〜1.0であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
[9]厚みが0.4〜1.0mmである[8]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[10]曲げ強度の相乗平均値が200MPa以上である[8]又は[9]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[11]繊維強化プラスチック成形体は、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成されている[8]〜[10]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[12]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含み、熱可塑性樹脂繊維は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維であるか、もしくは、繊維強化プラスチック成形体用シートは難燃剤を含み、湿式抄紙する工程は、
(A)円網抄紙機を用いて抄速5m/分以上で抄紙する工程、もしくは、
(B)長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であり、
湿式抄紙する工程が(B)長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程を含む場合、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.95以下となるように走行することを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[13]スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.00mPaを超え4.00mPa以下である[12]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[14]湿式抄紙する工程は、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程である[12]又は[13]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
本発明は、強化繊維と、熱可塑性樹脂を含有する繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。本発明では、熱可塑性樹脂は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、繊維強化プラスチック成形体用シートは難燃剤を含む。また、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値は0.5〜1.0である。
なお、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)は、たとえば繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法等を適切に選択することによって制御することが可能である。
樹脂包埋の方法としては、電子顕微鏡観察や光学顕微鏡観察で一般的に用いられる方法を採用することができる。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートを幅5mm、長さ10mmに切断し、上述した包埋用エポキシ樹脂を少なくとも試験片の表面が全て覆われるまで滴下して含浸させ、硬化させる。また、包埋用エポキシ樹脂の滴下は、たとえばスポイト等を用いて行うことができる。
本発明では、エポキシ樹脂で包埋して、厚み方向の断面を切り出すことにより、切断時のせん断力で繊維の角度が変わってしまうことを防ぐことができる。
fp=2×Σ(cos2θi/n)−1 式(1)
ここで、θiは基準線に対する選び出した強化繊維の配向角度(i=1〜n)である。
基準線を設定する際には、まず仮基準線pを選択し、上記測定領域内に存在する視認し得る全ての強化繊維n本の角度を測定する。この場合、仮基準線pと各繊維の角度は、α(p)i(i=1〜n)で表される。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維n本の角度を算出する。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜n)で表される。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値の絶対値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線Pとすることができる。このように決定した基準線Pから算出される繊維配向パラメーターを、厚み方向における繊維配向パラメーター(fp)とすることができる。
図1(b)では、上記の方法で決定された基準線はPで表される点線であり、各強化繊維の配向は、各々QとRの点線で表されている。なお、図1(b)において、P'とした点線は基準線と平行な線であり、基準線Pと、各強化繊維の配向線(Q及びR)がなす角度をわかりやすく説明するための補助線である。図1(b)では、P'とQがなす角度(配向角度θ1)は0°であるため、P'とQは重なっている。また、P'とRがなす角度(配向角度θ2)はθ2として表されている。このようにして、θ1〜θnが測定される。なお、図1(b)では、強化繊維の配向状態を確認しやすくするために、強化繊維のみを図示している。
(a)プレス圧を10MPa、プレス速度を3.5cm/secで加圧する。
(b)繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度(g/cm3)をPとし、繊維強化プラスチック成形体用シートを、上記(a)の条件で加圧しつつ、加熱した際に得られる繊維強化プラスチック成形体のかさ密度(g/cm3)をQとした場合に、Q/P≧0.7となるように加熱する。
従来の繊維強化プラスチック成形体101では、表面に垂直な方向に配向している強化繊維が多く、表面に平行な面上の強化繊維の密度が低くなる。また、垂直な方向に配向している強化繊維20’が、繊維強化プラスチック成形体101の表面に平行に配向している強化繊維20の間に入り込むことで強化繊維間の距離が広くなっている。このため、溶けた熱可塑性樹脂が触れる強化繊維の本数が少なくなり、溶けた熱可塑性樹脂の表面張力が十分に働かず、溶解した熱可塑性樹脂の滴60が滴下する。
本発明の繊維強化プラスチック成形体100では、表面に垂直な方向に配向している強化繊維が少なく表面に平行な面上の強化繊維の密度が高くなる。また、表面に平行な方向に配向している強化繊維20が隙間なく並び、強化繊維間の距離が短くなっている。このため、溶けた熱可塑性樹脂が触れる強化繊維の本数が増え、熱可塑性樹脂の表面張力が働き、溶けた熱可塑性樹脂の滴60が滴下するのを抑えることができる。これにより、繊維強化プラスチック成形体の不滴下性が向上し、その結果難燃性が高められている。
ここで、曲げ強度の相乗平均値とは、繊維強化プラスチック成形体における繊維の配向方向(MD方向)と強化繊維の配向方向と直交する方向(CD方向)の曲げ強度の相乗平均値であり、以下の式で表される強度をいう。
曲げ強度の相乗平均値=√(FMD×FCD)
ここで、FMDはFD方向の曲げ強度を表し、FCDはCD方向の曲げ強度を表す。
本発明では、スライドガラスで挟んだ試験片の一方の面について光学顕微鏡にて観察する。光学顕微鏡には、キーエンス社製、マイクロスコープを用い、モノフィラメントが視認できる倍率に拡大して反射光にて、または反射光と透過光を併用して繊維を観察する。本実施形態においては、たとえば上記倍率を300倍、600倍、および800倍から選択することができる。これにより、一方の面のうちの任意に選択される連続した2.0mm2の測定領域を観察し、この測定領域中に存在する視認し得る全ての強化繊維(繊維数はm本とする)の配向角度θiを測定する。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とする。繊維配向パラメーター(fp、以下fp値ともいう)は、上記の方法で測定した配向角度θiから以下の式(2)を用いて算出することができる。
fp=2×Σ(cos2θi/m)−1 式(2)
ただし、i=1〜mである。
そして、反対面についても同様に測定し、一方の面と反対面の平均値を求めて、これを平面方向の繊維配向パラメーター(fp)とする。なお、一方の面の測定領域と反対面の測定領域は、たとえば平面視において重なる領域である。また、一方の面および反対面のいずれの観察においても、たとえば一方の面および反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察することができる。
基準線を設定する際には、まず仮基準線pを選択し、上記測定領域内に存在する視認し得る全ての強化繊維m本の角度を測定する。この場合、仮基準線pと各繊維の角度は、α(p)i(i=1〜m)で表される。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維m本の角度を算出する。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜m)で表される。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線Pとすることができる。このように決定した基準線Pから算出される繊維配向パラメーターを、平面方向における繊維配向パラメーター(fp)とすることができる。
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
なお、本明細書において、質量平均繊維長は、100本の繊維について測定した繊維長の平均値である。
なお、本明細書において、平均繊維径は、100本の繊維の繊維径を測定した繊維径の平均値である。
強化繊維としては炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維を用いると、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を成形することができる。強化繊維に含まれる炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等の炭素繊維を用いることができる。これらの炭素繊維は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。また、これら炭素繊維の中でも、工業規模における生産性及び機械特性の観点から、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.5〜1.0である。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、強化繊維の厚み方向の配向は一定方向である。
(a)プレス圧を10MPa、プレス速度を3.5cm/secで加圧する。
(b)繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度(g/cm3)をPとし、繊維強化プラスチック成形体用シートを、上記(a)の条件で加圧しつつ、加熱した際に得られる繊維強化プラスチック成形体のかさ密度(g/cm3)をQとした場合に、Q/P≧0.7となるように加熱する。
繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度=(強化繊維の真密度×質量比)+(熱可塑性樹脂の真密度×質量比)+(バインダーの真密度×質量比)
ピクノメーター法(液相置換法)はJIS R 1620「ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法」に準拠した方法で、エタノール水溶液、ブタノール等の液に繊維強化プラスチック成形体用シートを漬け、アルキメデスの原理で、体積を測定する方法である。繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度は、繊維強化プラスチック成形体用シートの重さを上記の方法で測定した体積で除すことによって算出することができる。
また、気相置換法は、JIS R 1620「ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法」に準拠した方法で、ヘリウムガス等で置換して、体積を測定する方法である。繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度は、繊維強化プラスチック成形体用シートの重さを上記の方法で測定した体積で除すことによって算出することができる。
(1)繊維強化プラスチック成形体用シートの目付けが、以下の通りとなるように重ねる。目付け(g/m2)=真密度(g/cm3)×1(mm)×1000
(2)(1)の繊維強化プラスチック成形体用シートの積層物を所定の厚さとなるように加熱加圧成形し、得られた成形体を10〜15cm×10〜15cm程度になるように切り出す。
(3)得られた成形体の縦(cm)と横(cm)をノギスで測定する。また、厚さをマイクロメーターで四辺端部と中央部の合計5点を測定し、厚さの平均値(μm)を求める。
(4)成形体の質量を0.1g単位で測定する。
(5)得られたデータより、下記式にてかさ密度を求める
かさ密度(g/cm3)=成形体質量(g)÷(成形体長さ(cm)×成形体幅(cm)×厚さ(μm)×10-4)
また、上述した加熱加圧処理を行う際には、事前に熱プレス機を40℃に加熱しておくことが好ましい。
ポリカーボネート:ガラス転移温度Tg 145℃、プレス温度245℃
ポリエーテルイミド:ガラス転移温度Tg 217℃、プレス温度317℃
ポリプロピレン:融点Tm160℃、プレス温度 190℃
ナイロン6:融点Tm225℃、プレス温度 255℃
ここで、繊維強化プラスチック成形体の中心面に対して±20°以内となるように配向している強化繊維の割合は、下記の方法で求めることができる。具体的には、繊維強化プラスチック成形体の断面を切り出して三次元計測X線CT装置にて撮影し、この撮影画像から100〜130本の強化繊維を選択して中心面とのなす角度を測定することで求めることができる。
熱可塑性樹脂は、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂であるか、もしくは、繊維強化プラスチック成形体用シートが難燃剤を含む場合、難燃剤を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂として、限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂と、難燃剤を含む熱可塑性樹脂を併用してもよい。
熱可塑性樹脂が繊維形態をしている場合、熱可塑性樹脂繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤を配合することができる。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ブロム化イミド等が挙げられ、中でも、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、エチルホスフィン酸金属塩、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、リン酸エステル、ホスファゼン等が挙げられ、中でも、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、ホスファゼンが熱安定性に優れる点から好ましい。また、成形時のガスやモールドデポジットの発生、難燃剤のブリードアウトを抑制するために、リン系難燃剤と相溶性に優れる熱可塑性樹脂を配合してもよい。このような熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂である。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、該難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
難燃助剤を用いる場合は、難燃助剤も難燃剤と共に熱可塑性樹脂に含有させることが好ましい。
本発明では、バインダー成分は、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。また、繊維の断面形状は円形に限定されず、楕円形等、異形断面のものも使用できる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含む。ここで、熱可塑性樹脂繊維は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維であるか、もしくは、繊維強化プラスチック成形体用シートは難燃剤を含む。また、湿式抄紙する工程は、(A)工程または(B)工程を含む。
(A)円網抄紙機を用いて抄速5m/分以上で抄紙する工程。
(B)長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程。湿式抄紙する工程が(B)長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程を含む場合、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.95以下となるように走行する。
なお、湿式抄紙する工程は、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であることが好ましく、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であることがより好ましい。
本発明の製造方法において、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いる場合、ジェットワイ
ヤー比は0.95以下であればよい。本発明の製造方法では、ジェットワイヤー比を上記範囲とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値を所望の範囲内とすることができる。
なお、ここでいうスラリーとは、抄紙工程直前のスラリーをいい、インレット中のスラリーのことである。また、スラリーの分散媒の粘度を測定する際は、インレットのスラリーを500ml採取し、150メッシュの金属製のフルイで繊維をろ過して得られるろ液を用いて測定する。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする成形体の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。繊維強化プラスチック成形体用シートは、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的な繊維強化プラスチック成形体用シートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの成形方法は特に限定されず、成形体の用途等に応じて選択が可能である。代表的な方法としてはプレス成形が例示される。また、プレス成形の方法としては、各種存在するプレス成形の方法の中でも、大型の航空機などの成形体部材を作製する際によく使用されるオートクレーブ法や、工程が比較的簡便である金型プレス法が好ましく挙げられる。ボイドの少ない高品質な成形体を得るという観点からはオートクレーブ法が好ましい。一方、設備や成形工程でのエネルギー使用量、使用する成形用の治具や副資材等の簡略化、成形圧力、温度の自由度の観点からは、金属製の型を用いて成形をおこなう金型プレス法を用いることが好ましく、これらは用途に応じて選択することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の用途としては、例えば、「OA機器、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットPC、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器、エアコンその他家電製品などの筐体、及び筐体に貼り付けるリブ等の補強材、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種フレーム、各種車輪用軸受、各種ビーム、ドア、トランクリッド、サイドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、などの外板またはボディー部品及びその補強材」、燃料電池用のセパレーターや拡散層、「インストルメントパネル、シートフレームなどの内装部品」、または「ガソリンタンク、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」、「エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング」、などの自動車、二輪車用部品、「ウィングレット、スポイラー」などの航空機用部品、「鉄道車両用の座席用部材、外板パネル、外板パネルに貼り付ける補強材、天井パネル、エアコン等の噴出し口」などの鉄道車両用部品、「樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)からなる成形体の補強材、樹脂と強化繊維からなる成形体の補強材、植物由来のシート(クラフト紙、段ボール、耐油紙、絶縁紙、導電紙、剥離紙、含浸紙、グラシン紙、セルロースナノファイバーシートなど)の補強材」などの部材等に好適に使用される。
このように、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、強度が高く、また優れた不滴下性を有するため安全性が高いので、電気、電子機器用の筐体、自動車用の構造部品、航空機用の部品、土木、建材用のパネル、その他多種多様な用途に好ましく用いられる。
(難燃剤含有ポリカーボネート繊維の製造)
ポリカーボネート樹脂(A成分)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンS−3000(粘度平均分子量:21,000))と、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B成分)(テクノポリマー(株)製、商品名:290FF(220°C、49N荷重におけるメルトフローレート(MFR):50g/10分))
と、ポリカーボネートオリゴマー(C成分)(三菱ガス化学(株)製、商品名:AL071(平均重合度:7))と、燐系難燃剤(D成分)(燐酸エステル、大八化学(株)製、商品名:PX−200化学式:[OC6H3(CH3)2]2P(O)OC6H4OP(O)[OC6H3(CH3)2]2)を質量比率 100/5.5/12/16となるように混合した。混合物は、30mmφの2軸押し出し機にて溶融混合し、ペレット化した樹脂組成物を得た。
得られたペレットを紡糸温度300℃にて、紡糸ノズル(孔径0.6mm)を用いて溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を250℃に冷却し、繊度100dtexの紡糸フィラメントを得た。得られたフィラメントを、ギロチンカッターで15mm長に切断し、難燃剤含有ポリカーボネート繊維を得た。
このスラリーに分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を繊維(PAN系炭素繊維とポリカーボネート繊維の合計)100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを作製した。
なお、スラリーの分散媒は、インレットのスラリーを500ml採取し、150メッシュの金属製のフルイで繊維をろ過して得られるろ液である。また、繊維強化プラスチック成形体用シートのfp値の絶対値は表1に示した。
得られた各繊維強化プラスチック成形体用シートを、9枚積層し、プレス速度を3.5cm/secで上昇させ、プレス圧を10MPaとして260℃まで昇温し、60秒加熱加圧した後、70℃に冷却して厚み1.0mmの繊維強化プラスチック成形体を得た。繊維強化プラスチック成形体用シートの真密度(g/cm3)をPとし、かさ密度(g/cm3)をQとして表1に示した。
得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを表1に記載した重ね枚数となるように積層し、プレス速度を3.5cm/secで上昇させ、プレス圧を10MPaとして260℃まで昇温し、60秒加熱加圧した後、70℃に冷却して表1に記載した厚さの繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例2は、実施例1のウエットウエブを形成するための抄紙機を傾斜ワイヤーマシンに変更し、白水循環流量、アニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤、及び抄速を調整して、ジェットワイヤー比を0.90に調整した。それ以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。尚、この際は傾斜ワイヤーマシンのワイヤーに備えられた4個の脱水ボックスの吸引力を個々に調整し、4個がほぼ同量の脱水量となるように調整した。更に、アニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤「スミフロック(MTアクアポリマー株式会社製)の水溶液をインレット内に適宜添加することで、スラリーの分散媒の粘度(JIS Z 8803「液体の粘度測定方法」に規定された測定方法により測定した液温25℃における粘度)を表1に示すとおりに調整して抄造した。
その他は実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
分散媒の粘度を表1の通りとし、ジェットワイヤー比を0.50に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
分散媒の粘度を表1の通りとし、PAN系炭素繊維の繊維長を25mmとし、ジェットワイヤー比を0.25に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対し、PAN系炭素繊維を40質量部、難燃剤含有ポリカーボネート樹脂繊維を57質量部、それぞれ配合し、分散媒の粘度を表1の通りとし、ジェットワイヤー比を0.25に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
分散媒の粘度を表1の通りとし、原料スラリーを順流で供給した以外は、実施例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
難燃性ポリカーボネート繊維をポリエーテルイミド繊維(クラレ社製、繊維径2.2dtex×15mm)に変更し、分散媒の粘度を表の通りとした以外は、実施例6と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
難燃性ポリカーボネート繊維をポリエーテルイミド繊維(クラレ社製、繊維径2.2dtex×15mm)に変更し、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は、実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
実施例8で使用した難燃性ポリカーボネート繊維の代わりに難燃性ナイロン6繊維を使用し、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は、実施例8と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
尚、難燃性ナイロン6繊維は、難燃性ポリカーボネート樹脂の製造に使用したA成分、B成分及びC成分に代えてナイロン6樹脂ペレット(ユニチカ社製 ユニチカナイロン6 A1030JR)を使用した以外は、実施例1の難燃性ポリカーボネート樹脂繊維の製造方法に準じて製造した。
実施例8の難燃性ポリカーボネート繊維の一部をポリエーテルイミド繊維に置き換え、表1に示す配合とし、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は実施例8と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
実施例8のポリエーテルイミド繊維の一部をポリカーボネート繊維(ダイワボウポリテック社製、30μφ×15mm)に変更して表1に示す配合とし、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は実施例8と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
実施例7において炭素繊維をガラス繊維に変更して表1に示す配合とし、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は実施例7と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
実施例8において炭素繊維をガラス繊維に変更して表1に示す配合とし、分散媒の粘度を表1の通りとした以外は実施例8と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
実施例2について、アニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤の添加量を減らして分散媒の粘度を表1のとおり調整し、傾斜ワイヤーに備えた4個の脱水ボックスの吸引力を全て同じにした上で、ジェットワイヤー比を0.90に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
(難燃剤含有ポリカーボネート樹脂粉末の作製)
難燃剤含有ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人製LN−2520A)を凍結粉砕し、平均1次粒子径800μmの難燃剤含有ポリカーボネート樹脂粉末を得た。
表2の実施例15に記載の通り、難燃剤含有ポリカーボネート繊維を、上記にて得られた難燃剤含有ポリカーボネート樹脂粉末に変更し、ジェットワイヤー比を0.88に調整した以外は、実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
ジェットワイヤー比を0.51に調整し、分散媒の粘度を表の通りとした以外は、実施例15と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
表3の比較例1に記載の通り、分散媒の粘度を調整し、ジェットワイヤー比を1.3に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
分散媒の粘度を表3の通りとし、ジェットワイヤー比を3.5に調整した以外は実施例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
比較例1の難燃剤含有ポリカーボネート樹脂繊維をポリエーテルイミド繊維(クラレ社製、繊維径2.2dtex×15mm)に変更し、分散媒の粘度を表3の通りとした以外は、比較例1と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
比較例2の炭素繊維をガラス繊維に変更し、難燃剤含有ポリカーボネート樹脂繊維をポリエーテルイミド繊維に変更して表3に示す配合とし、分散媒の粘度を表3の通りとした以外は、比較例2と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート、強化繊維の角度測定用及び曲げ強度の測定用の繊維強化プラスチック成形体と、燃焼試験用の繊維強化プラスチック成形体をそれぞれ作製した。
<厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp値)の測定>
実施例・比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを幅5mm、長さ10mmに切断し、紫外線硬化タイプの包埋用エポキシ樹脂(日本電子株式会社製、アロニックス LCA D−800)を、試験片の表面全面を覆うようにスポイトを用いて滴下して含浸させ、紫外線を照射して硬化させた。
そして、日本分光株式会社製、スライスマスター HS−1を用いて、断面観察用試験片から幅0.4mm、長さ10mmの試験片を切り出した。なお、切断方向は、図1(b)におけるB−B'方向とした。B−B'方向とは、後述する方法で求めた平面方向の基準線と平行な方向である。
得られた試験片の厚み方向の断面を、キーなお、エンス社製、マイクロスコープで、300倍に拡大して透過光にて強化繊維を観察した。ここでは、上記断面のうちの連続した1.5mm2の測定領域を観察した。また、試験片の観察面およびその反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察を行った。そして、上記測定領域中に存在する、観察像において視認し得る全ての強化繊維(繊維数はn本とする)について、後述する方法で設定した基準線に対する角度θi(i=1〜n)を測定した。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とした。そして、設定された基準線に対する繊維の角度θiから、以下の式(1)を用いて厚み方向の繊維配向パラメーターを算出した。
fp=2×Σ(cos2θi/n)−1 式(1)
仮基準線pとした際の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出した。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維n本の角度を算出した。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜n)で表した。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出した。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値の絶対値うち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線とした。
実施例・比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを幅3cm×長さ3cmとなるように切り出し、この試験片をスライドガラスで挟み、当該試験片の一方の面を光学顕微鏡にて観察した。光学顕微鏡には、キーエンス社製、マイクロスコープを用い、300倍に拡大して反射光にて強化繊維を観察した。ここでは、上記一方の面のうちの連続した2.0mm2の測定領域を観察した。そして、この測定領域中に存在する、観察像において視認し得る全ての強化繊維(繊維数はm本とする)について、後述する方法で設定した基準線に対する角度θi(i=1〜m)を測定した。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とした。そして、設定された基準線に対する繊維の角度θiから、以下の式(2)を用いて厚み方向の繊維配向パラメーターを算出した。
fp=2×Σ(cos2θi/m)−1 式(2)
そして、反対面についても同様に測定し、一方の面と反対面の平均値を求めて、これを平面方向の繊維配向パラメーター(fp)とした。なお、一方の面の測定領域と反対面の測定領域は、平面視において重なる領域とした。また、一方の面および反対面のいずれの観察においても、一方の面および反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察を行った。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出した。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維m本の角度を算出した。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜m)で表した。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出した。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値の絶対値うち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線とした。
強化繊維と繊維強化プラスチック成形体の中心面となす角度は、以下の通り測定した。まず、実施例及び比較例で得られた強化繊維の角度測定用繊維強化プラスチック成形体について、MD方向の断面を切り出した。この断面の強化繊維を、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学製:商品名「TDM1000−IS/SP」)で撮影し、三次元ボリュームレンダリングソフト(NVS製:「VG−Studio MAX」)にて断面の画像を得た。そして、得られた断面画像について、Z軸方向に任意に10本の10μmのライン∨を引き、そのラインに接して見える繊維全てについて、図4の白線で示したとおり、強化繊維と繊維強化プラスチック成形体の中心面とのなす角度を測定した。具体的には、繊維強化プラスチック成形体の中心面と平行な線はラインH(点線)で表しており、このラインHと強化繊維がなす角度を測定した。測定した繊維の本数は100〜130本程度とした。そして、測定した強化繊維の全本数に対する、繊維強化プラスチック成形体の中心面となす角度が±20°以内である繊維の占める繊維本数の割合を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた曲げ強度測定用繊維強化プラスチック成形体を、JIS K 7074 炭素繊維強化 プラスチックの曲げ試験方法に従って、繊維の配向方向(マシンディレクション、以下MDとする)及び繊維の配向と直角方向(クロスディレクション、以下CDとする)について測定し、強度及びMD方向とCD方向の強度比を表1〜3に示した。
曲げ強度の相乗平均値=√(FMD×FCD)
ここで、FMDはMD方向の曲げ強度を表し、FCDはCD方向の曲げ強度を表す。
実施例及び比較例で得られた燃焼性試験用成形体を、幅13mm、長さ125mmに切り出して試験片とした。この試験片の上端をクランプに取り付け、下端(幅方向の辺)中央に、長さ20mmの炎を10秒間接炎させ、その後炎を試験片から離し、消化後直ちに10秒間再び接炎し、炎を除去してから滴下物の有無を観察した。この場合、繊維強化プラスチック成形体の12インチ下には、外科用脱脂綿を置き、着火の有無を記録した。そして、試験片からの滴下物及び脱脂綿の状態を観察し、以下の通り燃焼性を評価した。なお、評価に用いた長さ20mm長の炎は、UL規格のUL94垂直燃焼性試験に規定された20mm長の青色炎である。
○:滴下物が生じない。
△:滴下物は生じるが極少量であり、綿の着火が生じない。
×:滴下物により綿の着火が生じる。
20 強化繊維
20’ 強化繊維
25 熱可塑性樹脂
40 包埋用エポキシ樹脂
45 断面観察用試験片
50 炎
60 溶解した熱可塑性樹脂の滴
100 繊維強化プラスチック成形体
101 従来の繊維強化プラスチック成形体
P 基準線
P' 基準線と平行な線(補助線)
Q 基準線に対する強化繊維の角度を表す線
R 基準線に対する強化繊維の角度を表す線
Claims (2)
- 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含み、
前記熱可塑性樹脂繊維は限界酸素指数が30以上の熱可塑性樹脂繊維であるか、もしくは、前記スラリーは難燃剤を含み、
前記湿式抄紙する工程は、順流方式又は逆流方式の円網抄紙機を用いて抄速5m/分以上で抄紙する工程であり、
前記スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.00mPa超え4.00mPa以下である、繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。 - 前記円網抄紙機の円網の直径は50cm以上である請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
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